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プロツアー『タルキール龍紀伝』

観戦記事

第15回戦:Ondrej Strasky(チェコ) vs. Seth Manfield(アメリカ)

矢吹 哲也
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Tobi Henke / Tr. Tetsuya Yabuki

2015年4月11日


アンドレイ・ストラスキー/Ondrej Strasky(緑信心) vs. セス・マンフィールド/Seth Manfield(世界ランキング13位/アタルカ・アブザン)

 本日の試合も残りふたつ。ここではアンドレイ・ストラスキーと世界ランキング13位のセス・マンフィールドの戦いを見ていこう。両プレイヤーとも、すでに今シーズンでのプロツアー・トップ8入賞を果たしており、彼らはさらなる戦績を刻むべく試合に臨んでいる。戦績の面で言うなら、マンフィールドはグランプリでも優勝3回を含めてトップ8入賞5回を達成しており、対するストラスキーはまだグランプリでの活躍は見せていない。そのため、ここまでの大会での成績はマンフィールドに軍配が上がるだろう。だがしかし、今大会のストラスキーの成績は見事だ。14回戦を終えて12勝2敗とした彼は、あと勝ち点1点でトップ8入賞が確定するところまで来ている。だが11勝2敗1分のマンフィールドとしては、引き分けにはできないだろう。彼がトップ8入賞を確実なものとするには、あとひとつ勝利が必要なのだ。

 両プレイヤーは合意の上の引き分けによる影響を議論し、戦うことを選んだ。引き分けを選んだ場合、この場にいる片方のプレイヤーが自身2度目のプロツアー・トップ8入賞を確定させるが、もう片方のプレイヤーは結局次のラウンドで戦わなくてはならないのだ。両者がデッキのシャッフルを進めるにつれて、空気が張り詰めていく。

 マンフィールドが駆るのは、革新的な「アブザン・コントロール」デッキ。赤をタッチして《龍王アタルカ》を2枚採用した形だ。一方のストラスキーは、「緑信心」の新しい形を手に今大会を戦っている。《龍王アタルカ》と《書かれざるものの視認》を4枚ずつ採用したものだ。(アタルカ様万歳!)

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この試合で確かなことがひとつ――アタルカが姿を現すことだろう。

ゲーム展開

 第1ゲームはストラスキーが猛烈な速さで開幕を飾り、3ターン目に《囁きの森の精霊》を繰り出すことに成功する。このゲームはストラスキーが先手であるため、マンフィールド側がその《囁きの森の精霊》にすぐ対処できるカードは1枚だけだった。だが彼はやってのけた。《究極の価格》だ。

 だがストラスキーと彼のデッキは止まらない。《爪鳴らしの神秘家》を裏向きで出すなどさらにマナ・クリーチャーを展開すると、5ターン目には《狩猟の統率者、スーラク》と《世界を喰らう者、ポルクラノス》が「同時に」着地した。その間にマンフィールドができたのは、《サテュロスの道探し》2枚のみ。片方が《狩猟の統率者、スーラク》の前に飛び込み、もう片方は次のターンに同じ運命をたどるのを待った。だが、その運命は変わる。6ターン目にストラスキーが呼び出したのは、偉大なる《龍王アタルカ》だったのだ。(アタルカ様万歳!)

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「信心」深い対戦相手が繰り出す強大な緑の軍勢を前に、なんとか切り抜けたいマンフィールド。

「残りは4点ですか?」 強烈な攻撃を宣言した後、ストラスキーが尋ねた。マンフィールドは頷き、渋い顔になる。彼はターンを迎えてドローを確認すると、カードを片付けた。

 第2ゲームも、動き出しはストラスキーだった。ただし、その動きはマリガンの宣言だ。それでも彼は1ターン目《エルフの神秘家》からゲームを始めると、今度は3ターン目に《クルフィックスの狩猟者》を繰り出した。この《クルフィックスの狩猟者》も、今度は《残忍な切断》で素早く対処するマンフィールド。続くストラスキーの《囁きの森の精霊》は、《英雄の破滅》を受けることになった。

 ストラスキーの猛攻を除去で受けつつ、マンフィールドは《包囲サイ》を戦線に送った。しかしその直後、すべてを《龍王アタルカ》に持っていかれる。(アタルカ様万歳!)

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「アタルカへの信心」は、ストラスキーの方がやや高かったようだ。

「脅威に解答を差し向けると、さらなる脅威が続く」というのはよくある話だ。マンフィールドが《龍王アタルカ》に《アブザンの魔除け》を差し向けると、ストラスキーは《世界を目覚めさせる者、ニッサ》を唱えた。マンフィールドはそれも《英雄の破滅》で対処したが、そこで除去が尽き、《世界を目覚めさせる者、ニッサ》が4/4トランプルに変えた《》を止める手立てがなくなった。こうして《》と《エルフの神秘家》という意外なコンビが最後の一撃を決め、アンドレイ・ストラスキーを日曜日の舞台へと連れて行ったのだった。

ストラスキー 2-0 マンフィールド
Ondrej Strasky - 「緑信心」
プロツアー『タルキール龍紀伝』 / スタンダード[MO] [ARENA]
10 《
4 《奔放の神殿
4 《樹木茂る山麓
3 《ニクスの祭殿、ニクソス
2 《吹きさらしの荒野
1 《

-土地(24)-

4 《エルフの神秘家
4 《爪鳴らしの神秘家
4 《森の女人像
4 《クルフィックスの狩猟者
2 《加護のサテュロス
4 《世界を喰らう者、ポルクラノス
2 《狩猟の統率者、スーラク
4 《囁きの森の精霊
4 《龍王アタルカ

-クリーチャー(32)-
4 《書かれざるものの視認

-呪文(4)-
1 《旅するサテュロス
4 《ナイレアの信奉者
3 《歓楽者ゼナゴス
4 《世界を目覚めさせる者、ニッサ
3 《高木の巨人

-サイドボード(15)-
Seth Manfield - 「アタルカ・アブザン」
プロツアー『タルキール龍紀伝』 / スタンダード[MO] [ARENA]
4 《砂草原の城塞
4 《疾病の神殿
4 《吹きさらしの荒野
3 《ラノワールの荒原
2 《
2 《遊牧民の前哨地
2 《平地
1 《コイロスの洞窟
1 《精霊龍の安息地
1 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ

-土地(24)-

4 《森の女人像
3 《サテュロスの道探し
4 《クルフィックスの狩猟者
4 《包囲サイ
1 《アンデッドの大臣、シディシ
1 《黄金牙、タシグル
2 《龍王アタルカ

-クリーチャー(19)-
2 《思考囲い
2 《究極の価格
3 《アブザンの魔除け
3 《英雄の破滅
1 《完全なる終わり
1 《エレボスの鞭
2 《残忍な切断
3 《太陽の勇者、エルズペス

-呪文(17)-
1 《消去
1 《思考囲い
2 《羊毛鬣のライオン
2 《異端の輝き
1 《自傷疵
2 《悲哀まみれ
1 《無慈悲な処刑人
1 《目覚めし処刑者
1 《高木の巨人
1 《悪行の大悪鬼
1 《命運の核心
1 《精霊龍、ウギン

-サイドボード(15)-
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RESULTS

対戦結果 順位
16 16
15 15
14 14
13 13
12 12
11 11
10 10
9 9
8 8
7 7
6 6
5 5
4 4
3 3
2 2
1 1

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