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第66回:週末はマジックセレブレーション!と、パーマネントと領域(その2)
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ウィザーズプレイネットワーク通信
ご注意:本記事は掲載当時の情報をもとに制作されたものです。現在の制度・プログラムと異なる場合がありますので、最新の情報は ウィザーズプレイネットワーク 公式サイト を必ずご確認ください。
2011.09.06
WPN通信 #66:週末はマジックセレブレーション!と、パーマネントと領域(その2)
こんにちは。ウィザーズプレイネットワーク日本担当の宮坂です。
この原稿を書いている現在、わたしはマジックウィークエンド・フィラデルフィアの会場に滞在しております。つい先ほど、盛大な拍手で勝者が称えられた瞬間を目の当たりにしました。仕事・・・と見せかけて、たまりにたまった代休を消費がてらバカンスにかこつけて大好きなマジックのイベントに遊びに来たというのが真相です。この記事が掲載されるころには、シアトル本社で仕事していますけれども。バカンスからの出張ですね。
このフィラデルフィアでのトピックと言えば、モダンの正式採用でしょう。プロツアーが開幕するまではどうなることかと危惧していた部分もありましたが、ふたを開けてみればとても楽しそうであったり、バラエティに富んでいたりと、良い変更だったのではないかと感じています。スイスのモダンラウンドで好成績を収めたデッキはもちろんのこと、プレイオフに進出した各選手が使っていたデッキも千差万別で、見ている側としては楽しい環境でした。
実際にプロツアーに参加した選手のみなさんに「構築フォーマットがモダンに変わったことについてどう思うか」というインタビューをしてみましたが、どちらかと言えば好意的な意見が多かったですね。少なくとも《石鍛冶の神秘家》《精神を刻む者、ジェイス》だらけのエクステンデッドよりは良かった、という人が多かった。なにより「全員が同じスタートラインからマスターピースを探している」ということに対して、やる気を持っているプレイヤーが多かった。みんなで作ったトーナメント環境という部分に関しては、疑いようがないですね。
今後はプロツアー・フィラデルフィアの結果をベースに、新しいデッキが生まれたり、既存のデッキがより性能のいいデッキに改良されたりといった、一つ上のステージでの戦いが繰り広げられていくことでしょう。
決勝ラウンドは、日本勢のみなさんと一緒に会場の大きなモニターの前で中島さんを応援する勢の一人でした。惜しくも準決勝で敗退してしまいましたが、中島さんの勇姿にはたいへん元気づけられました。同年代として、中島さんにはこれからもがんばって欲しいし、若い子が頑張るのと同じくらい、長くずっとプレイしている人たちが活躍するシーンも見ていたいなあと思います。
みなさんすでにご存じでしょうが、フィラデルフィアを制したのは赤青双子デッキでした。このフレーズは、僕らが大好きなスタンダードでよく聞きますね。スタンダードを制する者は、世界も制するのかもしれません。
決勝戦が終わり、閉会式が終えるとすぐに、さっきまで高額な賞金とプライドがかかった試合で真剣勝負をしていた選手たちが、仲間の所へ駆け寄り「それじゃチームドラフトしようぜ」と声を掛け合ってすぐさまドラフトをしていたのが印象的でした。プロツアー最終日と言えばチームドラフトしているプレイヤーを多く見かけるのは恒例ですが、彼らもまたマジックジャンキーであったな、と。
さて、前日予選、エントリー日から数えて 4 日間にわたったフィラデルフィアのイベントもそろそろ終わりを迎えるようです。すでに会場では撤収作業が始まっていて、朝からずっとプレイヤーの募集をしていた併催イベント本部でも、新たなイベントの募集は行われなくなりました。祭りが終わる瞬間というのは、いつ見てもさみしいです。
この原稿を収めたあとは、フィラデルフィアがある東海岸から西海岸へとアメリカ大陸を横断して、シアトル本社へ移動する予定です。よりよいイベントを全国の店舗を通じてみなさまにお届けできるよう、アメリカの同僚たちと今後の課題について喧々囂々と、今週は顔をつきあわせながらミーティングを重ねる毎日を送る予定です。
より楽しい、よりドラマティックなイベントをみなさまにご提供できるよう頑張っていきますので、今後もよろしくお願いいたします。
9/10 はマジック・セレブレーションが開催されます
今週末 9/10 は、マジック・セレブレーションがいよいよ開催されます。
マジック・セレブレーションは、デジタルゲーム「デュエルズ・オブ・ザ・プレインズウォーカー」(以下 DoP)でマジックを始めたプレイヤーに「リアル」マジックを知ってもらうとともに、既存のプレイヤーもいっしょに楽しんでもらおうというコンセプトで開かれる参加費無料のイベントです。
DoP のプレイヤーは、マジック・セレブレーションに参加することでもらえる「コード・カード」で、DoP 内でアイテムを入手することができます。(お詫び9/10:お知らせしていた内容に誤りがあり、コード・カードをお渡しできないことになりました。主催者、プレイヤーの皆さまにご迷惑をおかけしたことを深くお詫びいたします。(編集))
また、当日「基本セット 2012 イベントデッキ」を店頭で購入された方には、非売品の T シャツをプレゼントいたします。コードカード、T シャツともに数に限りがありますので、無くなり次第配布は終了となります。
マジック・セレブレーションのメインイベントは「ミニマスター」となります。mtg-jp の読者向けにはパックウォーズと説明したほうが通りがいいでしょうか。ブースターパック一つと基本土地 15 枚(各種 3 枚ずつ)を受け取り、両者のカードを混ぜてデッキとしてゲームをスタートします。
各マッチはパックマッチとなっており、対戦に勝利したプレイヤーはブースターパック一つを受け取ります。勝者はこのブースターのカードをデッキに追加して「進化」させることができます。最大スイス 4 回戦のイベントとなりますので、最後まで勝ち続ければ最初にもらうブースターとあわせて、5 つのブースターを無料で手に入れることができます。デッキを進化させた場合は、ブースターからのカード、基本土地を合わせて 40 枚以上でデッキを構築してください。基本土地の枚数は 15 枚より増やすことができますし、その種類に制限はありません。
イベント運営に慣れている店舗の場合は、無料のブースターは 36 人分のキットが提供されていますので、最大 36 人までが参加できるイベントとして運営してもよいですが、参加希望者が 16 人集まるごとに 4 回戦のイベントを開始する方法をおすすめしています。希望者が 16 人よりも少ない場合は、3 回戦で行ってください。参加者はマッチの勝敗によらず次のラウンドを戦うことができます。キットに余裕があるかぎり、二つ目、三つ目のイベントを開始してください。
二つ目以降のイベントは、カジュアル・リミテッドのイベント番号を取得して参加者の報告をおこなってください。
無料で、手ぶらで参加できる上に、ブースターに基本土地を混ぜるだけだからデッキ構築のやり方を知らなくても気軽に遊べるミニマスター形式で開催されるマジック・セレブレーションは、デジタルとリアルそれぞれのプレイヤーをつなぎ合わせるイベントとなるでしょう。DoP 出身のプレイヤーを月末に開催される「イニストラード」プレリリースや発売記念パーティ、フライデーナイト・マジックといったリアルマジックへお誘いするのもいいかもしれませんね。
自宅の近所でマジック・セレブレーションが開催される店舗を知りたい人は、イベント検索ボタンをご利用ください。
WPN電話対応休業のお知らせ
担当者がアメリカ本社出張のため、電話対応につきましては 9/1 から 9/15 まで休業いたします。メールでのお問い合わせにつきましては、通常通り対応しておりますので、気軽にご相談ください。
パーマネントと領域(その2)
前回に引き続き、各領域の解説です。
ライブラリー領域
ゲームが開始される時、各プレイヤーのデッキはライブラリーとなります。ライブラリーは裏向きの一つの束でなくてはいけません。プレイヤーは勝手にライブラリーの順番を変えたり、中身を見ることはできません。一方、ライブラリーに残されているカードの枚数はいつでも数えることができます。
ある効果が2枚以上のカードを同時にライブラリーの上(または下)に置くように指示している場合、それらのカードのオーナーは、ライブラリーの上(または下)に置く順番を好きなように決めることができます。その「戻した順番」は公開する必要がありません。
効果がライブラリーの一番上のカードを公開するようにしたり、一番上のカードを見ることを許可することがあります。
呪文が唱えられる手順の間に、ライブラリーの一番上のカードが変化した場合、例え前述のような効果があったとしても、呪文が唱えられる手順が完了するまでは、次のカードが公開されたり見たりすることはできません。呪文でなく能力であった場合でも同様です。
また、ある効果が「ライブラリーの上からN番目」にカードを置くと指示してあり、ライブラリーの枚数がN枚以下であった場合、そのカードはライブラリーの一番下に置かれます。
手札領域
手札はプレイヤーが引いたカードを持っておく場所です。引くこと以外によってもカードが手札に加えられることがあります。手札の上限は通常7枚ですが、効果により上下することがあります。プレイヤーは何枚でも手札を持つことができますが、クリンナップ・ステップの間に、上限を超える枚数のカードを捨てなくてはいけません。
手札領域は各プレイヤーにあり、プレイヤーは自分の手札にあるカードを好きなだけ見たり、並べ替えたりすることができます。自分以外のプレイヤーの手札を見ることは通常できませんが、何枚あるかは数えることができます。
戦場領域
主にカードのやりとりを行うのが戦場です。戦場は最初は空です。プレイヤーがコントロールするパーマネントは、通常そのプレイヤーのそばに置かれます。
パーマネントが戦場に出ると、それは新しいオブジェクトとして扱われます。物理的に同じカードであったとしても、やはりそれは新しいオブジェクトです。(これには前回の記事で紹介した6つの例外があります)
古いカードには「場/in-play」と書かれている場合がありますが、それらは全て「戦場/battlefield」と読み替えられます。
墓地領域
墓地は捨て札の山を指します。オブジェクトが打ち消されたり、捨てられたり、破壊されたり、生け贄に捧げられたりすると、それは墓地の一番上に置かれます。解決の終わったインスタンド呪文やソーサリー呪文も、墓地の一番上に置かれます。
墓地は最初は空です。墓地は表向きの一つの束でなくてはいけません。墓地のカードを見ることはいつでもできますが、順番を変えることはできません。しかし、認定大会のルールによっては、墓地の順番を好きに変更することができることもあります。(具体的には、ウルザズ・サーガ以前のカードが使用可能な形式では、墓地の順番が影響するカードが存在するために、墓地の順番を勝手に変えてはいけません。より新しいセットのみを使用する形式――たとえば、現在のスタンダード構築戦やマジック2012のドラフトなど――では、墓地の順番を好きなように変えることができます)
2枚以上のカードが同時に墓地に置かれる場合、それらのカードのオーナーは、墓地に置く順番を好きなように決めることができます。
スタック領域
呪文が唱えられると、それは物理的にスタックに置かれます。能力が起動されたり誘発したりした場合も、カードそのものを乗せるわけではありませんが、スタックに置かれます。
スタックは、そこに加えられた呪文や能力の順番を記録しています。オブジェクトがスタックに積まれる場合、それはすでに積まれているオブジェクトの一番上に積まれます。
複数のオブジェクトが同時にスタックに積まれる場合、まずアクティブ・プレイヤーのコントロールしているオブジェクト全てを好きな順番でスタックに積み、その後はAPNAP順に同じ事を行います。
呪文は、そのカードが持つ特性をすべて持ちます。一方、スタックにある起動型能力や誘発型能力はそのテキストだけを持ち、その他の特性は持ちません。
例を出しましょう。呪文として唱えられた《ショック》は、スタック領域にあります。このオブジェクトは《ショック》の特性を全てもっているので、マナ・コストは{R}ですし、色は赤です。
一方、《ゴブリンの投火師》の能力を起動した場合、その起動型能力がスタックに積まれます。このオブジェクトは「{T}:プレイヤー1人を対象とする。ゴブリンの投火師はそのプレイヤーに1点のダメージを与える。」というテキストのみを持ち、その他の特性は持ちません。
呪文のコントローラーは、それを唱えたプレイヤーです。
起動型能力も同様に、それを起動したプレイヤーがコントローラーとなります。
誘発型能力は少し異なり、遅延誘発型能力以外の誘発型能力は、それが誘発した時点で発生源をコントロールしていたプレイヤーです。遅延誘発型能力の場合は CR603.7d-f を参照してください。
全てのプレイヤーが続けてパスしたとき、スタックの一番上(つまり、最後に積まれた)呪文や能力が解決されます。全てのプレイヤーがパスしたときにスタックが空なら、現在のフェイズ/ステップは終了し、次のフェイズ/ステップが始まります。
スタックを使用しないもの
マナ能力をはじめ、スタックを使用しない出来事や行動があります。
・マナ能力は即座に解決されます。マナ能力にマナを出す以外の効果がある場合、マナが生成され、即座に他の効果も起こります。プレイヤーがマナ能力を起動する前に優先権を持っていた場合、その解決後に優先権を持ちます。
・「土地をプレイする」「裏向きのパーマネントを表向きにする」などの特別な行動(CR115)は、スタックを用いません。それらは即座に発生します。
・常在型能力はスタックを用いません。それは継続的に効果を発生させます。
・ターン起因処理はスタックを用いません。(以前の記事を参照)
・状況起因処理はスタックを用いません。プレイヤーは優先権を得る前に、条件が満たされていたのならば、処理されます。
・プレイヤーはいつでもゲームを投了することができます。これはスタックを用いません。投了したプレイヤーは即座にゲームから離れます。
追放領域
追放領域はオブジェクトを保持する領域です。単に追放されて追放領域に置かれる場合や、一時的に追放領域に置き、後で該当する領域に戻る場合もあります。
オブジェクトを追放する、とは、そのオブジェクトを追放領域に移動させることを指します。追放されたカードとは、追放領域に移動されたカードを指します。追放されたカードは通常は表向きで、全てのプレイヤーに公開されます。効果によっては裏向きで追放されているカードが作成される場合もあります。そのような場合、文章によって許可されていない限り、どのプレイヤーでもその表側を見ることはできません。
追放されたカードで戦場やその他の領域に戻る可能性のあるカードは、どのように追放されたかを区別するために、別々の束に置くべきです。例えば、複数の《忘却の輪》によって追放されたそれぞれのカードは、どの《忘却の輪》で追放されたかを明確にするために、別々に置いておくべきです。
カードを追放する能力と、「追放されたカード」あるいは「~~によって追放されたカード」を参照する別の能力とが同じオブジェクトに書かれている場合、これらの能力は関連しています。2つ目の能力は、1つ目の能力によって追放されたカードのみを参照します。
まれにしか起こりませんが、追放領域にあるオブジェクトが「追放される」場合、それは領域を移動しませんが、それでも新しいオブジェクトとして扱われます。
統率領域
統率領域は特殊な領域であり、ゲーム全体に影響を及ぼす効果を持つオブジェクトが置かれる場所です。統率領域にあるオブジェクトはパーマネントではありません。また、破壊されることもありません。
通常のマジックのゲームでは、紋章のみが統率領域に生成されます。
次元マジック、ヴァンガード、統率者戦、魔王戦といったカジュアル変種ルールでは、統率領域に様々なカードが置かれることになります。
領域については、CR400も参照してください。
それでは、今回の出題。
問 1
次のうち、正しい事柄が書かれている文章を選べ。(複数回答可)
a) 公開領域にあるカードは、例外なく全てのプレイヤーがその表を見ることができる。
b) 戦場領域は「自分の場」「相手の場」というように、各プレイヤーに存在する。
c) 追放されたカードはゲームの外部にある。
d) マジック2012のみを用いたシールド戦では、墓地にあるカードの順番を自由に変えても良い。
e) パーマネントは「タップ/アンタップ」「反転/非反転」「表向き/裏向き」という3つの位相のみを持つ。
問 2
A と B が対戦している。
A は《ワームとぐろエンジン》が戦場から墓地に置かれることによってできた、絆魂能力を持つワーム・トークンと、接死能力を持つワーム・トークンを1つずつコントロールしている。
B は、絆魂能力を持つワーム・トークンを対象に、《大渦の脈動》を唱えた。
さて、《大渦の脈動》が解決されると、接死能力を持つワーム・トークンはどうなるだろうか?
問 3
プロツアー・フィラデルフィアで採用された新しい構築形式、それが「モダン」である。
さて、この「モダン」構築形式を一般店舗大会で申請して行いたい場合、
今現在(2011年9月6日)申請できる形式は何になるだろうか?
問 4
プレイヤー P と Q がゲームをしている。
P は《ガラクの大軍》をコントロールしていて、ライブラリーの一番上が公開されている状態である。
P のライブラリーは以下のような順番になっている。
今は P のターンの戦闘前メイン・フェイズである。
P はこの状態で《思案》を唱え、それは無事に解決された。
P は《島》と《マナ漏出》と《極楽鳥》を見て、《島》をライブラリーの一番上に置いた後で《極楽鳥》をその上に置き、さらに《マナ漏出》をその上に置いた。P はライブラリーを切り直すことは選択せずに、カードを1枚引いた。《思案》の解決が終わり、P は優先権を得て次の行動を考えた。
さて、今の P の一連の動きによって、「対戦相手の Q が見ることができているカード」を次の中から選べ。(複数回答可)
1) 元は1番上にあった《島》
2) 元は2番目にあった《マナ漏出》
3) 元は3番目にあった《極楽鳥》
4) 元は4番目にあった《森》
ライター:testing愛知在住のレベル 2 ジャッジ。ルールに造詣が深い氏のブログ closet belief 2 では、おもにルールにまつわる役立つコラムが掲載されることが多く、毎週金曜日に掲載される Friday Magic Quiz を毎週楽しみにしているファンも多い。
本コラム Formal Magic Quiz は、氏のブログで連載されている Friday Magic Quiz への氏によるオマージュであることは疑いようがない。どちらも略称 FMQ としてお楽しみいただければ。
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それでは、また来週。
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