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ガフ提督の「ためになる」今日の1枚

今日の1枚:ボガーダンの鎚

浅原 晃

 ポケットの中にはビスケットが1つ、ポケットをたたくとビスケットが2つ、と、そんなふしぎなポケットが欲しいガフ提督じゃ。今日は「ビスケットの日」、1855年2月28日に水戸藩士の蘭医、柴田方庵が、オランダ人から学んだビスケットの作り方を日本で初めて書物に記したのじゃな。

 ビスケットというのはアメリカ式とイギリス式で差があるんじゃが、日本じゃと馴染深いのはイギリス式の薄くて硬い方かもしれんのう。アメリカ式はケン◯ッキーフライドチキンで食べられるような、食感のあるものじゃ。

 ビスケットという言葉はフランス語で2度+焼くという意味が元になっておる、そこで、今日は2度でも何度でも焼ける、使い回し火力の元祖《ボガーダンの鎚》を紹介するぞい。

 『ミラージュ』で登場した《ボガーダンの鎚》はかっこいいイラストと、マナさえあれば無限に使い回せる火力で。人気のあったカードじゃな。

 特にカウンター呪文を駆使するコントロール相手にとって活躍した……と言いたいところじゃが、そう一筋縄でいかないのが、マジックの面白いところじゃ。逆に青の打ち消し呪文(カウンター)と手を組み、《ボガーダンの鎚》をフィニッシャーに据えたコンロトールデッキ、「カウンターハンマー」なんてデッキが生まれたのじゃな。《対抗呪文》などの青のカウンターで相手の行動をコントロールし、《ボガーダンの鎚》は序盤では除去として、終盤では相手本体へのフィニッシャーとして使うわけじゃな。

 確かに何度でも使えるという点を考えると、最初から本体に撃つ必要もなければ、長期戦になればなるほどに力を発揮するんじゃから、コントロールで使うのは理にかなっておったのじゃな。ふぉっふぉっふぉ、とは言え、{2}{R}{R}{R}が必要な回収コストに{U}{U}のカウンターが入っとるんじゃから、なかなかに狂気と言えば、狂気じゃがのう。

 そうそう、最初に歌ったふしぎなポケットの歌じゃが、みんななら、何をポケットに入れるかのう? 《ハイドロイド混成体》じゃと? ふぉっふぉっふぉ、この歌はそういうんじゃないぞい、わしが思うに、ポケットに入るのはささやかな幸せなんじゃ。だから、ビスケットなんじゃな、ビスケットが少し増えたら、みんなに分けられるじゃろう? 幸せを分けるためのポケットなんじゃな。ふむ、じゃあ、わしなら何を入れるじゃと? ふぉっふぉっふぉ、そうじゃな、もちろん《Black Lotus》じゃ。増えても、誰にもやらんぞい。

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