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市川ユウキの「プロツアー参戦記」
マジック25周年記念プロツアー 後編
こんにちは! チーム『武蔵』の市川です。
今回は前回の続きとして、「マジック25周年記念プロツアー」に向けての大会レポートを綴っていこうと思います。よろしくお願いします。
0.出会いからの続き
1 《山》 3 《血の墓所》 2 《踏み鳴らされる地》 4 《血染めのぬかるみ》 3 《沸騰する小湖》 4 《黒割れの崖》 -土地(17)- 4 《墓所這い》 4 《傲慢な新生子》 4 《縫い師への供給者》 3 《ゴブリンの奇襲隊》 2 《臓物の予見者》 4 《恐血鬼》 4 《復讐蔦》 4 《搭載歩行機械》 4 《歩行バリスタ》 -クリーチャー(33)- |
4 《信仰無き物あさり》 2 《稲妻の斧》 4 《黄泉からの橋》 -呪文(10)- |
2 《渋面の溶岩使い》 2 《大物狙い》 2 《鋳塊かじり》 3 《思考囲い》 2 《集団的蛮行》 4 《虚空の力線》 -サイドボード(15)- |
今回はドラフトがない→ドラフト雑感がないのですっ飛ばして前回の続きからです。
モダンの流行を知る男、人見さんに教えてもらったのは赤黒の墓地リソースを軸にビートダウンするデッキ、後に「ブリッジヴァイン」と呼ばれるデッキでした。
モダンではあまり見かけない墓地リソース系のカードだったり、
マナベース大丈夫?なカードたち、
よくわからないガラクタたち、
『基本セット2019』からの新顔だったりと、正直リストを見ただけでは全く動きが想像できません。
想像はできませんでしたが、作者が「赤黒ホロウワン」の製作者である点、リストの見た目がワクワクする点などを考慮して取り敢えず1リーグ回してみることに。
すると……
このデッキ、お、お、面白~い!
面白いし、初回しから4勝1敗と上々。
《傲慢な新生子》で《復讐蔦》を捨てて、《歩行バリスタ》か《搭載歩行機械》をX=0でプレイ、1ターン目に4/3で攻撃したり、
1ターン目に《信仰無き物あさり》で《復讐蔦》と《墓所這い》を墓地に落とし、《縫い師への供給者》プレイ→墓地の《墓所這い》をプレイで《復讐蔦》が帰ってきたり、
《黄泉からの橋》が墓地にある状態で《臓物の予見者》で自軍のクリーチャーたちをゾンビ・トークンに変えてしまったり。《墓所這い》は特に相性が良く、黒マナの分だけゾンビを生み出すことができます。本人もゾンビなのにね。
さまざまなシナジーや細かいテクニックもあり、また1ターン目からの爆発力もありで、完全に気に入ってしまいました。
1 《山》 4 《血の墓所》 4 《血染めのぬかるみ》 4 《沸騰する小湖》 4 《黒割れの崖》 -土地(17)- 4 《ゴブリンの奇襲隊》 4 《墓所這い》 4 《傲慢な新生子》 4 《縫い師への供給者》 4 《臓物の予見者》 4 《復讐蔦》 4 《搭載歩行機械》 4 《歩行バリスタ》 -クリーチャー(32)- |
4 《信仰無き物あさり》 2 《屍体の攪拌》 1 《安堵の再会》 4 《黄泉からの橋》 -呪文(11)- |
2 《大物狙い》 2 《鋳塊かじり》 3 《思考囲い》 2 《集団的蛮行》 4 《虚空の力線》 2 《悪戦 // 苦闘》 -サイドボード(15)- |
しばらくリーグにこもる日々、そうすると製作者がまたも5-0で最新版のリストが上がってきました。
前回のリストとの差異は《恐血鬼》の有無と、《臓物の予見者》の4枚フル投入。《屍体の攪拌》などの2マナの墓地を肥やす呪文の採用です。
こちらのリストも回してみて、ここからプロツアーまで一人で調整していくことになりました。
1.調整
2つ目のリストが上がってから、2日後に回していた形がこちらです。
1 《山》 1 《沼》 4 《血の墓所》 4 《血染めのぬかるみ》 4 《樹木茂る山麓》 4 《黒割れの崖》 -土地(18)- 4 《ゴブリンの奇襲隊》 4 《墓所這い》 4 《傲慢な新生子》 4 《縫い師への供給者》 4 《臓物の予見者》 2 《恐血鬼》 4 《復讐蔦》 2 《大いなるガルガドン》 4 《歩行バリスタ》 -クリーチャー(32)- |
4 《信仰無き物あさり》 2 《集団的蛮行》 4 《黄泉からの橋》 -呪文(10)- |
2 《大物狙い》 3 《鋳塊かじり》 3 《思考囲い》 2 《高山の月》 2 《致命的な一押し》 3 《虚空の力線》 -サイドボード(15)- |
まずは《搭載歩行機械》の解雇。
0マナクリーチャーを8枚も入れると、初手に吸い付き過ぎて「土地3枚、《墓所這い》、《ゴブリンの奇襲隊》、《搭載歩行機械》、《歩行バリスタ》」みたいなとんでもない手札がよく来てしまいます。よく来ますが、来ることは悪いことです。
その0マナクリーチャーの中でも《搭載歩行機械》は目をみはる弱さで、《歩行バリスタ》はまだ通常プレイにギリギリ耐えうるスペックを持っていますが、《搭載歩行機械》は耐えられない弱さを誇ります。
サイド後に張られる《安らかなる眠り》などにも耐性がないのもポイントでした。
《黄泉からの橋》、《臓物の予見者》を組み合わせた赤黒春のゾンビ祭りのシナジーがとても強力で、サクり台の追加として《大いなるガルガドン》を採用。
最初は《臓物の予見者》の下位互換かなと考えていましたが、思っていたより強く、対トロン、対《クラーク族の鉄工所》コンボなどでも戦場のパーマネントをかなぐり捨ててキルターンを早める動きもでき、デッキにスピード感を与えてくれます。
また、サイドに取られていた《集団的蛮行》をメインに昇格。
オリジナルのリストに入っていた《屍体の攪拌》、《安堵の再会》はどちらも盤面に干渉しないただのドロースペルで、ゲーム感的に打っているターンはないなと判断。
《集団的蛮行》は-2/-2モードで盤面に干渉しつつ、墓地にカードを送り込むことが可能です。
それ以外にも《集団的蛮行》は単純に器用な呪文で、このデッキが苦手としている、妨害が無ければキルターンの早いコンボデッキ「緑白カンパニー」「青赤ストーム」の2つにとても有効なカードです。
基本的にこの2つのデッキには速度勝負では一歩劣りますが、《集団的蛮行》を引けたらメイン戦を取ることもあり得ます。
後半は《墓所這い》を墓地から戻すために黒マナはいくらでも欲しいです。
そういう状態でフェッチランドから《血の墓所》しか黒マナ源を持って来られないのは、ライフレースをする展開の場合、ゲームの勝敗に関わります。そのため土地を18枚にして《沼》を追加。
2.調整2
調整を重ねていく中で気になる部分が浮き上がってきます。
まずはこのデッキのメインエンジンである《縫い師への供給者》のヒット率。
主に《縫い師への供給者》か《信仰無き物あさり》をキープ基準とするため、《縫い師への供給者》が凡退してしまうとゲームセットになってしまいます。
そのため、墓地リソースとなる《恐血鬼》を4枚フル投入。
《墓所這い》、《恐血鬼》、《信仰無き物あさり》、《復讐蔦》、《黄泉からの橋》の合計20枚を墓地に落としたいカードとすると、3枚落としで7割弱、6枚落としで9割弱ヒットする計算になります。
また、初動を《信仰無き物あさり》からプレイする場合は手札に墓地に落とし甲斐のあるカードが2枚以上欲しいため、その点でも《恐血鬼》は上限一杯まで入れたいところです。
墓地に落としたいカードを増加したわけですから、それは逆に手札にダブつきやすいことを意味します。
それならば、ディスカード手段は増やさなければなりません。
そこで白羽の矢が立ったのは《ボーマットの急使》。
彼はまずクリーチャーで《復讐蔦》の復帰に貢献してくれますし、1マナと軽い。能動的に生け贄に捧げることができるので、《黄泉からの橋》とも相性が良い。
また、良いか悪いかは五分五分ですが、手札を全て捨てられるため、《復讐蔦》や《黄泉からの橋》が手札でダブついている問題を一気に解消してくれる場合があります。
こういう、墓地に極端に依存しているデッキの課題はサイドボード後になります。
「ブリッジヴァイン」は「赤黒ホロウワン」と比較して、極度に墓地に依存しています。
そのため墓地対策には非常に脆く、特に0ターン目に出てきて完全にこちらを封殺してくる《虚空の力線》は天敵です。
調整中もとにかく《虚空の力線》1枚に負ける展開が多く、《虚空の力線》を置かれてしまうと対戦相手がトリプルマリガンでも負ける自信があります。
最初は割り切るしかないのかなと考えていましたが、あまりにも《虚空の力線》1枚に負けてしまって、ノイローゼ、《虚空の力線》恐怖症となってしまいましたから、割り切ることは不可能です。
そのため、緑をタッチして《破壊的な享楽》をサイドボードに。
1マナでプレイできる《自然の要求》や、クリーチャーカウントでデッキとシナジーがある《薄れ馬》なども候補に挙がりましたが、デッキがアグレッシブな方向性なためライフ4点を与えるとキルターンがズレてしまう点。
《虚空の力線》をプレイしてくる主なデッキを「マルドゥ・パイロマンサー」「赤黒ホロウワン」と想定した場合、前者はサイド後に《罠の橋》をサイドインしてくるパターンもありますし、後者は《虚ろな者》がいるためアーティファクトも触れると重複して引いてしまっても腐り辛いです。
それらを考慮し、置物破壊枠は《破壊的な享楽》に決定。
1 《山》 1 《沼》 4 《血の墓所》 1 《踏み鳴らされる地》 4 《血染めのぬかるみ》 2 《樹木茂る山麓》 2 《新緑の地下墓地》 4 《黒割れの崖》 -土地(19)- 4 《ボーマットの急使》 4 《墓所這い》 4 《傲慢な新生子》 4 《縫い師への供給者》 4 《臓物の予見者》 2 《ゴブリンの奇襲隊》 4 《恐血鬼》 4 《復讐蔦》 2 《大いなるガルガドン》 -クリーチャー(32)- |
4 《信仰無き物あさり》 2 《集団的蛮行》 4 《黄泉からの橋》 -呪文(10)- |
4 《致命的な一押し》 2 《思考囲い》 3 《破壊的な享楽》 4 《虚空の力線》 2 《滅び》 -サイドボード(15)- |
そんなこんなでプロツアー出発の2日前にできたリストはこちら。
MOでの勝率も7割を越えていて、及第点。
ようやくできた、最強デッキ!
3.混乱
ここまで「ブリッジヴァイン」をMOで回してきて結果をすべて記録してきたのですが、ひとつのアーキタイプに著しく勝率が低いことが顕在化しました。
「5色人間」に、勝てねー!!
《教区の勇者》、《サリアの副官》のスーパーサイズクリーチャーたちはもちろんのこと、『基本セット2019』からの新戦力《民兵のラッパ手》、《反射魔道士》あたりの2/3サイズを前に《墓所這い》、《恐血鬼》、《黄泉からの橋》から湧き出るゾンビ辺りがメインのアタッカーであるこちらはビタ止まり。
その間に《カマキリの乗り手》に悠々と上から殴られてゲームエンド。
サイドボード後も相性が良くなることはなく、むしろ悪化します。
《オーリオックのチャンピオン》は《歩行バリスタ》を取っていないこの構成では全く触れず、しかも《黄泉からの橋》からのブン周りに対して高いライフを保ってしまうこのデッキへのキラーカード。
また《イゼットの静電術師》も《墓所這い》、《恐血鬼》を薙ぎ払ってしまってこちらの攻勢をシャットアウトされてしまいますし、《幻影の像》を4枚採用している関係上、《イゼットの静電術師》を1枚ひければ高い確率で2体にすることができ、そうすると《黄泉からの橋》で大量に生成したゾンビもまとめて対処されてしまいます。
「5色人間」は《民兵のラッパ手》を手に入れたこともあって、今まで苦手としていた「ジェスカイ・コントロール」や、「マルドゥ・パイロマンサー」などの除去コントロールに対しても耐性を持って、それまでもモダンのトップメタだったにも関わらず大幅強化。
極端に相性の悪いマッチアップが少ない為、プロツアーでも最大勢力になることが予想されます。
メタゲームが散らばるモダンの関係上、トップメタと言ってもそこまでのパーセンテージにはならない可能性はありますが、それでも一番当たるデッキに対して手も足も出ないのは大問題です。
そのため、《ボーマットの急使》を2枚減らして《歩行バリスタ》を2枚復帰。
また、リアルカードを調達して無限に一人回していて感じたことは、サクり台は引きたいけれど、シナジーありきであるため、それらばかり引き過ぎても良くないということ。
体感6枚は多い、5枚くらいあれば良いかなと思ったので、《大いなるガルガドン》を1枚減らして、《ゴブリンの奇襲隊》を3枚に。
5-0*1、4-1*3、3-2*1の20-5でもまだOK出ず。五飛、教えてくれ、俺はあと何年リーグに籠ればいいんだ
— Takimura Kazuyuki (@kozoukun2) 2018年7月31日
そんな感じでデッキを大幅に修正しているときに目に入ったのが、ゴールドレベル・プロで前回のプロツアー『ドミナリア』でトップ8入賞を果たした瀧村さんのこのツイート。
凄い成績良いなー、何を使っているんだろう……。と調べてみると。
1 《山》 2 《血の墓所》 1 《踏み鳴らされる地》 1 《草むした墓》 4 《血染めのぬかるみ》 4 《樹木茂る山麓》 4 《黒割れの崖》 -土地(17)- 4 《ゴブリンの奇襲隊》 4 《墓所這い》 4 《傲慢な新生子》 4 《縫い師への供給者》 4 《臓物の予見者》 4 《復讐蔦》 4 《搭載歩行機械》 4 《歩行バリスタ》 -クリーチャー(32)- |
4 《信仰無き物あさり》 2 《集団的蛮行》 1 《忌まわしい回収》 4 《黄泉からの橋》 -呪文(11)- |
2 《暗黒破》 2 《稲妻の斧》 4 《破壊的な享楽》 2 《古えの遺恨》 1 《集団的蛮行》 4 《虚空の力線》 -サイドボード(15)- |
ブ、ブリッジヴァインだー!!
流石ドレッジ好きとして有名な瀧村さん、このニュードレッジと呼ぶべき「ブリッジヴァイン」を調整していました。
もう時間もないため、1リーグだけコピーして回してみました。
まずマナベースです。瀧村さんのリストは《草むした墓》、《踏み鳴らされる地》と緑マナが2つ入っているところが特徴です。
回している感じ、《血の墓所》は2枚でも問題なさそうですし、《復讐蔦》を通常プレイできる可能性があるのは良いところです。
メインはほぼありませんが、サイドボード後に対戦相手が《安らかなる眠り》や《虚空の力線》などをプレイしてきて、デッキが機能しなくなったとしても不要牌にならない点で、緑マナを2つ入れることはサイドボード後の勝率に影響するなと感じました。
また、サイドボードに取っている除去枠です。
瀧村さんは《暗黒破》と《稲妻の斧》を採用していて、これまた好感触。
私が採用していた《致命的な一押し》と比較すると、《致命的な一押し》はただの除去であるのに対して、《暗黒破》と《稲妻の斧》は除去でありつつ墓地を肥やしてデッキを回すエンジンともなり得る点で優秀です。
除去を入れるマッチアップでは大体メインの《集団的蛮行》がサイドアウトされることになるので、ディスカード手段が減る分デッキが回らなくなってしまうことを防いでくれます。
特に《暗黒破》は対「5色人間」で強力なサイドカードで、1ターン目に繰り出される《貴族の教主》や《教区の勇者》を対処できて対戦相手の初動を大きく遅らせることができます。発掘を持っているため、後続のことを気にせず憂いなくプレイできるのも良いですね。
また、《カマキリの乗り手》や《民兵のラッパ手》などのタフネス3軍団を突破するタイミングでもコンバットトリックのように使用することができるため、中盤以降も腐りづらいです。
1 《山》 1 《沼》 2 《血の墓所》 1 《踏み鳴らされる地》 1 《草むした墓》 4 《血染めのぬかるみ》 2 《樹木茂る山麓》 2 《新緑の地下墓地》 4 《黒割れの崖》 -土地(18)- 4 《墓所這い》 4 《傲慢な新生子》 4 《縫い師への供給者》 4 《臓物の予見者》 3 《ゴブリンの奇襲隊》 2 《ボーマットの急使》 4 《恐血鬼》 4 《復讐蔦》 1 《大いなるガルガドン》 2 《歩行バリスタ》 -クリーチャー(32)- |
4 《信仰無き物あさり》 2 《集団的蛮行》 4 《黄泉からの橋》 -呪文(10)- |
2 《暗黒破》 2 《稲妻の斧》 2 《思考囲い》 4 《破壊的な享楽》 1 《集団的蛮行》 4 《虚空の力線》 -サイドボード(15)- |
最後の数日はドタバタしてしまいましたが、これらを参考にして以上のデッキリストで提出。
さぁ行くぞプロツアー!
4.初日
(かねこ)Silver Showcase放送中!皆さんにゆったり観戦していただくため、会場ではピザやケーキ、ドリンクを配布しています! https://t.co/pObHc1HZuO #mtgjp #PT25A pic.twitter.com/gF02h4j3Rk
— マジック:ザ・ギャザリング (@mtgjp) 2018年8月2日
に行く前に木曜日、レジスト日です。
今回は25周年記念ということもあり、0日目は軽食が参加者に振舞われていました。
また、プロツアーの賞金圏内も参加チーム165チームに対してトップ64まで、全体の1/3以上と、大盤振る舞い! これは燃える!
- 第1回戦 トロン ○- (チーム負けで途中終了)
- 第2回戦 青赤ストーム ×○○ (チーム勝ち)
- 第3回戦 人間 ×○○ (チーム勝ち)
- 第4回戦 バントスピリット ×○○ (チーム負け)
- 第5回戦 人間 ×- (チーム勝ちで途中終了)
- 第6回戦 KCI ×○○ (チーム勝ち)
- 第7回戦 ブリッジヴァイン ○×× (チーム負け)
個人は途中終了をそのままのスコアで計算して5勝2敗、チーム4勝3敗で2日目へ。
第3回戦、初戦を落としたところに2ゲーム目はダブルマリガン。
相性も悪いマッチアップなのでこれは負けたかなーと滅入っていたら、《暗黒破》で相手のタフネス1を続けて除去。
相手が土地2枚ストップしている間にゾンビ祭りが開催されて見事に勝利。
3ゲーム目も相手の《オーリオックのチャンピオン》の返しに、直前に戻した《歩行バリスタ》をスパーンとトップデッキして勝ち、入れて良かった~。
ただ、悔やまれるのは第7回戦の2ゲーム目。こちらだけ《虚空の力線》と有利な場でしたが詰めの盤面で1体殴りすぎてしまい、返しの《ゴブリンの奇襲隊》絡みのアタックで負けてしまい、結果もチーム負け。
構築が光って取った星をプレイで失ってしまいました。
初日はレガシー担当の山本さんが2勝5敗と負けが込む結果に。
《死儀礼のシャーマン》禁止後はTier1に食い込んでいて、本人がグランプリ・千葉2016で優勝した愛機スニーク・ショーを持ち込んでいたのですが、横で見ている感じ相手の対策もTier1ゆえにガッチリ。
レガシー使用率トップだった「グリクシス・コントロール」とよく当たっていて、手札破壊、カウンター、それらを《瞬唱の魔道士》で使いまわされたりと、厳しい戦いを強いられていました。
また、グランプリ・京都の時も感じたのですがこの異種3フォーマットによるチーム戦、横の人に助言ができることがほぼないですね。
チームシールドだったり、チームスタンダードとかならまだできますが、自分の練習で手一杯でやっていないフォーマット2つになりますから、例え助言したとしても悪手になることの方が多そうだなという感想。
横のことはあまり気にせず、自分が勝つことだけを考えるのが最もチームの勝利貢献度が高い行動。
5.2日目
2日目です。
初日は4勝3敗ですから、私のゴールド達成ボーダーである9勝5敗するには5勝2敗が求められます。
さて結果は!?
- 第8回戦 赤緑ホロウヴァイン ○○ (チーム勝ち)
- 第9回戦 赤黒ホロウワン ○○(チーム勝ち)
- 第10回戦 青白コントロール ○- (チーム勝ちで途中終了)
- 第11回戦 トロン ○×× (チーム負け)
- 第12回戦 トロン ×○× (チーム負け)
- 第13回戦 ブリッジヴァイン ○×× (チーム負け)
- 第14回戦 赤黒ホロウワン ○○ (チーム勝ち)
個人4勝3敗、チーム4勝3敗、トータル個人9勝5敗、チーム8勝6敗で終了。
惜しくも1勝足らず><
2日目は初日不調だった山本さんが、得意とする青白系によくマッチアップしたこともあり6勝1敗と奮闘してくれたのですが、私が4勝3敗、スタンダード担当の行弘さんが3勝4敗と奮わず、それを活かすことができませんでした。
3連敗したラウンドは、すべてのラウンドで行弘さんか山本さんが勝利してチームスコア1-1でモダンだけ勝敗が決していない状態で負けてしまって、とても悔しかったですね。
トロン2連戦はともに墓地を強く意識している構成で、サイドボード後はメインの《大祖始の遺産》はもちろんのこと《外科的摘出》と《墓掘りの檻》をプレイされて、苦戦を強いられる格好になりました。
第13回戦で負けた時はとても悲しかったですが、最終戦では気持ち良くデッキが回ってチームも勝利! タイブレークも高くトップ48に食い込み、チーム全体で6000ドルをゲット。
ポイントも大事ですが、どのトーナメントも最終戦勝って終わると気持ちが良いですね。あと、お金も大事。
6.Tips
「ブリッジヴァイン」をプロツアーで回して感じたことは、このデッキやっぱり面白いということです。
ブン周りで勝った時の印象が強いですが、細かいシナジーや細かいコンバットで制するゲームも多く、また1マナのカードばかりでどれからプレイするかなど、非常に繊細なプレイが要求されます。
ぜひ、この記事を読んだみなさんにも使ってもらいたいので、「ブリッジヴァインお役立ち情報」をつらつらと書いていきたいと思います。
先にカードを捨てるので、《黄泉からの橋》を《傲慢な新生子》で捨てると《黄泉からの橋》が誘発します。
《ボーマットの急使》も同様です。
《恐血鬼》を《臓物の予見者》で生け贄に捧げて、占術1をスタックに置いたまま《血染めのぬかるみ》などのフェッチランドを起動すると、ライブラリーをシャッフルした後に占術1を行えます。
墓地に《黄泉からの橋》がある時に《ゴブリンの奇襲隊》をキッカーでプレイ、《ゴブリンの奇襲隊》の誘発をスタックに置いて《臓物の予見者》で《ゴブリンの奇襲隊》を生け贄に捧げると、そのゾンビにも修整が入り、打点1お得です。《臓物の予見者》もスタックで生け贄に捧げられます。
待機はマナコストを支払わずに唱えているので、《大いなるガルガドン》で《復讐蔦》を誘発させることも可能です。
《集団的蛮行》で《黄泉からの橋》を捨てる際、対戦相手のクリーチャーを除去してしまうと《黄泉からの橋》が追放されてしまうので、自軍のクリーチャーにマイナス修整を使うこともあります。
《恐血鬼》が落ちる可能性があるので、《縫い師への供給者》は土地を置く前にプレイしましょう。
手札に1マナ以下のクリーチャーが少ない場合は、1ターン目は《信仰無き物あさり》からプレイしましょう。《復讐蔦》が2ターン目に呼べないのは致命的です。
7.サイドボーディング
対「5色人間」
In
Out
除去を追加します。《破壊的な享楽》は《墓掘りの檻》が入っているリストもあるのでお守り程度に。《霊気の薬瓶》が入っているデッキなので罰は当たらないでしょう。
《大いなるガルガドン》は《翻弄する魔道士》で指定されたり、《オーリオックのチャンピオン》を前にビタ止まりなのでサイドアウトします。
前述した通りメインサイド合わせて厳しいマッチアップです。
対「青白コントロール」
In
Out
《安らかなる眠り》は脅威ですが、《思考囲い》でも抜けるマナ域ではあるので《破壊的な享楽》は2枚程度で良いでしょう。
速度が求められるマッチアップではなく、《謎めいた命令》に弱いので《ゴブリンの奇襲隊》はサイドアウトします。
メインサイド合わせて有利なマッチアップです。サクり台があれば相手の《終末》を実質無効化することが可能なので、サクり台クリーチャーの運用は大事にしましょう。
終盤は《謎めいた命令》でこちらの攻勢を凌ぎながら《終末》を引きに行くので、《謎めいた命令》でタップされた後にフェッチランドで《恐血鬼》を墓地から戻したり、《大いなるガルガドン》を敢えて待機を明けさせずに《謎めいた命令》に取っておくなどのプレイがあります。
対「KCI」
In
Out
メインは速度勝負で、基本的に先手後手が最も影響のデカいファクターですが、相手の方が半歩早い印象なので若干不利です。
一方、サイドボード後は《虚空の力線》を対処しない限り相手はコンボを決めることはできませんし、《虚空の力線》対策で入れてくる《自然の要求》の分だけキャントリップカードが減るため、コンボも決めづらくなり有利になります。
速度勝負に不向きな《臓物の予見者》、《恐血鬼》を減らします。
《破壊的な享楽》は2マナと構えるには重く、また相手の《クラーク族の鉄工所》にプレイしても戦場にあるキャントリップアーティファクトはすべて消化されてしまいますし、そこまで劇的ではないので、私は《破壊的な享楽》を入れるより自分の展開を優先した方が良いと考えています。
対「ブリッジヴァイン」
In
Out
サイドボード後は基本的に《虚空の力線》か、《虚空の力線》を対処できる《破壊的な享楽》を引けるまでマリガンします。
《黄泉からの橋》は対戦相手も能動的にクリーチャーを墓地に送り込める点、お互い《虚空の力線》の戦場(どろんこ相撲と呼んでいます。)では完全なる不要牌となってしまう点を考慮してサイドアウトします。
どろんこ相撲では《復讐蔦》を通常プレイしますので、緑マナの調達を忘れずに寄り切りましょう。
8.まとめ
今期のプロポイントはここまでで32点。
今シーズン終了まで、出る予定のイベントは日本選手権とグランプリ・香港。
ゴールドレベルまであと3点。日本選手権は準優勝までにプロポイント3点、グランプリ・香港では12勝3敗でプロポイント3点加点されますが、グランプリキャップの下が1点で埋まっているので13勝2敗でトップ8で3点以上の加点。
どちらも会場で上位1%以上のハイスコアが求められるという非現実さに眩暈がします。
来シーズンからいよいよサイクル制度が導入されます。
私が今期の1stサイクルで獲得したプロポイントは6点。
来シーズンのゴールドは37点で達成ですから、1stサイクルのプロツアーで最低3点獲得できることを考えるとプロポイント上乗せ8点でゴールド。
こちらの方が長期スパンで考えられますし、現実的です。
もしくは、シルバー特典で2ndサイクルのプロツアーまで権利がありますから、それまでにゴールド復帰が目標となります。
プラチナレベルでキャリアをスタートさせてからとうとうシルバーレベル落ち、1年間のプロツアー権利が未確定の状態になってしまった市川。
彼のプロプレイヤーとしてのこれからは、具体的にこの連載はどうなる!?!?
担当のマジック日本公式・金子真実の決断は……!
今回は以上になります。市川先生の次回作にご期待下さい!!
fin.
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