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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

ラクドス・パーティー(スタンダード)

岩SHOW

 パーティーを組もう。1人では困難な冒険も、パーティーの仲間と協力すれば乗り越えられる。心細い時、そばにいてくれるパーティーがいる。こんなに頼もしいことはない。1人より2人、2人より3人、3人より4人いれば言うことなし。職業が異なる4人が集えば敵なし!……まあ、1人くらい欠けていてもなんとかなるよな。

 という感じで、パーティーを参照する能力は必ずしも戦士・ウィザード・ならず者・クレリックの全員が揃っているデッキでないといけない、なんてことはない。全員揃っている場合何かするという能力持ちを使うのであれば揃えたいところだが、パーティーの数を参照するのであれば3人いれば十分な効果を得られるものもある。

 そんなわけで今日は3職業を採用したパーティーデッキを紹介しよう。「ラクドス・パーティー」、冒険の始まりだ~ッッ。

Delmo - Andrea Del Moro - 「ラクドス・パーティー」
スタンダード (2020年10月7日)[MO] [ARENA]
7 《
7 《
4 《悪意の神殿

-土地(18)-

4 《魔王の器
4 《火刃の突撃者
4 《カルガの威嚇者
4 《義賊
3 《収得の熟練者
3 《マラキールの血僧侶
4 《砕骨の巨人
4 《鼓動盗み、ザグラス

-クリーチャー(30)-
2 《マラキールの再誕
2 《棘平原の危険
3 《死住まいの呼び声
2 《髑髏砕きの一撃
3 《エンバレスの宝剣

-呪文(12)-
2 《スカイクレイブの影
2 《夜鷲のあさり屋
2 《アゴナスの雄牛
4 《苦悶の悔恨
3 《切り裂かれた帆
2 《轟く叱責

-サイドボード(15)-

 

 このデッキのパーティーに不在なのはウィザード。『ゼンディカーの夜明け』の緑以外の各色には、それぞれ1枚もいない職業が存在する。ラクドス=黒赤の場合、黒にはウィザードがおらず赤にはクレリックがいない。現スタンダードの赤のウィザードには、クリーチャー主体で序盤からアグレッシブに動く構成とはあまり相性が良くないものばかりということで、ノー・ウィザードな構成になっているというわけだ。

 ウィザード抜きの戦士・ならず者・クレリックだけでも十分に戦っていけるという判断のもと組まれたこのデッキの主役は《鼓動盗み、ザグラス》。

 伝説のならず者であり、飛行・接死・速攻と強力なキーワード能力を3つも持っている。しかも自分の他のクリーチャーもすべて接死を持ち、さらにそれらは「対プレインズウォーカー接死」を持つかのようにダメージを与えたものをプレイヤー以外一撃で屠りさるようになる。このカラーリングらしく攻めた能力で良いねぇ。

 で、このザグラスはパーティーの人数分だけコストが軽くなるという能力も持っている。能力のデパートにもほどがある。フルパーティーが揃っているとたったの2マナで唱えられるのだが、3マナや4マナでも十分なコストパフォーマンスなので、ウィザード抜きでもデッキが成立している、というわけだ。

 他に採用されているパーティー参照カードは《収得の熟練者》と《マラキールの血僧侶》。

 手札を3枚見て1枚捨てさせる、相手のライフを3点ドレインする、この値でも十分な威力だ。

 これらのカードパワーを発揮させるために、コストの軽い3職業で固めて最序盤から展開し、殴って勝つアグレッシブなデッキに仕上げている。このパーティーにとっては攻撃こそがモットーだ。この手のデッキの必殺兵器である《エンバレスの宝剣》も、もちろん携えてあるぞ!

 ザグラスで接死を持ったクリーチャーがブロックされているところに宝剣を持たせると、二段攻撃の一撃目で相手のブロッカーに与えるダメージは、タフネスがいくつあっても1点でOK。残りのダメージはトランプルで相手本体に抜け、さらに二撃目がすべて相手プレイヤーに与えられるので大ダメージを狙えるぞ。

 各職業から1~2マナのクリーチャーを集めている中でも、他と異質な存在が《魔王の器》。

 このクリーチャーは墓地利用デッキで本領を発揮するタイプなので、このような普通のアグロに採用されているのを見るのは珍しい。絆魂を持ってはいるが1/1と貧弱な《魔王の器》。《鼓動盗み、ザグラス》のコストダウンを担いつつ、接死をもらって戦場に立って相手のクリーチャーを睨みつける。

 これだけでもまあまあ嫌なヤツなのだが、きちんとこのカードを器から魔王にランクアップさせるためのカードも用意してある。《死住まいの呼び声》だ。

 点数で見たマナ・コストの合計が3以下になるように墓地からクリーチャー・カード最大2枚を戦場に戻す。そうやって墓地から戦場に出ると《魔王の器》は追放され、5/5飛行のデーモン・トークンが生成される。パーティーでラッシュをかけて相手のライフを削り切れれば良いが、そうでない場合には2マナのクリーチャーと《魔王の器》をセットで戦場に戻し、威迫と接死のカウンターを一方のクリーチャーに2つとも置き、器をデーモンにすることで戦場を立て直して詰めにかかるのだ。

 威迫を《カルガの威嚇者》に与えると、相手のクリーチャーを1体臆病者にすることでかなりブロックされにくくなる。

 土地として採用している《マラキールの再誕》も《魔王の器》を転生させる1枚になり得るのでうまく使ってやりたい。こういう小技があるデッキ、楽しいよね。

 パーティーがどれだけの活躍を見せるか、それは今後の研究に加えて来年以降のセットによるところも大きい。このデッキが諦めたウィザードのスロットを埋める、軽くてアグロ向きのイカした1枚が現れるかもしれない。各々で思い思いのパーティーを結集させて、いろいろなフォーマットで遊んでみてね!

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