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エターナル・ウィークエンド・アジア2019

戦略記事

エターナル・ウィークエンド・アジア2019 ヴィンテージ全参加者メタゲームブレイクダウン

小山 和志

(筆者注:128名の参加登録者数のうち、実際にプレイヤーミーティングに参加した125名のデッキリストを集計しています)

 参加登録者数が128名となったエターナル・ウィークエンド・アジア2019 ヴィンテージ選手権。太古にして最新の本フォーマットでは、どのようなデッキが覇を唱えるのだろうか。

 本記事では、全参加者のデッキリストを分析し、デッキタイプごとにまとめた表を掲載する。

 果たして、参加者たちはどのようなデッキを選択したのだろうか?

エターナル・ウィークエンド・アジア2019 ヴィンテージ選手権 全参加者メタゲームブレイクダウン

アーキタイプ 使用者数 割合
墓荒らし 27 21.6%
MUD 18 14.4%
メンター 13 10.4%
オース 12 9.6%
ドレッジ 11 8.8%
逆説ストーム 9 7.2%
サバイバル 7 5.6%
TEPS 7 5.6%
黒緑デプス 6 4.8%
白単エルドラージ 2 1.6%
無色エルドラージ 2 1.6%
ストーム 2 1.6%
赤プリズン 2 1.6%
バーン 2 1.6%
テゼレッター 1 0.8%
食物連鎖 1 0.8%
茶単ストーム 1 0.8%
ヘイトベア 1 0.8%
グリクシス・コントロール 1 0.8%
合計 125 100.0%
「墓荒らし」がトップに

 青黒緑カラーのグッドスタッフ、通称「墓荒らし」が20%以上の使用者数を集め、圧倒的首位となった。

 「パワー9」の中でも、最強格と言っていい《Ancestral Recall》を一方的に抑え込める《トレストの使者、レオヴォルド》がほぼすべてのデッキに採用されていた。

 また、最近のカードセットからも《覆いを割く者、ナーセット》が投入されていたり、《レンと六番》をタッチしていたりと、カードセットが増えるごとに選択肢が増えていくのもこのデッキの魅力と言えるだろう。

Mishra's Workshop》デッキが2位に

 アーティファクトを唱えるためであれば、たった1枚の土地から3マナを生み出すことができる《Mishra's Workshop》。このカードはヴィンテージで4枚使用可能であり、やはり本イベントでも多くのプレイヤーが手にしていた。

 《大いなる創造者、カーン》により、サイドボードから状況に即したアーティファクト・カードを持ってくることができるようになり、《通電式キー》と組み合わさると即座にゲームオーバーとなる《Time Vault》がサイドボードに1枚鎮座しているケースが目立った。

「メンター」デッキの進化

 レガシーのみならず、ヴィンテージでもフィニッシャーとして定番の《僧院の導師》。特に、本フォーマットでは「Moxシリーズ」に代表される0マナのアーティファクトや、軽量カードが多いことから、その威力を存分に発揮して、制限カードに指定されている。

 このデッキには、『灯争大戦』から《戦慄衆の秘儀術師》が複数枚採用されていた。攻撃するだけで、ただでさえ破格の性能を持つ《Ancestral Recall》などの軽量ドロー呪文を再利用でき、アドバンテージを生み出すことができるだけあって、数多くのプレイヤーが手にしていた。

根強い人気を持つ「オース」

 レガシーで《引き裂かれし永劫、エムラクール》《グリセルブランド》のマナ・コストを踏み倒すデッキと言えば「スニーク・ショー」だが、ヴィンテージではこの《ドルイドの誓い》を活用した「オース」デッキが主流だ。《業火のタイタン》もフィニッシャーとしてよく見かける。

 打ち消し呪文を駆使しつつ高速決着が可能な「オース」は、長きに渡って一線に留まっており、今後もヴィンテージでこのデッキを目にする機会は多いだろう。

昨年覇者の「サバイバル」は……?

 昨年のエターナル・ウィークエンド・アジア2018 ヴィンテージを制した《適者生存》。本イベントでも10人以上のプレイヤーが選択している。

 この1年で《溜め込み屋のアウフ》《アゾリウスの造反者、ラヴィニア》《拘留代理人》という、小回りの利くクリーチャーを手に入れており、柔軟性はさらに上がったようだ。

甦る死滅都市、ホガーク》の影響はヴィンテージにまで……?

 モダン、レガシーに多大な影響を与えた《甦る死滅都市、ホガーク》の影響はヴィンテージにまで及んでいる。

 もともと《Bazaar of Baghdad》が使用可能なヴィンテージで一定の勢力を誇る「発掘」は、このカードを得てさらに進化したようだ。

 現時点でトップ8プレイヤーは出揃っていないが、今後このカードが、そして「発掘」がヴィンテージを席巻するのか注目したい。

「ストーム」系

 『カラデシュ』で《逆説的な結果》が登場して以降、「ストーム」とアドバンテージを1枚で稼げるこのカードはヴィンテージのトーナメントにおいて常連となった。

 本イベントではこの《逆説的な結果》型のストームが10名、非《逆説的な結果》型が8名となった。


 さて、ヴィンテージ選手権のメタゲームはいかがだっただろうか? ここで紹介できなかったデッキのうち、「バーン」の中には「パワー9」を使用していないデッキも存在した。

 このトーナメント以降、ヴィンテージのメタゲームがどのように推移していくのだろうか。今後もマジックには新たなカードが登場し続ける。

 25年以上の歴史を持つマジックの集大成とも言えるヴィンテージの今後から目が離せない。

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