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EVENT COVERAGE
マジックフェスト・千葉2019
準々決勝:Raoul Zimmermann(イングランド) vs. Joe Soh(マレーシア)~勇壮に駆け抜けろ~
ラウル・ジマーマン/Raoul Zimmermann(写真左) vs. ジョー・ソー/Joe Soh(写真右) |
「デッキ、全然だめだね(笑)」
マレーシアのジョー・ソーは、準々決勝の席につくやいなや、そう言葉を発した。
グランプリ・神戸2017で優勝を遂げ、ミシックチャンピオンシップ・ロンドン2019では9位という好成績を残し、アジアのトッププロとなった今、この日本で2度目の戴冠を狙いたいところではあろうが、決勝ドラフトは不本意なものだったようで、いささか弱気になってしまっている。
そのジョー・ソーに対するのは、イングランドのラウル・ジマーマン。ミシックチャンピオンシップに複数回の出場経験があり、ともに日本へやってきた友人たちが見守る中、席についた。
ソーとは対象的に、気合十分といった様子のジマーマン。
果たして、その気合を持って、アジア最高峰のプレイヤーを打ち倒すことはできるか――
ゲーム1
ソーがマリガンながら、《燃えさし運び》《ゴブリンの密輸人》と先手を取る。
ジマーマンは《大隊の歩兵》。1枚をサーチする。
ソーはアドバンテージ上では損なようだが、2体を突っ込ませる。当然、ジマーマンはブロックに回るが、ソーは《混迷》で手札を減らさず一方的に《大隊の歩兵》を討ち取る。
ジマーマンは先ほど見せた《大隊の歩兵》から《漆黒軍の騎士》と展開。
ソーは《ゴブリンの鳥掴み》《チャンドラの火炎猫》と横に並べる。ジマーマンは《死体騎士》から《不動の哨兵》と、こちらも横にクリーチャーを並べる。
ソーは《多欲なドラゴン》をプレイ。《ゴブリンの鳥掴み》が飛行を得て、《チャンドラの火炎猫》が《ゴブリンの密輸人》によりジマーマンに攻撃を通し始めるが、ジマーマンも《夜明けの天使》でライフを回復し、簡単に主導権を渡さない。
ラウル・ジマーマン |
ソーはこの天使を《燃えさし運び》で処理し、《ゴブリンの鳥掴み》《多欲なドラゴン》《ゴブリンの密輸人》で7点ずつダメージを与えていき、ジマーマンのライフは5まで落ち込む。
現状、ダメージレースで遅れを取っているジマーマンは《死体騎士》以外のクリーチャーで攻撃。ソーのライフは11だ。
そして、《骨への血》で《夜明けの天使》を呼び戻し、ライフを9まで回復するも、ソーは《大気の精霊》を追加し、プレッシャーを途切らせない。
ジマーマンは《平和な心》でこれを処理し、《不動の哨兵》2枚目をプレイ。さらに《磨かれたやせ地》でライフを若干回復させるものの、ソーは最後の最後に残しておいた《立腹》でジマーマンのライフを辛くも削りきったのだった。
ジマーマン 0-1 ソー
ゲーム2
両者マリガン。ジマーマンが《血の強盗》、ソーが《群れる猛犬》というスタート。これが相打ちとなり、ジマーマンが《大胆な盗人》をプレイするが、ソーが《霜のオオヤマネコ》、さらに《供犠の仮面》で押し止める。
ジマーマンは《グリフィンの歩哨》から、続くターンには《大胆な盗人》を含め攻撃。ソーは《霜のオオヤマネコ》で相打ちを狙うが、《勇壮の時》により《大胆な盗人》が生き残り、徐々にアドバンテージを取り始める。
ソーはこれを押し止めるため、《溶岩族の喧嘩屋》をプレイするが、ジマーマンは構わずアタックを継続する。ソーは《溶岩族の喧嘩屋》で《大胆な盗人》をブロックするが、やはりジマーマンからは《勇壮の時》。
ソーは《短剣帆の飛空士》で手札を使い切り、これがようやく《大胆な盗人》と相打つことで、ようやくこのアドバンテージマシーンを退場させることができたが、手札の枚数差は明確だ。さらにジマーマンは《魂回収》でアドバンテージ差をさらに明確なものとし、次々と戦力を投入すると、ソーは「次に行こう」とジマーマンに声をかけた。
ジマーマン 1-1 ソー
ゲーム3
ソーが初めて7枚でキープし、《予期》からゲームがスタート。ソーは《ゴブリンの密輸人》から、ジマーマンは先ほどゲームをもぎ取るきっかけとなった《大胆な盗人》からスタートする。
ソーは《ゴブリンの首謀者》をプレイし、追加のカードは得られなかったものの、《大胆な盗人》のためブロッカーを立てることはせず攻撃。《大胆な盗人》によるライフ損失も含め、早めに押し切りたい構えだ。
《大胆な盗人》でのドローを許されたジマーマン。《ゴブリンの密輸人》を《敬虔な命令》で処理する。が、ここで《大胆な盗人》は《灰と化す》で退場する。
ジマーマンは《庇護のグリフィン》と《不動の哨兵》をプレイするが、ソーは虎の子の強力カード、《大気の精霊》でプレッシャーをかけ、さらに続くターンには《短剣帆の飛空士》で空からジマーマンを制圧しにかかる。
ジョー・ソー |
だが、《大気の精霊》は《平和な心》で対処され、《不動の哨兵》が《ゴブリンの首謀者》と相打ちになったことで、《庇護のグリフィン》のサイズが《短剣帆の飛空士》を上回ってしまう。
ソーの攻勢が途切れてきた。《ゴブリンの鳥掴み》しか追加できず、ジマーマンはブロッカー兼アタッカーとして《深海艦隊の殺し屋》を連続で追加し、徐々にダメージレースを引き戻していく。
ソーは《ゴブリンの鳥掴み》と《短剣帆の飛空士》を《庇護のグリフィン》に突っ込ませ、ブロックされたところで《混迷》を打ち込み、頭数を減らさずジマーマンのライフを5まで落とし込む。
ジマーマンは《深海艦隊の殺し屋》で地上の攻撃を継続し、ソーのライフを8とするが、ソーが引き込んだのは《炎の侍祭、チャンドラ》!
これにより《混迷》を使いまわし、やはり頭数を減らさずジマーマンのライフを1とするのだが……できたのはここまでだった。
返すジマーマンのターン。全軍での攻撃宣言と同時に公開されたのは《勇壮の時》。
何度もアドバンテージを稼いだこのカードが、最後の決め手となったのだった。
ジマーマン 2-1 ソー
ラウル・ジマーマン 準決勝進出!
RESULTS 本大会の対戦結果・順位
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