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射場本正巳の「カジュアルマジックのススメ」 第7回:もっと気軽に統率者戦?モダンコマンダー
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木曜マジック・バラエティ
2012.04.05
射場本正巳の「カジュアルマジックのススメ」 第7回:もっと気軽に統率者戦~モダンコマンダー
こんにちは!
前回、統率者のデッキ作りについてお送りしましたが、そもそもデッキを組もうにも基本のカードが手に入りにくくて敷居が高いという障害もありますよね。
僕も最初は「カードが全然足りないんだろうな」ってイメージが先行して、食わず嫌いなところがありました。
ただ、やってみると意外とそういうカードはなくても楽しめるものです。
これは周りの環境によるところが大きいと思うのですが、僕のやっている地域は超カジュアル環境で、コブシで語るようなコミュニケーションが大好きなので、コンボに特化して最速でゲームを終わらせるようなデッキを作ってこない、というのが大きいですね。コンボ特化でなければ最序盤のマナ加速や各種チューター、フェッチランド&デュアルランドがそんなに重要じゃなくなってきますからね。
しかし地域によっては《Mana Crypt》やデュアルランドは当たり前。《Timetwister》など入手の難しいカードも普通に使われていたりします。そういったカードを見ると敷居が高いなあと感じるのは仕方ありませんよね。
日本語版以前のカードやポータル系のカードは今から気軽に集めるにはちょっと手が出しにくいものですし、気軽にはじめるならもっと手の届きやすいところからがいいですね。
では、ヴィンテージのような広いカードプールではなく、もう少し手の出しやすいカードプールにしてみたらどうでしょうか?
かつてジャパン・クラシックなるフォーマット(使用できるのは「日本語版が存在するカード」のみ)がありましたが、第4版以降でも今となっては遠い昔。日本語とはいえポータル三国志のカードは入手難易度も高いので向いていませんね。
そこで、ある程度広いカードプールでなおかつそこまで入手難易度が高くないものとして、今回は「モダンフォーマットの統率者戦」をオススメしたいと思います。
モダン統率者戦の範囲は、通常のモダン構築と同様にカードプールを第8版以降の基本セット、ミラディン以降の拡張セットとします。ただし、制限禁止カードは通常の統率者戦のそれにならいます(と、いってもほとんどがモダン以前のカードなのであまり多くはありません)。
そしてモダンに限定することでよりカジュアルな環境に近くなるという利点があげられます。急激なマナ加速やチューター(教示者)系のカードが減ることでゲームスピードがぐっと抑えられ、即死コンボを狙うか妨害するかということに集中するのではなく、本来カジュアルな統率者戦の求めるまったり遊ぶことが可能になるのです。
始めて間もないのに、序盤にタップインランドを置いていたらロケットスタートした相手に無限コンボ決められて何もすることなくゲームが終わった、では切なすぎますからね。どうせならもう少しみんな同じ土俵で戦えるようになるといいですよね。
でもモダンになったらカードプールが減ってしまって構築できないんじゃないの? と思うかもしれません。
確かに通常の統率者戦に比べればカードプールは約半分と圧倒的に少ないです。とはいえ、統率者候補となる伝説のクリーチャーは250種以上ありますし、使えるカードも6000種類以上と思った以上に広いので、十分デッキ構築の楽しみは味わえるのではないかと思います。
また、通常のモダンフォーマットとも違ってデッキ内のカードの種類が多いので、多人数戦はちょっと・・・と思ってる方も試しにやってみると、新たなコンボの発見などができるかもしれませんよ。
○モダン統率者戦の環境
さて、ではそんなモダン統率者戦環境とはどういったものなのでしょうか?
普段の統率者戦と比べてまずはマナ加速しにくくなることがあげられます。払ったコスト以上にマナの増える《Mana Crypt》や《太陽の指輪》といったアーティファクトがないので序盤のロケットスタートパターンが減り、一方的なゲーム展開が少なくなります。緑以外は「印鑑」系のアーティファクトに頼ることになるので2マナ以降の加速が一般的になり、セットアップに時間を要するようになります。
また《Demonic Tutor》や《適者生存》などがなく、チューター系カードの性能が大幅に低下するのでコンボの安定性が下がり、結果的にランダム性の上がったゲームが楽しめます。最序盤からコンボを恐れる必要がないので序盤にゆっくりセットアップでき、やりたいことをまったくやれずにゲーム終了ということも少なくなります。
このように書くとモダン環境はまったくもってカジュアル向けですね。
では、色別に見るとどのような変化があるのでしょうか?
青
多人数戦最強エンチャントの《リスティックの研究》や、《Mana Drain》、《Force of Will》といったカウンターを失うことになる青。それでも、今までが突出して強かっただけで強い色であることに変わりはありません。
また、アーティファクトとの相性は抜群のままで、《粗石の魔道士》もマナ加速は出来ないものの《師範の占い独楽》を持ってくることができるだけでも十分に強力です。
緑
マナ加速と大型クリーチャーなら任せろの緑。アーティファクトに頼らずにマナ加速できる点が優秀で、特に小型マナクリーチャーの存在で他の色より速い展開が可能です。さらに自身はアーティファクトに頼らないながら、便利なアーティファクト破壊を擁するので相手をけん制することにも長けています。
また、《歯と爪》、《出産の殻》などのクリーチャーサーチ手段は健在なので、ビッグマナからフィニッシャーにつなぎやすいのもいいですね。
白
クリーチャー、アーティファクト、エンチャントと広範囲の場のリセットならお任せの白。モダン環境では土地こそ壊せなくなりますが、そもそも統率者戦での土地リセットはゲームをつまらなくするだけなのでカジュアルに遊ぶ分にはあまり問題ありません。
また、《太陽のタイタン》をはじめ、限定的ながら墓地活用ができるのも魅力的です。
黒
多様なクリーチャー除去でボードコントロール力の強い黒。さらに《ファイレクシアの闘技場》をはじめドローサポートも豊富です。
リアニメイトなど墓地活用が強力で、さまざまなコンボも狙いやすくなっています。
赤
通常の統率者戦では不遇の色と呼ばれる赤ですが、他の色が減速することで同じ土俵に立てるかもしれません。特に強力なアーティファクト破壊で相手のマナ加速を牽制できますし、新加入の《炎の中の過去》も見逃せません。
また、コンボの要となる《鏡割りのキキジキ》も健在です。
○覚えておきたいコンボ要素
モダン環境とはいってもまだまだ無限コンボは存在します。コンボ特化でなくても完成するときはありますし、逆に相手が狙ってきそうだと思ったら覚えておくことも大事ということでいくつか候補を挙げておきましょう。
《壊死のウーズ》
こいつを見たら何かしらのコンボを疑った方がいいでしょう。《適者生存》や《隠遁ドルイド》、《生き埋め》などはありませんが、墓地に必要なコンボクリーチャーさえいれば成立するので、中盤以降に登場したら要注意。
全プレイヤーの墓地が使えるので、友情コンボ成立!なんて可能性もあるかもしれません。逆にこっそり自分の《壊死のウーズ》でおいしいとこ取りができるかも?
《つまみ食い貯め》&《献身のドルイド》からの無限マナや、《鏡割りのキキジキ》などが一般的です。
メリーラ頑強
《シルヴォクののけ者、メリーラ》で頑強の-1/-1カウンターを無効化する、通常のモダン構築でおなじみの無限コンボ。メリーラの部分は《柏槙教団のレインジャー》や《不浄なる者、ミケウス》でも置き換えられます。
また、《不浄なる者、ミケウス》と《トリスケリオン》を組み合わせることでも同じような動きが可能で、こちらの方がコストが重く揃えにくいですが、その分単色で使えるのがメリットです。
双子コンボ
モダンで定番のこのコンボももちろん健在。《鏡割りのキキジキ》は単体でも超強力なクリーチャーなので腐りにくいのがいいですね。
赤青だけでなく、《村の鐘鳴らし》を使えば赤白の組み合わせでも使えます。
「プロジェクトX」系
元祖《サッフィー・エリクスドッター》&《墓所の勇者》は色がバラけ過ぎて厳しいので、《墓所の勇者》の代わりに《太陽のタイタン》&生け贄手段を使うのが一般的です。また、《悪鬼の狩人》を使えば白単色でもコンボが可能。
似たようなもので《目覚ましヒバリ》&《鏡の精体》&《影武者》のコンボも使用可能です。準備に時間がかかり、《霊体の先達》という超強力なパートナーはいないので、「後半までもつれ込んだときに墓地にそろっていればラッキー」程度に思えばよいでしょう。
こうやって見るとほとんどの無限コンボが墓地を利用していることがわかります。《ボジューカの沼》などの墓地対策カードはあると便利ですね。
特に闇の隆盛で登場した《墓掘りの檻》は多くのコンボを完封してくれる心強い味方で、《粗石の魔道士》から持ってこれるのも便利です。
○サンプルデッキ
それでは今回のサンプルデッキです。
最初は《聖トラフトの霊》を使ったスピリットテーマのデッキだったのですが、《鏡編み》が使いたかったこともあり、《天を裂くもの、央誉飛》や《明けの星、陽星》といった重い伝説のクリーチャーを抜き、トークン製造カードを多めに入れました。
《鏡編み》は攻撃前に《刃砦の英雄》をコピーしたり、攻撃中に《シスルダウンのしもべ》にすることで大量のダメージをたたき出すことができます。また、攻められているときでも《エメリアの天使》をコピーしてセットランドすることでブロッカー確保になったりと、いろいろな使い方ができて面白いですよ。
また、このデッキはあえてアーティファクトを入れずに《戦争の報い、禍汰奇》や《石のような静寂》をいれてあるので、アーティファクトによるマナ加速をさせないうちに統率者で攻めるプランもできます。
その他、このデッキにはあえて入れていませんが、《爆破基地》を採用すれば無限ダメージも可能です。
いかがだったでしょうか?
統率者戦をカジュアルに遊んでみたいという方は、モダンという手の届きやすいところから友達と一緒に始めてみませんか?
それではまた!
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