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プロツアー・名古屋11

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Round 11: 藤田 剛史(大阪) vs. Jeffrey Chan(シンガポール)

By 金民守  ここまでドラフトラウンドを5-0で勝ち上がり、後進のプレイヤーに殿堂入りの貫禄を見せ付ける藤田のドラフト6戦目。  このラウンドの結果次第ではベスト8が現実的に見えるラインに浮上するだけに目が離せない一戦だ。
Game 1
Jeffrey Chan
Jeffrey Chan
 ダイスにより先手後手の選択権を得たChanは後手を選択。  藤田は《グレムリン地雷》《銀のマイア》《火膨れ杖のシャーマン》にランドが4枚という、若干マナフラッドが懸念されるハンドを苦笑しながらキープ。  Chanも満足そうにキープを宣言してゲームが始まる。  手順通り《グレムリン地雷》からマナマイアに繋げる藤田に対してChanも遅れを取るまいとマナマイアを鏡打ち。  テンポで押したい藤田はこれ幸いと《火膨れ杖のシャーマン》でマイアを討ち取りながらクロックを準備。  Chanも譲らない。《宝物の魔道士》で《ファイレクシアの大男》をサーチして、アドバンテージを取り返しつつブロッカーを用意する。  藤田は《闊歩するものの装具》をキャストしてマイアに装備させてアタック。相打ちが行われる。  マイアがその身を挺して《火膨れ杖のシャーマン》のために道をこじ空けたのもつかの間、Chanは《ファイレクシアの変形者》で《火膨れ杖のシャーマン》をコピーして討ち取って見せる。お互いが1:2交換を取り合う怒涛の展開。  返すターンで《嵌め乗りの滑空者》をキャストする藤田。  《闊歩するものの装具》を着けて速攻を付与し、2/1の《ファイレクシアの変形者》を乗り越えてChanのライフを削る。  Chanはこれに対して《血清掻き》で対抗。これに対して藤田はディスカードを嫌ってアタックはせず。しかし《オキシダの屑鉄溶かし》で《ファイレクシアの変形者》を討ち取って盤面の有利は進める。  しかしChanは《病的な略取》で《銀のマイア》と《ファイレクシアの変形者》を回収し、三たび1:2交換をしつつ、続くターンの《オキシダの屑鉄溶かし》コピーを確約してみせる。お互いがお互いのカードに対して完璧な回答を提示し続ける展開。本来リミテッドはもっと淡々としたゲーム展開が常なのだが、プロツアーのトップレベルの試合は、まるでビバッパー同士のインプロビゼーションを思わせるそれで、マジックというゲームがまごうことなき知的スポーツであることを再確認させられる。  しかし、永遠に続くかにも思えたこの二人の攻防にも終わりが来る。藤田の攻めをChanが受け、その受けを藤田が返すその度に、《闊歩するものの装具》によって速攻を得たクリーチャーが少しずつChanのライフを削っていく。  そしてクライマックスは一瞬だった。なんとかライフが致死圏に到達する前に場を制圧したかに見えたChanに対して、藤田は《鞭打ち炎》でブロッカーを一掃してみせる。
 その上で《回転エンジン》をキャストして《闊歩するものの装具》を装備し、鮮やかな一撃でドラフト全勝に王手をかけた。 藤田 剛史 1-0 Jeffrey Chan
Game 2
 戦線が膠着する展開を前提にした後手戦略が一般的になる現環境で、それを逆手に取った先手デッキをドラフトし見事それがはまって一本目を先勝した藤田。  Chanも先の試合展開を見て戦略を改め、今回は先手を選択してゲームが始まる。  Chanは3ターン目始動と若干出遅れる形になったが、先手の選択が功をなしたのとその3ターン目のアクションが《清純のタリスマン》から《大霊堂のスカージ》というゲームの長期化に寄与する2枚だったため、十分に藤田にプレッシャーを与えることに成功した。  それを受ける藤田は2ターン目の《銀のマイア》から《嵌め乗りの滑空者》と展開。手札に4枚目の土地がないことから《銀のマイア》はアタックせずにターンを返す。Chanは《ドロスの切り裂き魔》を、藤田は無事4枚目のランドを獲得し《空長魚の群れ》を戦線に追加。  その返し、ゲームが動く。土地5枚の状態で《ドロスの切り裂き魔》と《大霊堂のスカージ》がアタックをしてきたのだ。  藤田の戦場のアンタップ状態の生物は《空長魚の群れ》と《嵌め乗りの滑空者》。  《ドロスの切り裂き魔》のアタックは理解できるが、それが《大霊堂のスカージ》と一緒ともなるとコンバットトリックがあることは必至。  手札に《闊歩するものの装具》がある藤田はこのアタックをスルーしてライフを16とする。さらに《ニューロックの模造品》を追加してゲームをリードする。  藤田は予定通り《闊歩するものの装具》をキャスト。少考の後金属術を達成した《嵌め乗りの滑空者》に装備し、さらに《突風掬い》を追加した後に《空長魚の群れ》だけでアタックを行いターンを返す。  Chanは藤田のこの陣営を見ても変わらず《ドロスの切り裂き魔》と《大霊堂のスカージ》でアタック。  《ドロスの切り裂き魔》がスルーされ、《大霊堂のスカージ》を《嵌め乗りの滑空者》がブロックすると、Chanはファイレクシア・マナを支払ってプレイした《変異原性の成長》で相打ちを取ることを選択した。  懸念だったChanのコンバットトリックがなくなり、盤面で詰めを進めることができるようになった藤田の攻め手が強まる。  5点、7点、《ヴァルショクの心臓焚き》によってダメージが鋭角に加速される。Chanも負けじと《皮裂き》で応戦するが、藤田はこともなげに《ファイレクシアの変形者》で裂き返す。  致死圏に陥りながらも《病的な略取》で《大霊堂のスカージ》と《皮裂き》を回収しながら《大霊堂のスカージ》をブロッカーに回して巻き返しを計る。チャンプブロックから《清純のタリスマン》と合わせて2点ゲインして、再度《皮裂き》を展開して場をイーブンに戻せば《清純のタリスマン》でゆっくりと安全を拡大すればいい。瀬戸際ではあるがまだ充分Chanにも巻き返しがある。いや、このターンで決められなければ逆に藤田が状況の打開策を求められる立場に回るだろう。 ・・・しかし藤田にはそのような心配は無用だった。くしくも藤田のドローしたカードは《勝利の破壊》。  そう、それはまるで何か見えない何かからのメッセージ。見えざる神の手が藤田に送り込んだ、Chanの一縷の望みを絶つアーティファクト破壊であった。  そして苦笑する藤田がキャストしたのは、なんと《オキシダの屑鉄溶かし》!!  この男、強すぎる!!!! 藤田 剛史
藤田 剛史
 藤田剛史、ドラフトラウンドを貫禄の全勝!!! 藤田 剛史 2-0 Jeffrey Chan
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RESULTS

対戦結果 順位
16 16
15 15
14 14
13 13
12 12
11 11
10 10
9 9
8 8
7 7
6 6
5 5
4 4
3 3
2 2
1 1

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