「剣の出来事」

by Josh Bennett / translated by Masashi Oiso

中田 直樹 (Caw-Go) vs. 行弘 賢 (Green-White-Blue "Death Snow")

　日本人プレイヤーの中でも成長株の2人：行弘 賢と中田 直樹はともに昨年のグランプリで結果を残している。行弘はグランプリ北九州でベスト4、中田はグランプリマニラで、準決勝で渡辺雄也を破っての優勝を勝ち取っている。

Game 1

　行弘は "Death Snow"という名の緑青白デッキをプレイしており、一方の中田は新しいデザインのCaw-Goだ。ちなみに、このマッチの勝者は最終戦をID（合意の上の引き分け）により、ベスト8を確定することができる。

行弘 賢と中田 直樹は、ベスト8の座を賭けた戦いの中にいる。

　先攻の中田は《定業》、行弘は《極楽鳥》からのスタート。中田が《戦隊の鷹》で手札を蓄えている間に行弘は、まず《水蓮のコブラ》キャスト→土地をプレイして《石鍛冶の神秘家》で《饗宴と飢餓の剣》をサーチという動き。中田は《天界の列柱》をプレイし、鷹2号を追加するに留まった。

　行弘はフェッチランドをプレイすることで一気にコブラからマナを引き出し《精神を刻む者、ジェイス》をキャスト。即座に《渦まく知識》能力を使用する。さらに残ったマナから《ラノワールのエルフ》《極楽鳥》を追加した。対する中田は2体の鷹でジェイスの忠誠度を削った後、さらに全てのマナを使って2匹の鷹を戦場へ送り込んだ。

　行弘はマナを数えている。その間、彼の手札は落ち着きなくシャッフルされている。行弘はジェイスの+2能力で占術を行い、更に小考の末、《石鍛冶の神秘家》の能力から《肉体と精神の剣》を追加して中田の鷹を減らしにかかることを決意した。戦闘後、装備をアンタップ状態の《極楽鳥》へ付け替えるてターンを返した。

　中田は《戦隊の鷹》達でジェイスへ攻撃を仕掛けるが、行弘の鳥に阻まれてジェイスを完全に除去できない。ここで中田の《審判の日》がお互いの戦場を一掃すると、行弘は《渦まく知識》能力を使用しても、装備を持たせるクリーチャーを用意できない。ついに中田は《天界の列柱》によって行弘のジェイスを排除することに成功する。

　しかし、中田とっては残念なことに、行弘はとにかくジェイスに恵まれている。行弘は次の《精神を刻む者、ジェイス》をキャストすると+2能力で占術しつつ、《天界の列柱》からひとまず逃れる忠誠心を用意した。中田は再度列柱でジェイスの忠誠心を減らしていく。行弘は今度は《渦まく知識》によってドローを進めるが、手に入ったのは持ち手のいない《饗宴と飢餓の剣》。中田は3ターン連続の列柱起動によって、やっとジェイス2号も墓地へ。

行弘は思考を蓄える。

　...そして、行弘からは当然のようにジェイスお代わり。自身のトップのカードを底に送ってターンを返す。中田は相変わらず列柱で攻撃し、更に残ったマナで《石鍛冶の神秘家》を追加しようとするが、これは行弘からの《マナ漏出》に阻まれる。行弘は「三度目の《渦まく知識》」でやっと《水蓮のコブラ》へ到達し、剣を纏わせる。中田の《転倒の磁石》は即座に《否認》した行弘だったが、結局《未達への旅》によってコブラを取り除かれる。

　ともあれ、ジェイスの生き残った行弘は《渦まく知識》を繰り返す。今度は《極楽鳥》が到着し、2種類の剣が装備される。しかしながら、数ターンカードを使わなかった中田にも余力は十分。《太陽のタイタン》で《転倒の磁石》を戻し、ゲームをひっくり返しにかかる。行弘は《渦まく知識》の後に《石鍛冶の神秘家》を2体追加。行弘の剣はもう4本目だ。

　中田は《太陽のタイタン》で攻撃を開始し、墓地の《石鍛冶の神秘家》が中田にも剣をもたらした。行弘は片方の《石鍛冶の神秘家》でタイタンをブロック。中田は《ギデオン･ジュラ》で追い打ちをかけに行くが、これには《否認》で踏みとどまる。行弘はジェイスを犠牲にしてタイタンを手札に追い返したが、《転倒の磁石》が効いていて、攻めきれない。当然場に戻ってきた《太陽のタイタン》は、今度は《戦隊の鷹》を1匹呼びもどした。次のターン、やっと《転倒の磁石》のカウンターが無くなったことを受け、《極楽鳥》から全ての装備を《石鍛冶の神秘家》へ移してタイタンへ備えるが、これでは中田を止めるには不十分。中田が《天界の列柱》に《饗宴と飢餓の剣》を持たせ、剣によりアンタップしたマナから《エルズペス・ティレル》がキャストされると、行弘は投了へ追い込まれた。

　中田 1-0 行弘

Game 2

　行弘はマナ加速の出来ないスタートとなったが、中田がマナ不足だと読んで《定業》へ《否認》を合わせる。結果的に中田は土地を持っていたものの、これが功を奏したか、行弘の《精神を刻む者、ジェイス》に対し、マナがあるにも関わらず中田は対処できない。行弘はまたまた《渦まく知識》を行ってターンを返す。

　しかし今回は中田側からもジェイスが登場し、揃って墓地へ送られた。行弘は5枚目の土地がタップインであり、そのままターンを返した。中田が《饗宴と飢餓の剣》をキャストするのを見届けると、返しに《ギデオン･ジュラ》で応える。中田も《太陽のタイタン》を送り出し、一歩も譲らない。行弘は無敵状態の《ギデオン･ジュラ》で6点を稼ぎ、《最後のトロール、スラーン》を再生できる状態でキャストした。

中田の鷹はさみしそうだが、すぐに仲間が駆けつけるさ。

　中田はタイタンに剣を装備し、さらに攻撃前に《地盤の際》で行弘の起きている土地から青マナを奪い取る。ここで行弘はスラーンへの再生の盾を用意せず、残りの土地から《饗宴と飢餓の剣》へ《自然の要求》を撃ち込んだ。当然中田は《太陽のタイタン》で攻撃。誘発型能力によって《饗宴と飢餓の剣》を取り戻し、攻撃後に再度タイタンへ装備した。

　行弘は《肉体と精神の剣》をキャストし、剣を装備した《ギデオン・ジュラ》で攻撃するものの、《肉体と精神の剣》の能力が相手の《太陽のタイタン》と噛み合ってしまっている。中田は《天界の列柱》を起動して《饗宴と飢餓の剣》を持った《太陽のタイタン》と共に攻撃。加えて剣によってアンタップしたマナから《ギデオン･ジュラ》が登場すると、行弘は敗北を認めたのだった。

　中田 2-0 行弘