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プロツアー『ファイレクシア』

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「プロツアー・ファイレクシア」2日目の注目の出来事

Corbin Hosler

2023年2月19日

 

(編訳注:埋め込み動画は英語実況のものです。)

 フィラデルフィアでの金曜日に、218名の選手が復活したプロツアーの舞台に集った。そして16回戦におよぶハイレベルな戦いのすえに、「プロツアー・ファイレクシア」のトップ8が決した。

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 前回プロツアー王者の戴冠があってから、およそ3年。私たちは再びプロツアーの決勝ラウンドを迎え、次なる王者の誕生を見届けることになる。初日で4勝4敗以上の成績を収め2日目に進出したのは、全体のおよそ半数だった。プレイヤーたちは2日目に再び『ファイレクシア:完全なる統一』ドラフトと5回戦のパイオニア構築で競い合い、トップ8の席を争った。そして出揃った8名の主役を飾るのは、テーブルトップでの戦いがない期間を経てもなお、プロツアーの大舞台での戦いぶりに翳りを見せない伝説のプレイヤーだった。

 八十岡 翔太である。

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 1人で大会に備えることで有名な伝説の殿堂顕彰者が、「プロツアー・ファイレクシア」でも2フォーマットを攻略し、またもや偉業を成し遂げた。プロツアー優勝2回を誇る八十岡は今大会のドラフト・ラウンドを無敗で勝ち抜けた3人に入ると、わずか13回戦で12勝を挙げ、いち早くトップ8進出を決めたのだった。これまでプロツアー・トップ8入賞11回、生涯獲得賞金50万ドル以上を記録する彼は「プロツアー・ファイレクシア」でもトップ8入賞一番乗りを果たした。最も恐るべきプレイヤーであることは間違いないだろう。

 八十岡が静かに見守る中で、残るトップ8の席を争う上位卓は混戦になった。次にトップ8進出を決めたのは、チームメイトのガブリエル・ナシフ/Gabriel Nassifとの「イゼット独創力」同系戦を制した殿堂顕彰者、リード・デューク/Reid Dukeだ。そこへベントン・マドセン/Benton Madsen(初日唯一の全勝プレイヤー)と松浦 拓海がそれぞれ第15回戦を勝ち、トップ8の舞台に加わった。

 4席が埋まり、残り4席。日曜日のステージに立つ権利は、最も緊張する場面で勝ち切った者にのみ与えられる。すなわち「勝てば進出」の決戦だ。触れれば爆発しそうな緊張感の中で行われた第16回戦が終わったとき、残った者の中によく知られた顔があった。

 現世界王者のネイサン・ストイア/Nathan Steuerだ。彼は緒戦に敗北を喫したものの、その後は同じくトップ8に入った八十岡と松浦に土を付けられた以外は力強く歩みを進め、2大会連続のトップ8入賞を果たした。

 残る3席は、クリス・ファーバー/Chris Ferberとデリック・デイヴィス/Derrick Davis、そしてデュークに敗れた後に立て直したナシフが手にした。ナシフはチームメイトとともにトップ8の舞台に上がり、トップ8入賞「16回目」の信じられない記録を打ち立てたのだ。

 こうして、トップ8が出揃った。決勝ラウンドはプロツアー伝統のBO5で行われる。8名は日曜の朝にそれぞれのデッキをシャッフルし、そこからはただ1人になるまで戦いを止めない。「プロツアー・ファイレクシア」トップ8プロフィールとデッキリストを確認し、決戦の観戦に備えよう。

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リミテッドの達人たち

 今大会初日の振り返りで、『ファイレクシア:完全なる統一』ドラフトの腕前を見せつけプロツアーをリードしたドラフト・ラウンド全勝者を取り挙げた。リミテッドの練習は大会1週間前に集まった各調整チームにとっても最優先で取り組むべきことであり、彼らはひたすらにドラフトを繰り返してきた。ドラフト・ラウンドの出来は、プロツアーという大舞台で悲惨なスタートになるかタイブレークで優位に立ち成功を収めるかを左右する。それから、朝一番の勝利で緊張をほぐせるというのも大きい。

 だが2日目のドラフトは、まったく異なる様相になる。初日の会場も、プロツアー予選や地域チャンピオンシップを勝ち抜いてきた優れたプレイヤーたちに満ちていた。どの卓に座っても、これまでで最強の相手に出会うことだろう。だが2日目のドラフトは、どの卓もこれまでで最強の相手しかいなくなる。例えば今大会2日目の第1ポッドには、殿堂顕彰者の八十岡 翔太とガブリエル・ナシフ、それから昨年の世界選手権に出場したトリスタン・ワイルド=ラルー/Tristan Wylde-LaRueも同卓するのだ。

 そして2日目ドラフトに挑んだ選手たちの中で3名が抜きん出た。八十岡はもちろん、加茂 里樹とマイク・ベルファット/Mike Belfattoの両名も、この週末のリミテッド最強プレイヤーの栄光を手にしたのだった。

プロツアーでのパイオニア

 パイオニアは、全16回戦にわたるイベントの中でも特に張り詰める瞬間を演出した――トップ8進出を懸けた構築ラウンド5回戦だ。先頭集団から少し後についたプレイヤーにも、次のプロツアーへの参加権利が懸かっていた。選手1人1人が、プレッシャーの中で集団から抜け出すための物語を作っていったのだ。

 チーム「CFB UltimateGuard」の一員であるデュークとナシフが、これまでの数十年と変わらず構築フォーマットで活躍しているのは、驚くことではないだろう。2人の殿堂顕彰者の選択は、「イゼット独創力」。週末を通して《変わり谷》や《大勝ち》からの宝物トークンを《歓楽の神、ゼナゴス》と《世界棘のワーム》へ変身させ、30点を速攻で叩き込む戦略がパイオニアで非常に強力であることを見せてくれた。

 「プロツアー・ファイレクシア」で大きな成功を収めたコンボ・デッキは、「イゼット独創力」ともう1つある。同じくトップ8に2名(ストイアとファーバー)を輩出した「ロータス・コンボ」だ。こちらは《睡蓮の原野》をコピーして大量のマナを生み出し、《全知》を繰り出し勝利につなげる。《鏡割りの寓話》という対戦相手にとっての悲劇そのものを破壊と妨害に完璧に混ぜ合わせた「ラクドス・ミッドレンジ」が最大勢力の1つという状況で、コンボ・プレイヤーたちは、《思考囲い》がにらみを効かせようともコンボ・デッキは生き続けることを示したのだ。

 そして他のデッキも、パイオニア環境で確かに生きている。《ニクスの祭殿、ニクソス》と「緑単信心」の存在が懸念されていたのは、それほど昔の話ではない。だが「プロツアー・ファイレクシア」でのパイオニアのメタゲームは、使用率15%を超えるデッキはないというものになった。上位デッキはどれも独自の動きを見せ、中でも松浦 拓海の手により「白単人間」がパイオニアで躍動したのは、長年のモダン・プレイヤーに懐かしい気持ちをもたらしただろう。

 プロツアーに求めることはこれ以上ない、という最高の結果を迎え、最後に残る以下の8つのデッキがプロツアー・サンデーの舞台で激突する。

  • イゼット独創力(デューク、ナシフ)
  • ロータス・コンボ(ストイア、ファーバー)
  • ラクドス・ミッドレンジ(八十岡)
  • セレズニア・オーラ(マドセン)
  • 白単人間(松浦)
  • エニグマ・ファイアーズ(デイヴィス)


 さあ、最後の戦いを始めよう。BO5で行われる決勝ラウンドの模様はtwitch.tv/magicにてお伝えするので、お楽しみに!(リンク先は英語放送。日本語公式放送の情報は以下をご確認ください。)

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「プロツアー・ファイレクシア」 日本語版放送ページ・放送日程
日程 放送日・放送時間 放送ページ
1日目 2月17日(金) 25:00~ Twitch」「YouTube
2日目 2月18日(土) 25:00~
3日目 2月19日(日) 23:00~

日本語版放送出演者

(Tr. Tetsuya Yabuki)

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