EVENT COVERAGE

プロツアー『タルキール龍紀伝』

観戦記事

第9回戦:Rick Lee(マレーシア) vs. 八十岡 翔太(日本)

益山 拓也
Craig-Jones-Author-Photo-150x150_0.jpg

Craig Jones / Tr. Takuya Masuyama

2015年4月11日


 リック・リー/Rick Leeは大騒ぎしている。彼は昨日全てを成功させて8-0のパーフェクト・レコードを達成した。今回が彼にとって3度目のプロツアーになる。過去最高の戦績は2012年のグランプリ・マニラでの準優勝だ。

 しかしながら、彼がその記録を維持しようとするならば、困難な任務が待っている。その前には立ちはだかるのは、恐るべき八十岡翔太なのだから。

 八十岡の戦績に意外にも低いひとつの数字がなければ、彼はたやすく殿堂入りを決めるだろう。八十岡のプロツアー・トップ8の経歴は、チーム戦である2006年のプロツアー・チャールストンの優勝しかない。意外にもと言ったのは、2006年のプレイヤー・オブ・ザ・イヤーを含む八十岡の他の戦績は完璧だからである。

 今朝はブースターから痩せたピックしかできず、満足行くデッキの調整ができなかった八十岡にとって苦しい戦いになるかもしれない。マッチアップは、彼の赤緑アグロ・デッキと、リーの除去満載の青黒デッキの戦いになった。

r9_lee_yasooka.jpg
最後の全勝者リック・リーが、7勝0敗1分けのひとり八十岡翔太と、2日目最初のラウンドで相対する。

ゲーム展開

 デッキが弱いときに、土地の引きが弱ければ何の助けにもならない。それが八十岡の最初のゲームを駄目にしてしまった。

 八十岡は3枚目の土地を4ターン目まで引けず、それは《龍傷負いの熊》の到着が1ターン遅れたことを意味した。リーはすでに《上昇気流の精霊》と《蓮道のジン》で守りを固めていた。《勇壮な対決》がジンを始末したが、リーは八十岡がまだ土地を求めてもがく中でゲームを支配していた。

 リーはこのマッチの最初の爆弾ドラゴンである《屍術使いのドラゴン》を繰り出した。それが空を横切りゾンビを供給し始め、八十岡のライフから4点を噛みちぎった。八十岡はただ《疾走する戦暴者》を疾駆で唱え、それを5枚目の土地を引いて普通に唱えることができるまで待つしかできなかった。

 5枚目の土地が現れたとき、八十岡は《疾走する戦暴者》ではなく《戦いをもたらすもの》を召喚した。彼の手札には既に《疾走する戦暴者》があり、次のターンに爆発的な反撃を繰り出すことができた。

r9_lee.jpg
リーの勢いが止まることはない。

 しかしそれは叶わなかった。《戦いをもたらすもの》がゾンビの1体をブロックすると、《頭巾被りの暗殺者》がこのゲームを持ち直すわずかな望みをも刈り取るために繰り出されたのだった。

 八十岡の土地事故は第2ゲームでも続き、しばらくの間《》だけで行動することを余儀なくされた。彼の1体目の変異は《押し倒し》され、《疾走する戦暴者》は《影の手の内》で対処された。

 この時点で、リーは《微風の写字官》の助けを得て飛行クリーチャーを選び出し始めていた。八十岡はついに《残忍なクルショク》を唱えるための《》を見つけ出した。この獣は長くは留まれず、《現実変容》によって対処しやすい予示クリーチャーへと変えられてしまった。

 これはどうせ、ほとんど裏返しの土地だ。そうだろう?

 リーは《ラクシャーサの墓呼び》を召喚し、《微風の写字官》を濫用して2体のゾンビ・トークンへと変えた。いずれにせよ八十岡は《疾走する戦暴者》を送り出し、リーのゾンビ・トークンと《ラクシャーサの墓呼び》のダブルブロックによってトークンと相打ちになった。リーが《禿鷹エイヴン》でカードを2枚引くために残りのゾンビ・トークンを濫用したとき、このゲームが、そしてこのマッチが彼のもののように見えた。

 しかしあの裏向きの予示クリーチャーは一体何だ? それは土地ではなかったのだ。

 八十岡はターン終了時に表向きにしたのは、巨大な《分節クロティク》だった。さらに彼は赤緑デッキから《》をも公開して、《テイガムの一撃》で《分節クロティク》を強化し、ブロックされないようにしてみせた。戦闘後に八十岡が呼び出した《針葉樹の徘徊者》は、反復した《テイガムの一撃》が次のターンに安全に対象を得て一撃を加え、このゲームを取ってマッチを五分に戻すことを確実なものにしたのだった。

 第3ゲーム、八十岡はついに2ターン目の《林間の見張り》から《コロッソドンの一年仔》という己のマナ・カーブをものにした。リーは展開を遅らせようと《コロッソドンの一年仔》に《押し倒し》を打つ。八十岡は2/4の穴を4ターン目の《高楼の弓使い》で埋め合わせた。事態は八十岡が次のターンに疾駆した《疾走する戦暴者》と圧倒した《林間の見張り》によって悪化し、全軍突撃でリーのライフの半分を奪い去った。

r9_lee_yasooka.jpg
八十岡の赤緑デッキは、第3ゲームでその力を集結してみせた。

 リーは《雲変化》でライブラリーの一番上を予示し、マナを立てたままでターンを返す。八十岡は一歩退いて《龍傷負いの熊》と《アタルカの獣壊し》を追加することにした。次のターンにでも壊滅的な攻撃を仕掛けそうな勢いだ。

 圧倒を達成しているにもかかわらず、八十岡は《アタルカの獣壊し》を強化することを選ばずに、《雲変化》のついた予示クリーチャーと相打ちされるがままにした。《影の手の内》を持つリーが強化に対応して除去してきた際のテンポを失わないようにしていたのだ。この時点で彼は大量の圧力をかけており、リーにはこのゲームを取り返すチャンスはもはや残されていなかった。

リー 1-2 八十岡

 このマッチにより、プロツアー『タルキール龍紀伝』の最後の全勝者はとうとう陥落してしまった。

  • この記事をシェアする