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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:8Man(レガシー)
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:8Man(レガシー)
by 岩SHOW
君は「8Man」を知っているか――むちゃくちゃ昔のアニメの話じゃないぞ。マジックのデッキ名だ。『オデッセイ』期のスタンダードにて彗星のごとく現れ、年末の構築最強決定戦・The Finals 2001にてTOP8に勝ち残って注目されるデッキとなった。製作者・使用者はあのAAさん!(浅原晃)当時から、他のプレイヤーとちょっと違うデッキを使う人だったなぁと再確認。このデッキを初めて雑誌で見た時には「こんなのもアリなのか」と驚いたものである。
11 《島》 4 《森》 4 《ヤヴィマヤの沿岸》 -土地(19)- 4 《敏捷なマングース》 4 《熊人間》 -クリーチャー(8)- |
4 《選択》 3 《魔力の乱れ》 4 《対抗呪文》 4 《記憶の欠落》 4 《予報》 4 《排撃》 4 《嘘か真か》 4 《中略》 2 《激動》 -呪文(33)- |
3 《クローサの獣》 4 《たい肥》 4 《反論》 3 《冬眠》 1 《枯渇》 -サイドボード(15)- |
《選択》《予報》《嘘か真か》《排撃》とドロー呪文を連打し、墓地を肥やし続けていく。《激動》で戦場をリセットし、こちらだけ《熊人間》《敏捷なマングース》らを展開し、相手がリカバリーする前に殴り倒すという「激動サイカトグ」に近いアプローチを行う......それが「8Man」だ。
初期リストにはマングースが合計8体投入されており、それが名前の由来であるとされているが......本人は後に記事にて「よく覚えていない」と記述していたりもする。いずれにせよ、そのスタイリッシュな構成と名前で、僕は一気に惹きつけられて真似たデッキを組んでみたものである。いやぁ、懐かしいッ。
こんな激シブデッキの血を受け継いだデッキが、2017年に登場。これはまさしく現代の「8Man」!!
3 《Tropical Island》 3 《Underground Sea》 4 《汚染された三角州》 4 《新緑の地下墓地》 4 《不毛の大地》 -土地(18)- 4 《敏捷なマングース》 4 《わめき騒ぐマンドリル》 -クリーチャー(8)- |
4 《渦まく知識》 4 《思案》 4 《思考掃き》 3 《致命的な一押し》 4 《もみ消し》 2 《呪文嵌め》 4 《目くらまし》 3 《突然の衰微》 1 《対抗呪文》 1 《苦い真理》 4 《意志の力》 -呪文(34)- |
2 《真の名の宿敵》 3 《侵襲手術》 3 《外科的摘出》 2 《悪魔の布告》 2 《冬の宝珠》 2 《毒の濁流》 1 《苦い真理》 -サイドボード(15)- |
メインデッキのクリーチャーは《敏捷なマングース》と《わめき騒ぐマンドリル》の2種8枚。「マン」グースと「マン」ドリル、どうです「8Man」でしょう。
......マングースはMongooseだとかはこの際気にしない。いずれにせよ、古き良き「カナディアン・スレッショルド」――マングースと《タルモゴイフ》のみ8枚を勝利手段としたあのデッキも彷彿とさせる。往年のレガシープレイヤーにはこういうデッキが強そうに見えるものだ。
デッキとしては、レガシーの古典的な青いテンポデッキ。1マナのドロー呪文を連打し、軽いクリーチャーを展開。マングースは墓地に7枚以上のカードがないと1マナ1/1と貧弱。しかし一度7枚以上=スレッショルド状態にしてやると3/3だ。被覆という除去耐性も持っているので、見た目以上に手強いぞ。
マンドリルは6マナ4/4トランプル、重いが探査能力により最大で1マナまで軽くできる。これらの軽いクリーチャーを...ってオイ! スレッショルドと探査って、真逆のベクトルじゃないか! 共存させて大丈夫なのか......とパッと見は思うが、まあなんとかなるもんだ。昔マングースと《墓忍び》が共存するデッキを使ったが、フェッチランドに軽量呪文にと連打すればなんとかなっちゃうのだ。
このデッキは《思考掃き》まで採用している。これ1枚で墓地が3枚貯まる、ドロー付き《暗黒の儀式》みたいなものだ。ザクザク墓地を貯めて、これらのクリーチャーをバシバシ展開していこう。
《もみ消し》《不毛の大地》によるマナ否定戦略も搭載。相手のフェッチは《もみ消し》、デュアルランドは叩き割る。そうやって相手が使えるマナが少ない状況下にもつれこませて《目くらまし》でケチョンケチョンにしてやるのだ。遠慮は不要。ドロー呪文の連打でこれらを投げつけまくってやろう。
《目くらまし》同様マナを支払わずとも唱えられる打ち消し呪文・いわゆるピッチスペルの《意志の力》も的確に使っていこう。手札1枚分損するので、無駄に撃たないように。8枚しかないクリーチャーを護るのが最優先だ。
3色目に黒を採用しているので、何かと見かける《致命的な一押し》が除去枠に採用されている。レガシーの大抵のクリーチャーを土俵外へ押し出し。このデッキのクリーチャー自身はどちらも一押しを全く受け付けないというのも良いね。《タルモゴイフ》よりもマンドリルを優先した理由はここにあると思う。こっちのクリーチャーだけ生き延びるってのは気持ちいいだろうな。
扱うのは決して楽じゃない、玄人向けのデッキである。万人にはオススメできないが、「8Man」という名にピンときたという人には使ってほしいよね。扱いこなせればカッコイイよ!
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