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岩SHOWの「デイリー・デッキ」

2017.03.17

岩SHOWの「デイリー・デッキ」:猫図鑑(スタンダードまとめ)

by 岩SHOW

 プロツアー『霊気紛争』の勝ち組デッキは?......うん、「マルドゥ機体」だったね。さらに、よりコントロール要素の強い「マルドゥ・バリスタ」という派生形もデッキとして定着した。

 このマルドゥ(白黒赤)カラーのデッキが隆盛した要因は、《サヒーリ・ライ》×《守護フェリダー》コンボに対してデッキの形を歪めずにナチュラルに強いという点があげられる。《無許可の分解》でサヒーリとフェリダーを2枚抜きできるのがやっぱり強いね。

 ということだったんだが......最近では少々事情が変わってきた。デッキ構築、プレイングの進化により......「コピーキャット」側も機体デッキを相手取って戦えるようになった。除去カードで対処できるとは言っても、2枚揃えばその瞬間に勝利というコンボはやはり脅威だ。

 今日は「コピーキャット」のデッキリストをいろいろと紹介してみよう。どれもが根っこの部分では共通した構築であり、違いは微々たるもの。しかしその微差を突き詰めてこそのマジック。各プレイヤーの妙技を楽しませてもらおう。

Lukas Blohon - 「4色コピーキャット」
2016 Magic Online Championship 準優勝 / スタンダード (2017年3月3~5日)
5 《森》
1 《島》
1 《山》
1 《平地》
4 《植物の聖域》
2 《獲物道》
2 《尖塔断の運河》
4 《霊気拠点》
1 《進化する未開地》

-土地(21)-

4 《導路の召使い》
4 《ならず者の精製屋》
4 《つむじ風の巨匠》
4 《守護フェリダー》

-クリーチャー(16)-
4 《霊気との調和》
4 《ニッサの誓い》
4 《蓄霊稲妻》
3 《チャンドラの誓い》
4 《サヒーリ・ライ》
3 《反逆の先導者、チャンドラ》
1 《実地研究者、タミヨウ》

-呪文(23)-
3 《不屈の追跡者》
2 《領事の権限》
2 《払拭》
1 《自然のままに》
2 《否認》
2 《バラルの巧技》
3 《グレムリン解放》

-サイドボード(15)-
2016 Magic Online Championship イベントカバレージ より)

 先日開催されたMagic Online Championships(MOCS)。毎月開かれる予選を通過し、四半期に一度のプレイオフで勝利する、などの条件をクリアした......まあ要するにMO超強いヤツらが集い、オンライン世界一を決定するトーナメントだ。王者ジョシュ・アター=レイトン/Josh Utter-Leytonと決勝戦にて熱い名勝負を演じたのはルーカス・ブロホン/Lukas Blohon。彼が選択したスタンダードのデッキこそ、「コピーキャット」であった。

 《サヒーリ・ライ》と《守護フェリダー》を用いたデッキは、プロツアー前でこそジェスカイ(白青赤)と黒を除く4色とで2つの形があったが、サヒーリ包囲網を経て現在生き残ったのはひとつ。4色型だ。コントロールのフィニッシャーとして用いるには、このコンボはそれほど強くはなかったのだ(対戦相手が撃つところがなく握り続けた除去でサックリやられてしまう)。

 4色型はコンボデッキ......に分類するよりは、コンボ要素を備えたクリーチャー主体の中速デッキ(ミッドレンジ)と考えるのがベストか。《霊気拠点》《霊気との調和》《導路の召使い》《ならず者の精製屋》とエネルギーを得る手段を多数搭載。これらを展開し、《蓄霊稲妻》で除去、《つむじ風の巨匠》でブロッカー/アタッカーを用意する。これだけでも十分、ゲームに勝利することができる。

 これらのパーマネントを《守護フェリダー》でブリンク(※1)してやればアドバンテージを稼げる。《チャンドラの誓い》《ニッサの誓い》も同じく、ブリンクしてやれば美味しいエンチャント。これらを駆使して盤面を自分の有利な形に持っていったり、のらりくらりと相手の攻撃を受け流したり。そういうゲームプランで進めていって、相手が隙を見せたらその瞬間にフェリダーをサヒーリでコピー、フェリダーでサヒーリブリンク......と無限にトークンを生成し、ワンショットキル!

 地上戦には強いデッキなので、プレインズウォーカーを強く使えるのも特徴。いずれもフェリダーと組み合わせればアドバンテージを稼ぎまくるが、目を瞠るものはやはり《実地研究者、タミヨウ》。パーマネント4枚タップや2枚タップ&2枚ドローしたり......ムチャクチャできて気持ちいい。

(※1:明滅とも。パーマネントを一時的に追放し戦場にまた戻す能力の総称)

浦瀬 亮佑 - 「4色コピーキャット」
2016 Magic Online Championship 3位 / スタンダード (2017年3月3~5日)
5 《森》
1 《島》
1 《山》
1 《平地》
4 《植物の聖域》
1 《燃えがらの林間地》
3 《尖塔断の運河》
1 《感動的な眺望所》
4 《霊気拠点》

-土地(21)-

4 《導路の召使い》
4 《ならず者の精製屋》
4 《つむじ風の巨匠》
4 《守護フェリダー》

-クリーチャー(16)-
4 《霊気との調和》
4 《ニッサの誓い》
4 《蓄霊稲妻》
3 《チャンドラの誓い》
4 《サヒーリ・ライ》
3 《反逆の先導者、チャンドラ》
1 《実地研究者、タミヨウ》

-呪文(23)-
2 《不屈の追跡者》
2 《歩行バリスタ》
1 《払拭》
1 《ショック》
2 《自然廃退》
2 《否認》
1 《チャンドラの誓い》
1 《金属の叱責》
2 《領事の旗艦、スカイソブリン》
1 《反逆の先導者、チャンドラ》

-サイドボード(15)-
2016 Magic Online Championship イベントカバレージ より)

 MOCSにて「コピーキャット」をスタンダードのデッキとして使用したプレイヤーは5名(※2)。この人気の高さからも、このデッキの実力が窺えるもの。唯一の日本のプレイヤーとして参加した浦瀬亮佑もこのデッキを使用し、並み居る世界の強豪らを押しのけてTOP4入賞という快挙を成し遂げた(※3)。

(※2:全参加者16名。最大勢力は「マルドゥ機体」の8名。残りは「黒緑巻きつき蛇アグロ」「黒緑昂揚」「ティムール・マーベル」)

(※3:先に挙げた2人も、ブロホンはプロツアー王者、アター=レイトンはプロツアーTOP8なんと6回(2度の世界選手権含む)と正真正銘の怪物。これに加えて「2016年世界王者」ブライアン・ブラウン=ドゥイン/Brian Braun-Duin、「ドラフトマスター」マルシオ・カルヴァリョ/Marcio Carvalho、「カナダの精密機械」ジェイコブ・ウィルソン/Jacob Willson、「香港が生んだスーパースター」李詩天/Lee, Shi Tian、「THE最強」オーウェン・ターテンワルド/Owen Turtenwaldといった世界最強クラスのプレイヤーが集結。後半3人に関してはそれっぽい通り名をつけてみたかっただけというのは内緒だ。)

 浦瀬のリストは一見ブロホンのものと大差がないようだが、ほんの微差を見るとマナベースが異なる。浦瀬は《感動的な眺望所》も採用して序盤に赤マナを得つつ白マナを出しやすい形にしている。ブロホンのリストはこれを取らない代わりに、緑マナを生み出す土地および《進化する未開地》を合計すると16枚。浦瀬の緑マナソース14枚と明確な差をつけている。

 強い3色以上のデッキが常に向き合う命題・マナ基盤。どちらの構築が正しいか、というよりは両方使ってみて自分に合ったものに調整するというのが大事なのだろう。同じ赤緑2色土地でも《獲物道》と《燃えがらの林間地》という異なる性質の土地をチョイスしている点も興味深い。今日紹介するリストすべてのマナ基盤に目を通してくれると、まとめた者としてはうれしい限りだ。

 ここにあるリストをそのまんまコピーせずに、1枚ずつ土地を採用してどれが自分のプレイスタイルに合っているのか、などをフライデー・ナイト・マジックなんかで確かめながら、グランプリというでっかい本番(今週末!)に備えてくれたらうれしいね。

 サイドボードに《領事の旗艦、スカイソブリン》《歩行バリスタ》が採られているのも特徴。スカイソブリンはコンボ対策を積んでくる対戦相手に対して別の勝ち手段として機能してくれる。プレインズウォーカーにダメージを与えて対処しやすくなるのもポイントだ。《歩行バリスタ》は言わずもがな同型対策。対戦相手のコンボに牽制をかけつつ、長期戦になればデカくなる凄いヤツ。《反逆の先導者、チャンドラ》からマナを生み出して唱えたいところだ。

Thiago Saporito - 「4色コピーキャット」
2016 Magic Online Championship 5位 / スタンダード (2017年3月3~5日)
5 《森》
1 《島》
1 《山》
1 《平地》
4 《植物の聖域》
1 《獲物道》
3 《尖塔断の運河》
1 《感動的な眺望所》
4 《霊気拠点》

-土地(21)-

4 《導路の召使い》
4 《ならず者の精製屋》
4 《つむじ風の巨匠》
4 《守護フェリダー》

-クリーチャー(16)-
4 《霊気との調和》
4 《ニッサの誓い》
1 《ショック》
4 《蓄霊稲妻》
2 《チャンドラの誓い》
4 《サヒーリ・ライ》
3 《反逆の先導者、チャンドラ》
1 《実地研究者、タミヨウ》

-呪文(23)-
3 《不屈の追跡者》
2 《払拭》
2 《自然のままに》
1 《領事の権限》
3 《否認》
1 《グレムリン解放》
1 《キランの真意号》
1 《先駆ける者、ナヒリ》
1 《生命の力、ニッサ》

-サイドボード(15)-
2016 Magic Online Championship イベントカバレージ より)

 続いてもMOCS参加者から、ブラジルのティアゴ・サポリート/Thiago Saporitoのものを。彼のマナベースは先の2つの中間といった具合。こういった違いが面白いねぇ(と思うマニアになってくれたらうれしいな)。

 彼のサイドボードの特徴は《キランの真意号》と《生命の力、ニッサ》《先駆ける者、ナヒリ》。これらをセットでサイドインして、プレインズウォーカーデッキに変化しようというわけだ。

 真意号はプレインズウォーカーの護衛にもなるし、相手のプレインズウォーカーにプレッシャーをかけることもできる。ニッサも土地を5/5のエレメンタルに変えて地上はガッチリ。ナヒリは《領事の権限》《歩行バリスタ》《異端聖戦士、サリア》などのコンボ妨害パーマネントを追放することもできるのがうれしい。

霊気池型

pat0presidente - 「コピーキャット(霊気池型)」
Magic Online Competitive Standard Constructed League 5勝0敗 / スタンダード (2017年3月2日)
6 《森》
1 《島》
1 《山》
1 《平地》
4 《植物の聖域》
2 《尖塔断の運河》
2 《感動的な眺望所》
4 《霊気拠点》

-土地(21)-

4 《導路の召使い》
4 《ならず者の精製屋》
4 《つむじ風の巨匠》
4 《守護フェリダー》

-クリーチャー(16)-
4 《霊気との調和》
4 《ニッサの誓い》
4 《蓄霊稲妻》
2 《チャンドラの誓い》
4 《サヒーリ・ライ》
2 《霊気池の驚異》
2 《反逆の先導者、チャンドラ》
1 《先駆ける者、ナヒリ》

-呪文(23)-
2 《不屈の追跡者》
2 《領事の権限》
3 《否認》
2 《焼夷流》
3 《バラルの巧技》
2 《グレムリン解放》
1 《先駆ける者、ナヒリ》

-サイドボード(15)-
MTGO Standings Competitive Standard Constructed League より)

 ゲームがダラダラ長引けばフェリダーが稼いでくれるアドバンテージとプレインズウォーカーたちの能力、そしてコンボで勝負を決められるデッキであるとは言え、ヘビーコントロールというわけでもないので超長期戦もノーセンキューというのが「コピーキャット」の事情(《奔流の機械巨人》《電招の塔》のようなカードがあれば......)。なので、基本構造はそのままに勝利につながるカードを増量するという構築を取っているプレイヤーも少なくない。

 《霊気池の驚異》採用型は最もよく見られるアプローチだ。先述のようにエネルギーを得る手段は多数ある。《つむじ風の巨匠》以外にもエネルギーの使い道を用意し有効活用することで、勝利はグッと近くなる。《霊気池の驚異》からコンボパーツ発見、即勝利は病みつきになる。引き当てたフェリダーで霊気池をブリンク、「もう1回!」と連続起動でサヒーリを引き当て見事コンボを決めてみたいものだが、エネルギー12個も余らせている状態っていったい何なのかと。

機械巨人&スカイソブリン型

baronvonfonz - 「コピーキャット(機械巨人&スカイソブリン型)」
Magic Online Competitive Standard Constructed League 5勝0敗 / スタンダード (2017年3月1日)
5 《森》
1 《島》
1 《山》
1 《平地》
4 《植物の聖域》
1 《獲物道》
1 《梢の眺望》
1 《尖塔断の運河》
1 《感動的な眺望所》
4 《霊気拠点》
1 《進化する未開地》

-土地(21)-

4 《導路の召使い》
4 《ならず者の精製屋》
2 《不屈の追跡者》
2 《つむじ風の巨匠》
4 《守護フェリダー》
1 《新緑の機械巨人》

-クリーチャー(17)-
4 《霊気との調和》
4 《ニッサの誓い》
4 《蓄霊稲妻》
2 《チャンドラの誓い》
1 《領事の旗艦、スカイソブリン》
4 《サヒーリ・ライ》
3 《反逆の先導者、チャンドラ》

-呪文(22)-
2 《不屈の追跡者》
2 《払拭》
2 《ショック》
1 《自然のままに》
3 《否認》
1 《バラルの巧技》
1 《グレムリン解放》
1 《キランの真意号》
1 《先駆ける者、ナヒリ》
1 《実地研究者、タミヨウ》

-サイドボード(15)-
MTGO Standings Competitive Standard Constructed League より)

 コンボ以外の勝ち手段、ということで《領事の旗艦、スカイソブリン》そして《新緑の機械巨人》を採用するリストも。

 どちらもアーティファクトであるため、《サヒーリ・ライ》の[-7]能力でサーチして戦場に並べることが可能。決まれば圧巻ッ! [-2]能力でコピーしても盤面がとんでもないことになる!と、よりコンボに頼らないミッドレンジデッキとしての可能性を探求している。《不屈の追跡者》メイン採用にもそういう意志が見て取れる。攻めっ気あふれるあなたに。

深海鬼型

Valerio Randisi - 「コピーキャット(深海鬼型)」
プロツアー『破滅の刻』予備予選 at Montecatini Terme 優勝 / スタンダード (2017年3月5日)
5 《森》
1 《島》
1 《山》
1 《平地》
4 《植物の聖域》
2 《伐採地の滝》
3 《尖塔断の運河》
4 《霊気拠点》

-土地(21)-

4 《導路の召使い》
4 《ならず者の精製屋》
4 《つむじ風の巨匠》
4 《守護フェリダー》
3 《老いたる深海鬼》

-クリーチャー(19)-
4 《霊気との調和》
4 《ニッサの誓い》
4 《蓄霊稲妻》
1 《チャンドラの誓い》
4 《サヒーリ・ライ》
2 《反逆の先導者、チャンドラ》
1 《実地研究者、タミヨウ》

-呪文(20)-
3 《不屈の追跡者》
2 《払拭》
2 《自然のままに》
3 《否認》
1 《チャンドラの誓い》
3 《コジレックの帰還》
1 《バラルの巧技》

-サイドボード(15)-
La Rocca Di Darsheyalon より引用)

 こちらは《老いたる深海鬼》を採用。これでクリーチャー同士の睨み合いを打破して殴り勝つというプランも取れるし、対戦相手の土地をタップして動きを封じてからの安全コンボという文字通りの必殺パターンも備える。この現出エルドラージは「コピーキャット」にもってこいのクリーチャーだったというわけだ。

 リストだけだと、ともすればオーバーキルにも見えるが、苦手な《無許可の分解》《電招の塔》なんかを無力化させてコンボに入れるという点を考えると、今後最も勝てる形がこれになってもおかしくはない。


 プロツアーでは大敗を喫したデッキが、今や環境のトップに返り咲いている。これだからマジックは面白い! 環境を生き抜く工夫を先人のリストから学び、ベストな「コピーキャット」でグランプリに臨もう! 相手をする側に回るのであれば、ここに挙げた例を基に敵側の引き出しを予想しながら戦おう。Good Luck! 静岡で会いましょうッッ!



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