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市川ユウキの「プロツアー参戦記」
2019ミシックチャンピオンシップⅤ(MTGアリーナ) 後編
こんにちは! 市川です!
今回は前回の続きとして、2019ミシックチャンピオンシップⅤ(MTGアリーナ)の大会レポートを綴っていこうと思います。
0.使用デッキ
9 《森》 5 《島》 4 《繁殖池》 4 《神秘の神殿》 2 《ギャレンブリグ城》 2 《ヴァントレス城》 -土地(26)- 4 《金のガチョウ》 4 《楽園のドルイド》 4 《意地悪な狼》 1 《裏切りの工作員》 2 《大食のハイドラ》 4 《ハイドロイド混成体》 -クリーチャー(19)- |
4 《成長のらせん》 2 《軽蔑的な一撃》 1 《霊気の疾風》 4 《王冠泥棒、オーコ》 4 《世界を揺るがす者、ニッサ》 -呪文(15)- |
3 《探索する獣》 2 《大食のハイドラ》 3 《夏の帳》 2 《霊気の疾風》 2 《軽蔑的な一撃》 2 《神秘の論争》 1 《伝承の収集者、タミヨウ》 -サイドボード(15)- |
まずは今回の使用デッキから解説します。
今回は「シミック・食物」をプレイすることにしました。
使用理由はズバリ、「バント・ゴロス」に少し有利だからです。
メインデッキから《軽蔑的な一撃》を採用していますから、《軽蔑的な一撃》+《世界を揺るがす者、ニッサ》のような展開になればメインデッキから勝つこともあり得ますし、サイドボード後は追加の打ち消しを《伝承の収集者、タミヨウ》で使いまわしながら《探索する獣》でドツき回す構成になっており、サイドボード後を含めると有利なマッチアップと言えます。
この構成の特徴として、《成長のらせん》が採用されており、《むかしむかし》が不採用な点があります。
これは、環境のトップ2である「バント・ゴロス」「シミック・食物」に対して絶対に遅れを取りたくない表れです。
「シミック・食物」は《金のガチョウ》《楽園のドルイド》のマナクリーチャー8枚+《むかしむかし》4枚の構成が一般的ですが、この場合《むかしむかし》をキープ基準としてカウントしなければなりません。
初手でキープした《むかしむかし》が《金のガチョウ》か《楽園のドルイド》になることを期待しなければならないことにリスクを感じたため、このような構成になりました。
ちなみに《むかしむかし》をプレイして、手札にないマナクリーチャー2種8枚のいずれかがヒットする確率は67%程度です。
《成長のらせん》はサイドボード後の対「バント・ゴロス」におけるカウンター戦略とマッチしたカードで、「バント・ゴロス」のようなランプデッキに対して、このターンマナを伸ばすのか、それとも《軽蔑的な一撃》などのカウンターを構えるのかは悩みの種になりますが、《成長のらせん》はインスタントですから、相手が動いてきたら《軽蔑的な一撃》、動いてこないのであれば《成長のらせん》でマナ加速と、相手の動きを見てからプレイすることが可能です。
また、《成長のらせん》で置く土地はアンタップインですから、2ターン目に《成長のらせん》→《森》→《金のガチョウ》で、1ターン目に《金のガチョウ》をプレイせずとも、3ターン目に《世界を揺るがす者、ニッサ》をプレイすることが可能で、《成長のらせん》はプレイすればするほど好きになりました。
ただ、メインデッキに入れた《裏切りの工作員》は失敗だったように感じました。
バントカラーで《時を解す者、テフェリー》や《時の一掃》などの《裏切りの工作員》を使いまわせるカードを採用しているわけでもないので、「シミック・食物」における《裏切りの工作員》はそれ単体のカードパワーのみの評価になってしまい、それだけだと少し物足りない印象。
このスロットは2番目に多いと想定している「シミック・食物」のミラーマッチを想定して《霊気の疾風》を採用すれば良かったです。
ミラーマッチの肝と言うべきカードで、マナ加速から先んじて《世界を揺るがす者、ニッサ》をプレイすることが勝利条件ですから、それをひっくり返せる《霊気の疾風》はメインサイド合わせて4枚採用するべきでした。
11 《森》 4 《島》 4 《繁殖池》 4 《神秘の神殿》 1 《ギャレンブリグ城》 2 《ヴァントレス城》 -土地(26)- 4 《金のガチョウ》 4 《楽園のドルイド》 1 《厚かましい借り手》 4 《意地悪な狼》 1 《裏切りの工作員》 2 《大食のハイドラ》 4 《ハイドロイド混成体》 -クリーチャー(20)- |
4 《成長のらせん》 2 《軽蔑的な一撃》 4 《王冠泥棒、オーコ》 4 《世界を揺るがす者、ニッサ》 -呪文(14)- |
3 《探索する獣》 2 《大食のハイドラ》 3 《夏の帳》 3 《霊気の疾風》 2 《軽蔑的な一撃》 1 《神秘の論争》 1 《伝承の収集者、タミヨウ》 -サイドボード(15)- |
10 《森》 5 《島》 4 《繁殖池》 4 《神秘の神殿》 1 《ギャレンブリグ城》 2 《ヴァントレス城》 -土地(26)- 4 《金のガチョウ》 4 《楽園のドルイド》 4 《意地悪な狼》 1 《裏切りの工作員》 2 《大食のハイドラ》 4 《ハイドロイド混成体》 -クリーチャー(19)- |
4 《成長のらせん》 2 《軽蔑的な一撃》 1 《霊気の疾風》 4 《王冠泥棒、オーコ》 4 《世界を揺るがす者、ニッサ》 -呪文(15)- |
3 《探索する獣》 2 《大食のハイドラ》 3 《夏の帳》 2 《霊気の疾風》 2 《軽蔑的な一撃》 2 《神秘の論争》 1 《伝承の収集者、タミヨウ》 -サイドボード(15)- |
この《成長のらせん》入り「シミック・食物」は八十岡さんをベースに構築し、細部は異なるものの調整メンバー4人のうち3人が使用する結果に。
アグロ好きの佐藤さんはあまり気に入るデッキが見つからず消極的に選択したように見えましたが、私は「シミック・食物」のようなミッドレンジデッキは大好物で、このような中速デッキが使える環境の時は基本的に常に選択し続けてきましたし、そんなデッキが環境のトップ2であることは非常に幸運だったと言えます。
1.全プレイヤーデッキリスト発表
まず、ゴロスデッキ、「バント・ゴロス」「ゴロス・ファイアーズ」を合わせた数値が40%を超えたことは最も興味深いトピックでしょう。
2 《森》 1 《平地》 2 《島》 2 《繁殖池》 1 《神秘の神殿》 1 《茨森の滝》 1 《シミックのギルド門》 2 《寺院の庭》 1 《花咲く砂地》 1 《セレズニアのギルド門》 2 《神聖なる泉》 1 《平穏な入り江》 1 《アゾリウスのギルド門》 1 《疾病の神殿》 1 《イゼットのギルド門》 1 《オルゾフのギルド門》 1 《調和の公有地》 1 《ギャレンブリグ城》 1 《ヴァントレス城》 4 《死者の原野》 2 《寓話の小道》 -土地(30)- 3 《樹上の草食獣》 4 《不屈の巡礼者、ゴロス》 1 《帰還した王、ケンリス》 2 《裏切りの工作員》 1 《王国まといの巨人》 3 《ハイドロイド混成体》 -クリーチャー(14)- |
4 《成長のらせん》 4 《むかしむかし》 4 《迂回路》 2 《時の一掃》 2 《時を解す者、テフェリー》 -呪文(16)- |
2 《拘留代理人》 2 《狼の友、トルシミール》 1 《裏切りの工作員》 2 《夏の帳》 3 《敬虔な命令》 2 《神秘の論争》 3 《夢を引き裂く者、アショク》 -サイドボード(15)- |
倒す側に回らず、使う側になることを選んだ40%超のプレイヤーも、調整中は大大トップメタであるゴロスを倒すことを画策したと推測されますから、調整の結果ゴロスデッキに勝てるデッキは存在しないと結論付けたことになります。
特にこのブライアン・ブラウン=デュイン/Brian Braun-Duin、略してBBDが持ち込んだ「バント・ゴロス」は土地が環境最多の30枚採用されており、「事故らなければ勝つから」といった自信を感じさせます。
10 《森》 9 《山》 4 《踏み鳴らされる地》 -土地(23)- 4 《生皮収集家》 4 《ザル=ターのゴブリン》 3 《楽園のドルイド》 2 《クロールの銛撃ち》 4 《砕骨の巨人》 4 《グルールの呪文砕き》 4 《探索する獣》 3 《スカルガンのヘルカイト》 -クリーチャー(28)- |
4 《むかしむかし》 3 《争闘 // 壮大》 2 《エンバレスの宝剣》 -呪文(9)- |
3 《恋煩いの野獣》 2 《打ち壊すブロントドン》 1 《変容するケラトプス》 2 《ショック》 2 《レッドキャップの乱闘》 2 《夏の帳》 3 《ドムリの待ち伏せ》 -サイドボード(15)- |
一方、MTGアリーナではにわかに増え始めていた「グルール・アグロ」ですが、使用者は4人と控えめな結果に。
やはり他のプレイヤーも、私たちと同じように「食物」系への勝率の悪さから敬遠したのでしょうか。
メインデッキから《意地悪な狼》で地上の戦線は止まってしまいますし、サイドボード後はそこにさらに《大食のハイドラ》が追加され、盤面のクリーチャーをことごとく除去され《エンバレスの宝剣》をプレイすることもままならない展開になりがちですからね。
本番前までは下火に感じられた「食物」系も使用者が11人で16%と、想像より多い勢力となりました。
12 《森》 5 《島》 4 《繁殖池》 3 《神秘の神殿》 -土地(24)- 4 《金のガチョウ》 4 《楽園のドルイド》 4 《意地悪な狼》 4 《探索する獣》 4 《ハイドロイド混成体》 -クリーチャー(20)- |
4 《軽蔑的な一撃》 4 《むかしむかし》 4 《王冠泥棒、オーコ》 4 《世界を揺るがす者、ニッサ》 -呪文(16)- |
2 《恋煩いの野獣》 4 《大食のハイドラ》 2 《夏の帳》 3 《霊気の疾風》 3 《神秘の論争》 1 《夢を引き裂く者、アショク》 -サイドボード(15)- |
一際目を惹くのは、カイ・ブッディ/Kai Buddeらが持ち込んだ「シミック・食物」で、メインデッキから《軽蔑的な一撃》と《探索する獣》を4枚ずつ採用しており、いかにこのトーナメントは対「ゴロス」が鍵か考えていたようです。
私たちの「シミック・食物」はサイドボード後の対「ゴロス」に有利を狙った構成になっており、ここに思想の違いを感じます。
確かにサイドボード後の勝負になると、1本ずつ取り合った3本目は対戦相手が先手で始まりますから、《成長のらせん》→《迂回路》→《不屈の巡礼者、ゴロス》のようなブン回りで落としてしまうこともあります。
メインデッキからしっかり取りに勝ちにいく構成も理解ができます。
6 《森》 2 《島》 1 《平地》 4 《繁殖池》 4 《寺院の庭》 4 《神聖なる泉》 3 《寓話の小道》 -土地(24)- 4 《金のガチョウ》 4 《楽園のドルイド》 2 《枝葉族のドルイド》 4 《拘留代理人》 4 《探索する獣》 4 《意地悪な狼》 4 《ハイドロイド混成体》 -クリーチャー(26)- |
2 《むかしむかし》 4 《王冠泥棒、オーコ》 4 《世界を揺るがす者、ニッサ》 -呪文(10)- |
1 《秋の騎士》 1 《狼の友、トルシミール》 1 《大食のハイドラ》 2 《夏の帳》 4 《軽蔑的な一撃》 3 《霊気の疾風》 2 《ガラスの棺》 1 《否認》 -サイドボード(15)- |
最もリストを見て感銘を受けたのはアンドレア・メングッチ/Andrea Mengucciさんらが持ち込んだ「バント・食物」です。
メインデッキに採用している白いカードはわずかに《拘留代理人》のみで、メイン・サイド合わせて《時を解す者、テフェリー》を採用していません。
バントと言えば《時を解す者、テフェリー》を採用するのが当然、と考えていた私としては目から鱗の構成で、綿密な調整が伺えます。
《拘留代理人》は「バント・ゴロス」「シミック・食物」がトップ2であるこの環境においてベストカードと言える働きを見せます。
《死者の原野》であふれかえったゾンビ・トークンを一掃してプレイヤーにダメージを通すこともできますし、「食物」ミラーで《ハイドロイド混成体》や《大食のハイドラ》などのファッティたちを後腐れなく除去することも可能です。
このリストはメインデッキには《軽蔑的な一撃》が入っておらず、対「ゴロス」はサイドボード後からという意志が感じられます。
逆にメインデッキを寄せているのは対ミラーマッチといった印象で、リストからどこを焦点にしているのか感じ取れます。
18 《山》 3 《エンバレス城》 -土地(21)- 4 《熱烈な勇者》 4 《焦がし吐き》 4 《ブリキ通りの身かわし》 4 《リムロックの騎士》 4 《遁走する蒸気族》 4 《砕骨の巨人》 4 《朱地洞の族長、トーブラン》 -クリーチャー(28)- |
4 《災厄の行進》 4 《舞台照らし》 3 《無頼な扇動者、ティボルト》 -呪文(11)- |
4 《軍勢の戦親分》 4 《ショック》 4 《溶岩コイル》 3 《実験の狂乱》 -サイドボード(15)- |
「赤単アグロ」の使用者は1人だけ。マジック・プロリーグのリー・シー・ティエン/Lee Shi Tianだけでした。
「赤単アグロ」は「食物」系に不利で、「ゴロス」系に有利と、とても極端なデッキです。
ですが、リーさんは前回のマジック・プロリーグを勝ち抜いている関係から、ミシックチャンピオンシップの2日目から参加することができます。
ともなれば雑多なデッキは淘汰されていますから、対「ゴロス」に寄せた「赤単アグロ」を選択することにしたのでしょう。面白い選択です。
5 《山》 3 《沼》 4 《血の墓所》 4 《聖なる鋳造所》 4 《神無き祭殿》 4 《試合場》 -土地(24)- 4 《熱烈な勇者》 4 《漆黒軍の騎士》 4 《黒槍の模範》 4 《鼓舞する古参》 4 《リムロックの騎士》 4 《評判高い挑戦者》 4 《朽ちゆくレギサウルス》 -クリーチャー(28)- |
4 《鋼爪の槍》 4 《エンバレスの宝剣》 -呪文(8)- |
4 《軍団の最期》 4 《害悪な掌握》 4 《アングラスの暴力》 3 《栄光の好機》 -サイドボード(15)- |
いつも奇抜なオリジナルデッキを使用し話題をさらう行弘さんですが、今回もご多分に漏れず特徴的な「マルドゥ・騎士」を構築してきました。
《エンバレスの宝剣》をフィーチャーした「マルドゥ・騎士」で、これは前回にも記していますが、対「ゴロス」デッキにおいて《エンバレスの宝剣》が強いという知見から着想を得たものになります。
「マルドゥ・騎士」とアーキタイプとしては分類されていますが、メインデッキから《朽ちゆくレギサウルス》を4枚採用しているところも注目です。
もともとサイドボードに採用していたカードですが、あまりにもサイドイン率が高いのでメインデッキに移したとは本人談で、《朽ちゆくレギサウルス》に《エンバレスの宝剣》を4ターン目に付ければそれだけで16点の打点を稼ぐことができます。
《朽ちゆくレギサウルス》が対「ゴロス」デッキに強いのは言わずもがなですが、対「シミック・食物」にも強いのはこのメタゲームでポジティブな要素と言えます。
「シミック・食物」はクリーチャーの処理を《意地悪な狼》や《大食のハイドラ》に頼っていて、3ターン目にプレイされる7/6というボディを対処しづらい構造になっています。
《王冠泥棒、オーコ》に鹿にされてしまうのは玉に瑕ですが、アグロデッキですから相手が手番を使って7/6を3/3に変えるのであればある程度許容されるトレードと言えます。
1.滞在
今回は調整メンバーであった4人で一軒家を借りてロングビーチに滞在することにしました。
1人でホテルを手配すると割高ですし、全プレイヤーのデッキリストが出ていますから、それらとスパーリングすることでサイドボーディングなどを考えるなどの練習も出来ますからね。
airbnbのお家着 過去最高の住環境にみんなも興奮 ちゃんとベッド4つ、バスルーム2つpic.twitter.com/slkzhjgmtY
— Yuuki Ichikawa (@serra2020) October 16, 2019
今回借りたお家はお値段そこそこでありながらとても清潔で、滞在中とても快適に過ごせました。
ポトフ作りました pic.twitter.com/biMQD3lxa2
— Yuuki Ichikawa (@serra2020) October 17, 2019
初日は近くのスーパーマーケットをネットで調べ、買い出しに。
せっかくキッチンがあるのでみんなに手料理を振る舞ってみました。
こうやって考えると、自分がプロツアーに行きだした2013年と比べると、海外での滞在もとても便利なものになりましたね。
airbnbで家を借り、SIMカードを持っていきそれで近くのスーパーマーケットを調べて、買い出しの帰りは荷物が多いのでUberを呼ぶ。
最近はアジアのグランプリなんかに行っても空港からホテルまでの道程は現地に着いてから調べるようなことも増え、海外に行くことのハードルはググッと下がりました。
ロングビーチ側に来た pic.twitter.com/OQEzUaZRbN
— Yuuki Ichikawa (@serra2020) October 17, 2019
2日目は写真撮影、インタビューなどをこなした後にみんなで足を延ばして(Uberを用いて)ビーチ側に行ってみて、本場のカリフォルニアロールを食べました。おいしかったですよ!
2.本戦
いよいよ本戦です。
本戦のシステムをざっくりと説明しますと、まず3日制で、初日の上位24名が2日目に進出することができます。
だいたい4勝3敗のタイブレーク、半分以上の4勝3敗が2日目に進出できる計算ですから、初日は4勝3敗以上を目標とします。
2日目は初日の成績を引き継がず、マジック・プロリーグで勝ち抜いた4人と、初日の上位24名合わせて28名の中から、上位8名が3日目に進出します。
5勝2敗はTop8確定ラインで、4勝3敗は1人程度しか3日目に行けませんから、2日目の目標は5勝2敗ということになります。
MCQWを抜けたプレイヤーと、私のような特別招待者は合わせて「挑戦者」としてまとめられ、挑戦者の中で上位4名のプレイヤーは次のMTGアリーナで行われるミシックチャンピオンシップに続けて招待されます。
ここのラインは相対的なものなので確定ラインは存在しませんが、前回の傾向的には2日目の上位12名くらいならその枠内に食い込めそうです。
MTGアリーナのミシックチャンピオンシップに連続して出場すると、それだけで来期のライバルズに入り得るポテンシャルがあるため、今回の私の目標は「チャレンジャー上位4名に入って次のMTGアリーナミシックチャンピオンシップに出場する」としました。
3.結果
- 第1回戦:マルドゥ・騎士(行弘 賢) ×○×
- 第2回戦:グルール・アグロ(Javier Dominguez) ○○
- 第3回戦:シミック・食物(Shahar Shenhar) ○××
- 第4回戦:ジェスカイ・ファイアーズ(Janne Mikkonen) ○○
- 第5回戦:ゴロス・ファイアーズ(David Williams) ○○
- 第6回戦:バント・食物(Andrea Mengucci) ××
- 第7回戦:セレズニア・出来事(Christian Hauck) ×○×
結果は3勝4敗で初日落ち、目標は絵に描いた餅となりました(笑)。
最終戦でマッチアップした「セレズニア・出来事」は、「シミック・食物」的にかなり相性の悪いマッチアップです。
1ターン目に出て来た《エッジウォールの亭主》のバリューが「ゴルガリ・出来事」のそれとは段違いで、《意地悪な狼》で対処するころには大量のアドバンテージを獲得された後になってしまいます。
その他《敬慕されるロクソドン》を絡めた面展開、《恋煩いの野獣》や《黒き剣のギデオン》での点攻めなど、多角的な攻めが売りで、「シミック・食物」では対応しづらいゲームが多いです。
3ゲーム目は《黒き剣のギデオン》でライフを詰められた後にようやく盤面を抑えられたかなというタイミングで《恋煩いの野獣》が《フェアリーの導母》でジャンプしてしまい、地上のブロッカーを飛び越える《恋煩いの野獣》を見上げながら私のミシックチャンピオンシップは終了してしまいました。
嬉しいかな悲しいかな、マッチアップした7名のプレイヤーのうち6名がマジック・プロリーグに所属するプレイヤーでした。
参加者68名中、初日に参加しているマジック・プロリーグのプレイヤーは28名ですから、比較するとタフなマッチアップだったなと思います。
ただ、ラウンドを経るにつれてマジック・プロリーグのプレイヤーの濃度が濃くなっていくのは必然ですから、序盤にプロリーグのメンバーと当たってしまうと、こういう当たり方になるのかなとも思いました。
MTGアリーナですと、テーブルトップと比べてコミュニケーションエラーやイリーガルな処理などが起こりませんから、格段にゲームに集中できます。ストレスなく強者達とゲームできて非常に面白かったです。
4.まとめ
今回一番驚いたのはハビエル・ドミンゲス/Javier Dominguezの優勝です。
0-1ラインで当たって私が勝ったのに、気付いたら優勝してましたから!
ハビエルはその後0勝2敗から這い上がるように4勝3敗で初日を抜け、2日目も4勝3敗のタイブレークトップで3日目進出を決めてからの優勝。
やはり下馬評通り、「グルール・アグロ」を使用したハビエルは食物系には全敗だったようですが、逆にいうとそれ以外にはほぼ全勝で、決勝では仮想敵とした「バント・ゴロス」を見事打倒しての勝利と、まさに計算通りの展開だったのではないでしょうか。恐るべしワールドチャンピオン。
6 《森》 2 《島》 1 《平地》 4 《繁殖池》 4 《寺院の庭》 4 《神聖なる泉》 3 《寓話の小道》 -土地(24)- 4 《金のガチョウ》 4 《楽園のドルイド》 2 《枝葉族のドルイド》 4 《拘留代理人》 4 《探索する獣》 4 《意地悪な狼》 4 《ハイドロイド混成体》 -クリーチャー(26)- |
2 《むかしむかし》 4 《王冠泥棒、オーコ》 4 《世界を揺るがす者、ニッサ》 -呪文(10)- |
1 《秋の騎士》 1 《狼の友、トルシミール》 1 《大食のハイドラ》 2 《夏の帳》 4 《軽蔑的な一撃》 3 《霊気の疾風》 2 《ガラスの棺》 1 《否認》 -サイドボード(15)- |
今回の私的ベストデッキはアンドレア・メングッチさんらが使用した「バント・食物」です。
前述しましたが、やはりバントカラーでありながら《時を解す者、テフェリー》を採用せず、メインデッキの白いカードは《拘留代理人》のみにしたその構築力に脱帽です。
普通であれば思考停止気味に《時を解す者、テフェリー》を採用してしまいますから、その着眼点に本当に感心しました。
逆に自分の調整力との差を感じ、若干打ちひしがれましたね。セオリーなく、フラットな目線でマジックに打ち込みたいものです。
今回、MTGアリーナのミシックチャンピオンシップに初めて出場したのですが、快適そのものでした。
席は固定、円滑な大会進行、プレイに集中でき、軽食も無料です(笑)。
ぜひ次は自分の力で予選を抜けて出場したいものですね!
テーブルトップのミシックチャンピオンシップの権利もいよいよ潰え、ミシックチャンピオンシップの連続出場も途絶えてしまいました。
ただ、ルール変更の兼ね合いもあり、次回以降はプロレベルによる招待がなくなります。これからは常にミシックチャンピオンシップ(次々回からはプレイヤーズツアーに変更)への参加権利を狙っていかなければなりません。
最近はあまり勝たず、解説業なんかも板についてきた私ですが、まだまだプレイヤーとしての再起を諦めるつもりは毛頭ありません。
また《奇跡の復活》を果たして、またミシックチャンピオンシップ参戦記を書きたいものです。
それまで《小休止》となりますので、みなさんも《待ち伏せクロティク》していてくださいね!
と、いうことで今回のミシックチャンピオンシップ参戦記はこれにて終了!
また次回の記事でお会いしましょう!
市川
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