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お知らせ
Discordで行われたプレイ・ブースターに関するQ&Aまとめ
2023年10月20日
先日行われた『カルロフ邸殺人事件』より発売されるプレイ・ブースターについての発表に続き、マジック開発チームのメンバーは公式Discordにて世界中のマジック・ファンの皆さんからのご質問にお答えしました。この記事では、その時のQ&Aをまとめてお伝えします。今後も同様のQ&Aが行われますので、ぜひ私たちのDiscordへご参加ください。Q&Aセッションのアーカイブは現在もサーバーに残っており、追加の質問などもご覧いただけます。さらに詳しい情報はDiscordをご確認ください!
改めまして、今回のQ&Aセッションにご参加いただいた皆さん、ありがとうございました。SpellTableを用いて『ドクター・フー』統率者デッキで遊ぶ会も開催されますので、そちらもぜひお楽しみください(原文掲載時)。
それでは、今回のQ&Aのパネリストたちに自己紹介をしてもらいましょう。
アーロン・フォーサイス/Aaron Forsythe:ゲーム・デザイン部門バイス・プレジデントのアーロン・フォーサイスです。マジックのデザインや製品設計、編集、クリエイティブの世界構築、アート・チームを、自社IPとユニバースビヨンドを含め統括しています。ウィザーズでの仕事は20年以上になりますね(それでもマーク(・ローズウォーター)よりは短いのですが!)。大昔にマジックのプロ・プレイヤーをしていて、長年にわたるリミテッド愛好家です。『ローウィン』から『基本セット2010』、『モダンホライゾン2』まで、幅広いセットでリード・デザイナーを務めてきました。
マイク・チュリアン/Mike Turian:やあ! マイク・チュリアンだ。マジックは『ザ・ダーク』(1994)からプレイしていて、ウィザーズに入社したのは2004年のことだった。ウィザーズに入る前はプロ・プレイヤーとして活動していて、マジック:ザ・ギャザリング「プロツアー殿堂」にも入った。好きなフォーマットはリミテッド。今は製品アーキテクト(エグゼクティブ・プロデューサーと製品デザイナーが合わさったようなものと考えてくれ)を担当していて、最近のセット(『エルドレインの森』や『指輪物語:中つ国の伝承』、『ファイレクシア:完全なる統一』)ではリード・アーキテクトを務めた。『カルロフ邸殺人事件』でもリード・アーキテクトを務めているよ。
マーク・ローズウォーター/Mark Rosewater:マーク・ローズウォーターだ。今月で私がマジックに仕事で携わって28周年になり、12月にはマジックの主席デザイナーとして20周年を迎えることになる。私は100を超えるマジックのセットのデザイン・チームに所属し、40を超えるセットでリード/共同リードを務めてきた。私と私のチームの仕事は、白紙のページからセットやテーマ、メカニズムに関するエキサイティングなアイデアを生み出すことだ。それから、私は毎週「Making Magic」というコラムを(公式サイトで)書いており、「Drive to Work」(Spotify/Apple)というポッドキャストや「Blogatog」というブログも配信している。
クリス・ダンドレア/Chris D'Andrea:皆さんこんにちは、クリス・ダンドレアです。「Studio X」でデザイン・エコノミストを担当しています。私の仕事は、製品開発者たちと協働してブースター製品が設計通りに印刷されるよう手配することです。基本的にはブースターの照合や製造において、数学的な部分の詳細を取り扱っています。マジックは1995年の『第4版』からプレイしていて、ウィザーズには2011年に入社しました。
それでは、質問に入りましょう!
PharmacistJudge――プレイ・ブースターではパック内のコモンの枚数が減りますが、プレイヤーが直面する複雑さの増加に懸念はありませんか?
アーロン・フォーサイス:これまでと変わらないと考えます。ドラフトは、コモンの具体的な枚数に関わらず認知的負荷の高い体験であり、1枚か2枚変わったところで針は動きません。この数年で私たちは「複雑さの許容量」について再考し、新規プレイヤーを含めほとんどのプレイヤーは超シンプルにならざるを得ないカードよりも「何かをする」カードの方を求めるということがわかりました(とはいえ、超シンプルかつ何かをするというエレガントなカードを作ることができれば、それが本当の勝利なのですが)。カード1枚あたりの単語数は、プレイ・ブースターの世界とドラフト・ブースターの世界でほとんど変わらないと思います。
gollumni――「ザ・リスト」の収録枚数が大きく減りますが、内容はどれだけ変わりますか?
アーロン・フォーサイス:大きく変わります。秘密を明かしますと、実は「ザ・リスト」の導入から『イクサラン:失われし洞窟』まで、「ザ・リスト」収録の全カードを選定していたのは私でした。過去のカタログに深く潜り、有名なカードや面白おかしいカード、それから「何が出てくるかまったくわからない」という体験を生み出すカードの数々を選ぶのを、私は心から楽しんでいました。しかしながら、プレイを前提にした小規模な「ザ・リスト」ではそうもいきません。そのため収録カードを選定する仕事は、あらゆるセットのプレイテスト現場に携わり、よりプレイに精通しているデザイナーのレギー・ヴァルク/Reggie Valkに主に任せることになります。リミテッドでは重視されない素敵なカードも残るとは思いますが、基本的にはあるカードについてチームがクールであるより破壊的であると判断した場合、そのカードはリストから抜かれることになるでしょう。
Aburica――ドラフトで出現した「ザ・リスト」のカードはそのドラフトで使えますか?
アーロン・フォーサイス:はい、プレイ・ブースターから出現したマジックのカードはすべて、リミテッドでドラフトしたりプレイしたりできます。私たちは「ザ・リスト」のカードがリミテッドの内容や深みを増すと見ており、また特定のカードだけ使用できないと周知するのは難しく、多くのプレイヤーにとって非常に悪い体験になります。ぜひクールなカードをピックして、プレイしてください!
Jakebrowne――プレイ・ブースターはデジタルでのプレイにどのような影響を与えますか? メインセットだけでしょうか? Magic Onlineではフォイルの枠がありますが、MTGアリーナにはないのでしょうか?
マイク・チュリアン:MTGアリーナでは、『カルロフ邸殺人事件』でのプレイ・ブースター導入にともない、ドラフトのイベントが更新される。またMTGアリーナでは引き続き、テーブルトップのドラフト・ブースターに近いストアパックも供給される。プレイ・ブースターに関しては少々の例外があり、例えば「ザ・リスト」に一部の再録カードは含まれない。一部のレアや神話レアはMTGアリーナのローテーションなしのフォーマットで楽しめるものに入れ替えられる予定だ。MTGアリーナでのプレイ・ブースターについての詳細は、こちらの記事を確認してくれ。
MTGアリーナにはフォイル仕様がないから、フォイル仕様の不特定カード枠は非フォイル仕様の不特定カード枠になる。
Magic Onlineでは、リミテッドでも販売されるパックもテーブルトップのプレイ・ブースター準拠となる。フォイルの枠もあるし、「ザ・リスト」の内容もテーブルトップと同じだ。
newershadow――プレイ・ブースターは『カルロフ邸殺人事件』から導入されるため、『イクサラン:失われし洞窟』には関係がないことはわかりました。プレイ・ブースターでも「ジュラシック・パーク」のようなコンテンツとのクロスオーバーはありますか? それからボーナスシートもあるのでしょうか?
アーロン・フォーサイス:『兄弟戦争』での「トランスフォーマー」や『イクサラン:失われし洞窟』での「ジュラシック・ワールド」のような「クロスオーバー」をプレイ・ブースターで行う短期的な計画はありません。次にクロスオーバーを行う際は、それらのカードがどのように製品に組み込まれるのか、必ずお伝えします。
Mike Provencher――プレイ・ブースターに収録される「ザ・リスト」のカードがリミテッドの環境を前提に選定されるということは、コモンの再録が減るということでしょうか?
アーロン・フォーサイス:そういうわけではありません。各セットのコモンの数が減るためその分少なくなる可能性は高いですが、私たちがリミテッドに《平和な心》を用意したい場合やスタンダードに《否認》を用意したい場合は、これまで通り再録します。それらは「ザ・リスト」へ収録される有力候補ではありません。
PharmacistJudge――プレイ・ブースターは、セットの具体的な構成をどのように変えますか? プレイ・ブースターでの変更が反映され、レアが多く、コモンが少なくなるのでしょうか?
マイク・チュリアン:『カルロフ邸殺人事件』のメインセットにはコモン81種とアンコモン100種が収録される。例えば『ファイレクシア:完全なる統一』ではコモン101種アンコモン80種だったから、現在のマジックのセットとコモン/アンコモンの数が逆になるね。レアや神話レアについては、一般的なセットと同じくレア60種に神話レア20種となる。
Mike Provencher――今回の変化を円滑に導入するために、リミテッドのデザイン指針にどのような変化がありましたか?
マーク・ローズウォーター:プレイ・ブースターは、我々がリミテッドと関係するコモンとアンコモンの役割について考え直すきっかけになった。コモンは、その色のデッキを使う際に採用を真剣に考えられるよう、もっと頼もしくなる必要がある。ごく一部のドラフト・アーキタイプにだけ望まれるようなカードやサイドボードを居場所にするような狭い効果しか持たないカードは、コモンから外されることになった。そういったカードはアンコモンに昇格したり、モードを持つ効果に組み込まれたりしている(これはMTGアリーナの「BO1」の登場で一度通った道だ)。アンコモンは幅を広げ、デッキの中心になるカードの増加を含めよりニッチな効果が収められるようになった。それから、コモンでは出せない高シナジーのカードの居場所にもなっている。
Mike Provencher――今回の変更は、ユニバースウィズインのカードの供給に影響を与えますか?
アーロン・フォーサイス:その質問への回答は、まだ決まっていません。またSecret Lairが関わるセットが登場する際に続報をお知らせします。
Mike Provencher――発表記事では色のバランスについても言及されていました。プレイ・ブースターではドラフト・ブースターより色のバランスが取れたものになるのでしょうか? それとも現在のドラフト・ブースターと同様に「各色のコモンが少なくとも1枚ある」くらいでしょうか?
マーク・ローズウォーター:コモンの確定枠が6枚しかないため、我々は4色のコモンを各パックに保証することにした(とはいえ5色目のコモンもよく出る)。
FridayOtter――この新たなパックを使うリミテッドについて、ドラフトで得るカード・プールの枚数が3枚少なくなることを考慮しましたか? ドラフトの受けの広さや戦略の軸となるもの、それから色がすぐに枯れてしまい、柔軟なドラフトが難しくなるのではないでしょうか? そうであるなら、その問題にどのように取り組みましたか?
アーロン・フォーサイス:より全般的なご質問として、「この変更後もリミテッドが『良い』と言い切れるのか?」という内容にお答えしましょう。私たちは1年以上前から社内でプレイ・ブースターを用いるドラフトやシールドをプレイし、全員がこれまでと同じくらいリミテッドを楽しんでいます。プレイ・ブースターを用いるリミテッドの環境を作るのは、称賛の声を多くいただいている近年のドラフト環境をもたらしてきた、非常に優秀で情熱にあふれた者たちです。リミテッドは、デザインにとって非常に柔軟なフォーマットです。私たちは『Mystery Booster』でも「マスターズ」セットでも、キューブでも、プレイ・ブースター以上に従来のドラフト・ブースターとさまざまな点で異なる製品で、楽しいリミテッド環境を作り上げてきました。どの環境でも熟考と反復が行われており、それは『カルロフ邸殺人事件』やその後のプレイ・ブースター・セットも同じなのです。
カードの枚数についてのご質問に答えるなら、各パックにもう1枚カードがある場合より戦略の軸が定まるのが遅くなることは確かでしょう。ですがその1枚が影響するほど軸を決めるのが遅い方はほとんどいません。近年のデザインにおいては、ドラフトやシールドのデッキからどれだけの数の「プレイに足る」カードをカットしなければならないかを考えると、カットの具体的な影響はほとんどないことを私は確信していました……あまりに多いのです! 個人的には、自分のカード・プールを揃えた後にカットするカードを決める手順が2~3回減ることを嬉しく思っています。
lightsentry――つい先ほど、マークが「この変更がなければ、リミテッドがフォーマットとして廃止される危険性があった」と言っているのを見ました。MTGアリーナでドラフトを楽しむ人をよく見かけますが、リミテッドはそんなに人気がないのでしょうか? この新しい解決策は、単にパックを統合するだけでなくどのように役立つのでしょうか?
マーク・ローズウォーター:はっきり言わせてほしいことが2つある。1つ目に、ドラフトは人気だ。この3年間でドラフトの認定イベントは増加を続けており、大変多くのプレイヤーが楽しんでいる。2つ目に、発表記事やブログで私が挙げた問題は、ドラフト・ブースターが抱えているものだ。ドラフトのプレイが増加する一方で、ドラフト・ブースターの売り上げは減少しているのだ。ブースターを開けるときに、セット・ブースターの方がよりエキサイティングだと判断し、セット・ブースターを開けるプレイヤーの数は増え続けていた。我々がプレイ・ブースターを作ることを選んだ理由は、繰り返しになるが人気フォーマットであるドラフトのサポートを続けるためであり、同時によりダイナミックなパック開封体験を好むプレイヤーにも対応するためだったのだ。
アーロン・フォーサイス:私からも補足を。ドラフトは、驚くべき知的活動とコレクションを楽しく増やせる手段の2つが1つになったフォーマットです。長年にわたり、私たちはその前者が「台無しになる」ことを恐れて後者の改善をためらっていました。その結果、私たちの製品開発チームはセット・ブースターを作り上げました。それは率直に申し上げて、通常のドラフト可能なブースターを繰り返しているだけでは決してたどり着けなかった、革新的な製品だったと思います。そしてそれは大当たりでした。クールなカードや、より多くのレアやフォイルを手に入れられるチャンスがあることは、知的活動よりもパックを購入する大きな動機になることがわかったのです。その上さらに、知的活動の部分はMTGアリーナが提供しており、実物のパックを必要とせずともその体験が得られたのです。実物のパックを使うドラフトを繁栄させるためには、「コレクションを増やしたい人」にもこのフォーマットをプレイしたいと思ってもらう必要がありました。そこで私たちは、セット・ブースターで得た大きな学びをすべて取り入れた上で、知的活動の部分を注入したのです。プレイ・ブースターには、皆さんに楽しんでもらえる製品に仕上がったことを期待しています。
MC frog――今回の変更はプレリリースにどのような影響を与えますか? プレリリースの参加費が倍になったら、参加者が大きく減ることは考えましたか?
アーロン・フォーサイス:参加費は高くなりますし、そのことを好む人がいるとは思っていません。ただ、これまでの2倍ほどになることはないはずです。プレイ・ブースターの価格は、多くのプレイヤーが好むセット・ブースターと同じです(皆さんが購入するときの価格は、私たちから購入した方が決めますが)。確かに、価格以外の要素がすべて同一であれば、経済理論からプレリリースの参加者が減少することは考えられます。ですが私は、プレイ・ブースターに付加価値があることを期待しています。価格とブースターの構成は、ここ数年最も売れているブースターと同じです。その体験をプレリリース・キットに収めることで、これまでプレリリースに興味を持たなかったプレイヤーをイベントに呼び込めるのではないかと思っています。
Karamus――Q&Aセッション中に「サイドボード用のコモンはなくなっていく」という発言がありましたが、これについて質問させてください。どのようなカードを「サイドボード用のコモン」と考えていますか? 《否認》や《精神腐敗》のようなカード? それとも《垂直落下》のようなものでしょうか? これからは《壊れた翼》のような複数の効果を合わせたようなカードが増えるのでしょうか? 今回の変更によって、リミテッドにおけるサイドボードは単にプレイしないカードの置き場であること以外にどのようなものになるのでしょうか?
アーロン・フォーサイス:まさに核心をついた素晴らしいご質問ですね……ですがこれは、MTGアリーナの「BO1」形式で行われるドラフトのゲームによるところが大きく、しばらく前から進行している変化です。《精神腐敗》や《垂直落下》が対戦相手が持つ高コストの飛行持ちレアに対して最高のカードであるなら、それらをもっとメインデッキに採用できるようにしたいと現在の私たちは考えています。それを実現するのに、《壊れた翼》や《頭蓋の奇襲》のようなデザインは効果的でしょう。
jnik――私がプレイ・ブースターにおける変更を正しく理解しているなら、セット・ブースターはレアや神話レアが出現する枠を1つ失っていませんか。
マーク・ローズウォーター:セット・ブースターには非フォイル仕様の不特定カード枠が2つあった。プレイ・ブースターではその枠が1つだ。だがプレイ・ブースター1パックの非フォイル仕様の不特定カード枠からレアや神話レアが出現する確率は、セット・ブースター2パックの非フォイル仕様の不特定カード枠からレアや神話レアが出現する確率と同じだ。我々は枠の構成は変更したが、レアや神話レアの出現率は変えていない。レアや神話レアの期待値は、セット・ブースターとプレイ・ブースターでほぼ同じになるはずだ。
NLi10――MTGアリーナでのドラフト参加費は変わりませんか?
マイク・チュリアン:MTGアリーナでは、新たなプレイ・ブースターを使用するものを含めリミテッドのイベント参加費を上げる予定はない。『カルロフ邸殺人事件』のドラフト参加費は『エルドレインの森』や『イクサラン:失われし洞窟』、その他近年のセットと同じだ。
Seanxjohnson――1ボックス24パック入りにすることは検討しましたか? そうであるなら、36パック入りにした主な理由は何ですか?
マイク・チュリアン:1ボックス何パック入りにするかは、さまざまな数を検討した。有力だったのはセット・ブースターボックスと同じ30パックか、ドラフト・ブースターボックスと同じ36パックだった。最終的に36パック入りにしたのは、1箱でドラフトができて賞品としてちょうどいい数のパックが残ることと、2箱で8人ドラフト3回分になるからだ。加えて、『ゼンディカーの夜明け』における「エクスペディション」や『指輪物語:中つ国の伝承』における「王国と遺物」のような特にエキサイティングなボックストッパーを同梱するための最高の選択肢になる。
PPPBBBTTT(Steven)――広告カードは出にくくなりますか。もう有用でないことを多くの人が感じています。
マイク・チュリアン:引き続き、プレイ・ブースターの発売にあわせて宣伝したい製品やキャンペーンはある。全体的に見て広告カードの数は減ってきており、今後も減らしていく予定だ。
Mike Provencher――フォイル仕様の不特定カード枠は、MTGアリーナでは通常の不特定カード枠になりますか?
マイク・チュリアン:MTGアリーナは常に本格的なプレイ体験をお届けできるよう取り組んでいる。テーブルトップで非フォイル仕様の不特定カード枠とフォイル仕様の不特定カード枠があるなら、(フォイル仕様がない)MTGアリーナでは非フォイル仕様の不特定カード枠を2つにすることが最善だ。不特定カード枠から出現するカードも、テーブルトップとMTGアリーナで機能的な違いはない。
Mike Provencher――MTGアリーナのドラフト参加費が変わらないことはわかりました。賞品も変わりませんか?
マイク・チュリアン:ああ、MTGアリーナにおける『カルロフ邸殺人事件』のドラフト参加費は変わらず、賞品も変わらない。
Mike Provencher――プレイ・ブースターに統率者セットのカードは収録されますか? コレクター・ブースター限定になるのでしょうか?
マイク・チュリアン:『カルロフ邸殺人事件』以降、プレイ・ブースターにもコレクター・ブースターにも統率者戦用の新規コンテンツは収録しない予定だ。将来的には戻すこともあるかもしれないけれど、現時点ではその計画はない。
Mike Provencher――マローがブログで、ユニークなコモンの総数は減りユニークなアンコモンの総数は増えると言っていました。つまりコモンはよりコモンらしく、アンコモンはよりアンコモンらしくなるかと思いますが、これによりドラフトのサインになるアンコモンのデザインはどのように変わるのでしょうか?
マーク・ローズウォーター:現在のところ、ドラフトのサインになるアンコモンの扱い方やデザインを変更する計画はない。
SquidSquad76――MTGアリーナ用に改訂される「ザ・リスト」について、ほぼすべてやすべてのカードがヒストリック範囲内のカードになるなど、大きな編集が加えられるのでしょうか? あるいは大部分はテーブルトップと同じで、デジタル向きでない一部カードのみ削除されるのでしょうか?
マイク・チュリアン:こちらの記事でお伝えしている通り、MTGアリーナにおいて古いカードを使用できるフォーマットはテーブルトップのものと異なるため、プレイ・デザイン・チームとの協働のもとで「ザ・リスト」収録の一部カードはMTGアリーナのフォーマットに合うよう入れ替える予定だ。
MTGアリーナでプレイ・ブースターを用いるドラフトをプレイする場合も、お近くのゲーム店でドラフトをする感覚に可能な限り近づけるから安心してくれ。
入れ替えられたカードを見てもらえばわかると思うけれど、異なるのはほんの一握りだけだよ。
VeganPaul――パックからより多くのレアが出現する可能性があるということで、これに対抗するためプレミアムレベルの除去がコモンに増えるのでしょうか? 《破滅の刃》やそれ以上のものを想定しています。
マーク・ローズウォーター:我々はセットのデザイン方法変更の一環として、回答となるカードの開封比を上げている。最もレアリティの低いカードのパワーレベルは、そのリミテッド環境のパワーレベルに合わせて設定され、最も頻出する脅威に対処できるよう偏るだろう(アーティファクトに注目したセットでは、アーティファクト除去が多くなるだろう)。
Mrbuzzfuzz――「ザ・リスト」収録のカードはコレクター・ブースターからも出現するようになりますか? 「コレクター」製品と銘打っているのに毎セット手に入らないカードが多いのは奇妙な感じです。
マイク・チュリアン:「スペシャルゲスト」カードはコレクター・ブースターからも出現する。「ザ・リスト」収録の再録カードは『カルロフ邸殺人事件』コレクター・ブースターから出現せず、今後も出現するようになる予定はない。
Plaz――コモンの数を減らしてアンコモンの数を増やすことについて、パウパーに導入されるカードの質を考慮しましたか? 《実験統合機》や《当世》のようなカードは、セットの多くの割合をコモンが占めるからこそコモンとして存在していますが、セットごとに20種のカードが事実上アンコモンへ移行するなら、パウパー環境を揺るがすような、あるいは面白い新コモンが登場する「余地」がアンコモンに留まってしまうのではないでしょうか。
マーク・ローズウォーター:パウパーに関する我々の哲学は、セットを機能させるために必要なコモンのみ作るというものだ。さまざまな環境がさまざまなデザインを促進し、パウパーはその中でうまくいった部分を取り入れることになる。我々は特にパウパーを意識してカードをデザインしていない。プレイ・ブースターへの変更がコモンを作成する上での選択に影響を与えることは間違いないため、きっとパウパーにも影響が出るだろう。だがその影響を理解するまでは時間がかかると思う。
DannyMethane――1ボックスあたりのアート・カードの枚数が最大18枚減ることになりますが、各セットの『Art Series』を発売する考えはありますか? アート・カードは1バージョンだけで、箔押し版しか出現しないのでしょうか? 現状だと、全81種のアート・カードをすべて揃えるには、3パックに1枚、被りなしで出現すると想定しても7ボックス以上開ける必要があります。
マイク・チュリアン:『カルロフ邸殺人事件』では、これまで81種作成していたアート・カードを49種に変更している。『サンダー・ジャンクションの無法者』ではアート・カードが全54種になる予定だ。この変更は、アート・カードの出現率が下がったことを反映している。
Nick.Moran――マークは発表記事とTwitchのQ&Aで、リミテッドを死の瀬戸際へ導いたセット・ブースターの問題や失敗を、たっぷり時間をかけて説明しました。私たちは2026年に、プレイ・ブースターが生み出したあらゆる問題や失敗を説明する記事を読むことになるのでは? 今回、ウィザーズが正しいことをやってのけたと、どうして私たちが確信できるでしょうか? もしプレイ・ブースターがセット・ブースターより悪いものだったら、再びリミテッドは死の瀬戸際に置かれることになるのでしょうか?
Mark Rosewater:マジックの30年にわたる歴史は、進化の歴史だ。我々は物事に挑み、フィードバックを集め、それをもとに調整している。セットやテーマ、メカニズム、そしてカード1枚1枚をデザインする方法は、我々が常に改善を続けてきた技術の上に成り立っているのだ。それこそが、良いゲーム・デザインの中核となる反復作業だ。セット・ブースターを作成したことは、前向きな一歩だった。我々はカードをブースター・パックにまとめる新たな手段を発見し、プレイヤーからの反応は驚くほど肯定的だった。我々は、学んだことをすべて取り入れて次の改善に取り組んでいる。今回の改善は基本的に、セット・ブースターをプレイできるものにする方法を見つけることだった。リミテッドのプレイはマジックのエコシステムに欠かせない重要な部分だからだ。大切なのは「正しい」ことをすることではなく、学び続け、適応し続けることだ。マジックがやってきたことには、振り返ってみればもっと改善できることがたくさんあるが、それはそもそも試してみなければわからなかったことなのだ。
PharmacistJudge――プレイ・ブースターに統率者戦向けのカードが入らないなら、各セットの統率者デッキに収録される統率者戦用の新規カードが増えることに期待していいですか?
マイク・チュリアン:構築済み統率者デッキに入る新規カードの量は、製品を構成する要素によって異なる。例えば『指輪物語:中つ国の伝承』や『Warhammer 40,000』のデッキでは新規カードを増やしたが、それはマジックの昔のカードの焼き直しだけでは捉えきれない世界に没入できる体験を用意したかったからだ。メインセットの方では、各統率者デッキに10枚から最大18枚ほどの新規カードが収録されている。高まり続ける統率者戦人気を受けて、私たちも統率者戦向けにデザインされた新規カードの数を増やしているよ。まとめると、プレイ・ブースターから新規の統率者戦向けカードが削除されたことで、構築済み統率者デッキの内容に大きな影響が出ることはないと思う。
Metallix87――パックの封入枚数をさらに多くすることは検討しましたか? 例えば1パック16枚にすると、ドラフトでどのパックも1周後にピックできます。
マイク・チュリアン:私たちは主に12~15枚でさまざまな枚数を試した。セット・ブースターとドラフト・ブースターの良いところを1つにしようとしていたから、それぞれのブースターの枚数から始めるのは自然なことだった。検討とテストを重ねた結果、14枚がドラフト・ブースターのプレイ体験とセット・ブースターの魅力を提供するのにベストな数字だという結論になったんだ。
YellowPie――今回の変更によって、ユニバースウィズインの再録やそれらの流通に変化はありますか? 引き続き「ザ・リスト」に収録されるなら、リミテッドで出現することがSecret Lairのユニバースビヨンドのデザインに影響を与えるのでしょうか?
マーク・ローズウォーター:私のブログでユニバースウィズインのカードは「ザ・リスト」に収録されると書いたが、あれは誤りだった。私の経験則からそう推測したのだが、実際にはどのように扱われるのかまだわからない。私が知っているのは、我々はSecret Lairのユニバースビヨンドのカードを、そのSecret Lairで最大限に活きるようにデザインするつもりだ、ということだけだ。ユニバースウィズイン版については、ニーズをもとに適切な方法を考えていく。
SteveHeist――MTGアリーナの「リマスター」セットをテーブルトップで印刷したり、テーブルトップの「リマスター」セットをMTGアリーナに実装したりすることは検討していますか?
マイク・チュリアン:製品を他のプラットフォームへ持っていくのが難しいのは、常に持っていく先の顧客に合ったものを提供したいという思いが私たちにあるからだ。例えばMTGアリーナには、まだ実装されていない新しいものを提供することを大切にしている。だがそれは、MTGアリーナからテーブルトップに持っていく場合はまったく当てはまらない。
リリース済みの製品のさらなる発展には、私たちも取り組んでいる。特にMTGアリーナでは、テーブルトップの製品からアイデアを得たイベントを開催しているよ。
UnleashEnlightenment――広告カードや補助カードをなくしてトークンやアート・カードを優先しないのはなぜですか?
マーク・ローズウォーター:広告カードは大幅に削減されている。それでもまだすべてのブースターパックに残っているのは、それがマジック・コミュニティにあまり関わっていないプレイヤーたちへ宣伝を届けるための、私たちの知る限り唯一の方法だからだ。彼らに楽しんでもらえるかもしれない他のものがあるのに、彼らがそれを知らないなら、知ってもらえる機会を持ちたいのだ。補助カードは、トークンと同じくゲームで使用できるツールだから、(必要とされるセットでは)変わらず採用していく。
Alex S――『イクサラン:失われし洞窟』の「スペシャルゲスト」として《魔力の墓所》が収録されますが、今後のセットでドラフトで使われる可能性がある中でこのレベルのカードは収録されますか?
マーク・ローズウォーター:《魔力の墓所》は非常に強力なカードであるため、軽々しく収録するものではない。とはいえその可能性がないとは言い切れない。
UntaPup――プレインズウォーカーが1セット1枚になった中で、近い将来、「ザ・リスト」や「スペシャルゲスト」を通して「実質的に」複数のプレインズウォーカーが登場する新セットはあり得ますか?
マーク・ローズウォーター:「ザ・リスト」や「スペシャルゲスト」にプレインズウォーカーの収録制限はない。
Mike Provencher――TwitchでのQ&Aを視聴すると、『カルロフ邸殺人事件』をもって「ザ・リスト」は終了し、その後はその枠がさまざまな用途に使われるように聞こえます。実際にそうなのか、私の聞き間違いなのか、はっきりさせてください。
マイク・チュリアン:『カルロフ邸殺人事件』の後も「ザ・リスト」は継続するよ。ただし再録カードの詰め合わせ(アートもエキスパンション・シンボルも元のバージョンと同じで、プレインズウォーカー・シンボルを加えただけの再録)からは脱却する予定だ。というわけで、『カルロフ邸殺人事件』の後も「ザ・リスト」は残るが、収録カードは調整するというのが答えだ。
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