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お知らせ
『イコリア:巨獣の棲処』更新速報(総合ルール更新、オラクル更新)
2020年4月10日
はじめに
ようこそ皆さん!
通常、舞台となる次元に関連してフレイバーに富んだことを一言二言言うことにしています。しかしイコリアについては、私は空飛ぶサメに乗っているのでとにかくさっさと始めましょう。イヤッホー!
いつもの通り、総合ルールはこの公式サイトのページで、オラクルはGathererで更新されることになります。現時点ではまだ更新されていないかもしれませんので、一般論だけ言っておきます。この記事はルールの変更について正式な文面が最終的に確定する前に書かれていますので、書かれている内容が正式な文章と少し異なる場合があります。
総合ルール変更点
103.1b
まず最初に、あなたのデッキを切り直してあなたのライブラリーにします。例外があります。その前に、サイドボードと、デッキ内にあるカードでゲーム開始時にライブラリーの中にないカードを処理しなければなりません。この新ルールは、相棒をどう扱うかを定めています。サイドボードを脇に置いたあとで(あるなら)相棒を公開しまずが、それは(あるなら)統率者を公開するよりも前です。
120.4
ダメージを与えることに関するルールに、新しく最初の段階が追加され、ダメージを与える工程は3つではなく4つの段階に分かれることになりました。新しい最初の段階では、置換効果を参照する前に「余剰ダメージ」の再割り当てを行ないます。これはトランプルの処理と同じです。これを「呪文トランプル」と捉えるなら、それで正解です。ただし、トランプルとダメージ倍増やダメージ軽減との相互作用をもうご存知なら、ですが。
ところで、単にトランプルにしなかった理由は、能力が使えるようにするため、そして必要なときには内部でほんのわずかだけ異なる作用をするような柔軟性をもたらすためです。
122.1b
キーワード・カウンターです!どのキーワードがキーワード・カウンターになったのかを列記して定義しています。融合は、まあ。
122.8
《オゾリス》が新しいテンプレートを開拓しました。何かが戦場を離れ、それによってカウンターが消滅することがわかっている場合も、「それらのカウンター」を置く、という形で言及できます。それらのカウンターは実際には消滅していますが、このルールによって同じビーズやサイコロやコインや子猫なんかを使うことを推奨するような単語を使わなくてもよくなりました。機能上は同一の、「これの上に置かれていたカウンターの各種類ごとにそれぞれ、その種類のカウンターを同数だけオゾリスの上に置く。」とか書くよりもずっとわかりやすくなっています。
201.5
このルールは、「ゴジラかゴリラか?」という質問には答えませんが、「ゴジラかジローサか?」という質問には答えています。カードで、通常のカード名欄の下の小さな枠に第2の名前が書かれている場合、その第2の名前のほうが正式なカード名です。カード名欄にあるカード名はルール上の意味を持ちません。
205.3
サブタイプの一覧がいろいろとあります! サメさん、カワウソさん、クリーチャーのサブタイプにようこそ。いや、カワウソを食べちゃだめですよ! こらっ、サメ、こらっ! 順当に、ルーカがプレインズウォーカーのサブタイプの一覧に加わりました。
607.5
706.7aは、関連した能力の1つ目の能力で選択が行われていない場合のルールでした。いやいや、関連した能力のルールは706節じゃなく607節のはずですよね。実際、どの項番がどのルールに当たるかというのが最初からわかっていたわけではないのでこんなことは言わないでしょう。このルールは現在の項番よりも前、さらにはルール上の概念としての関連した能力よりも前からありました。コピー効果との関係による問題が常々起こっていたので、これはコピー効果の項目で扱われていたのです。しかしながら、これはコピー効果だけでなく関連した能力の真実を表していますので、これを関連した能力の項目に移し、もう少しだけ一般的にしました。
613
多くのプレイヤーにとって、「種類別」という単語は奇妙で神秘的なルール上の概念として恐怖や不意打ちを感じさせるものです。実際、種類別のルールは、ほとんどの場合に2つの効果がどう相互作用するかの予測が正しくなるように存在しているものであり、そのために《月の大魔術師》と《謙虚》のような困った事態があることを許容してきました。約20年前に種類別のルールが導入されて以来の大変化になります。恐れず行きましょう! 変更点は4つです!
613.1a
第1種は、単なるコピー効果ではなくなりました。コピー可能なルールと効果です。新ルール613.2節はこれを拡張しています。旧来のコピー効果、タイムスタンプ順の変容による修整(理論上、銀枠カードもこの議論に含めるとしたら、宿主/拡張の修整もここに入ります)、そして裏向きの位相による変更された値が含まれます。変容を置いておくと、これは今までと何も変わりません。ついに、ルールの種類別の項目で明瞭明確になったのです。
613.1f
第6種、「能力」の種類別が、キーワード・カウンターを含むように変更されました。
613.3d
第7種のパワー/タフネス変更効果の種類細別はこれまで613.3節でしたが、613.2節に第1種の種類細別の項目ができたことで613.4節に移動しました。ただし、この1項目は変更されました。パワー/タフネスのカウンターはパワーやタフネスを増減させる能力とは別扱いになっていました。今後は第7種の種類細別1つの中で、能力由来でもカウンター由来でも、パワーやタフネスを増減させる効果すべてをひとまとめに扱うようになります。この変更による相互作用が1つだけあります。《ファイレクシアの摂取者》が+1/+1カウンターが1個置かれている《歩く墓場、髑髏茨》を生け贄に捧げた場合です。種類細別順でなく依存性(ルール上の大問題です)を使うことになるので、《ファイレクシアの摂取者》が受ける修整はこれまでの+1/+1ではなく、+2/+2になります。
613.7c
依存性が関係なければ(ああ、依存性はもういいから下がってて)、各種類別ごとの効果はタイムスタンプ順に適用されます。では、カウンターのタイムスタンプはどうなるのでしょう。ここで定義します。カウンターのタイムスタンプは、その種類のカウンターが最後にそのオブジェクトに置かれたときの値です。カウンターが取り除かれても変化しません。また、同じ種類のカウンターは互換性があるので、すべてが同じタイムスタンプを持ちます。
613.7k
2つのものが同時にタイムスタンプを得ることになったらどうなるでしょう? これまでは、アクティブ・プレイヤーがそれらすべての相対的タイムスタンプを選びました。マジックでは他のあらゆるところでアクティブ・プレイヤー・非アクティブ・プレイヤー順を使っているので、これは少し奇妙でした。そこで、種類別に関する他のことを変えるこの機会に、これも変更します。
702.138
これはこの長大なルール文書の中で一番友好的なルール群です。そう、相棒です! 誰が良きデーモン・クラーケンでしょう? あなたです! そう、あなたですね!
702.139と721
そして、変容とパーマネントの合同に関するルールになります。合同の節は将来活用できるよう、非常に柔軟なものにしてあります。これがホットな新技術になるのか、それとも1セットにしかない変なものになるのか。いずれわかるでしょう。
704.5g
自身のタフネス以上のダメージを負ったクリーチャーは破壊されます。それは当然です。しかし、《力の具現、ジローサ》のおかげで、曖昧さが生じました。0点のダメージは充分なダメージになるんでしょうか? ここ以外で「0点のダメージ」が意味を持つことはありませんので、ここでもそれに倣います。この状況起因処理が処理されるようになるためには、クリーチャーはダメージを負っていなければなりません。
903.11.
統率者戦のゲームでは、多くのプレイグループは、ゲームの外部からカードを持ち込むことを禁止するルールを定めています。そのため、ゲームの外部からカードを持ってくるというものは何もしないだけです。そのプレイグループがそのルールを使わず、《燃え立つ願い》の類のカードでサイドボード的な何かから探すことができる場合でも、固有色のルールを破ることや、同名のカードをゲーム内に持ち込むことは認められるべきではありません。このルールはそれを単なる提案ではなく明確なルールとして確立させ、また相棒がある場合にもルールで処理できるようにしました。つまり、プレイグループの合意があればこのルールを無視することを決めても構いません。私はルール・マネージャーであって、カード警察ではありません。
オラクル変更点
クリーチャー・タイプ サメ(機能変化)
歯が多い仲間が歯を見せて笑っています。『イコリア』で、サメが正式なクリーチャー・タイプになりました! 魚部族デッキを志向させるカードは存在せず、「サメ・魚」は変な響きなので、ダグ・ベイヤー/Doug Beyerは該当するクリーチャーでは魚をサメに置き換えることにしました。魚・トークンを生成する唯一のカード《浅瀬蟲》はどう見てもサメじゃない魚なので、魚のままになっています。
影響を受けるカード
- 《乱打する混成体》:魚・ビースト → サメ・ビースト
- 《Giant Shark》:魚 → サメ
- 《〈半鮫半|〉》:魚 → サメ
- 《シュモクザメ》:魚 → サメ
- 《シュラバザメ》:魚・カニ → サメ・カニ
- 《ヒレバサミダコ》:魚・タコ・カニ → サメ・タコ・カニ
- 《大食の巨大鮫》:魚 → サメ
《Chicken a la King》(機能変化)
『Unsanctioned』の発売とともに、Chicken(ニワトリ)は面白いけれども、ニワトリが鳥のクリーチャー・タイプを持っていたらもっとゲームプレイが楽しくなると判断しました。これは非常に明瞭な単語の置き換えでしたが、《Chicken a la King》には注目が集まりました。彼の高貴な玉子の血が、鳥をタップして鳥にカウンターを置けるようにした。そして『イコリア』の発売に合わせて彼は貴族になったのです!
《イリーシア木立のドライアド》(機能変化)
『テーロス還魂記』の《イリーシア木立のドライアド》はニンフとだけ印刷されていました。これは見落としで、ニンフ・ドライアドです。
《立つか転ぶか》(機能変化)
多人数戦周りのルールが進化して落ち着いてみると、《立つか転ぶか》は範疇外に置き去りになっていました。過去のオラクルの文章を正しく解釈し、曖昧さや議論を片付けると、対戦相手1人分のクリーチャーを選び、他の誰のクリーチャーでもブロックできないとなります。この新しい訂正によって、本来意図された機能に戻します。
《立つか転ぶか》旧テキスト:
At the beginning of combat on your turn, separate all creatures defending player controls into two piles. Only creatures in the pile of that player's choice can block this turn.
新テキスト:
At the beginning of combat on your turn, for each defending player, separate all creatures that player controls into two piles and that player chooses one. Only creatures in the chosen piles can block this turn.
日本語訳:
あなたのターンの戦闘の開始時に、各防御プレイヤーにつきそれぞれ、そのプレイヤーがコントロールしているクリーチャーを2つの束に分け、そのプレイヤーは束1つを選ぶ。このターン、その選ばれた束のクリーチャーでしかブロックできない。
何でも唱える(機能変化なし)
『エルドレインの王権』の当事者カードのメカニズムは、ルールの裏付けを持って文章的にごまかしてきたものに光を当てました。《ガラクの大軍》で「あなたのライブラリーの一番上のカードがクリーチャー・カードであるなら、あなたはそれを唱えてもよい。」と言っていたが、実際はそうではありません。変異で唱えるなら、アーティファクト・カードや土地・カードを唱えることができます。インスタントやソーサリーとして唱えるなら、当事者カードを唱えることはできません。実際に意味しているのは、「あなたはあなたのライブラリーの一番上のカードを、クリーチャー・呪文として唱えるなら唱えてもよい。」です。同様に、《ムル・ダヤの巫女》は、変異で唱えられる土地・カードでなくても、あなたのライブラリーの一番上から土地をプレイできます。
授与に関するルールが『テーロス還魂記』で更新されたとき、呪文を見ているかカードにさまざまな修正付きで見ているかによる違いが生じる最後の境界状況が取り除かれました。その差がなくなったので、もっと誠実でわかりやすい表記に改めることにしました。これは既存のルールの相互作用を変更するものではありませんが、今まで気付いていなかったことに気付くようになるかもしれません。
曖昧になったりあまりにも奇妙に聞こえたりする場合、あるいは単純に文章欄が足りない場合、今後も過去のテンプレートを使うことになるでしょう。(『統率者(2020年版)』の《熱心な秘儀術師、ハルダン》に顕著です。)この変更は100枚強のカードに影響します。例を挙げます。
《ガラクの大軍》旧テキスト(一部):
You may cast the top card of your library if it's a creature card.
新テキスト:
You may cast creature spells from the top of your library.
日本語訳:
あなたはあなたのライブラリーの一番上からクリーチャー・呪文を唱えてもよい。
強襲を手軽に(機能変化なし)
『イコリア』の《夜勤隊の猛士》から、強襲のテンプレートに疑念が出ました。そしてそれを偶然にも短くできる道具ができていたことに気付いたのです。この短縮を既存の強襲持ちのカードに適用しましたが、クリーチャーでしか攻撃できないのでこれは機能変化ではありません。これは強襲能力を持つすべてのカード、会戦の注釈文、《航路の作成》に影響します。
《マルドゥの心臓貫き》旧テキスト:
Raid - When Mardu Heart-Piercer enters the battlefield, if you attacked with a creature this turn, Mardu Heart-Piercer deals 2 damage to any target.
新テキスト:
Raid - When Mardu Heart-Piercer enters the battlefield, if you attacked this turn, Mardu Heart-Piercer deals 2 damage to any target.
日本語訳:
強襲 ― マルドゥの心臓貫きが戦場に出たとき、このターンにあなたが攻撃していた場合、クリーチャー1体かプレインズウォーカー1体かプレイヤー1人を対象とする。マルドゥの心臓貫きはそれに2点のダメージを与える。
もっと省略を(機能変化なし)
もう1つ、機能上の差がまったくないスタイル上の変更があります。《黎明起こし、ザーダ》は、0にはしないコスト低減効果の新しいテンプレートを採用しています。これによって冗長な単語を減らして冗長さを減らしました。この変更の影響を受けるのは、《訓練場》《ハートストーン》《Power Artifact》《生術師の使い魔》の4枚です。
《ハートストーン》旧テキスト:
Activated abilities of creatures cost {1} less to activate. This effect can't reduce the amount of mana an ability costs to activate to less than one mana.
新テキスト:
Activated abilities of creatures cost {1} less to activate. This effect can't reduce the mana in that cost to less than one mana.
日本語訳:
クリーチャーの起動型能力を起動するためのコストは{1}少なくなる。この効果は、そのコストに含まれるマナの点数を1点未満に減らせない。
《クローン》のすること(機能変化なし)
最後にもう1つ、「何も変更しない」変更です。ここで取り上げるのは、今から見る変更が機能変化でないと安心してもらい、単に2つの有効なテンプレートの使い方を標準化することで明瞭化するためです。何かを《クローン》する場合、特定の集団の「いずれか/any」をコピーすると書くときと「1つ/a」をコピーすると書くときがあります。エディターは、その使い分けについて、何をコピーできるかという条件によって、単に「戦場にあるクリーチャー」というような場合は、「any」を使うことになります。「あなたがコントロールするクリーチャー」という場合、「a」を使います。「any」を使っていたカードのうち、《無慈悲な捕食者》《鏡像》《エストリッドの祈祷》の3枚が「a」になります。
《鏡像》旧テキスト:
You may have Mirror Image enter the battlefield as a copy of any creature you control.
新テキスト:
You may have Mirror Image enter the battlefield as a copy of a creature you control.
日本語訳について:
- この変更は日本語版には影響しません。この類はすべて、1つ、1体などの数表記に統一されています。
(Tr. YONEMURA "Pao" Kaoru)
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