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グランプリ・神戸2017

戦略記事

木村 重来の「8ミシュラ・8ラック」

By 森安 元希

(本記事はグランプリ本戦2日目第14回戦終了時点で取材した内容をもとに作成しています)

 今回、上位卓では珍しい黒単色のデッキが好成績を続けていた。

 第14回戦の試合後、プレイヤーの木村 重来(キムラ シゲキ)選手にお話を伺った。


――よろしくお願いします。アーキタイプとしては、どういったものになるんですか?

「アーキタイプとしては、『メガハンデス』に分類されるやつですね。最近では『8ラック』とも呼ばれてますね。」

――どういった動きで、どういった勝ち筋のデッキなのでしょうか?

「勝ち手段は、ハンデスして、《金切り声の苦悶》《拷問台》の2つの、継続的にダメージを与えるカードで勝つという形ですね。
 使ってる方自体が少ないデッキ自体ではあるんですが、僕の特徴としては《変わり谷》のところを、《ちらつき蛾の生息地》まで採用しているところですね。ミシュラ・ランドを8枚採用して、殴っても勝ちにいける形にしています。その分、単色なんですけど色マナが厳しいので、《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》4枚にしています。」

木村 重来 - 「8ミシュラ・8ラック」
グランプリ・神戸2017 / モダン (2017年5月27~28日)[MO] [ARENA]
11 《
4 《ちらつき蛾の生息地
4 《変わり谷
4 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ
1 《ダクムーアの回収場

-土地(24)-


-クリーチャー(0)-
4 《思考囲い
4 《コジレックの審問
4 《カラスの罪
4 《金切り声の苦悶
4 《拷問台
4 《集団的蛮行
4 《小悪疫
4 《罠の橋
4 《ヴェールのリリアナ

-呪文(36)-
4 《闇の腹心
4 《大爆発の魔道士
3 《ゲトの裏切り者、カリタス
4 《外科的摘出

-サイドボード(15)-

「クリーチャーが0なので、相手のすでに着地しているクリーチャーの攻撃を防ぐために《罠の橋》を入れてます。そして《ヴェールのリリアナ》で継続的にハンデスしていくという形ですね」

――「エルドラージ・トロン」など、現状Tier 1と呼ばれるデッキに対しては、どのように戦っていくのでしょうか?

「そうですね。『エルドラージ・トロン』に関しては、ものすごく相性が悪いんです。メインから特定の土地に触るというようなカードがなくてですね。チャリス(《虚空の杯》)をX=1で置かれると、ラックの2種類が止まるので一番相性悪いですね。」

「『死の影』デッキは、メインの相性はそこそこ悪くないかなと思ってます。自発的にライフを支払ってくれるので、手札を攻めつつ、数点を削るというような形で。
 『カウンター・カンパニー』は、そこまで経験ないんですが、同じデッキをシェアしている友達によると、若干相性良いかなというところですね。マナクリーチャーデッキには《小悪疫》が良く効くので。」

――その他で得意なところ、不得意なところってありますか?

「基本的に、得意って相手はいないですね!(笑) 互角か、カツカツで今日もやってきました。2日間を通して、楽に勝った試合はないです。コントロールには若干強いと言われてますけど、《祖先の幻視》や《神聖の力線》が入っていないコントロールには、ですね。まだ相性が良いかなと思ってます」

「キツいところは、メインにはアーティファクトを触ってくる相手ですかね。第14回戦で負けてしまった『赤緑ドレッジ』の他は、『ジャンド』もですね。《突然の衰微》などで割られてしまうので。
 《未練ある魂》デッキも、キツいですね。《罠の橋》を貼っても完全にハンド(手札)を0にしていないと殴ってきますし。《ヴェールのリリアナ》の[-2]など、単体除去が多いので、トークン戦法はこちらの手数が間に合いにくいですね。たださっき『エスパー・メンター』に当たったんですが、《罠の橋》を割られなかったのでなんとか勝つことができました。」

――置物破壊のようなピンポイントに厳しいカードが引かれるかどうか、がかなりゲームの勝敗を分けるのですね。ずっと使われているんですか?

「そうですね、3年前の神戸(グランプリ・神戸2014、モダン)もこれで出てますね。《拷問台》を友人がスタンダードで使っていて、良いなあと思いまして、その時からずっと使ってますね。イラストもかわいいなと思って。旧枠の茶色い感じが良いなあと思って。デッキの動き自体も、相手のハンドがガリガリ減るのが面白いなと思ってます。」

――(2006年発売)『時のらせん』ブロックがスタンダードにあったころからですか。筋金入りですね! 前回の神戸からは新しいカードは増えていますか?

「《ゲトの裏切り者、カリタス》と《集団的蛮行》ですね。それまでバーンになかなか勝てなかったんですけど、どちらもバーンに対して強いですね。《ゲトの裏切り者、カリタス》はバーン専用といっても過言ではないです。ここ今までは《ボトルのノーム》とか《吸血鬼の夜鷲》とかだったんですけど、タフネス3がやっぱり弱くて。《ゲトの裏切り者、カリタス》は環境的にも『無限頑強』なども止まるので、気にいっています。」

「基本的には、分かりやすいデッキが好きなので全て4枚積んでいます。」

――まだまだ掘り下げたい話題もたくさんありますが、次の試合の時間も迫っているようです。お話ありがとうございました。最終戦、頑張ってください。

deck_kimura.jpg

......「得意な相手はいない」と語った木村。

 それでも10数回に渡って強敵との接戦を制し続けてきているのは、スコアが証明している。

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RESULTS

対戦結果 順位
15 15
14 14
13 13
12 12
11 11
10 10
9 9
8 8
7 7
6 6
5 5
4 4
3 3
2 2
1 1

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