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行弘賢のよくわかる!リミテッド講座

2017.09.28

行弘賢のよくわかる!リミテッド講座 第23回:『イクサラン』発売! 新環境ドラフト攻略

 皆さんこんにちは!

 夏も終わりいよいよ秋が到来してきました。季節の変わり目は風邪をひきやすいので体調管理にはご注意を! 折角の『イクサラン』発売も風邪を引いて楽しめなかったら非常にもったいないですからね!

 さて、今回もいつも通り「新環境リミテッド:発売前ファーストインプレッション」と、「新環境リミテッド:プロツアー後の振り返り」の2本立てで、今回は前編です。

 基本的にはブースタードラフトに関する内容の記事とはなりますが、カードの評価などはシールドデッキでも応用できる点もあるかと思いますので、リミテッドが好きな方のお役に立てたらと思います。

 今週末はチームリミテッドであるグランプリ・静岡2017秋も開催されますので、そちらの参考にもしていただけるかと思います。

 それでは、まずは新環境のファーストインプレッションから見ていきましょう!

1.新環境~『イクサラン』のドラフト

 『イクサラン』3パックを使用します。

ファーストインプレッション

 今回の『イクサラン』のカードリストを見たファーストインプレッションは、以下の3点です。

  • 種族推しであるため、アーキタイプが重要となりそう
  • 強襲が攻めに向いた能力であるため、攻めるアーキタイプが多そう
  • 恐竜は他と比較して重いところを活かすのが難しそう

 順番に解説していきます。


種族推しであるため、アーキタイプが重要となりそう

 今回は恐竜やマーフォーク、海賊等の種族間でシナジーを発揮するカードが多いため、特定の種族に関するカードを集めるいわゆるアーキタイプドラフトが重要となりそうです。

 そのため、色が合ったカードを漠然と集めるのではなく、いつも以上に完成形を見据えて、シナジーを活かしたカードをピックしていく必要がありそうです。


強襲が攻めに向いた能力であるため、攻めるアーキタイプが多そう

 『タルキール覇王譚』ブロックから再録したキーワードである強襲ですが、攻撃することで様々なボーナスを得られる能力であるため、攻めをいかに継続できるかが鍵となります。

 そのため強襲がある青、黒、赤の3色は攻めを意識したアーキタイプになりやすく、環境が攻めを重視したアーキタイプが多くなりそうなので、いかに攻め合うか、攻めを受けるかを考える環境になりそうです。


恐竜は他と比較して重い所を活かすのが難しそう

 一方恐竜は、軽い恐竜は多いものの、全体的に重く環境の攻めのパターンに対応できるか怪しいため、重い構成の恐竜デッキはアーキタイプとして存在できるか怪しそうです。


 ここまでがカードリストを見た最初の感想です。

 基本的には種族で固め、そこから攻めを意識していく環境になりそうなので、デッキを重くしすぎたり、2マナ以下のカードが不足していると防戦一方になってしまうため、低マナのアクションからしっかり動けるデッキを作るようにしたいですね。


 さて、次は『イクサラン』の新キーワード能力について見ていきましょう。

2.収録キーワード能力について

激昂

~にダメージが与えられるたび~。

 「激昂」はクリーチャーにダメージが与えられるたびに誘発する能力です。

 ダメージが与えられさえすれば、解決した際にそのクリーチャーがダメージで死亡し墓地に置かれても能力は誘発します。ただし+1/+1カウンターが置かれるような能力は、ダメージが与えられた後に戦場に残っていなければ置くことができませんのでご注意ください。


探検を行う

(あなたのライブラリーの一番上のカードを公開する。それが土地であるなら、そのカードをあなたの手札に加える。そうでないなら、このクリーチャーの上に+1/+1カウンターを1個置き、その後、そのカードを戻すかあなたの墓地に置く。)

 「探検を行う」はライブラリ―の一番上のカードを公開し、それが土地かそうではないかで効果が分岐する能力で、土地ならば手札へ、それ以外のカードならば探検を誘発させたクリーチャーに+1/+1カウンターを1個置きそのカードをライブラリーの上に置くか墓地に置くか選ぶことができる能力です。

 その性質上、ライブラリー操作やアドバンテージ源にもなり、さらにクリーチャーを強化できる可能性があるため、リミテッドでは強力な能力と言えます。


強襲

このターンにあなたがクリーチャーで攻撃していた場合、~。

 強襲はクリーチャーで攻撃することで能力の条件を満たすことができる能力で、クリーチャーで攻撃していない場合は誘発しない能力です。

 その性質上、クリーチャーがある程度入ったデッキでないと機能しない上に、攻撃しないといけないため、攻めに向いたデッキを構築する必要があります。


3.『イクサラン』の注目のカード

 さて、それではここからは色、レアリティ別(コモン・アンコモン)で、僕が強力だと思うカード・トップ3を挙げていきたいと思います(3枚の中での順位はつけません)。皆さんも最初はカードの強さがいまいちよく分からないと思うので、ぜひ参考にしてみてください。

白・アンコモン

《帝国のエアロサウルス/Imperial Aerosaur(XLN)》:素のサイズが強力かつ、戦場に出たときの飛行と修整付与は目をみはるものがあります。

《アダントの先兵/Adanto Vanguard(XLN)》:実質3/1破壊不能として働くので、2ターン目に戦場に出たときに主導権を握る力はすさまじいものがあります。

《イクサランの束縛/Ixalan's Binding(XLN)》:プレインズウォーカーですら対処できるスーパー除去ですね。同名カード封じも活躍する瞬間がワンチャンスありそうです。

白・コモン

《血潮隊の聖騎士/Paladin of the Bloodstained(XLN)》:戦場に出たときのおまけのトークンが、吸血鬼シナジーも期待できる上に絆魂まで付いている大盤振る舞い。

《縄張り持ちの槌頭/Territorial Hammerskull(XLN)》:攻めに特化した性能ではあるものの、複数並べば除去すら必要とせずに攻めを継続させることができる、非常に強力なクリーチャーです。

《崇高な阻止/Pious Interdiction(XLN)》:ライフゲインが嬉しい優秀な除去です。

青・アンコモン

《順風/Favorable Winds(XLN)》:飛行専用アーキタイプとはなりますが、2マナの全体強化は破格ですね。

《大気の精霊/Air Elemental(XLN)》:マナレシオが素晴らしい飛行クリーチャーです。

《セイレーンの嵐鎮め/Siren Stormtamer(XLN)》:低コストの飛行クリーチャーなので強襲の助けになるだけでなく、その後の自分のクリーチャーを守ってくれる凄いやつです。

青・コモン

《水罠織り/Watertrap Weaver(XLN)》:攻めを継続させるために重要なマーフォーク・クリーチャーです。

《セイレーンの見張り番/Siren Lookout(XLN)》:優秀な探検持ちの飛行クリーチャーです。

《座礁/Run Aground(XLN)》:インスタントタイミングで、アドバンテージを失わずにテンポを取れる強力な除去です。

黒・アンコモン

《板歩きの刑/Walk the Plank(XLN)》:2マナの確定除去の強力さは言わずもがなです! マーフォークにだけは効かないのでご注意を!

《帆凧の掠め盗り/Kitesail Freebooter(XLN)》:クリーチャーとしての質は普通ですが、一時的な《強迫》の能力がついているとなれば話は別です。

《血潮隊の司教/Bishop of the Bloodstained(XLN)》:吸血鬼デッキ専用カードではあるものの、盤面を固めるだけで勝ちに向かえる強力なクリーチャーです。

黒・コモン

《流血の空渡り/Skymarch Bloodletter(XLN)》:戦場に出たときにライフ差を2点開かせる、強力なドレイン付き飛行クリーチャーです。

《弱者成敗/Vanquish the Weak(XLN)》:インスタントタイミングで幅広く除去できる、優秀な除去です。

《依頼殺人/Contract Killing(XLN)》:重いながらも、その後出てくる宝物・トークンが嬉しい確定除去です。

赤・アンコモン

《突進するモンストロサウルス/Charging Monstrosaur(XLN)》:レアスペックの性能を持った非常に強力なクリーチャーです。

《稲妻の一撃/Lightning Strike(XLN)》:2マナながら本体からクリーチャーまで幅広く効果的にプレイできる強力な除去です。

《帆綱走り/Rigging Runner(XLN)》:1マナ域ですが、本領を発揮するのは強襲後の性能になった時。2/2先制攻撃は3マナクラスの性能なので、ぜひ強襲を達成させて戦場に出しましょう。

赤・コモン

《火炎砲発射/Firecannon Blast(XLN)》:3マナながら強襲時は6点までダメージを与えられる、非常に強力な除去です。

《ティロナーリの騎士/Tilonalli's Knight(XLN)》:恐竜デッキ専用カードではありますが、2マナ3/3というだけで非常に脅威です。

《深海艦隊の扇動者/Fathom Fleet Firebrand(XLN)》:パンプアップ能力を持った、使い勝手の良い2マナの海賊・クリーチャーです。

緑・アンコモン

《凶暴な踏みつけ/Savage Stomp(XLN)》:恐竜デッキで使うと強力なのは言うまでもありませんが、他種族で使っても3マナで十分すぎる格闘除去です。

《蔦形成師の神秘家/Vineshaper Mystic(XLN)》:マーフォークデッキ専用カードですが、最悪自身だけでも3マナ2/4と十分な性能を持つ、強力なマーフォーク・クリーチャーです。

《大物群れの操り手/Drover of the Mighty(XLN)》:恐竜デッキで使うと自身も戦闘に加われる優れもの。それ以外でもマナサポートとして優秀なマナクリーチャーです。

緑・コモン

《深根の戦士/Deeproot Warrior(XLN)》:攻撃時は3/3相当になるため、攻めを継続しやすい優秀な2マナ域です。

《川守りの恩恵/River Heralds' Boon(XLN)》:マーフォークデッキ専用カードですが、戦闘後に残る恩恵が大きい、優秀なコンバットトリックです。

《ティシャーナの道探し/Tishana's Wayfinder(XLN)》:探検持ち、かつ優秀なマナレシオを持つマーフォーク・クリーチャーです。


 以上、各色のトップ3でした。

 さて次は、『イクサラン』の注目アーキタイプをチェックしていきましょう!

4.『イクサラン』ドラフトの注目のアーキタイプ

注目のアーキタイプ・その1:青赤海賊

 青赤海賊とは、《深海艦隊の扇動者/Fathom Fleet Firebrand(XLN)》や《セイレーンの見張り番/Siren Lookout(XLN)》などの優秀な海賊クリーチャーに《海賊のカットラス/Pirate's Cutlass(XLN)》を装備し、積極的に攻めるアーキタイプです。

 海賊がいる際に威迫が付く《身勝手な粗暴者/Headstrong Brute(XLN)》や、《セイレーンの見張り番/Siren Lookout(XLN)》など回避能力が多いのが青赤海賊の特徴で、攻めを継続させやすいです。

 ピック段階では《海賊のカットラス/Pirate's Cutlass(XLN)》が流れてきたら目指してみましょう。


注目のアーキタイプ・その2:赤白恐竜

 赤白恐竜とは、《ティロナーリの騎士/Tilonalli's Knight(XLN)》から恐竜・クリーチャーに繋ぎ、2ターン目から強烈なプレッシャーをかけることができる攻めに特化したアーキタイプです。

 赤白恐竜で重要なクリーチャーは、2ターン目最強のアクションである《ティロナーリの騎士/Tilonalli's Knight(XLN)》と、恐竜でありつつ攻め継続に役立つ《縄張り持ちの槌頭/Territorial Hammerskull(XLN)》です。この2枚をひたすら集めていきましょう。

 他にも赤白恐竜ならではの《プテロドンの騎士/Pterodon Knight(XLN)》も4マナ3/3飛行相当なので非常に強力です。


注目のアーキタイプ・その3:青緑マーフォーク

 青緑マーフォークとは、マーフォーク・クリーチャーを《川守りの恩恵/River Heralds' Boon(XLN)》などのマーフォークをバックアップするカードで強化して攻めていくアーキタイプです。

 《翡翠の守護者/Jade Guardian(XLN)》はマーフォークをバックアップするだけでなく、自身に《風と共に/One With the Wind(XLN)》のようなオーラを付けることで対処不能な強力なクリーチャーになることができるため、優先してピックしましょう。

 他にも《水罠織り/Watertrap Weaver(XLN)》や《ティシャーナの道探し/Tishana's Wayfinder(XLN)》など、マーフォークは戦場に出るだけで何らかの効果を及ぼす優秀なクリーチャーが多いため、そのラインアップは非常に優秀です。


注目のアーキタイプ・その4:白黒吸血鬼

 白黒吸血鬼とは、白と黒の吸血鬼と、白と黒の優秀な除去を絡めて戦うミッドレンジアーキタイプです。

 コモンだけではシナジーが薄いため、明確に吸血鬼に行く際はアンコモンの《血潮隊の司教/Bishop of the Bloodstained(XLN)》か《不死の古き者/Deathless Ancient(XLN)》から入ると良さそうです。

 コモンだけの場合は飛行軸で攻め、それを《選定された助祭/Anointed Deacon(XLN)》でバックアップする戦略になります。


5.最後に

 これで今回の記事は終わりです。最後まで読んでいただいてありがとうございました。この記事が少しでも、皆さんが新環境のドラフトを楽しむ助けになれば幸いです。

 プロツアー『イクサラン』後には再度環境の振り返り、答え合わせ編をやりますので、そちらもよろしくお願いします。

 また、プロツアーの前に「世界選手権2017」が開催されるのですが、今回は僕も参加いたしますので、ぜひ応援よろしくお願いいたします。

 それでは皆さん、また次回の連載の記事でお会いしましょう!

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