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グランプリ・千葉2018

インタビュー

「運営スタッフ兼レベルプロ・プレイヤー」村栄龍司、バランス良くマジックと付き合う

Moriyasu Genki

 皆さんは村栄龍司(むらえ・りゅうじ)という人物をご存知だろうか。

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 次回MOCS(Magic Online Championship Series)出場権利を持ち、プロツアー『ドミナリア』で10位入賞という戦績を誇る現役の競技プレイヤーだ。

 ただ彼をプレイヤーとしてスポットを当てたインタビュー記事というものは数が少ない。

 なぜなら彼はプレイヤーであると同時にBIG MAGICのスタッフでもある。

 国内グランプリにおいては運営スタッフとしてその手腕を振るう側に回っている。

 プレイヤーとしての側面と、運営スタッフとしての側面を持つ村栄龍司。

 知られざる人物像を明らかにすべく、話をうかがった。


――こんにちは。今回は「プレイヤー」「スタッフ」両面のお話を伺わせていただければと思います。よろしくお願いします。早速ですが、「プレイヤー」としてご自身の戦績を教えていただけますか?

村栄「よろしくお願いします。グランプリのトップ8が1回。プロツアーはこれまでで5回出場しています。今年のMOCS権利もありますね」

――とても輝かしい戦績だと思うのですが、マジックをはじめられたのはいつごろですか?

村栄「M10(『基本セット2010』)のプレリリースのときに初めて大会に出ました。そこからはずっとやってますね。ルール自体は中学生のころ、『インベイジョン』のころから知っていたんですけど、一緒にやる人がいなくて。M10以降、だんだんとグランプリとかに出るようになりました」

――村栄さんはグランプリのトップ8経験(グランプリ・名古屋2012)もありますが、今はどういった頻度でグランプリに参加されていますか?

村栄「BIG MAGICが主催・主管のときはスタッフ参加です。ですので、国内グランプリの出場は去年のホビーステーション主催のグランプリ・神戸2017が最後ですね。今期はすべてBIG MAGIC主管なので、スタッフ参加だと思います。今年9月の香港(グランプリ・香港2018)は行きます。グランプリ出場という意味では今年は他に予定はないです」

――グランプリやプロツアーを含めて、海外遠征は回数が多いようですね。どの地域が好きですか?

村栄「ハワイ(ホノルル)は観光地として、すごくよかったですね! 英語圏のカナダやシンガポール、アメリカは好きです。ただアジアの国はちょっと食が合わないことが多いかな……辛いスパイス系が苦手なんです。なので、最近は普段良く食べているような保存の効く日本食を持って行ってます。食べ物には気をつけるようにしています」

――食事の合う合わないは大きいところですよね。良く一緒に海外に行かれるメンバー、はいらっしゃいますか?

村栄「プロツアー参加常連の玉田(遼一)さんは時々、同室もあったりします。慣れているので頼りになりますね。ローリー(藤田剛史)さんも同じ宿だったりします」

――関西の方々ですね。確認ですが、関西にお住まいなんですよね?

村栄「はい。甲子園の近くに住んでます。良く間違われるんですが店舗スタッフではなく事務所スタッフなので、普段はBIG MAGICの店舗には行かないです。月1回、フライデー・ナイト・マジックには出てますよ。」

――「スタッフ」としては、普段どういったお仕事をされているんですか?

村栄「BIG MAGIC(BIGWEB)の記事の作成や編集が主です。『大会の受付』関連とかも担当することもあります。グランプリや自社イベント、エターナルウィークエンドなどの中・大規模のイベント開催に関してかかわることが多いです。参加者受付の対応とかは、今回もしました。受付での手順違いの修整などです」

――日本の今期のグランプリはChannel Fireball主催、BIGMAGIC運営・主管という形になりましたね。なにか実働や運営上変わったところはありますか?

村栄「全体的にサイドイベントは、めちゃくちゃ増えましたね。受付のところのシステムも変わっていっています。より分かりやすいアナウンスなど、プレイヤーの方々も今まで以上により楽しめるようにしていきたいですね。今回は『アンリミテッド』ロチェスタードラフトがやっぱりイチオシです。ピックを見てるだけでもめっちゃ面白いと思いますよ。」

村栄「サイドイベントのところで、PTQ(プロツアー予選)も誰が出ているかや誰が抜けるのか、などはいつも興味深く楽しみにしています。個人的に試合の様子を見にいくこともありますね。他の人がやっているのを後ろから見るのもけっこう好きです」

――用事がてら関東のRPTQの様子を見に行ったという話もうかがいました。

村栄「そうですね。埼玉へ別のイベントへ参加するときに、ちょうど良かったので寄りました」

――話が戻りますが、中・大規模のイベントにはスタッフ参加が多い、ということでもあるのでしょうか。普段良く出ている大会・出たい大会などはありますか?

村栄「PPTQ(プロツアー予備予選)にはよく出てました。今期、ブロンズ・レベル・プロになったので、出るのはRPTQ(プロツアー地域予選)くらいですかね。前回プロツアー『ドミナリア』で良い成績を収められたので、今度の25周年記念プロツアーに出られればシルバー・レベル・プロになれます。」

村栄「MMM(モダンの大会)も時々出てます。モダンは、MO(Magic Online)でも普段遊んでます。一年中『親和』は遊んでますね。使い始めたときにPTQを抜けられて、思い入れがあるデッキですね。モダンはローテーションがないけど競技大会はあるというフォーマットなので、定期的にやっていこうと思ってますね。昔はレガシー専門の時期もありましたが、やりたいことはやれたかなという感覚でモダン・スタンダードが中心です。今度の25周年プロツアーでもモダンを担当します。プロツアー『ドミナリア』で意気投合して、佐藤レイさん、木原(惇希)くんと一緒に出ます。」

村栄「基本的に、すべての大会は『練習』だと思うようにしています。なので中・大規模のイベントにプレイヤーとしては現状参加しづらい面があるのも確かなんですが、MOでその分やったりしてるので、不足とかは感じないですね。」

――年を通して親和(モダン)で遊んでいるというお話が今でました。「プライベート」な面で、お仕事とマジック以外ではなにか時間を割いてるものなどありますか?

村栄「近年、好きなアニメ作品ができました。それまではマジック以外での遠征はほとんどなかったんですが、いわゆる聖地巡礼として沼津などへ遠征したりしてます。上手い息抜き、ではないですが、マジック『だけ』をやっていたシーズンよりも今の方がうまいことマジックと付き合えてるな、という感じです。もちろん普段からの練習は欠かしていないので、バランスはとれてるかな、というところです。」

――マジックに対して時間をかけることを減らした結果、バランスがとれてるという感覚になったというのは驚き・意外だと思う人も多そうな結論です。もちろん村栄さん自身がそのバランスを体現し続けているわけです。貴重なお話、ありがとうございました。

村栄「ありがとうございました。皆さんも、バランス良くマジックに向き合ってほしいです。」


 「プレイヤー」として輝かしい戦績を誇り、「スタッフ」として充実した業務をこなし、加えて「プライベート(他の趣味)」でも精を出している村栄龍司。

 飄々としたといった表現が正しいのだろうか、良い意味で物事を重くとらえすぎないように感じる印象を受けた。

 国内グランプリの体制が変化することで影響を受けているのは、他の誰でもなく彼が一番なのかもしれないが、日々の鍛錬を特別とも思うことなく自然体で続けられるその姿勢で、「プレイヤー」「スタッフ」「プライベート」のバランスをキーワードにした三角関係を保っているようだ。

 他の全てを捨てるほどの「オールイン」ではない。

 競技と離れて楽しもうという意味合いでの「カジュアル」ということでもない。

 自らにとっての自然体のなかで競技として業務としてマジックと関わりつづける、村栄龍司。

 自身と同じようにみんなにもマジックを楽しんでもらいたい。そうした気持ちで務める運営スタッフとしての姿は、グランプリ会場で今後も見ることができるだろう。

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RESULTS

対戦結果 順位
15 15
14 14
13 13
12 12
11 11
10 10
9 9
8 8
7 7
6 6
5 5
4 4
3 3
2 2
1 1

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