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『イクサラン:失われし洞窟』注目のストーリー・カード
2023年11月2日
『イクサラン:失われし洞窟』カードイメージギャラリーを楽しんでくれているだろうか? ストーリーは最新のカードだけにあるのではない――ストーリーそのものがある!全話公開済みの『イクサラン:失われし洞窟』ストーリーをチェックしよう。中心核への冒険が待っている。
君たちが地元のゲーム店で『イクサラン:失われし洞窟』プレリリースイベントに参加したなら、クイントリウスやサヒーリ、ファートリなどが描かれた、ストーリーに光を当てたカードが数枚見つかるだろう。これらは「注目のストーリー・カード」であり、『イクサラン・失われし洞窟』のストーリーにおける最高の、壮大な瞬間を切り取っている。今日はそのすべてをお目にかけよう。
まだストーリーを読んでいないなら、詳しい内容 (と興奮)のすべてを確認するために読みたくなることだろう。とはいえなぜこれらのカードが心に留めるべき瞬間であるのか、前後関係を理解できるようにここに内容を要約する。
メインストーリー第1話
クイントリウス・カンドはアルケヴィオス次元出身の優れた考古学者であり、灯が点火したばかりのプレインズウォーカーだ。彼はプレインズウォーカーのサヒーリに対面して学術的探求を開始するために、イクサランの蒸し暑い密林を訪れた――調査を手伝い、謎めいたオラーズカの細工扉を開き、多元宇宙の歴史についての自説を発展させるために。彼は最悪のスタートを切った。現地の恐竜たちに珍しい食糧とみなされて襲撃されたのだ。だが戦場詩人ファートリの友人ウェイタが恐竜たちを追い払い、クイントはプレインズウォーカーのパテにならずに済んだ。
少しして。ファートリ、サヒーリ、ウェイタ、クイントは謎めいて巨大なオラーズカの細工扉の前に立った。ファートリはそこでインティを紹介した。太陽の執事長でありファイレクシア戦争の英雄、そして彼女の愛する従弟。インティはなかなか開かない扉に皇帝が苛立ちつつあると、それを開くために学術的に好ましくない別の方法が用いられる可能性があると示唆した。クイントは愕然とした。
ファートリは明かした。「絵文字は一本の詩を形成しており、私が翻訳した部分は、人類の発祥の地と神々の故郷がこの向こうのどこかにあると示唆しています」
詩は確かにその扉を開く鍵だった。探検隊はその出入口を通り、イクサランの地表下にある古の領域へと入った。
その一方、明らかにずっと喜ばしくない目標を掲げる他の者たちもイクサランの失われた領域を探求していた。吸血鬼の狂信者ヴィトはアクロゾズの神殿を発見していた。古の神であり最初の吸血鬼の創造主、それを彼は復活させたがっていた。気分屋で威圧的で暴力的なヴィトは、旅の仲間としては完璧な人物だった。若く才能ある吸血鬼の地図術師であるアマリアもまたその任務に加わっていたが、彼女は奇妙な幻視を見たり、「我がもとへ来たれ」と自分を呼ぶ声を聞いたりしていた。ヴィトの振る舞いも相まって、彼女は当然ながら動揺していた。
吸血鬼一行は神殿へと下り、オラーズカの細工扉ほど洒落てはいないものの怪しげな扉に遭遇した。ヴィトには扉を開くための自分なりの案があったが、それは詩ではなかった。彼はこの遠征における兵士の指揮官であるクラヴィレーニョへと、人夫のひとりを連れてきて黒曜石の厚板の上に乗せるよう命じた。そして何が起こるかはご存知の通りだ。何故なら皆、この男はそういうやつだと知っているのだから。
《熱狂的な献上》
ヴィトが人夫の喉を切り裂くと(職業的アドバイス:「吸血鬼の荷物持ち」はあまり昇進が見込める役職ではない)、血が流れ、祭壇が輝き、よどんだ空気を怯えたように吐き出す音とともに扉が開いた。
アマリアは顔色を失ったが、仲間のバルトロメは感情を出さずに黙っていた。そのため彼女も口をつぐんだ。古の神の目覚めに一歩近づいたのだ。
けれど頭の中に聞こえる声は大きくなりつつあるような気がした。
メインストーリー第2話
大胆であるのは同じだが狂信的ではない一方の探検者たちは、地下都市を発見した。石材で作られた建築物は発光する菌類に覆われており、その光景にクイントは興奮した。だがそこには宜しくないものもあった――そこかしこに石化した骸骨が転がっており、それらの一部は菌類に覆われていた。クイントとウェイタは街を探索し、ビーズで飾られたポンチョらしきものを発見した。クイントがある種の古術を施すと、それは浮かび上がって輝き始めた。青緑色の輝きは、奇妙な衣服をまとうひとりの老人の姿となった。
《アブエロの覚醒》
ウェイタは、「残響」と呼ばれるこの幽霊のような人物が自身のアブエロ(訳注:abueloはスペイン語で「祖父」の意)に似ていると言った。その言葉に残響は興味をそそられた。自分の名前は思い出せないが、かつてそう呼ばれていたと。アブエロは当初困惑していたが、すぐに自分には役目があると思い出した。「マイコイドの蔓延をオテクランに警告しなければいけない。手遅れだ。扉を閉じなければ!」
そしてアブエロは急ぎ去った。
初めての大事件に取り組む情熱的な考古学者は何をすべきだろうか? 言うまでもない。その幽霊を追いかける!そうしてクイントとウェイタは古代都市の奥深くへ踏み込んでいった。
メインストーリー第3話
よく聞いて欲しい。『イクサラン:失われし洞窟』第3話の場面を描いた注目のストーリー・カードはない。ならば何が起こったのか? 詳細はストーリーを読んで欲しい――私たちはすべてのネタバレをここに書くつもりはないから。
メインストーリー第4話
ふたつの探検隊、太陽帝国の派遣部隊と薄暮の軍団の遠征隊はそれぞれが独自に地下深くへ進み、それぞれが洞窟内であまり友好的とは言えない住人たちと遭遇した。そしてアマリアはその過程で新たな友人を得た。私たちも少し前に出会った若者――エルドレイン出身のケランだ。
クイント、ファートリ、ウェイタ、インティ、カパロクティを要する太陽帝国チームは、ヴィト、アマリア、バルトロメの吸血鬼遠征隊と対峙することになる。彼ら全員が川守りのマーフォークたちによって「もてなされ」、大いなる扉マツァラントリの前に立った。これが最終的な目標だった。扉を開けるのは困難な挑戦になるだろう。
クイントは助けになればと残響のアブエロをアーティファクトから呼び出し、黄金の扉の開け方を尋ねた。これまでの扉とは異なり、今回は開くと冷たく新鮮な空気が入ってきた。その先で彼らは巨大な井戸のようにも見える石の輪を発見した。だがその中に見えたのは、イクサランの内側に広がるひとつの世界だった。そしてその中心には、きらめく金属片に取り囲まれたひとつの奇妙な星が浮いていた。
《中心核》
一行はアニム・パカル率いるコウモリに乗りの住民、オルテカに迎えられた。アブエロは中心核にとっての脅威である帝王マイコイドが力を増しつつあると警告した。
アニム・パカルは苛立った。それはそう、お前たちが扉を開いてくれたおかげでそいつらが入ってきたのだから。やったね。だがアブエロは、その脅威は何があろうともいずれやって来ただろうと断言した。中心核の外からの訪問者たちは、川守りも含めて、皆同じ感想を述べた。そう、地表の誰もが探索と採掘を行っている。つまりこれは不可避。だったら扉をくぐって来たほうがましだろう? 少なくとも準備はできるのだから。
そして自己紹介が続いた。まずは太陽帝国、そして川守り。そして薄暮の軍団の順番が来ると気まずさが訪れた。アマリアの用心深い仲間バルトロメは自分たちを、「女王湾会社から参りました、慎ましい探索者」とだけ紹介した。
いかにもその通り。だがそして、太陽帝国の後列から「そいつらは吸血鬼だ!」という叫びがあがった。
さて、これにより友好的な初顔合わせは敵対的なものに変化した。「大逆者を崇拝する者どもを歓迎はできぬ」とアニム・パカルが告げ、薄暮の軍団はオルテカの牢へと連れて行かれた。
ただの牢など、自らの神アクロゾズを目覚めさせるという輝かしい使命からヴィトを遠ざけはしなかった。特に、こんなにも成就に近づいているのだから。少しして奇妙な霧が牢に届き、ヴィトはそれがアクロゾズの力だと宣言した。アマリアはバルトロメとケランと共にいたが、監房の外で争う音を聞いた。そして扉が引きちぎられた。誰だろう?
右腕である吸血鬼、クラヴィレーニョを伴ってヴィトが入ってきた。「アクロゾズは生贄を欲している」ヴィトはそう言った。どうやら彼にとってはそれがあらゆる問題の解決策らしい。全員が辺りを見渡し、全員の目がケランを見た。かなり人間のようであり、際立って犠牲的。
バルトロメはそのような目では見なかった。彼はヴィトへと飛びかかり、その隙にアマリアは地図魔法の力で監房の壁を文字通り消し、彼女とケランは逃げ出した――だがその直前、ヴィトはバルトロメの首を折った。彼は生贄を手に入れたことだろう。
冗談はさておき、この男だはそういう奴だ。
メインストーリー第5話
ヴィトとその追随者たちは霧の中へ向かい、アクロゾズのしもべたちに出会った。彼らは幽閉されて救いを待つ神のもとに彼らを導くため送り込まれたのだった。
待て、何だって? ヴィトは少々驚いた。幽閉されて?これはすべて、ただその時を待っている神による壮大な計画の一部ではないというのか?神は幽閉されている? うーむ。だがそうであれば……つまりヴィトは真に特別な存在だろいうこと。救い主だということ! そして渇いたスポンジのように、ヴィトのエゴは彼が一瞬でも抱いた疑念を吸い上げた。
アクロゾズのしもべたちはヴィトと吸血鬼らを導いて沼地を横切り、とある洞窟に辿り着いた。彼らは扉に到達するまで中を進んだ。そこでしもべの一人が桃色の結晶を取り出し、ヴィトはそれを適切な空洞の中に置いた。その空洞はヴィトの腕を締め上げ、血の捧げものを抜き取った。ついに殺戮者ヴィトが報いを? 悲しいかな、そうではなかった。ヴィトは消耗しながらも生き延び、扉が開くと更なる熱狂をみなぎらせた。
ついにヴィトは神に対面した。それは飢えているが強大な茶色のコウモリで、桃色の結晶が散りばめられた金の鎖で拘束されていた。コウモリの神は褒美としてヴィトに牙を突き刺して「祝福」を与え、ヴィトは巨大なコウモリに似た吸血鬼クリーチャーへと変身した――大きな牙、大柄の身体、危険な鉤爪、黒く丸い瞳。最悪だったのは、それが彼の清純な仕立服をズタズタにしてしまったことだった。ああ、それとその契約で彼は大きな翼を手に入れて飛べるようになった。空の旅はコストがかかるからね?
《血による列聖》
アクロゾズは解放され、その場にいる吸血鬼を全員祝福し、翼の生えたおぞましい儀仗兵へと変えた。その後、神は天井の大きな穴からトンネルを通り、彼らを空へと連れ出した。そこでコウモリの神はイクサランの内なる星チミルへと自らの帰還を告げた。彼は古の時と同じようにtodoリストを携えていた――オルテカを食らい、死と生を隔てるヴェールを再び閉じ、第五の時代を終わらせ、彼の子供たちに第六の時代を先導させる。
アクロゾズは力強い翼を大きく広げ、そしてゆっくりと閉じていった。チミルを取り囲む金属片が移動し、並び、組み合い、星を包み込むように殻を再び作り上げ、中心核を暗闇に沈めた。
《悪意ある覆い隠し》
アマリアとケランは脱獄の後にオルテカに再び捕らえられ、太陽帝国と川守りに接触した。脱走者ふたりは逃げたのではなく、ヴィトと彼のアクロゾズ解放計画を警告しに来たのだと説明した。オルテカは古の時代にこの神とやり合っていた。「終わりなき血の渇望」が強調された短い説明の後、全員がその不愉快な事態を防ぐことに同意した。
戦いが始まった。英雄たちがコウモリの背中に乗って空を飛び、星を閉じ込めようとする変質した吸血鬼たちに戦いを挑む。星から流れ出る桃色の結晶がきらめく中、ファートリの従弟であるインティはヴィトに挑戦すべく近づいた。ヴィトはその挑戦を歓迎した。アクロゾズがチミルをそうするように、彼が太陽帝国の執事長の命を絶つことは大いなる意味を持つだろうから。
インティは勇敢かつ油断なくヴィトと戦ったが、ヴィトにはひとつの強みがあった――翼が。インティが乗るコウモリの頭をヴィトが貫くと、それは鞍にインティを縛り付けたまま垂直落下を始めた。インティは抜け出そうともがき、そのため無防備になってしまった。ヴィトの副官であるクラヴィレーニョが急降下し、インティの首を折って彼を落ちるに任せた。ファートリはインティの死を目撃し、恐怖の悲鳴をあげた。
それをヴィトは聞きつけた。おお、あの娘はアクロゾズへの素晴らしい贄となるだろう。
この男は。本当にこの男という奴は。
今回の注目のストーリー・カードの中には、ウェブ掲載のストーリーには描かれていない素晴らしい瞬間がひとつ含まれている――どえらいやつが。
インティの死はカパロクティをも打ちのめした。悲嘆と、太陽帝国の同僚の復讐の念に突き動かされ、カパロクティはインティを殺したクラヴィレーニョへと迫った。ふたりは戦ううちに空から地面へと降り立った。悲しみの中でもカパロクティの眼は鋭く、狙いは正確だった。彼はクラヴィレーニョの悪しき心臓を貫いた。
《苦々しい勝利》
少なくともクラヴィレーニョは報いを受けたのだ。
メインストーリー第6話
地面の上で、ファートリはずたずたになった従弟インティの死体を抱きかかえた。彼を守れなかった。この知らせを家族にどう切り出せばいい? だが喪失について長々と考えている時間はなかった。というのもヴィトが、勝利を目前にしたアクロゾズの素晴らしさに浸るために飛んできて、血と権力について長々と話し始めたためだ。ファートリは心から苛立った。
ふたりは旋回しつつ攻撃し合ったが、両者とも確かな打撃を与えることはできなかった。ファートリは魔法を呼び起こし、ひざまずいて地面に触れた。当初ヴィトはそれを降伏だと受け取った。彼のエゴはそれほどまでに肥大していた。ヴィトは飛び上がり、ファートリの攻撃が届かない高さから槍を突いた。だが彼女は盾でそれを捉え、相手の武器をもぎ取った。
そしてファートリのペットであるパントラザに率いられ、恐竜たちが襲いかかった。ファートリはヴィトからもぎ取った槍を構え、その心臓から地面まで突き刺した。死にゆく吸血鬼は神に見捨てられたことを嘆き、ファートリは穢れた命がその目から消えていく様を見つめた。
今のところは勝利した。インティの復讐は遂げられた。だがアクロゾズは解放され、またもイクサランは戦乱の危機にある。
サイドストーリー ポーン
『イクサラン:失われし洞窟』サイドストーリーに注目のストーリー・カードの場面は存在しない。だがサヒーリとファートリの旅を追ってきた者なら誰でも、ふたりがプレインズウォーカーの灯を失うことが何を意味するのかを知りたいだろう。
領界路のおかげで、ふたりは多元宇宙の旅を続けることができる――共に。
アート:Kieran Yanner |
(Tr. Mayuko Wakatsuki)
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