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EVENT COVERAGE
グランプリ・静岡2017秋
プロツアー予選(PTQ)優勝者インタビュー
by Yuichi Horikawa
グランプリの2日目、つまりグランプリの日曜日に開催される新たな大型サイドイベント、それがPTQです。
PTQとは、Pro Tour Qualifierの頭文字を取った略称です。つまりは、プロツアー予選。
店舗で開催されるプロツアー予備予選(PPTQ)ではなく、プロツアー予選なのです。
そうです、このPTQに優勝すれば、即プロツアー出場が確定するのです。
今回のPTQはフォーマットがスタンダードであり、2日前の金曜日に発売した『イクサラン』によって大きくローテーションしたフォーマットです。
通常は、多くの参加者が集まるPTQですが、ローテーション後2日目の開催とあり、参加者は64名と参加者にとっては大きなチャンスとなったイベントでした。
しかし、その内容は1度負けるとそこで即終了のシングルエリミネーションで、優勝するためには、マッチ6連勝を達成せねばなりません。
そんな新環境を理解し、新たなデッキを構築し、すべての参加者のトップに輝いたのは、愛知県からおこしのワキタ トモユキさんです。
――PTQ優勝おめでとうございます。
ワキタ「ありがとうございます」
――優勝が決まった時に、すごく感極まった感じでしたが、このPTQには何か強い想い入れがあったのですか?
ワキタ「はい、1年ぶりのプロツアーとあり、めちゃくちゃにうれしいです」
――1年ぶりといいますと?
ワキタ「ハワイであったプロツアー『カラデシュ』に参加していたんですよ。そのときは、権利をMagic Onlineでとりました」
――おぉ、プロツアー参加経験者の方でしたか! すごいことです! ちなみに、その時の成績はどうでしたか?
ワキタ「しょにぽんでした」
――初日落ちは、かなり悔しいですね
ワキタ「そうですね、メタゲームを読み違えて、ほんとうに悔しい思いをしました。それから、いつかまたあの舞台で戦いたいと思っていたので、優勝が決まった時はめちゃくちゃうれしかったです」
――いやぁ~、言葉と優勝時の様子から、その思いは私にも強く感じました。ちなみに、グランプリ本戦には参加されましたか?
ワキタ「本戦には参加していません。誘いの声とかはあったのですが、なかなかチームの都合がつかず、このPTQもMagic Onlineの方を出るかでかなり迷ってました。そんな時、友人から静岡に遊びに来いよと声をかけてもらったので、来た感じですね」
――その声がなければ、今日の優勝はなかったわけですね。出る予定だったイベントはこれだけですか?
ワキタ「そうですね。PTQのために静岡にやってきた感じですね」
――では、かなりスタンダードは調整してきた感じですか?
ワキタ「いえ、それがモダンシーズンだったので、スタンダードはあまりやってなかったんですよ」
――意外な答えですね。なぜ「ティムール・エネルギー・タッチ黒」のデッキを選んだんですか?
ワキタ「以前、『コピーキャット』のデッキを使っていたので、このデッキのパーツを持っていたことも大きいですね。それに前環境の最後にこの形のデッキが強かったので、そのデッキを調整するのが一番合理的かなと思ったのが、このデッキを選んだ理由ですね。土地での事故が比較的起こりにくく、また、マナフラッドの受けもあるデッキなので、その点も気に入っていますね」
――ちなみに、どのような調整を行いましたか?
ワキタ「いろいろな『イクサラン』のカードを試しましたね。例えば、《マーフォークの枝渡り》や《イトリモクの成長儀式》も試したのですが、いまいちしっくりこなかったですね」
――どんなところがしっくりきませんでしたか?
ワキタ「《イトリモクの成長儀式》は、他のカードとのシナジーも強かったのですが、3マナを使って戦場に出すタイミングがなかったですね。テンポロスがかなりつらかったですね」
――『イクサラン』以外のカードで、今回新たに取り入れたカードで強かったカードはありましたか?
ワキタ「そうですね、《自然に仕える者、ニッサ》はめっちゃ強かったですね。先攻3ターン目に出すと、そのままマウントを取れて勝てましたね」
――おぉ! 前環境ではあまりトーナメントシーンで目にしないカードでしたね。素晴らしい調整です。ちなみに、どのようなメタゲームを読んでPTQには参加されましたか?
ワキタ「そうですね。新しい環境に変わったばかりということで、前環境からあまりカードが落ちなかった『ティムール・エネルギー』デッキが一番多くて、次に『ラムナプ・レッド』系の赤いアグロデッキが多いかなというメタ読みでしたね」
――その予想はどうでしたか?
ワキタ「おおむね合っていましたね。ただ、当たらないと思っていた《王神の贈り物》デッキに決勝で当たって、まさかって感じでしたね」
――かなり不利なマッチアップですよね?
ワキタ「そうなんです。1ゲーム目でも、かなり追い込まれて途中諦めそうになったんですが、なんとか勝つことができましたね」
――かなり長いマッチアップでしたからね。最終戦も最後は危ない盤面でしたよね?
ワキタ「相手の《王神の贈り物》が着地した瞬間にゲームを決めるしかなかったので、結構厳しかったですね。《スカラベの神》が無ければ終わってましたね」
――《スカラベの神》は今後もメタゲームを左右するカードになりそうですね。では、最後にプロツアーへの意気込みをお願いします。
ワキタ「次こそはもっと上に行きたいと思います」
そう答えてくれた彼のまわりには、多くの友人がいました。
プロツアーへの再戦を渇望し、そのために静岡へやってきて、その権利をつかみ取ったワキタさん。
プロツアーでの彼の活躍にも期待しています。
PTQは、これからグランプリの日曜日に開催されていきます。
次のプロツアーへの切符を手に入れるチャンスをつかむのはいったい誰なのか!?
RESULTS 本大会の対戦結果・順位
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