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プロツアー・名古屋11
Round 10: 猪野 健太郎(京都) vs. 三原 槙仁(千葉)
By Takamasa Sato
プロツアー名古屋も第9回戦を終え、1敗でトップをひた走る藤田 剛史の陰で、3敗ラインでトップ8を賭けた崖っぷちの対決を余儀なくされる日本人もいる。
三原 槙仁
記憶に新しいグランプリ・神戸トップ8プレイヤー・猪野 健太郎と、2006年度世界王者であり、千葉のMTGコミュニティを牽引する「魔王」三原 槙仁である。
元々千葉のプレイヤーでもある猪野と三原とは面識があるようで、シャッフルを繰り返しながらも和やかな雰囲気。
ピック直後に筆者が声をかけたところ、
三原 「デッキは息してないよ」
と仰っていた魔王だが、初戦を勝ったことでデッキも温まってきたころだろう。
三原 「強くね?」
猪野 「マジックはレアが強いゲームですよ」
三原はとりあえず《錆びた斬鬼》を場に送り、盤面だけでも均衡を保とうとする。
さらに猪野は《ロクソドンの非正規兵》を置いてそのまま押し切る構え。
三原はアタックし、《ロクソドンの非正規兵》にブロックさせてからトークン生け贄で再生してクロックを維持。
第2メインには《ゴブリンの小槌打ち》を送り出し、《調和者隊の盾》を構えさせて3/6警戒トランプルの硬い生物を産みだす。
《ヴィリジアンの爪》までプレイして、次のターンにはさらなる巨大な生物に成長しそうだ。
猪野は《炎生まれのヘリオン》プレイからの速攻アタックをするのだが、三原は涼しい顔でこれをブロック。
三原の次なるターンには3枚の装備品が《ゴブリンの小槌打ち》に装備され、9/10先制攻撃、警戒、トランプルの生物に育てると、そのまま押し切った。
猪野 1-1 三原
ゲームの合間にも舌戦を繰り広げる両者。
猪野 「最近ドラフト下手な気がする......。色々間違ってた。前はうまかったわけじゃないけど」
三原 「いや、前はうまかったと評判ですよ」
猪野 「要らないカードを入れ替えよう」
三原 「要らないカードなんてないよ!」
猪野 「ジャンプ(《空への跳躍》)でも!?」
三原 「ジャンプでも!」
筆者が苦笑しつつそれを聞いていると。
三原 「いやでも、弱いカードは入れ替えたほうがいいね」
まあ、そうだろう。
猪野 健太郎
猪野は先手を選択し、7枚のカードをフィーチャーテーブルに広げると、
猪野 「プレイングを運でカバーしてくれ!」
と、勢いよく手札を開く。
どうやら運は訪れたようで、そのままキープ。
三原にも問題はなく、ゲームスタート。
初動は猪野の3ターン目《侵害の魂喰い》。
さらに《錆びた斬鬼》で6点クロックを送り込む。
三原も、もちろん《錆びた斬鬼》でこれに応じる。
双方の《錆びた斬鬼》はコンバットで相討ちとなり、猪野の場にだけクロックが残る。
これぞ、三原の言っていた「消耗戦」。この繰り返しの末にクロックを残せた側が勝利するのだ。
そんなことはわかりきっている猪野は《ロクソドンの非正規兵》も追加して、6点のクロックを保つ。
三原は強力な飛行生物である《砕けた天使》を出すのだが、《不純の焼き払い》がこれを除去。
三原も《探知の接合者》と《ダークスティールの斧》で場を固めるのだが、返しに猪野も《探知の接合者》。
二人は同じ卓の中でカードを分け合ってしまっているようだ。
三原は《訓練する徒食者》をプレイし、《ダークスティールの斧》を装備することで6/4に。
ところが猪野の《オキシダの屑鉄溶かし》で応じ、このマッチアップで重要なアドバンテージを手にする。
猪野はそのまま《ロクソドンの非正規兵》《侵害の魂喰い》、ゴーレムトークンと《探知の接合者》でアタック。
三原は少し考えてから、ゴーレムトークンと《探知の接合者》同士での相討ちを選ぶ。
残ったクロックは《レオニンの遺物囲い》と《石弾化》のコンボで除去するのだが・・・
猪野の《オキシダの屑鉄溶かし》だけが場に残ってしまい、そのまま押し切られた。
猪野 2-1 三原
Game 1
ダイスロールの勝者である三原は先手を選び、双方7枚キープ。 1ターン目《大霊堂のスカージ》から、《ダークスティールの斧》《ヴァルショクの模造品》とテンポよくビートする三原に対し、猪野は《脊柱の飛行機械》で応える。 並んでいる土地は双方《平地》と《山》なのだが、ここまで白も赤のパーマネントは一枚も出ていない。 どちらのデッキも猪野いわく「時代に逆行した」軽いビートダウンデッキのようだ。 確かに、新たなるファイレクシア後のドラフトでは軽いカードの枚数が減ったため、重めのカードを含んだコントロールデッキになりがちだ。 先に色つきのパーマネントを出したのは猪野。 攻防に活躍する《縫合の僧侶》である。 ここで三原が《堕ちたる鉄術士》。 これを生かすと大変なことになる猪野は、《不純の焼き払い》でしっかり除去。 次なるターンの三原のアタックと猪野のブロックで、いったん戦場はリセットされ、三原のみが《嵌め乗りの滑空者》を置いてビートの準備。 猪野の《錆びた斬鬼》に対し、三原は先手の優位を生かしてライフを追い詰めるべく、《屍気の香炉》。 しかし、猪野は落ち着いて2枚目の《不純の焼き払い》で三原から唯一のアタッカーを奪うと、《マイアの感電者》《切りつける豹》と展開。そのまま殴りきった。 猪野 1-0 三原 三原 「このマッチアップだと消耗戦だよね」 三原は真剣な表情でカードを検討し、慎重な手つきで一枚ずつ確認しつつ入れ替える。 対する猪野は涼しい表情。入れ替えもスムーズだ。 シャッフルしながら同じ卓のカードの流れについて語り合う両者。 間に流れていた和やかな雰囲気は、手札を覗きこんだ瞬間、真剣なものに変わる。Game 2
今度は後手を選んだ三原は7枚をキープするが、猪野は即決で1マリガン。 初動は三原の《シルヴォクの生命杖》だったが、クロックは猪野の方が早い。 《ヴァルショクの模造品》である。 三原はこれを《主の呼び声》で捌き、消耗戦の天秤を自らに傾ける。 しかし、猪野の場に《トゲ撃ちの古老》が現れると「まずい」と一言。 《調和者隊の盾》をプレイ後、即装備してトークンを守る。 猪野がプレイした次なるカードは《らせんの決闘者》。 この環境では見慣れないカードだが、猪野のデッキは金属術である。 条件を達成すれば、無視できるカードではなくなるだろう。 続けて《脊柱の飛行機械》を呼び込んだ猪野は、Game 1の再現を狙う。 三原は《レオニンの遺物囲い》で《脊柱の飛行機械》を対象とし、追放能力をスタックに乗せたうえで《石弾化》で生贄に捧げる。 これで《トゲ撃ちの古老》との同時除去に成功してほっと一安心。 猪野 「このままじゃ不利じゃないですか」 呟きつつ送りだしたのは、あのイケメンこと《覇者、ジョー・カディーン》!Game 3
RESULTS 本大会の対戦結果・順位
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