EVENT COVERAGE

2019ミシックチャンピオンシップⅣ(バルセロナ)

観戦記事

決勝:Thoralf Severin(ドイツ) vs. Alvaro Fernandez Torres(スペイン)

Corbin Hosler

2019年7月28日


 ここバルセロナには500人近いプレイヤーが集まり、ミシックチャンピオンシップⅣで戦った。モダンは流動的なフォーマットであり、メタゲームは大会の1週間前から形成されると思われていた。《甦る死滅都市、ホガーク》デッキが仮想敵であることが次第に明らかになり、決勝に進出したこの両者のデッキ選択にも影響を与えていた。

 そして、両プレイヤーともトップ8に進出するまでに驚異的な成績を収めていた。片側には、ミシックチャンピオンシップでのキャリアが始まってまだ2年のアルヴァロ・フェルナンデス・トレス/Alvaro Fernandez Torresが座っている。彼がマジックを始めたのは何年も前の話だったが、競技プレイの機会を得たのは18歳になって大都市に引っ越したあとのことであった。そして、マジック25周年記念プロツアーの3人チーム構築戦で14位の成績を収め、バルセロナの参加資格を得たのだ。彼の素晴らしい成績は、多くの人にとって予想外であったであろう「鱗親和」というデッキによってもたらされ、自国でのミシックチャンピオンシップでの優勝をかけた決勝戦まで導かれてきたのだった。

MC4-Finals-Game.jpg

 向かい側に座るトラルフ・セヴラン/Thoralf Severinは、グランプリ・トップ8を3回経験するなど安定して高いレベルで競技していたが、一方でミシックチャンピオンシップでの突出した成績を追い求めている最中であった。今回トップ8でついにそれを達成し、さらにミシックチャンピオンシップの歴史に名前を刻む機会に挑戦することとなった。

ゲーム展開

 セヴランは7枚で始められた一方で、フェルナンデス・トレスは5枚まで減らし、しかしながら先攻を獲得していた。特に印象的な出だしというわけではなかったが、セヴランが《探検の地図》から3ターン目にトロンを揃える間に、フェルナンデス・トレスは土地1枚の手札から《電結の働き手》2枚を出しただけであった。

 アンタップして、セヴランはこのマッチ最初の選択に直面した。一般的にトロンを使うプレイヤーは可能な限り早く《解放された者、カーン》を叩きつけようとするものだが、ここでセヴランはカウンター3個の《歩行バリスタ》を出し、即座に働き手2枚を落とすことを選択した。フェルナンデス・トレスもできる限りの立て直しとして、《金属ミミック》で《歩行バリスタ》を強化する。両者は《歩行バリスタ》を交換し、フェルナンデス・トレスの《金属ミミック》だけが残された。セヴランがその後のターンでカーンに続き《絶え間ない飢餓、ウラモグ》と動くと、フェルナンデス・トレスはカードを片付けて次のゲームへと向かうことを選んだ。

 フェルナンデス・トレスは再びマリガンし、一方セヴランは7枚をキープし、またも3ターン目にトロンを揃えた。しかし、6枚で始めたとしても、フェルナンデス・トレスのデッキは適切なカードのコンビネーションを作ることができれば、それ以上のスピードで動くことが可能であった。

 彼の手札はそこまで爆発的なものではなかったが、《オパールのモックス》、《搭載歩行機械》、そして《電結の働き手》というのは、次のターンに最も脅威となる構築物《電結の荒廃者》が続いたことを考えれば、なかなかに良いスタートだった。

 そして《解放された者、カーン》が現れ《搭載歩行機械》を追放しようとするが、それは荒廃者で生け贄に捧げられて飛行機械となった。フェルナンデス・トレスは返しでアンタップすると《ゲスの玉座》を追加し、カーンを落とした。


アルヴァロ・フェルナンデス・トレス/Alvaro Fernandez Torres

 しかしセヴランはずっとロングゲームをプレイしようとしており、戦場を綺麗にすべく《忘却石》を置いた。しかしフェルナンデス・トレスの《電結の荒廃者》と《溶接の壺》は彼がまだ戦えることを示している。彼はセヴランをライフ7に追い込む攻撃を宣言すると、セヴランは《忘却石》の起動を先送りにすることを選んだ。

 フェルナンデス・トレスは《古きものの活性》を戦闘後メイン・フェイズに唱え、《墨蛾の生息地》を見つけると、終了ステップにセヴランが《忘却石》を起動したのに対応して《電結の荒廃者》を再生した。荒廃者はセヴランのライフを削りきれるアタッカーとして残っており、たとえ《解放された者、カーン》が来たとしても《墨蛾の生息地》にカウンターを置ける状態となった。3ターン目にカーンが出された中でも、フェルナンデス・トレスは勝利を手にしかけていた。

 しかし、セヴランはトップデッキに願っていた《絶え間ない飢餓、ウラモグ》を引き入れたのだった。実況が熱狂したとき、セヴランは静かに「彼らはきっとウラモグを今引きしたのを知ってるだろうね」と言った。

 次のゲーム、フェルナンデス・トレスはまたもダブルマリガンとなったが、ついに《硬化した鱗》からスタートすることができた。一方セヴランはゲーム開始時に《虚空の力線》で先手を取っている。そして彼は時計仕掛けのように2枚のウルザ土地と《探検の地図》を置いた。しかし彼の到達点は《歩行バリスタ》だけで、《硬化した鱗》、《墨蛾の生息地》、《電結の荒廃者》、そして《歩行バリスタ》を持つフェルナンデス・トレスと対峙するには複雑な状況だった。セヴランは新しいカードを探しに行ったが、結局《歩行バリスタ》を10マナ、カウンター5個でプレイした。

 それは荒廃者1体を処理するのには十分だったが、2枚目の《歩行バリスタ》がフェルナンデス・トレスに、セヴランが盤面を一掃する前のひと押しとなった。

 ついに、フェルナンデス・トレスが勝利を手にした。

 第4ゲーム、セヴランが先攻となる。彼にとって不運なことに、これが初めて3ターン目にトロンの揃わないゲームとなったが、2枚の《森の占術》で4ターン目に揃えることができた。これも十分に早く、8マナによって《忘却石》を唱えてすぐ起動を構えられることを意味していた。

 フェルナンデス・トレスは十分に脅威的な軍勢となっていた構築物たちと《電結の荒廃者》で攻撃する前に、2枚目の《硬化した鱗》を出すかどうかという選択肢に直面した。最終的に、フェルナンデス・トレスはカウンター14個を備えた巨大な《ちらつき蛾の生息地》1体にまとめ、セヴランをライフ1に追い込んだ。


トラルフ・セヴラン/Thoralf Severin

 しかし、再度ウラモグがセヴランを救った。その《ちらつき蛾の生息地》と《》を追放し、フェルナンデス・トレスは何もプレイせずにターンを返すことを余儀なくされた。ウラモグがレッドゾーンに送り込まれ、フェルナンデス・トレスは最後のカードを見た。セヴランの友人たちがステージに殺到しようとする中、フェルナンデス・トレスは手を差し出してセヴランのミシックチャンピオンシップ優勝を祝福したのだった。

(Tr. Keiichi Kawazoe)

  • この記事をシェアする