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プロツアー『ドミナリア』
プロツアー『ドミナリア』メタゲームブレイクダウン・2日目
2018年6月2日
金曜日の構築ラウンド開始の合図は、プロツアー参加者にとって緊張の一瞬だ。全員の武器が判明し、それぞれの予測が正しかったのか間違っていたのかが明らかになり、決勝ラウンドまで駆け上がる者と敗者のるつぼへ投げ込まれる者の明暗が分かれる。
プロツアー『ドミナリア』初日のメタゲームは、赤黒の戦略が会場を広く占め、そこへさまざまなコントロールやその他の選択肢が続いた。ぜひ記事で鍵となるデッキの概要や戦略を確認してほしい。ここでは、2日目へ進出したデッキの構築プランを見ていこう。
アーキタイプ | 初日使用者数 | 初日使用率 | 2日目使用者数 | 2日目使用率 | 2日目進出率 |
---|---|---|---|---|---|
赤黒ミッドレンジ | 57 | 12.4% | 43 | 14.8% | 75.4% |
赤黒アグロ | 65 | 14.1% | 41 | 14.1% | 63.1% |
赤単アグロ | 48 | 10.4% | 38 | 13.1% | 79.2% |
黒緑「巻きつき蛇」 | 34 | 7.4% | 23 | 7.9% | 67.6% |
鉄葉ストンピィ | 40 | 8.7% | 23 | 7.9% | 57.5% |
エスパー・コントロール | 20 | 4.3% | 15 | 5.2% | 75.0% |
白黒ベナリア | 29 | 6.3% | 14 | 4.8% | 48.3% |
白青テフェリー | 22 | 4.8% | 13 | 4.5% | 59.1% |
白青コントロール | 17 | 3.7% | 10 | 3.4% | 58.8% |
青黒ミッドレンジ | 14 | 3.0% | 9 | 3.1% | 64.3% |
青黒コントロール | 10 | 2.2% | 7 | 2.4% | 70.0% |
エスパー・ベナリア | 7 | 1.5% | 6 | 2.1% | 85.7% |
緑青カーン | 11 | 2.4% | 5 | 1.7% | 45.5% |
黒単コントロール | 9 | 2.0% | 4 | 1.4% | 44.4% |
スゥルタイ「巻きつき蛇」 | 5 | 1.1% | 4 | 1.4% | 80.0% |
白青「副陽の接近」 | 7 | 1.5% | 4 | 1.4% | 57.1% |
黒緑ランプ | 6 | 1.3% | 3 | 1.0% | 50.0% |
エスパー・ミッドレンジ | 7 | 1.5% | 3 | 1.0% | 42.9% |
バント「王神の贈り物」 | 2 | 0.4% | 2 | 0.7% | 100.0% |
黒緑ミッドレンジ | 4 | 0.9% | 2 | 0.7% | 50.0% |
青黒「王神の贈り物」 | 3 | 0.7% | 2 | 0.7% | 66.7% |
緑白ミッドレンジ | 4 | 0.9% | 2 | 0.7% | 50.0% |
赤単「ケルドの炎」 | 3 | 0.7% | 2 | 0.7% | 66.7% |
白青ベナリア | 3 | 0.7% | 2 | 0.7% | 66.7% |
白青「王神の贈り物」 | 3 | 0.7% | 2 | 0.7% | 66.7% |
青黒即席 | 2 | 0.4% | 1 | 0.3% | 50.0% |
青赤「王神の贈り物」 | 2 | 0.4% | 1 | 0.3% | 50.0% |
緑青カウンター | 1 | 0.2% | 1 | 0.3% | 100.0% |
緑青「王神の贈り物」 | 2 | 0.4% | 1 | 0.3% | 50.0% |
緑白ベナリア | 1 | 0.2% | 1 | 0.3% | 100.0% |
ジェスカイ・コントロール | 2 | 0.4% | 1 | 0.3% | 50.0% |
マルドゥ機体 | 2 | 0.4% | 1 | 0.3% | 50.0% |
スゥルタイ・エネルギー | 2 | 0.4% | 1 | 0.3% | 50.0% |
スゥルタイ・ミッドレンジ | 1 | 0.2% | 1 | 0.3% | 100.0% |
白黒騎士 | 1 | 0.2% | 1 | 0.3% | 100.0% |
白黒ミッドレンジ | 1 | 0.2% | 1 | 0.3% | 100.0% |
白黒トークン | 1 | 0.2% | 1 | 0.3% | 100.0% |
バント「副陽の接近」 | 1 | 0.2% | 0 | 0.0% | 0.0% |
黒赤アグロ | 1 | 0.2% | 0 | 0.0% | 0.0% |
黒赤ミッドレンジ | 1 | 0.2% | 0 | 0.0% | 0.0% |
エスパー「ミラーリ予想」 | 1 | 0.2% | 0 | 0.0% | 0.0% |
グリクシス鎖回し | 1 | 0.2% | 0 | 0.0% | 0.0% |
黒単ミッドレンジ | 1 | 0.2% | 0 | 0.0% | 0.0% |
赤緑恐竜 | 1 | 0.2% | 0 | 0.0% | 0.0% |
赤緑ミッドレンジ | 2 | 0.4% | 0 | 0.0% | 0.0% |
赤白アグロ | 1 | 0.2% | 0 | 0.0% | 0.0% |
鉄葉機体 | 1 | 0.2% | 0 | 0.0% | 0.0% |
白青サイクリング | 2 | 0.4% | 0 | 0.0% | 0.0% |
初日と同様にデータをまとめてみると、興味深い傾向が見えてくる。
アーキタイプ | 初日使用者数 | 初日使用率 | 2日目使用者数 | 2日目使用率 | 2日目進出率 |
---|---|---|---|---|---|
赤黒アグロ&ミッドレンジ | 122 | 26.5% | 84 | 28.9% | 68.9% |
コントロール系 | 90 | 19.5% | 53 | 18.2% | 58.9% |
赤単アグロ | 48 | 10.4% | 38 | 13.1% | 79.2% |
鉄葉ストンピィ | 40 | 8.7% | 23 | 7.9% | 57.5% |
ベナリア系 | 39 | 8.5% | 23 | 7.9% | 59.0% |
巻きつき蛇系 | 39 | 8.5% | 27 | 9.3% | 69.2% |
その他 | 83 | 18.0% | 43 | 14.8% | 51.8% |
《ゴブリンの鎖回し》を用いるデッキが使用率を伸ばす
世界最高のマジック・プレイヤーたちが数週間にわたってテストを繰り返し、その上で同じ結論に至ったのだから、この結果は驚くことではない。2日目進出率が最も高いのは、「赤黒ミッドレンジ」と「赤単アグロ」デッキだ。
- ふたつの「赤黒」では、メタゲームの予想にもとづきタフネス1のクリーチャーを排したミッドレンジがアグロを上回った。対戦相手が繰り出す《ゴブリンの鎖回し》の威力を軽減できるよう備えたのが功を奏した形だ。
- 「赤単アグロ」が使用者数上位のデッキの中で最も高い2日目進出率を叩き出したことも目を引く。《熱烈の神ハゾレト》の強さが健在であることと、《ゴブリンの鎖回し》の能力を増幅し相手の《ゴブリンの鎖回し》にも耐える《損魂魔道士》の強さが証明される結果となった。赤いデッキは活力を取り戻すことだろう。
青黒コントロールが一歩抜きん出る
この週末は《ドミナリアの英雄、テフェリー》がコントロール使いの人気を集めたが、大きな成功を収めたのは《スカラベの神》などを用いた青黒の形だった。
- エスパー・コントロールと青黒コントロールが70%以上の2日目進出率を記録した一方で、白青の3デッキ(《副陽の接近》を勝ち手段に据えたもの、《ドミナリアの英雄、テフェリー》に頼ったもの、より古典的なコントロール)はいずれも60%を下回る結果になった。決して悪い数字ではないが、メタゲームが確立した中で絶対に選びたいデッキとは言えないだろう。
- プレインズウォーカーや神への対処法を最も多く持つ黒単コントロールだが、結果は奮わなかった。
《ベナリア史》と《鉄葉のチャンピオン》は平均的な成績
白青コントロール系と同様に、ベナリア系のデッキと「鉄葉ストンピィ」の2日目進出率も平均的な数字に留まった。
- ベナリア系の中でも――ネタバレ注意――《スカラベの神》を採用した「エスパー・ベナリア」は好成績を収めている。一方で「機体」デッキの後継として人気を集めた「白黒ベナリア」は、期待に沿えず2日目進出率50%を割る苦しい結果となった。
- 「鉄葉ストンピィ」の中では、青をタッチした形が最も活躍し、期待されていた黒をタッチした形は後塵を拝することになった。《暗記 // 記憶》は呪文にも対応できるため、環境を飛び交う《ゴブリンの鎖回し》や神、《ドミナリアの英雄、テフェリー》といったカードへ幅広く対処できる。
《巻きつき蛇》がプロツアーで再びの活躍
《損魂魔道士》が睨みを利かせる厳しい状況に置かれているにも関わらず、「巻きつき蛇」系デッキは高い2日目進出率を記録した。
- 《ハダーナの登臨》を採用した「スゥルタイ『巻きつき蛇』」が、使用者の80%を2日目へ送る強力な後押しとなった。少量ながら採用された打ち消し呪文とドロー呪文がミッドレンジとの戦いを有利に運び、「黒緑『巻きつき蛇』」を上回るに至ったのだろう(黒緑の形も成功を収めている)。
- スタンダードで姿を見なくなって久しいが、《新緑の機械巨人》は《ラノワールのエルフ》との相性抜群だ。1/1という貧弱なクリーチャーが早い段階で5/5に(《巻きつき蛇》がいればさらに大きく)引き上げられるのは、特にコントロール・デッキにとって恐るべきことだろう。
《ゴブリンの鎖回し》を除き、トップ8入りのデッキは予想できず
「王神の贈り物」をはじめ、トークン戦略からミッドレンジまで、2日目も一筋縄ではいかないデッキが名を連ねている。敗退したものもあるが、生き残ったデッキに注目しよう。
RESULTS 本大会の対戦結果・順位
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