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木曜マジック・バラエティ

2011.09.29

浅原晃の「デッキタイムトラベル!」 Part10 -クロックパーミッション

By 浅原 晃


 クロックパーミッションは、ビートダウンやコントロール、コンボに比べて、後期に認識された名前であると言える。そして、コンセプトを突き詰めるという絶対的なアーキタイプに比べれば、クロックパーミッションというのは相対的に考えられるため、デッキタイプとしては複雑な部類に入る。

 例えば、100メートル走を真っ先に駆け抜けるのがビートダウンだとしたら、コントロールはできる限りゴールを遠くしようとするといったような形だが、クロックパーミッションは? というと、相手より少しだけ早くゴールするという点に注目したデッキタイプであるだろう。相手を遅らせることと、自分が進むこと、その両方の効率のいい部分を取っていくのがこのデッキタイプだ。


 今回は、クロックパーミッションというデッキタイプを追いかけ、何故それが生まれたのかという点にも注目し、デッキを紹介しながら、その定義を紐解いていきたいと思う。それでは、レッツタイムトラベル!


■1998~2001年 クロックパーミッションの存在意義

 まず、簡単にクロックパーミッションについて説明していこう、クロックパーミッションとはその名前の通り、2つの要素「クロック」と「パーミッション」からなる。

 クロックというのは、通常ターンにおいて刻み続けられるダメージの量を指す。2点のクロックがある状態と言えば、通常、パワー2のクリーチャーが、相手プレイヤーを毎ターン殴っていける状態を指している。クロックパーミッションというデッキタイプとしての意味を捉えるなら、早期の段階で用意できる継続的な攻撃手段と考えられるだろう。

 パーミッションというのは、許可を意味するもので、マジックでは打ち消し呪文そのものを指す。極端に受け身のデッキのことをパーミッションデッキと呼ばれるが、相手の行動を阻害する打ち消し要素そのものをパーミッションという。

 軽量のクリーチャーと打ち消し呪文が入ったデッキというのが、クロックパーミションとして認識されている部分だろう。

『フィッシュ』 Nicolas Labarre
プロツアー・ローマ98 準優勝 / エクステンデッド
18 《島》
4 《不毛の大地》

-土地(22)-

4 《マンタ・ライダーズ》
4 《アトランティスの王》
4 《マーフォークの交易商人》
4 《スークアタの火渡り》
4 《大クラゲ》
3 《竜巻のジン》

-クリーチャー(23)-
4 《対抗呪文》
2 《好奇心》
2 《魔力の乱れ》
4 《Force of Will》
3 《ネビニラルの円盤》

-呪文(15)-
2 《ボトルのノーム》
4 《水流破》
2 《撹乱》
2 《魔力の乱れ》
2 《ファイレクシアの炉》
2 《鋸刃の矢》
1 《ネビニラルの円盤》

-サイドボード(15)-

【WANTED『MoMa』】

 クロックパーミッションは軽いクリーチャーと打ち消し呪文の組み合わせで組まれる性質上、ほとんどの場合、青を主体とする、最初に青単色で組まれるものは主種族にマーフォークを使っていたことで、『フィッシュ』と呼ばれた。

 構成としては、至極単純ではあるが、それが活躍した経緯はそこまで単純ではない。

 何故なら、青は打ち消し呪文こそ優秀かつ無二のものであると言えたが、その反面、クリーチャーの質は他の色に比べて貧弱と言えたからだ。《アトランティスの王》がロードとして最高級の能力を持っているとはいえ、《マンタ・ライダーズ》や《マーフォークの交易商人》などは決して強いクリーチャーとは言えない。

 打撃力の強化要素を《アトランティスの王》に頼っている以上、もともとが除去されやすいクリーチャーであることからも、打ち消し呪文でサポートするということも理にかなっているわけではないのだ。クリーチャー除去に対して、《Force of Will》を使っていては、非常に効率が悪い。
 通常のビートダウンというスタイルを目指すならば、より強いクリーチャーを擁する色に火力といったスタイルの方がスマートになるだろう。

 ただ、このデッキが活躍できたのは、そのクロックがそもそも崩されにくく、また、打ち消し呪文に比較的弱いデッキが多く存在する環境だったからだ。

 このデッキはプロツアーで準優勝となるまでに倒してきたのは、最強と言われたコンボデッキである『MoMa』である。

 速度や安定性の面で最高クラスの『MoMa』ほどのコンボデッキでも、コンボデッキとしての弱点は抱えている。
 まず、打ち消し呪文を持っている相手に対してはその妨害に対抗する要素も必要になり、その場合、疑似的にコンボパーツが増えるため、達成までにより多くの時間が掛かってしまう。
 もし、相手が遅いパーミッションデッキだった場合は、軽量で相手の打ち消しを封じる《中断》といったカードを集めたり、マナ差を付けることで、行動回数で上回るなどの戦い方ができるが、クロックパーミッションの場合は、クロックによって勝負の時間を区切られてしまうため、その対策に対しての対策カードを入手する時間が十分取れない。

 《アトランティスの王》といったクロックは、除去カードのない相手には強力であり、なおかつ、打ち消し呪文で遅らせられる時間を致命的にすることができる。コンボデッキを防ぐ必要はなく、相手より少し早く勝てるだけの時間が稼げれば十分であり、コンボデッキは最速であればあるほどに相手に干渉する無駄な要素が抜けていくため、それは効果的に働いたのだった。

 倒すデッキが明確であることで、クロックパーミッションは最大の効果を発揮する。


 5色デッキの回にも紹介した、カウンタースリヴァーも代表的なクロックパーミッションだ。

『カウンタースリヴァー』 Christian Luhrs
プロツアー・シカゴ99 トップ8 / エクステンデッド
4 《真鍮の都/City of Brass》
2 《宝石鉱山/Gemstone Mine》
2 《知られざる楽園/Undiscovered Paradise》
4 《Underground Sea》
3 《Tundra》
2 《Scrubland》
1 《Tropical Island》
1 《Volcanic Island》
4 《氾濫原/Flood Plain》

-土地(23)-

4 《筋肉スリヴァー/Muscle Sliver》
4 《有翼スリヴァー/Winged Sliver》
4 《水晶スリヴァー/Crystalline Sliver》
4 《冬眠スリヴァー/Hibernation Sliver》
4 《酸性スリヴァー/Acidic Sliver》

-クリーチャー(20)-
3 《Demonic Consultation》
2 《剣を鍬に/Swords to Plowshares》
4 《対抗呪文/Counterspell》
2 《解呪/Disenchant》
4 《Force of Will》
2 《誤った指図/Misdirection》

-呪文(17)-
3 《水流破/Hydroblast》
2 《剣を鍬に/Swords to Plowshares》
2 《解呪/Disenchant》
2 《名誉の道行き/Honorable Passage》
3 《非業の死/Perish》
3 《死者への敬意/Honor the Fallen》

-サイドボード(15)-

【WANTED『ココアペプルス』】

 このときのプロツアーにおいても、強力な無限コンボデッキ『ココアペプルス』が存在したほか、《適者生存》や《ネクロポーテンス》、《ドルイドの誓い》など、1つのカードを基軸にしたデッキが多かったために、打ち消し呪文は効果的に働いた。


 また、スタンダードにおいても、カウンタースリヴァーや『フィッシュ』というデッキタイプは活躍した。

『フィッシュ』 野瀬恒ニ
日本選手権00 5位 / スタンダード
18 《島》
4 《リシャーダの港》
1 《ラースの果て》

-土地(23)-

4 《砂州のマーフォーク》
4 《アトランティスの王》
4 《ルートウォーターの泥棒》
3 《珊瑚マーフォーク》
3 《マスティコア》

-クリーチャー(18)-
4 《無効》
4 《対抗呪文》
2 《目くらまし》
1 《誤算》
3 《沿岸の海賊行為》
3 《妨害》
2 《誤った指図》

-呪文(19)-
1 《マスティコア》
4 《退去の印章》
3 《寒け》
3 《呪われたトーテム像》
1 《誤った指図》
3 《水没》

-サイドボード(15)-

【WANTED 『パララクス補充』『青茶単』】

 この『フィッシュ』は日本選手権00において、予選を1位で駆け抜けたデッキだ。《Force of Will》こそスタンダードにはなかったが、《対抗呪文》やピッチスペルである《誤った指図》《目くらまし》《妨害》、それに《無効》をメインから4枚採用しているところなど、当時もっとも強いデッキと言われていた、『パララクス補充』をこれでもかというくらいにメタっている。

 クリーチャー陣も《マスティコア》はともかくとして、《アトランティスの王》以外は非常に貧弱であるということもその特徴をしっかりと継承している。ただ、コンボデッキに対しては非常に強い、《ルートウォーターの泥棒》が採用されているのも、特徴的といえるだろう。

 《妨害》のような土地を戻す打ち消し呪文は、受け身なパーミッションデッキではリスクが大きいが、クロックを守る、もしくは、相手のコンボを阻害している間に、殴り切る時間だけを稼ぐという用途においてならば、より有効に使うことができた。

 このデッキでは、相手のクリーチャーに触る術がほとんど入っていない割り切った形になっているが、そうした苦手なクリーチャーデッキは『パララクス補充』によって環境から駆逐されるメタゲームであったということが、このデッキの価値を相対的に高めていたと言っていいだろう。

 サイクリングがあるとはいえ、ただの1/1クリーチャーや、2/1クリーチャーが実戦において使われる、それがメタゲームの中の価値というものなのかもしれない。


 マスクスブロック構築からは発祥したデッキとして『フィッシュ』ではなく、飛行クリーチャーとピッチスペルを満載にした、『アグロウォーター』というデッキも活躍した。

『アグロウォーター』 Brian Davis
世界選手権00 3日目全勝 / マスクスブロック構築
22 《島》
1 《ラースの果て》

-土地(23)-

4 《波止場の用心棒》
2 《トゲ尾の雛》
1 《リシャーダの飛行船》
4 《厄介なスピリット》
3 《要塞の飛行船》

-クリーチャー(14)-
4 《レイモスの眼》
4 《キマイラ像》
2 《目くらまし》
4 《妨害》
1 《撃退》
4 《水位の上昇》
4 《噴出》

-呪文(23)-
3 《リシャーダの飛行船》
1 《要塞の飛行船》
3 《サプラーツォのアウトリガー艇》
2 《目くらまし》
2 《ひずんだレンズ》
1 《撃退》
1 《袖の下》
2 《水没》

-サイドボード(15)-

【WANTED『リベリオン』】

 『アグロウォーター』はピッチスペルによって隙を少なくし、また、相手のマナを《水位の上昇》で縛るデッキだ。
 マスクスブロック構築には、レベルという種族を使った『リベリオン』という白のデッキがあり、それが本命視されていた。『リベリオン』はマナさえあれば、いくらでもクリーチャーを呼び出せるといったデッキだったために、非常に安定したデッキではあったが、逆に言えば、マナが無ければ何もできないデッキだった。

 その弱点を突くために作られたのが、この『アグロウォーター』だ。

 呪文の多くがピッチスペルであるため、《水位の上昇》による土地が起きないというデメリットは殆ど気にならないどころか、自ら土地を全て寝かすようなデメリットを持ったカードが8枚も採用されている。それを可能にしているほど、構造的には美しいデッキなのだった。


 そして、インベイジョンブロック構築においては、歴史的にもメタゲームの重要性を説いたと言われる、『ソリューション』デッキがプロツアー東京で優勝を果たす。

『ソリューション』 Zvi Mowshowitz
プロツアー・東京01 優勝 / インベイジョンブロック構築
10 《島》
10 《平地》
4 《沿岸の塔》

-土地(24)-

4 《嵐景学院の弟子》
4 《ガリーナの騎士》
4 《翻弄する魔道士》
4 《真紅の見習い僧》
4 《万物の声》

-クリーチャー(20)-
4 《吸収》
4 《除外》
4 《排撃》
4 《嘘か真か》

-呪文(16)-
3 《聖戦の騎士》
4 《撹乱》
3 《反論》
2 《オーラの旋風》
3 《完全な反射》

-サイドボード(15)-

【WANTED『ステロイド』『VOID』】

 このデッキは『ソリューション』、解決策という意味を持ったデッキだ。解決とはメタゲームにおけるこの時点での解決である。
 インベイジョンブロックでは、赤緑ステロイドと赤黒の《虚空/Void(INV)》デッキがメタの中心になっていたため、このデッキは、クリーチャー枠にもともと赤と黒の耐性のあるクリーチャーを配置することで、それらのデッキに対しては優位を築くコントロールとして動き、また、他のコントロールデッキに対しては、これらのクリーチャーをクロックとして機能させることで、少なくとも、クロックパーミッションとして動くことができた。
 メタゲームに添った形での解答ではあるものの、その要素を両立させることができたのも、クリーチャーと打ち消し呪文という組み合わせによるものだからだろう。

 ソリューションとして提示されたこのデッキは、あくまでデッキとしての強さよりも、環境に対しての強さを目指したものである。それに対し、クロックパーミッションが本格的に一つの転機を迎えるのは、クリーチャーの質が大幅に強化されたオデッセイブロックに入ってからのエクステンデッドからだろう。


■2001年~ 成長の時代

 メタゲームと呼ばれるものが、1週間ごとに変化したエクステンデッドがこの時期に存在した。

 この時期にもっとも強かったデッキは『トリックス』と言われる、《寄付》と《Illusions of Grandeur》のコンボデッキだ。青いコンボデッキが強い時代なら、やはり、そのアンチデッキはクロックパーミッションの系統になってくる。

『グロウフィッシュ』 Alan Comer
グランプリ・ラスベガス01 9位 / エクステンデッド
6 《島》
4 《Tropical Island》

-土地(10)-

4 《アトランティスの王》
4 《マーフォークの物あさり》
4 《クウィリーオンのドライアド》
3 《ガイアの空の民》

-クリーチャー(15)-
4 《渦まく知識》
4 《好奇心》
4 《手練》
4 《目くらまし》
4 《土地譲渡》
4 《冬の宝珠》
3 《撃退》
4 《Force of Will》
4 《噴出》

-呪文(35)-
3 《エメラルドの魔除け》
2 《ブーメラン》
4 《寒け》
2 《誤った指図》
4 《水没》

-サイドボード(15)-

【WANTED『トリックス』】

 『トリックス』というコンボデッキをターゲットにしたところまでは変わらないが、その大きな違いは緑を取り入れたことによるクロック要素の変遷だ。小型で強力なクロックというのが、デッキ的には当然理想であり、《クウィリーオンのドライアド》は2マナのクリーチャーでありながら、その後数ターンで脅威的なサイズにまで成長した。
 クロックの強化によって、本来多く取るべきクリーチャー枠を削り、スペル枠を多く取ることができるようになり、また、相手に与える時間制限も短くすることができた。

 このデッキにはゼロックス理論と呼ばれる、キャントリップカードを多く入れることで、土地を減らしてドローの質を高めるという理論も採用されており、土地は実に10枚しか入っていない。《土地譲渡》によって疑似的には14枚ある計算ではあるものの、それが許容できるのは、このアーキタイプならではと言えるだろう。

 そして、その後に行われたグランプリでは、このデッキを大きく改良したデッキ『ミラクルグロウ』が現れる。

『ミラクルグロウ』 Michel Long
グランプリ・仙台01 3位 / エクステンデッド
6 《島》
4 《Tropical Island》

-土地(10)-

4 《クウィリーオンのドライアド》
4 《熊人間》
4 《野生の雑種犬》
2 《波止場の用心棒》

-クリーチャー(14)-
4 《渦まく知識》
4 《好奇心》
4 《手練》
2 《選択》
4 《目くらまし》
4 《土地譲渡》
4 《冬の宝珠》
2 《撃退》
4 《Force of Will》
4 《噴出》

-呪文(36)-
2 《ファイレクシアの炉》
2 《水流破》
1 《無効》
4 《レガシーの魅惑》
4 《寒け》
2 《水没》

-サイドボード(15)-

 軽量で強いクリーチャー、《クウィリーオンのドライアド》に続いて、オデッセイから《熊人間》や《野生の雑種犬》を採用したこのデッキは、このグランプリでもっとも強いデッキの一つと言われた。
 《野生の雑種犬》は無駄な手札をマナなしでパンプアップに変えることができ、《熊人間》に至ってはスレッショルドしていれば出た瞬間に4/4。このデッキでは、スレッショルドの条件である、墓地に7枚のカードという達成条件は容易であったため、クロックが大幅に強化しながら、パーミッション要素を増やすことすらできるようになったのだ。

 クロックはできる限り少数精鋭で強力、そして、後は相手の行動の阻害カードで満たす。クロックパーミッションがアンチコンボの急先鋒というだけでなく、その一つの理想形と呼べるものの道筋が見えたデッキでもあった。

 しかし、メタゲームによって生まれたデッキはメタゲームによってさらなる進化を遂げる。

『スーパーグロウ』 Brian Kibler
グランプリ・ヒューストン02 準優勝 / エクステンデッド
1 《島》
4 《Tropical Island》
4 《Tundra》
1 《Savannah》
4 《氾濫原》

-土地(14)-

4 《クウィリーオンのドライアド》
4 《マーフォークの物あさり》
4 《熊人間》
3 《秘教の処罰者》

-クリーチャー(15)-
4 《渦まく知識》
4 《手練》
3 《剣を鍬に》
4 《土地譲渡》
3 《目くらまし》
3 《冬の宝珠》
2 《撃退》
4 《Force of Will》
4 《噴出》

-呪文(31)-
4 《翻弄する魔道士》
2 《増進+衰退/Wax/Wane(INV)》
1 《剣を鍬に》
4 《レガシーの魅惑》
1 《冬の宝珠》
3 《水没》

-サイドボード(15)-

【WANTED『ミラクルグロウ』】

 『スーパーグロウ』と呼ばれるこのデッキは『ミラクルグロウ』に白を足し、《秘教の処罰者》と《剣を鍬に》を加えたデッキだ。
 このデッキのポイントは、単体で支配力を持つ《秘教の処罰者》を使うことで、《マーフォークの物あさり》と言った実質戦闘力のない、ドロー要員を強化することが可能になっている点、そして、『ミラクルグロウ』のような単体で強力なパワーを持つクリーチャーを1マナで除去できる、《剣を鍬に》が使える点だ。
 これによって、直接的な除去を持たない『ミラクルグロウ』に対してより、優位に戦いを進めることができるのだ。

 マナベースの構築のために、土地の枚数こそ多くなっているが、そこから得られる十分なリターンを考えれば、トレードオフと言えるだろう。

 『ミラクルグロウ』にも『トリックス』にも勝てるデッキとして、より強力なクロックパーミッションの形が完成したのだが、これを倒したのが、《破滅的な行為》を擁してクリーチャー耐性を高めた『カウンターディード』であったことも、またメタゲームの成せることだったのかもしれない。


■2002年~ スレッショルドとマッドネス

 オデッセイブロックで軽コストの緑の強力なクリーチャーが現れ、さらに青と組み合わせることによってより相性のいいメカニズム、スレッショルドとマッドネスが加わると、スタンダードにおいても、多くの青緑デッキが使われるようになった。

 青緑のスレッショルドとマッドネスデッキは、そのメカニズムを先鋭化することで、よりシナジーを重視した攻めを行うものと、打ち消し呪文などを多くとるパターンの2つがある。前者は純粋なシナジーを用いた高速のビートダウンという色が強いが、後者はクロックパーミッションとして機能している。

『青緑スレッショルド』 Jakub Slemr
グランプリ・ロンドン02 優勝 / オデッセイブロック構築
11 《島》
8 《森》
3 《ケンタウルスの庭園》

-土地(22)-

4 《日を浴びるルートワラ》
4 《敏捷なマングース》
4 《熊人間》
4 《野生の雑種犬》
3 《不可思議》

-クリーチャー(19)-
4 《入念な研究》
4 《留意》
4 《霊気の噴出》
3 《行き詰まり》
3 《ワームの咆哮》
1 《打開》

-呪文(19)-
2 《幻影のケンタウロス》
4 《被覆》
2 《クローサ流再利用》
4 《リスの巣》
2 《激動》
1 《森》

-サイドボード(15)-

 オデッセイブロック構築で作られたこのデッキは、打ち消し呪文が入っておらず、スレッショルドとフラッシュバックを最大限生かしてアドバンテージを取りながらビートダウンしていく。このデッキの目指すのはシナジーの最大化であり、打ち消しによって何かを守るということには重点は置かれていない。

 クロックパーミションとしての『スレッショルド』が一番明確に表れるのは、新しいレガシーが始まってからだろう。

⇒⇒2005年
『青緑赤スレッショルド』 Pat McGregor
グランプリ・フィラデルフィア05 ベスト8 / レガシー
2 《島》
4 《Tropical Island》
4 《Volcanic Island》
4 《溢れかえる岸辺》
4 《汚染された三角州》

-土地(18)-

4 《敏捷なマングース》
4 《熊人間》
2 《巣立つドラゴン》

-クリーチャー(10)-
4 《渦まく知識》
4 《血清の幻視》
4 《稲妻》
4 《留意》
4 《目くらまし》
4 《対抗呪文》
4 《火+氷/Fire+Ice(APC)》
4 《Force of Will》

-呪文(32)-
2 《トーモッドの墓所》
2 《赤霊破》
1 《紅蓮破》
4 《紅蓮地獄》
3 《帰化》
3 《冬の宝珠》

-サイドボード(15)-

 新しいフォーマットとしてレガシーが成立してからの『スレッショルド』の形は、基本的に《敏捷なマングース》を軸に作られる。《敏捷なマングース》がもっとも優れている点は、クロックパーミッションの最大の弱点であるクロックを損失したときの脆弱さというのを補っている点だ。被覆によって守る必要がほとんどないために、クロックを守ることに対してリソースを割く必要もほとんどない。

 初期の『フィッシュ』に比べて、クリーチャーの数は少なくなっているが、それは、少なくしても十分機能するだけの能力をクリーチャー自身が持っているからだ。相手を倒せるだけのクロックさえあれば、クロックを増強する必要はなく、相対的に見て相手の妨害に当てたほうが効率的であるだろう。

 ただ、マッドネスには、優秀な打ち消し呪文である《堂々巡り》が存在していたため、ブロック構築から、スタンダードでも、クロックとパーミッションを兼ね備えた形がほとんどになっていた。

『青緑マッドネス』 Ken Ho
プロツアー・大阪02 優勝 / オデッセイブロック構築
13 《森》
9 《島》
1 《色あせた城塞》

-土地(23)-

4 《日を浴びるルートワラ》
4 《アクアミーバ》
4 《野生の雑種犬》
3 《熊人間》
4 《尊大なワーム》

-クリーチャー(19)-
4 《行き詰まり》
3 《リスの巣》
4 《堂々巡り》
3 《激動》
4 《ワームの咆哮》

-呪文(18)-
3 《ナントゥーコの病木刈り》
4 《オーラの移植》
3 《一瞬の平和》
3 《動かぬ生》
2 《説得》

-サイドボード(15)-

 マッドネスはそのシステム自体が強力なシナジーを持っており、どちらかと言えば、最初からメタゲームの中心になるタイプのデッキであった。
 クロックに加え、パーミッション要素を持っているというのは間違いないものの、例えば、強力なコンボデッキなどのメタゲームの対抗策として生まれたデッキではない。強力なカードの組み合わせでデッキを作ったら、それが、結果的にクロックパーミッションのような形になったデッキである言ってもいいだろう。

 スレッショルドがあくまでクリーチャーの個を強化するだけのものに過ぎないために、デッキのバリエーションは多かったが、マッドネスはデッキそのものの構造を支配しているために、ある一定の形に落ち着くことが多かった。

 マッドネスデッキは代表的なクロックパーミッションのデッキとして考えられるが、その作られた経緯は違うものであると言ってもいいだろう。


■2005~2006年 神河ブロック~ラヴニカ

 優秀な緑のクリーチャーと青のカウンター、この構図が強いという認識はオデッセイブロックによって成されたものの、オデッセイブロックのメカニズムが青と緑の組み合わせを推奨していたということも大きく、青と緑は相性のいい色の組み合わせではない。

 この色の組み合わせのもっとも大きなガンは除去がほとんどないところだろう。相手のクリーチャーを止めることが難しく、システムクリーチャーに対しての対策も限られていた。

 それを打開したのが、神河ブロックの《梅澤の十手》だ。神河ブロックの青と緑は軽量で優秀なクリーチャーこそ乏しかったものの、《梅澤の十手》という装備品によって、直接的ではないとはいえ除去を手に入れ、クリーチャー自体の価値を大きく高めることになったのだ。

『青緑クロックパーミッション』 Leong Ding
世界選手権05 ベスト8 / スタンダード
5 《森》
5 《島》
1 《先祖の院、翁神社》
1 《水辺の学舎、水面院》
1 《雲の宮殿、朧宮》
4 《ヤヴィマヤの沿岸》
1 《草むした墓》
4 《氷の橋、天戸》
1 《嘆きの井戸、未練》

-土地(23)-

4 《ラノワールのエルフ》
4 《桜族の長老》
4 《ウッド・エルフ》
4 《曇り鏡のメロク》
4 《北の樹の木霊》
3 《潮の星、京河》

-クリーチャー(23)-
3 《師範の占い独楽》
3 《マナ漏出》
4 《邪魔》
4 《梅澤の十手》

-呪文(14)-
3 《呪師の弟子》
2 《空を引き裂くもの、閼螺示》
3 《帰化》
4 《不忠の糸》
3 《頭蓋の摘出》

-サイドボード(15)-

 序盤の軽量クリーチャーを守るのではなく、マナ加速から、5マナ域の《北の樹の木霊》や《曇り鏡のメロク》で戦場を制圧して、それを打ち消し呪文でサポートする。
 クロックが高コストに存在し、強力すぎるために、本来のクロックパーミッションとは一線を画しているが、《梅澤の十手》を加えた、青緑のグッドスタッフデッキとも言えるかもしれない。

 ただ、クロックパーミッションとしての道筋を分かりやすく継承していったデッキも存在した。それが、白の軽量クリーチャーと《深き刻の忍者》を合わせたこのデッキだ。

『スノウ・ストンピィ』 斎藤友晴
The Finals05 / スタンダード
7 《平地》
1 《永岩城》
4 《湿った墓》
4 《アダーカー荒原》
3 《コイロスの洞窟》
3 《地底の大河》

-土地(22)-

4 《今田家の猟犬、勇丸》
4 《灯籠の神》
4 《サバンナ・ライオン》
4 《闇の腹心》
4 《古の法の神》
4 《深き刻の忍者》

-クリーチャー(24)-
2 《真髄の針》
4 《マナ漏出》
4 《差し戻し》
4 《梅澤の十手》

-呪文(14)-
4 《塵を飲み込むもの、放粉痢》
2 《曇り鏡のメロク》
4 《最後の喘ぎ》
3 《殺戮》
2 《頭蓋の摘出》

-サイドボード(15)-

【WANTED『けちコントロール』】

 このデッキは軽いクリーチャーを高速展開し、打ち消し呪文でそれを守る王道の形になっている。
 それを支えるのが、2つのアドバンテージ要素である《闇の腹心》と《深き刻の忍者》だ。このデッキは《紅蓮地獄》のような除去には弱かったが、動きの遅いコントロール、例えば、『けちコントロール』などには有利なデッキであった、このデッキに対しては《神の怒り》のような呪文では重すぎるため、《差し戻し》によって稼いだ時間で十分勝利できるからだ。

 この、デッキはギルドパクトを加えて、《密林の猿人》が使いやすくなると、緑赤青『シー・ストンピィ』として進化する。

『シー・ストンピィ』 山本昇平
日本選手権06 準優勝 / スタンダード
2 《森》
4 《繁殖池》
4 《蒸気孔》
4 《踏み鳴らされる地》
2 《カープルーザンの森》
2 《シヴの浅瀬》
2 《ヤヴィマヤの沿岸》
1 《怒りの穴蔵、スカルグ》

-土地(21)-

4 《極楽鳥》
4 《密林の猿人》
4 《ラノワールのエルフ》
4 《三角エイの捕食者》
4 《喧騒の貧霊》
4 《深き刻の忍者》

-クリーチャー(24)-
4 《差し戻し》
4 《氷結地獄》
4 《石の雨》
3 《梅澤の十手》

-呪文(15)-
4 《大竜巻》
4 《巨大ヒヨケムシ》
2 《素拳の岩守》
2 《荒廃の思考》
1 《梅澤の十手》
2 《曇り鏡のメロク》

-サイドボード(15)-

【WANTED『ソーラーフレア』】

 メインで《氷結地獄》まで使われているのが特徴的なデッキだ。メタゲームによった選択であり、青黒白のコントロールデッキとして流行していた『ソーラーフレア』に対して有利に働いた。大味な動きの『ソーラーフレア』に対しては同様に《差し戻し》が有効であり、より対コントロールに寄せたデッキと言える。

 使われているクリーチャーが《密林の猿人》や《喧騒の貧霊》など、非常に打撃力のあるものであり、《梅澤の十手》も含めて、相手に与えるクロックが強力であるというのも、昔に比べての大きな違いかもしれない。クロックが強力であればあるほど、《差し戻し》や《石の雨》による、相手の行動の遅延も強力になってくるのだ。


■2007~2011年 最強の2マナクリーチャー

 もっとも強い2マナクリーチャー(少なくとも《石鍛冶の神秘家》が出るまでは)と言われたのが、未来予知で登場した《タルモゴイフ》になるだろう。

 この2マナにしては大きなクリーチャーである《タルモゴイフ》の登場は、ビートダウンを単純に強化しただけでなく、クロックパーミッションの世界も大きく変えた。
 時のらせんブロックでは、《タルモゴイフ》を主軸に据えた青緑のクロックパーミッションデッキが、グランプリで優勝を果たしている。

『青緑タルモ』 金子真実
グランプリ・フィレンツェ07 優勝 / 時のらせんブロック構築
11 《島》
2 《森》
4 《ラノワールの再生地》
1 《ペンデルヘイヴン》
2 《地平線の梢》
4 《広漠なる変幻地》

-土地(24)-

4 《コー追われの物あさり》
4 《裂け目掃き》
4 《タルモゴイフ》
4 《神秘の蛇》
2 《造物の学者、ヴェンセール》
4 《裂け目翼の雲間を泳ぐもの》
3 《ヴェズーヴァの多相の戦士》

-クリーチャー(25)-
4 《猿術》
4 《遅延》
3 《心霊破》

-呪文(11)-
3 《ソーンウィールドの射手》
3 《ザルファーの魔道士、テフェリー》
1 《ヴェズーヴァの多相の戦士》
3 《塩水の精霊》
4 《鋸刃の矢》
1 《ウルザの工廠》

-サイドボード(15)-

 打ち消し呪文の枠に、根本的な解決にはならないものの時間稼ぎという点では万能の《遅延》が使われている。また、《神秘の蛇》や《造物の学者、ヴェンセール》といったカードは、クリーチャーでありながら相手の呪文に干渉できるために、クロックを強化しながら、相手を遅らせることが可能だ。

 《猿術》と言ったトリッキーな除去呪文は、相手のクリーチャーにも自分のクリーチャーにも使うことができる。


 《タルモゴイフ》は余りにも強力なクロックであったために、クロックパーミッションとパーミッションデッキの中間とも言える形のデッキも誕生する。

『Next Level Blue』 Saul Alvarado
グランプリ・ロサンザルス09 べスト4 / エクステンデッド
7 《冠雪の島》
3 《繁殖池》
2 《溢れかえる果樹園》
1 《神聖なる泉》
1 《蒸気孔》
4 《溢れかえる岸辺》
4 《汚染された三角州》
1 《アカデミーの廃墟》
1 《嘆きの井戸、未練》

-土地(24)-

4 《タルモゴイフ》
4 《ヴェンディリオン三人衆》

-クリーチャー(8)-
4 《祖先の幻視》
4 《呪文嵌め》
4 《マナ漏出》
3 《ヴィダルケンの枷》
1 《炎渦竜巻》
4 《謎めいた命令》
1 《粗野な覚醒》
3 《仕組まれた爆薬》
2 《撤廃》
2 《梅澤の十手》

-呪文(28)-
4 《台所の嫌がらせ屋》
3 《空を引き裂くもの、閼螺示》
3 《古えの遺恨》
3 《残響する真実》
1 《炎渦竜巻》
1 《アカデミーの廃墟》

-サイドボード(15)-

 軽量の相手を倒しえる十分なクロックと打ち消し呪文という組み合わせが、クロックパーミッションの定義ならば、このデッキもクロックパーミッションと言えるかもしれない。また、フィニッシャーを軽量化した、パーミッションデッキとも言える。
 強力な2マナクリーチャーが生まれることで、この境目がより曖昧になり、むしろ、その両方の性質を備えたものであると言えるだろう。


 クロックパーミッションというアーキタイプの本質が難解なのは、その幅広さにもあるのだろう。パーミッションに軽量のフィニッシャーを採用した場合、ビートダウンに打ち消し呪文を採用した場合など、どこからどこまでがクロックパーミッションなのかというのは実は難しい。

 そして、この『Next Level Blue』形をより進化させ、環境を席巻したのが『Caw-Blade』だ。

『Caw-Blade』 Paulo Vitor Damo da Rosa
グランプリ・シンガポール2011 優勝 / スタンダード
5 《島》
4 《平地》
4 《天界の列柱》
4 《金属海の沿岸》
3 《氷河の城砦》
2 《墨蛾の生息地》
4 《地盤の際》

-土地(26)-

4 《戦隊の鷹》
4 《石鍛冶の神秘家》
1 《聖別されたスフィンクス》

-クリーチャー(9)-
4 《定業》
3 《呪文貫き》
4 《マナ漏出》
2 《乱動への突入》
1 《神への捧げ物》
3 《四肢切断》
1 《饗宴と飢餓の剣》
1 《戦争と平和の剣》
1 《殴打頭蓋》
1 《ジェイス・ベレレン》
4 《精神を刻む者、ジェイス》

-呪文(25)-
1 《太陽のタイタン》
3 《失脚》
2 《糾弾》
2 《神への捧げ物》
2 《瞬間凍結》
1 《天界の粛清》
1 《剥奪》
1 《四肢切断》
1 《審判の日》
1 《殴打頭蓋》

-サイドボード(15)-

 《石鍛冶の神秘家》は近代の2マナでは最強のクリーチャーと言われており、それを使ったデッキの中でも『Caw-Blade』はもっとも有名なデッキだ。《石鍛冶の神秘家》は《殴打頭蓋》が加わると、2マナ域のフィニッシャーという明確な役割を果たした。

 《石鍛冶の神秘家》が《タルモゴイフ》と決定的に違うのはその除去耐性だろう。
 《タルモゴイフ》は単体で強くはあるが、単純にタフネスの大きさ以上の除去に対しての耐性はない。《石鍛冶の神秘家》は装備品を利用することで、それ自身がフィニッシャーとなりえるだけでなく、《戦隊の鷹》といったアドバンテージクリーチャーもフィニッシャーとしてしまえた。単体除去による対処というのは、このデッキに対してはそこまで有効ではないのだ。

 より少数の軽量カードで強力なクロックを形成するこのデッキだったが、カードパワーに加えて、構造的に理想的すぎたため《石鍛冶の神秘家》《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》が禁止されることとなった。


 最近のモダンで行われたプロツアーでは、ビートダウンスタイルのクロックパーミッションが準優勝を果たしている。

『Counter Cat』 Josh Utter-Leyton
プロツアー・フィラデルフィア2011 準優勝 / モダン
1 《森》
1 《平地》
2 《踏み鳴らされる地》
1 《寺院の庭》
1 《神聖なる泉》
1 《聖なる鋳造所》
1 《蒸気孔》
1 《地平線の梢》
1 《ドライアドの東屋》
4 《乾燥台地》
4 《霧深い雨林》
2 《湿地の干潟》
1 《沸騰する小湖》
1 《地盤の際》

-土地(22)-

4 《貴族の教主》
4 《野生のナカティル》
4 《タルモゴイフ》
1 《ガドック・ティーグ》
1 《クァーサルの群れ魔道士》
4 《聖遺の騎士》

-クリーチャー(18)-
4 《流刑への道》
4 《稲妻》
3 《バントの魔除け》
3 《稲妻のらせん》
4 《緑の太陽の頂点》
2 《遍歴の騎士、エルズペス》

-呪文(20)-
1 《渋面の溶岩使い》
1 《クァーサルの群れ魔道士》
3 《エイヴンの思考検閲者》
3 《瞬間凍結》
3 《統一された意思》
1 《法の定め》
2 《ギデオン・ジュラ》
1 《地盤の際》

-サイドボード(15)-

【WANTED『12ポスト』】

 ビートダウンに打ち消し呪文をサポートする形のデッキで、メインでは《バントの魔除け》のみが搭載されているが、サイドボードには、多くのカウンターが搭載されている。これによって、環境の主流であった、中速のマナを大量に生む形のコンボデッキである『12ポスト』などのコントロールやコンボデッキに対して大きな耐性をつけている。

 パーミッションよりも、ビートダウンからの派生なため、クロックや除去といった呪文が多くなっており、フェッチランドとショックランドの組み合わせによって、青をタッチできるために打ち消し呪文を採用したという形だろう。
 安定した動きをサポートしていた《緑の太陽の頂点》が禁止になったために、これから同じ形を使うことはできないが、同じようなスタイルを踏襲したデッキは生まれてくるかもしれない。


 クロックを持たない打ち消し呪文は受け身なカードでしかないが、クロックのある状態での打ち消し呪文は《Time Walk》にも変わる。
 クロックパーミッションで重要なことは、ダメージソースがあり、そして、その状態を長引かせることにある。広い意味を取るなら、そういった戦略を取るデッキ全てがクロックパーミッションと言えるのかもしれない。

 ただ、歴史から見て取れるのは、クロックパーミッションの意義の変遷だろう。クロックパーミッションは本来、倒すべき相手を倒すために生まれたデッキが、軽量クリーチャーの強化によって、ビートダウンとパーミッションの両方の要素を兼ね備えるような、環境の王者と言われるデッキも多く輩出している。

 イニストラードでは《聖トラストの霊》のような軽量で強力なクロックを持ったカードも登場しているため、これからの環境でどういった形でこのアーキタイプが使い、使われていくかというのは興味深いが、どういった意図でデッキが使われているのかというのにも、ぜひ注目して欲しい点だ、


 それでは、また次回・・・の前に、久々に筆者お気に入りデッキの紹介。

『8マン』 浅原晃
The Finals01 ベスト8 / スタンダード
11 《島》
4 《森》
4 《ヤヴィマヤの沿岸》

-土地(19)-

4 《敏捷なマングース》
4 《熊人間》

-クリーチャー(8)-
4 《選択》
3 《魔力の乱れ》
4 《予報》
4 《記憶の欠落》
4 《対抗呪文》
4 《排撃》
4 《嘘か真か》
2 《激動》
4 《中略》

-呪文(33)-
3 《クローサの獣》
4 《たい肥》
4 《反論》
3 《冬眠》
1 《枯渇》

-サイドボード(15)-

 筆者が作り、もともとは《敏捷なマングース》と《疾風のマングース》が8体入っていたことから付けられたと言われるデッキですが、実は名前の由来は良く覚えてないというデッキ。そろそろ、新しくて強いマングースが出て欲しいところです。

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