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グランプリ・北京2018
2ndドラフト:混戦模様の1番ポッド
予選ラウンドも残すところあと3回戦、2ndドラフトを残すのみとなった。
1stドラフトの1番ポッドは最終的に井上と玉田が3-0(勝敗ラインが違うプレイヤー同士の卓だと2-0同士が当たらないためこうしたことが起こる) 。行弘と八十岡が2-1でまとめ、トップ8進出の目を残している。その結果、12回戦終了時点で1敗のプレイヤーが6名、うち5名が日本人プレイヤーと、日本人のトップ8進出に向けては大いに期待できる状況となっていた。
だが同時にここまで1敗ラインのプレイヤーとて、トップ8に勝ち残るためには最低でもあと1勝が必要となる。そして勝ち星をあげるその相手は、ことこの状況に至っては同じ日本人となる確率が極めて高いのだ。
ということでここでは行弘/井上/玉田/八十岡/佐藤/片川と、8人中6人を日本人が占めており日本人同士の潰し合いが宿命づけられた1番ポッドのドラフトの模様を簡単にお届けしよう。
2ndドラフト・1番ポッド |
席はWu, Kon Fai→行弘→片川→Zhang, Zhiyang→井上→玉田→佐藤→八十岡の順。
ところで、こうしたハイレベルなドラフト卓においてかなりの頻度で起きる現象がある。「カードパワーが高いカード」が、序盤に極端に流れにくくなるのだ。
なぜなら、「流れの悪い色に居座ること」は死に直結するとドラフト巧者であれば誰もが経験的に知っている。その結果、カードパワーが高いカードが流れてくる=少しでも本流の色が別に存在する可能性があるのであれば、そのカードをつまんでおいて後々天秤にかけられるようにしておくことが正着となりうる。
しかし同時に、ドラフトとは「住み分け」のゲームでもある。5色すべてをピックすることが事実上できない以上、最終的に自分がやらない色のパワーカードについては、むしろ下家に流すことで色配置を確定させ、「この色とこの色は自分が取るけど、そっちの2色はやっていいよ」という暗黙のWin-Win取引をスムーズに行えるようにすることで、ほかの6名に勝るアドバンテージを獲得することが可能となる。
にもかかわらず将来の可能性だけでパワーカードをつまみ食いしていくと……結果として。卓がぐちゃるのだ。
白黒→赤緑→青でいち早く協調に成功したのはWu―行弘―片川のライン。
また、白と青は単体で「カードパワーが高いカード」がそこまで多くないため、将来の可能性のために摘ままれる対象とはなりにくい。その間隙を突いて、一直線で白青に突き進んだ玉田はまだよかった。
問題は井上と、玉田を挟んで佐藤―八十岡のライン。カードの出方もあったとはいえ、この3人が黒/緑/赤のパワーカードを摘まみ合った結果、いずれも3-0スペックとは程遠いデッキとなってしまったのだ。
八十岡 翔太 |
特に八十岡のポジションは厳しい。黒は卓に混んでいる上に下家のWuも黒をがっつり触っており、しかももう片方の色はこの環境のルーザーカラーである赤と、2色ともケチがついてしまっている。
ピックが終わった時点で、最終的な各人のデッキカラーと筆者の目線でのデッキの強さ判定は以下の通りだ。
- Wu, Kon Fai:白黒(デッキ評価:B)
- 行弘 賢:赤緑(デッキ評価:A)
- 片川 創太:青白(デッキ評価:B)
- Zhang, Zhiyang:黒緑タッチ赤(デッキ評価:B)
- 井上 徹:赤黒(デッキ評価:C)
- 玉田 遼一:青白「歴史的」ビートダウン(デッキ評価:A)
- 佐藤 レイ:黒緑タッチ《豊潤の声、シャライ》(デッキ評価:B)
- 八十岡 翔太:赤黒(デッキ評価:
C?(※))
(※八十岡のドラフトがあまりにきつそうだったので「なんかデッキやばそうじゃなかった?」と聞くも、「いや?」ととぼけられてしまった)
玉田「とりあえず次勝てばほぼ(トップ)8!」
佐藤「その『あと1勝』が遠いんだよな~」
続く13回戦、八十岡はWuと、玉田は佐藤と、行弘はZhangと、井上は片川と、それぞれ対戦する。
果たしてこの中から誰が、そして何人がトップ8に進出できるのか。
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