by Yuichi Horikawa

　グランプリの２日目、そこにある大きなサイドイベント、そうPTQです！

　PTQとは、Pro Tour Qualifierの頭文字を取った略称で、つまりは、プロツアー予選。

　店舗で開催されるプロツアー予備予選(PPTQ)ではなく、プロツアー予選なのです。

　そうです、このPTQに優勝すれば、即プロツアー出場が確定するのです。すごい！

　そんなイベントに大勢の参加者が集まらないわけはない。

　今回は、本選がリミテッドのイベントだったにも関わらず、200名近い参加者がありました。

PTQ開始時の様子。

　また、今回は翌週にプロツアー『破滅の刻』を同じ京都で控えているとあり、PTQの参加者にも海外の方が多くいました。

　そして、今回PTQを優勝したのも、そんな海外からの参加者の方でした。

　その名は、ウー・シュアン/Wu, Xuan(中国)！

――PTQ優勝おめでとうございます。

ウー「ありがとうございます」

――早速ですが質問させてください。今回の使用デッキについてお聞きしたいのですがよろしいですか？

ウー「うーん、ちょっと今回のデッキは......」

――と言いますと？

ウー「実は、日本に来たのは来週のプロツアーに出るためで、その調整にこのデッキを使っていたのですよ」

――なるほど。PTQ優勝となると、かなりよい仕上がりのデッキですからね。

ウー「そうなんです。ですから、このデッキで参加しようと思っていますので今回はちょっと......」

――わかりました。では、デッキの内容には触れない形で質問をしたいと思います。今回PTQのフォーマットがスタンダードでしたが、普段からスタンダードをされているのでしょうか？

ウー「普段はやっていないですね。主にリミテッドをしています」

――リミテッドということは、今回のグランプリの本戦はリミテッドでしたが、それには参加されていましたか？

ウー「参加したんですが、２日目に残れませんでした。カードプールは強かったのですが、デッキの組み方を間違ったと思います。練習にと思い最後まで参加しましたが、２不戦勝からの５勝４敗とふるわない結果でしたね」

――それは、残念でしたね......。でも、結果PTQに優勝できたのですから、ある意味ラッキーですよ！

ウー「そうですね。普段スタンダードをやらないので、多くの友だちにデッキのアドバイスをもらいながら調整した甲斐がありました。とにかくデッキがメタゲームに合っていて、最後はラッキーもあり勝つことができたと思います」

――すばらしいことです！ところで、マジックはどれぐらいプレイされていますか？

ウー「マジックは、1997年からだから、20年ぐらいになりますね」

――おぉ、かなりの古参プレイヤーですね。その時のきっかけは何だったんでしょうか？

ウー「ゲーム雑誌にマジックのことが載っていて、それを読んで始めましたね。中学生のころでしたね」

――そこから、ずっと続けてPTQまで優勝しているのですから、とてもすごいことですよ！

――日頃はどれぐらいマジックをプレイされているのですか？

ウー「普段は、週に１回程度ですね。家庭もあってなかなか忙しくて時間がとれないのです。でも、グランプリの前は練習したいので、妻の了承を得て、たくさん練習する時間を作らせてもらいました」

――理解のある奥様でうらやましい限りです。ちなみに、来週のプロツアー『破滅の刻』の権利はどうやって獲得したのですか？

ウー「グランプリ・北京2017でベスト４に入ったので権利を得ました。初めてのプロツアーなので楽しみです」

――おぉ！ 初めてのプロツアーとは非常に良いですね！ 今回のプロツアーの目標は何かありますか？

ウー「そうですね。はじめての参加なので、２日目進出を目指してがんばります」

　謙虚な目標ながらも、彼の眼にはそれだけでとどまらないだろう力強さが見えました。

　私自身は決勝戦も含め、彼の対戦する模様を見ていましたが、ここに書けないことが非常に残念なぐらい、彼のデッキは素晴らしい仕上がりでした。

　この勢いのまま、プロツアーでも彼の活躍が見られるかもしれません。

　プロツアーを目指すプレイヤーには、大きなチャンスが増えたグランプリ日曜日のPTQ。

　次のプロツアーへの切符を掴むのはいったい誰なのか!? 次回のPTQも楽しみです！