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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

岩SHOWの「デイリー・デッキ」:驚恐の目覚め(スタンダード)

岩SHOWの「デイリー・デッキ」:驚恐の目覚め(スタンダード)

by 岩SHOW

 ワールド・マジック・カップ予選2016大阪大会では有田賢人の「白赤人間」が、StarCityGames.com Standard - Orlandoでもトム・ロス/Tom Rossの同じデッキが優勝。グランプリ・台北2016では市川ユウキの「バント・カンパニー」が、グランプリ・ピッツバーグ2016では「緑白トークン」がグランプリ王者に輝いている。

 『イニストラードを覆う影』環境末期、スタンダードで活躍するデッキは絞り込まれた感がある。結局、「緑白トークン」の進撃はプロツアーから止まることがなく、今環境開幕前より有力と見られていた「バント・カンパニー」「白単人間」も他を寄せ付けない強さを見せ続けた。これら3つのうち、自分に合ったものを使うというのが、勝つためには最も正しい選択なのかもしれない。

 スタンダードで争われる日本代表の座は決まり、スタンダードのグランプリも世界的にはしばらくお休み。この3つのデッキが支配するスタンダードを真剣勝負の場でプレイする機会はもうオシマイである。......だが、安心してほしい。スタンダードを遊ぶには、毎週金曜日がやってくるのを待てば良いだけだ。全国のショップで開かれるフライデー・ナイト・マジックが、あなたの参加を待っている!

 ......で、そんなフライデーに参加して遊ぶ予定のある皆さん......上記のデッキを使うのに・または使われるのに食傷気味になったりしていませんか? どれも良いデッキだが、いつも同じものを用いたりそれに対抗し続けるというのも、僕のようなカジュアル寄りのプレイヤーからするとおなかいっぱいになって違う刺激を求めたくなってしまうもの。今回はそういう欲求を満たしてくれるかもしれない、パンチの効いたデッキを紹介しよう。

Javier De Leon - 「驚恐の目覚め」
StarCityGames.com Invitational Qualifier Lexington / スタンダード (2016年6月18日)[MO] [ARENA]
4 《
3 《平地
1 《
4 《大草原の川
4 《シヴの浅瀬
4 《戦場の鍛冶場
4 《進化する未開地

-土地(24)-

3 《躁の書記官
4 《反射魔道士

-クリーチャー(7)-
4 《石の宣告
3 《否認
4 《スフィンクスの後見
4 《オジュタイの命令
4 《驚恐の目覚め
4 《テレパスの才能
2 《意思の激突
2 《卓絶のナーセット
2 《炎呼び、チャンドラ

-呪文(29)-
2 《氷の中の存在
1 《終止符のスフィンクス
4 《食い荒らす炎
4 《光輝の炎
4 《虚空の粉砕

-サイドボード(15)-
StarCityGames.com より引用)

 ジェスカイ・カラー(青白赤)のコントロールデッキで、打ち消しや除去をしっかり搭載しつつ......きな臭いカードが名を連ねている。《躁の書記官》《スフィンクスの後見》《驚恐の目覚め》に《テレパスの才能》、コイツぁ......ライブラリーアウトを狙っていやがるッッ。

 以前に当コラムでもモダンの「青黒ミル」を紹介し、昔から根強いファンがいるライフ以外を攻めるライブラリーアウトデッキについて語ったが......やっぱりいますね愛好家。このスタンダード環境には、《驚恐の目覚め》というライブラリーを削りたいという欲求を叶えるためだけに作られたかのような1枚が存在する。

回転

クリックで変身します

 このカードは対戦相手のライブラリーを13枚削る大型ライブラリー破壊であり、また墓地にある時に5マナ払うと《絶え間ない悪夢》というクリーチャーとして戦場に出るという変わり種変身呪文だ。このクリーチャーが対戦相手に戦闘ダメージを与えた場合、これを手札に戻してもう一度《驚恐の目覚め》として唱えることができる。カード1枚で26枚削る、と考えればなかなか威力のある呪文だ。これを中心に、現環境のライブラリー破壊を詰め込んだデッキがこのデッキ......「驚恐の目覚め」とでもしておこうか。

 ライブラリー破壊の効果がテキストに書かれていないカードも、これらの戦略を推し進めるためのシナジーを形成している。《驚恐の目覚め》《テレパスの才覚》と相性が良いのが《卓絶のナーセット》。[-2]能力でこれらの呪文に反復をつけてやれば、ゴリッとライブラリーを破壊することができるだろう。《テレパスの才能》なんて驚異的なアドバンテージを獲得してくれるかもしれない。

 《オジュタイの命令》は《躁の書記官》を墓地から拾い上げつつドローするモードを選択することで、《スフィンクスの後見》の能力を誘発させることも可能だ。どちらのカードも、コントロール要素・ライブラリー破壊サポートとしてどちらの仕事もこなすことができる、このデッキ向けのカードであると言えよう。

 除去として採用されている《石の宣告》が相手に手掛かり・トークンを渡してドローを助けてしまうのも、このデッキにとってはライブラリーの枚数が減ってくれてラッキーと捉えることができる。全体除去として採用されている《炎呼び、チャンドラ》も、[0]能力で大量にカードを引くことで《スフィンクスの後見》を多数誘発させることができる。これ、一回やってみたいな。

 現在は昂揚やリアニメイト戦略を取ってくるデッキがいないので、こうしたライブラリーをゴリゴリ削って勝利を目指すデッキもアリなのだが......7月22日に発売を控える『異界月』には《約束された終末、エムラクール》が収録されることが現在わかっている。このカードは自身の墓地にあるカード・タイプ1種類につき唱えるのに必要なマナが1つ軽くなる。うかつにライブラリーを削って墓地を肥やしてしまうと、思わぬカウンターパンチを決められる可能性があるので注意! エムラクールが襲来していない今のうちに、このデッキを楽しんでおくのが吉かも?

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