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プロツアー『マジック:ザ・ギャザリング | マーベル スーパー・ヒーローズ』

戦略記事

「プロツアー『マジック:ザ・ギャザリング | マーベル スーパー・ヒーローズ』」モダン・メタゲームブレイクダウン

Frank Karsten

2026年7月17日

 

 デッキリストが提出され、数字の集計も完了し、2026年3回目のプロツアーがいよいよ始動する!

 「プロツアー『マジック:ザ・ギャザリング | マーベル スーパー・ヒーローズ』」 は明日、7月17日に開幕し、MagicCon: Amsterdamにて19日まで開催される。世界最高峰のマジック・プレイヤー362名がモダンのデッキを携え、賞金総額50万ドル、誰もが望む世界選手権への招待、そして栄誉あるプロツアー・トロフィーを懸けて戦う。地域チャンピオンシップの上位入賞者、デジタルイベントの予選通過者、そしてプロツアーの歴戦の強者が集い、極めて層の厚いフィールドとなっている。

 大会は金曜と土曜の午前に『マジック:ザ・ギャザリング | マーベル スーパー・ヒーローズ』ブースタードラフトでスタートし、午後にはモダン構築戦5回戦が行われる。そして日曜には、トップ8プレイヤーたちによる『マジック:ザ・ギャザリング | マーベル スーパー・ヒーローズ』ドラフトが行われ、プロツアーチャンピオンが決定することになる。

 この大会の様子は、マジック英語公式TwitchチャンネルPlay MTGのYouTubeチャンネルにてライブ配信される。配信開始時刻は、金曜と土曜が中央ヨーロッパ夏時間午前11時(日本時間午後6時)、日曜が午前10時(日本時間午後5時)となっている。詳細については、観戦ガイドを参照してほしい。(訳注:日本ではマジック日本語公式YouTubeチャンネルにて配信されます。放送情報はこちらから)

 

モダン・メタゲームブレイクダウン

 モダンは『マジック』を代表する競技フォーマットのひとつであり、『第8版』以降のエキスパンション・セット、基本セット、そしてモダン向けに直接発売されたセットのカードを使用する。23年の歴史を持つモダンの広大なカードプールには、複雑な相互作用と、実戦的な戦略の非常に幅広い多様性が存在する。プロツアーに持ち込まれたデッキの内訳は以下のとおりである。

アーキタイプ名 使用者数 使用率
1. ボロス・エネルギー 46 12.7%
2. イゼット親和 46 12.7%
3. 繁殖鱗コンボ 42 11.6%
4. エルドラージ・トロン 35 9.7%
5. エスパー御霊 33 9.1%
6. アミュレット・タイタン 25 6.9%
7. イゼット果敢 25 6.9%
8. ルビー・ストーム 16 4.4%
9. シミック新生化 14 3.9%
10. エルドラージ・ランプ 12 3.3%
11. エスパー・ブリンク 11 3.0%
12. ボロス土地破壊 9 2.5%
13. ドメイン・ズー 8 2.2%
14. ジェスカイ・コントロール 7 1.9%
15. アゾリウス・コントロール 5 1.4%
16. リビングエンド 4 1.1%
17. ジャンド・コスモゴイフ 3 0.8%
18. アゾリウス・ブリンク 2 0.6%
19. ホロウ・ワン 2 0.6%
20. ゴルガリ・ヨーグモス 2 0.6%
21. グリクシス・リアニメイト 2 0.6%
22. バント・コントロール 1 0.3%
23. エスパー・コントロール 1 0.3%
24. サムワイズ・ギャムジー・コンボ 1 0.3%
25. 赤単果敢 1 0.3%
26. ゴルガリ・ネクロ 1 0.3%
27. 青単金属術 1 0.3%
28. ドルイド・コンボ 1 0.3%
29. アゾリウス・ロキ 1 0.3%
30. グリクシス・シャドウ 1 0.3%
31. 創造の歌 1 0.3%
32. セレズニア出産の儀 1 0.3%
33. タメシ・ベルチャー 1 0.3%
34. イゼット・ウィザード 1 0.3%
 

 このトーナメントのすべてのモダン・デッキリストは、7月17日(金)の第4ラウンド開始時、中央ヨーロッパ夏時間午後2時ごろに、「プロツアー『マジック:ザ・ギャザリング | マーベル スーパー・ヒーローズ』」イベントページで公開される予定である。それまでの間に、今大会で最もプレイされるであろうデッキを詳しく見ていく。

ボロス・エネルギー(46名):《魂の導き手》と《電気放出》に支えられたボロス・エネルギーは、エネルギー・メカニズムを活用して戦場を支配するデッキである。《オセロットの群れ》と《ナカティルの最下層民、アジャニ》という猫科の強力な戦力で絶え間なく圧力をかけ、《ゴブリンの砲撃》で猫・トークンを生け贄に捧げることで、アジャニを強力なプレインズウォーカーへと変身させることができる。

イゼット親和(46名):イゼット神話は、アーティファクト同士の相乗効果を活用するデッキである。十分な数のアーティファクトを展開することで、《オパールのモックス》がマナを加速し、《河童の砲手》が止めることのできない巨大な脅威へと成長し、《ピナクルの特使》が戦場をトークンで埋め尽くす。ほぼすべてのデッキリストに《武器製造》が採用されている。このカードが生成する弾薬・トークンは《河童の砲手》を大幅に強化し、《ウルザの物語》が生成する構築物を成長させ、さらにX=0の《仕組まれた爆薬》と組み合わせれば、致死量のダメージへと変換することもできる。

繁殖鱗コンボ(42名):繁殖鱗コンボの名は、《血の長の刃》と《日を浴びる繁殖鱗》による2枚コンボに由来している。マナを得るためにエルドラージ・落とし子を生け贄に捧げると刃が誘発し、繁殖鱗の上に+1/+1カウンターが置かれ、新たなエルドラージ・落とし子が生成される。このループによって繁殖鱗を無限に強化し、無限マナを生み出すことができる。このデッキは《ウルザの物語》が生成する構築物・トークンで攻撃したり、マナを加速して《約束された終末、エムラクール》を唱えたりすることでも勝利できる。すべての繁殖鱗コンボは同様の中核部分を共有しているが、自由枠にはカスタマイズの余地がある。《のたうつ蛹》、《邪悪な熱気》、《踏み鳴らされる地》を使用するリストもあれば、代わりに《ウギンの迷宮》と《運命を貪るもの》を採用したリストもある。黒をタッチしたバージョンすら存在する。しかし、どの構築にも無限コンボの可能性が備わっている。

エルドラージ・トロン(35名):エルドラージ・トロンは、象徴的な3種類のウルザ土地、そして《エルドラージの寺院》、《ウギンの迷宮》を利用して、大量の無色マナを生み出す。そのマナによって《大いなる創造者、カーン》、《コジレックの命令》、《運命を貪るもの》、《嵐の目、ウギン》といった強力なカードを使用する。ウギンの能力を最大限に引き出すため、デッキはほぼ完全に無色で構成されており、妨害能力を持つアーティファクトによって対戦相手のプランを阻止する。

エスパー御霊(33名):エスパー御霊は、《超能力蛙》または《信仰の繕い》で《偉大なる統一者、アトラクサ》を捨て、《御霊の復讐》で戦場に戻すことを目指す。これにより、絆魂を持つ巨大なクリーチャーで攻撃しながら、手札を大量に補充できる。その後、《儚い存在》によってアトラクサの能力をもう一度誘発させるとともに、ターン終了時に追放されることを防げる。このデッキは《孤独》、《思考囲い》、《否定の力》を使い、コントロール・デッキとして振る舞うこともできる。

アミュレット・タイタン(25名):アミュレット・タイタンは《精力の護符》と《グルールの芝地》のようなバウンス・ランドとの爆発的なシナジーを中心に構築されている。アミュレットが戦場にある状態では、それらの土地は実質的にアンタップ状態で戦場に出て追加のマナを生み出すため、早い段階で《原始のタイタン》を唱えることが可能になる。タイタンは《ハンウィアーの要塞》を探し出し、ゲームを有利な方向へ大きく動かすことができる。別の勝利手段として、すべてのアミュレット・タイタンには《風景の変容》も採用されており、特に《事件現場の分析者》と組み合わせれば大量の追加マナを生み出せる。5月に《睡蓮の原野》が禁止されて以降、無限マナのループは以前よりも複雑になったが、アミュレット・タイタンの達人たちは、プロツアーでその複雑なプレイ手順を存分に披露してくれることだろう。

イゼット果敢(25名):イゼット果敢は、根本的に速度を追求したデッキである。1ターン目に《ドラゴンの怒りの媒介者》または《僧院の速槍》を展開した後、《定業》をはじめとする軽いキャントリップを連続して唱えることで、デッキを掘り進め、手札を整え、クリーチャーを強化する。また、2ターン目に《コーリ鋼の短刀》を出し、続けて《ミシュラのガラクタ》を唱えれば、モンク・トークンを大量に生成する展開を始動できる。

ルビー・ストーム(16名):ルビー・ストームは、《ルビーの大メダル》と《モンスーンの魔道士、ラル》を中心とする、猛烈な速さを持つコンボデッキである。いずれかが戦場にあれば、《発熱の儀式》や《捨て身の儀式》といった呪文をわずか赤マナ1点で唱えられるようになり、大幅なマナ加速が可能となる。このコスト軽減は《無謀なる衝動》や《レンの決意》のようなカード・アドバンテージを得る呪文にも適用されるため、ライブラリーを急速に掘り進めることができる。最終的なプランは、1ターン中に嵐のように呪文を唱え、《炎の中の過去》によってそれらを墓地から再び唱え、致死量の《ぶどう弾》でゲームを終わらせることである。

シミック新生化(14名):シミック新生化は、緑のカード2枚を追放して《アロサウルス乗り》をマナを支払わずに唱え、それを《新生化》または《異界の進化》によってゲームを決めるクリーチャーへと変えることを目指す。最有力の変身先は《暴走暴君、ガルタ》であり、さまざまなフィニッシャーを戦場に一挙に展開できる。《フレイアリーズの信奉者》はガルタをライフ12点とカード12枚に変換し、《歓楽の神、ゼナゴス》はガルタを速攻とトランプルを持つ24/24へと変貌させる。

エルドラージ・ランプ(12名):エルドラージ・ランプは、《エルドラージの寺院》や《ウギンの迷宮》のように2マナを生み出す土地を活用し、できる限り早く《約束された終末、エムラクール》を唱えることを目指す。《邪悪鳴らし》と《コジレックの命令》は、マナ加速に使用できるエルドラージ・落とし子を生成すると同時に、墓地に異なるカード・タイプを増やしてエムラクールのコストを減少させる。エルドラージ・ランプ使用者の4分の3は、エムラクールをより早く唱える別の手段として、《まどろみのトラッジ》とともに《八百長試合》を採用している。

エスパー・ブリンク(12名):エスパー・ブリンクは、《量子の謎かけ屋》と、《儚い存在》や《溌剌の牧羊犬、フィリア》、またはこれら両方を相乗的に組み合わせるデッキである。大半のバージョンには、明滅させる魅力的な対象として《孤独》と《ベイルマークの大主》も採用されており、それらが妨害要素を備えたミッドレンジの骨格に組み込まれている。

ボロス土地破壊(9名):ボロス土地破壊は、モダンのメタゲームに比較的新しく登場したデッキである。モダンの大半のデッキには基本土地が2、3枚しか入っていないため、通常であれば破壊した土地の代わりに基本土地を探させる効果を使い、対戦相手の土地を次々と破壊することができる。《浸食作用》と《流刑への道》は、実質的な欠点のない1マナの除去呪文となる。さらに《浄化の野火》、《自由の代価》、《解体爆破場》、《廃墟の地》、《アベンジャーズ解散》は、実質的に完全な土地破壊効果となる。

ドメイン・ズー(8名):ドメイン・ズーは、2種類または3種類の基本土地タイプを持つ土地を多数使用し、《ドラコの末裔》の力を引き出す、妨害能力を備えたアグロデッキである。《縄張り持ちのカヴー》も多くの場合採用される。《ギルドパクトの力線》があれば、マナ基盤からライフを失う必要がなくなり、《ドラコの末裔》は自軍全体に警戒、呪禁、絆魂、先制攻撃、トランプルを与える。

ジェスカイ・コントロール(7名):ジェスカイ・コントロールは、効率的な除去、全体除去、打ち消し、カードを引く呪文を用いて、ゲームの流れを支配することを目指す。大半の構成では《孤児護り、カヒーラ》を相棒として使用し、《オアリムの詠唱》を《等時の王笏》に刻印することで、対戦相手がゲームを進めることを完全に封じることができる。勝利までには時間がかかるが、その歩みは着実である。

 前回のモダン・プロツアーで優勝したタメシ・ベルチャーは、今回はわずか1名しか使用していない。マイケル・プラマー/Michael Plummerは昨年、このアーキタイプを使用してプロツアー・トロフィーを獲得したが、同大会におけるアーキタイプ全体の勝率は振るわなかった。その後も低調な成績が続いたため、現在ではメタゲーム内でごくわずかな割合を占めるにとどまっている。

 全体として、今回のプロツアーでは、主に既存のものを中心として数十種類のアーキタイプが使用されている。コンボとアグロの戦略は、ミッドレンジ、コントロール、ランプよりもはるかに大きな割合を占めている。まったく新しいアーキタイプが突如としてメタゲームを席巻することはなく、最近禁止解除されたカードも大きな影響を与えていない。プロツアーの全デッキリストを合わせても《暴力的な突発》はわずか8枚であり、《梅澤の十手》は1枚も採用されていない。

 その一方、デッキの分布は、プロツアー開催前の数週間に行われた大会から予想されていたものと非常によく似ている。ボロス・エネルギーとイゼット親和はすでにこのフォーマットの最有力デッキとしての地位を確立しており、最終的にはプロツアーのメタゲームで同率首位となった。両デッキともフィールドの12.7%を占めるが、いずれか一方が単独で頂点に立っているわけではなく、全体として高い多様性が保たれている。

 とはいえ、繁殖鱗コンボ、エルドラージ・トロン、エスパー御霊、シミック新生化は、いずれも予想をわずかに上回る使用者数となった。これは、爆発的なコンボによる決着と強力なマナ加速が魅力的に映った結果である。これらのアーキタイプは、上位入賞歴を4回以上持つ経験豊富な競技者の間でも特に人気を集めた。十分な調整を重ね、ゲームのベテランの多くが、これらのデッキはボロス・エネルギーや予想されるフィールドに対して有利な立ち位置にあると判断したことを示している。

 

 メインデッキで最も多く使用されている土地でないカードは《コジレックの命令》であり、これはフォーマット全体でも最強のカードであると言ってよいだろう。すべての繁殖鱗コンボ、エルドラージ・トロン、エルドラージ・ランプが《コジレックの命令》を4枚、《エルドラージの寺院》も4枚採用している。この強力な組み合わせを使用するプレイヤーは89名で、フィールド全体の24.6%に相当する。そのため、本大会では《コジレックの命令》がマナ加速、カード選択、単体除去、墓地対策を強力に兼ね備える場面を何度も目にすることになるだろう。

 そのほか、メインデッキで多く使用されている定番カードには、《ウルザの物語》、《ミシュラのガラクタ》、《邪悪鳴らし》、《孤独》、《電気放出》、《敏捷なこそ泥、ラガバン》がある。一方、サイドボードで最も多く使用されているカードは、依然として《記憶への放逐》である。これらを総合すると、現在のモダンは徹底的な効率性によって特徴づけられるフォーマットであることがわかる。有力デッキは、軽量の妨害、無駄のないカード選択、1マナの脅威を最大限に活用している。

最近のセットで最もプレイされたカード

 9か月前に開催された昨年のモダン・プロツアーで使用可能であった『マジック:ザ・ギャザリング | マーベル スパイダーマン』以降に発売されたセットからは、新たなアーキタイプを成立させ、既存のアーキタイプを強化する、多数の強力なカードが登場した。以下の表では、前回のモダン・プロツアー以降に発売されたセットから、「プロツアー『マジック:ザ・ギャザリング | マーベル スーパー・ヒーローズ』」で最も多く使用されている、モダンに新しく加わったカード20枚を紹介する。総採用枚数に加え、メインデッキとサイドボードの内訳も示している。簡潔にするため、各セットは3文字のセットコードで表記している。

カード名 セットコード 合計枚数 メインデッキ サイドボード
1. 《ロクの伝説 TLA 72 44 28
2. 《ヘックス・マジック MSH 63 63 0
3. 《スケートボード TMT 49 49 0
4. 《幽愁 ECL 47 38 9
5. 《浸食作用 SOS 46 46 0
6. 《自由の代価 TLA 40 40 0
7. 《まどろみのトラッジ SOS 36 36 0
8. 《ブーメランの基礎 TLA 27 23 4
9. 《アベンジャーズ解散 MSH 23 20 3
10. 《月影 ECL 16 16 0
11. 《アナグマモグラの仔 TLA 15 15 0
12. 《司書、ワン・シー・トン TLA 10 10 0
13. 《狩りの終わり SOS 7 0 7
14. 《欺瞞 ECL 7 5 2
15. 《練習を積んだ攻撃 SOS 7 7 0
16. 《並外れた語り部 ECL 6 6 0
17. 《ソーのハンマー、ムジョルニア MSH 6 0 6
18. 《ウィザーブルームの魔除け SOS 5 4 1
19. 《悪戯の神、ロキ MSH 3 3 0
20. 《大いなる脳ミソ、クランゲ TMT 3 3 0

回転

 すべてのメインデッキとサイドボードを合計した採用枚数では、過去9か月間に登場した新カードの中で最も多く使用されているのは《ロクの伝説》である。《火の怒りのタイタン、フレージ》が禁止されたことにより、ボロス・エネルギーは中盤に継続的な価値をもたらす別のカードを探す必要に迫られた。その人気の代替カードのひとつとして採用されたのが《ロクの伝説》である。複数のボロス土地破壊にもこの英雄譚が採用されている。合計72枚が47枚のデッキリストに分散しており、1枚または2枚のみの採用であることが多い。長期戦を通じて着実に価値を生み出す、目立たないながらも堅実なカードである。

 

 一方、メインデッキのみの総採用枚数で見た場合、モダンに新しく加わったカードの中で最も使用されているのは《ヘックス・マジック》である。今週末の大会に参加するすべてのルビー・ストームに3枚または4枚採用されており、通常はこれまで《不可能の一瞥》や《フラッシュバック》が占めていた枠に入っている。《ヘックス・マジック》はコンボを開始するターンの最初や、その前のターンに準備を整えるために使う、極めて優れたカードを引く呪文である。3マナで5枚や6枚のカードを「引く」ことも十分に現実的である。さらに、これは何年ぶりかに登場した新たな秘儀カードのひとつでもあるため、《捨て身の儀式》を《ヘックス・マジック》に連繋すると、実質的に{1}マナ増やしつつ使用することができる。

 

 《スケートボード》は、イゼット親和に1枚採用されるカードとして安定した居場所を見つけている。新たに生成した構築物・トークンに速攻を与えることが目的である。典型的な流れは、2ターン目に《ウルザの物語》を出し、3ターン目と4ターン目に構築物・トークンを生成した後、この装備品を探し出して即座に圧力をかけるというものである。《スケートボード》は、1枚以上採用しているプロツアーのデッキ数で見れば最も影響力のある新カードであるが、《溶岩拍車のブーツ》からの強化としてはごくわずかなものである。それでもプレイヤーたちは、護法1を与えることよりも、対戦相手のブロッカーをタップすることの方が価値の高い場合が多いと判断した。

 

 多くのシミック新生化使用者と、すべてのリビングエンド使用者が、《幽愁》を少なくとも1枚採用している。このカードは厄介なアーティファクトやエンチャントへの回答となるだけでなく、軽いコストでカードを引いて捨てる手段にもなる。そのため《死せる生》の安定性を高めながら墓地を肥やすことができる。この優れた能力の組み合わせにより、これらのデッキにとって強力な追加戦力となっている。

 

 《浄化の野火》に似た効果を持つカード群は、この1年間で大幅に増加した。『マジック:ザ・ギャザリング | アバター 伝説の少年アン』の《自由の代価》、『ストリクスヘイヴンの秘密』の《浸食作用》、『マジック:ザ・ギャザリング | マーベル スーパー・ヒーローズ』の《アベンジャーズ解散》が、いずれもデッキの新たな武器として加わった。ボロス土地破壊は、これらのカードを使って対戦相手の基本土地を計画的に取り除き、最終的には探し出せる基本土地が1枚もない状態へと追い込む。

 

 最後に取り上げたい新カードは《まどろみのトラッジ》である。エルドラージ・ランプ使用者9名が、このカードを《八百長試合》および《ロナスの狂信者》とともに採用している。厳密には1マナ6/6であるトラッジは、ゲームを即座に決める展開を生み出すことができる。たとえば、1ターン目に《まどろみのトラッジ》を唱え、この巨大なクリーチャーの上に麻痺カウンターを3個置いたとする。2ターン目には《ウギンの迷宮》をプレイして《真実を溺れさせるもの》を追放し、《八百長試合》を唱える。理想的には《八百長試合》によってライブラリーの一番上から5枚の中にある《約束された終末、エムラクール》や《絶え間ない飢餓、ウラモグ》のような強烈なカードを見つける。その後、戦闘に移り《まどろみのトラッジ》の上に+1/+1カウンターを置き、追放した呪文をマナを支払わずに唱えるのである。この一連の流れは、エルドラージ・ランプを止めようのない力のように感じさせる。

 ほかのカードがどのデッキに採用されていたか知りたい読者のために、表に掲載した残りのカードの採用先も紹介しよう。

  • ブーメランの基礎》はイゼット果敢10人、イゼット親和1人、グリクシス・シャドウ1人のデッキに採用されていた。
  • 月影》は、ホロウ・ワン2人、ドメイン・ズー1人、グリクシス・シャドウ1人のデッキに採用されていた。
  • アナグマモグラの仔》は、ゴルガリ・ヨーグモス2人、ドルイド・コンボ1人、セレズニア出産の儀1人のデッキに採用されていた。
  • 司書、ワン・シー・トン》はジェスカイ・コントロール1人、エスパー・コントロール1人、アゾリウス・コントロール1人のデッキに採用されていた。
  • 狩りの終わり》はエスパー御霊4人、ボロス・エネルギー1人、エスパー・ブリンク1人のデッキに採用されていた。
  • 欺瞞》はリビングエンド2人のデッキに採用されていた。
  • 練習を積んだ攻撃》はドメイン・ズー3人のデッキに採用されていた。
  • 並外れた語り部》は、リビングエンド2人とゴルガリ・ヨーグモス1人のデッキに採用されていた。
  • ソーのハンマー、ムジョルニア》はアミュレット・タイタン5人のデッキに採用されていた。
  • ウィザーブルームの魔除け》は、サムワイズ・ギャムジー・コンボ1人、ゴルガリ・ネクロ1人、ゴルガリ・ヨーグモス1人のデッキに採用されていた。
  • 悪戯の神、ロキ》はアゾリウス・ロキ1人のデッキに採用されていた。
  • 大いなる脳ミソ、クランゲ》はイゼット親和1人のデッキに採用されていた。

 さらに、いくつかの使用率の低いカードも、プロツアーのデッキリストに1枚または2枚ずつ採用されているのが見られた。

 これらの新たなカードのいずれかが競争を勝ち抜き、週末の終わりまでに上位卓で存在感を示すことができるのか、今から楽しみである。

モダンの策士たちとの戦いに備えよ!

 数十種類のアーキタイプが栄光を懸けて戦う舞台は整った。今週末、私の母国であるオランダにて、私はニュースデスクを担当する。大会を通じて、モダンのメタゲーム、デッキ、カード、相互作用、勝率について、さらに詳しい数字と分析をお届けする予定である。

 

 誰がトロフィーを持ち帰るのかを見届けるため、一瞬たりとも戦いを見逃さないでほしい。「プロツアー『マジック:ザ・ギャザリング | マーベル スーパー・ヒーローズ』」の配信は、明日7月17日に始まる!

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