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ミシックチャンピオンシップ・ロンドン2019
モダン部門主要アーキタイプ勝率一覧と注目のデッキ
2019年4月28日
無論ミシックチャンピオンシップ・ロンドン2019では、リミテッドとモダンの両方で活躍した者が栄光を掴む。それでも単純に、モダン部門で最も活躍したデッキへの興味は尽きないため、分析してみた。
アーキタイプ | 使用者数 | 勝率 |
---|---|---|
トロン | 75 | 47.7% |
イゼット・フェニックス | 62 | 52.7% |
人間 | 53 | 54.3% |
白青コントロール | 38 | 50.4% |
ドレッジ | 32 | 53.6% |
グリクシス・「死の影」 | 30 | 45.0% |
鱗親和 | 25 | 56.0% |
エルドラージ系 | 25 | 48.5% |
アミュレット・タイタン | 21 | 44.8% |
The Rock | 17 | 52.6% |
エスパー・コントロール | 16 | 46.4% |
バーン | 14 | 52.8% |
唸りプリズン | 14 | 53.7% |
赤緑ヴァラクート | 10 | 46.6% |
親和 | 8 | 47.4% |
感染 | 8 | 47.4% |
むかつき | 8 | 61.7% |
ボーグルズ | 5 | 38.5% |
ジャンド | 5 | 54.8% |
その他 | 49 | 45.0% |
最も多くの使用者を集め、そのうち2人をトップ8へ送り出し、そして「ロンドン・マリガン」の恩恵を強く受けたにも関わらず、「トロン」の勝率は全体平均を下回る結果となった。《ウルザの鉱山》と《ウルザの魔力炉》、《ウルザの塔》を揃えることを目指したプレイヤーたちは、今大会のモダン部門で47.7%しか勝利をものにできなかった。
一方、「人間」デッキは活躍できたと言って差し支えない。勝率は54.3%と良い数値を示しており、トップ8に3人も使用者を輩出したことに驚きはないだろう。その理由のひとつとして、《拘留代理人》の後押しが挙げられる。それ自身は「人間」でないものの、《霊気の薬瓶》から展開できる万能除去として大きな役割を果たした。トップ8に入賞した3人はみな《拘留代理人》を3枚採用しており、今大会『ラヴニカの献身』のカードで最も使用された1枚になっている。
他に大きな活躍を見せたのは、「鱗親和」(56.0%)と「むかつき」(61.7%)だ。マジックの試合の勝率を50%として、すべての試合が独立だと仮定すると、この2デッキの結果が偶然に起こることはまずない(5%未満)。中でも特に活躍したデッキリストは、24〜27マッチ・ポイント獲得デッキリスト一覧に掲載されている(リンク先は英語。日本語版は後日掲載いたします)。
また「エルドラージ系」や「その他」のカテゴリーからも、いくつか注目すべきデッキがある。
4 《エルドラージの寺院》 4 《ラムナプの遺跡》 4 《硫黄泉》 3 《山》 3 《荒地》 2 《宝石の洞窟》 2 《屍肉あさりの地》 1 《幽霊街》 -土地(23)- 4 《エルドラージのミミック》 4 《エルドラージの寸借者》 4 《永遠の災い魔》 4 《猿人の指導霊》 4 《難題の予見者》 4 《現実を砕くもの》 -クリーチャー(24)- |
4 《虚空の杯》 4 《血清の粉末》 3 《四肢切断》 2 《反逆の先導者、チャンドラ》 -呪文(13)- |
2 《引き裂く流弾》 2 《削剥》 1 《減衰球》 2 《血染めの月》 1 《神々の憤怒》 4 《虚空の力線》 2 《粉砕の嵐》 1 《反逆の先導者、チャンドラ》 -サイドボード(15)- |
《エルドラージの寺院》で《難題の予見者》と《現実を砕くもの》の力を引き出そうとしたプレイヤーは何人もいたが、モダン・ラウンドで最も良い成績を収めたのはマーク・ジェイコブソン/Mark Jacobsonだった。彼の「赤単エルドラージ」には、《エルドラージの寸借者》や《反逆の先導者、チャンドラ》、《ラムナプの遺跡》がメインデッキから採用されており、サイドボードにも強力な赤のカードが搭載されている。これにより、無色のバージョンと比べてさらなる対応力と強力なサイドボードを獲得し、ジェイコブソンは第10位の成績を収めたのだった。
4 《地平線の梢》 3 《岩だらけの大草原》 2 《溢れかえる岸辺》 2 《神聖なる泉》 2 《平地》 1 《乾燥台地》 1 《湿地の干潟》 -土地(15)- 4 《純鋼の聖騎士》 4 《上級建設官、スラム》 3 《猿人の指導霊》 -クリーチャー(11)- |
4 《調和者隊の盾》 4 《骨の鋸》 4 《聖戦士の盾》 4 《オパールのモックス》 4 《極楽のマントル》 4 《蜘蛛糸の網》 1 《カイトシールド》 4 《撤収》 2 《ぶどう弾》 2 《ハーキルの召還術》 1 《残響する真実》 -呪文(34)- |
2 《寺院の庭》 1 《ギラプールの霊気格子》 1 《カイトシールド》 2 《ブレンタンの炉の世話人》 2 《斑岩の節》 2 《ハーキルの召還術》 1 《残響する真実》 1 《研究室の偏執狂》 3 《カメレオンの巨像》 -サイドボード(15)- |
採用されている装備品のコストがすべて「0」であることから、形が似ているシリアル食品の名を取って「Cheerios」とも呼ばれるこのデッキは、《純鋼の聖騎士》か《上級建設官、スラム》を求めて積極的にマリガンをしていく。それから対戦相手が《稲妻》や《致命的な一押し》を持っていないことを願い、カードを引いて《オパールのモックス》と《撤収》を組み合わせ、《ぶどう弾》で勝負を決める。ルーク・マルカイー/Luke Mulcahyはこのデッキでモダン・ラウンド7勝3敗という結果を残し、行弘 賢も6勝4敗の成績を収めた。両者の好成績は、このアーキタイプが現在のモダン環境で繁栄し得る可能性を示していると言えるだろう――少なくとも「ロンドン・マリガン」のルール適用下なら。
4 《霧深い雨林》 4 《吹きさらしの荒野》 3 《燃え柳の木立ち》 2 《森》 2 《樹木茂る山麓》 1 《繁殖池》 1 《神聖なる泉》 1 《地平線の梢》 1 《島》 1 《平地》 1 《踏み鳴らされる地》 1 《寺院の庭》 -土地(22)- 4 《極楽鳥》 4 《貴族の教主》 3 《呪文滑り》 2 《スクリブのレインジャー》 1 《獣相のシャーマン》 2 《村の鐘鳴らし》 1 《拘留代理人》 1 《弁論の幻霊》 1 《永遠の証人》 1 《秋の騎士》 1 《月の大魔術師》 1 《反射魔道士》 1 《改革派の結集者》 4 《首席議長ヴァニファール》 2 《修復の天使》 1 《エレンドラ谷の大魔導師》 2 《鏡割りのキキジキ》 -クリーチャー(32)- |
4 《異界の進化》 2 《召喚の調べ》 -呪文(6)- |
4 《流刑への道》 2 《ガドック・ティーグ》 1 《戦争の報い、禍汰奇》 1 《アゾリウスの造反者、ラヴィニア》 1 《月の大魔術師》 1 《打ち壊すブロントドン》 2 《カメレオンの巨像》 1 《静寂の守り手、リンヴァーラ》 1 《豊潤の声、シャライ》 1 《嵐の神、ケラノス》 -サイドボード(15)- |
このデッキは、『ラヴニカの献身』で《首席議長ヴァニファール》が登場したことで成立した。《出産の殻》を思わせる《首席議長ヴァニファール》は、《貴族の教主》1体から《スクリブのレインジャー》、《改革派の結集者》、《村の鐘鳴らし》、《修復の天使》、《鏡割りのキキジキ》とつないで即死コンボに変える。さらに《異界の進化》も加わることで、さまざまなクリーチャーが詰まったツールボックスを自由自在に扱えるのだ。
これら多種多様なデッキの活躍により、今大会でも改めてモダンの多様性が示された。このフォーマットには成功の可能性が広く散りばめられており、『モダンホライゾン』の登場によってさらにエキサイティングな環境になるだろう。モダンに訪れる変化は、もう地平線上に見えている。
(Tr. Tetsuya Yabuki)
RESULTS 本大会の対戦結果・順位
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