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プロツアー:闇の隆盛・ホノルル
(翻訳記事)プロツアー・闇の隆盛 メタゲームブレイクダウン
Bill Stark / Translated by Kenji Tsumura
プロツアー競技で初めて「闇の隆盛」が使えるこの週末に、私はそこで使われたアーキタイプを分類すべく時間を割くことにした。以下が全体のデッキ分布だ。
デッキタイプ | 人数 | 割合 |
白ウィニー | 115 | 25.73% |
《秘密を掘り下げる者》 | 91 | 20.36% |
《ケッシグの狼の地》 | 76 | 17.00% |
エスパー(青白黒)コントロール | 28 | 6.26% |
《鍛えられた鋼》 | 24 | 5.37% |
緑単 | 18 | 4.03% |
《出産の殻》 | 14 | 3.13% |
青黒コントロール | 9 | 2.01% |
リアニメイター | 9 | 2.01% |
黒赤ビートダウン | 8 | 1.79% |
黒単ビートダウン | 8 | 1.79% |
《捨て身の狂乱》コントロール | 5 | 1.12% |
青黒テゼレイター | 5 | 1.12% |
緑白《踏み荒らし》 | 4 | 0.89% |
《ヘイヴングルの死者》コントロール | 3 | 0.67% |
赤単 | 3 | 0.67% |
Rock(黒緑) | 3 | 0.67% |
ナヤ(赤緑白)ビートダウン | 2 | 0.45% |
黒赤コントロール | 2 | 0.45% |
白赤コントロール | 2 | 0.45% |
緑白ミッドレンジ | 2 | 0.45% |
緑白ビートダウン | 1 | 0.22% |
赤緑《ケッシグの狼の地》ビートダウン | 1 | 0.22% |
青黒ビートダウン | 1 | 0.22% |
バント(青緑白)ビートダウン | 1 | 0.22% |
黒赤《心なき召喚》コントロール | 1 | 0.22% |
白黒コントロール | 1 | 0.22% |
コントロール(《ヘイヴングルの死者》入り) | 1 | 0.22% |
白黒赤緑コントロール | 1 | 0.22% |
青白コントロール | 1 | 0.22% |
エスパーレッド | 1 | 0.22% |
《大建築家》《心なき召喚》 | 1 | 0.22% |
《ヘイヴングルの死者》コンボ | 1 | 0.22% |
白青スピリット | 1 | 0.22% |
《滞留者ヴェンセール》コントロール | 1 | 0.22% |
ナヤ(赤緑白)タッチ《滞留者ヴェンセール》 | 1 | 0.22% |
ご覧のように、この週末では実に様々なアーキタイプがプレイされている。ここからは、それらをより細かく分類していこうと思う。それでは、いくつかの主要なデッキを見てみよう。
白ウィニー
ここで言う「白ウィニー」とは、白をベースとした攻撃的なデッキのことで、なおかつ《秘密を掘り下げる者》と《鍛えられた鋼》を使用していないものとする。115名ものプレイヤーが使用した「白ウィニー」は全体のおよそ26%を占め、今大会の最大勢力となった。しかしながら白単色のデッキはほとんどおらず、《ムーアランドの憑依地》のために青を足したり、《イニストラードの君主、ソリン》のようなカードのために黒に手をだしたり、《ガヴォニーの居住区》のために緑を使うのが一般的である。ここでは、より細かなデッキ分布をご覧いただこう。
アーキタイプ | 人数 | この枠内での割合 | 全体での割合 |
白ウィニータッチ青 | 76 | 66.09% | 17.00% |
白ウィニータッチ緑 | 20 | 17.39% | 4.47% |
白ウィニータッチ黒 | 17 | 14.78% | 3.80% |
白ウィニータッチ緑黒 | 2 | 1.74% | 0.45% |
青は白と組み合わせる中で最も一般的な色で、二番手のタッチ緑と比べても数に大きな開きがある。もしもあなたがアーキタイプをこのように細かく分類した場合、「白ウィニータッチ青」は、次に紹介する「《秘密を掘り下げる者》」デッキに次ぐ二番手となる。環境の最大勢力が25%というのは実に健全な数字であり、さらにその25%をより細かく分類することもできる。もしもあなたがフライデーナイトマジックに向けて何かテクニックを求めているのなら、これだけは言っておこう。1/1トークンへの対策は忘れずに。
《秘密を掘り下げる者》
おそらくこの週末に向けて最も多く話題にあがったのがこのアーキタイプで、この《秘密を掘り下げる者》の数を見れば、派手な宣伝にもそれ相応の価値があったと言えるだろう。大きなまとまりとして見れば、「《秘密を掘り下げる者》」デッキはほんの少しばかり「白ウィニー」に後れをとった(それぞれ20%と25%)ことになるが、より細かくアーキタイプを区分した場合の最大勢力は「青白《秘密を掘り下げる者》」デッキになる。これが「《秘密を掘り下げる者》」デッキの内訳だ。
アーキタイプ | 人数 | この枠内での割合 | 全体での割合 |
青白《秘密を掘り下げる者》 | 86 | 94.51% | 19.24% |
青赤《秘密を掘り下げる者》 | 3 | 3.30% | 0.67% |
青黒《秘密を掘り下げる者》 | 2 | 2.20% | 0.45% |
この観点で見た場合、「青い《野生のナカティル》」は全体の19%を占めることとなり、「白ウィニー」の中で最も数の多かった白青バージョンの17%を抜いてトップに躍り出る。合計では「白ウィニー」が最多を占めたが、プロたちによればそれらはより細かく分類されるべきである。もしも「《秘密を掘り下げる者》」デッキを使うのであれば、青白バージョンを選ぶといいだろう。
《ケッシグの狼の地》
一般的に赤緑の「《ケッシグの狼の地》」デッキが抱える問題点は、何枚の《ケッシグの狼の地》を採用すべきか、というものだ。多くのプレイヤーは2枚を選ぶが、中には4枚投入する欲張りなプレイヤーもいる。ちなみに「《ケッシグの狼の地》」デッキとは、《原始のタイタン》からデッキ名にもなっている《ケッシグの狼の地》をサーチし、その後にデカブツか《墨蛾の生息地》で対戦相手を倒すデッキの総称だ。中には緑単色のデッキで《ケッシグの狼の地》のためだけに赤をタッチするデッキもあるが、それらのデッキも《原始のタイタン》で《ケッシグの狼の地》をサーチすることが可能である。
「白ウィニー」や「《秘密を掘り下げる者》」デッキのように、このデッキも厳密にはより細かく分類することができる。この表では、その細かな分布を見ていただこう。
アーキタイプ | 人数 | この枠内での割合 | 全体での割合 |
赤緑《ケッシグの狼の地》 | 54 | 71% | 12.08% |
黒緑タッチ赤《ケッシグの狼の地》 | 10 | 13% | 2.24% |
白緑タッチ赤《ケッシグの狼の地》 | 10 | 13% | 2.24% |
青緑タッチ赤《ケッシグの狼の地》 | 2 | 3% | 0.45% |
エスパーコントロールと《鍛えられた鋼》
世界選手権で成功を収めたデッキと言えば、それは間違いなく「《鍛えられた鋼》」デッキになるだろう。しかし世界選手権で大成したわりには、今回はそこまで数が増えなかった。コントロールデッキの中で最も多かったのは、青白黒の組み合わせから成るエスパーと呼ばれる色の組み合わせで、「闇の隆盛」で登場した《未練ある魂》がこのアーキタイプにさらなる力を与えた。このふたつのデッキは以前から人気があったにも関わらず、今回はこのふたつのアーキタイプを合計しても全体の僅か11%にしか過ぎず、これは上位デッキみっつの使用率の半数ほどでしかない。
その他のデッキ
極僅かなプレイヤーたちは、いくつかの危険を顧みずに、一般的ではないローグデッキを選んだ。「闇の隆盛」で登場した《墓所這い》は、何名かのビートダウンプレイヤーに「黒単」、または「黒赤」のデッキを作らせる原動力となった。《出産の殻》も同様に大きな注目を集めており、このパワフルなアーティファクトは、《墓掘りの檻》の存在にもかかわらず、十数名のプレイヤーのメインデッキの座に収まった。ひとつの驚きがあるとすれば、世界選手権でDavid Caplanが好成績をおさめたにも関わらず、わずか三名の勇敢なプレイヤーしか「赤単」を持ち込まなかったことだ。
時間の経過とともにこれらのデッキの詳細が明らかになっていくことだろうし、デッキテクのビデオもぜひともチェックしてみてほしい。
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