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グランプリ・名古屋2014

観戦記事

準々決勝:松井 久剛(千葉) vs. 板垣 竜二(埼玉)

By Masami Kaneko

 1,785名のプレイヤーが集まったこのグランプリも、勝者は8人に絞られた。多くのプレイヤーが目指していたこのトップ8のドラフトを終え、各々が残りのラウンドを戦う武器を手にとったのだ。

 松井、板垣ともにグランプリのトップ8は初めて、大きな舞台に双方とも緊張した面持ちだ。果たして2人が手にした武器は満足の行く内容だったのだろうか。

 そして、優勝への階段を一歩登るのは、どちらのプレイヤーか。
 名勝負に期待しよう。


左:松井 久剛選手、右:板垣 竜二選手

ゲーム1

 スイスラウンド2位突破の板垣は先手を選択。「ですよねー」と呟く松井。ルールとはいえ、スイスラウンド3位の松井としてはぼやきたくもなるところだ。

 先手板垣が《》《》から《深海の催眠術師》《トリトンの財宝狩り》と並べ、松井も《アクロスの空護衛》《レオニンの投網使い》《信条の戦士》と両者一歩も譲らない。板垣が青緑、松井が白緑「英雄的」だ。

 板垣の《食餌の時間》によって《トリトンの財宝狩り》は《アクロスの空護衛》を餌とし、その「英雄的」により板垣にカードをもたらす。

 松井の《信条の戦士》と《レオニンの投網使い》が板垣に攻撃を加え、《レオニンの投網使い》こそ《深海の催眠術師》と相討つものの、《蒔かれたものの収穫》により《信条の戦士》は一気に5/5という巨大なサイズに。板垣の展開した、本来「怪物」であるはずの《ネシアンのアスプ》は、しかし既にその「英雄」にサイズ負けしている。

 さらには松井の唱えた《戦識の武勇》により、《信条の戦士》は7/7というまさに「怪物」のようなサイズになった。本来「怪物」を展開するはずの板垣は6枚目の土地が引けない。《巨体の狐》や《地平の識者》が悲しげに板垣を見つめる。5マナがあるのに何も展開しない板垣。松井の「怪物」と化した《信条の戦士》には、《トリトンの財宝狩り》が差し出される。

 しかし板垣の目は死んでいなかった。《地平線のキマイラ》が展開され、さらに無事6枚目の土地を引き、板垣の元に《地平の識者》が駆けつけた。力強く「トップで。」と宣言した板垣に、松井の顔が曇る。

 それもそのはず。松井がいくら攻めているとはいえ、全ては《信条の戦士》にかかっているのだ。今でこそ7/7というとんでもないサイズで頼りになる勇者だが、彼も本来は貧弱な1人の人間。その彼に頼っているのが松井の戦線なのだ。

 次の勇者の攻撃で《地平線のキマイラ》がその役目を終え、板垣が《捕海》を唱えてみれば松井もこれは諦め顔。先ほどまでは「怪物」のような強さを誇った勇者も、今ではただの人だ。

 ほっと一息の板垣、さらに《巨体の狐》を追加し大きな圧力をかける。攻めていたはずがいつの間にか逆転されてしまった松井、再び《信条の戦士》を英雄とするべく攻撃に向かわせる。

 その英雄を迎え撃つは、《ネシアンのアスプ》と《巨体の狐》。このブロックを見て再逆転が不可と悟った松井は、次のゲームに向けての準備を始めたのだった。

松井 0-1 板垣

「《地平の識者》での占術が『上に残す』だったからなー。」とこぼす松井。板垣も同意の笑みをこぼす。両者にとっての共通の見解。マジックでの意思の疎通。

ゲーム2

 松井の《葉冠のドライアド》が板垣によって《無効》される展開。松井の追加戦力《ニクス生まれの狼》を板垣の《気高き獲物》が迎え撃ち、《残忍な発動》がこの戦闘を一方的なものに変える。さらに《葉冠のドライアド》が「授与」され、板垣も《クルフィックスの狩猟者》を展開するものの根本的には対処できていない。

 板垣もどうにか《ネシアンのアスプ》に《ニクス生まれのトリトン》を「授与」して盤面を止めたが、松井も《ファリカの癒し人》(《葉冠のドライアド》を回収)と《巨体の狐》を展開しプレッシャーをかけていく。


板垣 竜二

 板垣もまた《高木の巨人》で盤面を守っていくが、松井は勢い良く《ファリカの癒し人》に《葉冠のドライアド》を授与し、全軍で突撃! 双方の戦場のクリーチャーのパワーの合計は38、まさに怪獣大決戦だ。

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 3体の攻撃クリーチャーのパワーはそれぞれ7、6、6、ブロックしきれなかった1体が《戦識の武勇》の加護を受け、残り8点の板垣のライフは削りきられてしまった。

松井 1-1 板垣

「楽しい。」「面白い。」2人は、ゲーム3が始まる前にそう口にした。

 今、ここに居る2人は、この2日で15回戦を終え、ようやくトップ8に入った2人だ。その疲労は並大抵のものではないだろう。この試合のゲームも、どちらも苦しく大変で、どちらが勝つかわからないゲームだった。

 しかし、その2人の口から出た言葉は、「楽しい。」「面白い。」だった。

「いや、本当にこういう試合ができるとマジック楽しいですね。」そう口にする松井に、板垣も応える。「いやほんと、この試合面白いです。」

 とても単純なこと。マジックは、楽しく、面白い、そう思ったからこそ、彼らはここに居るのだ。

ゲーム3

 先手は戻って板垣。

 土地が5枚と《無効》《巨体の狐》という手札を考えたうえにキープを決めた板垣。ゲーム1、2で見た松井の序盤の展開がほとんど「授与」持ちのクリーチャー・エンチャントだったからこその決断だ。一方の松井は土地が無いためノータイムでマリガンし、6枚で始めることになった。

 板垣の目論見通り、《葉冠のドライアド》は《無効》し、《彼方の工作員》で攻勢に出る。

 この工作員は松井の《ニクス生まれの狼》と相打ち、板垣の追加、《蒸気の精》がコツコツと攻撃を続け、さらには《巨体の狐》が展開された。


松井 久剛

 空でも地上でも押される松井、仕方なく《ニクス生まれの狼》を展開し、返しの8点の攻撃を受け、《巨体の狐》を《剥離》で対処。《アクロスの空護衛》を展開して場を均衡に戻す。

 板垣の《保護色》が《蒸気の精》の道をこじ開けたものの、松井は《巨体の狐》を2連打!

 2点 vs 12点。ダメージレースとしてはいささか不公平だった。

松井 2-1 板垣

 松井久剛、準決勝進出!

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