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グランプリ・シンガポール2018
デッキテク:玉田 遼一の「ジェスカイ・コントロール」
《ゴブリンの鎖回し》旋風が吹き荒れたプロツアー『ドミナリア』。
世界最高峰の舞台で決勝ラウンド進出者8名のうち7名が4枚ずつ採用し、続くグランプリ・コペンハーゲン2018でも上位8名中5名がこのカードを使用していた。
必然、現スタンダード環境は《ゴブリンの鎖回し》を搭載している「赤黒」「赤単アグロ」を中心に回ることとなった。
その「赤黒」「赤単アグロ」に対抗するコントロールデッキは、現在青白2色かそれに黒をタッチしたものが主流となっており、《封じ込め》《排斥》といった白い除去を採用しているものが多い。
そんな中、ゴールドレベル・プロであり、昨年のスタンダードによるグランプリ・マニラ2017を制した玉田遼一は独自に調整を重ねたコントロールデッキを持ち込んでいる。
初日全勝を果たし勢いに乗る彼にインタビューをお願いした。
玉田遼一のデッキ
4 《島》 4 《山》 4 《尖塔断の運河》 4 《硫黄の滝》 4 《灌漑農地》 2 《断崖の避難所》 4 《霊気拠点》 -土地(26)- 3 《つむじ風の巨匠》 3 《奔流の機械巨人》 -クリーチャー(6)- |
4 《マグマのしぶき》 4 《蓄霊稲妻》 2 《検閲》 2 《本質の散乱》 2 《アズカンタの探索》 4 《不許可》 4 《天才の片鱗》 2 《中略》 4 《ドミナリアの英雄、テフェリー》 -呪文(28)- |
4 《歩行バリスタ》 2 《多面相の侍臣》 2 《チャンドラの敗北》 2 《削剥》 2 《ジェイスの敗北》 2 《否認》 1 《封じ込め》 -サイドボード(15)- |
玉田のデッキは《マグマのしぶき》《蓄霊稲妻》といった赤い除去と《中略》《不許可》といった青い打ち消し呪文に《ドミナリアの英雄、テフェリー》をタッチした青赤タッチ白という形になっている。
玉田「白青やエスパー(白青黒)を使っていて『重いな』と感じまして……赤の軽い除去を入れてシュッとさせた感じです」
玉田はこのグランプリに向けて調整を相当重ねてきたようで、既存の青白系のコントロールは4~5マナ圏が渋滞してしまい、いい感触を得られなかったようだ。
玉田「《排斥》は『サイクリング』前提のカードですからね……。赤単とか黒赤が流行ってるからあんまりデッキを重くしたくないですね。(既存の青白やエスパーといった)あの辺のデッキはマナ・カーブを見ても4マナ域が膨らんでしまってますから……やっぱ《排斥》とか《ヴラスカの侮辱》は重いですわ」
そして、目を引くのが《つむじ風の巨匠》《天才の片鱗》という「エネルギー」パッケージだ。
4マナ域を空けたこのデッキでは《天才の片鱗》はスムーズに運用でき、《つむじ風の巨匠》はエネルギーの運用先としてフィニッシャーにもなり得る。
かつて隆盛を誇ったエネルギー・デッキが衰退してからはほとんど見られなくなっていた組み合わせだが、《霊気拠点》も搭載しているこのデッキでは自然な採用と言える。
そして、序盤を軽いカードで捌いていけば《ドミナリアの英雄、テフェリー》《奔流の機械巨人》でアドバンテージを取りつつ勝負を決めることができる。
赤黒/赤単アグロとの相性
玉田「いや~負けたことない……いや、あるかな? さすがにいっぱいやってるからね(笑)。100回やったら95回くらいは勝ちますかね。マジでむっちゃ勝つ(笑)」
もともと青白系コントロールは赤系のデッキに対し相性が悪くなく、それをさらに対アグロに軽くしている玉田のデッキは赤黒/赤単アグロに対しては非常に勝率が高いようだ。
《マグマのしぶき》は序盤を捌くのに最適で、《蓄霊稲妻》は《栄光をもたらすもの》《キランの真意号》といった重量級を難なく処理することができる。
事実、第9回戦では対戦相手のマリガンがあったとはいえ難なく黒赤アグロを下しており、傍目にも相性が良さそうに見えた。
サイドボードからは《チャンドラの敗北》が入り、《反逆の先導者、チャンドラ》も難なく処理ができるという。
青系コントロールとの相性
玉田「普通くらいじゃないですかね? 構成は似てますから。プレイしていてそんなに相性の悪さは感じないですけどね」
デッキ全体を軽くした分、このマッチアップで除去が腐るのではないかと思ったが、玉田によれば「それはお互い様」ということで、別段相性が悪いということはないとのことだ。
サイドボードからは《否認》に加え《ジェイスの敗北》が投入でき、カウンター合戦になっても不利となることはなさそうだ。
玉田はインタビュー後、「むっちゃ自信ありますよ!」と力強く言い放った。
昨年のマニラから1年。玉田は再び戴冠し流れに乗ることができるだろうか。彼の活躍に期待しよう。
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