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フューチャー・フューチャーの日々『ゲートウォッチの誓い』編
フューチャー・フューチャーの日々『ゲートウォッチの誓い』編
Sam Stoddard / Tr. Takuya Masuyama / TSV YONEMURA "Pao" Kaoru
2016年2月19日
またまたフューチャー・フューチャーの日々の時間がやってまいりました。この企画ではフューチャー・フューチャー・リーグ(FFL)のスタンダードのプレイテストを再訪して、『ゲートウォッチの誓い』のカードを重点的に見ていきます。
いつものように「フューチャー・フューチャーの日々」の記事を読む上で覚えておいてほしいことは、ご紹介するこれらのデッキの多くは調整されたものではないということです。これらのデッキには今のバージョンよりも強力なカードが満載されていたり、デベロップの後期に変更された現実世界のカードが入っていなかったりします。またこれらは現実世界が考え出したものとは少し異なったメタゲームへの反応をしているので、あなたの地元のトーナメントにこれらを持ち込んで勝てるとは思わないでください。これら全てのデッキの目標は、環境最強のデッキになることではなく、何かを試して学ぶことです。
最強のデッキのアイデアを与えてくれるトーナメントを開くこともありますが、そこで我々がつかむのは、何が可能であるか、そして個別のカードがスタンダード環境をより良くする方法の正しい感触です。もしカードが抜けているように見えるデッキがあるなら、その通りでしょう! 多くの場合、それらのデッキ――と抜けているいくつかのパーツ――は我々にとってカードを調整したり追加したりするモチベーションになります。
これらのデッキをご紹介することで、我々が何を考えていたかについての洞察を得る助けになるでしょう。もしかしたら、現実世界にはまだ存在しないクールなカードが見られるかもしれません。これは我々がプレイしていたデッキの完全なリストではなく、むしろ私が言いたい興味深いことがあるデッキを少しお見せするものです。私の記憶の旅をお楽しみいただければ幸いです。
ビートダウンを理解する
アグロ。古き良きアグロ。一般的に、コントロール・デッキのような対応型のデッキとは対照的にアグロ・デッキは先行するゲーム・プランを持っているので最も早く作られるデッキの1つです。我々は常に正しくアグロ・デッキを作れているわけではありませんが、これらのデッキは始める基準として素晴らしいところにあります。現実世界でまずアグロが現れて他のデッキがそれにどう対処するかを考え出すのによく似て、我々は大抵強力なアグロ・デッキから始めて、その後の数週間で他のデッキの動きを考え出します。
10 《山》 2 《燃えがらの林間地》 4 《血染めのぬかるみ》 4 《樹木茂る山麓》 2 《そびえる尖頂》 -土地(22)- 4 《ゴブリンの栄光追い》 4 《稲妻の狂戦士》 4 《鐘突きのズルゴ》 4 《マキンディの滑り駆け》 4 《カラデシュの火、チャンドラ》 -クリーチャー(20)- |
4 《乱撃斬》 4 《アタルカの命令》 3 《チャンドラの誓い》 1 《凶暴な力》 4 《極上の炎技》 2 《強大化》 -呪文(18)- |
我々はこのバージョンで現実世界と比較しても多くの部分で正解していますが、現実世界で現在注目されている《強大化》と《ティムールの激闘》のコンボをプレイしていません。その違いがあったにせよ、これはこのフォーマットの素晴らしい基準線になりました。
我々は《アタルカの命令》型以外にも多くのアグロ・デッキを作りました。また我々は無色カードと《幽霊火の刃》に焦点を当てた様々なバージョンの赤黒アグロも作りました。
2 《山》 2 《沼》 1 《荒地》 2 《燻る湿地》 4 《血染めのぬかるみ》 4 《進化する未開地》 2 《戦場の鍛冶場》 2 《コイロスの洞窟》 4 《崩壊する痕跡》 1 《領事の鋳造所》 -土地(24)- 4 《搾取ドローン》 2 《果てしなきもの》 4 《静寂を担うもの》 4 《殺戮の先陣》 3 《制止エルドラージ》 4 《エルドラージの寸借者》 3 《不快な集合体》 2 《作り変えるもの》 2 《塵の中を忍び寄るもの》 1 《難題の予見者》 -クリーチャー(29)- |
4 《幽霊火の刃》 3 《歪める嘆き》 -呪文(7)- |
しかしながら我々はただ火力を撃つ以外のデッキも必要としました。アグレッシブな戦略でありながらゲームを決めるために火力を使うのではなく妨害手段を使うデッキがあることを、我々は好んでいます。これらは基本的にそれよりもアグレッシブなデッキには不利ですが、コントロールやランプに対しては有利です。
このデッキは完全には機能しませんが、通常のプレイパターンから楽しい方向転換をしていました。
4 《沼》 3 《島》 4 《窪み渓谷》 4 《汚染された三角州》 1 《血染めのぬかるみ》 1 《溢れかえる岸辺》 3 《廃集落》 2 《領事の鋳造所》 2 《精霊龍の墓》 -土地(24)- 4 《次元潜入者》 4 《深水の大喰らい》 4 《霧の侵入者》 3 《静寂を担うもの》 4 《不毛の地の絞殺者》 3 《威圧ドローン》 3 《ウラモグの失却させるもの》 2 《荒廃を招くもの》 -クリーチャー(27)- |
4 《幽霊火の刃》 3 《強迫》 2 《残忍な切断》 -呪文(9)- |
しかしながらこれは単に昇華者が入ったデッキではありません。我々はより伝統的な感じのデッキも作っていて、この場合は無色に焦点を当てた赤青デッキです。
4 《山》 3 《島》 4 《シヴの浅瀬》 4 《さまよう噴気孔》 4 《廃集落》 4 《崩壊する痕跡》 2 《オラン=リーフの廃墟》 -土地(25)- 4 《次元潜入者》 4 《搭載歩行機械》 4 《コジレックの歩哨》 2 《層雲の踊り手》 4 《エルドラージの寸借者》 4 《コジレックの伝令》 2 《作り変えるもの》 -クリーチャー(24)- |
4 《乱撃斬》 3 《幽霊火の刃》 4 《粗暴な排除》 -呪文(11)- |
《粗暴な排除》の重い呪文の妨害とブロッカー排除の組み合わせは、強力な一撃とともにこのデッキを勝利に導きます。
古典再訪
我々がFFLの新しい時期に移るとき、最初にすることは、古いデッキを選んで新しいカードが古いデッキにどのように使われるかを見るべく、いくつかのアップデートを行うことです。
《変位エルドラージ》は繰り返し戦場に出たときの効果を得られるデッキで強いカードで、この場合《包囲サイ》や《風番いのロック》を使っていますが、その一方で相手のトークンや《搭載歩行機械》に対処するためにも使われています。
1 《平地》 2 《沼》 2 《森》 2 《梢の眺望》 4 《吹きさらしの荒野》 4 《砂草原の城塞》 2 《乱脈な気孔》 4 《コイロスの洞窟》 4 《ラノワールの荒原》 -土地(25)- 3 《始まりの木の管理人》 4 《搭載歩行機械》 3 《先頭に立つもの、アナフェンザ》 3 《変位エルドラージ》 4 《包囲サイ》 2 《風番いのロック》 1 《アンデッドの大臣、シディシ》 1 《囁きの森の精霊》 2 《黄金牙、タシグル》 -クリーチャー(23)- |
4 《アブザンの魔除け》 2 《破滅の道》 2 《真面目な訪問者、ソリン》 2 《完全なる終わり》 2 《残忍な切断》 -呪文(12)- |
我々のバージョンの《ナントゥーコの鞘虫》デッキは現実世界のものとは異なります。《先祖の結集》に大きな価値を見出した形よりもマナ基盤の面で大胆さに欠けていました。現実世界のものが我々のものより正しいことは間違いないと思いますが、しかし我々のバージョンは優れた基準を提供し、この種のデッキに対処するために《ゲトの裏切り者、カリタス》や《鞭打つ触手》のようなカードを印刷するべきだと我々に教えてくれました。
8 《沼》 5 《森》 4 《風切る泥沼》 4 《ラノワールの荒原》 2 《進化する未開地》 2 《ならず者の道》 -土地(25)- 4 《膨れ鞘》 4 《捕らわれの宿主》 4 《搭載歩行機械》 4 《ズーラポートの殺し屋》 4 《肉袋の匪賊》 4 《異端の癒し手、リリアナ》 4 《ナントゥーコの鞘虫》 2 《巨森の予見者、ニッサ》 -クリーチャー(30)- |
1 《進化の飛躍》 4 《集合した中隊》 -呪文(5)- |
我々のコントロール・デッキの基準は『ゲートウォッチの誓い』から多く得るものがないと認識していたエスパー・ドラゴンでした。その大部分はいくつかのより効果的な除去を得ました。これは革命的ではないかもしれませんが、このようなデッキがあることはFFLのメタゲームを可能な限り正確に保つために重要です。
1 《平地》 4 《島》 2 《沼》 3 《大草原の川》 4 《窪み渓谷》 4 《溢れかえる岸辺》 4 《汚染された三角州》 4 《乱脈な気孔》 1 《荒廃した瀑布》 -土地(27)- 4 《ヴリンの神童、ジェイス》 3 《龍王オジュタイ》 2 《氷瀑の執政》 2 《漂う死、シルムガル》 -クリーチャー(11)- |
4 《シルムガルの嘲笑》 3 《闇の掌握》 2 《鑽火の輝き》 4 《風への散乱》 3 《次元の激高》 1 《残忍な切断》 1 《龍王の大権》 4 《時を越えた探索》 -呪文(22)- |
デカブツを信じる
ゼンディカーとは何かという問いに1つ挙げるなら、エルドラージです――そして我々は加速してエルドラージを出すデッキをいくつか作りました。《書かれざるものの視認》と《ニッサの天啓》は単に大型エルドラージを唱えるだけでない価値を得るために選ばれた武器です。このデッキでの赤はアグロに対して《龍王アタルカ》と《コジレックの帰還》の両方で大きな力をもたらします。
8 《森》 2 《山》 2 《燃えがらの林間地》 4 《樹木茂る山麓》 2 《肥沃な茂み》 4 《荒廃した森林》 3 《見捨てられた神々の神殿》 -土地(25)- 4 《爪鳴らしの神秘家》 4 《荒野の囁く者》 4 《龍王アタルカ》 3 《絶え間ない飢餓、ウラモグ》 2 《大いなる歪み、コジレック》 -クリーチャー(17)- |
2 《焙り焼き》 2 《コジレックの帰還》 4 《面晶体の記録庫》 4 《書かれざるものの視認》 4 《ニッサの天啓》 2 《炎呼び、チャンドラ》 -呪文(18)- |
赤を抜いて無色マナだけを使うことによって、何枚かの《荒地》をプレイして加速のために《残された廃墟》を確実に使えるようになり、重い呪文を可能な限り早く出せるようになりました。
9 《森》 7 《荒地》 4 《肥沃な茂み》 4 《見捨てられた神々の神殿》 2 《荒廃した森林》 -土地(26)- 4 《爪鳴らしの神秘家》 2 《荒野の囁く者》 3 《破滅の伝導者》 3 《世界を壊すもの》 1 《虚空の選別者》 2 《絶え間ない飢餓、ウラモグ》 2 《大いなる歪み、コジレック》 -クリーチャー(17)- |
4 《残された廃墟》 4 《ニッサの巡礼》 3 《面晶体の記録庫》 4 《書かれざるものの視認》 2 《ニッサの天啓》 -呪文(17)- |
しかしながら加速してエルドラージを出すだけが全てではありません。《炎呼び、チャンドラ》(以前の《太陽の勇者、エルズペス》によく似ています)はスタンダードで加速して出せる最強の6マナ域の1つです。彼女のアドバンテージを活かすために、我々は2ターン目にマナ・クリーチャーを出し、続いて《深海の主、キオーラ》から4ターン目に《炎呼び、チャンドラ》を出すランプ・デッキを作ってみました。4ターン目に2人のプレインズウォーカーが戦場にいることは馬鹿にならないことですが、このデッキは他のランプ・デッキよりもマナの面ではるかに大きな脆弱性を抱えています。
4 《森》 3 《山》 2 《島》 2 《燃えがらの林間地》 4 《樹木茂る山麓》 4 《開拓地の野営地》 2 《ヤヴィマヤの沿岸》 1 《シヴの浅瀬》 4 《さまよう噴気孔》 -土地(26)- 4 《爪鳴らしの神秘家》 4 《荒野の囁く者》 4 《凶暴な拳刃》 2 《囁きの森の精霊》 3 《龍王アタルカ》 -クリーチャー(17)- |
4 《乱撃斬》 4 《火口の爪》 2 《焙り焼き》 4 《深海の主、キオーラ》 2 《揺るぎないサルカン》 4 《炎呼び、チャンドラ》 -呪文(20)- |
とうとう我々は色マナを使わないランプ・デッキを作りました。このデッキにはそれなりに大きなクリーチャーを出せると同時に強力な効果で追い打ちをかける、とても強力な無色マナを生み出す土地が大量に入っています。
4 《ウギンの聖域》 3 《魔道士輪の魔力網》 3 《見捨てられた神々の神殿》 2 《領事の鋳造所》 2 《鏡の池》 2 《ならず者の道》 2 《オラン=リーフの廃墟》 2 《海門の残骸》 2 《繁殖苗床》 2 《精霊龍の墓》 -土地(24)- 4 《搭載歩行機械》 4 《面晶体の這行器》 4 《作り変えるもの》 4 《現実を砕くもの》 2 《破滅の伝導者》 1 《終末を招くもの》 1 《絶え間ない飢餓、ウラモグ》 1 《大いなる歪み、コジレック》 -クリーチャー(21)- |
3 《歪める嘆き》 2 《次元の歪曲》 2 《予見者のランタン》 4 《面晶体の記録庫》 4 《精霊龍、ウギン》 -呪文(15)- |
イロモノ
もちろん、我々は古い実証済み以外のものも試さなければなりません。ちょっと狂った常識外れのものも試してみました。これらのデッキはスタンダードで「現実の」デッキとして現れる可能性は低いですが、これらのデッキのうちいくらかがメタゲーム次第では機能しうるよう、十分な試みがあるようにすることを我々は好みます。
1つめのデッキは《ニクスの星原》を使い、強力な戦場に出たときの効果を持った「誓い」などのエンチャントを戻してきます。これは青白に絞っていますが、緑を足してさらなるアドバンテージを得ることが簡単にできます。
9 《平地》 6 《島》 4 《大草原の川》 4 《溢れかえる岸辺》 2 《天空の滝》 -土地(25)- 2 《隠れたる龍殺し》 -クリーチャー(2)- |
4 《平和な心》 2 《否認》 2 《絹包み》 4 《僧院の包囲》 4 《ギデオンの誓い》 3 《ジェイスの誓い》 2 《停滞の罠》 4 《城塞の包囲》 4 《対立の終結》 4 《ニクスの星原》 -呪文(33)- |
また「誓い」の存在で、待望されていたスーパーフレンズ・デッキが生まれました――スタンダードに存在する中でも強力なプレインズウォーカーを最大限に活かすために「誓い」をたくさん用いたデッキです。
3 《山》 3 《森》 2 《平地》 2 《燃えがらの林間地》 2 《梢の眺望》 4 《樹木茂る山麓》 4 《吹きさらしの荒野》 3 《戦場の鍛冶場》 2 《鋭い突端》 -土地(25)- -クリーチャー(0)- |
4 《ニッサの誓い》 4 《チャンドラの誓い》 4 《ギデオンの誓い》 4 《光輝の炎》 4 《次元の激高》 3 《ゼンディカーの代弁者、ニッサ》 4 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》 3 《龍語りのサルカン》 4 《炎呼び、チャンドラ》 1 《精霊龍、ウギン》 -呪文(35)- |
最後に、怒濤(と《遺跡潜り、ジョリー・エン》)をできるだけ使うため、我々は怒濤メカニズムを試したデッキをいくつか作りました。下記のリストはいくつかのカードに変更が加えられたので、マナ・カーブが完全に同じではありません――しかしこれは1~2ターン機能すれば圧倒的な有利をもたらす能力があります。
4 《島》 3 《山》 2 《燻る湿地》 1 《窪み渓谷》 4 《汚染された三角州》 2 《血染めのぬかるみ》 4 《シヴの浅瀬》 4 《さまよう噴気孔》 -土地(24)- 4 《嵐追いの魔道士》 3 《ヴリンの神童、ジェイス》 3 《遺跡潜り、ジョリー・エン》 2 《雷破の執政》 4 《ジュワー島の報復者》 -クリーチャー(16)- |
4 《促進》 4 《乱撃斬》 4 《粗暴な排除》 2 《押し潰す触手》 3 《宝船の巡航》 3 《巨人の陥落》 -呪文(20)- |
今週はここまでです。来週は2ブロック制に取り組む上でのいくつかの課題と、我々が『ゲートウォッチの誓い』で学んだことについてお話しします。
ではまた来週お会いしましょう。
サムより (@samstod)
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