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ミシックチャンピオンシップ・クリーブランド2019

戦略記事

ミシックチャンピオンシップ・クリーブランド2019 2日目メタゲームブレイクダウン

Adam Styborski
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2019年2月23日

 

 ミシックチャンピオンシップ・クリーブランド2019初日のメタゲームブレイクダウンで、参加者たちのスタンダードのデッキ選択が明らかになった――「スゥルタイ・ミッドレンジ」、「エスパー・コントロール」、「ネクサス」、そして2つのアグロ戦略(白を主軸にしたものと「青単テンポ」)……さまざまなデッキが現環境の覇を争っていた。

 早速、2日目の様相を見てみよう。

アーキタイプ 初日使用者数 使用率 2日目使用者数 使用率 進出率
スゥルタイ・ミッドレンジ 107 21.5% 68 21.60% 63.60%
ネクサス 71 14.3% 51 16.20% 71.80%
白アグロ 62 12.4% 42 13.30% 67.70%
青単テンポ 60 12% 36 11.40% 60.00%
エスパー・コントロール 45 9% 29 9.20% 64.40%
イゼット・ドレイク 30 6% 13 4.10% 43.30%
赤アグロ 28 5.6% 17 5.40% 60.70%
ラクドス・ミッドレンジ 18 3.6% 9 2.90% 50.00%
セレズニア・トークン 10 2% 7 2.20% 70.00%
グルール・ミッドレンジ 10 2% 8 2.50% 80.00%
ティムール「荒野の再生」 9 1.8% 7 2.20% 77.80%
イゼット・フェニックス 7 1.4% 7 2.20% 100.00%
エスパー・ミッドレンジ 5 1% 4 1.30% 80.00%
グリクシス・ミッドレンジ 5 1% 2 0.60% 40.00%
ゲート・ミッドレンジ 4 0.8% 0 0.00% 0.00%
マルドゥ・アグロ 4 0.8% 2 0.60% 50.00%
アブザン・天使 3 0.6% 1 0.30% 33.30%
ゴルガリ・ミッドレンジ 3 0.6% 2 0.60% 66.70%
マーフォーク 3 0.6% 1 0.30% 33.30%
シミック・ミッドレンジ 3 0.6% 1 0.30% 33.30%
バント・ミッドレンジ 2 0.4% 1 0.30% 50.00%
ディミーア・ミッドレンジ 2 0.4% 2 0.60% 100.00%
ジャンド・ミッドレンジ 2 0.4% 1 0.30% 50.00%
ディミーア・テンポ 1 0.2% 0 0.00% 0.00%
ジェスカイ・コントロール 1 0.2% 1 0.30% 100.00%
ジェスカイ・ドレイク 1 0.2% 1 0.30% 100.00%
ナヤ・ミッドレンジ 1 0.2% 0 0.00% 0.00%
オルゾフ・ミッドレンジ 1 0.2% 1 0.30% 100.00%
スゥルタイ「荒野の再生」 1 0.2% 1 0.30% 100.00%
合計 499 100.00% 315 100.00%  

 2日目への進出率は初日のドラフト・ラウンドの結果も影響するが、構築ラウンドの方が比重が重く、トップ8入賞のためにはより重要だ。進出率から見えてくる分析を以下に述べる。

 使用者数上位5つの戦略はどれも、初日を好成績で終えた。「スゥルタイ・ミッドレンジ」、「エスパー・コントロール」、「ネクサス」、2つのアグロ系デッキ――進出率に差はあるものの、今大会の参加者たちが持ち込んだ5つの上位デッキはすべて、「成功」と言えるだけの活躍を見せた。(コントロールあり、ミッドレンジあり、アグロあり、そして「ネクサス」を「コンボ」と言って差し支えないなら、コンボありという幅広さだ。)「MTGアリーナ」の登場と大型大会までの期間が長かったためか、環境はすでに成熟し、結果を残した戦略は知れ渡っている。この週末は上位卓で驚くようなことは起きなかったが、それも予想の内といったところだろう。

 「イゼット・ドレイク」は失速。初日の使用率が6%に留まったことも加え、「イゼット・ドレイク」は他の主要な戦略と比較して奮わない結果になった。《否認》や《呪文貫き》のような優れた打ち消し呪文を使える青は全体的に良い立ち位置にあるものの、ドレイクと呪文を組み合わせたイゼット・デッキは、対策を備えたミッドレンジやコントロール、そして速度で上回るアグロ・デッキという壁を前に、後塵を拝することになった。

 その一方で「イゼット・フェニックス」が上昇。「イゼット・ドレイク」と異なり、「イゼット・フェニックス」は大量の呪文と《弧光のフェニックス》に注目したデッキだ。《弧光のフェニックス》による爆発力と復帰力は、「イゼット・ドレイク」にはない除去耐性をデッキにもたらしている。イゼットという色の組み合わせが悪かったわけではないが、「イゼット・ドレイク」はもう少しミシックチャンピオンシップの環境に合わせた構築が必要だったのだろう。

 「ネクサス」デッキと「ティムール『荒野の再生』」が一歩抜きん出る(恐らく)。 グランプリ・メンフィス2019の時点では消えかかっていた(リンク先は英語)《運命のきずな》を使用しない「荒野の再生」デッキだが、ここクリーブランドの地で逆襲を見せた。そして先週末のメンフィスと同様に、《運命のきずな》も《荒野の再生》の力を最大限に引き出している。これらの「荒野の再生」デッキは、どちらも平均進出率を大きく上回る結果を出したのだ。

 「シミック・ネクサス」、「バント・ネクサス」、「ゲート・ネクサス」はそれぞれ細かい違いがあるが、勝ちにつながる動きは同じだ。《荒野の再生》を設置し、それから《運命のきずな》で追加ターンを得て、あとは繰り返し得た追加ターンを活かし大型クリーチャー(《ハイドロイド混成体》や《門の巨像》が最適だ)で必要なだけ攻撃する。「ティムール『荒野の再生』」は追加ターンを得ないが、《水没遺跡、アズカンタ》を繰り返しアンタップして打ち消しや除去呪文を探し出し、圧倒的なアドバンテージ差をつけていく。

 トップ8のチャンスはどのデッキにもある。今回はプレイヤーそれぞれが好みのデッキを選択したせいか、最大勢力でも2日目の使用率が20%ほどに留まった。トップ8入賞確実と目されるデッキはなく、初日の激戦を経て2日目を迎えてもなお、さまざまなデッキがしのぎを削るメタゲームが維持されている。

(Tr. Tetsuya Yabuki)

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RESULTS

対戦結果 順位
16 16
15 15
14 14
13 13
12 12
11 11
10 10
9 9
8 8
7 7
6 6
5 5
4 4
3 3
2 2
1 1

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