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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:Nic Fit(レガシー)
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:Nic Fit(レガシー)
by 岩SHOW
皆の好きな基本土地は? マジックをやっていれば、自ずと好きな土地ができるものである。まだない、という君。羨ましい!これからいろいろな土地に触れて好きになれる余地があるということだ。僕も基本土地に関する記憶を消して真っ新な状態でもう一度すべての土地を見つめてみたいものだ(というか、マジックに関する記憶をセーブしといて0から始めてみたい)。
僕が好きでよく使っているのは......『アングルード』の特殊なデザインが施された基本土地だ。中学生の時に見てから、クールなデザインに魅了されてずっと使っている。中にはヤソさん(八十岡翔太)のようにグルランド、ルイス(・スコット=ヴァーガス/LSV)のようにベータランドと入手が難しい基本土地愛好家もいる。せっかく手に入れた基本土地だから、枚数を並べたいものである。
レガシーというフォーマットはこの欲求をなかなか満たしてくれないものである。あまりにも多色土地が強いため、色を足し得な環境。これまでここでも紹介してきたように、3色4色は当たり前。基本土地は最低限の1枚ずつのみ採用、というデッキが非常に多い。そして、ゲームの展開次第じゃ基本土地に出番はない。
これじゃあグルランドを揃えたのにファイルに眠らせっぱなしになってしまう! せっかくだから使いたいというあなたのために、もうちょい基本土地を重視したデッキを紹介しよう。「Nic Fit」だ!
4 《森》 3 《沼》 1 《ドライアドの東屋》 4 《Bayou》 4 《新緑の地下墓地》 3 《霧深い雨林》 2 《樹木茂る山麓》 1 《ファイレクシアの塔》 -土地(22)- 4 《老練の探険者》 2 《死儀礼のシャーマン》 2 《漁る軟泥》 2 《永遠の証人》 1 《再利用の賢者》 1 《ネル・トース族のメーレン》 1 《最後のトロール、スラーン》 1 《アルゴスの庇護者、ティタニア》 2 《墓所のタイタン》 -クリーチャー(16)- |
4 《陰謀団式療法》 4 《突然の衰微》 3 《トーラックへの賛歌》 1 《森の知恵》 3 《破滅的な行為》 1 《殺し》 4 《緑の太陽の頂点》 2 《ヴェールのリリアナ》 -呪文(22)- |
1 《台所の嫌がらせ屋》 1 《スラーグ牙》 2 《自然の要求》 2 《思考囲い》 1 《真髄の針》 1 《ゴルガリの魔除け》 1 《梅澤の十手》 4 《虚空の力線》 2 《精神壊しの罠》 -サイドボード(15)- |
レガシーという環境にフィットしたナイスなデッキということで、本来は「Nice Fit」というデッキ名がつけられたらしいのだが、eを書き忘れて「Nic Fit」となったものが語感の良さも相まってあれよという間に広まりましたとさ。ナイスフィットじゃ長く愛されるロングセラーにはならなかったんじゃないかとさえ思う。名前って大事なんだなと。
「Nic Fit」はそこそこの歴史を持つデッキで、少なくとも5年前にはもう姿を見ることができた。一体どんなデッキなのか? ザックリ言ってしまうなら、ランプだ。マナを伸ばして大型カードで戦う、ビッグマナとも呼ばれる戦略を用いる。ただこのデッキのマナの伸ばし方は他とは趣が異なる。
《老練の探険者》というクリーチャーは死亡したとき、自分と対戦相手のお互いがライブラリーから基本土地を2枚戦場に出すことができる。これを活かすために基本土地を多く採用している。先述のようにレガシーでは基本土地を採用していないデッキも少なからずあり、多くのデッキに対してこちらだけがマナブーストの恩恵を受けることができる(しかもこの土地はアンタップインという点も素晴らしい)。《陰謀団式療法》と《ファイレクシアの塔》でこのベテラン探検家を生け贄に捧げて、能力を能動的に誘発させる。特に《陰謀団式療法》は手札をズタズタに引き裂きつつこちらだけパワーカードを叩き付ける状態に入れて、このデッキの心臓部感がある。
伸ばしたマナで叩き付けるのは、大型クリーチャーを直接......というよりは《緑の太陽の頂点》を経由して、というケースが大多数となるだろう。
この黒緑2色型は《破滅的な行為》を《永遠の証人》で使いまわしたりしながら盤面を完全に掌握し、《ネル・トース族のメーレン》でこっちだけ尽きないリソースモードに突入して心をへし折って勝つタイプのデッキだ。頂点からはサーチできないが《墓所のタイタン》という無慈悲なフィニッシャーも備えており、殴り合いも上等ッッ。
3 《森》 2 《沼》 1 《平地》 2 《Bayou》 2 《Savannah》 1 《Scrubland》 4 《吹きさらしの荒野》 2 《新緑の地下墓地》 2 《樹木茂る山麓》 1 《湿地の干潟》 1 《ファイレクシアの塔》 1 《ヴォルラスの要塞》 -土地(22)- 4 《老練の探険者》 2 《死儀礼のシャーマン》 1 《クァーサルの群れ魔道士》 1 《漁る軟泥》 2 《不屈の追跡者》 1 《永遠の証人》 3 《包囲サイ》 1 《鷺群れのシガルダ》 -クリーチャー(15)- |
4 《陰謀団式療法》 2 《流刑への道》 2 《師範の占い独楽》 4 《突然の衰微》 3 《破滅的な行為》 4 《緑の太陽の頂点》 1 《情け知らずのガラク》 1 《幽霊暗殺者、ケイヤ》 2 《生命の力、ニッサ》 -呪文(23)- |
1 《裏切り者グリッサ》 2 《外科的摘出》 3 《思考囲い》 2 《神聖な協力》 2 《ゴルガリの魔除け》 1 《暖気》 2 《失われた遺産》 2 《毒の濁流》 -サイドボード(15)- |
こちらは白をタッチで用いる、いわゆるアブザンカラーのもの。黒と緑に3色目として白を足すメリットは多数あるが、実用性と楽しさ両方を加味すれば《包囲サイ》が使えるのが最たる理由となるか。このカードの連打は最高だもんなぁ...思い浮かべただけでおなかが満たされる。緑の太陽に導かれて戦場にやって来たサイを《幽霊暗殺者、ケイヤ》がイリュージョンするところを想像すると......漲るね。
心臓部以外のデッキを構成するカードは、正直なところ何でも良いんじゃないかというレベルの自由度の高さもデッキの魅力だ。自分が使いたい5~6マナくらいのカードや緑絡みのクリーチャーを思うがままに投入しても良いんじゃないかな。3色目を赤や青にしているリストもある。好きなカードを使って勝てるって素晴らしい。妥協せず、納得のいく構築で、美味しくいただいちゃってください。
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