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週刊デッキ構築劇場

第76回:塚本樹詩のデッキ構築劇場・クリーチャーは衰退しました。

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週刊デッキ構築劇場

2012.09.03

第76回:塚本樹詩のデッキ構築劇場・クリーチャーは衰退しました。

演者紹介:塚本 樹詩

 独創的なデッキ構築と記事展開で知られるデッキビルダー・ライター。玉石混淆アイディア先行のデッキを数多く試すことや、多くの人に笑いもしくは失笑を与える語り口から『試行落語(トライ&テーラー)』として、畏怖されている。
 プロツアー・ホノルル2009にて初のプロツアー出場を果たし、《破門》マスターとして恐れられた。また2009年度・2011-2012年度プレイヤー・オブ・ザ・イヤーの渡辺 雄也は自宅アパートの二軒隣に住んでいる関係から非常に親交が深く、「渡辺の三次元の嫁」「《渡辺の信奉者》」と呼ばれることも。
 代表作は、栗原 伸豪が危うくプロツアーで使う所だった《ルーン炎の罠》入り新型ハウリングオウルや、渡辺大絶賛の《山賊の頭の間》バーンなどだが、むしろ今後の代表作に期待したい逸材。

 ナベおめでとおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!記念スペシャル!
 今回は久々にナベをいじるぞー!


 僕はヨシカワ博士から《尊き象》というクリーチャーを託され、マチダ地方を旅するデュエリストとなりました。

 各地に生きるさまざまなクリーチャーを集めて図鑑を完成させたり、各地の強いデュエリストと戦い、トロフィーを集めたりする日々が続き、ついにチャンピオンと戦うことに!


ユウヤ 「我こそが最強のデュエリスト!我がアニメパワーに勝てるかな!」

 ユウヤ は タイガ を くり出した!


ツカモト 「あいつ、クリーチャーになんて名前付けてんだ!スネーク!君に決めた!」

 ユウヤ は ガットショット を 使った スネーク に 1 の ダメージ。

 スネーク は 力つきた。


ツカモト 「うあああああああああああ、ナベのばかああああああああ...」

 デルバー は へんしん を した!


 タイガ が ちょくせつ ツカモト に こうげき!

 ツカモト は 3 の ダメージ を うけた。


ツカモト 「こんなのって無いよ...。次は君だ、行けまんもす!」

 まんもす の とっしん!

 タイガ を たおした!


ユウヤ 「よくもタイガを!許さん、絶対に許さない!来世に生まれ変わっても忘れないぞ!一族ごと根絶やしにしてやる!」

 ユウヤ は あずにゃん を くり出した!


ツカモト 「こいつは伝説のクリーチャー!しかもまたすごくどうしようもない名前つけてる!なんてやつだ!」

 あずにゃん は ながやり をもっている。


 まんもす に せんせいこうげき!

 まんもす は ちからつきた。


ツカモト 「こうなれば、こっちも本気だ!いけ!かりたつ!」

 あずにゃん は ゆうたいのひこう を まとった。


 あずにゃん が ツカモト に おそいかかる!

 ツカモト は めのまえ が まっくら に なった。


ツカモト 「メインに《幽体の飛行》かよ...バタ。」

ユウヤ 「あずにゃんは天から来て、天に帰る。」

 ラスボスがユウヤ君だったのでゲームオーバーになってしまいました。さすが世界最強の魔法使い。彼を最強敵と仮定するのなら、クリーチャーで戦いを挑むのは愚策なのではないのでしょうか!
 
 まさに全僕のクリーチャーが衰退。マンモスもぐったりですよ!残暑なだけに!

 なのでクリーチャーはもうあきらめましょう!

 というわけで今回のキーカードは《境界なき領土》。クリーチャーが駄目なら呪文で頑張るしかないのです!

 《不屈の自然》or《遥か見》から《レインジャーの道》、そして次のターンにこのカードをプレイできれば4ターン目に何と土地が14枚も!これだけ土地があれば大抵の呪文は唱えられるので勝ったも同然の場ができあがります!

 そして《境界なき領土》でサーチできるのは基本土地だけなので、デッキに入れる土地は全部基本土地にしてしまいましょう!《秘密を掘り下げる者》や《聖トラフトの霊》が現スタンダード最強だとしても、長い目で見れば基本土地がマジックの中で最強カードだということは確定的明らか!

 場に出ている最強カードの数が倍になれば、勝利への加速度も倍!これでユウヤ君に不利なクリーチャー勝負をふっかけなくて済みますね!

 なので、これを軸にデッキを作っていくことにしましょう。大量に展開された基本土地をうまく使うには、何かいいカードはないかと探していましたが、《全知》はプレイするまでもなく、何でもできる状態になっているので残念ながら没。

 次に白羽の矢が立ったのがX火力。《赤の太陽の頂点》は使いまわせていいのではないか?と考えていましたが、序盤はあんまり役に立たないので《忌むべき者のかがり火》に変更。《境界なき領土》を打ってしまえば奇跡する確率もグッとアップしているのですよ!

 これで全体除去とフィニッシャー両方の役割のカードも決まり、後はデッキを肉付けするだけに。

 マナ加速をした後の《忌むべき者のかがり火》はとても強力でしたが、その後にお互い何もできずにまごつく展開になりやすかったので、《境界なき領土》と《忌むべき者のかがり火》を倍にしてしまおう!ということで《炬火のチャンドラ》を採用。

 青を足して、使いたくて仕方なかったタミヨウちゃんを入れてみたところ、どの能力もデッキと噛み合っていたので万々歳。寝かしてよし、引いてよし、最終奥義の気持ちよさもたまりませんしね!これでプレインズウォーカー2人+プレイヤーの協力体制もできあがり多勢に無勢なら相手が誰であろうと問題なし!

 これでデッキは完成!さっそくリストを見てみましょう。

くりすたる☆ふゅーじょん[MO] [ARENA]
10 《
7 《
7 《

-土地(24)-


-クリーチャー(0)-
4 《思案
4 《濃霧
4 《忌むべき者のかがり火
3 《信仰無き物あさり
4 《遥か見
4 《不屈の自然
4 《レインジャーの道
3 《炬火のチャンドラ
3 《月の賢者タミヨウ
3 《境界なき領土

-呪文(36)-
1 《ケッシグの狼の地
1 《墨蛾の生息地
3 《否認
2 《金屑の嵐
2 《魔女封じの宝珠
2 《殴打頭蓋
4 《原始のタイタン

-サイドボード(15)-


 このデッキは2種類のプレインズウォーカーをうまく使ってゲームを有利に進めていきます。

 《月の賢者タミヨウ》は《濃霧》をうまく使って大量ドローに繋げたり、《忌むべき者のかがり火》で盤面を一掃した後の展開を有利にしてくれます。

 最終奥義で紋章が得られれば、無限に《濃霧》が打てたり、《思案》《信仰無き物あさり》を連打して《忌むべき者のかがり火》にたどり着きやすくなりますね。

 《濃霧》は勝ち手段への足がかりとなるプレインズウォーカーを守れる重要なカードですので、打ちどころには気をつけてみましょう!

 《炬火のチャンドラ》は自分の展開を加速するためのプレインズウォーカーです。

 このデッキのキーカードである《境界なき領土》を真ん中の能力で《余韻》できれば、デッキの中の土地カードが大量に場に出せ、うまくいけばデッキの中身が呪文だけになり、これで事実上「どんなトップでも許容できる」状態になります。

 それでなくても単に《レインジャーの道》を《余韻》するだけで《忌むべき者のかがり火》が素打ちでも盤面を一掃できるようになっているかも!

 しかし、デッキの中の4分の1がマナ加速呪文なので、土地同然であるそれらのカードを引いて「ちくしょうなんでだ!」と叫びかねません。《思案》や《信仰無き物あさり》はその時のためにとっておくのも一つの手かもしれませんね。

 上記のようにうまく時間を稼ぎつつ土地を爆発的に展開して、一気にX=20点以上の《忌むべき者のかがり火》でトドメを刺しましょう!

 メインデッキの説明は終わったので、サイドボードの解説をします!

 相手がガンガン攻めてくるデッキにはこの2枚を。

 加えて間接ダメージの多いゾンビデッキにはこちらも入れてしまいましょう!きっとハンデスにも強いです。

 いつだって僕らの味方、再録して本当に良かった。打ち消しには打ち消しで対抗です!

 除去をメインから外した相手にはサイド後、擬似的にケッシグデッキになってしまうのも面白いプラン!こちらは連綿と続くタイタンデッキがついにスタンダードシーンから引退してしまうので、お世話になったカードということでギミックを埋め込んでしまいました。

 クリーチャーが入っていないと思わせて、《ケッシグの狼の地》からのマキシマム・パンプで相手にマンモス・タックルを決めましょう。これぞ秘奥義マキシマムマンモス!

 サイドボード後もこんなのノリで楽しんじゃいましょう!


 『ラヴニカへの回帰』のカードギャラリーも公開され始め、新しいエキスパンションへの期待が膨らむ時期ですが、賞味期限が迫っているカードも大量にあるので、これを機にそれらを使ってメモリアルなデッキを作るのもまた一興!

 今日はここまで、次回はギルドの次元でお会いしましょう。

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