READING

戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

岩SHOWの「デイリー・デッキ」:ナヤ人間(スタンダード)

岩SHOWの「デイリー・デッキ」:ナヤ人間(スタンダード)

by 岩SHOW

 年末に向けて時が加速しているようにさえ思える今日この頃。ついこの前までハロウィンじゃなかったっけ? クリスマスが目の前に迫りつつあることに動揺を隠せない。

 クリスマスといえば...ナヤカラー(赤緑白)じゃないかな? クリスマス関係のアイテムがこのカラーでまとめられていることが多いのには意味があるという。赤=キリストの血・寛大な愛、緑=永遠の命、白=純潔という意味が込められているという。サンタクロースの服にツリーに雪、自ずと冬をイメージする3色であるが......マジック的にはその真逆、熱帯のジャングルとそこに住まう巨獣、エキゾチックな魔術師たちが思い浮かぶ。ただ古くは《Winter's Night》なんていうまさにクリスマスなカードもあったりするので、このカラーのデッキでホリデーを満喫するのは何ら問題なし!ということで今日はスタンダードにおけるナヤカラーのデッキを見てみよう。

 その前に軽くおさらい。最近のスタンダードにおけるナヤカラーのデッキと言えばコントロール色の強い中速デッキが思い浮かぶ。《先駆ける者、ナヒリ》や《龍王アタルカ》といったパワーカードに恵まれたカラーだったため、これらを叩き付けるパワフルなデッキが多く見られた。

 スタンダードのローテーションにより《龍王アタルカ》を失ってからはわざわざこの3色で組むという理由もなくなり、赤と白は機体デッキとして活躍、緑は他の色と組むことが主流となっていた。そんな現環境で、あえて組まれたナヤカラーのデッキがこれだ。

Glenn Muijen - 「ナヤ人間」
GPT Louisville @ GameForce (Eindhoven) 準優勝 / スタンダード (2016年11月6日)[MO] [ARENA]
4 《
1 《
4 《平地
2 《獲物道
4 《感動的な眺望所
4 《要塞化した村
4 《霊気拠点

-土地(23)-

4 《スレイベンの検査官
4 《サリアの副官
4 《通電の喧嘩屋
4 《ハンウィアー守備隊
4 《不屈の追跡者
3 《ピア・ナラー
3 《優雅な鷺の勇者

-クリーチャー(26)-
4 《蓄霊稲妻
3 《石の宣告
4 《密輸人の回転翼機

-呪文(11)-
2 《大天使アヴァシン
3 《顕在的防御
3 《流電砲撃
1 《石の宣告
3 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン
2 《反逆の先導者、チャンドラ
1 《鋭い突端

-サイドボード(15)-
mtgtop8.com より引用)

 「ナヤ人間」である。人間デッキも前環境では大活躍したビートダウンだ。「白単人間」やそれに《無謀な奇襲隊》を足したデッキは各地のトーナメントで暴れまくっていた。『カラデシュ』参入後はすっかり「赤白機体」にそのポジションを奪われていたが、キーカードである《サリアの副官》は健在なので人間デッキの構築自体に問題はないのだ。

 人間を強化して一気に打点を高め、自身もじわりじわりとサイズを上げる《サリアの副官》が使えるのに、なぜ人間デッキを見なくなったのか? 答えは、ナヤを見かけなくなったのと同じ......ローテーションによる戦力ダウンだ。白単タイプは、小型の人間をガンガン展開してそれを《サリアの副官》《永遠の見守り》で強化して殴り切るデッキである。大事なのは序盤に展開できるクリーチャーの数。ローテーションによって、この1マナ域を務めるパワー2のクリーチャーの数が減ってしまった。《ドラゴンを狩る者》と《アクロスの英雄、キテオン》のことだ。まあ《ドラゴンを狩る者》は他のカードでもカバーできるのだが、キテオンの替えはそんじょそこらの1マナクリーチャーではきかない。

 また人間デッキと言えば、渡辺雄也が使用しグランプリを勝ちまくった「バント人間」も忘れちゃいけない。このデッキもまた《集合した中隊》というキーカードを失ったことで消滅。インスタントタイミングで飛び出す《反射魔道士》、無茶苦茶だったなぁ......。

 とにもかくにも人間デッキはその戦力をダウンさせてしまったことは事実である。が、マジックというゲームはそのほとんどのセットに人間カードが含まれている。『カラデシュ』でも新たな能力を持った人間が登場、このデッキでは《ピア・ナラー》と《通電の喧嘩屋》を採用している。

 特に《通電の喧嘩屋》はパンチ力のある2マナ域として、すでに赤緑のビートダウンで活躍中。2マナ3/2として戦場に出ておきながら、4/3トランプルとして2回攻撃できるハードパンチャー。《蓄霊稲妻》《霊気拠点》でエネルギーを供給してやれば3回目以降の攻撃もそのスペックで臨めるため、相手にするとなかなかに厄介なクリーチャーだ。このデッキはおそらく、この《通電の喧嘩屋》のパンチ力を《サリアの副官》と、もう1枚のカードで伸ばしたいという意図で作られたのだろう。

 その1枚とは《優雅な鷺の勇者》だ。この勇者は戦場に出た際に、ターン終了時まで他の人間を+1/+1して絆魂を付与する。多少のライフ差は簡単にひっくり返してくれる能力で、これと元々の打点が高い《通電の喧嘩屋》が絡むと......その破壊力はお察しの通り。このデッキにはさらに、この勇者と相性の良い《ハンウィアー守備隊》も採用されている。

 これが生成するトークンも人間であり、攻撃時に飛び出すこのトークンを、瞬速を活かして強化してやれば......気持ちよくなれること間違いなし。2ターン目《通電の喧嘩屋》、3ターン目《ハンウィアー守備隊》、4ターン目《優雅な鷺の勇者》と3体のクリーチャーを展開するだけで4ターン目までに合計16点ダメージ!&12点回復! 「ナヤ人間」恐るべし。

 もちろん、3色デッキにすることでマナのトラブルが発生しやすいなどの短所も併せ持ってしまうので、それだけは覚悟していただきたい。このデッキではそれを少しでも緩和できる、現在のスタンダードの2マナ域最強のカードである《密輸人の回転翼機》をしっかりと採用している。

 これで3色のマナベースをしっかりと築き上げつつ、人間たちが最後の押し込みで削り切れるまでライフを減らしておきたい。《スレイベンの検査官》なんかはもっぱらこれに乗ることが仕事だが、《優雅な鷺の勇者》で少しでも回復したいなんて時には他の人間に混じって全軍突撃することもあるだろう。

 現環境のスタンダードで上位に君臨するデッキ相手に立ち向かえるのか?と問われると何とも言えないが......そこは綺麗に回った時の爽快感重視ということで! のんびりホリデーマジックを楽しむには、こういう派手なデッキがオススメだ。

  • この記事をシェアする

RANKING

NEWEST

CATEGORY

BACK NUMBER

サイト内検索