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高橋優太の「このフォーマットを極めろ!」
第18回:「新たなるファイレクシア」特集?激動!統率者戦
読み物
高橋優太の「このフォーマットを極めろ!」
2011.05.13
第18回:「新たなるファイレクシア」特集~激動!統率者戦
今週は、「新たなるファイレクシア」が統率者戦にどう影響を与えるか、考察していきます。
統率者戦の詳しいルールなどについては、以前の記事「やりこみコマンダー」も合わせてどうぞ。
- 第1回:やりこみコマンダー/統率者戦
- 第2回:各色おすすめカードと《戦争の報い、禍汰奇》デッキ/統率者戦
- 第3回:多色・金属ピックアップと《アーカム・ダグソン》デッキ/統率者戦
《大修道士、エリシュ・ノーン》
法務官シリーズ、その1。
- 《オルゾフの御曹子、テイサ》+《冥界の裏切り者》+《ファイレクシアの供犠台》
- 《目覚ましヒバリ》+《影武者》+《霊体の先達》+《鏡の精体》
などなど、コマンダーの無限マナや無限ループ・コンボは、実はクリーチャーによるものが多いです。《大修道士、エリシュ・ノーン》の能力は常在型であるため、これらのコンボをまとめて封じることができます。
《巻物の君、あざみ》《アーカム・ダグソン》をはじめとした、タフネス2以下の強力ジェネラルをすべて対処できるのも良い。《誘惑蒔き》されることもないですしね。
しかしネックとなるのは7マナという重さ。戦場に出さえすれば強力な能力なので、《魔力の櫃》などで早めに出したいカードですね。
《ギタクシア派の調査》
統率者戦の初期ライフはライフが40なため、普段のゲームよりも「ライフを支払う」カードが使いやすいです。そういう意味で、今回のファイレクシア・マナは統率者戦向けでもありますね。
不自然に{U}{U}を立てていかにも《Mana Drain》を撃ってきそうな相手や、白いデッキが《質素な命令》を持っているかどうかなどを0マナで安全確認できるのは便利。特にコンボデッキで重宝するでしょう。
《核の占い師、ジン=ギタクシアス》
法務官シリーズその2。
法務官に共通しているのは、「自分に優しく、相手に厳しく」なところ。
《核の占い師、ジン=ギタクシアス》ももちろんそれに当てはまり、法務官の中では最もコストが重いだけあって、その効果は強烈。
自身は7ドローしつつ、対戦相手が「ターン終了」を宣言したなら、すぐさま手札が0枚に。しかもこの効果は「各対戦相手」なんです!
早いターンに出てくる《核の占い師、ジン=ギタクシアス》は、それだけでゲームに勝てるほどの性能があります。戦場に出たターン中に除去できないと7ドローで十分なアドバンテージを取りますし、なんとかして、場に出す方法を考えたいところ。
一番手っ取り早いのはリアニメイト系ですね。
《納墓》→《再活性》なら最速1~2ターンで出てきますし、「土地2枚置いただけで全部ディスカード」というのは、相手からしたら理不尽極まりない。
レガシーの《実物提示教育》デッキでも、活躍の場があるかもしれません。
《ファイレクシアの変形者》
アーティファクトにもクリーチャーにもなれる、クローン界の新エース。
以前の記事でも紹介したように、統率者戦は《Sol Ring》や《Mana Crypt》をはじめとしたアーティファクトの使用率が高い。4人いたら誰かしらはアーティファクトのマナブーストをするので、《ファイレクシアの変形者》でそれをコピーしてマナにするのもよし、装備品をコピーするのもよし、相手の強力なクリーチャーをコピーするのもよし。
《心理的手術》
《吸血の教示者》をはじめとする「教示者=チューター」サイクルは、序盤のマナ加速に使ったり、コンボを揃えたり、どれも統率者戦では見かけることの多いカード。
これに対し《心理的手術》はチューターキラーと言うべきカードで、これらをまとめて無効化することができます。コントロールデッキ向け。
《死後の一突き》
《隠遁ドルイド》を中心にした、墓地利用デッキに新たなリアニメイト呪文が。
クリーチャー同士の無限コンボを狙う場合、キーカードが除去されたときに立て直しに時間がかかる欠点がありましたが、速攻を付与するリアニメイト呪文はそれを解決してくれます。
《浅すぎる墓穴》と合わせてどうぞ。
《囁く者、シェオルドレッド》
法務官シリーズその3。
対戦相手を《The Abyss》状態に陥らせながら、自分は逆に毎ターンクリーチャーを復活できる。同じ効果の《黎明をもたらす者レイヤ》が9マナだったことを考えると、最近のクリーチャーのスペックは高く、もはや7マナを超えるとなんでもアリみたいな世界になってきていますね。
統率者戦の6マナ以上のカードは、単体でゲームに勝てるほどのの性能が求められますが、《囁く者、シェオルドレッド》ほど強力なら十分通用しそうです。これも《大修道士、エリシュ・ノーン》同様、マナ加速と合わせてどうぞ。
《隠れしウラブラスク》
法務官シリーズその4。
味方全員に速攻付加・対戦相手は全員タップ状態と、非常に攻撃的な能力を持っており、《業火のタイタン》と組み合わせると大ダメージが期待できますね。
法務官は5色すべて「伝説のクリーチャー」です。《隠れしウラブラスク》をはじめとして、それぞれでデッキを組んでみても面白そうです。
《内にいる獣》
今回のエキスパンションの中で、統率者戦に最も影響を与えそうなカード。
繰り返しになりますが、統率者戦は初期ライフが多く、相手に3/3を与えることのデメリットも薄いです。
強力なジェネラルはもちろんのこと、エンチャント・アーティファクトにも対処できる緑の《名誉回復》。しかもインスタント。緑ならデッキを選ばず入るカードだと思えます。
《出産の殻》
「生け贄に捧げる」のはコストの一部なので、《目覚ましヒバリ》と組み合わせると色々悪さができそうなカード。
そうでなくても、直接戦場に出すサーチ能力は強力。「戦場に出たとき○○」系統のクリーチャーと相性が良く、強力なアーティファクトがあるなら《ヴィリジアンのシャーマン》を持ってきて破壊、その後また《出産の殻》で再利用。《誘惑蒔き》と組み合わせれば奪ったクリーチャーを生け贄にして、その後《誘惑蒔き》自身を5マナクリーチャーに変えたりもできます。
それこそ《目覚ましヒバリ》や《影武者》《霊体の先達》は適任の組み合わせですし、《領土を滅ぼすもの》を持ってきて波乱を起こすのも○。
《飢餓の声、ヴォリンクレックス》
法務官シリーズその5。
《ミラーリの目覚め》のようにマナが倍になるのに加えて、相手のマナを制限するオマケつき。
大量マナを活用できる青と組み合わせたいカードですね。《パリンクロン》と組み合わせて無限マナを出すのもよし、《思考の泉》のようなXドローを撃つもよし、《時間の伸長》で好き放題するのもよし。
《かごの中の太陽》
去年の「このデッキを使え!」でも紹介した青単ストーム系統、特に《High Tide》を使ったデッキに、新たなコンボパーツが加わりました。
今まで使用していた《超次元レンズ》や《魔力の篭手》は相手にも効果が及び、統率者戦では青いデッキの比率が多いこともあり、戦場に出したらそのターン中にコンボを決めないと相手に悪用されてしまうというのが難点でした。
今回の《かごの中の太陽》は自分だけの効果なので、先置きもできますね。
勿論青以外のデッキでも、大量マナは勝ちにつながりやすい。《超次元レンズ》や《魔力の篭手》のように基本地形を参照するわけではないので、2色地形でもマナが増えるのがポイント。
《歯と爪》などのビッグスペルにつなげると良さそうです。、
《焼身の魂喰い》
マナをかけずにパンプする能力。普段のゲームなら支払えないようなライフも、ライフの多い統率者戦なら大丈夫。
ジェネラル《無情の碑出告》デッキなら、相手と自分のライフをコントロールするのに役立ちそうです。
また、《生体融合外骨格》で感染を付加すれば、一撃で相手を毒殺できますね。
《鞭打ち悶え》
ジェネラル《荒廃のドラゴン、スキジリクス》のデッキに新たなオプションが!
《沼》6枚から6ターン目に《荒廃のドラゴン、スキジリクス》→《鞭打ち悶え》で一撃毒殺できますね。コマンダーの毒はライフの1/4で済むので、勝利条件として達成しやすいです。
《悪夢の鞭》と合わせてどうそ。
《呪文滑り》
クリーチャー依存のコンボデッキや、アーティファクトに頼る《アーカム・ダグソン》デッキで、除去避けとして役立ちそうなカード。
場にあるだけで除去が撃ちにくくなりますし、《呪文滑り》自体を誰が対処するかの交渉もありそうです。
《倦怠の宝珠》
アドバンテージやコンボを追い求めるゲームが多い統率者戦。クリーチャーの選択も、当然「戦場に出たとき○○」の能力を持つものが多いです。《倦怠の宝珠》はそんなクリーチャーを根幹から否定するカード。自分が影響を受けにくいようにデッキを構築すれば、かなり強力なカードだと思います。
《倦怠の宝珠》や《無のロッド》《呪われたトーテム像》《減衰のマトリックス》など、アンチカードばかり入れた嫌がらせデッキを組んでみても面白そうですね。
どんな強力なカードも1枚しかデッキに入れられない、逆に言うと1枚だけ用意すればすぐ使えるのが統率者戦の特徴。
皆さんもぜひ、お気に入りの1枚を見つけてデッキに投入してみてください。
では、また来週。
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