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木曜マジック・バラエティ
射場本正巳の「カジュアルマジックのススメ」 第4回:?カジュアル道?
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木曜マジック・バラエティ
2012.01.12
射場本正巳の「カジュアルマジックのススメ」 第4回:~カジュアル道~
著者紹介:射場本 正巳
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前回お送りした大群マジックのルールについてたくさんのレスポンスいただきました。こんなマニアックな記事につきあっていただきありがとうございます!
その中でも「トークンの大小によって変わるデッキのパワーレベルをいかに調整するか」という問題に関して多くのご意見をいただきました。
特に多かった提案としては「トークンを数値化して上限値を設定する」というものです。
具体的には「パワーとタフネスの合計に、数値換算した能力の補正値を加えて点数を出す」というものですが、この手法は正確性を求めるならベストといえるでしょう。
ただ、あくまでカジュアルに遊ぶということを考えるのならば、ちょっと複雑すぎるかなと思います。
なるべく単純化することでデッキを組むハードルを下げたいので、トークンの数値化と上限の設定を簡単な方法で取り入れることとしましょう。
大群の一番の意義をプレイヤーを踏み潰すこととすると、それを考える上で一番重要になってくるのはパワーです。
タフネスや能力も確かにトークンの強さですが、パワーに比べて重要度は高くありません。
そこで、トークンの数値化にはパワーのみを用いることとします。また、上限値はなるべく覚えやすいようにキリのいい数値にしたいところです。
100だとゾンビトークン50体なので悪くはないのですが、コマンダーデッキ数人相手にするには若干弱めかなと思うので200とします。前回テストで組んだ天使トークン50体のデッキの感触が悪くなかったのでそんなに大きく外れてはいないでしょう。
また、トークンのパワー上限を設定するということは、トークンの枚数が可変であると言うことを意味しますので、これに伴ってデッキ枚数100枚という枷を解くことにします。
これによって小さいクリーチャーの大群になればなるほど倒すのに時間がかかり、大きいクリーチャーの大群は強力だけど倒しやすくなるので、より大群というゲームの本質を楽しむのに適しているといえます。
さらに、こうすることでトークン1種にこだわる必要はなくなるメリットがあります。もちろんトークンは1種に統一した方がフレーバーは強まりますが、そもそも同種のトークンを何十枚も持っているほうが稀ですので、十分なトークンを持っていなくても気軽に始めるためにはよい選択でしょう。大群のテイスト付けはデッキ製作者の方にお任せする方が自由度が高くていいのかなと思います。
この方法の問題点をひとつあげるなら、パワー0のトークンは無限に入れることができてしまうことでしょう。《十字軍》など全体強化の影響を受けやすいヤギ・トークンが最強になりそうな感じですが、ヤギ1万匹の大群が最強ってのもなんなので、デッキ枚数の上限を定めることにします。
また、ここまでトークンの枚数の話をしてきましたが、その他の呪文カードを何枚にするかでゲームバランスが大きく変わってきます。
これに関してはこの部分を固定にする方法と可変にする方法が考えられますが、今回は固定とすることにします。これは、可変としてしまうと1ターンにめくれるトークンの枚数が平均化され、小型トークンのメリットが見えにくくなるためです。
呪文の枚数を固定した場合、パワーの上限値を固定しているので1ターンあたりにめくれるトークンのパワーを平均化できます。面で押す構成の大軍では全体強化の影響を受けやすい(同一パワーあたりのトークン量が多い)小型トークンの方が強くなるので、大群を遊ぶという意味ではちょうどよいでしょう。
問題は1ターンあたりの想定パワーをどこに持ってくるかです。
ゲームをある程度短時間で決着つけるのであれば、大群側の目指すターンは5ターン程度でしょう。
何の妨害もなければ各ターントークンのダメージ数は累積していくので1+2+3+4+5=15となり、プレイヤー側のライフを前回定めた100とするならば、1ターンあたりのダメージ量が7あればよいことになります。
その半分以上をトークンが担うとするなら、1ターンあたりのトークンの平均パワーを4に設定すればよいでしょう。つまり、200に対して50枚の通常カードがあればいいということになります。パワー1のトークンで組んだ場合250枚となりますので撃破するのはなかなか大変かもしれませんが、パワー上限と通常カード枚数に関しては後々調整可能ということで現状はこれで試すことにしましょう。
また、前述のパワー0のトークン問題もここでデッキ上限を250枚と定めることで解決します。
また、各種カードに関して前回は複雑に枚数制限をつけてしまいました。フレーバー部分を取り入れようとした結果でしたが、前述のようにフレーバーはデッキ製作者の方の発想に任せたいと思いますので、単純化することを優先して全て1枚制限にします。統率者戦用ということでこの方がしっくり来るかなと思います。
大群ルールでは強力な呪文が打ち放題ですので、どうしても固定で入れたくなるカードが出てきます。通常カード枠が少なすぎるとどの大群でも同じ呪文が入っているということになってしまうかもしれませんが、それも50種類のカードが必要となれば各大群デッキごとに個性を出すのに十分な種族関連のカードを入れることができるようになるでしょう。
これでデッキ構築ルールができました。
また、大群デッキのプレイルールと詳細もアップデートしましたので、ここにリストアップします。
○大群デッキ構築ルール
・パワーの合計が200以内になるようにトークン・カードを入れる。(トークンの種類は複数あってよい)
・通常の呪文カードを50枚入れる。(各カードは1枚制限)
・デッキの上限は250枚とする。○大群デッキプレイルール
・プレイヤー側のライフは何人でプレイしても100。毒カウンターは50個で敗北。
・プレイヤーは人数ごとに準備ターンがある。プレイヤー1人で5ターンとし、以下1人増えるごとに1ターン減少する。
・大群デッキはプレイヤーの準備ターン終了後、自動的にプレイされる。
・大群のターン、山札からトークン以外のカードがめくれるまでめくり、トークン全てを同時に戦場に出す。その後通常カードをプレイする。
・大群のクリーチャーは速攻を持ち、即座に攻撃する。
・大群がダメージを受けたとき、大群デッキの上から同数のカードを墓地に置く。
・大群デッキが0枚となったとき、大群は敗北する。○その他詳細ルール
・大群が対象を選ぶときは以下のように定める。
・攻撃対象は常にプレイヤー。
・ダメージを与える呪文はプレイヤーを対象とする。
・クリーチャー除去呪文は常に一番パワーの高いクリーチャーを対象とする。
・アーティファクトやエンチャントを対象に取るときは完全ランダムとする。
・大群のクリーチャーを対象にするものは完全ランダム。
・その他対象を取るものは不自然でない範囲でランダムに選ぶ。
・大群クリーチャーがプレイヤーターンの戦闘フェイズ中にアンタップ状態の場合、ランダムで攻撃クリーチャーをブロックする。
・大群デッキは呪文を本来のコストで唱える目的、およびクリーチャーの維持や攻撃の制限を解除する目的においてマナの制限を受けない。(X呪文、キッカーコスト、起動型能力のためにマナは使わない)
・大群デッキは通常のデッキとは区別して扱う。
・大群から唱えられたカードは手札から唱えられたものとみなし、手札にカードが戻されるときはデッキに加えてシャッフルする。手札の枚数を増減させる効果の影響は受けない。
・大群デッキは山札とはみなさない。山札からカードを探す効果、山札に戻る効果などは行われない。
・大群はライフ回復の効果でデッキが回復することはない。
・プレイヤー側の土地は大群側のいかなる効果でも破壊されたり取り除かれることはない。
前回に比べてだいぶ作りやすくなったかなとは思います。
参考までにこのルールで作ったサンプルデッキを挙げておきます。
-土地(0)- 1 《警備隊長》 1 《陸軍元帥》 1 《刃砦の英雄》 1 《エイヴンの兵団長》 1 《キイェルドーの王、ダリアン》 1 《ダールの戦長》 1 《迎え火のしもべ》 1 《萎れ葉のしもべ》 1 《シスルダウンのしもべ》 1 《死を運ぶ者のしもべ》 1 《大修道士、エリシュ・ノーン》 1 《隆盛なる勇士クロウヴァクス》 1 《トルシミール・ウルフブラッド》 1 《銀の熾天使》 1 《天使の調停者》 1 《魅力的な執政官》 1 《炉のドラゴン》 1 《溶鉱炉の大長》 -クリーチャー(18)- 180 兵士・トークン(1/1) 19 ヤギ・トークン(0/1) 1 マリット・レイジ・トークン(20/20) -トークン・カード(50)- |
1 《疫病風》 1 《集団の石灰化》 1 《報いの時》 1 《十字軍》 1 《清浄の名誉》 1 《聖餐式》 1 《栄光の頌歌》 1 《ガイアの頌歌》 1 《弱者の力線》 1 《司令官の頌歌》 1 《ミラーリの目覚め》 1 《ムラガンダの印刻》 1 《無形の美徳》 1 《総帥の召集》 1 《怒りの反射》 1 《真実の確信》 1 《踏み荒らし》 1 《圧倒する暴走》 1 《凶暴の命令》 1 《滅殺の命令》 1 《抹消》 1 《ジョークルホープス》 1 《タイタンの根本原理》 1 《活力の風》 1 《暴動》 1 《獣使いの昇天》 1 《分かち合う憎しみ》 1 《旗印》 1 《明日の標》 1 《時間のねじれ》 1 《時間の伸長》 1 《世界大戦》 -呪文(32)- |
ただ、パワー200相当のトークンを集めることが本当に手ごろなポジションなのかについてはまだ疑問がありますし、250枚という大群側のライフは多すぎる気もしています。
このあたりをもう少しテストして、枚数のバランスやプレイヤー側のライフを見直せたらなと思っています。
さて、2回にわたってお送りした大群マジック。
「カジュアルマジックのススメ」と言いつつ、すごくマニアックな内容になってしまいましたが、新しい遊び方をクリエイトしていくことは究極のカジュアルと言えるんじゃないかなということで、ご容赦いただければと思います。
それではまた!
※ この記事は個人的に大群マジックを統率者戦用に改変を試みたもので、公式なルールではありません。カジュアルで遊ぶためのものですから、みなさんでいくらでもアレンジしていただいてかまいません。
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