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木曜マジック・バラエティ

射場本正巳の「カジュアルマジックのススメ」 最終回?ホリデーデッキを作ろう!?

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木曜マジック・バラエティ

2012.12.13

射場本正巳の「カジュアルマジックのススメ」 最終回~ホリデーデッキを作ろう!~

by 射場本 正巳


○ホリデーシーズン到来!

 早いものでもう師走! 日本ではクリスマスに正月と年末年始もすぐそこですね。

thanksgiving.jpg

 アメリカでは一足早く11月のサンクスギビングからホリデーシーズンが始まりました。

 サンクスギビングは11月の第4木曜日にある国民の祝日で、親戚一同が集まってターキーを食べる日です。何でわざわざパサパサのターキーを食べるんだという気もしますが、それをいかにジューシーに仕上げるかが腕の見せ所だそうで、夜中のうちからじっくりと焼き上げるのなどみんな情熱を注いでいます。

 もともとはヨーロッパから来た移民がインディアンの助力によって農耕に成功し、その収穫を祝って行われたものが起源といわれていますので、その当時の食べ物でお祝いをするのが風習なんですね。日本で言うおせちと一緒の感覚のようです。

 おせちと言ったようにサンクスギビングは日本の正月みたいなもので、その週末は家族で集まってずっとターキーを食べてる感じです。翌日金曜日が初売りに相当するブラックフライデーというのも正月っぽいですね。(ちなみにこっちは新年は元日のみしか休みがなく、2日からいきなり仕事始めだったりします。)

 ホリデーシーズンのもう一つの山場はクリスマス。全員が全員にプレゼントを贈るというプレゼント贈り合戦が繰り広げられるのでクリスマス商戦は本当に戦争です。分け合ったりせずに個人を尊重するのがアメリカらしいですね。

 最近ではアメリカでも若者の宗教離れが進んでいるようで、クリスチャンでも教会へは行ったり行かなかったりのようですが、それでも教会は日本の寺社のごとく街中のいたるところにあるので、初詣にいく感じで気がむいたら行くみたいですね。

 そしてウィザーズ社員にとってホリデーの楽しみといえば「ホリデーカード」を忘れてはなりません!

holiday_cards.jpg

 2006年から始まったこのホリデーカードは「アン」セットのような銀枠のお遊びカード。どれも普通には遊ぶ機会がありませんが、せっかくのホリデーなんだからホリデーデッキを作ってやりたくなるのも人情ってものですね。

2006_holiday.jpg

2006年

〈Fruitcake Elemental〉

{1}{G}{G}

クリーチャー -- エレメンタル

Fruitcake Elementalは破壊されない。

あなたのターン終了時に、Fruitcake Elementalはあなたに7点のダメージを与える。

{3}:プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーはFruitcake Elementalのコントロールを得る。

7/7


2007_holiday.jpg

2007年

〈Gifts Given〉

{3}{U}

インスタント

対戦相手1人を対象とする。そのプレイヤーのライブラリーから異なる名前のカードを4枚探し、それらを公開する。そのプレイヤーはそれらのカードから2枚を選ぶ。選ばれたカードをそのプレイヤーの墓地に置き、残りをあなたの手札に加える。その後、そのプレイヤーは自分のライブラリーを切り直す。


2008_holiday.jpg

2008年

〈Evil Presents〉

{3}{B}

ソーサリー

対戦相手1人を対象とする。あなたの手札にあるクリーチャー・カード1枚を、そのプレイヤーのコントロールの下で場に出す。そのクリーチャーは可能なら毎ターン攻撃し...常にそのコントローラーを攻撃する。


2009_holiday.jpg

2009年

〈Season's Beatings〉

{R}{R}{R}{R}

ソーサリー

Family gathering ― プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーのコントロールする各クリーチャーは、無作為に選んだそのプレイヤーのコントロールする他のクリーチャー1体に、自身のパワーに等しい点数のダメージを与える。


2010_holiday.jpg

2010年

〈Snow Mercy〉

{2}{W}{W}

氷雪エンチャント

クリーチャー1体があなたにダメージを与えるたび、そのクリーチャーの上に球体カウンターを1個置く。

{T},{Q},{T},{Q},{T}:球体カウンターが置かれているすべてのクリーチャーをタップする。


2011_holiday.jpg

2011年

〈Yule Ooze〉

{2}{R}{G}

クリーチャー ― ウーズ

あなたのアップキープの開始時に、他の土地でないパーマネントを1つ無作為に選んで破壊する。その後、そのパーマネントの点数で見たマナ・コストに等しい数の+1/+1カウンターをYule Oozeの上に置く。

{R}{G},食べ物を食べる:Yule Oozeを再生する。

1/1


 と、いうわけで今回は、これらホリデーカードを題材にして統率者デッキを一から作ってみたいと思います。


○ホリデーっぽいデッキって何だ?

 まずホリデーから連想することを考えましょう。

 名前のまま《聖なる日》(Holy Day)は入れるとして、そのほかに考えられるものは、

 収穫・祭・祝・宴・雪・天使・星・願い・休息・贈り物・人形

 などなどでしょうか?

 今回はそういうキーワードのつくカードを多めに集めていきたいと思います。


○統率者は何にする?

 次にデッキの統率者を決めましょう。全部のホリデーカードを入れてあげたいので統率者は5色の伝説のクリーチャーがほしいです。ぱっとみてホリデーに関連しそうなのは・・・

 王様や女王様もありですが、ここは一番人間っぽい《アラーラの子》にしましょう。

 《アラーラの子》の能力は土地以外を全部破壊ですので、〈Fruitcake Elemental〉ともかみ合っているように見えますね。生け贄に捧げる手段さえあれば好きなタイミングでボードをリセットできるので面白そうです。


○統率者からデッキをイメージする。

 では、この統率者の特徴から相性のいいカードを考えましょう。

 まずボードリセットをしてしまうのでシステムやマナの基盤は土地に頼ったほうがいいでしょう。マナ加速や土地サーチを入れることにします。(この際大量土地破壊呪文は見なかったことにしましょう。大丈夫、きっと《ハルマゲドン》は打たれない。)

 さらに破壊効果に耐性のあるパーマネントや、破壊されたときに威力を発揮するカードを採用します。

 また、《アラーラの子》の能力は墓地に行かないといけないので、統率者の能力で統率領域に戻すと発動しないことに注意しなければいけません。

 好きなタイミングで墓地に送るためにインスタントタイミングでクリーチャーを生け贄に捧げる能力を用意します。

 そして、一度墓地に行った《アラーラの子》をもう一度使うために、リアニメイトや墓地のクリーチャーを追放する能力で統率者能力を発動させることにしましょう。

 そんな感じでパーツを揃えて、出来上がったデッキはこちら。

統率者:アラーラの子[MO] [ARENA]
5 《冠雪の平地
3 《冠雪の島
3 《冠雪の沼
3 《冠雪の山
12 《冠雪の森
1 《統率の塔
1 《ジャングルの祭殿
1 《神無き祭殿
1 《ムーアランドの憑依地
1 《ヴォルラスの要塞
1 《高級市場
1 《ファイレクシアの塔

-土地(33)-


1 《桜族の長老
1 〈Fruitcake Elemental〉
1 《聖遺の騎士
1 《彼方地のエルフ
1 《ファーティリド
1 《自然の伝令、イェヴァ
1 〈Yule Ooze〉
1 《憤怒
1 《願いのジン
1 《ブリン・アーゴルの白鳥
1 《真面目な身代わり
1 《愚鈍な自動人形
1 《ファルケンラスの貴種
1 《起源
1 《ぬいぐるみ人形
1 《絶滅の王
1 《スリヴァーの女王
1 《スリヴァーの首領
1 《刈り取りの王
1 《大渦の大天使
1 《概念の群れ
1 《映し身人形
1 《聖別されたスフィンクス
1 《収穫するものテネブ
1 《明けの星、陽星
1 《ゼンディカーの報復者
1 《静穏の天使
1 《大渦の放浪者
1 《Infernal Spawn of Evil
1 《希望の天使アヴァシン
1 《Infernal Spawn of Infernal Spawn of Evil
1 《大祖始

-クリーチャー(32)-

1 《アラーラの子

-統率者(1)-
1 《輪作
1 《北方行
1 《不屈の自然
1 《遥か見
1 《中休み
1 《森の知恵
1 《ガイアの祝福
1 《耕作
1 《はるかなる放浪
1 《木霊の手の内
1 《原初の成長
1 《明日への探索
1 《願い事
1 《全ての太陽の夜明け
1 《師範の占い独楽
1 《太陽の指輪
1 《マイコシンスの水源
1 《彩色の灯籠
1 《ダークスティールの鋳塊
1 《イシュ・サーの背骨
1 〈Evil Presents〉
1 《ネクロマンシー
1 《死体のダンス
1 《その場しのぎの人形
1 〈Season's Beatings〉
1 《冒涜の行動
1 〈Gifts Given〉
1 《リスティックの研究
1 《聖なる日
1 《剣を鍬に
1 《聖別された葡萄酒
1 《価値ある理由
1 《奉納
1 〈Snow Mercy〉

-呪文(34)-

 せっかくの5色デッキなので普段なかなか一堂に会する機会のない5色クリーチャーも多めに投入。

 ホリデーっぽい名前のカードや、ホリデーっぽいイラストも集めてみました。

 最初はどうなることかと思いましたが、ホリデーって言うあいまいなキーワードでも意外とデッキになるものですね。

 まだまだ作りたてなのでもっとホリデーっぽいカードがあったらドンドン入れ替えていきたいところ。もちろん今年のホリデーカードが発表されたらすぐに投入ですね。どうせならホリデーカードで統率者になる5色の伝説のクリーチャーがほしいところですが、はたして???

<編集より> ちょうど今日、2012年のホリデーカードが公開されました!(リンク先は英語記事) 今回は初めての...分割カードです!

2012_holiday.jpg

〈Naughty〉

{1}{B}{B}

ソーサリー

他のプレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーのライブラリーからカードを1枚探し、それをあなたの手札に加える。その後、そのプレイヤーのライブラリーを切り直す。

〈Nice〉

{1}{W}{W}

ソーサリー

他のプレイヤー1人を対象とする。あなたのライブラリーからカードを1枚探し、それをそのプレイヤーの手札に加える。その後あなたのライブラリーを切り直す。



○終わりに

 さて、毎回ぬるーくマジックを遊ぶ記事を紹介してきましたがこの連載も今回で終了となります。

 僕のほうは相変わらずまったりとマジックと付き合っていきますので、いつかどこかで見かけたらマジックやろうよとお声かけ下さい。いつでも統率者戦できるようにデッキ用意しておきます!

 それでは、1年ちょっとの間でしたがありがとうございました。

 またどこかでお会いしましょう!

(編注:本記事内のホリデーカードのルールテキストは参考訳です)

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