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プロツアー・名古屋11
Round 14: 八十岡 翔太(東京) vs. David Sharfman(アメリカ)
By Shuhei Nakamura
予選ラウンドはこのラウンドを含めてあと3回。
通常、3敗1分けがプレイオフへ進むためのボーダーラインとなるプロツアーで、このラウンドでの両者3敗というのはまさに断崖絶壁での戦い。
伸るか反るか、勝てば天国、負ければ地獄。
そんなこのラウンドでフィーチャー席に招待されたのはDavid Sharfman。
史上最大の悪夢とまで呼ばれたグランプリ・パリ2011の優勝者。(リンク先は英語カバレージ)
このラウンドを制し、トップ8を賭けた最後の一戦へと駒を進められるか。
八十岡 翔太
相対するは八十岡 翔太。
そういえば第5ラウンドで2勝2敗同士で八十岡翔太と対戦していた気がするのだが(注:筆者が負けました)、そこから通算7勝1敗と白星を量産してトップ8の裾野を掴めるところまでやってきた。
八十岡にとってこの名古屋はただのプロツアーではない。
8月にある今年の殿堂入り投票に向けて、自分をアピールする為の絶好のステージだ。
叙述者としては失格ではあるが、できうることなら、友人として、かつて世界を廻った仲間として、是非とも八十岡には勝ってほしい。
翻ってSharfmanは第2ターンの《純鋼の聖騎士》から、環境を支配している白ウィニーのもう1つの形、装備ビートダウンだ。
続くターンに《粗石の魔道士》で《地平線の呪文爆弾》とマナ調達に入る八十岡に対して、《戦争と平和の剣》が登場。
騎士は装備前、《迫撃鞘》が出るスタックで《感電破》を使って葬ったものの追加の騎士が登場し予断を許さない。
とりあえずは八十岡、《粗石の魔道士》で攻撃、これをSharfmanは《純鋼の聖騎士》2体目でブロック。
装備品の種切れか?
どうやらそうらしい。
だがそれならば、手札にあるのはクリーチャーということだ。
Sharfmanは《レオニンの遺物囲い》で《グレムリン地雷》を消し去り、《大霊堂のスカージ》を戦線に追加。
1ターンは《喉首狙い》で封じたものの、追加で現れるは《刃砦の英雄》。
八十岡の二の矢は《黒の太陽の頂点》。
ちなみに、この時点で戦場に並んでいる八十岡の土地は青黒緑赤均等。色配分などお構いなしの気持ち悪いラインナップだがこれこそが八十岡の真骨頂。むしろヤソらしい。
三たび出てくるクリーチャーは《迫撃鞘》。
明らかに弾切れだ。
これに対しての八十岡の答えは、《内にいる獣》を《マイコシンスの水源》に。場に出ている剣のプロテクションは白と赤。
だがこれには《急送》でトークンをいなすshafman。初めて本体にダメージらしいダメージが入るが、続くターンで八十岡がトップデッキしたと思われる《オキシダの屑鉄溶かし》で《戦争と平和の剣》を叩き割る。
戦線が膠着しだした。《粗石の魔道士》から2枚目の《グレムリン地雷》を持ち出し、Sharfmanの2枚の《墨蛾の生息地》を牽制。
コントロール対ビートダウンの転換点、攻守の逆転が起こる。
八十岡にとってはアドバンテージを取った後の残り滓、Sharfmanにとっては実体を伴った脅威である生物達が締め上げる。
だがその差は僅か、そしてその均衡は《戦争と平和の剣》をトップデッキしたSharfmanに対してやむなく《メムナイト》に《グレムリン地雷》を使用してしまったことで崩壊する。
剣を装着して迫り来る《墨蛾の生息地》の前に、八十岡の残ったターンはあと2ターン。
ドロー、《黒割れの崖》。
最後のドローは・・・
そのカードを戦場に叩きつけることは叶わず、八十岡はライブラリーの上を確認することで投了を表した。
八十岡 0-1 Sharfman
やはり持っていた。《白の太陽の頂点》。
だがこのレオニン達は何匹いようとも《漸増爆弾》で相殺だ。
八十岡に追加の2枚が入りゲームは未だに八十岡有利。残るターンはあと2ターン。
だがここでSharfman、逡巡しつつも《大霊堂のスカージ》を召喚。
これでライフが4!?
確かに《感電破》の受けを考えるなら・・・
だがわざわざ八十岡の致死圏内に自ら引き入れる理由に意味はあるのか。
結論からいえば意味はあった。
渋い顔で攻撃を選択しなかった八十岡に対して、Sharfmanが八十岡のターン終了時に唱えたのは2枚目の《白の太陽の頂点》。
3体の猫トークンが現れ、しかも駄目押しに出てきたのは《迫撃鞘》。
1ターン遅かった追加の2枚ドロー、《粉砕》《内にいる獣》で八十岡も防戦を試みるものの、Sharfmanの攻撃を防ぎきることはかなわなかった。
八十岡 0-2 Sharfman
Game 1
両者キープ、八十岡先攻の第2ターンに《マイコシンスの水源》からマナ調整に入るところからスタート。David Sharfman |
Game 2
お互い初手キープでのスタート。 八十岡が《太陽の宝球》に対して、Sharfmanは《純鋼の聖騎士》。 両者最高ともいえる立ち上がりで、次なる一手は《最後のトロール、スラーン》、対して《戦争と平和の剣》。 《漸増爆弾》が追加されスラーンの攻撃を受けてのSharfmanの選択は、装着して攻撃。これを八十岡は《粉砕》でいなす。一進一退。 追加の《純鋼の聖騎士》が登場し、おそらく次の2、3ターンがこのゲームの鍵となるだろう。 八十岡の行動は、まずはスラーンが攻撃。これが通ってSharfmanは残り12ライフ。 八十岡は口を尖らせつつ、《マイコシンスの水源》から土地を追加してターンを返す。 続くSharfmanのターン。 装備品は・・・ ない。 しかし出てくるのは《刃砦の英雄》。 これはこれで八十岡にとっては深刻な脅威だ。 だがそれでも攻めの姿勢を崩さない八十岡。 スラーンが再度の攻撃、これでライフが8となり。時が満ちた《漸増爆弾》で自分の水源ごと騎士を一掃。改めて《マイコシンスの水源》を出した上で《ボーラスの工作員、テゼレット》で5/5にしてターンを返す。 それに応えたSharfmanの行動は《戦争と平和の剣》を唱えて英雄に装着、5/6となった英雄は本体に、2/1の2体のトークンは《ボーラスの工作員、テゼレット》に向けての攻撃。 ダメージレースでは八十岡がまだ優位に立っているものの、テゼレットの死亡が確定し、追加ダメージを受けた八十岡のライフもまた6にまで落ち込み、Sharfmanのライフは見て目上は安全圏内の10になる。 戦闘が終了した後で、Sharfmanは更に《きらめく鷹》を召喚し、《戦争と平和の剣》を手札に返してブロッカーとする。 お互いに喉元に刃が食い込んでいる状況は続く。 八十岡は長考した上で両方で攻撃。 5/5の水源が《きらめく鷹》でブロックされ、戦闘後に八十岡の《黒の太陽の頂点》が戦場を無人の荒野にする。 だがSharfmanには《墨蛾の生息地》と、手札に《戦争と平和の剣》がある。墨蛾は感染付きではあるが、剣からのダメージは肉体に響く。八十岡の残りライフは僅かに3。 それでも、八十岡の起死回生の《聖別されたスフィンクス》が再びの場に膠着をもたらす。 《急送》するにも金属術の用意が出来ないSharfmanにとって青いタフネス6は高すぎる壁だ。 Sharfmanは『現状では』回答する術を持たない。八十岡にドローさせて土地を置いてターンを返す。 青使いにとって至福の瞬間、相手よりも多くのドローができた八十岡が再び攻勢に転じる。 《聖別されたスフィンクス》が攻撃し、Sharfmanのライフは6に。Sharfmanの空っぽの戦場から八十岡が負けえる要素、《白の太陽の頂点》への解答となる《漸増爆弾》を設置した上でターンを返す。RESULTS 本大会の対戦結果・順位
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