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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

岩SHOWの「デイリー・デッキ」:グリクシス・コントロール(スタンダード)

岩SHOWの「デイリー・デッキ」:グリクシス・コントロール(スタンダード)

by 岩SHOW

 2月21日、プロツアー地域予選(RPTQ)が開催された。世界中で、また今回はMagic Online上で、プロツアー予備予選を勝ち抜いたプレイヤーたちが激闘の火花を散らした。ここ日本でも、東と西、2つの会場に分かれて予選が行われ、合計8名のプレイヤーがマドリード行きの権利と切符を手に入れた。今回は東京予選を勝ち上がった、シルバーレベル・プロである松本友樹の「グリクシス・コントロール」を紹介しよう!

松本 友樹 - 「グリクシス・コントロール」
プロツアー地域予選2016#2 東京予選 権利獲得 / スタンダード[MO] [ARENA]
2 《
4 《
1 《
2 《窪み渓谷
2 《燻る湿地
4 《汚染された三角州
4 《血染めのぬかるみ
4 《溢れかえる岸辺
4 《さまよう噴気孔

-土地(27)-

4 《ヴリンの神童、ジェイス
3 《ゲトの裏切り者、カリタス

-クリーチャー(7)-
2 《強迫
1 《焦熱の衝動
4 《闇の掌握
1 《軽蔑的な一撃
1 《究極の価格
4 《虚空の粉砕
1 《苦い真理
1 《破滅の道
1 《残忍な切断
1 《荒廃の一掴み
4 《時を越えた探索
2 《意思の激突
3 《炎呼び、チャンドラ

-呪文(26)-
1 《竜使いののけ者
1 《強迫
1 《焦熱の衝動
1 《引き裂く流弾
3 《精神背信
2 《否認
2 《焙り焼き
2 《光輝の炎
1 《苦い真理
1 《灯の再覚醒、オブ・ニクシリス

-サイドボード(15)-
晴れる屋 より引用)

 ご覧の通り、メインにはクリーチャーがわずか7枚、《ヴリンの神童、ジェイス》《ゲトの裏切り者、カリタス》の2種類のみ。サイドを含めても《龍使いののけ者》1枚で合計8枚しか採用されていない、生粋のコントロールデッキだ。今日のスタンダード環境でヘビーコントロールと言えば、《龍王オジュタイ》を擁する「エスパー・ドラゴン」(※1)がまず思いつくが、このデッキはその青と黒というコントロールカラーの相方にオジュタイの白ではなく、赤を選んだグリクシス・カラーのもの。

(※1:青白黒の3色で作られたコントロールデッキ。その名の通り、《龍王オジュタイ》《龍王シルムガル》らドラゴンがフィニッシャーで、それとシナジーのある《シルムガルの嘲笑》などの呪文が採用されているのが特徴。)

 赤を選んだ最大の理由は、メインに3枚積まれた、龍王らクリーチャーに代わるフィニッシャー、《炎呼び、チャンドラ》を使うためだろう。松本自身も、『ゲートウォッチの誓い』発売前にこのカードを「守勢に回っている時は非常に脆いものの、微不利~五分の盤面では一瞬でゲームを決める力を持っている。ミッドレンジ・デッキのマナ域の頂点に採用する形でも、暴力的な強さを発揮できる。」と高く評価していた。ここ最近、「赤緑エルドラージ・ランプ」(※2)で採用され世界的にその評価を上げていた《炎呼び、チャンドラ》だが、松本は既に目を付けており、エルドラージではなく彼女自身を主役としたデッキを完成させ、見事プロツアーへの参加権利を獲得したのだった。

(※2:緑のマナブーストから繰り出される、強大なるエルドラージで圧殺を狙うデッキ。『ゲートウォッチの誓い』では前述のチャンドラや《世界を壊すもの》など多数の強化パーツを獲得し、デッキとして大きく進化した。)

 デッキとしては、《ヴリンの神童、ジェイス》でアドバンテージを稼ぎながら黒い除去、青い打ち消し呪文で盤面を捌き、《時を越えた探索》でフィニッシャーへと繋げる......古き良きヘビーコントロールの動きをする。除去と打ち消しの多くは1枚ずつ搭載されており、その時その時で最適なものを《ヴリンの神童、ジェイス》《時を越えた探索》で引いてくるという設計になっている。この呪文のチョイスがまたシブいもので、特に《荒廃の一掴み》などたまらない。これを《束縛なきテレパス、ジェイス》で使いまわせば、勝ったも同然! このデッキをコピーして使用する際は、この散らされた除去・打ち消しを、自身の参加する大会のメタゲームに合わせたものに微調整するのが良いだろう。

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