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週刊デッキ構築劇場

2011.06.09

第17回:伊藤敦のデッキ構築劇場・《覇者、ジョー・カディーン》

演者紹介:伊藤 敦

 日本マジック個人ブログ界でも屈指の人気を誇り、『まつがん』のハンドルネームで知られる。
 「役割が近いカードはできるだけ種類を分散させる事によって、よりデッキの汎用性を動きの柔軟性を獲得できる」という銀弾理論をひっさげてトーナメントを駆け抜ける『銀弾の猛進者(シルバービリーバー)』。
 代表的なデッキは、銀弾理論の存在を世間に知らしめた銀弾キスキン、レガシーでも銀弾理論が有効であることを証明し、「敗北を知りたいデッキ」として連勝を重ねた銀弾マーフォーク、「3人あわせて3-9でサンキュー」で知られるプロツアー・京都09での使用デッキ青白GAPPOを銀弾理論でリファインした銀弾GAPPOことウルトラソリューション他多数。


 新たなるファイレクシアのカードリストと睨めっこしていて、1つ強烈にこちらの心を掴んで離さないカードがあった。

 《覇者、ジョー・カディーン/Jor Kadeen, the Prevailer》。

 ただでさえ達成困難な金属術という能力に加え、2秒で《四肢切断/Dismember》されそうなタフネス、アグロデッキで使うには馬鹿みたいに重いマナコスト、謎に対抗色のマルチ、とってつけたような先制攻撃・・・と、まさしく何のために印刷されたのか全くわからないカスレアカードだ。

 こう書いてみると、一体どこに人の心を惹きつける要素があるのかと首を傾げたくなる。実際、この構築劇場のためにこいつを入れたデッキを作ろうとしては幾度となく挫折した。

 だが、もはや《覇者、ジョー・カディーン/Jor Kadeen, the Prevailer》を入れたデッキは諦めるしかないとすら考えはじめたそのとき、このカードにはそういった欠点を補って余りある美点があることに気づいた。それは・・・

 イケメンである、ということだ。

 燃え盛る刃とフェイスタトゥー越しにこちらを見据える力強い眼光。獅子のたてがみを思わせる野性味溢れる長髪。そして厳しい戦況の最中にあって「私の手に剣がある限り、清純なるミラディンを取戻す希望は残っている。」と言い切る精神力とカリスマ。そういった滲み出る格好良さが金枠と相まって実によく映える。

 そう、このカードは観賞用としてなら実にいい出来なのだ。つまりこのカードの持つ神秘的な魅力は、もはやマナコストやパワー・タフネス、果てはカードテキストすらも超越した、カードのイラストにあったのである。

 そこで今回は《覇者、ジョー・カディーン/Jor Kadeen, the Prevailer》で真っ当なデッキを作ることは潔く諦め、通常のデッキとは異なるコンセプトを持った、いわば別次元のデッキを作ることにした。それがこれだ。

《花盛りの夏》~イケメン☆パラダイス~
5 見目麗しい《島/Island》
5 美丈夫な《平地/Plains》
4 物憂げな表情で遠くを見ている《山/Mountain》
5 ジャニーズ系の《沼/Swamp》
5 ウィザーズ《森/Forest》

-土地(24)-

4 《覇者、ジョー・カディーン/Jor Kadeen, the Prevailer》
4 《背教の主導者、エズーリ/Ezuri, Renegade Leader》
4 《こだまの魔道士/Echo Mage》
4 《バーラ・ゲドの獣壊し/Beastbreaker of Bala Ged》
4 《蟲惑的な吸血鬼/Captivating Vampire》

-クリーチャー(20)-
4 《滞留者ヴェンセール/Venser, the Sojourner》
4 《ソリン・マルコフ/Sorin Markov》
4 《ギデオン・ジュラ/Gideon Jura》
4 《狂乱のサルカン/Sarkhan the Mad》

-呪文(16)-
4 《精神ヘドロ/Mind Sludge》
4 《ニッサに選ばれし者/Nissa's Chosen》
4 《カザンドゥの刃の達人/Kazandu Blademaster》
3 《引き裂かれし永劫、エムラクール/Emrakul, the Aeons Torn》

-サイドボード(15)-
(編注・お詫び:本デッキのあまりのイケメン力により、上記[MO]ボタンは機能しません。ご了承ください。)


 先にこのデッキの動きを簡単に解説しておこう。まず手札を7枚引くと、イケメンコンテストが開幕となる。あなたは居並ぶイケメンの中から「これだ!」と思う1枚を選んで、そのカードをプレイすることに全神経を傾ける。もしプレイできたなら、見事あなたは(心の中で)勝利した(気分になる)、といった按配だ。

 もちろんリザルトエントリースリップにはほぼ確実に「0-2」と容赦なく記入されることだろうが、デュエルでは負けてもイケメンファイトで勝ったのだからその辺は仕方がない。

 それでは、第1回スタンダード環境イケメンコンテストに(独断と偏見で)エントリーした9名のイケメンたちを早速紹介していこう。

 エントリーナンバー1番、まず登場したのはエルフのチョイ悪系な頭目だ。

 戦国武将ゲーに出てきそうな美形かつ鋭い顔つきを見ると、やはり美男・美女の多いエルフの中でリーダーとなるには、武芸の実力や指導力はもちろん見た目の美しさも大事なのではないか・・・という妄想が膨らんでくる。

 それにしても、さすがにミラディン世界はメカメカしい無機物やグロテスクな怪物が跋扈していて人間のセンスでいう「イケメン」を探し当てるのに苦労した。エルフならまだしも、猫とかヴィダルケンとか果てはマイアとか何をもって「イケてる」とするのか全く判別がつかないからだ。浅原さんなら「《メムナイト/Memnite》はイケメン」とか言いかねない。

 エントリーナンバー2番、エルドラージ覚醒からは地味めのレアであるこのカードだ。

 どこがどうイケメンなのかは説明しづらいが、一言でいうと、こいつは絶対アメリカの映画とかに出てくる。つまりはそういうことだ。

 エントリーナンバー3番。見よこの肉体美。

 男は顔じゃない。筋肉だ!そう言わんばかりに鍛え抜かれた体。イケメンかどうかと聞かれると完全に趣旨から外れている気がするが、こういう頼りがいのある(というかありすぎる)男に守ってもらいたい的な需要がなきにしもあらずな気がしたのでエントリーさせてみた。

 逆にマジックは大体どこ行っても世界観的にガチで戦争してるので、いわゆる草食系のイケメンがあまりいないのが難点といえば難点かもしれない。

 エントリーナンバー4番。その左手は何なの?と思わず突っ込みたくなる吸血鬼。吹き出しをつけるとしたら間違いなく「当店は誰でもウェルカム・・・!」

 残り4名は一気に紹介。やはり1枚絵としてのプレインズウォーカーたちの格好良さは見逃せない。どいつもこいつもなかなかのドヤ顔である。《槌のコス/Koth of the Hammer》さんのタラコ唇も割とチャーミングなのだが、イケメンかというと微妙。

 そしてもちろん最後に現れるのは、ディフェンディングチャンピオンである《覇者、ジョー・カディーン/Jor Kadeen, the Prevailer》だ。

 他の8名に比べるとカードパワーの貧弱さが一層際立つが、ことイケメンぶりに関しては全く引けをとっていない。まさに覇者。まさにカディーン。

 ちなみに真っ先にデッキに入りそうな《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》さんは、証明写真でもフードを被ったシャイボーイだったため書類選考の段階で落選となりましたのであしからず。

 また、さらにサイドボードには豪華4名のリザーバーも用意した。夜叉猿Jr.もアレキサンダー・ガーレンもいないがなかなかの粒揃いだ。

 ヘドロ吐いてなきゃワンチャン結構イケてる気がします。ヘドロ吐いてなきゃ。

 ニッサたんに選ばれちゃうくらいだからどう考えてもイケメン。

 ファイナルファンタジーVIIのシドに似てる気がする。

 いや、どこが顔なんだよ!


 いかがだっただろうか。この他にも「レガシー版イケメンパラダイス」や「美女コンテスト」などもデッキにしてみると面白いかもしれない。ただ後者は《女の子/Little Girl》を入れてしまうと社会的な死が一歩近づくので気をつけよう。

 それでは、良いイケメンライフを。


 おまけ:「こんなバカ記事書いてごめんなさい」の図。


2011年日本選手権予選

マジックウィークエンド・名古屋

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