GAME PLAY

RULES

- ルール文書 -

マジック総合ルール(和訳 20240730.0 版)

 このルールに関して、英語を正文とし、ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社が著作権を持ちます。

 英文は https://magic.wizards.com/en/rules にあります。

(このファイルの最後にも詳細は記述してあります)

 このファイルは、マジック:ザ・ギャザリングのComprehensive Rulesを、International Judge Programの 日本マジックジャッジルール文書翻訳チーム が 2024-07-30 に翻訳したものです。 作成にあたり*ぱお*/米村 薫氏らによる翻訳を基にしています。

もくじ

0. はじめに

1. ゲームの考え方

2. カードの部分

3. カード・タイプ

4. 領域

5. ターンの構造

6. 呪文能力効果

7. その他のルール

8. 多人数戦ルール

9. カジュアル変種ルール

10. 用語集

マジック:ザ・ギャザリング 総合ルール

0. はじめに

 この文書は、マジック:ザ・ギャザリングの競技的ゲームプレイにおける最高権威である。この文章は、章立てられたルールと、用語集からなっている。ルールの多くは細分化され、それぞれのルールとサブルールには番号が振られている。(なお、サブルールの項番において"l"と"o"はそれぞれ"1"、"0"と似ているため欠番となっている。たとえば、rule 704.5kの次はrule 704.5mrule 704.5nrule 704.5p となっている。)

 この文章は公開された以降に更新されることがある。最新版は https://magic.wizards.com/en/rules からダウンロードできる。

1. ゲームの考え方

100. 原則

100.1. このマジックのルールは、2人以上のプレイヤーによるマジックのゲームに適用される。2人対戦と多人数戦が含まれる。

100.1a 2人対戦とは、2人で開始されるゲームのことである。

100.1b 多人数戦とは、3人以上のプレイヤーで開始されるゲームのことである。rule 8多人数戦ルール〕参照。

100.2. ゲームをするにあたって、各プレイヤーは、自分の、定形のマジックのカードで作られたデッキと、トークンカウンターを示す小さな物、ライフの総量をはっきり示す方法、を必要とする。

100.2a 構築環境(各プレイヤーが自分のデッキを作っておいて持ち寄るという遊び方)では、各デッキの最小枚数は60枚である。構築 デッキは、任意の枚数の基本 土地カードと、特定の英語名ごとに4枚以下の基本 土地以外のカードからなる。デッキ 構築に関しては、互換の名前を持つカードは同一の英語名を持つ(rule 201.3 参照)。

100.2b リミテッド環境(各プレイヤーが未開封のブースター・パックなどのマジックの製品を一定量受け取り、それと基本 土地カードだけを用いて会内で自分のデッキを組むという遊び方)では、各デッキの最小枚数は40枚である。リミテッドにおいては、その製品に含まれていたものであるかぎり、同じカードを何枚デッキに入れても問題ない。

100.2c 統率者戦デッキは追加のデッキ 構築制限に従う。rule 903統率者戦〕参照。

100.2d 一部のフォーマットやカジュアル・プレイでは、プレイヤー定形外のマジックのカードの補助デッキを使うことが認められている(rule 108.2a 参照)。それらの補助デッキにはそれぞれのデッキ 構築ルールが存在する。rule 717アトラクションカード〕、rule 901プレインチェイス戦〕、rule 904アーチエネミー戦〕参照。

100.3. カードの中には、コインや一般的なサイコロを必要とするものがある。カジュアル変種ルールには、そのためにデザインされたカード定形外のマジックのカードや特別なサイコロを必要とするものがある。rule 9〔カジュアル変種ルール〕参照。

100.4.プレイヤーデッキの他に、ゲームとゲームの間に デッキを調整するために使う追加のカード群であるサイドボードを持っていてもよい。

100.4a 構築環境では、サイドボードには最大15枚のカードを使用できる。4枚制限(rule 100.2a 参照)はデッキサイドボードの合計に適用される。

100.4b 個人で参加するリミテッド環境では、そのプレイヤーカード・プールの中でデッキに入らなかったカードすべてがそのプレイヤーサイドボードとなる。

100.4c 双頭巨人戦変種ルールを用いたリミテッド環境では、チームカード・プールの中でどちらのプレイヤーデッキにも入らなかったカードチームサイドボードとなる。

100.4d 双頭巨人戦以外のチーム戦変種ルールが適用されるリミテッド環境では、チームカード・プールの中でどのプレイヤーデッキにも入らなかったカードは、いずれか1人のプレイヤーサイドボードとなる。各プレイヤーはそれぞれにサイドボードを持ち、プレイヤー間での受け渡しは認められない。

100.5. デッキに特定の枚数以上のカードが含まれていなければならない場合、その枚数のことをデッキの最小枚数と呼ぶ。統率者戦以外のデッキでは、デッキの最大枚数は存在しない。

100.6. ほとんどのマジックの大会(他のプレイヤーと、賞を求めて競い合う組織化プレイ活動)には、マジック・イベント規定(https://wpn.wizards.com/en/resources/rules-documents)に定められている追加のルールが適用される。例えば、古いセットからのカードはすべて禁止、などである。(訳注:日本語版は https://mjmj.info/data/公開されている)

100.6a ほとんどの大会は、複数のマッチからなる。2人対戦のマッチは通常1人のプレイヤーが2ゲームに勝つまで行われる。多人数戦マッチは通常1ゲームからなる。

100.6b プレイヤーは最寄りの大会を見つけるため、Magic Store & Event Locator https://locator.wizards.com/ を使用することができる。

100.7. 一部のカードはカジュアルなプレイのためのものであり、このルールで扱っていない機能や文章を持っていることがある。これには、『Mystery Booster』のプレイテスト・カードや、プロモカードや、銀枠で印刷された「アン・セット」のカードや、『Unfinity』セットでカードの下側にどんぐりシンボルが描かれたカードがある。

101. マジックの黄金律

101.1. カードの文章がルールに直接矛盾しているときは、カードの記述が優先される。カードはその特定の状況に適用されるルールだけを無視する。このルールの唯一の例外として、プレイヤーはいつでも投了することができる(rule 104.3a 参照)。

101.2. ルールまたは効果によって何かをしてもよい、あるいは何かをするとされている時に、他の効果によってその同じことができないとされていた場合、「できない」という効果が優先される。

例:「このターン、あなたは追加で土地1枚をプレイしてよい。」という効果があり、他方では「このターン、あなた土地プレイすることはできない。」という効果があった場合、土地プレイを禁止する効果のほうが優先される。

101.2a オブジェクト能力を持たせる効果オブジェクトから能力を失わせる効果の相関については、このルールは適用されない(rule 113.10 参照)。

101.3. カードの記述の一部が実行不可能であった場合、その部分は無視される。(多くの場合、カードにその場合の処置が明記されている。そうでなければ、効果はない。)

101.4. 複数のプレイヤーが同時に何らかの選択を行なったり処理したりする場合、アクティブ・プレイヤー(そのターンのプレイヤー)が必要な選択をすべて行い、そのあとでターン順で次のプレイヤー(通常、アクティブ・プレイヤーの左隣に座っているプレイヤー)が必要な選択を行い、その後、残っている非アクティブ・プレイヤーがターン順に選択していく。すべての選択が終わった後、処理が同時に行われる。このルールは「アクティブ・プレイヤー・非アクティブ・プレイヤー順ルール」(またはAPNAP順ルール)と呼ばれる。

例:「各プレイヤーはそれぞれ、クリーチャー1体を生け贄に捧げる。」というカードがあった場合、まずアクティブ・プレイヤーが自分がコントロールしているクリーチャー1体を選び、それから各非アクティブ・プレイヤーがターン順にそれぞれ自分がコントロールしているクリーチャー1体を選ぶ。その後で、これによって選ばれたすべてのクリーチャーが同時に生け贄に捧げられる。

101.4a 効果によって各プレイヤー手札ライブラリーなど非公開領域からカードを選ぶ場合、そのカードは選ばれた時点では裏向きのままでありうる。しかし、各プレイヤーが選んでいるのがどの裏向きカードかは明白に示されなければならない。

101.4b プレイヤーは、rule 101.4a の例外を除いて、その前のプレイヤーがどのような選択を行なったかを知った上で選択を行う。

101.4c 1人のプレイヤーが複数の選択を同時に行う場合、書かれている順で選択を行う。順番が指定されていなければ、そのプレイヤーが順番を決める。

101.4d 非アクティブ・プレイヤーの行なったいずれかの選択によって、アクティブ・プレイヤーまたはターン順で前にいる他の非アクティブ・プレイヤーによる選択が必要となった場合、その時点で残っているすべての選択のためにAPNAP順が再び開始される。

101.4e ゲームの開始時に複数のプレイヤーが選択や処理をする場合、開始プレイヤーアクティブ・プレイヤー、他のプレイヤーを非アクティブ・プレイヤーとして扱う。

102. プレイヤー

102.1. プレイヤーとは、そのゲームに参加している人のことである。アクティブ・プレイヤーとは、現在進行中のターンのプレイヤーのことである。他のプレイヤーのことを、非アクティブ・プレイヤーと呼ぶ。

102.2. 2人対戦においては、プレイヤー対戦相手とはもう一方のプレイヤーのことである。

102.3. チームによる多人数戦においては、同じチームに属する他のプレイヤーチームメイトであり、同じチームに属さないプレイヤー対戦相手である。

102.4. 呪文能力が、「あなたの チーム/your team」という表記を「あなたあなたの チームメイト/you and/or your teammates」の省略として使うことがある。チームによる多人数戦以外のゲームにおいては、「あなたの チーム」は「あなた」と同じものを示す。

103. ゲームの始め方

103.1. ゲームの開始時に、プレイヤーはそのどちらが先攻後攻を選ぶかを決める。マッチの第1ゲーム(単一のゲームからなるマッチを含む)においては、その方法は両方が納得できる方法(コイン投げや、ダイスを振るなど)であれば何でもよい。複数のゲームからなるマッチにおいては、直前のゲームで負けたプレイヤーが先攻後攻を選ぶ。前のゲームが引き分けであった場合、前のゲームで先攻後攻を選んだプレイヤーが選ぶ。先攻となったプレイヤー開始プレイヤーである。通常、ターン進行は開始プレイヤーから時計回りに進む。

103.1a 「共有チーム・ターン」選択ルールを用いているゲームにおいては、開始プレイヤーではなく開始チームが存在する。

103.1b アーチエネミー戦においては、この種の方法を用いて先攻を決めることはなく、必ず魔王が先攻となる。

103.1c 1枚のカード(《権力行使》)には、そのコントローラー開始プレイヤーとなるという記述がある。この効果はこの決定の後に処理され、この項目の手順を上書きする。

103.2. 開始プレイヤーを決めた後で必要な手順があるゲームが存在する。その場合、rule 103.2a-e で記された処理を順に行う。

103.2a プレイヤーサイドボード(rule 100.4 参照)または差し替えカードで示されているカード(rule 713 参照)を使っている場合、切り直す前にそれらを脇に置く。この後で、プレイヤーデッキ開始時のデッキとなる。

103.2b プレイヤーが、自分が所有していて相棒 能力を持つカードゲームの外部から公開したい場合、公開することができる。こうして公開できるのは1枚だけであり、デッキがそのカード相棒 能力の条件を満たしている場合だけである。その公開されたカードはゲーム外に残る。(rule 702.139相棒〕参照)。

103.2c 統率者戦では、各プレイヤーは自分のデッキから自分の統率者オモテ向き統率領域に置く。rule 903.6 参照。

103.2d 構築戦では、ステッカー・シートを使ってプレイする各プレイヤーは自分のステッカー・シートをすべて公開し、そのなかの3枚を無作為に選ぶ。リミテッド戦では、各プレイヤーは最大3枚のステッカー・シートを自分が開封した製品の中から選び、それを公開する。いずれの場合にも、そのプレイヤーはゲームの間、それらの選ばれたシートしか使用できず、それらのステッカー・シート公開されたままになる(rule 123ステッカー〕参照)。

103.2e コンスピラシー・ドラフトにおいては、プレイヤーはそれぞれ自分のサイドボードから好きな枚数の策略カード統率領域に置く。rule 905.4 参照。

103.3. 開始プレイヤーが決定し、追加の手順が終了したあとで、各プレイヤーカードが無作為の順番になるように自分のデッキ切り直す。その後、各プレイヤーはそれぞれ対戦相手デッキ切り直したりカットしたりしてもよい。プレイヤーデッキはそのプレイヤーライブラリーとなる。

103.3a 定形外のマジックのカードの補助デッキ(rule 100.2d 参照)1つ以上を使うゲームでは、各補助デッキオーナーカードが無作為の順番になるようそれを切り直す。その後、各プレイヤーはそれぞれ対戦相手の補助デッキ切り直したりカットしたりしてもよい。

103.4. それぞれのプレイヤーは20点の初期ライフ総量を持ってゲームを始める。変種ルールによっては異なるライフの総量を持つ場合もある。

103.4a 双頭巨人戦では、各チーム初期ライフ総量は30点である。

103.4b ヴァンガード戦では、各プレイヤー初期ライフ総量は20点に自分のヴァンガードカードによるライフ補正子を加えたものである。

103.4c 統率者戦では、各プレイヤー初期ライフ総量は40点である。

103.4d 2人ブロール戦では、各プレイヤー初期ライフ総量は25点である。多人数ブロール戦では、各プレイヤー初期ライフ総量は30点である。

103.4e アーチエネミー戦では、魔王初期ライフ総量は40点である。

103.5.プレイヤーは自分の初期手札枚数に等しい枚数のカードく。初期手札枚数は通常7枚である(ただし効果によって初期手札枚数が変わることがある)。最初の手札が満足できるものでなかったプレイヤーは、マリガンを行うことができる。まず、開始プレイヤーマリガンを行うかどうかを決め、その後、ターン順に各プレイヤーが同様の選択を行う。全プレイヤーが選択を終えた後、マリガンすることを選んだプレイヤーは同時にマリガンを行う。マリガンとは、自分の手札カードを自分のライブラリーの中に混ぜて切り直し、初期手札枚数に等しい枚数の新しい手札き、そしてそのカードのうちそのプレイヤーマリガンした回数に等しい枚数を好きな順番で自分のライブラリーの一番下に置くことである。これ以上マリガンをしないと決めたら、そのカードがそのプレイヤー開始時の手札となり、それ以降マリガンをすることはできない。この手順は、すべてのプレイヤーマリガンしなくなるまで繰り返される。プレイヤーは、最初の手札が0枚になるまではマリガンをすることができ、それ以降はそれ以上のマリガンはできない。

103.5a ヴァンガード戦では、各プレイヤー初期手札枚数は7枚に自分のヴァンガードカードによる手札補正子を加えたものである。

103.5b 「[プレイヤー]がマリガンを行えるときならいつでも/any time [that player] could mulligan,」そのプレイヤーが何か処理をしてもよいという効果がある場合、そのプレイヤーはその処理を、マリガンするかしないかを決定する時に行なってもよい。これは1回目のマリガンである必要はなく、他のプレイヤーマリガンするかどうか決めた後でそのプレイヤーはこの処理をするかどうかの選択をすることができる。その処理をした場合、そのプレイヤーは改めてマリガンするかどうかの選択を行う。

103.5c 多人数戦ブロール戦では、そのプレイヤーライブラリーの一番下に置く枚数やマリガンできる回数を決める上で、1回目のマリガンは計算に入れない。以降のマリガンは、通常通り数える。

103.5d 「共有チーム・ターン」選択ルールを用いる多人数戦において、まず開始チームの各プレイヤーマリガン行うかどうかを選択し、その後他のチームそれぞれのプレイヤーがターン順に同様の選択を行う。チームメイトマリガンを行うかどうか相談してもよい。その後、全てのマリガンが同時に行われる。チームメイトマリガンをしないことを選んだ後でも、もう一方のプレイヤーマリガンすることができる。

103.6. 開始時の手札にある場合にプレイヤーが何か処理を行うことができるカードが存在する。マリガンの手順(rule 103.5 参照)が終わった後、開始プレイヤーはそれらの処理を好きな順番で行なってもよい。その後、他のプレイヤーがターン順に同様の処理を行う。

103.6a そのカード戦場に出した状態でゲームを始めてもよいというカードがあった場合、その処理を行なったプレイヤーはそのカード戦場に出す。

103.6b 開始時の手札にあるそのカード公開してもよいというカードがあった場合、その処理を行なったプレイヤーはそのカード公開する。そのカードは、最初のターンが始まるまで公開されたままとなる。この方法で公開できるのは、各カードにつき一度だけである。

103.6c 「共有チーム・ターン」選択ルールを用いる多人数戦においては、開始チームプレイヤーはそのチームの望む順番でこれらの処理を行なってもよい。この決定について、チームメイトと相談してもよい。その後、他のチームプレイヤーがターン順に同様の処理を行う。

103.7. プレインチェイス戦においては、開始プレイヤーが自分の次元デッキの一番上のカードを取ってオモテ向きに置く。そのカード現象カードだった場合、そのカード次元デッキの一番下に置き、次元カードオモテ向き になるまでこの手順を繰り返す。そのオモテ向き になった次元カードが開始次元となる。(rule 901プレインチェイス戦〕参照)

103.8. 開始プレイヤーは自分の最初のターンを始める。

103.8a 2人対戦では、先攻のプレイヤーは、最初のターンのドロー・ステップ(rule 504ドロー・ステップ〕参照)を飛ばす。

103.8b 双頭巨人戦では、先攻のチームは最初のターンのドロー・ステップ飛ばす。

103.8c それ以外のあらゆる多人数戦では、どのプレイヤーも最初のターンのドロー・ステップ飛ばさない。

104. ゲームの終了

104.1. いずれかのプレイヤーが勝った、またはゲームが引き分け になった、あるいはそのゲームが再び開始されたら、そのゲームは即座に終わる。

104.2. ゲームの勝利となる条件がいくつか存在する。

104.2a ゲームに残っているプレイヤー1人から見た対戦相手全員がゲームから離れた場合、その残っているプレイヤーの勝ちとなる。これは即座に処理され、そのプレイヤーが勝利できないというあらゆる効果を無視する。

104.2b 効果によってプレイヤーの勝ちとなることがある。

104.2c チームによる多人数戦においては、少なくとも1人のプレイヤーがゲームに残っているチームから見て他のチーム全てがゲームから離れた場合、その残っているプレイヤーのいるチームの勝ちとなる。勝ちとなったチームプレイヤーは、そのプレイヤー自身が負けになっていたとしても、全員が勝ちとなる。

104.2d 皇帝戦においては、皇帝ゲームに勝ったチームの勝ちとなる(rule 809.5 参照)。

104.3. ゲームの敗北となる条件がいくつか存在する。

104.3a プレイヤーはいつでも投了できる。投了したプレイヤーは即座にゲームから離れ、そして負けとなる。

104.3b プレイヤーライフの総量が0以下になったら、そのプレイヤーは次に優先権が発生したとき、ゲームに負ける。これは状況起因処理である。rule 704状況起因処理〕参照。

104.3c ライブラリーに残っているよりも多いカードくことが求められたら、残されているカードをすべてき、次に優先権が発生したときにそのゲームに負ける。これは状況起因処理である。rule 704状況起因処理〕参照。

104.3d プレイヤーが10個以上の「毒カウンター/poison counter」を得た場合、次に優先権が発生するときにそのプレイヤーは負けとなる。これは状況起因処理である。rule 704状況起因処理〕参照。

104.3e 効果によってプレイヤーの負けになることがある。

104.3f あるゲームにおいて、あるプレイヤーが勝利条件と敗北条件を同時に満たした場合、そのプレイヤーはそのゲームに負ける。

104.3g チームによる多人数戦では、そのチームプレイヤー全てがそのゲームで負けたときにチームもそのゲームに負ける。

104.3h 影響範囲限定 選択ルール(rule 801 参照)を用いた多人数戦において、あるプレイヤーの勝ちにな効果は、その代わりに、そのプレイヤー影響範囲内にいる対戦相手すべてを負けにする。これによってゲームが終わるわけではない。

104.3i 皇帝戦において、皇帝がゲームに負けたチームは負けとなる(rule 809.5 参照)。

104.3j 統率者戦において、1つのゲームを通して、単一の統率者から21点以上の戦闘ダメージを受けたプレイヤーは負けとなる。(これは状況起因処理である。rule 704rule 903.10 参照。)

104.3k 大会においては、ジャッジによって課せられる懲罰の結果としてゲームに負けることがある。rule 100.6 参照。

104.4. ゲームが引き分け になる場合がいくつか存在する。

104.4a ゲームに残っていたすべてのプレイヤーが同時に負けた場合、ゲームは引き分けとなる。

104.4b影響範囲限定選択ルールを用いないゲーム(2人対戦を含む)において、ゲームが強制的な処理による「ループ」、すなわち止める方法がない一連のイベントの繰り返しに入った場合、ゲームは引き分けとなる。選択可能な処理が含まれるループによって引き分け になることはない。

104.4c 効果によってゲームが引き分け になることがある。

104.4d チームによる多人数戦においては、残っていたすべてのチームが同時に負けた場合、ゲームは引き分けとなる。

104.4e影響範囲限定選択ルールを使った多人数戦において、ゲームを引き分けにする呪文能力効果は、その呪文能力コントローラーとその影響範囲内にいるプレイヤー引き分けにする。それらのプレイヤーはゲームから離れ、他のプレイヤーはゲームを続ける。

104.4f影響範囲限定選択ルールを使った多人数戦において、ゲームが強制的な処理による「ループ」、すなわち止める方法がない一連のイベントの繰り返しに入った場合、そのループに含まれるオブジェクトコントロールしているプレイヤー、ならびにそれらのプレイヤーのいずれかの影響範囲内にいるすべてのプレイヤーは、そのゲームにおいて引き分けとなる。それらのプレイヤーはゲームから離れ、他のプレイヤーはゲームを続ける。

104.4g チーム同士による多人数戦において、そのチームの残っているすべてのプレイヤー引き分けに終わった場合、そのチーム引き分け になる。

104.4h 「皇帝戦」変種ルールにおいて、その皇帝がゲームに引き分け になった場合、チーム引き分け になる(rule 809.5 参照)。

104.4i 大会においては、ゲームに参加しているすべてのプレイヤーは同意による引き分けにすることに同意できる。rule 100.6 参照。

104.5. プレイヤーが負けになったら、そのプレイヤーはゲームから離れる。プレイヤー引き分け になったら、そのプレイヤーはゲームから離れる。多人数戦のルールで、プレイヤーがゲームから離れた場合の処理について記述されている。rule 800.4 参照。

104.6. ゲームを再び開始するカード(《解放された者、カーン》)が存在する。再び開始する時点でそのゲームに参加していたすべてのプレイヤーは、即座に新しいゲームを開始する。rule 724ゲームを再び開始する〕参照。

105.

105.1. マジックでいうとは、「白/White」「青/Blue」「黒/Black」「赤/Red」「緑/Green」である。

105.2. オブジェクトは、上記の5つののうち1つ以上のであることも、無色であることもありうる。オブジェクトは、カードの枠の色とは関係なく、マナ・コストに含まれるマナ・シンボルである。オブジェクトは、色指標特性定義能力によって定義されることもある。rule 202.2 参照。

105.2a 単色オブジェクトは、5のうちちょうど1だけを持つ。

105.2b 多色オブジェクトは、5のうち2以上のを持つ。

105.2c 無色オブジェクトは、を持たない。

105.3. 効果によってオブジェクトが変わったり、無色オブジェクトを得たりすることがある。効果によってオブジェクトが新しいを得る場合、(効果にそれ(またはこれ)の他の「に加えて/in addition to」と書かれていない限り)新しいでそれまでのを置き換える。効果によって、を持つオブジェクト無色 になることもある。

105.4. プレイヤーを選ぶ場合、上記の5の中から選ばなければならない。「多色/multicolored」や「無色/colorless」はではない。

105.5. 効果が「2の組/color pair」を参照する場合、それは5のうちちょうど2を意味する。の組み合わせは10組存在し、白青、白黒、青黒、青赤、黒赤、黒緑、赤緑、赤白、緑白、緑青である。

106. マナ

106.1. マナはマジックの基礎となるリソースである。プレイヤーマナを消費して、呪文唱えたり能力起動したりする場合などのコスト支払う。

106.1a 5マナが存在する。「白/White」「青/Blue」「黒/Black」「赤/Red」「緑/Green」である。

106.1b マナタイプは6種類である。「白/White」「青/Blue」「黒/Black」「赤/Red」「緑/Green」、ならびに「無色/Colorless」である。

106.2. マナマナ・シンボル(rule 107.4 参照)によって表される。マナ・シンボルマナ・コストを示すのにも使われる(rule 202 参照)。

106.3. マナマナ能力(rule 605 参照)の効果によって生み出される。それ以外にも、呪文マナ能力でない能力効果によって生み出されることもある。マナを生み出す呪文能力は、プレイヤーマナを加えさせる。マナ呪文によって生み出された場合、そのマナの発生源はその呪文である。マナ能力によって生み出された場合、そのマナの発生源はその能力の発生源(rule 113.7 参照)である。

106.4. 効果の記述によってプレイヤーマナを加える場合、そのマナプレイヤーマナ・プールに置かれる。これ以降、コスト支払うために即座に使うこともできるし、未消費のマナとしてマナ・プールに残しておくこともできる。各プレイヤーマナ・プールは、各ステップフェイズの終了時に空になる。それをプレイヤーマナを失うという。マナを生み出したり未消費のマナを参照したりするカードは、オラクルで訂正され、マナ・プールを明示的に参照することはなくなっている。

106.4a コスト支払うためにマナを消費した後でマナマナ・プールに残っている場合、そのプレイヤーはどのマナが残っているかを宣言する。

106.4b マナ・プールマナ・プールに残した状態でプレイヤー優先権パスした場合(rule 117 参照)、そのプレイヤーはどのマナが残っているかを宣言する。

106.5. 能力が、タイプの定義されていないマナを生み出す場合、代わりに マナを生み出さない。

例:《隕石のクレーター》は「{T}: あなたコントロールしているパーマネント1を選ぶ。そのマナ1点を加える。」という能力を持つ。あなたのついたパーマネントコントロールしていないなら、《隕石のクレーター》のマナ能力起動したことによってマナは生み出されない。

106.6. 呪文能力の中には、生み出したマナをどう使うかについて限定のあるものや、そのマナを消費した呪文能力に影響を及ぼす追加の効果を持つもの、そのマナを消費したときに誘発する遅延誘発型能力(rule 603.7a 参照)を作るものがある。それらはマナタイプには影響を及ぼさない。

例:プレイヤーマナ・プールに、クリーチャー呪文唱えるためにだけ消費できる{R}{G}がある。そのプレイヤーが《倍化の立方体》の、「{3},{T}:あなたが持つ各タイプの未消費のマナの量を2倍にする。」という能力起動した。そのプレイヤーマナ・プールには{R}{R}{G}{G}があり、そのうちで{R}{G}は好きな目的で使うことができる。

106.6a 置換効果の中には、呪文能力が生み出すマナの量を増加させるものがある。その場合、その呪文能力によって作られるあらゆる制限や追加効果は、生み出されたマナ全てに適用される。呪文能力が、そのマナが消費されたときに誘発する遅延誘発型能力を作る場合、各マナにそれぞれ別の遅延誘発型能力が作られる。呪文能力が、そのマナが消費された場合に継続的効果置換効果を作る場合、各マナにそれぞれ別の効果が作られる。

106.7. 他のパーマネントが生み出すことのできるマナタイプに基づいたマナを生み出す能力が存在する。「生み出すことのできる/could produce」マナタイプとは、そのパーマネント能力がその時点で解決され、すべての存在する置換効果が可能な任意の順番で適用されたとして生み出すことになマナタイプのことである。その能力のためのコスト支払えるかどうかは考慮しない。この条件で見てそのパーマネントマナを生み出さない場合や生み出すマナタイプが定義されない場合、そのパーマネントが生み出すことのできるマナタイプは存在しない。

例:《風変わりな果樹園》は「{T}:対戦相手コントロールしている土地が生み出すことのできる1マナ1点を加える。」という能力を持つ。対戦相手土地コントロールしていないなら、《風変わりな果樹園》のマナ能力起動してもマナを生み出すことはできない。これは、あなた対戦相手がそれぞれ《風変わりな果樹園》だけを出している場合も同じである。ただし、あなたがそれに加えて《》をコントロールしていた場合、あなたの風変わりな果樹園》も対戦相手の《風変わりな果樹園》も{G}を生み出すことができる。

106.8. 効果混成マナ・シンボルで表されるマナ1点をプレイヤーマナ・プールに加える場合、そのプレイヤーがそのシンボルのどちらか半分を選ぶ。 マナである半分を選んだ場合、そのマナ1点をそのプレイヤーマナ・プールに加える。不特定マナである半分を選んだ場合、そこに示されている数の無色 マナをそのプレイヤーマナ・プールに加える。

106.9. 何らかの効果ファイレクシア・マナ・シンボルで表されるマナ1点をプレイヤーマナ・プールに加える場合、そのシンボルのマナ1点をそのプレイヤーマナ・プールに加える。

106.10. 効果が、不特定マナ・シンボルで表されるマナプレイヤーマナ・プールに加えるとなっている場合、その量の無色 マナをそのプレイヤーマナ・プールに加える。

106.11. 効果が、1個以上の氷雪マナ・シンボルで表されるマナプレイヤーマナ・プールに加えるとなっている場合、その量の無色 マナをそのプレイヤーマナ・プールに加える。

106.12.マナき出す目的で[パーマネント]をタップする/tap [a permanent] for mana」とは、そのパーマネントの、起動コストに{T}シンボルを含むマナ能力起動するということを意味する。rule 605マナ能力〕参照。

106.12a パーマネントが「マナき出す目的でタップされるたび/is tapped for mana」あるいは特定の種類のマナき出す目的でタップされるたびに誘発する能力は、その種のマナ能力解決されてマナを出すたび、あるいは特定種類のマナを出すたびに誘発する。

106.12b パーマネントが「マナき出す目的でタップされる/is tapped for mana」こと、あるいは特定の種類や量のマナを出す目的でタップされることに適用される置換効果は、その能力解決してマナ(あるいは特定の種類や量のマナ)を生成する間にそのマナ 生成 イベントを変更する。

106.13. あるカード(《魔力奪取》)が、あるプレイヤーの持つ未消費のすべてのマナを失わせ、他のプレイヤーに「これによって失われたマナ/the mana lost this way」を加えることがある(同一のプレイヤーでも構わない)。これは、前者のプレイヤーマナ・プールを空にし、この方法で空にされたマナを後者のプレイヤーマナ・プールに入れるということを意味する。どのパーマネント呪文能力によって作られたかということは変更されず、そのマナに課せられている制限や追加の効果も変更されない。

107. 数とシンボル

107.1. マジックのゲームでは、整数だけを用いる。

107.1a 分数や小数を選んだり、分数や小数分のダメージ与えたり、ライフを得たりするようなことはできない。呪文能力によって分数が出てくる可能性がある場合、その呪文能力に切り上げか切り捨てかが明記されている。

107.1b ほとんどの場合、マジックにおいては正の数と0だけを用いる。負の数を選んだり、負の値のダメージ与えたり、ライフを得たりすることはできない。クリーチャーパワーなど、ゲーム上の値が0未満になることはありうる。計算や比較のために負の値を用いる必要がある場合、そのまま負の値を用いる。効果の結果を定める計算の結果が負の数になった場合、その効果が、プレイヤーライフの総量やクリーチャークリーチャーカードパワータフネスを、倍にしたり特定の値にしたりするものでない限り、代わりに0を用いる。

例:3/4クリーチャーが-5/-0の修整を受けた場合、そのクリーチャーは-2/4になり、戦闘ではダメージを割り振らない。パワータフネスの合計は2である。+3/+0の修整を与えると、パワーは1になる。

例:《ヴィリジアンの社交家》は1/2クリーチャーで、「{T}:ヴィリジアンの社交家のパワーに等しい点数の{G}を加える。」という能力を持つ。効果によって-2/-0されていた場合、この能力起動してもあなたの マナ・プールマナが加えられることはない。

例:《カメレオンの巨像》は4/4クリーチャーで、「{2}{G}{G}:ターン終了時まで、カメレオンの巨像は+X/+Xの修整を受ける。Xはこれのパワーに等しい。」の能力を持つ。効果によって-6/-0された後でこの能力起動した場合、これは-2/4クリーチャーのままである。-4/2になるわけではない。

107.1c ルールや能力プレイヤーに「望む数/any number」を選ばせる場合、そのプレイヤーは、0以上の任意の整数を選ぶことができる。

107.2. 未定義の数字が結果であれ計算中であれ出てきた場合、代わりに0を用いる。

107.3. 多くのオブジェクトは、まだ決定されていない数を必要とする部分にXの文字を用いている。オブジェクトによっては、Xの値を定義する能力が存在する。それ以外の場合、そのコントローラーXの値を選ぶ。

107.3a 呪文起動型能力マナ・コスト代替コスト追加コスト起動コストに{X}、[-X]、あるいはXを含み、Xがその呪文能力の文章内で定義されていない場合、その呪文能力コントローラー呪文唱えることあるいは能力起動することの一部としてXの値を選び、宣言する(rule 601呪文唱えること〕参照)。呪文スタック上にある間、それのマナ・コストや、それが持つ代替コスト追加コストに含まれるすべてのXは宣言された値である。起動型能力スタックにある間、それの起動コストに含まれるすべてのXは宣言された値である。

107.3b Xがその呪文の文章によって定義されておらずマナ・コストに{X}を含む呪文を、マナ・コストXを含む代替コスト支払わずに唱えられる効果によって唱える場合、Xについての適正な選択は0だけである。これはコストを単に減らす効果には、それによってコストが0になったとしても、適用されない。rule 601呪文唱えること〕参照。

107.3c 呪文起動型能力コストや文章に{X}、[-X]、Xが含まれ、その値がその呪文能力の文章によって定義されている場合、その呪文能力スタックにある間のXの値はその値である。その呪文能力コントローラーが値を選ぶことはできない。なお、その呪文能力スタックにある間にも、Xの値が変動することはあり得る。

107.3d 待機 コスト変異 コストなど、特別な処理に関するコストに{X}やXが含まれている場合、そのXはその特別な処理をするプレイヤーがそのコスト支払う直前に選ぶ。

107.3e 呪文能力が、他のオブジェクトの持つ、マナ・コスト代替コスト追加コスト起動コストに含まれる{X}やXを参照する場合、その呪文能力の文章に含まれるすべてのXはそのオブジェクトのために選ばれたあるいは定義されたXの値を用いる。

107.3f Xマナ・コスト代替コスト追加コスト起動コストではない文中にある場合、そのXが定義されていなかったなら、その呪文能力コントローラーがそのXの値を(スタックに積まれたときか解決された時かいずれか)必要な時点で選ぶ。

107.3g スタック以外のいずれかの領域にあるカードマナ・コストに含まれる{X}の値は、文章中でXの値が定義されていたとしても、0として扱われる。

107.3h 効果によってプレイヤーが{X}を含むオブジェクトマナ・コスト支払う場合、そのオブジェクトスタック上にある呪文でない限り、Xの値は0として扱われる。呪文である場合、Xの値はその呪文唱えられた時に選ばれ、あるいは決定された値である。

107.3i 通常、いつでも、オブジェクト1個の上に複数あるすべてのXは同じ値を取る。

107.3j オブジェクト能力を得た場合、その能力内のXの値はその能力によって定義される。その能力が定義していない場合、0となる。これは rule 107.3i の例外である。これは能力与え効果文章変更効果コピー 効果によって発生することがある。

107.3k オブジェクト起動型能力起動コストに{X}、[-X]、Xが含まれる場合、その能力Xの値はそのオブジェクトや他に起動されたそのオブジェクト能力で選んだXとは関係しない。これは rule 107.3i の例外である。

107.3m オブジェクト戦場に出たときの誘発型能力置換効果Xを参照していて、かつ、解決されてそのオブジェクト にな呪文コストの一部としてXの値を選んでいた場合、そのパーマネントXの値は0であるが、その能力Xの値はその呪文Xの値に等しい。これはrule 107.3i の例外である。

107.3n 呪文能力解決によって生成された遅延誘発型能力Xを参照していて、Xがその誘発型能力の文章で定義されておらずそれを生成した呪文能力がそれのコストのためにXの値を選んでいた場合、その誘発型能力Xの値は、それを生成した呪文能力Xの値に等しい。

107.3p 文字Xに加えて文字Yを用いているオブジェクトもある。その場合、YXと同じルールに従う。

107.4. マナ・シンボルとは、{W}{U}{B}{R}{G}{C}、{0}{1}{2}{3}{4}の類の数字シンボル、変数シンボル{X}、{W/U}{W/B}{U/B}{U/R}{B/R}{B/G}{R/G}{R/W}{G/W}{G/U}の混成シンボル、{2/W}{2/U}{2/B}{2/R}{2/G}の単色混成シンボル、{W/P}{U/P}{B/P}{R/P}{G/P}のファイレクシア・マナ・シンボル、{W/U/P}{W/B/P}{U/B/P}{U/R/P}{B/R/P}{B/G/P}{R/G/P}{R/W/P}{G/W/P}{G/U/P}の混成ファイレクシア・マナ・シンボル、ならびに氷雪マナ・シンボル{S}の総称である。

107.4a 主要な マナ・シンボルは5つ存在し、{W}は白、{U}は青、{B}は黒、{R}は赤、{G}は緑である。これらのシンボルはそのマナを表すために用いられることも、コストに含まれるそのマナを表すために用いられることもある。コストに含まれる マナは、該当するマナでしか支払うことができない。rule 202マナ・コスト〕参照。

107.4b 数字シンボル({1}など)や変数シンボル({X}など)がコストに含まれる場合、不特定マナを表す。コストに含まれる不特定マナは、任意のタイプマナ支払うことができる。rule 107.3 参照。

107.4c 無色 マナ・シンボル{C}は無色 マナ1点を表すために用いられる。無色マナ1点でしか支払うことができないコストを表すためにも用いられる。

107.4d シンボル{0}は0マナを表し、リソースなしで支払うことができるコストコスト欄に書かれる。rule 118.5 参照。

107.4e 混成マナ・シンボルもまた マナ・シンボルであり、それぞれシンボルの半分の部分で示されている2種類のうちどちらか1つの方法で支払うことができるコストを表す。混成シンボル{W/U}は白か青のいずれかのマナ1点で支払うことができる。単色混成マナ・シンボル{2/B}は黒マナ1点か、任意のタイプマナ2点で支払うことができる。混成マナ・シンボルはそのすべての構成である。

例:{G/W}{G/W}は、{G}{G}か{G}{W}か{W}{W}で支払うことができる。

107.4f ファイレクシア・マナ・シンボル マナ・シンボルであり、{W/P}は白、{U/P}は青、{B/P}は黒、{R/P}は赤、{G/P}は緑である。ファイレクシア・マナ・シンボルは、そのマナ1点かあるいは2点のライフ支払うことで支払うことができるコストを表す。10種類の混成ファイレクシア・マナ・シンボルも存在する。混成ファイレクシア・マナ・シンボルは、それの構成のいずれかのマナ1点か2点のライフ支払うことで支払うことができるコストを表す。混成ファイレクシア・マナ・シンボルはそのすべての構成である。

例:{W/P}{W/P}は、{W}{W}か、{W}とライフ2点か、ライフ4点で支払うことができる。

107.4g ルール・テキストにおいて、ファイレクシア・シンボル{P}がつきの背景なしで書かれていた場合、それは15個のファイレクシア・マナ・シンボルのうちいずれかを意味する。

107.4h コストで使われている場合、氷雪マナ・シンボル{S}は、氷雪の発生源(rule 106.3 参照)から生み出された任意のタイプマナ1点によって支払うことのできるコストを意味する。不特定マナ・コストを減少させる効果は、{S}コストを減少させることはできない。{S}シンボルはコスト支払うために消費した、氷雪の発生源から生み出された任意のタイプマナに言及するために使われることがある。氷雪でもマナタイプでもない。

107.5. タップ・シンボルは{T}である。起動コストに含まれるタップ・シンボルは、「このパーマネントタップする。」を意味する。既にタップ状態であるパーマネントタップしてコスト支払うことはできない。直近のそのプレイヤーのターン開始時から続けてコントロールしているのでない限り、クリーチャーの、起動コストタップ・シンボルを含む能力を使うことはできない。rule 302.6 参照。

107.6. アンタップ・シンボルは{Q}である。起動コストに含まれるアンタップ・シンボルは、「このパーマネントアンタップする。」を意味する。既にアンタップ状態であるパーマネントアンタップしてコスト支払うことはできない。直近のそのプレイヤーのターン開始時から続けてコントロールしているのでない限り、クリーチャーの、起動コストアンタップ・シンボルを含む能力を使うことはできない。rule 302.6 参照。

107.7. プレインズウォーカー起動型能力は、それぞれ、忠誠シンボルをコストに持つ。プラスの忠誠シンボルは上向きの矢印であり、中にプラスのついた数字を含む。マイナスの忠誠シンボルは下向きの矢印であり、中にマイナスのついた数字またはXを含む。中性の忠誠シンボルは上向きでも下向きでもなく、中に0を含む。[+N]は「このパーマネントの上にN個の忠誠カウンターを置く。」を、[-N]は「このパーマネントの上からN個の忠誠カウンターを取り除く。」を、[0]は「このパーマネントの上に0個の忠誠カウンターを置く。」をそれぞれ意味する。忠誠シンボルは忠誠コストを修整する能力でも用いられることがある。

107.8. Lv系カード文章欄には2つのLvシンボルが含まれており、そのそれぞれは常在型能力を意味するキーワード能力である。Lvシンボルは数の範囲(「N1-N2」など)か、あるいは数字1つとプラス記号(「N3+」など)を含む。Lvシンボルと同じ横縞に書かれている能力は、その常在型能力の一部である。その横縞に書かれているパワータフネスの書かれた箱も同じである。rule 711Lv系カード〕参照。

107.8a 「{Lv N1-N2} [能力] [P/T]」は、「このクリーチャーがN1個以上のLvカウンターを持ち、N2個より多いLvカウンターを持たないなら、これは基本のパワーとタフネスが[P/T]であり、[能力]を持つ。」を意味する。

107.8b 「{Lv N3+}[能力] [P/T]」は、「このクリーチャーがN3個以上のLvカウンターを持つなら、これは基本のパワータフネスが[P/T]であり、[能力]を持つ。」を意味する。

107.9. オデッセイ・ブロックのカードで、名前の左に墓石アイコンがあるものがある。これは、墓地にあるときに機能する能力があることを意味している。墓地にあるときにもわかりやすいようにアイコンがあるだけで、ゲーム的には意味を持たない。

107.10. 未来予知セットに含まれる「ミライシフト」カードでは、左上隅にタイプ・アイコンが描かれている。カード・タイプが1つである場合、アイコンでそのタイプを示している。クリーチャーなら鈎爪、ソーサリーなら炎、インスタントなら稲妻、エンチャントなら日の出、アーティファクトなら聖杯、土地なら連峰のアイコンが用いられている。複数のカード・タイプを含むカードでは、白と黒の線が交差した記号が用いられている。これらのアイコンは、ゲーム的には意味を持たない。

107.11. プレインズウォーカー・シンボルは{PW}で表される。プレインチェイス戦・カジュアル変種ルールにおいて用いられる次元ダイスの1面に刻まれている。上側が5つに枝分かれして下は細い1本になった形状をしている。rule 901プレインチェイス戦〕参照。

107.12. カオス・シンボルは{CHAOS}で表される。プレインチェイス戦・カジュアル変種ルールにおいて用いられる次元ダイスの1面に刻まれており、また、次元ダイスを振った結果を参照する能力にも使われている。渦巻きの形状をしている。rule 901プレインチェイス戦〕参照。

107.13. 色指標とは、一部のカードタイプ行左端に記されている円形のシンボルのことである。このシンボルのによってカードが定義される。rule 202マナ・コスト〕参照。

107.14. エネルギー・シンボルは{E}である。これはエネルギー・カウンター1個を表す。{E}を支払う場合、プレイヤーは自分の持つエネルギー・カウンター1個を取り除く。

107.15. 英雄譚文章欄には章シンボルが含まれており、そのそれぞれは誘発型能力を示すキーワード能力である。章シンボルはローマ数字を含んでおり、ここでは「rN」で記す。章シンボルの右の区切られた文章欄に書かれた文章は、それの表す誘発型能力効果である。rule 714英雄譚カード〕参照。

107.15a 「{rN} ― [効果]/{rN}-[Effect]」は、「この英雄譚の上に1つ以上の伝承カウンターが置かれたとき、これの上の伝承カウンターの数がこれまでN未満でN以上になった場合、[効果]。」を意味する。

107.15b 「{rN1}, {rN2} ― [効果]/{rN1}, {rN2}-[Effect]」は「{rN1} ― [効果]」と「{rN2} ― [効果]」と同じである。

107.16. クラスカード文章欄には、クラスレベル棒が描かれており、それぞれは起動型能力常在型能力の両方を表すキーワード能力である。クラスレベル棒は、その起動型能力起動コストレベル数を含んでいる。クラスレベル棒と同じ節内に書かれている能力は、その常在型能力の一部である。rule 716クラスカード〕参照。

107.16a 「[コスト]:レベルN ― [能力]/[Cost]: Level N - [Abilities]」は、「[コスト]:このクラスレベルはNになる。このクラスレベルがN-1でなければ起動できず、ソーサリーとしてのみ起動できる。」と「このクラスレベルがN以上であるかぎり、これは[能力]を持つ。」を意味する。

107.17. チケット・シンボルは{TK}である。これはチケット・カウンター1個を表す。

107.17a 中に数字の書かれたチケット・シンボルは、チケット・コストを表す。そのコスト支払うには、プレイヤーは自分の持つその数のチケット・カウンターを取り除く。

107.18. 獣痕・シンボルは{P}である。このシンボルはモードを持呪文モードを示すために使われることがあり、コストマナカウンターといったリソースの類としては扱われない。rule 700.2i 参照。

108. カード

108.1. カードの文章を決定する際には、オラクルを用いる。オラクルはギャザラー・カード・データベース https://gatherer.wizards.com/ で参照できる。

108.2. ルールや文章に「カード/card」と記されていた場合、マジックのカードか、マジックのカードによって表されているオブジェクトのことだけを意味する。

108.2a ほとんどのマジックのゲームにおいては、2.5インチ(6.3cm)×3.5インチ(8.8cm)ほどの大きさの、定形のマジックのカードだけを用いる。定形のマジックのカードは、プレイヤーデッキに含まれている。一部のフォーマットでは、定形外のマジックのカードも用いる。定形外のマジックのカードは、プレイヤーデッキには含まれず、補助デッキで使われることがある。また、それらは大きいサイズであったり裏面が異なっていたりすることがある。

108.2b トークンは、カード大のゲーム補助物品がトークンを表していたとしても、ルール上はカードとしては扱わない。

108.3. カードオーナーとは、そのカードデッキに入れてゲームを始めたプレイヤーのことである。ゲーム中に外部から加えられたカードがあった場合、それのオーナーはそれをゲームに加えたプレイヤーである。ゲーム開始時点で統率領域カードがある場合、それのオーナーはそれを統率領域に置いたプレイヤーである。法律上の所有権はアンティを除いてゲームのルール上は考慮しない(rule 407 参照)。

108.3a 「単一次元デッキ選択ルールを用いたプレインチェイス戦においては、次元 コントローラー次元デッキに含まれるカードすべてのオーナーであるとして扱う。rule 901.6 参照。

108.3b プレイヤーに、自分がオーナーであるカードゲームの外部から選んでゲームに入れることを認める呪文能力が存在する(rule 400.11b 参照)。外部にあるカードがマジックのゲームに関わることになる場合、そのオーナーrule 108.3 の規定によって決定される。外部にあるカードがマジックのゲームのサイドボードである場合(rule 100.4 参照)、そのオーナーはそのカードサイドボードに入れてゲームを始めたプレイヤーであるとする。それ以外の場合、外部にあるカードオーナーは法律上の所有者である。

108.4. カードは、そのカードパーマネント呪文を表していない限り、コントローラーを持たない。パーマネント呪文を表している場合、コントローラーはそれらのルールによって決定される。rule 110.2 および rule 112.2 参照。

108.4a コントローラーの存在しない(パーマネントでも呪文でもない)カードコントローラーが必要になった場合、オーナーをそのコントローラー代わりに用いる。

108.5. 定形外のマジックのカードは、統率領域(rule 408 参照)以外にある状態でゲームを開始することはできない。何らかの効果ダンジョンカード(rule 309ダンジョン〕参照)以外の定形外のマジックのカードをゲーム内に持ち込む場合、持ち込まない。そのカードゲームの外部にあり続ける。

108.6. カードについての追加の情報は、rule 2カードの部分〕参照。

109. オブジェクト

109.1. オブジェクトとは、スタック上の能力カードカードコピートークン呪文パーマネント紋章のことである。

109.2. 呪文能力が「カード/card」「呪文/spell」「発生源/source」「計略/Scheme」という単語なしで、特定の領域を指定せずに、カード・タイプサブタイプを用いてオブジェクトを表現している場合、戦場にありそのカード・タイプサブタイプであるパーマネントのことを意味する。

109.2a 呪文能力が「カード/card」という単語と領域名を用いてオブジェクトを表現している場合、その領域にありその表現に合うカードのことを意味する。

109.2b 呪文能力が「呪文/spell」という単語を用いてオブジェクトを表現している場合、スタックにありその表現に合う呪文のことを意味する。

109.2c 呪文能力が「発生源/source」という単語を用いてオブジェクトを表現している場合、どの領域にあるかに関係なく、その表現に合う、能力ダメージマナの発生源のことを意味する。rule 113.7 および rule 609.7 参照。

109.2d 計略カード能力が「この計略/this scheme」という表記を含む場合、統率領域にある、その能力が印刷されている計略カードのことを意味する。

109.3. オブジェクト特性とは、名前マナ・コスト色指標カード・タイプ特殊タイプサブタイプルール・テキスト能力パワータフネス忠誠度守備値手札補正子ライフ補正子のことである。オブジェクトはこれらの特性の全てを持つこともあるし、一部だけを持つこともある。それ以外の、カード呪文パーマネントに関する情報、例えば、パーマネントタップされているかどうか、呪文対象オブジェクトオーナーおよびコントローラーオーラが何にエンチャントしているか、などは特性ではない。

109.4. スタック戦場にあるオブジェクトだけにコントローラーが存在する。どちらの領域にもないオブジェクトは、どのプレイヤーにもコントロールされていない。rule 108.4 参照。このルールには6つの例外がある。

109.4a マナ能力コントローラーは、それがスタックにあるかのように決定される。rule 605マナ能力〕参照。

109.4b 誘発したあとスタックに置かれるのを待っている誘発型能力は、遅延誘発型能力を除き、それが誘発した時点でその発生源をコントロールしていたプレイヤーコントロールされている。遅延誘発型能力コントローラーについては、rule 603.7d-f を参照すること。rule 603誘発型能力の扱い〕参照。

109.4c 紋章は、それを統率領域に置いたプレイヤーコントロールされている。rule 114紋章〕参照。

109.4d プレインチェイス戦において、オモテ向き次元カードならびに現象カードは、次元 コントローラーとして指定されているプレイヤーコントロールされている。多くの場合それはアクティブ・プレイヤーである。rule 901.6 参照。

109.4e ヴァンガード戦において、ヴァンガードカードはそのオーナーコントロールされている。rule 902.6 参照。

109.4f アーチエネミー戦において、計略カードはそのオーナーコントロールされている。rule 904.7 参照。

109.4g コンスピラシー・ドラフトにおいて、策略カードはそのオーナーコントロールされている。rule 905.5 参照。

109.5. オブジェクトに記されている「あなたYou」という語で示されるプレイヤーは、その現在のコントローラーか、(プレイヤーがそれをプレイしたり唱えたり起動したりしようとしている最中なら)コントローラー になる予定のプレイヤーか、(コントローラーが存在しない場合には)オーナーである。常在型能力の場合には、そのオブジェクトの現在のコントローラー(戦場 にない場合には、そのカードオーナー)を指す。起動型能力の場合には、その能力起動したプレイヤーを指す。遅延誘発型能力を除く誘発型能力の場合には、能力誘発した時のそのオブジェクトコントローラーを指す。遅延誘発型能力コントローラーについては、rule 603.7d-f 参照。

110. パーマネント

110.1. パーマネントとは、戦場に出ているカードトークンのことである。パーマネントは無期限に戦場に残り続ける。カードトークンは、戦場に出たときにパーマネントとなり、戦場から他の領域効果やルールによって移動したときにパーマネントでなくなる。

110.2. パーマネントオーナーは、それを表すカードオーナーである。(ただしトークンの場合については rule 111.2 参照。)パーマネントコントローラーは、通常、それをコントロール下で戦場に出したプレイヤーである。パーマネントには必ずコントローラーが1人存在する。

110.2a 効果によってプレイヤーオブジェクト戦場に出す場合、特に書かれていなければ、そのオブジェクトはそのプレイヤーコントロール下で戦場に出る。

110.2b 効果によってプレイヤーが他のプレイヤーパーマネント 呪文コントロールを得た場合、そのプレイヤーはその呪文がなるパーマネントコントロールするが、そのパーマネントの本来のコントローラーはその呪文スタックに置いたプレイヤーである。(この違いは多人数戦で意味を持つ。rule 800.4c 参照。)

110.3. トークンでないパーマネント特性は、カードに記載されている値であり、それに継続的効果によって修整を受ける。rule 613継続的効果の相互作用〕参照。

110.4. パーマネントタイプは6つ存在し、「アーティファクト/artifact」「バトル/battle」「クリーチャー/creature」「エンチャント/enchantment」「土地/land」「プレインズウォーカー/planeswalker」である。インスタントカードソーサリーカード戦場に出ることはできないので、パーマネント になることはあり得ない。同族カード戦場に出ることができるかできないかは、それ以外のカード・タイプによる。rule 3カード・タイプ〕参照。

110.4aパーマネント・カード/permanent card」という語は、戦場に出ることができるカードのことを指す。すなわち、アーティファクトカードバトルカードクリーチャーカードエンチャントカード土地カードプレインズウォーカーカードのことである。

110.4bパーマネント 呪文/permanent spell」という語は、解決によって戦場に出呪文のことを指す。すなわち、アーティファクト呪文バトル呪文クリーチャー呪文エンチャント呪文プレインズウォーカー呪文のことである。

110.4c パーマネントが何らかの方法ですべてのパーマネントタイプを失った場合、それはそのまま戦場にあり続ける。それはパーマネントである。

110.5. パーマネント位相とは、物理的な状態のことである。位相には4つの種類があり、それぞれ2種類のいずれかの状態を取る。すなわち、タップアンタップ、反転/非反転、オモテ向き裏向きフェイズ・インフェイズ・アウトである。パーマネントは、4組の位相それぞれについて必ずどちらかの状態である。

110.5a 位相特性ではないが、位相によってパーマネント特性が変化しうる。

110.5b パーマネントは、呪文能力によって特に指示されない限り、アンタップ、非反転、オモテ向きフェイズ・イン位相戦場に出る。

110.5c パーマネントは、呪文能力ターン起因処理位相を変更しない限り、その位相が何も影響を持たなくても、元の位相を保つ。

例:《ディミーアのドッペルゲンガー》は「{1}{U}{B}: 墓地にあるクリーチャーカード1枚を対象とする。それを追放する。ディミーアのドッペルゲンガーは、この能力を得ることを除き、そのカードコピー になる。」という能力を持つ。これが反転カード呪師の弟子》のコピー になったとする。《呪師の弟子》の能力によってこのクリーチャーは反転し、《ディミーアのドッペルゲンガー》の能力を持った《暴く者、智也になる。その後、このパーマネントが《ルーン爪の熊》のコピー になった場合、反転位相は何も意味を持たないが、反転位相のままである。その後で再びコピー 能力を用いて《鼠の短牙》(別の反転カード)のコピー になった場合、《ディミーアのドッペルゲンガー》の能力を持った《憎まれ者の傷弄り》(《鼠の短牙》の反転位相)になる。

110.5d パーマネントだけが位相を持つ。戦場 になカードは持たない。追放されているカード裏向き になることはあるが、それはパーマネント裏向き 位相とは何ら関係ない。同様に、戦場 になカードは、物理的にどういう状態であろうと、タップしているわけでもアンタップしているわけでもない。

111. トークン

111.1. 効果によってトークン戦場に出ることがある。トークンとは、カードによって表現されていないパーマネントを表現するために用いるマーカーのことである。

111.2. トークン生成したプレイヤーがそのオーナーである。トークンはそのプレイヤーコントロール下で戦場に出る。

111.3. トークン生成する呪文能力トークン特性の値を定める場合、その値はトークンの「文章」になる。この方法で定義された特性値は、カードに記載されている値と機能的に同値である。たとえば、これによって定められた特性値はトークンコピー可能な値である。トークンは、それを生成した呪文能力によって定義されていない特性を持たない。

例:《翡翠の魔道士》は「{2}{G}: 緑の1/1の苗木クリーチャートークン1体を生成する。」という能力を持つ。これによって生成されたトークンは、マナ・コスト特殊タイプルール・テキスト能力を持たない。

111.4. トークン生成する呪文能力が、そのトークン名前サブタイプを定める。特に書かれていない限り、トークン名前は、そのサブタイプに「トークン」という単語を足したものと同じである。トークン戦場に出た後では、名前が変わってもサブタイプは変わらない。その逆も同じである。

例:《ドワーフの援軍》は「赤の2/1のドワーフ・狂戦士・クリーチャートークン2体を生成する。」という効果を持つ。これが解決されて生成されるトークンは、それぞれ「ドワーフ・狂戦士・トークン」という名前を持ち、クリーチャー・タイプはドワーフと狂戦士である。

例:《敬愛されるレンジャー、ミンスク》は、「敬愛されるレンジャー、ミンスクが戦場に出たとき、『ブー』という名前トランプル速攻を持つ赤の1/1のハムスター・クリーチャートークン1体を生成する。」という能力を持つ。このトークンサブタイプはハムスターであるが、このトークン名前は「ブー」であると明示されているので、「ハムスター」や「トークン」が名前に追加されることはない。

例:《瓜二つ》は「クリーチャー1体を対象とする。それのコピーであるトークン1体を生成する。」という能力を持つソーサリーである。このトークンのすべての特性は、この呪文対象にしたクリーチャーコピー可能な特性と一致する。《瓜二つ》が人間・クリーチャーである《悪運尽きた造反者》を対象にしたなら、その呪文生成するトークン名前は「悪運尽きた造反者」であり、「人間・トークン」や「悪運尽きた造反者・トークン」ではない。

111.5. 呪文能力トークン生成する場合、何らかのルールや効果によってそのトークン特性のうち1つ以上を持つパーマネント戦場に出ることができなくなっていたら、そのトークン生成されない。同様に、効果インスタントソーサリーであるカードコピーであるトークン生成する場合も、トークン生成されない。

111.6. トークンは、パーマネント一般、あるいはそのトークンカード・タイプサブタイプに影響を及ぼすものの影響を受ける。トークンは(マジックのカードと同じ裏面であったり、マジックのパックから出てきたものであったりしても)カードとしては扱われない。

111.7. 戦場以外の領域に存在するトークンは、消滅する。これは状況起因処理である。rule 704 参照。(トークン領域を移動した場合、消滅する前に、それによる誘発型能力誘発する)

111.8. 戦場を離れトークンは、他の領域に移動することもないし、戦場に戻ることもない。そのようなトークン領域を変更しようとする場合、その代わりに現在の領域にありつづける。次に状況起因処理をチェックする時点で、消滅する。rule 704 参照。

111.9. 効果の中に、プレイヤー伝説の トークン生成するように指示するものがある。それらは、「create [name], a ...」としてそのトークン特性を列記していることがある。これは、与えられた名前を持ち列記された特性を持つトークン生成するという指示と同じである。(日本語版では、「「〇〇」という名前の...トークン1体を生成する。」というテンプレートに統一されたままです。)

111.10. 効果の中に、定義済みのトークン生成するように指示するものがある。それらの効果は、生成されるトークン特性を決定するにあたって下の定義を用いる。定義済みのトークン生成する効果は、その定義済みの特性を変更したり何かを追加したりすることがある。

111.10a 「宝物/Treasure」・トークンとは、「{T}, このアーティファクト生け贄に捧げる:好きな1マナ1点を加える。」を持つ、無色の宝物・アーティファクトトークンである。

111.10b 「食物/Food」・トークンとは、「{2}, {T}, このアーティファクト生け贄に捧げる:あなたは3点のライフを得る。」を持つ、無色の食物・アーティファクトトークンである。

111.10c 「金/Gold」・トークンとは、「このアーティファクト生け贄に捧げる:好きな1マナ1点を加える。」を持つ、無色の金・アーティファクトトークンである。

111.10d 「ウォーカー/Walker」・トークンとは、ウォーカーという名前を持つ黒の2/2のゾンビ・クリーチャートークンである。

111.10e 「破片/Shard」・トークンとは、「{2}, このエンチャント生け贄に捧げる:占術1を行い、その後、カード1枚をく。」を持つ無色の破片・エンチャントトークンである。

111.10f 「手掛かり/Clue」・トークンとは、「{2}, このアーティファクト生け贄に捧げる:カード1枚をく。」を持つ無色の手掛かり・アーティファクトトークンである。

111.10g 「血/Blood」・トークンとは、「{1}, {T}, カード1枚を捨てる, このアーティファクト生け贄に捧げる:カード1枚をく。」を持つ無色の血・アーティファクトトークンである。

111.10hパワーストーン/Powerstone」・トークンとは、「{T}:{C}を加える。このマナアーティファクトでない呪文唱えるためには支払えない。」を持つ無色パワーストーン・アーティファクトトークンである。

111.10i培養器/Incubator」・トークンは、変身する両面トークンである。その第1面は「{2}:このアーティファクト変身させる。」を持つ無色培養器・アーティファクトであり、第2面は「ファイレクシアン・トークン/Phyrexian Token」という名前無色の0/0のファイレクシアン・アーティファクト・クリーチャーである。

111.10j 「呪われし者/Cursed」・役割トークンとは、「呪われし者」という名前エンチャント(クリーチャー)と「エンチャントしているクリーチャー基本のパワータフネスが1/1になる。」を持つ無色オーラ役割エンチャントトークンである。

111.10k 「怪物/Monster」・役割トークンとは、「怪物」という名前エンチャント(クリーチャー)と「エンチャントしているクリーチャーは+1/+1の修整を受けトランプルを持つ。」を持つ無色オーラ役割エンチャントトークンである。

111.10m 「王族/Royal」・役割トークンとは、「王族」という名前エンチャント(クリーチャー)と「エンチャントしているクリーチャーは+1/+1の修整を受け護法{1}を持つ。」を持つ無色オーラ役割エンチャントトークンである。

111.10n 「魔術師/Sorcerer」・役割トークンとは、「魔術師」という名前エンチャント(クリーチャー)と「エンチャントしているクリーチャーは+1/+1の修整を受け、『このクリーチャー攻撃するたび、占術1を行う。』を持つ。」を持つ無色オーラ役割エンチャントトークンである。

111.10p 「聖者/Virtuous」・役割トークンとは、「聖者」という名前エンチャント(クリーチャー)と「エンチャントしているクリーチャーあなたコントロールしているエンチャント1つにつき+1/+1の修整を受ける。」を持つ無色オーラ役割エンチャントトークンである。

111.10q 「ひねくれ者/Wicked」・役割トークンとは、「ひねくれ者」という名前エンチャント(クリーチャー)と「エンチャントしているクリーチャーは+1/+1の修整を受ける。」と「このオーラ戦場から墓地に置かれたとき、各対戦相手はそれぞれ1点のライフを失う。」を持つ無色オーラ役割エンチャントトークンである。

111.10r 「若き英雄/Young Hero」・役割トークンとは、「若き英雄」という名前エンチャント(クリーチャー)と「エンチャントしているクリーチャーは『このクリーチャー攻撃するたび、これのタフネスが3以下である場合、これの上に+1/+1カウンター1個を置く。』を持つ。」を持つ無色オーラ役割エンチャントトークンである。

111.10s地図/Map」・トークンとは、「{1}, {T}, このアーティファクト生け贄に捧げる:あなたコントロールしているクリーチャー1体を対象とする。それは探検を行う。起動ソーサリーとしてのみ行う。」を持つ無色地図アーティファクトトークンである。rule 701.40探検を行う〕参照。

111.10t 「ジャンク/Junk」・トークンとは、「{T}, このアーティファクト生け贄に捧げるあなたY">ライブラリーの一番上にあるカード1枚を追放する。このターン、そのカードY">プレイしてもよい。起動ソーサリーとしてのみ行う。」を持つ無色のジャンク・アーティファクトトークンである。

111.11. 効果プレイヤーにある名前トークン生成させ、他にそのトークン特性を定義しておらず、かつその名前が前述した定義済みトークンの一覧にないなら、そのトークン特性はその名前であるカードオラクルを用いて定義される。

例:《不休のディサ》は「あなたコントロールしている1体以上のクリーチャープレイヤー1人に戦闘ダメージ与えるたび、タルモゴイフ・トークン1体を生成する。」という能力を持つ。この能力解決すると、これのコントローラーは「タルモゴイフ」という名前トークン生成し、それは「タルモゴイフ」という名前カードオラクルを用いて定義される特性を持つ。

111.12. 効果プレイヤーに、存在しないオブジェクトコピーであるトークン生成させる場合、トークン生成されない(rule 707オブジェクトコピー〕参照)。これは、オブジェクト最後の情報を使う効果には適用されない。

例:《ミミックの大桶》は、プレイヤーカード追放する選択肢を与え誘発型能力と、「ミミックの大桶によって追放されているカード1枚のコピーであるトークン1体を生成する。それは速攻を得る。次の終了ステップの開始時に、それを追放する。」という起動型能力を持つ。この誘発型能力カード追放されていない場合、トークン生成されない。

111.13. パーマネント 呪文コピーは、その解決に際してトークン になる。そのトークンは、そのトークン になった呪文特性を持つ。トークン生成することに言及した置換効果誘発型能力からは、そのトークンは「生成」されたものとしては扱われない。

112. 呪文

112.1. 呪文とは、スタックにあるカードのことである。唱えるための最初の手順で(rule 601呪文唱えること〕参照)、カード呪文 になり、オーナー手札などの元あった領域からスタックの一番上に移動する(rule 405スタック〕参照)。呪文解決されるか(rule 608呪文能力解決〕参照)、打ち消されるか(rule 701.5 参照)、その他の方法でスタックから離れるまでスタックに残る。さらなる情報は、rule 6呪文能力効果〕参照。

112.1a 呪文コピーは、それがカードによって示されていなくても呪文である。rule 707.10 参照。

112.1b カードコピー唱えさせる効果が存在する。その効果によって唱えた場合、そのコピー呪文である。rule 707.12 参照。

112.2. コピーでない呪文オーナーは、その呪文を表現しているカードオーナーである。コピーである場合のオーナーは、それをコントロール下でスタックに積んだプレイヤーである。呪文コントローラーは、通常、それをスタックに積んだプレイヤーである。呪文には必ずコントローラーが1人存在する。

112.2a 効果の中には、プレイヤーカードコピー生成させ、それを唱えることを許可するものがある。その場合、そのコピーオーナーはそれを生成して唱える許可を受けたプレイヤーである。

112.3. コピーでない呪文特性は、カードに記載されている値であり、それに継続的効果によって修整を受ける。rule 613継続的効果の相互作用〕参照。

112.4. 呪文能力解決による効果によってパーマネント 呪文特性が変更された場合、その効果はその呪文解決されたパーマネントにも適用され続ける。rule 400.7 参照。

例:効果が黒のクリーチャー呪文を白にした場合、そのクリーチャー戦場に出るときにも白であり、そのを変える効果が残っている限り白であり続ける。

113. 能力

113.1. 能力は以下の3つのいずれかである。

113.1a 能力には、オブジェクトの持つ特性で、そのオブジェクトがゲームに影響を及ぼせるようにするものが含まれる。オブジェクト能力はそのルール・テキストまたはそれを生成した効果によって定義される。ルールや効果によってオブジェクト能力を得ることもある。(能力与え効果には、大抵の場合「持つ」「得る」と書かれている。)能力効果を作る(rule 609効果〕参照)。

113.1b 能力には、プレイヤーが持つ、ゲームがそのプレイヤーに及ぼす影響を変更するものがある。効果によって与えられない限り、通常、プレイヤー能力を持たない。

113.1c 能力には、スタック上にある起動型あるいは誘発型能力が含まれる。この種の能力オブジェクトである。(rule 6呪文能力効果〕参照)

113.2. 能力は、それを持っているオブジェクトに影響を及ぼすことがある。他のオブジェクトプレイヤーにも影響を及ぼすことがある。

113.2a 能力には有益なものも不利益なものもある。

例:「このクリーチャーではブロックできない。」というのは能力である。

113.2b カード唱えるための追加コスト代替コストは、カード能力である。

113.2c 1つのオブジェクトが複数の能力を持つことがある。そのオブジェクトカードである場合、一行に並べられて書かれるあらかじめ定義された能力(rule 702キーワード能力〕参照)を除き、オブジェクトの文章の各段落は別個の能力を表す。カードでない場合、それを生成した効果によって複数の能力を得ることがある。また、オブジェクト呪文能力によって能力を得ることがある。1つのオブジェクトが同じ能力を複数持っている場合、それられは独立に機能する。これによって、能力が1つだけの時よりもより多くの効果を生むこともあるし、そうでないこともある。詳しい情報は各能力を参照のこと。

113.2d 能力は、1つまたは複数の単発的効果または継続的効果を作る。継続的効果の中には、置換・軽減効果が含まれる。rule 609効果〕参照。

113.3. 能力は大別して4つの区分に分けられる。

113.3a 呪文能力とは、インスタントまたはソーサリー呪文解決される間に処理される指示のことである。rule 113.6 に示す、起動型能力誘発型能力常在型能力でない、インスタントまたはソーサリー呪文の文章は呪文能力である。

113.3b 起動型能力コスト効果を持ち、通常は「[コスト]:[効果。][(あるなら)起動指示。]」という書式で書かれている。この種の能力は、そのプレイヤー優先権を持っているときならいつでも起動できる。そうしたなら、その能力スタックに積まれ、打ち消されるか解決されるかその他の方法でスタックから離れるまでスタックに残る。rule 602起動型能力起動〕参照。

113.3c 誘発型能力誘発条件効果を持ち、「……とき/when」「……たび/whenever」「……時/at」を含む(通常はそれらから始まる)「[誘発条件], [効果。]」という書式で書かれている。誘発イベントが発生するたび、その次にいずれかのプレイヤー優先権を得る時にその能力スタックに積まれ、打ち消されるか解決されるかその他の方法でスタックから離れるまでスタックに残る。rule 603誘発型能力の扱い〕参照。

113.3d 常在型能力は普通の文で書かれ、単にその効果が発生する。常在型能力は、パーマネントがその能力を持って戦場にある間機能し続ける継続的効果を生み出すか、あるいはその能力を持つオブジェクトが特定の領域にある間に機能する。rule 604常在型能力の扱い〕参照。

113.4. 起動型能力誘発型能力の一部はマナ能力である。マナ能力は特別なルールに従う。マナ能力スタックを使わず、特定の条件下では優先権がないときにさえ起動することができる。rule 605マナ能力〕参照。

113.5. 起動型能力の中には忠誠度能力と呼ばれるものがある。忠誠度能力は、以下の特殊ルールが適用される。プレイヤーは自分がコントロールしているパーマネント忠誠度能力を、自分のメイン・フェイズの間、スタックが空で、優先権を持っていて、どのプレイヤーもそのターンにそのパーマネント忠誠度能力起動していない場合にのみ起動できる。rule 606忠誠度能力〕参照。

113.6. インスタントまたはソーサリー呪文能力は、通常、そのオブジェクトスタックにある間にのみ機能する。他のオブジェクト能力は、通常、そのオブジェクト戦場にある間にのみ機能する。例外は以下の通り。

113.6a 特性定義能力は、ゲームの外部やゲームの開始前も含むあらゆる場所で機能する。rule 604.3 参照。

113.6b どの領域で機能するかが書かれている能力は、その領域でのみ機能する。

113.6c どの領域で機能しないかが書かれている能力は、その特定の領域以外では、ゲームの外部やゲームの開始前も含むあらゆる場所で機能する。

113.6d あるオブジェクトの持つ、それ自身のマナ・コストを払うのではなく代替コスト支払うことをプレイヤーに認める能力その他のそれを唱えるためのコストを変更する能力スタックにある間に機能する。

113.6e オブジェクトの、その特定のオブジェクトプレイするあるいは唱えることに制限や修整をもたらす能力は、プレイできるあるいは唱えられる領域にある間とスタックにある間に機能する。その特定のオブジェクト自身にそれをプレイするあるいは唱えることに制限や修整をもたらす他の能力与えるそのオブジェクト能力は、スタックにある間にのみ機能する。

113.6f オブジェクト能力で、その特定のオブジェクトをどの領域からプレイする、あるいは唱えることができるかを限定したり修整したりする能力は、ゲームの外部を含むどこにあっても機能する。

113.6g オブジェクト能力で、それが打ち消されない、またはコピーされないと書かれているものは、スタックにある間に機能する。

113.6h オブジェクト能力で、それが戦場に出る状況を変更するものは、そのオブジェクト戦場に出てくるに際して機能する。rule 614.12 参照。

113.6i オブジェクト能力で、それにカウンターを置けないとするものは、そのオブジェクト戦場にある間に加えて、そのオブジェクト戦場に出る際にも機能する。

113.6j オブジェクトの、戦場にある間に支払うことのできないコストを必要とする起動型能力は、そのコスト支払うことができる領域にある間に機能する。

113.6k 戦場以外の領域にある間にのみ誘発しうる誘発条件を持つ誘発型能力は、その誘発しうる領域にある間に機能する。その誘発型能力が他に誘発条件を持っていた場合、単一の誘発型能力が複数の領域で機能することもありうる。

例:《赦免のスラル》は「赦免のスラルが戦場に出るか、これが憑依しているクリーチャー死亡するかしたとき、エンチャント1つを対象とする。それを破壊する。」という能力を持つ。1つ目の誘発条件戦場にある間に機能するが、2つ目の誘発条件追放 領域にある間に機能する。rule 702.55憑依〕参照。

113.6m コスト効果が、そのオブジェクトを特定の領域から移動させるものである場合、その領域にある間にのみ機能する。その能力誘発条件として、あるいはその能力のそれ以前のコスト効果として、そのオブジェクトをその領域に移動すること、あるいはそのオブジェクトオーラである場合にはそれがエンチャントしているオブジェクト戦場を離れることが含まれている場合は、この限りではない。その能力効果が、そのオブジェクトを特定の領域から移動させる効果を持つ遅延誘発型能力を作る場合も同様である。

例:《組み直しの骸骨》は「{1}{B}: あなたの 墓地にある組み直しの骸骨をタップ状態戦場に戻す。」という能力を持つ。この能力は、《組み直しの骸骨》が自分の墓地にある間にしか起動できない。

113.6n ゲームの開始前、デッキ 構築に関するルールを変更する能力が存在する。その種の能力は、この総合ルールだけでなく、マジック・イベント規定その他特定のフォーマットでのデッキ 構築ルールを定めた文書を変更する。しかしながら、その種の能力によっても、あるフォーマットにおいて禁止や制限されているカードは禁止あるいは制限されているままである。現在のマジック・イベント規定は、http://wpn.wizards.com/en/resources/rules-documents から参照できる。(訳注:日本語訳は http://mjmj.info/ 以下で公開されている)

113.6p 紋章次元カードヴァンガードカード計略カード策略カード能力統率領域において機能する。rule 114紋章〕、rule 901プレインチェイス戦〕、rule 902ヴァンガード戦〕、rule 904アーチエネミー戦〕、rule 905コンスピラシー・ドラフト〕参照。

113.7. 能力の発生源は、それを作ったオブジェクトである。スタックにある起動能力の発生源は、起動した能力を持つオブジェクトである。スタックにある、または誘発してスタックに積まれるのを待っている誘発能力の発生源は、(遅延誘発型能力を除き)誘発した能力を持つオブジェクトである。遅延誘発型能力の発生源については、rule 603.7d-f 参照。

113.7a いったん起動し、または誘発したら、能力はその能力の発生源とは独立して スタックに存在する。以降、その能力の発生源破壊したり除去したりしても、能力には影響を及ぼさない。いくつかの能力は、その能力が直接何かをするのではなく、その能力の発生源に何かをさせることに注意すること(例えば、「クリーチャープレインズウォーカープレイヤーのうち1つを対象とする。放蕩紅蓮術士はそれに1点のダメージ与える。」)。このような場合、起動型能力を宣言したり誘発型能力スタックに置いたりする時点でその発生源の情報を参照する起動型能力誘発型能力は、その能力スタックに置かれる時点でそれらの情報をチェックする。それ以外の理由で発生源の情報を参照する能力は、その能力解決時にその情報をチェックする。いずれにせよ、チェックする時点で発生源が既に元あった領域 にない場合、その能力の発生源の、その領域を離れる直前の情報を使う。すでに存在しなくなっていても、発生源がその処理を行う。

113.8. スタックにある起動型能力コントローラーは、その能力起動したプレイヤーである。スタックにある誘発型能力コントローラーは、遅延誘発型能力を除き、その能力誘発したときにその能力の発生源コントロールしていたプレイヤーである。コントローラーがいない場合、その能力誘発した時のその能力の発生源オーナーである。遅延誘発型能力コントローラーについては、rule 603.7d-f 参照。

113.9. スタックにある起動型能力誘発型能力呪文ではないので、呪文打ち消すものには打ち消されない。スタックにある起動型能力誘発型能力は、能力打ち消すと書かれている効果によって打ち消される。常在型能力スタックを用いないので、打ち消されることはない。

113.10. 効果によって、オブジェクト能力が追加されたり、あるいは取り除かれたりすることがある。能力を追加する効果は、そのオブジェクト能力を「得る/gain」、「持つ/have」などと書かれる。能力を取り除く効果は、そのオブジェクト能力を「失う/lose」と書かれる。

113.10a 起動型能力を追加する効果には、その能力起動指示が含まれることがある。それらの指示はそのオブジェクトに追加された能力の一部になる。

113.10b 能力を取り除く効果は、その能力が複数あっても全て取り除く。

113.10c 複数の効果が同じ能力を追加して取り除いた場合、一般には最新のものが優先される。継続的効果の相互作用について、詳しくは rule 613 参照。

113.11. 効果によって、オブジェクトは特定の能力を得なくなることがある。それらの効果では、そのオブジェクトはその能力を「持つことができない/can't have」と書かれている。もしオブジェクトがその能力を持っている場合、その能力を失う。また、効果キーワード・カウンターによってその能力をそのオブジェクトに得させることもできない。呪文能力解決がその特定の能力をそのオブジェクトに得させる継続的効果を作る場合、その継続的効果のその部分は適用されないが、その継続的効果の他の部分は適用され、またその解決された呪文能力の作る他の継続的効果は作られる。常在型能力によって作られた、その特定の能力を得させる継続的効果は、そのオブジェクトに適用されない。

113.12. オブジェクト特性を定めたり、あるいは単にそのオブジェクトの性質を決めたりする効果は、効果によって得られる能力とは区別される。オブジェクト能力を「得る/gain」、「持つ/have」時、その能力は他の効果によって取り除かれることがありうる。一方、効果によってオブジェクト特性が定義された場合(「[パーマネント]は[特性値]である/[permanent] is [characteristic value]」)、それは能力を得させることにはならない(rule 604.3 参照)。同様に、効果によってオブジェクトがある性質を得た場合(「[パーマネント]はブロックされない。」)、それは能力を得させもしないし特性を定義することもない。

例:《ムラガンダの印刻》は「能力を持たないすべてのクリーチャーは+2/+2の修整を受ける。」と書かれている。《ルーン爪の熊》(能力を持たないクリーチャー)が「エンチャントしているクリーチャー飛行を持つ。」と書かれたオーラエンチャントしている場合、+2/+2の修整を受けることはない。「エンチャントしているクリーチャーは赤である。」あるいは「エンチャントしているクリーチャーブロックされない。」と書かれたオーラエンチャントしている場合、変わらず+2/+2の修整を受ける。

114. 紋章

114.1. 効果によって、紋章統率領域に置かれることがある。紋章とは、1つまたはそれ以上の能力を持つオブジェクトを表すマーカーであり、それ以外の特性は持たない。

114.2. 紋章生成する効果は「[プレイヤー]は[能力]を持つ紋章を得る。/[Player] gets an emblem with [ability]」と書かれる。これは、[プレイヤー]は[能力]を持つ紋章統率領域に置くことを意味する。紋章オーナーはそのプレイヤーであり、そのプレイヤーがその紋章コントロールする。

114.3. 紋章は、それを生成した効果によって定義された能力以外の特性を持たない。紋章カード・タイプを持たず、マナ・コストを持たず、を持たない。ほとんどの紋章名前も持たない。

114.4. 紋章能力統率領域で機能する。

114.5. 紋章カードでもパーマネントでもない。「紋章/emblem」はカード・タイプではない。

115. 対象

115.1. 呪文能力の一部は、そのコントローラーに1つかそれ以上の対象を選ばせる。対象とは、その呪文能力が影響を及ぼす、オブジェクトプレイヤーである。それらの対象呪文能力スタックに積む行程の一部として宣言される。対象は、他の呪文能力によって指示されない限り、変更することはできない。

115.1a インスタント呪文ソーサリー呪文は、その文章中に「[何か]を対象とする/target [something]」という表記がある場合、対象をとる。この[何か]とは、オブジェクトプレイヤーを示す表現でなければならない。対象の選択は、呪文唱える際に行う。rule 601.2c 参照。(インスタントソーサリーの文章内にある起動型能力誘発型能力が「対象/target」の語を用いていたとしたら、その呪文ではなく能力対象をとる。)

例:「このカードサイクリングしたとき、クリーチャー1体を対象とする。ターン終了時まで、それは-1/-1の修整を受ける。」という能力を持つソーサリーカードがあった場合、誘発型能力対象をとるが、呪文対象をとるとは限らない。

115.1b オーラ呪文は、必ず、対象を取る。オーラ対象は、エンチャントキーワード能力によって規定される(rule 702.5エンチャント〕参照)。対象の選択は、呪文唱える際に行う。rule 601.2c 参照。オーラパーマネント対象を取らない。オーラ呪文だけが対象を取る。(オーラパーマネント起動型能力誘発型能力対象を取ることがあり得る。)

115.1c 起動型能力は、「[何か]を対象とする/target [something]」という表現で影響を及ぼすものを特定している場合、対象をとる。この[何か]とは、オブジェクトプレイヤーを示す表現でなければならない。対象の選択は、能力起動する際に行う。rule 602.2b 参照。

115.1d 誘発型能力は、「[何か]を対象とする/target [something]」という表現で影響を及ぼすものを特定している場合、対象をとる。この[何か]とは、オブジェクトプレイヤーを示す表現でなければならない。対象の選択は、能力スタックに積む際に行う。rule 603.3d 参照。

115.1e 装備接合などキーワード能力の一部は、対象を取る起動型能力誘発型能力を意味している。また、変容などキーワード能力の一部は、呪文対象を取らせるようにする。それらの場合、「[何か]を対象とする」という表現はその能力そのものには表記されていないが、キーワード能力のルールに記載されている。(キーワードの注釈文にもしばしば「対象/target」の語が含まれている。)rule 702キーワード能力〕参照。

115.2. 呪文能力対象としては、通常、パーマネントだけが適正である。この例外は、(a) その呪文能力が他の領域にあるオブジェクトプレイヤー対象にできると明記されているときと、(b) 呪文能力のように戦場に存在することがありえないオブジェクト対象とするときだけである。rule 115.4 参照。

115.3. 同じ「target」の語で示される中で(日本語版では、「[性質]N個」あるいは「[性質]や[性質]のうちN個」などとしてまとめられている中で)、同じ対象を複数回選ぶことはできない。複数の対象群がある場合、同一のオブジェクトプレイヤーを(条件を満たしているなら)それぞれ1回ずつ対象に取ることができる。この規定は、呪文能力対象を選ぶときと、呪文能力対象を変更したり新しい対象を選んだりするとき(rule 115.7 参照)の両方に適用される。

115.4. ダメージ関連の呪文能力の中に、「target [something]」ではなく、「any target」や「another target」、「two targets」などを取るものがある。これらの対象は、クリーチャープレイヤープレインズウォーカーバトルである。クリーチャーでないアーティファクト、あるいは呪文など、その他のゲーム上のオブジェクトは選択できない。日本語版では、それらは「Nつを対象とする。」あるいは「任意の数を対象とする。」といった表現になっている。

115.5. スタックにある呪文能力は、それ自身の対象としては不適正である。

115.6. 対象を取りうる呪文能力には、0個の対象を選べるものもある。そのような呪文能力対象を取りうる呪文能力ではあるが、1個以上の対象を選んでいるときのみ対象を取る。

115.7. 呪文能力効果を変更することを認める効果や、呪文能力対象を新しく選ばせる効果が存在する。

115.7a 効果によってプレイヤー呪文能力について「その(それらの)対象を変更する/change the target(s)」場合、呪文能力対象は、他の適正な対象にだけ変更できる。対象を変更できない場合、元の対象がすでに不適正になっていたとしても、元の対象がそのまま対象 になったままになる。対象すべてを適正な別の対象に変更できない場合、それらの対象はすべて変更されずに元のまま残る。

115.7b 効果によってプレイヤー呪文能力について「対象1つを変更する/change a target」場合、rule 115.7a の記載に従うが、対象の中の(すべてを変更するかまったく変更しないかを選ぶのではなく)1つだけを変更することができる。

115.7c 効果によってプレイヤー呪文能力について「任意の対象を変更する/change any targets」場合、rule 115.7a の記載に従うが、対象の中の(すべてを変更するかまったく変更しないかを選ぶのではなく)任意の一部を変更することができる。

115.7d 効果によってプレイヤー呪文能力について「新しい対象を選ぶ/choose new targets」場合、そのプレイヤーはその現在の対象のうち望む数を、それが不正な対象であったとしても、そのままに残しておいてもよい。プレイヤーが新しく選んだ対象は適正でなければならないし、そのままに残してある対象を不適正にするものであってはならない。

115.7e 呪文能力対象を変更したり新しい対象を選んだりする場合、その変更が適正かどうかを判断するためには最終的に定められた対象だけを評価する。

例:「クリーチャープレインズウォーカープレイヤーのうち1つと、それでないクリーチャープレインズウォーカープレイヤーのうち1つを対象とする。電弧の痕跡はその前者に2点のダメージを、その後者に1点のダメージ与える。」というソーサリー電弧の痕跡》の現在の対象が、順に《ルーン爪の熊》と《ラノワールのエルフ》であるとする。あなたが「呪文1つを対象とする。あなたはそれの新しい対象を選んでもよい。」というインスタント移し変え》を《電弧の痕跡》を対象唱えた場合、1つ目の対象を《ラノワールのエルフ》に、2つ目の対象を《ルーン爪の熊》に変えることができる。

115.7f 呪文能力は、1つ以上のものを対象として(ダメージカウンターなどの)効果を「分割/divide」したり「分配/distribute」したりすることがある。その種の呪文能力のための対象を変更したり新しく選んだりする場合、元の分割を変更することはできない。

115.8. モードを持呪文能力は、モードごとに異なった対象の取り方をする場合がある。モードを持呪文能力対象を変更したり新しく選んだりする効果には、そのモードは変更されない。(rule 700.2 参照)

115.9. オブジェクトの中には、他の呪文能力対象を取るかどうかを見るものがある。文章によって、それがチェックするのは対象の現在の状態であるか、あるいは選ばれた時点での状態であるか、その両方を見るかが違う。

115.9a 「[数]の対象を持つ[呪文能力]/[spell or ability] with [a number of] targets」を見るオブジェクトは、その呪文能力スタックに積まれた時点で合計何回オブジェクトプレイヤー対象として選ばれたかを数える。現時点で適正である対象の数を数えるのではない。同一のオブジェクトプレイヤーが複数回対象として選ばれていた場合、それぞれを別々に数える。

115.9b 「[何か]を対象とする[呪文能力]/[spell or ability] that targets [something]」を見るオブジェクトは、その呪文能力対象がその時点でどうなっているかを見る。対象にしたオブジェクトが元あった領域に存在し、あるいは対象にしたプレイヤーがまだゲームに残っているのであれば、その対象がその呪文能力にとって不適正になっていたとしても、その現在の情報を用いる。オブジェクトがその領域 になくなっていたり、プレイヤーがゲームに存在しなくなっているのであれば、その対象は無視され、最後の情報は用いられない。

115.9c 「[何か]のみを対象とする[呪文能力]/[spell or ability] that targets only [something]」は、その呪文能力スタックに積まれたときにいくつの異なったオブジェクトプレイヤー対象として選んだか(その後対象を変更する効果によって変更されたものも含む)を数える。現時点で適正である対象の数を数えるのではない。その数が1であれば(その呪文能力が同一のオブジェクトプレイヤーを複数回対象にしていても)その呪文能力対象は、rule 115.9b に書かれている通りにチェックされる。

115.10. 呪文能力は、対象にしていないオブジェクトプレイヤーに影響を及ぼすことがある。一般に、その種のオブジェクトプレイヤー呪文能力解決時まで選択されない。rule 608呪文能力解決〕参照。

115.10a オブジェクトプレイヤー呪文能力の影響を受けるからといって、そのオブジェクトプレイヤーが自動的にその呪文対象 になるわけではない。そのオブジェクトプレイヤーが、その呪文能力の文章内、あるいはキーワード能力のルール内の「対象」の語を用いて指定されていない限り、対象ではない。

115.10b 特に、オブジェクトの文章中に出てくる「あなた/you」は対象を取ることを意味しない。

116. 特別な処理

116.1. 特別な処理は、プレイヤー優先権を持っているときに行う、スタックを用いない処理である。ゲームが自動的に作る、ターン起因処理状況起因処理と混同してはならない。(rule 703ターン起因処理〕、rule 704状況起因処理〕参照)

116.2. 特別な処理には、以下の11個がある。

116.2a 土地プレイすることは特別な処理である。土地プレイするとは、その土地を元あった領域(通常はそのプレイヤー手札)から戦場に出すことである。何も効果がない場合、プレイヤーは自分のターンの間に1度だけこの処理を行うことができる。プレイヤーは自分のメイン・フェイズの間、優先権を持っていてスタックが空であれば、この特別な処理を行うことを選んでもよい。rule 305土地〕参照。

116.2b 裏向きパーマネントオモテ向きにすることは特別な処理である。プレイヤー優先権を持っているときならいつでも、この処理を行うことができる。rule 708裏向き呪文パーマネント〕参照。

116.2c 効果の中には、後でプレイヤーに何らかの処理を認めるものがある。その多くは継続的効果の終了や、遅延誘発型能力誘発の中止である。そうすることは特別な処理である。その効果遅延誘発型能力誘発を中止させたり継続的効果を終了させたりすることを許している場合、その効果に特にタイミングの制限が書かれていない限り、プレイヤー優先権を持っているときならいつでもこの処理を行うことができる。

116.2d 常在型能力からの効果によって、その能力からの効果をある期間だけ失わせるという処理をできることがある。そうすることは特別な処理である。プレイヤー優先権を持っているときならいつでもこの処理を行うことができる。

116.2eあなたインスタント唱えられるときならいつでも、あなたは《待ち受ける禿鷹》を捨ててもよい。」という能力を持つカード(《待ち受ける禿鷹》)が存在する。そうすることは特別な処理である。プレイヤー優先権を持っているときならいつでもこの処理を行うことができる。

116.2f 待機 能力つきのカード手札に持つプレイヤーは、そのカード追放することができる。これは特別な処理である。プレイヤー優先権を持っているときで、そのカードスタックに積むことによって唱え始めることができるときならいつでもこの処理を行うことができる。rule 702.62待機〕参照。

116.2g 相棒を選んだプレイヤーは、{3}を支払ってそのカードゲームの外部から手札に持ってくることができる。これは特別な処理である。プレイヤーは、優先権を持っていてスタックが空で自分のターンのメイン・フェイズの間であればいつでも、この処理をすることができるが、そのゲームでまだこの処理をしていない場合に限られる。rule 702.139相棒〕参照。

116.2h 予顕を持つカード手札にあるプレイヤーは、{2}を支払ってそのカード裏向き追放することができる。これは特別な処理である。プレイヤーは、自分のターンの間優先権を持っているときならいつでも、この処理をすることができる。rule 702.143予顕〕参照。

116.2i プレインチェイス戦においては、次元ダイスを振ることは特別な処理である。プレイヤーはこの処理を、自分のメイン・フェイズの間、優先権を持っていてスタックが空であれば行うことができる。この処理を行うためのコストとして、そのターンに既に行なったこの処理の回数に等しい量のマナが必要である。そのターンの間に 効果によって次元ダイスを振っていた場合、次元ダイスを振った回数と等しくならないことに注意すること。rule 901プレインチェイス戦〕参照。

116.2j コンスピラシー・ドラフトにおいては、統率領域にある裏向き策略カードオモテ向きにすることは特別な処理である。プレイヤーは、優先権を持っているときならいつでもこの処理を行うことができる。rule 905.4a 参照。

116.2k 計画を持つカード手札にあるプレイヤーは、そのカード追放することができる。これは特別な処理である。プレイヤーはこの処理を、自分のターンの間、優先権を持っていてスタックが空であれば行うことができる。702.170計画〕参照。

116.3. プレイヤー特別な処理を行なった場合、そのプレイヤーがその後で優先権を得る。

117. タイミングと優先権

117.1. 呪文能力がいずれかのプレイヤーに何か処理を行うよう指示していない限り、ある時点でどちらのプレイヤーが処理を行えるかは、優先権のシステムによって決定される。優先権を持つプレイヤー呪文唱えたり、能力起動したり、特別な処理を行なったりできる。

117.1a プレイヤーは、優先権を持っているときならいつでもインスタント呪文唱えることができる。プレイヤーは、自分のメイン・フェイズの間で優先権を持っているときにスタックが空であればインスタント以外の呪文唱えることができる。

117.1b プレイヤーは、優先権を持っているときならいつでも起動型能力起動できる。

117.1c プレイヤー優先権を持っているときならいつでも取れる特別な処理が存在する。他の特別な処理については、自分のメイン・フェイズの間で優先権を持っているときにスタックが空であれば可能である。rule 116特別な処理〕参照。

117.1d プレイヤーは、優先権を持っている時か、呪文唱えたり能力起動したりする途中でマナ支払いが必要な時、あるいは(呪文唱えたり解決したりしている間や、能力起動したり解決したりしている間も含む)ルールや効果マナ支払いを求めた時ならいつでもマナ能力起動できる。

117.2. 他の能力や処理は、ゲームのルールによって自動的に作られたり実行されたりするか、または優先権を得ることなくプレイヤーによって実行される。

117.2a 誘発型能力は、呪文唱えている間や能力起動している間、あるいは呪文能力解決している間であっても、いつでも誘発する(rule 603誘発型能力の扱い〕参照)。しかしながら、能力誘発した瞬間には何もしない。いずれかのプレイヤー優先権を得る時点で、誘発していてまだスタックに積まれていない能力スタックに積まれる。rule 117.5 参照。

117.2b 常在型能力は継続的にゲームに影響を及ぼす。優先権は関係しない。(rule 604常在型能力の扱い〕、rule 611継続的効果〕参照)

117.2c ターン起因処理は、特定のステップフェイズが始まったときに自動的に発生する。これはプレイヤー優先権を得るよりも前に処理される。rule 117.3a 参照。ターン起因処理は各ステップフェイズが終わったときにも自動的に発生し、それ以降にプレイヤー優先権を得ることはない。rule 703ターン起因処理〕参照。

117.2d 状況起因処理は特定の条件を満たしたときに自動的に発生する。rule 704状況起因処理〕参照。これはプレイヤー優先権を得る直前に処理される。rule 117.5 参照。

117.2e 呪文能力解決すると、プレイヤーに選択を求めたり処理を行わせたりマナ能力起動を許可したりすることがある。プレイヤーがそうした場合にも、呪文能力解決中にはいずれのプレイヤー優先権を得ない。rule 608呪文能力解決〕参照。

117.3. どちらのプレイヤー優先権を持っているかは、以下のルールによって定められる。

117.3a アクティブ・プレイヤーは、ほとんどのフェイズステップの開始時に、ターン起因処理(ドロー・ステップ の間に カード1枚をくことなど。rule 703 参照)の後、そのフェイズステップの開始時に誘発する能力スタックに積まれた後で優先権を得る。ただし、アンタップ・ステップには優先権は発生せず、通常はクリンナップ・ステップにも優先権は発生しない(rule 514.3 参照)。

117.3b 呪文能力(マナ能力を除く)が解決されたら、アクティブ・プレイヤー優先権を得る。

117.3c 呪文唱えたり、能力起動したり、特別な処理を行なったりしたプレイヤーは、その後で優先権を得る。

117.3d プレイヤー優先権を持っていて何も処理をしないことを選んだ場合、そのプレイヤーパスしたことになる。そのプレイヤーマナ・プールマナが残っている場合、何がどれだけ残っているかを宣言する。その後、ターン順で次のプレイヤー優先権を得る。

117.4. 全てのプレイヤー続けてパス(すべてのプレイヤーが何も処理を行わずにパスすることをそう言う)した場合、スタックの一番上のオブジェクト解決される。この時点でスタックが空の場合、そのフェイズステップは終了する。

117.5. いずれかのプレイヤー優先権を得る場合、ゲームはまず該当する状況起因処理を単一のイベントとして行う(rule 704状況起因処理〕参照)。状況起因処理が1つも発生しなくなるまでチェックが繰り返される。その後、誘発型能力スタックに積まれる(rule 603誘発型能力の扱い〕参照)。この手順は、それ以上の状況起因処理が発生せず、能力誘発しない状態になるまで繰り返される。その後で、該当するプレイヤー優先権を得る。

117.6. 「共有チーム・ターン」選択ルールにおいて、個人ではなくチーム優先権を得る。rule 805「共有チーム・ターン」選択ルール〕参照。

117.7. 優先権を持つプレイヤーが、他の呪文能力スタックにある間に呪文唱えたり起動型能力起動したりした場合、新しい呪文能力は、その前の呪文能力に「対応して/in response to」唱えられ、あるいは起動された、という。新しい呪文能力は、一番最初に解決されることになる。rule 608呪文能力解決〕参照。

118. コスト

118.1. コストとは、他の処理をするため、あるいは他の処理を妨げるために必要な処理や支払いのことである。コスト支払うとは、プレイヤーがそのコストを含む呪文能力効果で特定されている指示を実行することである。

118.2. コストマナ支払いが含まれる場合、コスト支払プレイヤーマナ能力起動する機会を得る。呪文唱えたり起動型能力起動したりするためのコスト支払いは、rule 601.2f-h に示された手順を取る。

118.3. プレイヤーは、コストを完全に支払うために必要なリソースを持たずにそのコスト支払うことはできない。例えば、ライフが1点しかないプレイヤーは、2点のライフコストとして支払うことはできないし、タップ状態パーマネントタップすることでコスト支払うことはできない。rule 202マナ・コスト〕、rule 602起動型能力起動〕参照。

118.3a マナ支払うことは、プレイヤーマナ・プールから指示されただけのマナを取り除くことによって行われる(プレイヤーはいつでも0点のマナ支払うことができる)。支払いの後でマナ・プールマナが残っている場合、そのプレイヤーは何がどれだけ残っているかを宣言する。

118.3b ライフ支払うことは、プレイヤーライフの総量から指示されただけの点数のライフを減らすことによって行われる(プレイヤーはいつでも0点のライフ支払うことができる)。

118.3c コスト支払うことが義務である場合にも、マナ能力起動することは義務ではない。

例:あるプレイヤーが「アーティファクトでないすべての呪文唱えるためのコストは{1}多くなる。」という《磁石のゴーレム》をコントロールしている。他のプレイヤーが、待機状態のソーサリーカードから最後の時間カウンターを取り除いた。そのプレイヤーは可能ならばその呪文唱えなければならないが、そうするためには{1}のコストが必要である。マナ・プールに充分なマナがある場合にはそのコスト支払わなければならない。しかし、そのマナを出すためのマナ能力起動することは義務ではない。そのカードはただ追放されたままになる。

118.4. コストの中に{X}やXが含まれることがある。rule 107.3 参照。

118.5. コストが{0}によって表されていたり、{0}にまで減少したりすることがある。その類のコスト支払うためにプレイヤーが取らなければならない処理は、支払うことを宣言するだけである。コスト支払いにリソースが必要ないが、自動的に支払われるわけではない。

118.5a マナ・コストが{0}の呪文は、1以上のコストを持つ呪文と同じように唱えられなければならない。自動的に唱えられるわけではない。これはコストが{0}の起動型能力についても同じである。

118.6. マナ・コストを持たないオブジェクトが存在する。これは、支払うことができないコストを意味する。能力も、マナ・コストを持たないオブジェクトマナ・コストを元にコストを決めた場合に、支払うことができないコストを持つことがある。支払うことができないコストを持つ呪文唱えたり、能力起動したりすることは適正な処理であるが、支払うことのできないコスト支払おうとすることは不適正な処理である。

118.6a 支払うことができないコストが、何らかの効果によって加算されたり、追加コストが加わったりしても、そのコスト支払うことができないままである。支払うことができないコストに、マナ・コストを払わずに唱えてもよいという効果などの代替コストが適用された場合、その代替コスト支払うことは適正である。

118.7. プレイヤーが実際に支払コストは、効果によって変更されたり減らされたりすることがある。コストマナ部分がコスト減少効果によってまったくなくなった場合、{0}として扱う。そうして変更されたコスト支払うことは、元のコスト支払ったのと同じように扱う。

118.7a 一定量の不特定マナコストから減少させる効果は、そのコスト不特定マナ部分にだけ影響する。そのコストの、 マナ無色 マナの部分には影響を及ぼさない。

118.7b 一定量の マナ無色 マナコストから減る場合、そのコストがそのタイプマナを求めていなかったなら、コストからその量の不特定マナが減らされる。

118.7c 一定量の マナコストから減る場合、その減る量がそのコストに含まれるそのマナよりも多かったなら、そのマナはなくなるまで減り、余剰分の不特定マナが減る。

118.7d 一定量の無色 マナコストから減る場合、その減る量がそのコストに含まれる無色 マナよりも多かったなら、無色 マナはなくなるまで減り、余剰分の不特定マナが減る。

118.7e 混成マナ・シンボルで示されているある量のマナコストから減る場合、そのコスト支払プレイヤーはそのコスト減少が適用される時点でそのシンボルのうちいずれか半分を選ぶ(rule 601.2f 参照)。 マナである半分を選んだ場合、そのマナ1点を減らす。不特定マナである半分を選んだ場合、そこに示されている数の不特定マナを減らす。

118.7f ファイレクシア・マナ・シンボルで示されているマナコストから減らされる場合、そのシンボルのマナ1点が減らされる。

118.7g 1個以上の氷雪マナ・シンボルで示されているある量のマナコストから減らされる場合、そのコストはその量の不特定マナだけ減らされる。

118.8. 呪文能力の一部は追加コストを持つ。追加コストは、呪文ルール・テキストに記されているコスト、あるいは他の効果によって呪文能力に適用されるコストであり、呪文マナ・コストあるいは能力起動コスト支払うのと同時にそのコントローラー支払わなければならない。キーワードとして記される追加コストも存在する。rule 702 参照。

118.8a 追加コストは、唱えられる1つの呪文あるいは起動される1つの能力に複数適用されることがある。呪文能力コントローラーは、それらのコスト支払う意思を、rule 601.2b に基づいて宣言する。

118.8b 追加コストの一部は選択可能である。

118.8c 効果プレイヤーが「可能ならば/if able」呪文唱えるように記述されていた場合、その呪文非公開領域にある何らかの値を持つカードを含む強制追加コストを持っていたならば、その必要なカードがその領域に存在したとしてもその呪文唱えることは強制されない。

118.8d 追加コストによって呪文マナ・コストが変化することはなく、単にそれを唱えるために支払コストが変化するだけである。呪文マナ・コストを参照する呪文能力は、その元の値を参照する。

118.9. 代替コストを持つ呪文が存在する。代替コスト呪文の文章に記されているか、または他の効果によって適用されるコストで、そのコントローラー呪文マナ・コスト支払うのではなく支払うことができるコストのことである。代替コストは「あなたは[このオブジェクトの]マナ・コスト支払うのではなく[処理]してもよい/You may [action] rather than pay [this object's] mana cost」あるいは「あなたは[このオブジェクトを]そのマナ・コスト支払うことなく唱えてよい/You may cast [this object] without paying its mana cost.」と書かれている。キーワードとして記される代替コストも存在する。rule 702 参照。

118.9a 単一の呪文唱えるに際しては、代替コストは1つしか適用できない。その呪文コントローラーは、そのコスト支払う意思を、rule 601.2b に基づいて宣言する。

118.9b 代替コストは一般的に選択可能である。呪文唱えることを認める効果は、特定の代替コスト支払いを必要とすることがある。

118.9c 代替コストによって呪文マナ・コストが変化することはなく、単にそれを唱えるに際して支払うべきコストが変化するだけである。呪文マナ・コストを参照する呪文能力は、その元の値を参照する。

118.9d 呪文唱えるために代替コスト支払う場合、その呪文に影響を及ぼす追加コストコスト増加、コスト減少はその代替コストに対して適用される(rule 601.2f 参照)。

118.10. コスト支払いは、1つの呪文能力効果に対してしか適用できない。たとえば、プレイヤークリーチャー1体だけを生け贄に捧げることで、2つのパーマネントがそれぞれ持つ、コストクリーチャー1体を生け贄に捧げなければならない起動型能力起動することはできない。また、呪文能力解決は、効果の一部が他の呪文能力コストとして求められていることと同じであっても、そのコスト支払ったことにはならない。

118.11. コスト支払うための処理は、効果によって修整されることがある。その結果、実際の処理が表記されている内容と一致しなくても、そのコスト支払われたものとして扱う。

例:累加アップキープコストとして「カード1枚をく。」というものを持つエンチャント、《精神の渦》と「あなたカードくなら、代わりにあなたはそのドローを飛ばしてもよい。」という能力を持つ《片意地な使い魔》をコントロールしている時、そのプレイヤーは《精神の渦》の累加アップキープコスト支払うことを選んだ上でカードかないことを選んでもよい。その場合でも、累加アップキープコスト支払われたものとして扱う。

118.12. 呪文起動型能力誘発型能力の中に、「[ある処理]する。[プレイヤーが][そうした/しなかった/できない]なら、[効果]/[Do something]. If [a player] [does, doesn't or can't], [effect]」、あるいは「[プレイヤーは][ある処理]してもよい。[そのプレイヤーが][そうした/しなかった/できない]なら、[効果]/[A player] may [do something]. If [that player] [does, doesn't, or can't], [effect]」というものがある。この場合の[ある処理]はコストであり、呪文能力解決時に支払う。「[そうした(しなかった)]なら」という節は、そのプレイヤーがその選択的コスト支払うことを選んだり、あるいは選択的でないコスト支払い始めたりしたかどうかをチェックする。実際にどのようなイベントが発生したかは問わない。

例:あなたが「プレイヤー呪文1つを唱えたとき、行き詰まりを生け贄に捧げる。そうしたなら、そのプレイヤーの各対戦相手は、カード3枚をく。」というエンチャント、《行き詰まり》をコントロールしている。ある呪文唱えられて《行き詰まり》の能力誘発したあと、《行き詰まり》を追放する別の能力起動したとしたら、《行き詰まり》の能力解決された時点で「行き詰まりを生け贄に捧げる。」というコスト支払うことはできないので、どのプレイヤーカードくことはない。

例:対戦相手が「このターン、クリーチャー対戦相手コントロール下で戦場に出るなら、代わりにそれはあなたの コントロール下で戦場に出る。」という呪文標本集め》を唱えた。一方、あなたは「偽皮操りがオモテ向き になったとき、あなたは『あなたの 手札にあり変異を持つクリーチャーカード1枚を、オモテ向き戦場に出す。』を選んでもよい。そうしたなら、偽皮操りをオーナー手札に戻す。」という能力を持つ変異持ちクリーチャー偽皮操り》を裏向きコントロールしている。《偽皮操り》をオモテ向きにし、変異を持つクリーチャーカード1枚を手札から選び、戦場に出そうとする。《標本集め》の効果によってそのクリーチャー対戦相手コントロール下で戦場に出るが、コスト支払うことを選んだので、《偽皮操り》はオーナー手札に戻る。

118.12a カードの中には「[あるプレイヤーが別の処理]しないかぎり、[処理]する/[Do something] unless [A player does something else]」と書かれているものがある。これは「[あるプレイヤーは別の処理]してもよい。そうしないなら、[処理]する/[A player may do something else]. If [that player doesn't], [do something]」というのと同じ意味である。

118.12b 効果の中にはプレイヤー領域からすかどうかを選ばせ、その領域で見つけたカードに追加の処理を行わせ、その後に「[プレイヤーが]そうしたなら/If [a player] does」節が続くものがある。この節はプレイヤーすことを選んだかどうかをチェックするものであり、そのプレイヤーが追加の処理を行なったかどうかを参照するものではない。

118.13. コストの中には、混成マナ・シンボルファイレクシア・マナ・シンボルなど、複数の方法で支払うことができるマナ・シンボルを含むものがある。

118.13a 呪文マナ・コスト起動型能力起動コストに複数の方法で支払うことができるマナ・シンボルが含まれている場合、そのシンボルの分を支払う方法の選択は、それのコントローラーがその呪文能力の提示に際して行う(rule 601.2b 参照)。

118.13b 呪文能力解決中に支払われるコストに複数の方法で支払うことができるマナ・シンボルが含まれている場合、そのコスト支払う直前に、そのコスト支払プレイヤーがそのシンボルの分を支払う方法を選ぶ。

118.13c 特別な処理に伴うコストに複数の方法で支払うことができるマナ・シンボルが含まれている場合、そのコスト支払う直前に、その特別な処理を行うプレイヤーがそのシンボルの分を支払う方法を選ぶ。

118.14. コスト支払うために「任意のタイプマナ支払ってもよい/mana of any type can be spent」という効果が存在する。これは、そのプレイヤーコスト支払うために、マナ無色や任意のであるかのように 支払ってもよいということを意味する。その効果プレイヤー呪文唱えることも許可していたなら、この効果はそのプレイヤーがそれにより呪文唱えるために支払マナにのみ適用される。rule 609.4b 参照。

119. ライフ

119.1.プレイヤー初期ライフ総量は20点である。変種ルールの中にはこれと異なる初期ライフ総量を定めるものもある。

119.1a 双頭巨人戦では、各チーム初期ライフ総量は30点である。rule 810「双頭巨人戦」変種ルール〕参照。

119.1b ヴァンガード戦では、各プレイヤー初期ライフ総量は20点にそのヴァンガードカードライフ補正子を加えた値である。rule 902ヴァンガード戦〕参照。

119.1c 統率者戦では、各プレイヤー初期ライフ総量は40点である。rule 903統率者戦〕参照。

119.1d 2人ブロール戦では、各プレイヤー初期ライフ総量は25点である。多人数ブロール戦では、各プレイヤー初期ライフ総量は30点である。rule 903.12ブロール 選択ルール〕参照。

119.1e アーチエネミー戦では、魔王初期ライフ総量は40点である。rule 904アーチエネミー戦〕参照。

119.2. プレイヤーが受けたダメージは、通常、そのプレイヤーライフをその量だけ失わせる。rule 120.3 参照。

119.3. 効果プレイヤーライフを得させたり失わせたりする場合、そのプレイヤーライフの総量はそれだけ変動する。

119.4. コスト効果プレイヤーに1点以上の量のライフ支払うことを認める場合、そのプレイヤーライフの総量がその値以上の場合に限って支払うことができる。ライフ支払った場合、その支払った分だけライフの総量が減少する、つまり、プレイヤーはその支払った分のライフを失う。

119.4a 双頭巨人戦において、コスト効果プレイヤーに1点以上の量のライフ支払うことを認める場合、そのプレイヤーはそのチームの共有ライフの総量が、そのチームの両プレイヤー支払ライフの総量値以上の場合に限って支払うことができる。ライフ支払った場合、その支払った分だけ共有ライフの総量が減少する。

119.4b プレイヤーは自分や自分のチームライフの総量に関わらず、また効果によってライフ支払いが禁じられているときであっても、いつでも0点のライフ支払うことができる。

119.5. 効果プレイヤーライフの総量を特定の値にする場合、そのプレイヤーライフの総量をその値にするために必要な量のライフを得たり失ったりする。

119.6. プレイヤーライフの総量が0以下になった場合、そのプレイヤー状況起因処理としてゲームに負ける。rule 704 参照。

119.7. 効果によってプレイヤーライフを得られない場合、そのプレイヤーは自分よりもライフの総量が多いプレイヤーライフの総量を交換することはできない。その場合、交換は発生しない。同様に、効果によってライフを再配分する場合、そのプレイヤーライフの総量が多くなるような新しいライフの総量を受け取ることはできない。加えて、そのプレイヤーライフを得させることを含むコスト支払うことができず、そのプレイヤーライフを得るイベントを置換する置換効果は何もしない。

119.8. 効果によってプレイヤーライフを失わない場合、そのプレイヤーは自分よりもライフの総量が少ないプレイヤーライフの総量を交換することはできない。その場合、交換は発生しない。同様に、効果によってライフを再配分する場合、そのプレイヤーライフの総量が少なくなるような新しいライフの総量を受け取ることはできない。加えて、そのプレイヤーライフ支払わせることを含むコスト支払うことができない。

119.9. 「[プレイヤー]がライフを得るたび……/Whenever [a player] gains life, ...」という誘発型能力は、「いずれかの発生源が[プレイヤー]にライフを得させるたび……/Whenever a source causes [a player] to gain life, ...」として扱う。プレイヤーが0点のライフを得た場合、ライフを得るイベントは発生せず、従ってこの種の能力誘発しない。

119.10. 「[プレイヤー]がライフを得るなら、……/If [a player] would gain life, ...」という置換効果は、「発生源が[プレイヤー]にライフを得させるなら、……/If a source would cause [a player] to gain life, ...」として扱う。プレイヤーが0点のライフを得る場合、ライフを得るイベントは発生せず、この種の効果は適用されない。

120. ダメージ

120.1. オブジェクトバトルクリーチャープレインズウォーカープレイヤーダメージ与えることができる。一般に、ダメージダメージを受けるオブジェクトまたはプレイヤーに不利な影響を与える。ダメージ与えオブジェクトはそのダメージの発生源である。

120.2. いずれのオブジェクトダメージ与えることができる。

120.2a 戦闘の結果としてダメージを受けることがある。攻撃クリーチャーブロック・クリーチャーも、戦闘ダメージ・ステップにそのパワーに等しいだけの戦闘ダメージ与える。

120.2b 呪文能力効果としてダメージを受けることがある。その呪文能力が、どのオブジェクトがそのダメージ与えるかを特定する。

120.3. ダメージは、受ける側がプレイヤーであるかパーマネントであるか、また発生源や(ダメージを受けるのがパーマネントであれば)受ける側の特性に応じて、以下の1つ以上の結果をもたらす。

120.3a 感染を持たない発生源からプレイヤーが受けたダメージは、そのプレイヤーライフをその量だけ減らす。

120.3b 感染を持つ発生源からプレイヤーが受けたダメージは、その発生源のプレイヤーに、そのプレイヤーにその量の毒カウンター与えさせる。

120.3c プレインズウォーカーが受けたダメージは、そのプレインズウォーカーからその点数に等しい数の忠誠カウンターを取り除く。

120.3d 萎縮感染を持つ発生源からクリーチャーが受けたダメージは、その発生源のコントローラーに、そのクリーチャーにその量の-1/-1カウンターを置かせる。

120.3e 萎縮感染も持たない発生源からクリーチャーが受けたダメージは、そのクリーチャーが負う。

120.3f 絆魂を持つ発生源から受けたダメージは、他の結果に加え、その発生源のコントローラーにその量のライフを得させる。

120.3g 毒性を持つクリーチャープレイヤー与え戦闘ダメージは、他の結果に加え、そのクリーチャーコントローラーに、そのダメージを受けたプレイヤーにそのクリーチャー毒性の値の合計に等しい個数の毒カウンターを置かせる。rule 702.164毒性〕参照。

120.3h バトルが受けたダメージは、そのバトルからその点数に等しい数のカウンターを取り除く。

120.4. ダメージは4つの手順で処理される。

120.4a まず、与えダメージを発生させる効果に、パーマネント与え余剰のダメージ代わりに他のパーマネントプレイヤー与えると明記されていた場合、そのダメージイベントはそのように変更される。その1つ目のパーマネントクリーチャーである場合、余剰のダメージとは、そのクリーチャーが既に負っているダメージや同時に受ける他の発生源からのダメージを考慮して、致死ダメージ(rule 120.6 参照)を超えるダメージのことである。クリーチャーが受けるダメージの発生源接死を持つなら、そのダメージのうち1点を超える分は余剰のダメージである(rule 702.2 参照)。その1つ目のパーマネントプレインズウォーカーである場合、余剰のダメージとは、同時に受ける他の発生源からのダメージを考慮してそのプレインズウォーカー忠誠度を超えるダメージの量のことである。その1つ目のパーマネントバトルである場合、余剰のダメージとは、同時に受ける他の発生源からのダメージを考慮してそのバトル守備値を超えるダメージの量のことである。その1つ目のパーマネントバトルクリーチャープレインズウォーカーのうち複数のカード・タイプを持つ場合、余剰のダメージはそれらそれぞれのカード・タイプについて計算した中の最大の値になる。

120.4b 次に、置換効果軽減効果によって修整された後でダメージを受ける(rule 614置換効果〕、rule 615軽減効果〕参照)。ダメージを受けたことによって誘発する能力はこの時点で誘発し、スタックに積まれるのを待つ。

120.4c 3番目に、受けたダメージが結果に変換され、その結果(ライフの喪失やカウンターなど)に影響を及ぼす置換効果によって修整される。

120.4d 最後に、ダメージイベントが発生する。

例:「あなたライフを得るなら、代わりに あなたはその2倍の点数のライフを得る。」というエンチャント、《加護の反射》をコントロールしているプレイヤーが3/3の萎縮絆魂持ちのクリーチャー攻撃し、2/2クリーチャーブロックされた。防御プレイヤーブロック・クリーチャーが受ける次の2点のダメージ軽減する呪文唱えた。この場合、ダメージイベントは[2/2クリーチャーが3点のダメージを受ける。3/3クリーチャーが2点のダメージを受ける。]というのが最初の状態である。軽減効果が適用され、ダメージイベントは[2/2クリーチャーが1点のダメージを受ける。3/3クリーチャーが2点のダメージを受ける。]になる。これが結果に変換されると、[2/2クリーチャーに-1/-1カウンター1個が置かれる。アクティブ・プレイヤーが1点のライフを得る。3/3クリーチャーが2点のダメージを負う。]になる。《加護の反射》の効果が適用され、[2/2クリーチャーに-1/-1カウンター1個が置かれる。アクティブ・プレイヤーが2点のライフを得る。3/3クリーチャーが2点のダメージを負う。]となり、これでダメージイベントが発生する。

例:防御プレイヤークリーチャー1体と、「あなたクリーチャーコントロールしているなら、あなたの ライフの総量を1点以下に減少させるダメージは、代わりに あなたの ライフの総量が1点になるまで減少させる。」というエンチャント、《崇拝》をコントロールしている。そのプレイヤーライフは現在2点で、ブロックされなかった5/5クリーチャー2体によって攻撃されている。そのプレイヤーは、その攻撃クリーチャーのうち1体を対象にして「クリーチャー1体を対象とする。このターン、次にそれが与えるすべてのダメージ軽減し、0にする。あなたは、これにより軽減されたダメージに等しい点数のライフを得る。」というインスタント畏敬の一撃》を唱えた。ダメージイベントは[防御プレイヤーが10点のダメージを受ける。]というのが最初の状態である。《畏敬の一撃》の効果が適用され、[防御プレイヤーが5点のダメージを受ける。防御プレイヤーが5点のライフを得る。]になる。これが結果に変換されて、[防御プレイヤーは5点のライフを失う。防御プレイヤーは5点のライフを得る。]になる。このダメージイベントプレイヤーライフの総量を1未満にしないので、《崇拝》の効果は適用されない。これでダメージイベントが発生する。

120.5. クリーチャープレインズウォーカーバトルが受けたダメージは、それを破壊しない。同様に、その発生源が破壊するわけでもない。そのパーマネントが受けたダメージの結果によってクリーチャー破壊したりパーマネントオーナー墓地に置いたりするのは、状況起因処理である。rule 704 参照。

例:プレイヤーが「1つを対象とする。稲妻はそれに3点のダメージ与える。」というインスタント、《稲妻》を、2/2クリーチャー対象として唱えた。《稲妻》がそのクリーチャーに3点のダメージ与えた後、そのクリーチャー状況起因処理によって破壊される。《稲妻》や、それの与えダメージがそのクリーチャー破壊したわけではない。

120.6. クリーチャーが負ったダメージは、そのパーマネントクリーチャーでなくなったとしても、クリンナップ・ステップまで残る。クリーチャーが負ったダメージの合計がそのタフネス以上になったら、そのクリーチャー致死ダメージを受けたことになり、状況起因処理として破壊される(rule 704 参照)。パーマネントが負ったダメージは、再生する(rule 701.15再生する〕参照)か、あるいはクリンナップ・ステップ の間に(rule 514.2 参照)取り除かれる。

120.7. ダメージの発生源とは、それを与えオブジェクトである。効果によってプレイヤーダメージの発生源を選ぶ場合、パーマネントか、スタックにある呪文(パーマネント 呪文を含む)か、スタックにあるオブジェクトや適用を待つ置換・軽減効果誘発を待つ遅延誘発型能力によって参照されるオブジェクト(そのオブジェクトがすでにもとあった領域に存在しない場合であっても)か、あるいは統率領域にあるオモテ向きオブジェクトを選ぶことができる。ダメージ与えることができない発生源も、適正な選択となりうる。rule 609.7 参照。

120.8. 発生源が0点のダメージ与える場合、それはダメージ与えない。ダメージ与えたことによって誘発する能力誘発しない。その発生源から受けたダメージを増加させる、あるいはその発生源にそのダメージを他のオブジェクトプレイヤー与えさせる置換効果は置換するイベントがないので何も効果を持たない。

120.9. 特定の発生源から受けるダメージによって誘発する能力で、その効果が「受けたダメージ/damage dealt」に言及している場合、それはその特定の発生源から受けたダメージだけに言及しており、他の発生源から同時に受けたダメージには言及していない。

120.10. 誘発型能力の中には、パーマネント余剰のダメージを受けているかどうかを見るものがある。それらの能力は、そのパーマネントが1つ以上の発生源からダメージを受けた後で見る。それらの発生源が合計でクリーチャー致死ダメージを超えるダメージをそのクリーチャー与えていたなら、そのクリーチャー与え余剰のダメージは、その差に等しい量である。それらの発生源が合計でプレインズウォーカー忠誠度を超えるダメージをそのプレインズウォーカー与えていたなら、そのプレインズウォーカー与え余剰のダメージは、その差に等しい量である。それらの発生源が合計でバトル守備値を超えるダメージをそのバトル与えていたなら、そのバトル与え余剰のダメージは、その差に等しい量である。そのパーマネントクリーチャープレインズウォーカーバトルのうち複数のカード・タイプを持つ場合、そのパーマネント与え余剰のダメージは、それが持つカード・タイプそれぞれについて計算した中の最大の値である。

121. カードくこと

121.1. プレイヤーカードくとは、自分のライブラリーの一番上にあるカード1枚を自分の手札に入れるということである。これは各プレイヤードロー・ステップに、ターン起因処理として行われる。また、これは呪文能力の、コスト効果としても行われる。

121.2. カードを同時にくことができるのは1枚だけである。複数枚のカードくように指示された場合、そのプレイヤーはその回数だけカードくことを繰り返す。

121.2a 複数枚のカードくという指示は、かれるカードの枚数を参照する置換効果によって変更されることがある。この変更は、カードく個別の処理を扱うよりも前に行われる。rule 616.1g 参照。

121.2b プレイヤーが各ターンに2枚以上のカードくことができない、という効果が存在する。この種の効果カードく個別の処理に適用される。カードを複数枚く場合、その一部は実行される。ただし、プレイヤーカードを複数枚いてもよいという効果の場合、そのプレイヤーくことを選ぶことはできない。同様に、そのプレイヤーカードを複数枚くことを含むコスト支払うこともできない。

121.2c 複数のプレイヤーカードくという記述がある場合、まずアクティブ・プレイヤーが指定された枚数のカードき、その後ターン順で他のプレイヤーカードく。

121.2d 「共有チーム・ターン」選択ルールを用いたゲーム(双頭巨人戦など)において、複数のプレイヤーカードくという記述がある場合、まずアクティブ・チームプレイヤーが好きな順番で指定された枚数のカードき、それから非アクティブ・チームが同じように処理する。

121.3. プレイヤーライブラリーカードがない状態で効果がそのプレイヤーカードくかどうかを選ばせる場合、そのプレイヤーカードくことを選ぶことができる。一方、カードくことができないという効果がある状況下で、他の効果がそのプレイヤーカードくかどうかを選ばせる場合、そのプレイヤーカードくことを選ぶことはできない。

121.3a カードプレイヤー以外のプレイヤーが決定する場合にも、同じ原理が適用される。カードプレイヤーライブラリーカードがなかったとしても、カードくことを選ぶことはできる。カードプレイヤーカードくことができないという効果があれば、カードくことを選ぶことはできない。

121.4. カードがないライブラリーからカードこうとしたプレイヤーは、次にいずれかのプレイヤー優先権を得る時にゲームに負ける。(これは状況起因処理である。rule 704 参照。)

121.5. 効果が「く/draw」という語を使わずにプレイヤーライブラリーからそのプレイヤー手札動かす場合、そのプレイヤーはそのカードいてはいない。これは、カードくことで誘発する能力や、カードくことを置換する効果がある場合、またはそのプレイヤーライブラリーが空である場合に違いが生じる。

121.6. カードくことを置換する効果が存在する。

121.6a カードくことを置換する効果は、影響を受けるプレイヤーライブラリーが空であるためにそのプレイヤーカードくことができない場合にも適用される。

121.6b 効果が、複数枚のカードかれるうちの1回を置換する場合、その置換効果は次の1枚をく前に完全に処理される。

121.6c カードかれた後、そのカードに対して追加で何らかの処理をする効果が存在する。カードくことが置換された場合、その追加の処理は、その置換効果やそれ以外の置換効果の結果かれたカードに対しては行われない。

121.7. 置換効果軽減効果によってカードかれることがある。その場合、元のイベントの中でこの効果によって置換されなかった部分があれば、その部分が先に処理され、その後でカードが1枚ずつかれる。

121.8. 呪文唱えられている間に他の呪文能力カードかせた場合、そのいたカードはその呪文唱え終わる(rule 601.2i 参照)か唱える手順が巻き戻される(rule 730不正な処理の扱い〕参照)まで裏向きのままである。これは能力起動に関しても同じである。効果によってプレイヤーカード公開する(または公開してもよい)場合、そのカード呪文唱えられたあと、あるいは能力起動されたあとで公開される。裏向きの間、そのいたカード特性を持たないものとして扱われ、その呪文能力の、カードが特定の特性を持つことを必要とするコストの一部の支払いに使うことはできない。

121.9. 効果によってプレイヤーカードくに際して公開するという選択肢が与えられている場合、そのプレイヤーはそのカードくに際し、公開するかどうかを選ぶ前にそのカードを見ることができる。

122. カウンター

122.1. カウンターとは、オブジェクトプレイヤーの上に置かれるマーカーであり、その特性を修整したり、能力と相互作用したりするものである。カウンターオブジェクトではなく、特性を持たない。トークンカウンターではなく、カウンタートークンではない。同名のカウンターには互換性がある。

122.1a クリーチャーまたは戦場以外の領域にあるクリーチャーカードの上に置かれている+X/+Y カウンター(XYはそれぞれ数字である)はそのオブジェクトパワーXを加え、タフネスYを加える。同様に、-X/-Y カウンターはその分だけパワータフネスからく。rule 613.4c 参照。

122.1b パーマネントあるいは戦場以外の領域にあるカードの上にあるキーワード・カウンターは、そのオブジェクトにそのキーワードを与える。キーワード・カウンターでありうるキーワードは、飛行先制攻撃二段攻撃接死速攻呪禁破壊不能絆魂威迫到達シャドートランプル警戒、ならびにそれらのキーワードの変種である。rule 613.1f 参照。

122.1c パーマネントの上にある1個以上の盾カウンターは、そのパーマネントを保護する単一の置換効果と単一の軽減効果生成する。それらの効果は「このパーマネント効果の結果として破壊されるなら、代わりに、これの上から盾カウンター1個を取り除く。」と「このパーマネントダメージを受けるなら、そのダメージ軽減し、これの上から盾カウンター1個を取り除く。」である。rule 614置換効果〕、rule 615軽減効果〕参照。

122.1d パーマネントの上にある1個以上の麻痺カウンターは、そのパーマネントアンタップすることを妨げる単一の置換効果生成する。その効果は「麻痺カウンターが置かれているパーマネントアンタップ状態 になるなら、代わりに、その上から麻痺カウンター1個を取り除く。」である。

122.1e 戦場に出ているプレインズウォーカーの上に置かれた忠誠カウンターは、そのプレインズウォーカー忠誠度を示す。忠誠度が0のプレインズウォーカーは、状況起因処理でそのオーナー墓地に置かれる。rule 704 参照。

122.1f いずれかのプレイヤーが10個以上の毒カウンターを持った場合、そのプレイヤー状況起因処理でゲームに負ける。rule 704 参照。プレイヤーが1個以上の毒カウンターを持っている場合、そのプレイヤーは「毒を受けている/poisoned」と言う(双頭巨人戦に関する追加の規定は rule 810 参照)。

122.1g バトルの上にあるカウンターの数は、それが持つ守備値を示す。守備値が0であるバトルは、それが誘発してからまだスタックを離れていない能力の発生源でないなら、オーナー墓地に置かれる。この状況起因処理スタックを用いない。rule 704 参照。

122.1h パーマネントの上にある1個以上の最終カウンターは、そのパーマネント墓地に行くことを妨げる単一の置換効果生成する。その効果は「このパーマネント戦場から墓地に置かれるなら、代わりにそれを追放する。」である。

122.1i プレイヤーが持つ1個以上のRADカウンターは、そのプレイヤー戦闘前メイン・フェイズの開始時に誘発する誘発型能力誘発させる。725RADカウンター〕参照。

122.2. オブジェクト上のカウンターは、そのオブジェクトがある領域から他の領域に移動した場合には保持されない。これらのカウンターは「取り除かれた/removed」のではなく、単に消滅するだけである。rule 400.7 参照。

122.3. 単一のパーマネントに、+1/+1カウンターと-1/-1カウンターが乗っている場合、その2つのうちで少ないほうと同数だけ、両方のカウンターを取り除く。(訳注:両方が同数である場合、その両方を全て取り除く。)rule 704 参照。

122.4. ある種類のカウンターをN個を超えて持つことができないという能力を持つパーマネントの上に、その種類のカウンターがN個を超えて置かれた場合、N個を残して取り除く。これは状況起因処理である。rule 704 参照。

122.5. カウンターを「動かす/move」とは、カウンターを現在ある場所から取り除き、他のオブジェクトの上に置くことを言う。それらの処理のどちらかが不可能な場合、カウンター動かすことも不可能であり、カウンターが取り除かれることも置かれることもない。これは、元置かれていたオブジェクト動かす先のオブジェクトが同一である場合や、動かす元のオブジェクトに該当するカウンターがない場合、あるいは動かす先のオブジェクトカウンターを置くことができなかったり既に本来の領域 になかったりする場合に起こりうる。

122.6. オブジェクトの上にカウンターが置かれることを参照する呪文能力は、そのオブジェクト戦場に出ている間にカウンターが置かれることと、そのオブジェクト戦場に出るに際してカウンターが置かれることの両方を参照する。

122.6a オブジェクトカウンターを置いた状態で戦場に出ることによってカウンターを得る場合、そのオブジェクトカウンターを置く効果にはどのプレイヤーがそれらのカウンターを置くかが書かれている場合がある。書かれていなかった場合、そのオブジェクトコントローラーがそれらのカウンターを置く。

122.7. 「N個目の[種類]カウンター/the Nth [kind] counter」がオブジェクトに置かれたとき(たび)に誘発する能力は、その種類のカウンターが1個以上そのオブジェクトに置かれることによって、それ以前にはN個のその種類のカウンターが置かれておらず、それ以降にはN個以上のその種類のカウンターが置かれているようになったときに誘発する。

122.8. 誘発型能力に、あるオブジェクトのすべてのカウンターを他のオブジェクトに置くと書かれていてその能力誘発条件効果がそのカウンターが置かれていたオブジェクト戦場を離れることを見るものであった場合、プレイヤーカウンターオブジェクト間で動かすわけではなく、1つ目のオブジェクトの上にあったカウンターと同種同数のカウンターを2つ目のオブジェクトの上に置く。

123. ステッカー

123.1. ステッカーとは、オブジェクトに貼られて、それの特性を修整したりルールや能力効果と相互作用したりするマーカーである。ステッカーオブジェクトではない。なお、ステッカーカウンタートークンではない。ステッカーによるオブジェクトへの変更はコピー可能な値の一部ではない。ステッカーには以下の種類が存在する。「名前/name」「能力/ability」「パワー/タフネス/Power and Toughness」、「アート/art」。

123.2. ステッカーは『Unfinity』セットのブースターに、数字入りのシートで入っている。各シートには、定められた組み合わせのステッカーが含まれている。ステッカー・シートに言及するすべてのルールは、それらのシートの中に存在する特定の組み合わせのステッカーのことを指す。ステッカー・シートカードではなく、特性を持たない。各ステッカー・シートは、Gatherer.wizards.comで参照できる。

123.2a 構築戦では、ステッカーを使ってプレイするプレイヤーは、ゲーム開始前に少なくとも10枚以上のステッカー・シートを選んでゲームを始めなければならず、それらのステッカー・シートは重複してはならない。プレイヤーがゲーム開始時に持っておくステッカー・シートの枚数に上限はない。ステッカー・シートを使ってプレイするプレイヤーは、自分のすべてのステッカー・シート公開し、そこから3枚を無作為に選ぶ。rule 103〔ゲームの始め方〕参照。

123.2b リミテッド戦では、各プレイヤーは自分が開封した製品に入っていた中からステッカー・シート3枚を選び、それを公開する。rule 103〔ゲームの始め方〕参照。

123.2c ゲーム中、プレイヤーは、それらの選ばれたシートにあるステッカーしか使用できず、それらのステッカー・シート公開されたままになる。

123.3. 効果プレイヤーステッカーオブジェクトに貼るように指示した場合、そのプレイヤーは現在自分がオーナーであるオブジェクトに貼られていないステッカーを自分が使用できるステッカーの中から選び、それをそのオブジェクトに貼る。

123.3a プレイヤーが使用できる各ステッカーは不連続で、他の使用できるステッカーとは区別できる。ステッカー2枚に同じ文章や情報が書かれていても、同一のステッカー として扱われることはない。

123.3b プレイヤーは、自分がオーナーでないオブジェクトステッカーを貼ることはできない。オブジェクトにそうするように書かれていた場合、その効果のその部分は何もしない。

123.3c ステッカーにはチケット・シンボルの中に数字が書かれたチケット・コストを持つものがある(rule 107.17a 参照)。チケット・コストを持つステッカーオブジェクトに貼るには、そのオブジェクトオーナーはその枚数の{TK}を支払わなければならない。そのプレイヤーが充分な量の{TK}を持っていないなら、そのステッカーオブジェクトに貼ることはできない。

123.3d すでにオブジェクトに貼られているステッカーを他のオブジェクトに移動する場合、そのステッカーのチケット・コストを再び支払う必要はない。

123.4.ステッカーの貼られている/stickered」オブジェクトに言及するルールや効果が存在する。その時点でいずれかの種類のステッカーが貼られているオブジェクトは「ステッカーが貼られている」。どのステッカーも貼られていないオブジェクトは、それまでにステッカーが貼られていたとしても、ステッカーが貼られているオブジェクトではない。

123.5. オブジェクト上のステッカーは、そのオブジェクト非公開領域に移動するに際して保持されない。ステッカーは、そのオブジェクト公開領域に移動するに際して保持され、それがその領域でなる新しいオブジェクトに適用され続ける。これはrule 400.7 の例外である。

123.5a ステッカーが貼られている1枚以上のカード合体 パーマネントの一部として戦場に出るなら、それらのステッカーはそのオブジェクト戦場でなるパーマネントに貼られている。それらはそのタイムスタンプ順を維持する。

123.5b ステッカーが貼られている1枚以上のカード合同パーマネントの一部として戦場に出るなら、そのステッカーはその合同パーマネントに貼られている。

123.5c 合体あるいは合同パーマネントで1枚以上のステッカーが貼られているものが戦場から他の公開領域に移動したなら、そのパーマネントがなるオブジェクトのうち1つだけがそれらのステッカーを保持する。それのオーナーはその新しい領域でなるオブジェクトのうちどれがそれらの貼られているステッカーを保持するかを選ぶ。それらのステッカー効果は、そのオブジェクトだけに適用され続ける。

123.6. 名前 ステッカーは、1つ以上の単語だけを持つ。パーマネント戦場以外の領域にあるカードに貼られている名前 ステッカーは、そのステッカーに書かれている単語をそのオブジェクト名前の文に加える。これは文章変更効果である。rule 613.1crule 612文章変更効果〕参照。

123.6a 名前 ステッカーに関するルールや効果の上で、オブジェクト名前の「単語」とは1つ以上の空白によって他の空白でない文字群と区切られた、一連の空白でない文字群のことである。ハイフンでつながっていたり記号を含んでいたりしても1単語である。《Wolf in ___ Clothing》にあるような空白欄などは、カード名前の単語としては扱わない。

123.6b 名前 ステッカーオブジェクトに貼るに際して、そのオブジェクトコントローラーはその名前 ステッカーの単語をそのオブジェクト名前のどこに加えるかを選ぶ。その後、そのオブジェクトの新しい名前を宣言する。その単語は、そのオブジェクト名前の前か、その時点でその名前に存在する任意の数の単語の後ろに追加できる。その新しい名前は、他の名前 ステッカーによってさらに修整されることがある。そのオブジェクト名前がないなら、それの名前はその名前 ステッカーによって加えられた単語になる。名前 ステッカーはその名前にあるそれ以外の単語を修整したり取り除いたりすることはない。

例:

プレイヤーが「Dark」と印刷されている名前 ステッカーを「Bear Cub」という名前クリーチャーに貼った。そのクリーチャーコントローラーは、それの新しい名前を「Dark Bear Cub」にするか「Bear Dark Cub」にするか「Bear Cub Dark」にするかを選び、その新しい名前を全プレイヤーに宣言する。

123.6c 名前 ステッカーが修整する文章は、他の効果パーマネント裏向き 位相(rule 708裏向き呪文パーマネント〕参照)によって変化することがある。1枚以上の名前 ステッカーが貼られているオブジェクト名前を決定する場合、まずそのオブジェクトコピー可能な値から始めて、各名前 ステッカー効果やそれ以外の文章変更効果タイムスタンプ順に適用する。各名前 ステッカーの位置は、それが貼られたオブジェクト名前でそれの前にあった単語の数を維持する。そのオブジェクトの現在の名前のほうが単語数が少なければ、代わりに、そのステッカーの単語はそれの名前の最後に加える。オブジェクトに貼られている各名前 ステッカーの位置やタイムスタンプは、そのステッカーが貼られているオブジェクト公開領域間を移動するに際して保持され、新しい領域でそれがなる新しいオブジェクトにも適用され続ける(rule 123.5 参照)。これはrule 400.7 の例外である。

例:

当事者カードの《Fae of Wishes》が、2単語目の後に「Mana」の単語を追加する名前 ステッカーが貼られた状態で追放 領域にあり、名前が「Fae of Mana Wishes」である。効果によってそのプレイヤー追放 領域からそれの出来事である《Granted》を唱えることができる。その呪文スタックにある間の名前は「Granted Mana」で、出来事が解決されてこのカード追放されたあとは、ステッカーの位置(2単語目の後)が記憶されているので、追放されているカード名前は再び「Foe of Mana Wishes」になる。

例:

プレイヤーが、戦場にある「It That Betrays」という名前クリーチャーオーナーである。名前 ステッカーを使って、「Eldrazi」という単語を3単語目の後に追加したので、そのクリーチャーは「It That Betrays Eldrazi」である。後に、そのクリーチャーが「Seeker of the Way」というクリーチャーコピー になった。名前 ステッカーは3単語目の後に適用され続けるので、新しい名前は「Seeker of the Eldrazi Way」である。

例:

名前 ステッカーが貼ってあるクリーチャーがそのクリーチャー名前を「Legitimate Businessperson」に変更するオーラ証人保護》でエンチャントされた。《証人保護》も文章変更効果であり、タイムスタンプが名前 ステッカーよりも遅いので、その名前 ステッカーの単語はクリーチャー名前には含まれず、その名前は「Legitimate Businessperson」である。

123.6d 名前 ステッカーにある特定の文字の数に言及する効果が存在する。小文字と大文字は同じ文字である。

123.6e 名前 ステッカーの「母音の種類数」に言及する効果が存在する。それらは、そのステッカーに使われていて相異なる母音の種類を数える。複数回使われていても関係ない。母音とは、A、E、I、O、U、Yである。小文字と大文字は同じ文字である。

123.7. 能力 ステッカーは、1つ以上の能力が印刷されているステッカーである。パーマネント戦場以外の領域にあるカードに貼られている能力 ステッカーは、そのオブジェクトにそのステッカーに印刷されている能力を得させる。rule 613.1f 参照。

123.7a オブジェクト能力 ステッカー能力に言及するなら、他の効果によってそのオブジェクトがその時点でその能力を持っていなかったとしても、それはそのステッカーが貼られているオブジェクト与え能力に言及している。

123.8. パワー/タフネスステッカーは、数字2つとその間の斜線が印刷され、クリーチャーカードパワータフネスに似た形をしているステッカーである。クリーチャーや、クリーチャー機体であり戦場以外の領域にあるカードに貼られているパワー/タフネスステッカーは、そのオブジェクトパワータフネスをそのステッカーに印刷されている値に設定する(rule 613.4b 参照)。複数のパワー/タフネスステッカークリーチャー1体に貼られているなら、どれが優先されるかはタイムスタンプ順(rule 613.7 参照)を用いて定める。

123.8a ステッカーパワータフネスに言及する効果は、パワー/タフネスステッカーに印刷されているパワータフネスの値だけを指す。他のステッカーに印刷されている値は指さない。

123.9. パーマネントに貼られているアート・ステッカーは、他の呪文能力が識別するための目印として以外のゲームプレイ上の効果は持たない。

2. カードの部分

200. 全般

200.1. カードの部分には、名前マナ・コスト色指標タイプ行エキスパンション・シンボル文章欄パワータフネス忠誠度守備値手札補正子ライフ補正子絵の著作権表記、権利表記、コレクター番号がある。カードによっては、これらの部分の一部または全部が複数存在することもある。

200.2. カードの部分の一部は、そのオブジェクト特性でもある。rule 109.3 参照。

200.3. カードでないオブジェクト(トークンカードコピー呪文コピー)もカードの一部分を持つが、それは特性でもあるものに限られる。rule 111rule 707 参照。

201. 名前

201.1. カード名前は、その左上隅に記されている。

201.2. カード名前は、何語版であるかにかかわらず、常にその英語名であるとして扱う。

201.2a 2つ以上のオブジェクトが1つ以上の共通する名前を持っている場合、それらのうち1つ以上が別の名前を持っていたとしても、それらは同じ名前を持つ。名前を持たないオブジェクトは、名前を持たないそれ以外のオブジェクトも含む、どのオブジェクトとも同じ名前を持つことはない。

201.2b 呪文能力の中に、名前の異なる複数のオブジェクトに言及するものがある。それらのオブジェクトは、そのそれぞれが1つ以上の名前を持ち、グループ内のどの2つのオブジェクトも共通の名前を持たない場合にのみ、それらは名前の異なるオブジェクトである。

例:プレイヤーが「あなたのアップキープの開始時に、あなたが異なる名前を持つ4体以上のデーモンをコントロールしている場合、あなたはこのゲームに勝利する。」という能力を持つ《リリアナの契約》と、名前が異なるデーモン3体と、効果によってデーモンになっている裏向き名前を持たないクリーチャー1体をコントロールしている。そのクリーチャー4体の中に名前を持たないもの1体が含まれているので、これらのクリーチャー4体は異なる名前を持つ4体以上のデーモンではなく、《リリアナの契約》の能力誘発しない。

201.2c 呪文能力の中に、あるオブジェクトが他のオブジェクトオブジェクト群と異なる名前を持つかどうかを見るものがある。1つ目のオブジェクトが1つ以上の名前を持ち、他のオブジェクトのどれとも共通する名前を持っていない場合、他のオブジェクトの中に名前を持たないものがあったとしても、その1つ目のオブジェクトは他のオブジェクト(群)と異なる名前を持つ。1つ目のオブジェクト名前を持たない場合、他のオブジェクトがそれぞれ名前を持っていたとしても、それは他のオブジェクトと異なる名前を持つとは言わない。

201.3. 異なる英語名を持つカードの中で、同一の英語名を持つかのように扱われるカードが存在する。この性質を持つカードの組は、互換性のある名前を持つ。

201.3a カード名前についてのあらゆるルール、能力効果に関して、互換の名前を持つオブジェクトは同じ名前を持つ(rule 201.2a-b 参照)。

201.3b デッキ 構築やフォーマットでの適正性に関して、互換の名前を持つカードは同じ名前を持つ。

201.3c 後の版で、互換の名前を持つカードがある場合、その後の版のカードでは、元の印刷の3文字コードとコレクター番号(rule 213.1d 参照)を示す互換の名前指標が左下隅に記されている。

201.4. 効果によってプレイヤー名前1つを選ぶ場合、そのプレイヤーオラクルに存在するカード名前を選ばなければならない(rule 108.1 参照)。プレイヤーは、カード名前でないトークン名前を指定することはできない。

201.4a プレイヤーが特定の特性を持つ名前1つを選ぶよう指示された場合、そのプレイヤーオラクルのテキストがそれらの特性と一致するカード名前を選ばなければならない(rule 108.1 参照)。

例:《没収》には「アーティファクト名前1つを選ぶ。」とある。プレイヤーは、そのゲームのフォーマットで適正かどうかにかかわらず、どのアーティファクトカード名前を選んでもよい。戦場に出ている《》が何らかの効果によりアーティファクト になっていたとしても、を選ぶことはできない。

201.4b 分割カードを選びたい場合、両方ではなく、そのどちらか半分の名前を指定しなければならない(rule 709 参照)。特定の特性名前を選ぶように指示された場合、その名前を選べるかどうか判断するにあたってはその半分の特性を用いる。

201.4c 反転カード反転状態での名前を選びたい場合、そうしてもよい(rule 710 参照)。特定の特性名前を選ぶように指示された場合、その名前を選べるかどうか判断するにあたっては反転した特性によって修整されたそのカード特性を用いる。

201.4d 両面カードの第2面の名前を選びたい場合、そうしてもよい(rule 712 参照)。特定の特性名前を選ぶように指示された場合、その名前を選べるかどうか判断するにあたっては第2面の特性だけを用いる。

201.4e 合体カード合体後の第2面の名前を選びたい場合、そうしてもよい(rule 713 参照)。特定の特性名前を選ぶように指示された場合、その名前を選べるかどうか判断するにあたっては合体した第2面の特性だけを用いる。

201.4f プレイヤー当事者カードの代替の名前を選びたい場合、そうしてもよい(rule 715 参照)。特定の特性名前を選ぶように指示された場合、その名前を選べるかどうか判断するにあたっては代替の特性によって修整されたそのカード特性を用いる。

201.4g 一部のカードは互換の名前(rule 201.3 参照)を持つ。ゲーム上のあらゆる点で、それらのカードは同一の名前を持つ。プレイヤーが互換の名前を持つカード名前を選ぶ場合、それらのカードそれぞれの名前が選ばれる。

201.5. 文章中で名前を用いてそのオブジェクトが参照されていた場合、それはその特定のオブジェクトだけを指す。たとえ名前が何らかの効果によって変更されていてもそうであるし、同名の他のオブジェクトは示さない。

201.5a 能力効果が他の能力オブジェクトに得させ、またその得た能力が元の能力の発生源名前で参照していた場合、その名前で示されるのはその能力を得させた能力を持つオブジェクト自身だけである。その2つ目の能力が1つ目の能力の発生源以外で同じ名前を持つオブジェクトを指すことはない。ただし、この2つ目の能力が1つ目の能力の発生源を異なる公開領域に移動させた場合、その名前はその発生源が新しい領域でなったオブジェクトだけを指す。この規定は2つ目の能力が新しいオブジェクトコピーされた場合にも適用される。

例:《排水路の汚濁》は「あなたコントロールしていてトークンでないクリーチャーが1体死亡するたび、排水路の汚濁の上にスライム・カウンター1個を置き、その後、『このクリーチャーパワータフネスは、それぞれ排水路の汚濁の上に置かれているスライム・カウンターの数に等しい。』を持つ緑のウーズ・クリーチャートークン1体を生成する。」という能力を持つ。この、トークンが得た能力は、そのトークン生成した《排水路の汚濁》自身のことだけを参照し、他の《排水路の汚濁》のことは参照しない。また、このトークンコピーの持つ能力も、その元のトークン生成した《排水路の汚濁》だけを参照する。

201.5b そのオブジェクト自身を名前で参照している能力名前の異なるオブジェクトが得た場合、得られた能力に含まれる、前者のカードを参照するために用いられている前者の名前はすべて後者の名前であるとして扱われる。

例:《水銀の精霊》は、「{U}:クリーチャー1体を対象とする。ターン終了時まで、水銀の精霊はそれのすべての起動型能力を得る。」という能力を持つ。この能力によって「{G}:棍棒のトロールを再生する。」という(訳注:《棍棒のトロール》の持つ)能力を得た場合、その得た能力起動して《水銀の精霊》を再生することができる。その能力を元々持っていた《棍棒のトロール》を再生するわけではない。

例:連繋(秘儀)を持ち、「クリーチャープレインズウォーカープレイヤーのうち1つを対象とする。氷河の光線はそれに2点のダメージ与える。」というインスタント氷河の光線》を、《木霊の手の内》に連繋した場合、その対象となったものにダメージ与えるのはその《木霊の手の内》である。

例:《ディミーアのドッペルゲンガー》には、「{1}{U}{B}:墓地にあるクリーチャーカード1枚を対象とする。それを追放する。ディミーアのドッペルゲンガーはそのカードコピーとなり、この能力を得る。」と書かれている。《ディミーアのドッペルゲンガー》の能力を、《ルーン爪の熊》を対象起動した場合、《ディミーアのドッペルゲンガー》は《ルーン爪の熊》のコピー になり、この能力を得る。この得られる能力は、「{1}{U}{B}:墓地にあるクリーチャーカード1枚を対象とする。それを追放する。ルーン爪の熊はそのカードコピーとなり、この能力を得る。」として扱われる。

201.5c カードの中には、そのカード名前省略して記述しているものがある。このようにして用いられている省略形は、そのカード名前がすべて書かれているものとして扱う。

201.6. 一部のカードのプロモ版や違い版は、名前行の下に副題行があることがある。オラクルに記されているそのカード名前は、その副題行に表示されており、別名が左上角に表示されている。デッキ 構築やゲームルール、効果の上では、そのカード副題行に記されている名前だけを持つ。ルール文は、カード別名を参照することもできる。ルール文内に存在する別名は、その副題行に書かれている名前を指す。別名はゲームプレイ上は効果を持たない。

202. マナ・コスト

202.1. カードマナ・コストカードの上辺に記されているマナ・シンボルで示される(rule 107.4 参照)。ほとんどのカードでは、このシンボルは右上隅にある。『未来予知』セットの一部のカードで、マナ・シンボルの記されている位置がイラストの左側になっている。

202.1a オブジェクトマナ・コストは、そのカード唱えるためにそのプレイヤーマナ・プールから消費しなければならないマナを表す。そのオブジェクトマナ・コストファイレクシア・マナ・シンボル(rule 107.4f 参照)が含まれない限り、オブジェクトマナ・コスト支払う際には、有 無色マナ・シンボル全てのタイプや、不特定マナ・コストが正しくなければならない。

202.1b マナ・コストを持たないオブジェクトが存在する。これには、すべての土地カードと、マナ・コストがあるべきところにマナ・シンボルが記されていないカードトークン(トークン生成した効果に特に書かれていない限り)、定形外のマジックのカードがある。マナ・コストがないということは、支払うことのできないコストを意味する(rule 118.6 参照)。土地は、コスト支払うことなくプレイされる(rule 305土地〕参照)。

202.2. オブジェクトは、マナ・コストに含まれるマナ・シンボルである。カードの背景色や枠の色は関係しない。

202.2a マジックでとは、白、青、黒、赤、緑である。白のマナは{W}、青は{U}、黒は{B}、赤は{R}、緑は{G}で表わされる。

例:マナ・コスト{2}{W}のオブジェクトは白であり、マナ・コストが{2}のオブジェクト無色であり、マナ・コストが{2}{W}{B}のオブジェクトは白でも黒でもある。

202.2b コストの中にのついたマナ・シンボルを含まないオブジェクト無色である。

202.2c マナ・コストの中に、5種類ののうちで2種類以上のマナが含まれているオブジェクトは、そのそれぞれのマナ・シンボルを持つ。多色カードのほとんどは金色の枠で印刷されているが、枠が金色でなくても多色であることがありうる。

202.2d マナ・コスト混成マナ・シンボルファイレクシア・マナ・シンボルを含むオブジェクトは、そのオブジェクトの他のに加えて、そのマナ・シンボルのそれぞれのでもある(混成マナ・シンボルを持つほとんどのカードは2に塗りわけられた枠を持つ。rule 107.4e 参照)。

202.2e オブジェクトは、タイプ行の左に印刷された色指標を持つことがある。そのオブジェクトはその色指標で示されているそれぞれのである。(rule 204 参照)。

202.2f 効果によってオブジェクトが変わったり、無色オブジェクトを得たり、を持つオブジェクト無色 になったりすることがある。rule 105.3 参照。

202.3. オブジェクトマナ総量は、マナ・コストに含まれるマナの量をを考慮せずに数えたものである。

例:マナ・コスト{3}{U}{U}は、マナ総量に換算すると5になる。

202.3a そのオブジェクト変身する両面パーマネントの第2面や合体 パーマネントないかぎりマナ・コストを持たないオブジェクトマナ総量は0である。

202.3b 変身する両面パーマネント変身する両面呪文の第2面のマナ総量は、それが第1面のマナ・コストを持つかのように計算する。パーマネント呪文変身する両面カードの第2面をコピーしていた場合(そのコピーしたカードがもともと両面カードだったとしても)、そのコピーマナ総量は0である。

例:《高原の狩りの達人》はマナ・コストが{2}{R}{G}の変身する両面カードであり、マナ総量は4である。これが変身して第2面(《高原の荒廃者》)になった後も、マナ総量は4である。

例:《高原の荒廃者》のコピーとして戦場に出た《クローン》のマナ総量は0である。

例:《昆虫の逸脱者》は第1面のマナ・コストが{U}の変身する両面カードの第2面である。これが《高原の荒廃者》のコピー になった場合、そのマナ総量は0になる。

202.3c 合体 パーマネントマナ総量は、それがそれを表す各カードの第1面を合計したマナ・コストを持つかのように計算する。パーマネント合体 パーマネントコピーしていた場合(そのコピーが別の2枚の合体カードで表されていたとしても)、そのパーマネントマナ総量は0である。

202.3d スタック にな分割カードや、スタック上で融合状態にある分割呪文マナ総量は、それぞれの半分のマナ・コストの合計から決定される。そうでなければ、分割カードスタック上にある場合、その呪文マナ総量唱えるものとして選ばれた側の半分のマナ・コストから決定される。rule 709分割カード〕参照。

202.3e マナ・コストに{X}を含むオブジェクトマナ総量を計算する場合、そのオブジェクトスタック にない限りXは0として扱う。オブジェクトスタックにある間、Xはその選ばれた値を持つ。

202.3f 混成マナ・シンボルマナ・コストに含むオブジェクトマナ総量を計算する場合、各混成マナ・シンボルのもっとも大きい値を取る。

例:マナ・コストが{1}{W/U}{W/U}であるカードマナ総量は3である。

例:マナ・コストが{2/B}{2/B}{2/B}であるカードマナ総量は6である。

202.3g ファイレクシア・マナ・シンボルマナ・コストに含むカードマナ総量を計算する場合、各ファイレクシア・マナ・シンボルは1点として扱う。

例:マナ・コストが{1}{W/P}{W/P}であるカードマナ総量は3である。

202.4. オブジェクトルール・テキストに記されている追加コストや、他の効果によって追加されているコストは、マナ・コストの一部ではない(rule 601呪文唱えること〕参照)。それらのコストは、その呪文の持つ他のコストと同時に支払われる。

203.

203.1. カードの上半分に記されているものがであり、ルール上は特に意味はない。例えば、で空を飛んでいるように見えたとしても、ルール・テキスト飛行を持つと書かれていなければ、そのクリーチャー飛行を持たない。

204. 色指標

204.1. 色指標は、タイプ行の左、のすぐ下に印刷されている、一またはそれ以上ので塗られた丸印である。色指標は、マナ・コストを持たない土地でないカードに記されていることが多い。

204.2. 色指標を持つオブジェクトは、その色指標で表される各である。

205. タイプ行

205.1. タイプ行は、のすぐ下に印刷されており、カード・タイプ(あるならばサブタイプ特殊タイプも)が記されている。

205.1a 効果によってオブジェクトカード・タイプが定められることがある。ほとんどの場合、新しいカード・タイプが以前のカード・タイプを置き換える。ただし、インスタントソーサリーカード・タイプを持つオブジェクトはそのタイプを保持する。カウンターステッカー効果、負っているダメージは、新しいカード・タイプでは意味がなくなるとしても、そのオブジェクトに残る。同様に、効果によってあるオブジェクトサブタイプが定められた場合、新しいサブタイプは以前の同種のサブタイプ(クリーチャー・タイプ土地タイプアーティファクト・タイプエンチャント・タイププレインズウォーカー・タイプ呪文タイプ)を置き換える。オブジェクトのあるカード・タイプが失われた場合、そのカード・タイプ以外にそのサブタイプを用いるカード・タイプを持っていない場合、そのカード・タイプを失っている間、それにともなうサブタイプは失われる。逆にサブタイプを失わせても、カード・タイプには何の影響もない。

205.1b オブジェクトカード・タイプサブタイプ特殊タイプを変更する効果の中には、元のカード・タイプサブタイプ特殊タイプが残ると明記されているものがある。この場合、そのオブジェクトの、以前のカード・タイプサブタイプ特殊タイプは全て残る。このルールは、「他のタイプに加え/in addition to its types」や「[タイプサブタイプ特殊タイプ]でもある/still a [type, subtype, or supertype]」などの表記に適用される。また、「アーティファクト・クリーチャー/artifact creature」になる、と書かれた効果があるが、これも同様に以前のカード・タイプおよびサブタイプを全て残す効果である。オブジェクトが「[クリーチャー・タイプ]・アーティファクト・クリーチャー になる/becomes a [creature type or types] artifact creature」と書かれた効果があるが、これらも以前のカード・タイプおよびクリーチャー・タイプ以外のサブタイプを全て残す効果である。既存のクリーチャー・タイプは置き換えられる。

例:「すべての土地は1/1のクリーチャーである。それらは土地でもある。」という能力によって、土地は、クリーチャーでもあり土地でもあることになる。もし影響を受ける土地の中にアーティファクトでもあるものがあったなら、それは「アーティファクト・土地クリーチャーになる。「クリーチャー」や「土地クリーチャーになるわけではない。この効果は、アーティファクト土地という両方のカード・タイプを保持する。また、この効果によって、それまでに持っていた土地タイプ特殊タイプが失われることもない。

例:「すべてのアーティファクトは1/1のアーティファクト・クリーチャーである。」という能力によって、アーティファクトでもエンチャントでもあるパーマネントは、アーティファクト・クリーチャーエンチャント になる。

205.2. カード・タイプ

205.2a カード・タイプには、「アーティファクト/Artifact」「バトル/Battle」「策略/Conspiracy」「クリーチャー/Creature」「ダンジョン/Dungeon」「エンチャント/Enchantment」「インスタント/Instant」「土地/Land」「現象/Phenomenon」「次元/Plane」「プレインズウォーカー/Planeswalker」「計略/Scheme」「ソーサリー/Sorcery」「同族/Kindred」「ヴァンガード/Vanguard」がある。rule 3カード・タイプ〕参照。

205.2b オブジェクトの中には、複数のカード・タイプを持つものもある(例えば、アーティファクト・クリーチャー)。この類のオブジェクトには、そのいずれかのカード・タイプに適用される効果は全て適用される。

205.2c トークンは、カードではないが、カード・タイプを持つ。呪文コピーカードコピーも同じである。

205.3. サブタイプ

205.3a カードは、タイプ行に書かれているサブタイプを持つ。

205.3b クリーチャー次元以外のカード・タイプサブタイプは常に1単語であり、長い横線の後に列記されているそれぞれの単語が別々のサブタイプである。クリーチャーカードサブタイプは1~2単語で、長い横線の後に列記されている。rule 205.3mに列記されている1~2単語が別々のサブタイプである。次元以外のオブジェクトは複数のサブタイプを持ちうる。次元サブタイプは長い横線の後に記されているが、複数の単語からなることもあり、長いダッシュの後に記されている単語すべてで1つのサブタイプである。

例:「基本 土地/Basic Land - Mountain」とは、そのカード土地で、サブタイプとしてを持つことを意味している。「クリーチャー ─ ゴブリン・ウィザード/Creature - Goblin Wizard」とは、そのカードクリーチャーで、ゴブリンとウィザードというサブタイプを持つことを意味している。「アーティファクト装備品/Artifact - Equipment」とは、そのカードアーティファクトで、装備品というサブタイプを持つことを意味している。

205.3c 複数のタイプを持つカードが複数のサブタイプを持つ場合、それぞれのサブタイプは該当するタイプにおけるサブタイプ として扱う。

例:《ドライアドの東屋》のタイプ行には「土地クリーチャー・ドライアド」と記されている。土地タイプであり、ドライアドはクリーチャー・タイプである。

205.3d オブジェクトは、その持つタイプ対応しないサブタイプを得ることはできない。

205.3e 効果によってプレイヤーサブタイプを選ぶ場合、必ず、その該当するサブタイプとして存在するものの中から1つだけ選ばなければならない。例えば、クリーチャー・タイプを選ぶときに土地タイプを選ぶことはできない。

例:クリーチャー・タイプを選ぶ場合、「マーフォーク」や「ウィザード」は適正である。しかし「マーフォーク・ウィザード」は不正である。「アーティファクト」「対戦相手」「」「トラック」などはクリーチャー・タイプではないので不正である。

205.3f 記載されているサブタイプが変更されているカードが多数存在する。多くのカードは後にサブタイプを得ている。カードサブタイプは、オラクルを参照して決定される(rule 108.1 参照)。

205.3g アーティファクトにはそれ専用のサブタイプ群が存在する。それらのサブタイプアーティファクト・タイプと呼ばれる。アーティファクト・タイプには、「アトラクション/Attraction」(rule 717 参照)「血/Blood」「ボブルヘッド/Bobblehead」「手掛かり/Clue」「からくり/Contraption」「装備品/Equipment」(rule 301.5 参照)「食物/Food」「城砦/Fortification」(rule 301.6 参照)「金/Gold」「培養器/Incubator」「ジャンク/Junk」「地図/Map」「パワーストーン/Powerstone」「宝物/Treasure」「機体/Vehicle」(rule 301.7 参照)がある。

205.3h エンチャントにはそれ専用のサブタイプ群が存在する。それらのサブタイプエンチャント・タイプと呼ばれる。エンチャント・タイプには、「オーラ/Aura」(rule 303.4 参照)「背景/Background」「カルトーシュ/Cartouche」「事件/Case」(719 参照)「クラス/Class」(rule 716 参照)「呪い/Curse」「役割/Role」(rule 303.7 参照)「ルーン/Rune」「英雄譚/Saga」(rule 714 参照)「破片/Shard」「祭殿/Shrine」がある。

205.3i 土地にはそれ専用のサブタイプ群が存在する。それらのサブタイプ土地タイプと呼ばれる。土地タイプには、「洞窟/Cave」「砂漠/Desert」「/Forest」「門/Gate」「/Island」「棲み家/Lair」「神座/Locus」「鉱山/Mine」「/Mountain」「平地/Plains」「魔力炉/Power-Plant」「球層/Sphere」「/Swamp」「塔/Tower」「ウルザの/Urza's」がある。このうち、「」「」「」「平地」「」は基本土地タイプである。rule 305.6 参照。

205.3j プレインズウォーカーにはそれ専用のサブタイプ群が存在する。それらのサブタイププレインズウォーカー・タイプと呼ばれる。プレインズウォーカー・タイプには、「アジャニ/Ajani」「アミナトゥ/Aminatou」「アングラス/Angrath」「アーリン/Arlinn」「アショク/Ashiok」「バハムート/Bahamut」「バスリ/Basri」「ボーラス/Bolas」「ケイリクス/Calix」「チャンドラ/Chandra」「コメット/Comet」「ダク/Dack」「ダッコン/Dakkon」「ダレッティ/Daretti」「ダブリエル/Davriel」「ディハーダ/Dihada」「ドムリ/Domri」「ドビン/Dovin」「エリーウィック/Ellywick」「エルミンスター/Elminster」「エルズペス/Elspeth」「エストリッド/Estrid」「フレイアリーズ/Freyalise」「ガラク/Garruk」「ギデオン/Gideon」「グリスト/Grist」「ガフ/Guff」「ファートリ/Huatli」「ジェイス/Jace」「ジャレッド/Jared」「ヤヤ/Jaya」「ジェスカ/Jeska」「魁渡/Kaito」「カーン/Karn」「カズミナ/Kasmina」「ケイヤ/Kaya」「キオーラ/Kiora」「コス/Koth」「リリアナ/Liliana」「ロルス/Lolth」「ルーカ/Lukka」「ミンスク/Minsc」「モルデンカイネン/Mordenkainen」「ナヒリ/Nahiri」「ナーセット/Narset」「ニコ/Niko」「ニッサ/Nissa」「ニクシリス/Nixilis」「オーコ/Oko」「ラル/Ral」「ローアン/Rowan」「サヒーリ/Saheeli」「サムト/Samut」「サルカン/Sarkhan」「セラ/Serra」「シヴィトリ/Sivitri」「ソリン/Sorin」「ザット/Szat」「タミヨウ/Tamiyo」「ターシャ/Tasha」「テフェリー/Teferi」「テヨ/Teyo」「テゼレット/Tezzeret」「ティボルト/Tibalt」「タイヴァー/Tyvar」「ウギン/Ugin」「ウルザ/Urza」「ヴェンセール/Venser」「ビビアン/Vivien」「ヴラスカ/Vraska」「ヴロノース/Vronos」「ウィル/Will」「ウィンドグレイス/Windgrace」「レン/Wrenn」「ゼナゴス/Xenagos」「ヤングー/Yanggu」「ヤンリン/Yanling」「ザリエル/Zariel」がある。

205.3k インスタントソーサリーには共有のサブタイプ群が存在する。それらのサブタイプ呪文タイプと呼ばれる。呪文タイプには、「出来事/Adventure」「秘儀/Arcane」「講義/Lesson」「罠/Trap」がある。

205.3m クリーチャー同族には共有のサブタイプ群が存在する。それらのサブタイプクリーチャー・タイプと呼ばれる。1つのクリーチャー・タイプは2単語からなり、それは「タイムロード/Time Lord」である。他のクリーチャー・タイプは1単語からなり、それらは「アドバイザー/Advisor」「霊基体/Aetherborn」「エイリアン/Alien」「同盟者/Ally」「天使/Angel」「アンテロープ/Antelope」「類人猿/Ape」「射手/Archer」「執政官/Archon」「アルマジロ/Armadillo」「軍団/Army」「工匠/Artificer」「暗殺者/Assassin」「組立作業員/Assembly-Worker」「アスタルテス/Astartes」「エイトグ/Atog」「オーロクス/Aurochs」「アバター/Avatar」「アズラ/Azra」「アナグマ/Badger」「風船/Balloon」「バーバリアン/Barbarian」「バード/Bard」「バジリスク/Basilisk」「コウモリ/Bat」「熊/Bear」「ビースト/Beast」「ビーバー/Beaver」「ビーブル/Beeble」「ビホルダー/Beholder」「狂戦士/Berserker」「鳥/Bird」「ちらつき蛾/Blinkmoth」「猪/Boar」「運び手/Bringer」「ブラッシュワグ/Brushwagg」「カマリッド/Camarid」「ラクダ/Camel」「カピバラ/Capybara」「カリブー/Caribou」「キャリアー/Carrier」「猫/Cat」「ケンタウルス/Centaur」「子供/Child」「キマイラ/Chimera」「市民/Citizen」「クレリック/Cleric」「道化師/Clown」「コカトリス/Cockatrice」「構築物/Construct」「臆病者/Coward」「コヨーテ/Coyote」「カニ/Crab」「クロコダイル/Crocodile」「ク=タン/C'tan」「近衛団/Custodes」「サイバーマン/Cyberman」「サイクロプス/Cyclops」「ダーレク/Dalek」「ダウスィー/Dauthi」「亜神/Demigod」「デーモン/Demon」「脱走者/Deserter」「探偵/Detective」「デビル/Devil」「恐竜/Dinosaur」「ジン/Djinn」「ドクター/Doctor」「犬/Dog」「ドラゴン/Dragon」「ドレイク/Drake」「ドレッドノート/Dreadnought」「ドローン/Drone」「ドルイド/Druid」「ドライアド/Dryad」「ドワーフ/Dwarf」「イフリート/Efreet」「卵/Egg」「エルダー/Elder」「エルドラージ/Eldrazi」「エレメンタル/Elemental」「象/Elephant」「エルフ/Elf」「大鹿/Elk」「従業員/Employee」「眼/Eye」「フェアリー/Faerie」「フェレット/Ferret」「魚/Fish」「旗手/Flagbearer」「狐/Fox」「フラクタル/Fractal」「カエル/Frog」「ファンガス/Fungus」「ゲーマー/Gamer」「ガーゴイル/Gargoyle」「細菌/Germ」「巨人/Giant」「ギス/Gith」「ノール/Gnoll」「ノーム/Gnome」「ヤギ/Goat」「ゴブリン/Goblin」「神/God」「ゴーレム/Golem」「ゴルゴン/Gorgon」「墓生まれ/Graveborn」「グレムリン/Gremlin」「グリフィン/Griffin」「ゲスト/Guest」「ハッグ/Hag」「ハーフリング/Halfling」「ハムスター/Hamster」「ハーピー/Harpy」「ヘリオン/Hellion」「カバ/Hippo」「ヒポグリフ/Hippogriff」「ホマリッド/Homarid」「ホムンクルス/Homunculus」「ホラー/Horror」「馬/Horse」「人間/Human」「ハイドラ/Hydra」「ハイエナ/Hyena」「イリュージョン/Illusion」「インプ/Imp」「インカーネーション/Incarnation」「墨獣/Inkling」「異端審問官/Inquisitor」「昆虫/Insect」「ジャッカル/Jackal」「クラゲ/Jellyfish」「巨大戦車/Juggernaut」「カヴー/Kavu」「麒麟/Kirin」「キスキン/Kithkin」「騎士/Knight」「コボルド/Kobold」「コー/Kor」「クラーケン/Kraken」「ラミア/Lamia」「ラマスー/Lammasu」「ヒル/Leech」「リバイアサン/Leviathan」「ルアゴイフ/Lhurgoyf」「リシド/Licid」「トカゲ/Lizard」「ラマ/Llama」「マンティコア/Manticore」「マスティコア/Masticore」「傭兵/Mercenary」「マーフォーク/Merfolk」「メタスラン/Metathran」「ミニオン/Minion」「ミノタウルス/Minotaur」「ダニ/Mite」「モグラ/Mole」「モンガー/Monger」「マングース/Mongoose」「モンク/Monk」「猿/Monkey」「ムーンフォーク/Moonfolk」「乗騎/Mount」「ハツカネズミ/Mouse」「ミュータント/Mutant」「マイア/Myr」「神秘家/Mystic」「オウムガイ/Nautilus」「ネクロン/Necron」「ネフィリム/Nephilim」「ナイトメア/Nightmare」「夜魔/Nightstalker」「忍者/Ninja」「貴族/Noble」「ノッグル/Noggle」「ノーマッド/Nomad」「ニンフ/Nymph」「タコ/Octopus」「オーガ/Ogre」「ウーズ/Ooze」「オーブ/Orb」「オーク/Orc」「オーグ/Orgg」「カワウソ/Otter」「アウフ/Ouphe」「雄牛/Ox」「カキ/Oyster」「センザンコウ/Pangolin」「農民/Peasant」「ペガサス/Pegasus」「ペンタバイト/Pentavite」「パフォーマー/Performer」「「邪魔者/Pest」「フェルダグリフ/Phelddagrif」「フェニックス/Phoenix」「ファイレクシアン/Phyrexian」「操縦士/Pilot」「ピンチャー/Pincher」「海賊/Pirate」「植物/Plant」「ヤマアラシ/Porcupine」「フクロネズミ/Possum」「法務官/Praetor」「総主長/Primarch」「プリズム/Prism」「昇華者/Processor」「兎/Rabbit」「アライグマ/Raccoon」「レインジャー/Ranger」「ネズミ/Rat」「レベル/Rebel」「反射/Reflection」「サイ/Rhino」「装具工/Rigger」「ロボット/Robot」「ならず者/Rogue」「黒貂/Sable」「サラマンダー/Salamander」「侍/Samurai」「砂漠の民/Sand」「苗木/Saproling」「サテュロス/Satyr」「カカシ/Scarecrow」「科学者/Scientist」「末裔/Scion」「蠍/Scorpion」「スカウト/Scout」「彫像/Sculpture」「農奴/Serf」「海蛇/Serpent」「霊気装置/Servo」「シェイド/Shade」「シャーマン/Shaman」「多相の戦士/Shapeshifter」「サメ/Shark」「羊/Sheep」「セイレーン/Siren」「スケルトン/Skeleton」「スカンク/Skunk」「スリス/Slith」「スリヴァー/Sliver」「ナマケモノ/Sloth」「ナメクジ/Slug」「カタツムリ/Snail」「蛇/Snake」「兵士/Soldier」「サルタリー/Soltari」「落とし子/Spawn」「スペクター/Specter」「スペルシェイパー/Spellshaper」「スフィンクス/Sphinx」「蜘蛛/Spider」「スパイク/Spike」「スピリット/Spirit」「裂片/Splinter」「スポンジ/Sponge」「イカ/Squid」「リス/Squirrel」「ヒトデ/Starfish」「サラカー/Surrakar」「生存者/Survivor」「シンス/Synth」「触手/Tentacle」「テトラバイト/Tetravite」「サラカス/Thalakos」「飛行機械/Thopter」「スラル/Thrull」「ティーフリング/Tiefling」「ツリーフォーク/Treefolk」「三葉虫/Trilobite」「トリスケラバイト/Triskelavite」「トロール/Troll」「海亀/Turtle」「ティラニッド/Tyranid」「ユニコーン/Unicorn」「吸血鬼/Vampire」「匪獣/Varmint」「ヴィダルケン/Vedalken」「ボルバー/Volver」「壁/Wall」「セイウチ/Walrus」「邪術師/Warlock」「戦士/Warrior」「イタチ/Weasel」「奇魔/Weird」「狼男/Werewolf」「鯨/Whale」「ウィザード/Wizard」「狼/Wolf」「クズリ/Wolverine」「ウォンバット/Wombat」「蟲/Worm」「レイス/Wraith」「ワーム/Wurm」「イエティ/Yeti」「ゾンビ/Zombie」「ずべら/Zubera」がある。

205.3n 次元にはそれ専用のサブタイプ群が存在する。それらのサブタイプ次元・タイプと呼ばれる。次元・タイプには、「深淵/The Abyss」「アラーラ/Alara」「アルファヴァ=メトラクシス/Alfava Metraxis」「アモンケット/Amonkhet」「アンドロザーニ=マイナー/Androzani Minor」「アンタウシア/Antausia」「アパラパチア/Apalapucia」「アルケヴィオス/Arcavios」「アーコス/Arkhos」「アズゴル/Azgol」「ベレノン/Belenon」「ボーラスの瞑想領土/Bolas's Meditation Realm」「カペナ/Capenna」「クリーデ/Cridhe」「ダーレク収容所/The Dalek Asylum」「ダリリアム/Darillium」「ドミナリア/Dominaria」「地球/Earth」「エコワール/Echoir」「エルドレイン/Eldraine」「エクィロー/Equilor」「エルガモン/Ergamon」「ファバシン/Fabacin」「フィオーラ/Fiora」「ギャリフレイ/Gallifrey」「ガルガンティカール/Gargantikar」「ゴバカーン/Gobakhan」「馬頭星雲/Horsehead Nebula」「イコリア/Ikoria」「イニストラード/Innistrad」「イクァターナ/Iquatana」「アー/Ir」「イクサラン/Ixalan」「カラデシュ/Kaladesh」「カルドハイム/Kaldheim」「神河/Kamigawa」「カンドカ/Kandoka」「カーサス/Karsus」「ケファライ/Kephalai」「キンシャラ/Kinshala」「コルバーン/Kolbahan」「ケイレム/Kylem」「キネス/Kyneth」「図書館/The Library」「ローウィン/Lorwyn」「ルヴィオン/Luvion」「火星/Mars」「メルカディア/Mercadia」「ミラディン/Mirrodin」「モアグ/Moag」「モンセン/Mongseng」「月/Moon」「ムラガンダ/Muraganda」「ネクロス/Necros」「新地球/New Earth」「新ファイレクシア/New Phyrexia」「マッターズ=スパイラル外縁/Outside Mutter's Spiral」「ファイレクシア/Phyrexia」「パイルリー/Pyrulea」「ラバイア/Rabiah」「ラース/Rath」「ラヴニカ/Ravnica」「レガーサ/Regatha」「セゴビア/Segovia」「セラの領土/Serra's Realm」「シャドウムーア/Shadowmoor」「シャンダラー/Shandalar」「沈夢/Shenmeng」「スカロ/Skaro」「宇宙船/Spacecraft」「タルキール/Tarkir」「テーロス/Theros」「タイム/Time」「トレンザロア/Trenzalore」「ウルグローサ/Ulgrotha」「不詳の惑星/Unknown Planet」「ヴァラ/Valla」「ヴリン/Vryn」「ワイルドファイア/Wildfire」「ゼレックス/Xerex」「ゼンディカー/Zendikar」「ザルファー/Zhalfir」がある。

205.3p ダンジョンカードの1枚(《地下街》)にはサブタイプが存在する。このサブタイプはダンジョン・タイプと呼ばれる。ダンジョン・タイプには、「地下街/Undercity」がある。

205.3q バトルにはそれ専用のサブタイプが存在し、バトル・タイプと呼ばれる。バトル・タイプには、「包囲戦/Siege」がある。

205.3r 現象カード計略カードヴァンガードカード策略カードにはサブタイプは存在しない。

205.4. 特殊タイプ

205.4a オブジェクトは、特殊タイプを持つことがある。カード特殊タイプカード・タイプの直前に書かれる。特殊タイプには、「基本/Basic」「伝説の/Legendary」「持続/Ongoing」「氷雪/Snow」「ワールド/World」がある。

205.4b 特殊タイプの中には特定のカード・タイプに強く関連づけられているものもあるが、オブジェクト特殊タイプはそのカード・タイプサブタイプとは独立している。オブジェクトカード・タイプまたはサブタイプが変更になった場合、特殊タイプはそのまま維持される。オブジェクト特殊タイプを得たり失ったりした場合、すでに持っている特殊タイプはそのまま残る。

例:「すべての土地は1/1のクリーチャーである。それらは土地でもある。」という能力があった場合、影響を受けた土地伝説の 土地であれば、そのまま伝説の パーマネントのままである。

205.4c基本/basic」という特殊タイプを持った土地基本 土地である。この特殊タイプを持たない土地基本でない土地である。

 第8版以前に作られたカードは「基本」という語で基本 土地を表示していない。それらの古いカードにおいては、名前が《》《》《》《平地》《》《冠雪の森》《冠雪の島》《冠雪の山》《冠雪の平地》《冠雪の沼》の10種類のいずれかであるものを基本 土地とする。

205.4d伝説の/legendary」という特殊タイプを持つパーマネントは、「レジェンド・ルール」と呼ばれる、伝説の パーマネントに関する状況起因処理に従う。rule 704.5j 参照。

205.4e伝説の/legendary」という特殊タイプを持つインスタントソーサリーである呪文は、唱える上で制約を受ける。プレイヤーは、伝説の クリーチャー伝説の プレインズウォーカーコントロールしていないかぎり伝説の インスタントソーサリーである呪文唱えられない。

205.4fワールド/world」という特殊タイプを持つパーマネントは、「ワールド・ルール」と呼ばれる、ワールドパーマネントに関する状況起因処理に従う。rule 704.5k 参照。

205.4g氷雪/snow」という特殊タイプを持つパーマネントは、氷雪 パーマネントである。この特殊タイプを持たないパーマネントは、その名前によらず、氷雪でないパーマネントである。

205.4h持続/Ongoing」という特殊タイプを持つ計略カードは、計略状況起因処理の例外である(rule 704.6e 参照)。

206. エキスパンション・シンボル

206.1. エキスパンション・シンボルは、そのカードがマジックのどのセットのものかを示すものであり、通常はの右下に記されている。これはゲームには影響しない。

206.2. エキスパンション・シンボルはそのカードのそのセットにおける希少度を示すものである。赤橙は神話レア、金色はレア、銀色はアンコモン、黒または白がコモンか基本 土地である。紫は特殊な希少度を表すために用いられる。現時点で存在するのは、『時のらせん』カード・セットの、レアよりも希少度の高いタイムシフト・カードだけである。(エクソダスよりも古いセットでは、希少度に関らず、全てのシンボルは黒で書かれていた。また、第5版までの基本セットのカードには、エキスパンション・シンボルはついていなかった。簡体中国語版の第5版には"V"のエキスパンション・シンボルが存在した)

206.3. かつては、ある特定のセットからのカードに影響する呪文能力は、そのセットのエキスパンション・シンボルだけをチェックしていた。それらのカードオラクルで訂正され、あるセットで「その名前で初めて印刷された」カードに影響を及ぼすようになった。

206.3a その名前で初めて印刷されたのが『Arabian Nights』拡張セットにおいてであるパーマネントカードを参照するカード(《City in a Bottle》)が存在する。該当する名前は、《アブー・ジャーファル》《アラジン》《アラジンのランプ》《アラジンの指輪》《アリ・ババ》《Ali from Cairo》《Army of Allah》《Bazaar of Baghdad》《鳥の乙女》《スレイマンの壺》《真鍮人間》《Camel》《City in a Bottle》《真鍮の都》《クォムバッジの魔女》《サイクロン》《踊る円月刀》《ダンダーン》《砂漠》《Desert Nomads》《砂漠の竜巻》《Diamond Valley》《Drop of Honey》《黒檀の馬》《Elephant Graveyard》《エル・ハジャジ》《アーグの盗賊団》《アーナム・ジン》《目には目を》《魚の肝の油》《空飛ぶ絨毯》《空飛ぶ男》《ガズバンのオーガ》《象亀》《Guardian Beast》《ハスランの女オーガ》《ハール・ジャッカル》《Ifh-Biff Efreet》《島魚ジャスコニアス》《Island of Wak-Wak》《Jandor's Ring》《ジャンドールの鞍袋》《宝石の鳥》《Jihad》《ジュナン・イフリート》《Juzam Djinn》《Khabal Ghoul》《King Suleiman》《密林の猿人》《Library of Alexandria》《磁力の山》《Merchant Ship》《メタモルフォーゼ》《Mijae Djinn》《ムーア人の騎兵》《ナフス・アスプ》《オアシス》《Old Man of the Sea》《Oubliette》《篤信》《Pyramids》《悔悟せる鍛冶屋》《Ring of Ma'ruf》《ルフ鳥の卵》《Sandals of Abdallah》《砂嵐》《Serendib Djinn》《Serendib Efreet》《Shahrazad》《シンドバッド》《Singing Tree》《魔術師の女王》《Stone-Throwing Devils》《不安定性突然変異》《ウォー・エレファント》《ワイルーリーの狼》《Ydwen Efreet》である。

206.3b その名前で初めて印刷されたのが『Antiquities』拡張セットにおいてであるパーマネントカードを参照するカード(《Golgothian Sylex》)が存在する。該当する名前は、《クルーグの護符》《Argivian Archaeologist》《Argivian Blacksmith》《アルゴスのピクシー》《Argothian Treefolk》《終末の時計》《Artifact Blast》《Artifact Possession》《Artifact Ward》《アシュノッドの供犠台》《アシュノッドの戦具》《アシュノッドの人体改造器》《エイトグ》《破城槌》《青銅のタブレット》《Candelabra of Tawnos》《秘宝の防御円》《Citanul Druid》《粘土像》《機械仕掛けの鳥》《サルディアの巨像》《珊瑚の兜》《崩壊》《呪われた拷問台》《Damping Field》《爆破》《Drafna's Restoration》《ドラゴン・エンジン》《Dwarven Weaponsmith》《魔力流出》《フェルドンの杖》《Gaea's Avenger》《Gate to Phyrexia》《ゴブリン職工団》《Golgothian Sylex》《ぶどう弾カタパルト》《Haunting Wind》《ハーキルの召還術》《象牙の塔》《ジェイラム秘本》《Martyrs of Korlis》《Mightstone》《石臼》《ミシュラの工廠》《ミシュラの戦争機械》《Mishra's Workshop》《再帰のオベリスク》《オニュレット》《Orcish Mechanics》《羽ばたき飛行機械》《Phyrexian Gremlins》《Power Artifact》《Powerleech》《Priest of Yawgmoth》《原初の土》《拷問台》《ラカライト》《Reconstruction》《Reverse Polarity》《Rocket Launcher》《ラト=ナムの賢人》《多相の戦士》《粉砕の嵐》《Staff of Zegon》《露天鉱床》《Su-Chi》《Tablet of Epityr》《Tawnos's Coffin》《タウノスのワンド》《タウノスの武具》《テトラバス》《ティタニアの歌》《Transmute Artifact》《トリスケリオン》《ウルザの報復者》《Urza's Chalice》《ウルザの鉱山》《Urza's Miter》《ウルザの魔力炉》《ウルザの塔》《槍の壁》《Weakstone》《異形の騒霊》《ヨーグモスの悪魔》《ヨーティアの兵》である。

206.3c その名前で初めて印刷されたのが『Homelands』拡張セットにおいてであるパーマネントカードを参照するカード(《Apocalypse Chime》)が存在する。該当する名前は、《修道院のガーゴイル》《Abbey Matron》《上天の嵐》《Aliban's Tower》《Ambush》《待ち伏せ部隊》《Anaba Ancestor》《アナーバのボディガード》《アナーバのシャーマン》《Anaba Spirit Crafter》《アン=ハヴァの治安官》《An-Havva Inn》《An-Havva Township》《An-Zerrin Ruins》《Apocalypse Chime》《Autumn Willow》《Aysen Abbey》《アイゼンの官吏》《Aysen Crusader》《Aysen Highway》《Baki's Curse》《Baron Sengir》《Beast Walkers》《Black Carriage》《影写し》《甲殻》《Castle Sengir》《Cemetery Gate》《Chain Stasis》《Chandler》《Clockwork Gnomes》《機械仕掛けの駿馬》《Clockwork Swarm》《Coral Reef》《暗黒の迷路》《Daughter of Autumn》《死者の代弁者》《Didgeridoo》《Drudge Spell》《乾きの呪文》《Dwarven Pony》《Dwarven Sea Clan》《Dwarven Trader》《Ebony Rhino》《情け知らずのエロン》《Evaporate》《Faerie Noble》《一角獣の饗宴》《フェロッズの封印》《Folk of An-Havva》《忘却》《葬列》《Ghost Hounds》《Giant Albatross》《巨大カキ》《Grandmother Sengir》《大いなる人狼》《Hazduhr the Abbot》《Headstone》《Heart Wolf》《血に飢えた霧》《Ihsan's Shade》《Irini Sengir》《鉄爪族の呪い》《Jinx》《Joven》《Joven's Ferrets》《ジョーヴンの泥棒道具》《Koskun Falls》《Koskun Keep》《迷宮のミノタウルス》《Leaping Lizard》《Leeches》《Mammoth Harness》《Marjhan》《記憶の欠落》《商人の巻物》《メサ・ファルコン》《Mystic Decree》《Narwhal》《Orcish Mine》《原初の秩序》《Prophecy》《Rashka the Slayer》《浅瀬の海賊》《Renewal》《Retribution》《Reveka》《Wizard Savant》《Root Spider》《Roots》《Roterothopter》《Rysorian Badger》《Samite Alchemist》《シー・スプライト》《Sea Troll》《センギアの従臣》《Sengir Bats》《Serra Aviary》《セラの獣小屋》《Serra Inquisitors》《セラの聖騎士》《鋸刃の矢》《縮小》《Soraya the Falconer》《Spectral Bears》《Timmerian Fiends》《拷問》《Trade Caravan》《休戦》《Veldrane of Sengir》《Wall of Kelp》《Willow Faerie》《Willow Priestess》《Winter Sky》《Wizards' School》である。

206.4. プレイヤーは、そのカードがそのフォーマットで認められているセット(あるいは特にマジック・イベント規定によって認められているカード)に含まれている限り、どの版からでもカード構築 デッキに入れてよい。現在の構築フォーマットの定義については、マジック・イベント規定(http://wpn.wizards.com/en/resources/rules-documents)を参照のこと。

206.5. エキスパンション・シンボルの完全な一覧は、マジックのウェブサイトのCard Set Archiveコーナー(http://magic.wizards.com/en/game-info/products/card-set-archive)から確認できる。

207. 文章欄

207.1. 文章欄は、カードの下半分にある。多くの場合、ここにはそのカード能力を定義するルール・テキストが書かれている。

207.2. 文章欄には、ゲーム上意味を持たないイタリック体の(日本語版では文字サイズが小さいまたは教科書体である)文章が書かれていることがある。

207.2a 注釈文は、カッコにくくられたイタリック体(日本語版では文字サイズが一段小さい)の文章であり、そのカードに適用されるルールの要約である。これはそれが対応する能力と同じ行に書かれていることが多いが、その能力でなくカード全体の注釈の場合、独立した行に書かれていることもある。

207.2b フレイバー・テキストは、イタリック体(日本語版では教科書体)で書かれた、と同様にゲームに雰囲気を出すための文章である。通常、これはルール・テキストの下に記載される。

207.2c 能力語は、能力の最初にイタリック体で書かれている(以前の日本語版ではフォントが区別されておらず、―で区切られていることで区別する必要があった)。能力語は、同様の機能を持ったカードを区別できるようにするために定められたキーワードのようなものであるが、ルール上の意味を持たず、総合ルールに独立した項目を持たない。能力語には、「一徹(いってつ)/Adamant」「附則(ふそく)/Addendum」「団結(だんけつ)/Alliance」「大隊(だいたい)/Battalion」「湧血(ゆうけつ)/Bloodrush」「祝祭(しゅくさい)/Celebration」「魂力(こんりき)/Channel」「彩(さいしょく)/Chroma」「盟友(めいゆう)/Cohort」「星座(せいざ)/Constellation」「収斂(しゅうれん)/Converge」「動議(どうぎ)/Council's Dilemma」「集会(しゅうかい)/Coven」「昂揚(こうよう)/Delirium」「落魄4(らくはくよん)/Descend 4」「落魄8(らくはくはち)/Descend 8」「版図(はんと)/Domain」「威光(いこう)/Eminence」「激昂(げきこう)/Enrage」「窮地(きゅうち)/Fateful hour」「底なしの落魄(そこなしのらくはく)/Fathomless descent」「獰猛(どうもう)/Ferocious」「圧倒(あっとう)/Formidable」「壮大(そうだい)/Grandeur」「暴勇(ぼうゆう)/Hellbent」「英雄的(えいゆうてき)/Heroic」「刻印(こくいん)/Imprint」「神啓(しんけい)/Inspired」「同調(どうちょう)/Join Forces」「族系(ぞくけい)/Kinship」「上陸(じょうりく)/Landfall」「副官(ふくかん)/Lieutenant」「魔技(まぎ)/Magecraft」「金属術(きんぞくじゅつ)/Metalcraft」「陰鬱(いんうつ)/Morbid」「集団戦術(しゅうだんせんじゅつ)/Pack Tactics」「パラドックス(ぱらどっくす)/Paradox」「協議(きょうぎ)/Parley」「光輝(こうき)/Radiance」「強襲(きょうしゅう)/Raid」「結集(けっしゅう)/Rally」「紛争(ふんそう)/Revolt」「秘密会議(ひみつかいぎ)/secret council」「魔巧(まこう)/Spell Mastery」「奮励(ふんれい)/Strive」「掃(そういん)/Sweep」「誘(ゆういん)/Tempting Offer」「スレッショルド(すれっしょるど)/Threshold」「宿根(しゅっこん)/Undergrowth」「雄姿(ゆうし)/Valiant」「議決(ぎけつ)/Will of the council」がある。

207.2d 能力語と同様に、フレイバー語も一部の能力の前にイタリック体(日本語版では教科書体)で表記されている。フレイバー語は、能力のフレイバー的説明であるが、ルール上の意味は持たず、総合ルールには列記されない。能力語は類似した機能を持つ複数の能力をまとめるものであるが、フレイバー語はその特定の能力に沿ったものである。

207.3. 一部のカードには、文章欄背景に装飾的アイコンが描かれている。例えば、ラヴニカの各ギルドに関するカードの多くで文章欄にギルド・アイコンが含まれており、『ミラディンの傷跡』ブロックではほとんどのカード文章欄に陣営アイコンが含まれている。また、プロモカードの多くにも装飾的アイコンが描かれている。これらのアイコンはゲームのプレイに影響を及ぼさない。

207.4. 次元カードのカオスが起こるたびに誘発する誘発型能力の左側には、カオス・シンボルが記されている。このシンボルそのものはルール上特別な意味を持たない。rule 901プレインチェイス戦〕参照。

207.5. カード1枚(《謎めいた尖塔群》)は、文章欄の下に各を表すシンボルがあり、デッキを作成するに際してプレイヤーにそれらののうち2つに丸をつけるように指示する能力がある。に丸をつけるとは、そのプレイヤーがそののシンボルに丸をつける(あるいは明確にわかるように印をつける)ことである。丸をつけられたマナ・シンボルは、そのカードの印刷されたルール・テキストの一部(rule 613.1 参照)として扱い、そのカード固有色(rule 903.4)に影響する。

208. パワータフネス

208.1. クリーチャーカードの右下には、スラッシュで区切られた2つの数字が記されている。1つ目の数字はパワー(戦闘中に与えダメージの量)であり、2つ目の数字はタフネス(破壊されるのに必要なダメージの量)である。例えば、2/3というのはそのオブジェクトが2のパワーと3のタフネスを持つことを示している。パワータフネスは、効果によって修整を受けたりある値に変更されたりすることがある。

208.2. 一部のクリーチャーカードでは、パワータフネスの値が固定値ではなく * になっているものがある。

208.2a カードは、何らかの条件に基づいてパワータフネスを定める特性定義能力を持つことがある(rule 604.3 参照)。この種の能力は、「[このクリーチャーの][パワーまたはタフネス]は~である/[This creature's] [power or toughness] is equal to ~」あるいは「[このクリーチャーの]パワータフネスはそれぞれ~である/[This creature's] power and toughness are each equal to ~」と書かれる。この能力ゲームの外部も含むあらゆる場所において機能する。決定できない値を計算上などで用いる必要がある場合、その値を0として扱う。

例:《Lost Order of Jarkeld》のパワータフネスはそれぞれ1+*であり、「Lost Order of Jarkeldが戦場に出るに際し、対戦相手1人を選ぶ。」「Lost Order of Jarkeldのパワータフネスはそれぞれ、そのプレイヤーコントロールしているクリーチャーの数に1を足した値に等しい。」という能力を持つ。《Lost Order of Jarkeld》が戦場 にない間、プレイヤーは選ばれていないので、パワータフネスはともに1+0、つまり1/1となる。

208.2b クリーチャーパワータフネスを、それが戦場に出るに際して、あるいはオモテになるに際して、いくつかの特定の値の中から1つに設定する置換効果を作る常在型能力を持つカードが存在する(rule 614置換効果〕参照)。その種の能力は、「[このクリーチャー]が戦場に出るに際し~/As [this creature] enters the battlefield . . . 」「[このクリーチャー]がオモテ向き になるに際し~/As [this creature] is turned face up . . . ,」「[このクリーチャー]は~として戦場に出る。/[this creature] enters the battlefield as . . .」といった書式で、複数のパワータフネスの組(さらに追加の特性がついていることもある)が記されている。これらの効果で選ばれ、あるいは決定された特性は、そのクリーチャーコピー可能な値に影響を及ぼす(rule 707.2 参照)。カード戦場 にない間、パワータフネスはともに0として扱う。

208.3. クリーチャーでないパーマネントは、そのカードパワータフネスが記載されていたとしても(機体など)、パワータフネスを持たない。クリーチャーでないオブジェクト戦場 にない場合、そのカードパワータフネスが記載されていない限り、パワータフネスを持たない。

208.3a クリーチャーでないパーマネントの、基本のパワータフネスを定めたりパワータフネスを修整したりする効果が発生する場合、その効果は、そのパーマネントクリーチャーでない限り何もしないが、発生する。

例:《経験豊富な操縦者》は「経験豊富な操縦者が機体1つに搭乗するたび、ターン終了時まで、その機体は+1/+1の修整を受ける。」という能力を持つ。この誘発型能力は、その機体が搭乗された後、クリーチャー になる前に解決される。この継続的効果は発生し、この機体クリーチャー になったらその機体に適用される。

208.4. 効果の中には、クリーチャーの「基本のパワー/base power」「基本のタフネス/base toughness」「基本のパワータフネス/base power and toughness」を扱うものがある。

208.4a クリーチャーパワータフネスを特定の値にする効果は、基本のパワータフネスと書いていることがある。それ以外の継続的効果が、さらにそのクリーチャーパワータフネスに修整を加えることがある。rule 613継続的効果の相互作用〕参照。

208.4b 効果の中に、クリーチャー基本のパワータフネスを調べるものがある。それらの効果はそのクリーチャー特性を、特性定義能力パワータフネスを特定の値にする効果の適用後、それ以外でパワータフネスに修整を加える効果を無視して参照する。rule 613継続的効果の相互作用〕参照。

208.5. クリーチャーパワーが何らかの理由で値を持たない場合、それは0となる。タフネスも同じである。

209. 忠誠度

209.1. プレインズウォーカーカードの右下には、忠誠数が記されている。これはプレインズウォーカー戦場 にない間の忠誠度の値を示し、プレインズウォーカーは、その数の忠誠カウンターが乗った状態で戦場に出る(rule 306.5b 参照)。

209.2. コスト忠誠度シンボルを含む起動型能力は、忠誠度能力である。忠誠度能力プレイヤーは自分がコントロールしているパーマネント忠誠度能力を、自分のメイン・フェイズの間、スタックが空で、優先権を持っていて、そのターンにそのパーマネント忠誠度能力をどれも起動していない場合にのみ起動できる。rule 606忠誠度能力〕参照。

210. 守備値

210.1.バトルカードの右下には、守備値の数が記されている。これはそれが戦場 にない間の守備値を示し、そのバトルがその数のカウンターが置かれた状態で戦場に出ることを示している(rule 310.4b 参照)。

211. 手札補正子

211.1. ヴァンガードカードの左下角に、手札補正子が記されている。プラス、マイナス、または0のいずれかの数である。この補正子は、ヴァンガードカードオーナー初期手札枚数手札の最大枚数を決定する際に適用される。rule 103.5 参照。

212. ライフ補正子

212.1. ヴァンガードカードの右下角に、ライフ補正子が記されている。プラス、マイナス、または0のいずれかの数である。この補正子は、ヴァンガードカードオーナー初期ライフ総量を決定する際に適用される。rule 103.4 参照。

213. 文章欄の下にある情報群

213.1. カード文章欄の下に印刷されている、ゲーム上効果のない文章がある。すべてのカードセットで以下のすべての情報が各カードに印刷されているわけではない。

213.1a ほとんどのカード・セットではコレクター番号が振られている。この情報は[カード番号]/[セットに含まれるカードの総数]、あるいは単に[カード番号]という形で書かれている。プレインズウォーカー デッキのみのカードなど一部のカードでは、総数よりも大きなカード番号が振られていることがある。

213.1b カードのレアリティは、コレクター番号の後に1文字で表示されている。

213.1c プロモカードの中には、そのカードが何に割り当てられているのかを示す情報が書かれていることがある。

213.1d 互換の名前を持つカードの中には、その互換の名前を持つカードの特定の版についての情報が含まれていることがある。rule 201.3 参照。

213.1e そのカードがどのセットで印刷されたものかを示す3文字と、そのカードがどの言語で印刷されたものかを示す2文字が、中黒を挟んで記されている。プレミアム版であれば、中黒でなく星印を挟んでいる。

213.1f カード絵の著作権表記は、文章欄のすぐ下に、筆のアイコン、あるいは古いカードでは「Illus.」という略語に続いて記されている。

213.1g 権利表記は発行した日付と著作権の表記である。これはカードの一番下または右下に小さな文字で記されている。

3. カード・タイプ

300. 総則

300.1. カード・タイプには、「アーティファクト/artifact」「バトル/battle」「策略/conspiracy」「クリーチャー/creature」「ダンジョン/dungeon」「エンチャント/enchantment」「インスタント/instant」「土地/land」「現象/Phenomenon」「次元/plane」「プレインズウォーカー/planeswalker」「計略/scheme」「ソーサリー/sorcery」「同族/kindred」「ヴァンガード/vanguard」がある。

300.2. 複数のカード・タイプを持つオブジェクト(たとえば、アーティファクト・クリーチャーなど)が存在する。この類のオブジェクトは、そのいずれかのカード・タイプの持つ性質を持ち、また、そのいずれかのカード・タイプに適用される呪文能力の影響を受ける。

300.2a 土地でもあり他のカード・タイプでもあるオブジェクト(たとえばアーティファクト・土地)は土地としてのみプレイできる。呪文として唱えることはできない。

300.2b 同族カードは他のカード・タイプを持つ。同族カード唱え解決することは、そのもう一方のカード・タイプカード唱え解決することに関するルールに従う。

301. アーティファクト

301.1. 優先権を持つプレイヤーは、自分のメイン・フェイズで、スタックが空の間、アーティファクトカード手札から唱えることができる。アーティファクト呪文として唱える場合、スタックを用いる。rule 601呪文唱えること〕参照。

301.2. アーティファクト呪文解決されたら、それのコントローラーはそれを自分のコントロール下で戦場に出す。

301.3. アーティファクトサブタイプは必ず1単語であり、「アーティファクト」という語のあとに、「アーティファクト装備品/Artifact ─ Equipment」といったように、長いダッシュに続いて並べられている。アーティファクトサブタイプは、「アーティファクト・タイプ」とも呼ばれる1単語である。アーティファクトには複数のサブタイプがあることもありうる。アーティファクト・タイプの一覧は、rule 205.3g を参照。

301.4. アーティファクトはそのカード・タイプに特有の特性を持たない。ほとんどのアーティファクトは有 マナ・シンボルマナ・コストに含まないので、無色である。しかし、無色であることとアーティファクトであることの間に因果関係はない。を持つアーティファクトも存在するし、無色であってもアーティファクトでないオブジェクトも存在する。

301.5. アーティファクトの中には、「装備品/Equipment」というサブタイプを持つものがある。装備品クリーチャーつけることができる。クリーチャーでないものに適正につけることはできない。

301.5a 装備品がついているクリーチャーは、「装備しているクリーチャー/equipped creature」と呼ばれる。装備品は、クリーチャーにつく、あるいは「装備される/equip」ことになる。

301.5b 装備品呪文は、他のアーティファクト呪文と同じように唱えられる。装備品は、他のアーティファクトと同じように戦場に出る。それらはクリーチャーについた状態で戦場に出るわけではない。キーワード能力装備/equip」は、その装備品あなたコントロールしているクリーチャーつける(rule 702.6装備〕参照)。クリーチャーコントロールに関する条件は、装備 能力起動時と解決時にのみ確認する。呪文や他の能力によって装備品クリーチャーにつくことがある。効果によって装備品をそれを装備することができないオブジェクトつけようとした場合、その装備品動かない。

301.5c クリーチャーは、クリーチャーでもあり換装(rule 702.151換装〕参照)を持たない装備品装備できない。クリーチャーは、「装備品」というサブタイプを失った装備品装備できない。装備品は自分自身を装備できない。不正あるいは存在しないパーマネント装備されている装備品は、そのパーマネントからはずれるが、戦場に残ったままである(これは状況起因処理である。rule 704 参照)。装備品は同時に複数のクリーチャーにつくことはない。呪文能力によって複数のクリーチャー装備させるようなことが起こった場合、その装備品コントローラーはどちらのクリーチャーつけるかを選ぶ。

301.5d 装備品コントローラーは、装備しているクリーチャーコントローラーとは別物である。この2つは同じである必要はない。クリーチャーコントローラーが変わっても装備品コントローラーは変わらないし、逆も同様である。装備品コントローラーのみが、それの能力起動できる。ただし、装備品がそれを装備しているクリーチャー能力を(「得る/gains」あるいは「持つ/has」等によって)得させる場合、装備しているクリーチャーコントローラーのみが、その能力起動できる。

301.5e 効果オーラ(rule 303.4i 参照)でない装備品を、適正に装備できないまたは未定義であるオブジェクトつけた状態で戦場に出そうとした場合、その装備品はついていない状態で戦場に出る。その装備品トークンなら、それは生成され、ついていない状態で戦場に出る。

301.5f パーマネントの、「装備しているクリーチャー/equipped creature」を参照している能力は、そのパーマネント装備品でなくても、そのパーマネントがついているクリーチャーを参照する。

301.6. アーティファクトの中には、「城砦/Fortification」というサブタイプを持つものがある。城砦土地つけることができる。土地でないオブジェクトつけることはできない。城砦に関して装備 能力対応するのは「城砦化/Fortify」というキーワード能力である。rule 301.5a-f は、装備品クリーチャーの関係を、城砦土地の関係に読み替え、rule 301.5c は「土地は、クリーチャーでもある城砦によって城砦化されない。」と読み替えて適用する。rule 702.67城砦化〕参照。

301.7. アーティファクトの中には、「機体/Vehicle」というサブタイプを持つものがある。ほとんどの機体は、アーティファクト・クリーチャー になれる搭乗 能力を持つ。rule 702.122搭乗〕参照。

301.7a 機体は印刷されたパワータフネスを持つが、クリーチャーでもある場合にのみそれらの特性を持つ。rule 208.3 参照。

301.7b 機体クリーチャー になる場合、それは即座にその印刷されたパワータフネスを持つ。それをクリーチャーにした効果も含む他の効果によって、その値が修整されたり別の値に定められたりすることがある。

302. クリーチャー

302.1. 優先権を持つプレイヤーは、自分のメイン・フェイズで、スタックが空の間、クリーチャーカード手札から唱えることができる。クリーチャー呪文として唱える場合、スタックを用いる。rule 601呪文唱えること〕参照。

302.2. クリーチャー呪文解決されたら、それのコントローラーはそれを自分のコントロール下で戦場に出す。

302.3. クリーチャーサブタイプは概ね1単語であり、「クリーチャー」という語のあとに、「クリーチャー ─ 人間・兵士/Creature ─ Human Soldier」「アーティファクト・クリーチャー ─ ゴーレム/Artifact Creature ─ Golem」といったように、長いダッシュに続いて並べられている。クリーチャーサブタイプは、「クリーチャー・タイプ」とも呼ばれる。クリーチャーには複数のサブタイプがあることもありうる。クリーチャー・タイプの一覧は rule 205.3m 参照。

例:「クリーチャー ─ ゴブリン・ウィザード/Creature ─ Goblin Wizard」は、そのカードサブタイプとしてゴブリンとウィザードを持つクリーチャーカードであることを示している。

302.4. パワータフネスは、クリーチャーだけが持っている特性である。

302.4a クリーチャーパワーとは、そのクリーチャーが戦闘で与えダメージの総量である。

302.4b クリーチャータフネスとは、そのクリーチャー破壊するために必要なダメージの総量である。

302.4c クリーチャーパワータフネスを決定するためには、カードの右下に記載されている値から計算し、各種の継続的効果を適用する。rule 613継続的効果の相互作用〕参照。

302.5. クリーチャー攻撃したりブロックしたりできる。(rule 508攻撃クリーチャー指定ステップ〕、rule 509ブロック・クリーチャー指定ステップ〕参照。)

302.6. クリーチャー起動型能力のうち起動コストタップ・シンボルアンタップ・シンボルを含むものは、そのコントローラーがそのクリーチャーを自分のターン開始時から続けてコントロールしていない限り、起動できない。また、そのコントローラーが自分のターン開始時から続けてコントロールしていない限り、そのクリーチャーでは攻撃できない。このルールは非公式に「召喚酔い」ルールと呼ばれる。

302.7. 萎縮感染も持たない発生源からクリーチャーが受けたダメージは、そのクリーチャーが負う。クリーチャーが負っているダメージの合計がそのタフネス以上である場合、そのクリーチャー致死ダメージを受けたといい、状況起因処理破壊される(rule 704 参照)。クリーチャーが負っているダメージは、再生した時(rule 701.15再生する〕参照)とクリンナップ・ステップの間(rule 514.2 参照)に取り除かれる。

303. エンチャント

303.1. 優先権を持つプレイヤーは、自分のメイン・フェイズで、スタックが空の間、エンチャントカード手札から唱えることができる。エンチャント呪文として唱える場合、スタックを用いる(rule 601呪文唱えること〕参照)。

303.2. エンチャント呪文解決されたら、それのコントローラーはそれを自分のコントロール下で戦場に出す。

303.3. エンチャントサブタイプは必ず1単語であり、「エンチャント」という語のあとに、「エンチャント ─ 祭殿/Enchantment ─ Shrine」といったように、長いダッシュに続いて並べられている。エンチャントサブタイプは、「エンチャント・タイプ」とも呼ばれる。エンチャントには複数のサブタイプがあることもありうる。エンチャント・タイプの一覧は、rule 205.3h 参照。

303.4. エンチャントの中には、サブタイプとして「オーラ/Aura」を持つものがある。オーラオブジェクトまたはプレイヤーについた状態で戦場に出る。オーラつけることができる先は、キーワード能力エンチャント/Enchant」によって規定されている(rule 702.5エンチャント〕参照)。他の効果によって、あるパーマネントエンチャントできるかどうかに限定が加えられる場合もある。

303.4a オーラ呪文は、エンチャント 能力によって規定される対象を必要とする。

303.4b オーラのついているオブジェクトプレイヤーのことを、「エンチャントされている/enchanted」という。そのオーラはそのオブジェクトプレイヤーを「エンチャントしている/enchants」、あるいはそのオブジェクトプレイヤーに「ついている/attached」という言い方をする。

303.4c オーラが、エンチャント 能力やその他の効果による規定に対して不正なオブジェクトまたはプレイヤー上にエンチャントしていた、あるいはエンチャントしているオブジェクトプレイヤーがすでに存在しなくなっていた場合、そのオーラオーナー墓地に置かれる(これは状況起因処理である。rule 704状況起因処理〕参照)。

303.4d オーラはそれ自身をエンチャントすることができない。何らかの理由でそうなった場合、そのオーラオーナー墓地に置かれる。また、オーラクリーチャーでもある場合、他のオブジェクトエンチャントすることができない。何らかの理由でそうなった場合、そのオーラはずれ、そしてオーナー墓地に置かれる。(これらは状況起因処理である。rule 704 参照)。 オーラは同時に複数のオブジェクトまたはプレイヤーにつくことはない。呪文能力効果によってオーラが複数のオブジェクトプレイヤーにつくような場合、そのオーラコントローラーはどちらのオブジェクトまたはプレイヤーつけるかを選ぶ。

303.4e オーラコントローラーは、エンチャントしているオブジェクトコントローラーあるいはエンチャントしているプレイヤーとは別物である。この2つは同じである必要はない。オーラオブジェクトエンチャントしている場合、そのオブジェクトコントローラーが変わってもオーラコントローラーは変わらないし、逆も同様である。オーラコントローラーのみが、それの能力起動できる。ただし、オーラエンチャントしているオブジェクト能力を(「得る/gains」あるいは「持つ/has」等によって)得させる場合、エンチャントしているオブジェクトコントローラーのみが、その能力起動できる。

303.4f オーラが、オーラ呪文解決される以外の方法でいずれかのプレイヤーコントロール下で戦場に出、その出す効果オーラエンチャント先を指定していなかった場合、そのプレイヤーがそのオーラ戦場に出るに際してそのオーラエンチャント先を選ぶ。そのプレイヤーは、オーラエンチャント 能力その他適用される効果に従い、適正なオブジェクトまたはプレイヤーを選ばなければならない。

303.4g オーラが、適正にエンチャントできるオブジェクトプレイヤーのない状態で戦場に出る場合、そのオーラが現在スタックにあるのでない限り、現在ある領域にとどまる。スタックにある場合、そのオーラ戦場に出代わりに オーナー墓地に置かれる。そのオーラトークンであれば、生成されない。

303.4h 効果によって、オーラでも装備品でも城砦でもないパーマネントオブジェクトまたはプレイヤーつけた状態で戦場に出す場合、はずれている状態で戦場に出る。

303.4i 効果によってオーラを適正につけられないオブジェクトプレイヤー、または未定義であるオブジェクトプレイヤーつけた状態で戦場に出す場合、元あった領域スタックでなければ、オーラは元あった領域に残る。スタックであれば、戦場に出代わりに オーナー墓地に置かれる。オーラトークンであれば、それは生成されない。

303.4j 効果によって戦場にあるオーラオブジェクトプレイヤーつける場合、そのオブジェクトプレイヤーが適正にエンチャントされることができなければ、オーラは移動しない。

303.4k 効果によって表向きになオーラオブジェクトプレイヤーについた状態になる場合、そのオーラコントローラーはそれが表向きで存在している場合のそのオーラ特性を用いて何につけることができるかを判断し、そのオーラの持つエンチャント 能力やその他の適用されうる効果に従って適正なオブジェクトを選ばなければならない。

303.4m パーマネントの「エンチャントしている[オブジェクトまたはプレイヤー]/enchanted [object or player]」を参照する能力は、そのパーマネントオーラでなかったとしても、そのパーマネントがついているオブジェクトまたはプレイヤーを参照する。

303.5. エンチャントの中には、「英雄譚/Saga」というサブタイプを持つものがある。英雄譚カードについての詳細は、rule 714 参照。

303.6. エンチャントの中には、「クラス/Class」というサブタイプを持つものがある。クラスカードについての詳細は、rule 716 参照。

303.7. オーラエンチャントの中には、「役割/Role」というサブタイプも持つものがある。

303.7a パーマネント1つに同一のプレイヤーコントロールしている複数の役割がついている場合、最も新しいタイムスタンプを持つ1つ以外のそれらの役割オーナー墓地に置かれる。これは状況起因処理である。rule 704 参照。

304. インスタント

304.1. 優先権を持つプレイヤーは、インスタントカード手札から唱えることができる。インスタント呪文として唱える場合、スタックを用いる。rule 601呪文唱えること〕参照。

304.2. インスタント呪文解決されたら、ルール・テキストに書かれている処理が行われ、その後で、オーナー墓地に置かれる。

304.3. インスタントサブタイプは必ず1単語であり、「インスタント/Instant」という語のあとに、「インスタント ─ 秘儀/Instant ─ Arcane」といったように、長いダッシュに続いて並べられている。インスタントサブタイプソーサリーサブタイプと同一であり、呪文タイプと呼ばれる。インスタントには複数のサブタイプがあることもありうる。呪文タイプ一覧は、rule 205.3k 参照。

304.4. インスタント戦場に出ることはない。戦場に出る場合、その代わりに元あった領域に残る。

304.5.プレイヤーインスタント唱えられるときならいつでも/any time he or she could cast an instant,」あるいは「インスタントとしてのみ/only as an instant」という表現は、そのプレイヤー優先権を持っている時に、という意味である。プレイヤー唱えられるインスタントカードを持っている必要はないし、そのプレイヤーインスタント呪文唱えられなくする効果があってもその処理は実行できる(その処理が実際にインスタント呪文唱えるものでない限り)。

305. 土地

305.1. 優先権を持つプレイヤーは、自分のメイン・フェイズで、スタックが空の間、土地カード手札からプレイすることができる。土地プレイすることは特別な処理であり、スタックを用いない(rule 116 参照)。土地プレイする場合、プレイヤーはそれを単に戦場に出す。土地スタックに乗らず、呪文ではなく、また、インスタント起動型能力対応することはできない。

305.2. 通常、プレイヤーは、自分のターンの間に 土地を1つだけプレイすることができる。継続的効果によって、この数が増加することがありうる。

305.2a プレイヤー土地プレイできるかどうか決定するために、プレイヤーがそのターンにプレイできる土地の枚数と、そのプレイヤーがそのターンに既にプレイした土地の枚数(特別な処理プレイしたものも、呪文能力解決中にプレイしたものも含む)を比較する。そのプレイヤープレイできる土地の枚数のほうが多い場合、そのプレイは適正である。

305.2b 理由を問わず、プレイヤーがそのターンにプレイできる土地の枚数が、そのプレイヤーがそのターンに既にプレイした土地の枚数以下であった場合、そのプレイヤー土地プレイできない。効果のうち、土地プレイするという部分は無視する。

305.3. プレイヤーは、いかなる理由があれ、自分のターン以外には土地プレイすることはできない。プレイヤーにそうさせるように指示する部分は無視する。同様に、そのターンに許可されている全ての土地プレイを済ませているプレイヤーは、土地プレイすることはできない。プレイヤーにそうさせるように指示している部分は無視する。

305.4. 土地戦場に「出す/put」ことができる効果が存在する。これは土地プレイとは違い、そのターンに既にプレイした土地の枚数には数えない。

305.5. 土地サブタイプは常に1単語であり、土地タイプとも呼ばれる。土地は複数の土地タイプを持つことがありうる。土地タイプの一覧は rule 205.3i 参照。

例:「基本 土地」という記述は、そのカードサブタイプを持つ土地カードであることを意味する。

305.6. 基本土地タイプは、平地である。「基本土地タイプ/Basic land type」が参照される場合、これらのサブタイプのうちいずれかを意味する。土地というカード・タイプ基本土地タイプを持つオブジェクトは、文章欄が空欄であったりそもそも存在しなかったりしたとしても、「{T}:[マナ・シンボル]を加える。」という固有の能力を持つ。能力内のマナ・シンボルは、平地は{W}、は{U}、は{B}、は{R}、は{G}である。rule 107.4a、ならびに rule 605マナ能力〕参照。

305.7. 何らかの効果により土地タイプがいずれかの基本土地タイプに定められた場合、その土地は以降古い土地タイプを持たない。ルール・テキスト、元の土地タイプ、その土地に影響しているコピー可能な効果によって得られていた能力を全て失い、その基本土地タイプが持つマナ能力を得ることになる。ただし、これは他の効果によりその土地が得た能力を取り除くわけではない。土地タイプの設定は、その土地が持つカード・タイプ(「クリーチャー」など)や特殊タイプ(「基本」や「伝説の」「氷雪」など)を変更しない。土地が現在の土地タイプに加えて新たな土地タイプを得た場合、それはこれまでの土地タイプルール・テキストを持ち、それに加えて新しい土地タイプマナ能力を得る。

305.8.基本/Basic」という特殊タイプをもつ土地基本 土地である。基本土地タイプを持っていても、この特殊タイプを持たない土地基本でない土地である。

305.9. あるオブジェクト土地であり、かつ他のカード・タイプでもある場合、それは土地としてプレイされる。呪文として唱えられることはない。

306. プレインズウォーカー

306.1. 優先権を持つプレイヤーは、自分のメイン・フェイズで、スタックが空の間、プレインズウォーカーカード手札から唱えることができる。プレインズウォーカー呪文として唱える場合、スタックを用いる(rule 601呪文唱えること〕参照)。

306.2. プレインズウォーカー呪文解決された時、そのコントローラーはそれを自分のコントロール下で戦場に出す。

306.3. プレインズウォーカーサブタイプは必ず1単語であり、「プレインズウォーカー ─ ジェイス/Planeswalker ─ Jace」といったように、長いダッシュに続いて並べられている。プレインズウォーカーサブタイプは「プレインズウォーカー・タイプ/planeswalker type」と呼ばれる。プレインズウォーカーには複数のサブタイプがあることもありうる。プレインズウォーカー・タイプの一覧は、rule 205.3j 参照。

306.4. 以前は、プレインズウォーカーは同じプレインズウォーカー・タイプを持つ複数のプレインズウォーカーを1人のプレイヤーコントロールできないようにする「プレインズウォーカーの唯一性ルール」に従っていた。このルールは取り除かれ、この変更以前に印刷されたプレインズウォーカーカードオラクルで訂正され、「伝説の」の特殊タイプを持つようになった。他の伝説の パーマネント同様、それらも「レジェンド・ルール」に従う(rule 704.5j 参照)。

306.5.忠誠度/Loyalty」は、プレインズウォーカーにのみ存在する特性である。

306.5a 戦場に出ていないプレインズウォーカーカード忠誠度は、その右下角に記載されている数字に等しい。

306.5b プレインズウォーカーは、「このパーマネントは、記載された忠誠数に等しい数の忠誠カウンターが乗った状態で戦場に出る。」という固有の能力を持つ。この能力置換効果を生み出す(rule 614.1c 参照)。

306.5c 戦場に出ているプレインズウォーカー忠誠度は、その上にある忠誠カウンターの数に等しい。

306.5d プレインズウォーカーは、数個の忠誠度能力を持つ。それらはそのコスト忠誠度シンボルを含む起動型能力である。忠誠度能力には、「プレイヤーは自分がコントロールしているパーマネント忠誠度能力を、自分のメイン・フェイズの間、スタックが空で、優先権を持っていて、そのターンにそのパーマネント忠誠度能力をどれも起動していない場合にのみ起動できる。」という特殊なルールが適用される。rule 606忠誠度能力〕参照。

306.6. プレインズウォーカー攻撃されることがある(rule 508攻撃クリーチャー指定ステップ〕参照)。

306.7. 以前は、プレインズウォーカープレイヤーに、対戦相手与え戦闘ダメージでないダメージを、その代わりに 対戦相手コントロールしているプレインズウォーカー与えるという移し替え効果に従っていた。このルールは取り除かれ、特定のカードオラクルで訂正を受け、直接プレインズウォーカーダメージ与えるようになった。

306.8. プレインズウォーカーダメージを受けた場合、そのプレインズウォーカーからその量の忠誠カウンターを取り除く。

306.9. プレインズウォーカー忠誠度が0である場合、そのオーナー墓地に置かれる(これは状況起因処理である。rule 704 参照)。

307. ソーサリー

307.1. 優先権を持つプレイヤーは、自分のメイン・フェイズで、スタックが空の間、ソーサリーカード手札から唱えることができる。ソーサリー呪文として唱える場合、スタックを用いる。(rule 601呪文唱えること〕参照)。

307.2. ソーサリー呪文解決されたら、ルール・テキストに書かれている処理が行われ、その後で、オーナー墓地に置かれる。

307.3. ソーサリーサブタイプは必ず1単語であり、「ソーサリー/Sorcery」という語のあとに、「ソーサリー ─ 秘儀/Sorcery ─ Arcane」といったように、長いダッシュに続いて並べられている。ソーサリーサブタイプは、インスタントサブタイプと同一であり、呪文タイプと呼ばれる。ソーサリーには複数のサブタイプがあることもありうる。呪文タイプ一覧は、rule 205.3k 参照。

307.4. ソーサリー戦場に出ることはできない。戦場に出る場合、その代わりに元の領域に残る。

307.5. 呪文能力効果によって、プレイヤーが何かを「ソーサリー唱えられるときならいつでも/any time he or she could cast a sorcery」あるいは「ソーサリーとしてのみ/only as a sorcery」できる、となっていた場合、それはそのプレイヤー優先権を持ち、自分のターンのメイン・フェイズ中で、スタックが空である、ということを意味する。そのプレイヤー唱えられるソーサリー呪文を持っている必要はないし、そのプレイヤーソーサリー呪文唱えられなくする効果があっても処理は実行できる(その処理が実際にソーサリー呪文唱えるものでない限り)。

307.5a 同様に、ある呪文が「ソーサリー唱えられない間に/any time a sorcery couldn't have been cast,」唱えられたかどうかを見る効果は、その呪文コントローラー優先権を持たずに、あるいは自分のメイン・フェイズ以外のフェイズ の間に、あるいは何らかのオブジェクトスタックにある間に唱えたかどうかだけを調べる。

308. 同族

308.1. 同族カードはもう1つカード・タイプを持つ。同族カードプレイし、解決するにあたっては、もう1つのカード・タイプカードプレイし、解決するためのルールに従う。

308.2. 同族サブタイプは、概ね1単語であり、「同族エンチャント ─ マーフォーク/Kindred Enchantment ─ Merfolk」といったように、長いダッシュに続いて並べられている。同族サブタイプクリーチャーサブタイプと同じであり、「クリーチャー・タイプ/creature type」と呼ばれる。同族には複数のサブタイプがあることもありうる。クリーチャー・タイプの一覧は、rule 205.3m 参照。

308.3. 古い同族・カードには「部族/trival」というカード・タイプが記載されている。そのように記載されているカードは、オラクルで訂正されている。

309. ダンジョン

309.1. ダンジョンは、定形外のマジックのカードにだけ存在するカード・タイプである。

309.2. ダンジョンカードは最初、ゲームの外部にある。ダンジョンカードプレイヤーデッキサイドボードの一部ではなく、ダンジョン探索キーワード処理によってゲームに持ち込まれる。rule 701.46ダンジョン探索〕参照。

309.2a プレイヤー統率領域にあるダンジョンカードオーナーでないときにダンジョン探索をするなら、そのプレイヤーゲームの外部にあり自分がオーナーであるダンジョンカード1枚を選び、統率領域に置く。

309.2b ゲーム内に持ち込まれたダンジョンカードは、ゲームを離れるまで統率領域に置かれる。

309.2c ダンジョンカードパーマネントではない。唱えることはできない。ダンジョンカードは、ゲームを離れるのでなければ統率領域を離れることはできない。

309.2d ダンジョン探索キーワード処理以外の効果によりダンジョンカードゲームの外部からゲームに持ち込まれる場合、それは起こらない。そのカードゲームの外部に残る。

309.3. プレイヤー1人が同時に統率領域で所有できるダンジョンカードは1枚だけであり、統率領域に自分がオーナーであるダンジョンカードがあるプレイヤーダンジョンカードをゲームに持ち込むことはできない。

309.4.ダンジョンカードには、お互いに矢印でつながった一連の部屋がある。プレイヤーは、自分が今どの部屋にいるかを示すために、自分がオーナーであるダンジョンカードの上に置いた探索マーカーを用いる。

309.4a プレイヤーは、自分がオーナーであるダンジョンカード統率領域に置くに際し、その一番上の部屋に自分の探索マーカーを置く。

309.4b部屋には名前がある。それらの名前フレイバー・テキスト として扱われ、ゲームプレイには影響しない。

309.4c部屋には、部屋能力と呼ばれる誘発型能力があり、それの効果カードに記載されている。それらは、カードには記載されていない同じ誘発条件を持つ。各部屋能力の完全なテキストは、「あなたあなたの 探索マーカーをこの部屋動かしたとき、[効果]。」である。ダンジョンカード統率領域にあるかぎり、この能力誘発することができる。各部屋能力は、その能力の発生源であるダンジョンカードオーナーであるプレイヤーコントロールしている。

309.5. ダンジョン探索キーワード処理で、プレイヤーは自分の探索マーカーダンジョンカードの下方の部屋動かすことができる。

309.5a 統率領域に自分がオーナーであるダンジョンカードがあり、その探索マーカーがそのダンジョンの一番下の部屋 になプレイヤーダンジョン探索をするなら、そのプレイヤーは自分の探索マーカーを今ある部屋から、その部屋からかれている矢印に従って次の部屋動かす。そのプレイヤー探索マーカーがある部屋から複数の矢印が出ている場合、そのプレイヤーがどの矢印に従うかを選ぶ。

309.5b 統率領域に自分がオーナーであるダンジョンカードがあり、その探索マーカーがそのダンジョンの一番下の部屋にあるプレイヤーダンジョン探索をするなら、そのプレイヤーはそのダンジョンカードをゲームから取り除く。その後、そのプレイヤーゲームの外部から自分がオーナーであるダンジョンカード1枚を選び、統率領域に置き、その一番上の部屋探索マーカーを置く。

309.6. プレイヤー探索マーカーダンジョンカードの一番下の部屋にあり、そのダンジョンカード誘発してスタックを離れていない部屋 能力の発生源でないなら、そのダンジョンカードオーナーはそれをゲームから取り除く。(これは状況起因処理である。rule 704 参照。)

309.7. ダンジョンカードがゲームから取り除かれるに際して、プレイヤーはそのダンジョン踏破する。

310. バトル

310.1. 優先権を持つプレイヤーは、自分のターンのメイン・フェイズスタックが空の間、自分の手札にあるバトルカード唱えることができる。バトル呪文として唱えることはスタックを用いる(rule 601呪文唱えること〕参照)。

310.2. バトル呪文解決されたとき、それのコントローラーはそれを自分のコントロール下で戦場に出す。

310.3. バトルサブタイプは常に1単語であり、長いダッシュの後に「バトル包囲戦」と列記されている。バトルサブタイプは、バトルタイプとも呼ばれる。バトルタイプの一覧は、rule 205.3q 参照。

310.4. 守備値は、バトルが持つ特性である。

310.4a 戦場に出ていないバトルカード守備値は、その右下に記されている数に等しい。

310.4b バトルは、「このパーマネントは、これに記されている守備値の数に等しい数のカウンターが置かれた状態で戦場に出る。」という固有の能力を持つ。この能力置換効果(rule 614.1c 参照)を生み出す。

310.4c 戦場にあるバトル守備値は、それの上にあるカウンターの数に等しい。

310.5. バトル攻撃されることがある(rule 508攻撃クリーチャー指定ステップ〕参照)。

310.6. バトルが受けたダメージの結果、それの上にあるカウンターをその数だけ取り除く。

310.7. バトル守備値が0であり、それが誘発してスタックを離れていない能力の発生源でないなら、それはオーナー墓地に置かれる(これは状況起因処理である。rule 704 参照)。

310.8.バトルは、守る者として指定されたプレイヤーを持つ。

310.8a バトル戦場に出るに際し、そのコントローラープレイヤー1人をそれを守る者として選ぶ。守る者としてどのプレイヤーを選ぶかは、バトルタイプ(rule 310.11 参照)によって決定される。バトルタイプを持たない場合、そのコントローラーがそれを守る者 になる。

310.8b バトル守る者は、それを攻撃できない。それを守る者防御プレイヤーとする攻撃 プレイヤー1人は、バトル攻撃できる。特に、包囲戦バトルコントローラーは、それを攻撃できる。

310.8c バトル守る者は、自分がコントロールしているクリーチャーでそのバトル攻撃しているクリーチャーブロックできる。他のプレイヤーコントロールしているクリーチャーは、それらの攻撃クリーチャーブロックできない。

310.8d バトル守る者がそのコントローラーでない場合、その攻撃されているバトルに関して「防御プレイヤー」を参照するすべてのルールや効果は、それのコントローラーではなく守る者を参照する。rule 508.5 参照。

310.8e ルールや効果バトルプレイヤーを参照する場合、それはそのバトル守る者であるプレイヤーのことを参照する。

310.8f バトル守る者は、各バトルにつき1人しか存在しない。他のプレイヤーバトル守る者 になったなら、元のバトル守る者バトル守る者ではなくなる。

310.8g バトルバトルでなくなったり他のバトルコピー になったりしても、そのバトル守る者は変わらない。

310.9. バトルは、オーラ装備品城砦であっても、プレイヤーパーマネントつけることはできない。バトルが何らかの方法でパーマネントについたなら、はずれる。これは状況起因処理(rule 704 参照)である。

310.10. 攻撃されていないバトルバトル守る者として指定されたプレイヤーがいない場合、あるいはそれを守る者バトルタイプによって守る者 になれないプレイヤーである場合、それのコントローラーはそれを守る者として適正なプレイヤー1人を選ぶ。これにより選べるプレイヤーがいない場合、そのバトルオーナー墓地に置かれる。これは状況起因処理(rule 704 参照)である。

310.11. 既存のすべてのバトルは、包囲戦というサブタイプを持つ。包囲戦は特別なルールに従う。

310.11a 包囲戦戦場に出るに際し、それのコントローラー対戦相手の中からそれを守る者を選ばなければならない。包囲戦コントローラー対戦相手だけが、それを守る者として適正である。

310.11b 包囲戦は「最後のカウンターがこのパーマネントから取り除かれたとき、これを追放する。その後、これをマナ・コスト支払うことなく変身した状態で唱えてもよい。」という固有の能力を持つ。

311. 次元

311.1. 次元は、定形外のマジックのカードにのみ存在するカード・タイプである。次元カードは、プレインチェイス戦・カジュアル変種ルールにおいてのみ用いる。rule 901プレインチェイス戦〕参照。

311.2. 次元カードは、次元デッキの中にある間も、またオモテ向き になっている間も、ゲームの間統率領域にあり続ける。唱えられることはない。次元カード統率領域を離れる場合、それは統率領域に残り続ける。

311.3. 次元サブタイプは長い横線の後に記されており、「次元 ― セラの領土/Plane - Serra's Realm」のように複数の単語からなることもある。長い横線の後に記されている単語すべてで1つのサブタイプである。次元サブタイプ次元 タイプとも呼ばれる。次元は1つしかサブタイプを持つことはない。次元 タイプの一覧は、rule 205.3n 参照。

311.4. 次元カードは望む数の常在型能力誘発型能力起動型能力を持ちうる。次元カード統率領域オモテ向きである間、常在型能力はゲームに影響を及ぼし、誘発型能力誘発可能となり、起動型能力起動可能となる。

311.5. オモテ向き次元カードコントローラーは、次元 コントローラーとして指定されたプレイヤーである。通常、次元はその時点でのアクティブ・プレイヤーによってコントロールされている。しかし、現在の次元 コントローラーがゲームから離れる場合、ターン順で次になる、ゲームから離れないプレイヤー次元 コントローラーとなり、その後で元の次元 コントローラーはゲームから離れる。新しい次元 コントローラーは、そのプレイヤーがゲームから離れるか、あるいは他のプレイヤーアクティブ・プレイヤー になるまでの間、指定されたままとなる。

311.6. 裏向き になったオモテ向き次元カードは、新しいオブジェクト になる。

311.7. 次元カードは、「カオスが起こるたび、」誘発するという誘発型能力を持つ。これは「カオス能力」と呼ばれる。それらは能力の左側にあるカオス・シンボルで示されているが、そのシンボル自体にルール上の意味はない。この能力は、次元ダイスカオス・シンボルが出た(rule 901.9b 参照)、解決した呪文能力でカオスが起こると書かれていた、または、解決した呪文能力に特定のオブジェクトでカオスが起こると書かれていた、場合に誘発する。最後の場合において、そのカオス能力はその次元 カード次元デッキに合って公開されている場合にも誘発する。カオス能力は、その時点の次元 コントローラーコントロールする。

312. 現象

312.1. 現象は、定形外のマジックのカードにのみ存在するカード・タイプである。プレインチェイス戦カジュアル変種ルール次元カードを用いる。rule 901プレインチェイス戦〕参照。

312.2. 現象カードは、次元デッキの中にある間も、またオモテ向き になっている間も、ゲームの間統率領域にあり続ける。唱えられることはない。現象カードパーマネントではない。現象カード統率領域を離れる場合、それは統率領域に残り続ける。

312.3. 現象カードにはサブタイプは存在しない。

312.4. オモテ向き現象カードコントローラーは、次元 コントローラーとして指定されたプレイヤーである。通常、次元 コントローラーアクティブ・プレイヤーである。しかし、現在の次元 コントローラーがゲームから離れる場合、ターン順で次になる、ゲームから離れないプレイヤー次元 コントローラーとなり、その後で元の次元 コントローラーはゲームから離れる。新しい次元 コントローラーは、そのプレイヤーがゲームから離れるか、あるいは他のプレイヤーアクティブ・プレイヤー になるまでの間、指定されたままとなる。

312.5. 次元カードはそれに遭遇したときに誘発する誘発型能力を持つ。「あなたが[このカード]に遭遇したとき、」とは、あなたがこのカード次元デッキから取ってオモテ向きにしたとき、という意味である。

312.6. 裏向き になったオモテ向き現象カードは、新しいオブジェクト になる。

312.7. 現象カード統率領域オモテ向きであり、かつ、誘発してスタックから離れていない誘発能力の発生源でない場合、次にプレイヤー優先権を得る時点で次元 コントローラープレインズウォークする。(これは状況起因処理である。rule 704rule 701.24プレインズウォークする〕参照。)

313. ヴァンガード

313.1. ヴァンガードは、定形外のマジックのカードにのみ存在するカード・タイプである。ヴァンガード戦カジュアル変種ルールでのみ、ヴァンガードカードを用いる。rule 902ヴァンガード戦〕参照。

313.2. ヴァンガードカードはゲームの間、統率領域にあり続ける。それらはパーマネントではなく、唱えられることもない。ヴァンガードカード統率領域を離れる場合、それは統率領域にあり続ける。

313.3. ヴァンガードカードにはサブタイプは存在しない。

313.4. ヴァンガードカードには常在型能力誘発型能力起動型能力が存在しうる。ヴァンガードカード統率領域にある限り、その常在型能力はゲームに影響を及ぼし、誘発型能力誘発でき、起動型能力起動されうる。

313.5. ヴァンガードカードオーナーはそれを統率領域においてゲームを始めたプレイヤーである。オモテ向きヴァンガードカードコントローラーは、そのオーナーである。

313.6. ヴァンガードカードの左下角に、手札補正子が記されている。プラス、マイナス、または0のいずれかの数である。この補正子は、ヴァンガードカードオーナー初期手札枚数手札の最大枚数(通常7枚)に適用される。その結果の数が、ゲームの開始時にく枚数、ならびに手札の最大枚数となる。rule 103.5 参照。

313.7. ヴァンガードカードの右下角に、ライフ補正子が記されている。プラス、マイナス、または0のいずれかの数である。この補正子は、ヴァンガードカードオーナー初期ライフ総量(通常20点)の決定に際して適用される。rule 103.4 参照。

314. 計略

314.1. 計略は、定形外のマジックのカードにのみ存在するカード・タイプである。アーチエネミー戦カジュアル変種ルールでのみ、計略カードを用いる。rule 904アーチエネミー戦〕参照。

314.2. 計略カードはゲームの間、計略デッキの一部である間も、オモテ向きである間も、統率領域にあり続ける。それらはパーマネントではなく、唱えられることもない。計略カード統率領域を離れる場合、それは統率領域にあり続ける。

314.3. 計略カードにはサブタイプは存在しない。

314.4. 計略カードには常在型能力誘発型能力起動型能力が存在しうる。計略カードオモテ向き統率領域にある限り、その常在型能力はゲームに影響を及ぼし、誘発型能力誘発でき、起動型能力起動されうる。

314.5. 計略カードオーナーはそれを統率領域においてゲームを始めたプレイヤーである。オモテ向き計略カードコントローラーは、そのオーナーである。

314.6. 持続でない計略カード統率領域オモテ向き になり、いずれかの計略誘発型能力スタックにあったりスタックに置かれるのを待っていたりしない場合、次に優先権が発生した際にその計略カード裏向き になり、オーナー計略デッキの一番下に置かれる。(それは状況起因処理である。rule 704 参照)

314.7. 計略カード能力に「この計略」という記述があった場合、それはその能力の発生源である、統率領域にある計略カードを意味する。これは rule 109.2 の例外である。

315. 策略

315.1. 策略カードは、リミテッドプレイ、特にコンスピラシー・ドラフト 変種ルール(rule 905 参照)下でのみ用いられる。策略カードは、構築プレイでは用いられない。

315.2. ゲームの開始時、デッキ切り直すよりも前に、プレイヤーはそれぞれ自分のサイドボードにある好きな枚数の策略カード統率領域に置く。秘策を持つ策略カード統率領域裏向きに置かれる。(rule 702.106秘策〕参照)。

315.3. 策略カードはゲームの間ずっと統率領域に置かれる。それらはパーマネントではなく、唱えられることもデッキに入れられることもない。策略カード統率領域を離れるなら、それは統率領域に残る。ゲーム外の策略カードがゲーム内に入ることはない。

315.4. 策略カードにはサブタイプは存在しない。

315.5. 策略カード常在型能力誘発型能力を持つことがある。策略カードオモテ向き統率領域にある限り、その常在型能力はゲームに影響を及ぼし、誘発型能力誘発しうる。

315.5a 策略カード能力はゲーム開始時の手順にも影響を及ぼすことがある。

315.5b 裏向き策略カードはなにも特性を持たない。

315.6. 策略カードオーナーは、それをゲームの開始時に統率領域に置いたプレイヤーである。策略カードコントローラーは、そのオーナーである。

315.7. 自分がコントロールしている裏向き策略カードは、いつでもオモテを見ることができる。他のプレイヤーコントロールしている裏向き策略カードのオモテを見ることはできない。

4. 領域

400. 総則

400.1. 領域は、オブジェクトがゲーム中に存在しうる場所である。通常、「ライブラリー/Library」「手札/Hand」「戦場/Battlefield」「墓地/Graveyard」「スタック/Stack」「追放/Exile」「統率/Command」の7つの領域が存在する。古いカードでは「アンティ/ante」領域を用いるものもある。ライブラリー手札墓地プレイヤーごとに存在し、他の領域はすべてのプレイヤーが共用する。

400.2. 公開領域とは、その領域にあるカードのうちで何らかのルールや効果によって特に裏向きにされているもの以外のカードのオモテをすべてのプレイヤーが見ることができる領域である。墓地戦場スタック追放アンティ統率領域公開領域である。非公開領域とは、すべてのプレイヤーカードのオモテを見ることができるわけではない領域のことである。その領域にあるカードのオモテがすべて公開されていたとしても、ライブラリー手札非公開領域である。

400.3. オブジェクトが、オーナー以外のライブラリー墓地、あるいは手札に行く場合、オーナーの該当する領域に行く。

400.4. カード・タイプによっては、入ることのできない領域が存在する。

400.5. ライブラリー墓地スタックにあるオブジェクトの順番は、効果またはルールによらない限り、並べ替えることはできない。他の領域にある、裏向きに含まれるオブジェクトについても同様である。それ以外の他の領域にあるオブジェクトは、そのオーナーが望む通りに並べ替えることができるが、誰がコントローラーか、タップあるいは反転しているかどうか、それについているオブジェクトが何かは全てのプレイヤーに明白でなければならない。

400.6. オブジェクトがある領域から他の領域に移動する時、どのイベントがそのオブジェクト動かすのかを決定する。その移動先が公開領域で、オーナーがその領域でそのオブジェクトを見ることができるのであれば、オーナーはそれを見てその移動に影響する効果があるかどうかを確認する。移動先が戦場であれば、そのオブジェクトを見ることができる他のプレイヤーも同様に見る。その後、そのオブジェクトそのものからのものもそれ以外のものも含む、そのイベントに適用可能な置換効果を適用する。効果やルールの複数の指示が矛盾している場合、そのオブジェクトコントローラー(コントローラーが存在しない場合、オーナー)が、どの効果を適用するか、そしてその効果がどう機能するかを決める(同一のものが複数存在することによっても矛盾は発生する。例えば、複数の「破壊効果が同時に発生する場合、お互いに矛盾する)。その後、そのイベントがそのオブジェクト動かす。

例:《極上の大天使》は「あなたゲームに敗北するなら、代わりに、極上の大天使を追放し、あなたの ライフの総量はあなたの 初期ライフ総量と等しい値になる。」という能力を持つ。呪文によってライフの総量が5点のプレイヤーと、そのプレイヤーコントロールしている《極上の大天使》がそれぞれ5点のダメージを受けたとする。状況起因処理が行われる時点で、そのプレイヤーライフの総量はそのプレイヤー初期ライフ総量 になり、そのプレイヤーは《極上の大天使》をオーナー墓地に移動させるか追放するかを選ぶ。

400.7. ある領域から他の領域に移動したオブジェクトは、以前の状態の記憶を失い、以前の状態と関係のない新しいオブジェクト になる。このルールには以下の例外がある。

400.7a スタックにあるパーマネント 呪文特性コントローラーを変更する、呪文起動型能力誘発型能力効果は、その呪文がなるパーマネントにも適用され続ける。

400.7b 戦場で機能する能力パーマネント 呪文与える、常在型能力からの効果は、その呪文がなるパーマネントにも適用され続ける(rule 611.3d 参照)。

400.7c スタックにあるパーマネント 呪文からのダメージに適用される軽減効果は、その呪文であったパーマネントからのダメージにも適用される。

400.7d パーマネント能力は、その呪文唱えるためにどのコスト支払われたか、それらのコスト支払うためにどのマナが使われたかなど、解決されてそのパーマネント になった呪文に関する情報を参照できる。

400.7e オブジェクトがある領域から他の領域に移動することによって誘発する能力(例えば、「怨恨が戦場から墓地に置かれたとき、」など)は、その誘発型能力誘発した時に移動した先の領域公開領域である場合、その領域においてそのオブジェクトから変わった新しいオブジェクトを見ることができる。

400.7f オーラがついているパーマネント戦場を離れたことによって誘発する能力は、そのパーマネント戦場を離れるのと同時にそのパーマネントエンチャントしていたオーラ墓地に置かれた場合、それらのオーラオーナー墓地に置かれてなったオブジェクトを見つけることができる。また、パーマネントについていないことによる状況起因処理(rule 704.5m 参照)によってオーナー墓地に置かれた場合にも、それらのオーラオーナー墓地に置かれてなった新しいオブジェクトを見つけることができる。

400.7g 土地でないカードに、唱えられるようにする能力を得させる効果があった場合、その能力はそのカード唱えた結果としてスタックに移動してなったオブジェクトにも適用され続ける。

400.7h 効果によって土地でないカード唱えられる場合、その効果の他の部分はそのカードをその方法で唱えた結果としてスタックに移動してなったオブジェクトを参照できる。

400.7i 効果によって土地カードプレイできる場合、その効果の他の部分はその土地カードがそれによりプレイされた結果として戦場に移動したあとでなる新しいオブジェクトを見つけることができる。

400.7j 効果によってオブジェクト公開領域に移動した場合、その効果の他の部分はそのオブジェクトを見つけることができる。呪文能力コストによってオブジェクト公開領域に移動した場合、その呪文能力効果はそのオブジェクトを見つけることができる。

400.7k マッドネス誘発型能力解決後に(rule 702.35 参照)、その追放されたカード唱えられることなく公開領域に移動した場合、捨てられたカードを参照する効果はそのオブジェクトを見つけることができる。

400.7m 公開領域にあるオブジェクト上のステッカーは、それが別の公開領域に移動しても保持される(rule 123.5 参照)。ステッカーからのすべての効果は、それが新しい領域でなる新しいオブジェクトに適用され続ける。

400.8. 追放 領域にあるオブジェクト追放された場合、領域は移動しないが、新しく追放されたのと同じように新しいオブジェクト になる。

400.9. 統率領域オモテ向きオブジェクト裏向き になった場合、それは新しいオブジェクト になる。

400.10. 統率領域にあるオブジェクト統率領域に置かれる場合、領域は移動しないが、新しく統率領域に置かれたのと同じように新しいオブジェクト になる。

400.11. そのゲームの領域のいずれにも存在しないオブジェクトゲームの外部にあるという。ゲームの外部領域ではない。

400.11a プレイヤーサイドボードにあるカードは、ゲームの外部にある。rule 100.4 参照。

400.11b ゲームの外部にあるカードをゲーム内に持ち込む効果が存在する。それらのカードは、ゲームが終了するかオーナーがゲームから離れるかルールや効果がそれをゲームから取り除くかが起こるまでゲーム内に残る。

400.11c ゲームの外部にあるカードは、呪文能力の影響を受けない。これの例外は、それらの記載された特性定義能力(rule 604.3 参照)と、それらのカードをゲーム内に持ち込む呪文能力だけである。

400.12. プレイヤーにいずれかの領域に対して何かをさせる効果(「あなたの 手札あなたの ライブラリーに加えて切り直す/Shuffle your hand into your library.」など)が存在する。その処理はその領域にあるすべてのカードに機能する。領域そのものは影響されない。

401. ライブラリー

401.1. ゲームが始まるとき、各プレイヤーデッキはそのライブラリーとなる。

401.2. それぞれのライブラリーは、1つの、裏向きでなければならない。プレイヤーライブラリーカードを覗いたり、その順序を変化させてはならない。

401.3. プレイヤーはいつでも、任意のプレイヤーライブラリーに残っているカードの枚数を数えることができる。

401.4. 何らかの効果が同時に複数枚のカードを同じライブラリーの特定の場所に置く場合、それらのカードオーナーがその置く順序を決めることができる。そのライブラリーオーナーは、どのような順番でライブラリーに置いたのかを公開しない。

401.5. プレイヤーに、ライブラリーの一番上のカード公開してプレイする、あるいはプレイヤー1人が自分のライブラリーの一番上のカードを見てもよいとする効果が存在する。呪文唱えている間に一番上のカードが入れ替わった場合、その呪文唱えられ終わる(rule 601.2i 参照)まで、新しいカード公開されないし、見てはならない。これは能力起動に関しても同じである。特別な処理をしている間に(116特別な処理〕参照)一番上のカードが入れ替わった場合、その特別な処理が終わるまで、新しいカード公開されないし、見てはならない。

401.6. 何らかの効果によってライブラリーの一番上のカード公開されている状態でプレイしている場合、その特定のカードが一瞬であれ非公開 になった後で再び同じカード公開されたとしても、新しいオブジェクトとなる。

401.7. 効果によってプレイヤーカードライブラリーの「一番上からN枚目/Nth from the top」に置く場合、そのライブラリーにN枚のカードがなかった場合、そのプレイヤーはそのカードをそのライブラリーの一番下に置く。

402. 手札

402.1. 手札は、プレイヤーいたカードを持っておく場所である。他の効果によってカード手札に戻されることもある。ゲームの開始時に、それぞれのプレイヤーは通常7枚である初期手札枚数分のカードく。rule 103〔ゲームの始め方〕参照。

402.2. それぞれのプレイヤー手札の上限が決まっており、通常は7枚である。プレイヤーはその手札に何枚でもカードを持つことができるが、クリンナップ・ステップ の間に手札の上限を越える分のカード捨てなければならない。

402.3. プレイヤーはその手札を便利なように並べることができ、いつでも見ることができる。他のプレイヤー手札を見ることはできないが、いつでもその枚数を数えることはできる。

403. 戦場

403.1. プレイヤー間のやりとりの主な舞台になるのは戦場である。戦場は、最初は空である。プレイヤーコントロールしているパーマネントは、通常、そのプレイヤーの目の前の戦場に置かれるが、(他のプレイヤーパーマネントについたオーラなどの)特定の場合には、他のプレイヤーにより近いところに置かれることがある。

403.2. カードに、プレイヤーや他の領域について明記されていない限り、呪文能力戦場にのみ影響を及ぼし、また、戦場にあるものだけを考慮する。

403.3. パーマネント戦場にのみ存在する。戦場に存在するオブジェクトパーマネントである。rule 110パーマネント〕参照。

403.4. パーマネント戦場に出たとき、それは新しいオブジェクトとなり、その同じカードによって現わされていたパーマネントとは rule 400.7 に記された例外を除いて無関係である。(これは他の領域に移動するオブジェクトについて言える。)

403.5. かつて、戦場は「/in-play」領域と呼ばれていた。カードに「にある/in play」「から/from play」「に/into play」などの表現で書かれている場合、戦場を参照する。そのように記載されているカードは、オラクルで訂正されている。

404. 墓地

404.1. プレイヤー墓地とは、そのプレイヤー捨て札のである。打ち消された、捨てられた、破壊された、または生け贄に捧げられたオブジェクト、ならびに解決が終わったインスタント呪文ソーサリー呪文オーナー墓地の一番上に置かれる。各プレイヤー墓地は、最初は空である。

404.2. それぞれの墓地は、1つの、オモテ向きでなければならない。プレイヤーは、それぞれの墓地カードをいつでも見ることができるが、その順序を変えることはできない。認定イベントに適用される追加のルールによって、プレイヤー墓地にあるカードの順番を変えてもよいとされることがある。

404.3. 何らかの効果やルールによって2枚以上のカードが同時に墓地に置かれる場合、それらのカードオーナーがその順序を決めてもよい。

405. スタック

405.1. 呪文唱えられたら、物理的にスタックに積まれる(rule 601.2a 参照)。能力起動され、あるいは誘発したら、カードによって表されてはいないけれども、その能力スタックの一番上に置かれる。rule 602.2arule 603.3 参照。

405.2. スタックは、それに加えられた呪文能力の順序を記録している。オブジェクトスタックに積まれたとき、それは既に積まれている全てのオブジェクトの上に積まれる。

405.3. 何らかの効果によって複数のオブジェクトが同時にスタックに積まれる場合、アクティブ・プレイヤーコントロールしているものが最初に積まれ、それからAPNAP順(rule 101.4 参照)で他のプレイヤーオブジェクトスタックに積まれる。1人のプレイヤーが複数のオブジェクトコントロールしている場合、そのプレイヤーが自分のオブジェクトスタックに積む順番を決める。

405.4. 呪文は、そのカードが持つ特性全てを持つ。スタックにある起動型能力誘発型能力は、その能力のテキストだけを持ち、他の特性は持たない。呪文コントローラーは、それを唱えプレイヤーである。起動型能力コントローラーは、それを起動したプレイヤーである。遅延誘発型能力以外の誘発型能力コントローラーは、その能力誘発したときにその発生源をコントロールしていたプレイヤーである。遅延誘発型能力コントローラーについては、rule 603.7d-f 参照。

405.5. 全てのプレイヤー続けてパスしたとき、スタックの一番上の(最新の)呪文能力解決される。全てのプレイヤーパスしたときにスタックが空ならば、現在のステップフェイズが終わり、次が始まる。

405.6. ゲーム中に発生する出来事の中で、スタックを用いないものがある。

405.6a 効果スタックに積まれない。それらは呪文能力解決された結果である。効果によって遅延誘発型能力も作られることがあるが、それらは誘発した時にスタックに積まれる。(rule 603.7 参照。)

405.6b 常在型能力は継続的に効果を発生させ、スタックに積まれない(rule 604常在型能力の扱い〕参照)。これには、「[このオブジェクト]は赤である。/[this object] is red」といった特性定義能力(rule 604.3 参照)を含む。

405.6c マナ能力は即座に解決される。マナ能力マナを出す以外の効果がある場合、マナが出て、即座に他の効果も起こる。プレイヤーマナ能力起動する前に優先権を持っていた場合、その解決後に優先権を得る。(rule 605マナ能力〕参照。)

405.6d 特別な処理スタックを用いない。それらは即座に発生する。rule 116特別な処理〕参照。

405.6e ターン起因処理スタックを用いない。それらは特定のステップフェイズが始まったときに自動的に発生する。それらはプレイヤー優先権を得る前に処理される(rule 117.3a 参照)。ターン起因処理は、各ステップフェイズが終わったときにも自動的に発生する。その後でプレイヤー優先権を得ることはない。rule 703 参照。

405.6f 状況起因処理スタックを用いない。それらは、特定の条件を満たしているなら発生する。rule 704 参照。それらはプレイヤー優先権を得る前に処理される。rule 117.5 参照。

405.6g プレイヤーはいつでもゲームに投了できる。そのプレイヤーは即座にゲームから離れる。rule 104.3a 参照。

405.6h 多人数戦においてプレイヤーがゲームから離れた場合、オブジェクトはその結果としてゲームから離れたり消滅したりコントロールが変わったり追放されたりする。これらの処理は即座に発生する。rule 800.4a 参照。

406. 追放

406.1. 追放 領域オブジェクトを保持する領域である。オブジェクトを戻る手段を持たずに追放する呪文能力もあれば、オブジェクトを一時的にだけ追放する呪文能力もある。

406.2. オブジェクト追放するとは、そのオブジェクトが現在存在する領域から追放 領域動かすことである。追放されたカードとは、追放 領域動かされたカードのことである。

406.3. 追放されたカードは通常オモテ向きであり、全てのプレイヤー公開されている。「裏向き追放されている/exiled face down」カードは、説明によって許可されていない限り、いずれのプレイヤーによっても見ることはできない。ただし、プレイヤーカードを見てから裏向き追放すると指示されていた場合や裏向き追放されているカードを見ることができることになった場合、そのカード追放 領域を離れるかまたはそのカード切り直されたカードの一部になるまで、見ることができるとする効果が終わったあとでも見ることができる。

406.3a 裏向き追放されているカード特性を持たないが、追放した呪文能力の中にはそのカード追放 領域からプレイできるものがある。カード裏向き唱えられる(rule 708.4 参照)のでない限り、そのカードプレイする(rule 601.2 参照)と宣言する直前にそのカードオモテ向き になる。

406.3b 呪文能力の中には、プレイヤー追放 領域にある裏向きカードの中から特定の性質を持つ呪文唱えられるようにするものがある。プレイヤーがその種の呪文唱えられるのは、追放 領域にあるその裏向きカードを見ることができて、かつ結果の呪文がその特定の性質を持つ場合だけである。

406.4. 追放 領域にある裏向きカードは、いつどのように追放されたかによって別々のに置かれるべきである。プレイヤー追放されているカードを選ぶよう指示された場合、そのプレイヤーは、カードのオモテを見ることができる場合にのみ特定の裏向きカードを選ぶことができる。そうでなければ、裏向き追放されているカード1つを選び、そのから無作為にカード1枚を選ぶことになる。こうしてカードを選ぶことが呪文唱えることや能力起動することの一部だった場合、その選ばれたカードはそのコスト支払い終わるまで公開されない(rule 601.2i 参照)。

406.5. 追放されたカードで、戦場やそのほかの領域に戻る可能性のあるものは、その戻る方法が解るように、別々のにして置かれるべきである。追放されたカードで、それ自身の能力(憑依など)や追放したカード能力によってゲームに影響を及ぼしうるものも、同様に別々のにして置かれるべきである。

406.6. カード追放する能力と、「追放されているカード/exiled card」あるいは「[オブジェクト]によって追放されているカード/cards exiled with [this object]」を参照する別の能力とが書かれているオブジェクトが存在する。これらの能力は関連しているものであり、この2つ目の能力は、その1つ目の能力によって追放されているカードだけを参照する。rule 607〔関連している能力〕参照。

406.7. 追放 領域にあるオブジェクト追放された場合、領域は移動しないが、新しく追放されたのと同じように新しいオブジェクト になる。

406.8. かつて、追放 領域は「ゲーム外/Removed-from-the-game」領域と呼ばれていた。カードに「[オブジェクトを]ゲームから取り除く/removes [an object] from the game」というように書かれている場合、そのオブジェクト追放する。「[オブジェクトを]脇に置く/sets [an object] aside」も同じである。そのように記載されているカードは、オラクルで訂正されている。

407. アンティ

407.1. マジックの昔のルールには、「勝ち取ったものを返さない」でプレイする方法としてのアンティ・ルールが存在した。アンティを賭けてプレイすることは、現在では、このゲームにおける選択ルールであり、法律その他の規則で禁止されていない地区でのみ許される。アンティを賭けてプレイすることは、マジック・イベント規定(http://www.wizards.com/WPN/Events/Rules.aspx)の下では厳しく禁止されている。

407.2. アンティを賭けてプレイする場合、ゲームの開始時に、各プレイヤーはそれぞれのデッキからカードを無作為に1枚選び、それをアンティ 領域に置く。アンティ 領域にあるカードは、いつでも全てのプレイヤーが確認できる。ゲームの終了時に、勝利者はアンティ 領域にあるカード全ての所有権を得る。

407.3.アンティを賭けてプレイしていないなら、プレイ前に[このカード]をデッキから取り除く/Remove [this card] from your deck before playing if you're not playing for ante.」と書かれているカードがある。この類のカードだけが、アンティ 領域カードを追加したり、取り除いたり、あるいはカードオーナーを変更したりすることができる。プレイヤーアンティを賭けてプレイしていないときは、これらのカードデッキにもサイドボードにも入れることはできず、ゲーム外からゲーム内に持ってくることもできない。

407.4. オブジェクトアンティするとは、そのオブジェクトを現在ある領域からアンティ 領域に移すことである。オブジェクトオーナーだけがそのオブジェクトアンティすることができる。

408. 統率

408.1. 統率領域は、特別に定められた、ゲーム全体に影響を及ぼす効果を持つオブジェクトだけが置かれるゲームの場所である。それらのオブジェクトパーマネントではなく、破壊されることもない。

408.2. 紋章統率領域生成されうる。rule 114紋章〕参照。

408.3. プレインチェイス戦ヴァンガード戦統率者戦アーチエネミー戦コンスピラシー・ドラフトの各カジュアル変種ルールにおいて、定形外のマジックのカード、あるいは特に指定されたカード統率領域に置いた状態でゲームを始める。それらの変種ルールにはそれらのカードに関するルールがそれぞれ存在する。rule 9〔カジュアル変種ルール〕参照。

5. ターンの構造

500. 総則

500.1. ターンは順に「開始/beginning」「戦闘前メイン/precombat main」「戦闘/combat」「戦闘後メイン/postcombat main」「終了/ending」の5つのフェイズからなる。それぞれのフェイズは、なにも起こることがなくてもターンごとに存在する。開始、戦闘、終了の各フェイズはさらにステップに細分化され、順番に処理される。

500.2. プレイヤー優先権を得るフェイズステップは、スタックが空で、かつ全てのプレイヤー続けてパスしたときに終了する。スタックが空になったことでフェイズステップが終わるわけではない。スタックが空の状態で、全てのプレイヤー続けてパスしなければならない。従って、それぞれのプレイヤーには、そのフェイズステップが終了する前に、新しい物をスタックに積む機会がある。

500.3. プレイヤー優先権を得ないステップは、そのステップに行うことになっている全ての処理が終わったときに終了する。この種のステップは、アンタップ・ステップ(rule 502 参照)とクリンナップ・ステップ(rule 514 参照)だけである。

500.4. ステップフェイズが終わったとき、プレイヤーマナ・プールに残っている未使用のマナは空になる。このターン起因処理スタックを用いない。

500.5. フェイズステップが終わったとき、そのフェイズステップの「終わりまで/until end of ~」続く予定だった効果は消滅する。また、あるフェイズステップ「まで/until ~」続く予定だった効果はそのフェイズステップの開始時に消滅する。「戦闘終了時まで/until end of combat」続く効果は、戦闘フェイズの終了時に消滅するのであり、戦闘終了ステップの開始時ではない。「ターン終了時まで/until end of turn」続く効果は、特別なルールが適用される。rule 514.2 参照。

500.6. フェイズステップが始まるとき、そのフェイズまたはステップの「開始時に/at the beginning of ~」発生する誘発型能力誘発する。それらは、次にプレイヤー優先権を得る時点でスタックに積まれる(rule 117〔タイミングと優先権〕参照)。

500.7. 効果によって、プレイヤー追加のターンを得ることがあり得る。その場合、得たターンを指定されたターンの直後に追加する。1ターンの間に、1人のプレイヤーが複数の追加のターンを得た場合、そのターンは1つずつ追加される。複数のプレイヤー追加のターンを得る場合、そのターンはAPNAP順で(rule 101.4 参照)1つずつ追加される。そして、一番最後に作られたターンが最初に処理される。

500.8. 効果によって、ターンの間に フェイズが追加されることがある。特定のフェイズのすぐ後にそのフェイズが加えられる。複数の追加フェイズが同じフェイズの後に追加される場合、一番最後に作られたフェイズが最初に処理される。

500.9. 効果によって、フェイズ の間に ステップが追加されることがある。特定のステップのすぐ後に(あるいは特定のステップの前に)そのステップが加えられる。複数の追加ステップが同じステップの後に追加される場合、一番最後に作られたステップが最初に処理される。

500.10. 効果によって、特定のフェイズの後にステップが追加されることがある。その場合、効果はまず最初に、通常そのステップを含むフェイズを、その特定のフェイズのすぐ後に追加する。追加されたフェイズに通常含まれる、そのステップ以外のステップは飛ばされる。(500.11 参照)

例:《秒刻みのオベカ》は「秒刻みのオベカがプレイヤー1人に戦闘ダメージ与えるたび、このフェイズの後に追加で、その点数に等しい回数のアップキープ・ステップを得る。」という能力を持つ。この能力解決後、これのコントローラーは、現在のフェイズの後に、戦闘ダメージの点数に等しい回数の開始フェイズを追加する。これら新しく追加された開始フェイズアップキープ・ステップのみからなる。それらの開始フェイズに通常ならば存在するアンタップ・ステップドロー・ステップは飛ばされる。

500.11. 効果によって、ステップフェイズ、ターンが飛ばされることがある。ステップフェイズ、ターンを飛ばすということは、それが存在しないかのようにゲームを進めるということである。rule 614.10 参照。

500.12. ターン間、フェイズ間、ステップ間にはゲームのイベントは起こらない。

501. 開始フェイズ

501.1. 開始フェイズは順に「アンタップ/untap」「アップキープ/upkeep」「ドロー/draw」の3つのステップからなる。

502. アンタップ・ステップ

502.1. まず、アクティブ・プレイヤーコントロールしているフェイジングを持つすべてのフェイズ・イン状態のパーマネントフェイズ・アウトするとともに、フェイズ・アウトした時点でアクティブ・プレイヤーコントロールしていたフェイズ・アウトしている全てのパーマネントフェイズ・インする。これらはすべて同時に発生する。このターン起因処理スタックを用いない。rule 702.26フェイジング〕参照。

502.2. 次に、であり前のターンのアクティブ・プレイヤーがそのターン中に呪文唱えていなかったなら、 になる。であり前のターンのアクティブ・プレイヤーがそのターン中に2つ以上の呪文唱えていたなら、 になる。でもでもないなら、このチェックは行わず、でもでもないままである。このターン起因処理スタックを用いない。rule 727〕参照。

502.2a 「共有チーム・ターン」選択ルールを用いる多人数戦では、調整されたルールを用いる。であり前のターンのアクティブ・チームプレイヤーがそのターン中に誰も呪文唱えていなかったなら、 になる。であり前のターンのアクティブ・チームプレイヤー1人がそのターン中に2つ以上の呪文唱えていたなら、 になる。でもでもないなら、このチェックは行わず、でもでもないままである。このターン起因処理スタックを用いない。

502.3. 3番目に、アクティブ・プレイヤーは、自分がコントロールしているパーマネントのうちでどれをアンタップするかを決定し、それらを同時にアンタップする(このゲームの処理はスタックを使用しない)。通常、プレイヤーパーマネントはすべてアンタップするが、効果によって、プレイヤーコントロールしているパーマネントアンタップが妨げられることがある。

502.4. アンタップ・ステップ の間には、プレイヤー優先権を得ることはない。したがって、呪文唱えられることも解決されることもなく、能力起動されることも解決されることもない。このステップ中に誘発した能力は、次にプレイヤー優先権を得たとき、すなわち、ほとんどの場合において、アップキープ・ステップ中に処理されることになる。rule 503アップキープ・ステップ〕参照。

503. アップキープ・ステップ

503.1. アップキープ・ステップにはターン起因処理は存在しない。アップキープが始まると、アクティブ・プレイヤー優先権を得る(rule 117〔タイミングと優先権〕参照)。

503.1a そのアンタップ・ステップ の間に 誘発した能力と、そのアップキープ・ステップの開始時に誘発する能力が、アクティブ・プレイヤー優先権を得る前に、それらの誘発した順番によらず、スタックに積まれる(rule 603誘発型能力の扱い〕参照)

503.2. 「[プレイヤーの]アップキープ・ステップの後にのみ/after [a player's] upkeep step」唱えられる呪文は、そのターンに複数のアップキープ・ステップがある場合、1つ目のアップキープ・ステップが終わっていればいつでも唱えることができる。

504. ドロー・ステップ

504.1. まず、アクティブ・プレイヤーカード1枚をく。このターン起因処理スタックを用いない。

504.2. 次に、アクティブ・プレイヤー優先権を得る(rule 117〔タイミングと優先権〕参照)。

505. メイン・フェイズ

505.1. 各ターンには、2つのメイン・フェイズが存在する。第1メイン・フェイズ(「戦闘前メイン・フェイズ/precombat main phase」)と第2メイン・フェイズ(「戦闘後メイン・フェイズ/postcombat main phase」)は、戦闘フェイズ(rule 506戦闘フェイズ〕参照)によって区切られている。戦闘前、戦闘後のメイン・フェイズはそれぞれだけでも「メイン・フェイズ/main phase」と呼ばれることがあるし、それらをまとめてそう呼ばれることもある。

505.1a ターンの一番最初のメイン・フェイズだけが戦闘前メイン・フェイズであり、それ以外のメイン・フェイズ戦闘後メイン・フェイズである。戦闘フェイズ飛ばしたあとの2つ目のメイン・フェイズや、ターンに追加の戦闘フェイズと追加のメイン・フェイズを得させるような効果によって得られたメイン・フェイズ戦闘後メイン・フェイズである。

505.1b カードテキストにおいて、「第1メイン・フェイズ/first main phase」や「第2メイン・フェイズ/second main phase」などの表現は、特別な言及が書かれていない限り、現在のターンに発生したメイン・フェイズの数を数える。

505.2. メイン・フェイズにはステップは存在しないため、スタックが空のときに全てのプレイヤー続けてパスしたときにメイン・フェイズが終了する。(rule 500.2 参照。)

505.3. アーチエネミー戦(rule 904 参照)において、アクティブ・プレイヤー魔王である場合、そのフェイズ戦闘前メイン・フェイズであれば、アクティブ・プレイヤーは自分の計略デッキの一番上のカード実行中にする(rule 701.25 参照)。このターン起因処理スタックを使わない。

505.4. 次に、アクティブ・プレイヤーが1つ以上の英雄譚エンチャントコントロールしていて、今がアクティブ・プレイヤー戦闘前メイン・フェイズであれば、アクティブ・プレイヤーは自分のコントロールしている英雄譚の上に伝承カウンターをそれぞれ1個置く。(rule 714英雄譚カード〕参照)。このターン起因処理スタックを使わない。

505.5. 次に、アクティブ・プレイヤーが1つ以上のアトラクションコントロールしていて、今がアクティブ・プレイヤー戦闘前メイン・フェイズであれば、アクティブ・プレイヤーは自分のアトラクション観覧するためのサイコロを振る(rule 701.49アトラクション観覧するためサイコロを振る〕参照)。このターン起因処理スタックを使わない。

505.6. 次に、アクティブ・プレイヤー優先権を得る(rule 117〔タイミングと優先権〕参照)。

505.6a 通常、メイン・フェイズにのみ、プレイヤーアーティファクト呪文クリーチャー呪文エンチャント呪文プレインズウォーカー呪文ソーサリー呪文唱えられる。アクティブ・プレイヤーがこれらの呪文唱えられる。

505.6b メイン・フェイズの間、アクティブ・プレイヤーは、スタックが空であり、自分が優先権を持ち、そしてまだこのターンに土地プレイしていないときに限り(効果によって追加の土地プレイできる場合を除く)、土地カード1枚を手札からプレイすることができる。(rule 305土地〕参照。)この処理はスタックを用いない。この土地土地プレイする処理も、呪文能力ではないので、この処理は打ち消されず、インスタント起動型能力対応することはできない。

506. 戦闘フェイズ

506.1. 戦闘フェイズは順に「戦闘開始/beginning of combat」「攻撃クリーチャー指定/declare attackers」「ブロック・クリーチャー指定/declare blockers」「戦闘ダメージ/combat damage」「戦闘終了/end of combat」の5つのステップからなる。ブロック・クリーチャー指定ステップ戦闘ダメージ・ステップは、攻撃クリーチャーが1体も指定されず、攻撃している状態で戦場に出る(rule 508.8 参照)こともなかった場合には飛ばされる。攻撃クリーチャーブロック・クリーチャー先制攻撃(rule 702.7 参照)か二段攻撃(rule 702.4 参照)を持っている場合、戦闘ダメージ・ステップは2つ存在する。

506.2. 戦闘フェイズの間、アクティブ・プレイヤー攻撃 プレイヤーである。そのプレイヤーコントロールしているクリーチャー攻撃できる。2人対戦の戦闘フェイズの間、非アクティブ・プレイヤーは防御プレイヤーである。そのプレイヤー、そのプレイヤーコントロールしているプレインズウォーカー、そのプレイヤー守る者であるバトル攻撃されることができる。

506.3. クリーチャーだけが攻撃したりブロックしたりできる。プレイヤープレインズウォーカーバトルにだけ攻撃できる。

506.3a 何らかの効果によってクリーチャーでないパーマネント攻撃またはブロックしている状態で戦場に出る場合、そのパーマネント戦場に出るが、攻撃したりブロックしたりしているパーマネントとしては扱われない。

506.3b 何らかの効果によってクリーチャー攻撃 プレイヤーでないプレイヤーコントロール下で攻撃している状態で戦場に出る場合、そのクリーチャー戦場に出るが、攻撃クリーチャーとしては扱われない。

506.3c 何らかの効果によって、クリーチャーが、そのゲームに存在しないプレイヤー、既に戦場に存在していないまたはプレインズウォーカーでもバトルでもないパーマネント攻撃している状態で戦場に出る場合、そのクリーチャー戦場に出るが、攻撃クリーチャーとしては扱われない。

506.3d 何らかの効果によって、クリーチャーが、そのクリーチャーコントローラーにもそのプレイヤーコントロールしているプレインズウォーカーにもそのプレイヤー守る者であるバトルにも攻撃していないクリーチャーブロックしている状態で戦場に出る場合、そのクリーチャー戦場に出るが、ブロック・クリーチャーとしては扱われない。

506.3e 効果バトルでもあるクリーチャー攻撃またはブロックしている状態で戦場に出す場合、そのパーマネント戦場に出るが、攻撃クリーチャーブロック・クリーチャーとしては扱われない。

506.3f 解決した呪文能力バトル攻撃クリーチャーブロック・クリーチャーにする場合、その効果のその部分は何もしない。

506.4. パーマネントは、戦場を離れたり、コントローラーが変わったり、フェイズ・アウトしたり、何らかの効果によって戦闘から取り除かれたり、攻撃されているプレインズウォーカーであればプレインズウォーカーでなくなったり、攻撃されているバトルであればバトルでなくなったり、攻撃クリーチャーブロック・クリーチャーであれば再生(rule 701.15 参照)したりクリーチャーでなくなったりバトル になったりしたら、戦闘から取り除かれる。戦闘から取り除かれたクリーチャーは、攻撃クリーチャーでも、ブロック・クリーチャーでも、ブロックされているクリーチャーでも、ブロックされていないクリーチャーでもなくなる。プレインズウォーカーバトルは、戦闘から取り除かれると攻撃されている状態ではなくなる。

506.4a 一旦クリーチャー攻撃クリーチャーブロック・クリーチャーとして指定されたなら、そのクリーチャー攻撃ブロックに参加することを禁止する呪文能力は、そのクリーチャー戦闘から取り除かない。

506.4b すでに攻撃クリーチャーブロック・クリーチャーとして指定されたクリーチャータップあるいはアンタップしても、戦闘から取り除くことも戦闘ダメージ軽減することもできない。

506.4c クリーチャープレインズウォーカーバトル攻撃している場合、そのプレインズウォーカーバトル戦闘から取り除いても、クリーチャー戦闘から取り除かれず、攻撃クリーチャーであり続ける。しかし、プレイヤープレインズウォーカーバトル攻撃していない。ブロックされることは可能であるが、ブロックされなかった場合、そのクリーチャー戦闘ダメージ与えることはない。

506.4d ブロック・クリーチャーでもあり、攻撃されているプレインズウォーカーでもあったパーマネントが、クリーチャーでもプレインズウォーカーでもなくなった場合、そのパーマネント戦闘から取り除かれる。どちらか一方だけを失った場合、ブロック・クリーチャーか、または攻撃されているプレインズウォーカーのどちらか該当する方であり続ける。

506.4e プレインズウォーカーでもバトルでもあるパーマネントは、プレインズウォーカーでもバトルでもなくなった場合、戦闘から取り除かれる。バトルでなくなってもプレインズウォーカーである場合、それはそれを守る者コントロールしていない限り戦闘から取り除かれる。プレインズウォーカーでなくなってもバトルである場合、それは戦闘から取り除かれることなく、攻撃されているバトルであり続ける。

506.5. ある攻撃クリーチャー指定ステップに、クリーチャー1体だけが攻撃クリーチャーとして指定された場合、そのクリーチャーが「単独で攻撃する/attack alone」と言う。クリーチャー1体だけが攻撃している場合、「単独で攻撃している/attacking alone」と言う。あるブロック・クリーチャー指定ステップに、クリーチャー1体だけがブロック・クリーチャーとして指定された場合、そのクリーチャーが「単独でブロックする/block alone」という。クリーチャー1体だけがブロックしている場合、それを「単独でブロックしている/blocking alone」と言う。

506.6. 特定の戦闘フェイズクリーチャーが「攻撃しなければならなかった/had to attack」かどうかを見る能力が存在する。その戦闘で攻撃クリーチャーを指定する時点でクリーチャー攻撃強制する1つ以上の効果がそのクリーチャーに適用されていたなら、そのクリーチャー攻撃しなければならなかったとなる。攻撃強制するその種の効果がなければ、他に指定しうる適正な攻撃がなかったとしても、そのクリーチャーは「攻撃しなければならない/have to attack」状態ではない(rule 508 参照)。

506.7. 呪文の中に、「[戦闘のある時点][前/後]にのみ/only [before/after] [a particular point in the combat phase],」唱えることができるというものがある。戦闘のある時点とは、「攻撃クリーチャー指定」「ブロック・クリーチャー指定」「戦闘ダメージ・ステップ」「戦闘終了ステップ」「戦闘フェイズ」「戦闘」が含まれる。

506.7a攻撃クリーチャー指定前(後)にのみ」唱えることができるという呪文は、攻撃クリーチャー指定ターン起因処理を参照する。この種の呪文は、実際に攻撃クリーチャーが指定されたかどうかに関わらず、攻撃クリーチャー指定ステップの開始前(後)にのみ唱えることができる(rule 508 参照)。

506.7bブロック・クリーチャー指定前(後)にのみ」唱えることができるという呪文は、ブロック・クリーチャー指定ターン起因処理を参照する。この種の呪文は、実際にブロック・クリーチャーが指定されたかどうかに関わらず、ブロック・クリーチャー指定ステップの開始前(後)にのみ唱えることができる(rule 509 参照)。

506.7c rule 506.7 の区分に加え、「戦闘中/during combat」、「あるプレイヤー戦闘フェイズ中/during a certain player's combat phase」にのみ唱えることができるという呪文が存在する。ターンに複数の戦闘フェイズがある場合、この種の呪文はそのいずれかの戦闘フェイズ中の該当する時期にのみ唱えることができる。

506.7d 「[戦闘のある時点][前/後]にのみ」唱えることができる呪文の中で、rule 506.7c で示した追加の区分に含まれないものについては、ターンに複数の戦闘フェイズがある場合、最初の戦闘フェイズの該当する時点を参照し、その前(後)にのみ唱えることができる。

506.7e 「[戦闘のある時点]前にのみ」唱えることができるという呪文は、その戦闘フェイズブロック・クリーチャー指定ステップ戦闘ダメージ・ステップ飛ばされたことにより示されている時点が存在しない場合(rule 508.8 参照)、攻撃クリーチャー指定ステップの終了までの間にのみ唱えることができる。該当する戦闘フェイズ飛ばされたことにより示されている時点が存在しない場合、その呪文戦闘前メイン・フェイズの終了前にのみ唱えることができる。

506.7f 「戦闘の間で、なおかつブロック・クリーチャー指定の後にのみ/only during combat after blockers are declared,」唱えることができるという呪文は、その戦闘フェイズブロック・クリーチャー指定ステップ飛ばされている場合(rule 508.8 参照)、その戦闘フェイズの間、唱えることができない。

506.7g rule 506.7 ならびに rule 506.7a-f は、戦闘に関する該当する時点でのみ起動することができると書かれている能力にも、戦闘に関する該当する時点でのみ唱えることができると書かれている呪文と同じように適用される。

507. 戦闘開始ステップ

507.1. 最初に、アクティブ・プレイヤー対戦相手すべてが自動的に防御プレイヤー になるわけではない多人数戦であれば、アクティブ・プレイヤーは自分の対戦相手の中から1人を選ぶ。そのプレイヤー防御プレイヤーとなる。このターン起因処理スタックを用いない。(rule 506.2 参照。)

507.2. 次に、アクティブ・プレイヤー優先権を得る(rule 117〔タイミングと優先権〕参照)。

508. 攻撃クリーチャー指定ステップ

508.1. まず、アクティブ・プレイヤー攻撃クリーチャーを指定する。このターン起因処理スタックを用いない。攻撃クリーチャーを指定するには、アクティブ・プレイヤーは次の手順を踏む。攻撃クリーチャーの指定中のどこかの時点でアクティブ・プレイヤーが手順を完了できなくなったら、その指定は不正である。ゲームは指定の始まる前まで巻き戻される。(rule 730不正な処理の扱い〕参照。)

508.1a アクティブ・プレイヤーは、どのクリーチャー攻撃するかを選ぶ(この選択は任意である)。選ぶクリーチャーアンタップ状態でなければならず、バトルであってはならず、また、速攻を持っているか、あるいはそのターンの開始時からアクティブ・プレイヤーが継続してコントロールしているのでなければならない。

508.1b 防御プレイヤープレインズウォーカーコントロールしているか、バトル守る者であるか、ゲームのルールによって複数のプレイヤー攻撃することが認められている場合、アクティブ・プレイヤーは、それぞれのクリーチャーがどのプレイヤープレインズウォーカー、またはバトル攻撃するのか指定する。

508.1c アクティブ・プレイヤーは、自分がコントロールしている各クリーチャーが何らかの制限(そのクリーチャーでは攻撃できない、あるいは何らかの条件を満たさない限りそのクリーチャーでは攻撃できないという効果)があるかどうかを確認する。制限に違反していた場合、その指定は適正ではない。

例:プレイヤーが2体のクリーチャーコントロールしていて、それぞれに「[このクリーチャー]は単独では攻撃できない。」という制限があった場合、その両方を攻撃クリーチャーとして指定することは適正である。

508.1d アクティブ・プレイヤーは、自分がコントロールしている各クリーチャーが何らかの強制(そのクリーチャーは可能なら攻撃する、あるいは何らかの条件を満たした場合そのクリーチャー攻撃するという効果)があるかどうかを確認する。従っている強制の数が、制限を破らない限りにおいて最大になっていない限り、攻撃クリーチャーの指定は不正である。プレイヤーコスト支払わなければ攻撃できない場合、そのクリーチャー攻撃することによって従っている強制の数が増えるとしても、そのコスト支払うことは求められない。 あるターンに可能なら攻撃するという強制が複数の戦闘フェイズを含むターンを指していた場合、そのクリーチャーはそのターンのそれぞれの攻撃クリーチャー指定ステップに可能なら攻撃する。

例:プレイヤーが2体のクリーチャーコントロールしていて、一方には「可能なら攻撃する。」という能力があり、他方にはそういう能力はない。「各ターン、2体以上のクリーチャーでは攻撃できない。」という効果が存在する場合、適正な攻撃は「可能なら攻撃する」クリーチャーだけが攻撃することだけである。他方のクリーチャーだけで攻撃する、あるいは両クリーチャー攻撃する、あるいはどちらも攻撃しない、といった選択は不正である。

508.1e クリーチャーの中にバンドや「他の~とのバンド能力を持っているクリーチャーがいる場合、アクティブ・プレイヤーは各クリーチャーがどうバンドを組んでいるのかを宣言する。(rule 702.22バンド〕参照。)

508.1f アクティブ・プレイヤーは選んだクリーチャータップする。攻撃クリーチャーとして指定したときにクリーチャータップするのはコストではない。攻撃によって単にタップ状態 になるだけである。

508.1g 選んだクリーチャー攻撃するための選択的コストが存在する場合(クリーチャー攻撃するに「際し/as」支払ってもよい、と書かれている)、アクティブ・プレイヤーはどれを支払うか支払わないかを選ぶ。

508.1h 攻撃に参加するためにコスト支払いが必要、あるいは選択的コスト支払うことを選んだクリーチャーがいる場合、アクティブ・プレイヤー攻撃に参加するための総コストを決める。コストには、マナ支払い、パーマネントタップパーマネントの生け贄、カード捨てる、等々が含まれる。総コストが決定したら、それは「固定」される。この後に効果総コストを変更しようとしても、それは無視される。

508.1i コストマナ支払いが必要な場合、アクティブ・プレイヤーマナ能力起動する機会を得る(rule 605マナ能力〕参照)。

508.1j 自分のマナ・プールに充分な量のマナを入れてから、そのプレイヤーは好きな順番ですべてのコスト支払う。一部しか支払わないことは認められない。

508.1k 選ばれたクリーチャーがなおアクティブ・プレイヤーによってコントロールされている場合、選ばれたクリーチャー攻撃クリーチャー になる。戦闘から取り除かれるか、または戦闘フェイズが終わるまで、それは攻撃クリーチャーであり続ける。rule 506.4 参照。

508.1m 攻撃クリーチャーが指定されたことによって誘発する能力誘発する。

508.2. 次に、アクティブ・プレイヤー優先権を得る(rule 117〔タイミングと優先権〕参照)。

508.2a クリーチャー攻撃することによって誘発する能力は、そのクリーチャー攻撃クリーチャーとして指定された時点でのみ誘発する。クリーチャー攻撃した後、そのクリーチャー特性が変化してその能力誘発条件を満たした場合には誘発しない。

例:「緑のクリーチャーが1体攻撃するたび、次の終了ステップの開始時に、そのクリーチャー破壊する。」という能力を持つパーマネントがある場合、青のクリーチャー攻撃した後で緑になったとしても、この能力誘発しない。

508.2b 攻撃クリーチャーが指定されたことによって誘発した能力と、rule 508.1 で定められた手順の間に 誘発した能力が、アクティブ・プレイヤー優先権を得る前に、それらの誘発した順番によらず、スタックに積まれる(rule 603誘発型能力の扱い〕参照)。

508.3. 攻撃クリーチャーが指定されたことによって誘発する誘発型能力には様々な誘発条件が存在しうる。

508.3a 「[クリーチャー]が攻撃するたび、/Whenever [a creature] attacks,」という能力は、そのクリーチャー攻撃クリーチャーとして指定された場合に誘発する。同様に、「[クリーチャー]が[プレイヤープレインズウォーカー、またはバトル]を攻撃するたび、/Whenever [a creature] attacks [a player, planeswalker, or battle],」という能力は、そのクリーチャーがそのプレイヤーパーマネント攻撃する攻撃クリーチャーとして指定された場合に誘発する。この種の能力は、クリーチャー攻撃している状態で戦場に出た場合には誘発しない。

508.3b 「[プレイヤープレインズウォーカー、またはバトル]が攻撃されるたび、/Whenever [a player, planeswalker, or battle] is attacked,」という能力は、1体以上のクリーチャーがそのプレイヤーパーマネント攻撃する攻撃クリーチャーとして指定された場合に誘発する。クリーチャーが、そのプレイヤーパーマネント攻撃している状態で戦場に出た場合には誘発しない。

508.3c 「[プレイヤー]が[クリーチャー]で攻撃するたび、/Whenever [a player] attacks with [a creature],」という能力は、そのプレイヤーコントロールしているそのクリーチャー攻撃クリーチャーとして指定された場合に誘発する。

508.3d 「[プレイヤー]が攻撃するたび、/Whenever [a player] attacks,」という能力は、そのプレイヤーコントロールしている1体以上のクリーチャー攻撃クリーチャーとして指定された場合に誘発する。

508.3e 「[プレイヤー]が[他のプレイヤー]を攻撃するたび、/Whenever [a player] attacks [another player],」という能力は、その前者のプレイヤーコントロールしている1体以上のクリーチャーがその後者のプレイヤー攻撃する攻撃クリーチャーとして指定された場合に誘発する。そのクリーチャー攻撃している状態で戦場に出た場合や、プレインズウォーカーバトル攻撃した場合には誘発しない。

508.3f 「[クリーチャー]が攻撃してブロックされないたび、/Whenever [a creature] attacks and isn’t blocked,」という能力は、攻撃クリーチャー指定ステップではなく、ブロック・クリーチャー指定ステップ の間に 誘発する。rule 509.5g 参照。

508.4. クリーチャー攻撃している状態で戦場に出る場合、そのコントローラーは、そのクリーチャー戦場に出るに際して、どの防御プレイヤー防御プレイヤーコントロールしているどのプレインズウォーカー、あるいは防御プレイヤー守る者であるどのバトル攻撃するのかを(戦場に出した効果が特定していないかぎり)選択する。同様に、効果によってクリーチャー攻撃している状態になるという場合、それのコントローラーは、どの防御プレイヤー防御プレイヤーコントロールしているどのプレインズウォーカー、あるいは防御プレイヤー守る者であるどのバトル攻撃している状態になるのかを(その効果が特定していないかぎり)選択する。それらのクリーチャーは「攻撃している/attacking」が、誘発イベント効果に関しては「攻撃した/attacked」ものとしては扱わない。

508.4a 何らかの効果によってクリーチャーが特定のプレイヤー攻撃している状態で戦場に出る場合、そのプレイヤーがその効果解決時に既にゲームにいなければ、そのクリーチャー戦場に出るが、攻撃クリーチャーとしては扱わない。何らかの効果によってクリーチャーが特定のプレインズウォーカーバトル攻撃している状態で戦場に出て、その効果解決時にそのパーマネント戦場 にない場合やプレインズウォーカーでもバトルでもない場合にも同様である。

508.4b クリーチャー攻撃している状態になるという効果攻撃先として特定のプレイヤーを指定している場合、そのプレイヤーがその効果解決時に既にゲームに存在しなかったなら、そのクリーチャー攻撃クリーチャーにはならない。クリーチャーが特定のプレインズウォーカーバトル攻撃している状態にな効果で、その効果解決時にそのパーマネント戦場 にない場合やプレインズウォーカーでもバトルでもない場合も同様である。

508.4c 攻撃している状態で戦場に出る、あるいは攻撃している状態にな効果の影響を受けるクリーチャーは、その攻撃クリーチャー指定に関する強制制限の影響を受けない。

508.5. 攻撃クリーチャー能力防御プレイヤーを参照している場合、あるいは単一の呪文能力攻撃クリーチャー防御プレイヤーの両方を参照している場合、特に規定されていない限り、そのクリーチャー攻撃しているプレイヤー、そのクリーチャー攻撃しているプレインズウォーカーコントローラー、あるいはそのクリーチャー攻撃しているバトル守る者を参照する。そのクリーチャーがすでに攻撃していない場合、参照している防御プレイヤーは、そのクリーチャー戦闘から取り除かれる前に攻撃していたプレイヤー、そのクリーチャー戦闘から取り除かれる前に攻撃していたプレインズウォーカーコントローラー、またはそのクリーチャー戦闘から取り除かれる前に攻撃していたバトル守る者である。

508.5a 多人数戦において、「防御プレイヤー/defending player」を参照するルールやオブジェクトあるいは効果は、防御プレイヤー全員ではなく、特定の防御プレイヤー1人を参照する。複数の攻撃クリーチャーに適用される呪文能力である場合、該当する防御プレイヤーはそれぞれの攻撃クリーチャーごとに別々に決定される。複数の防御プレイヤーが選びうる場合、その呪文能力コントローラーが1人を選ぶ。

508.6. プレイヤーは、他のプレイヤー攻撃しているクリーチャーコントロールしている場合、「攻撃[プレイヤー]/attacking [a player]」となる。他のプレイヤー攻撃する1体以上の攻撃クリーチャーを指定した場合、そのプレイヤーは「[他のプレイヤー]を攻撃した/has attacked [a player]」状態になる。

508.7. クリーチャー攻撃しているプレイヤープレインズウォーカーバトルプレイヤーに選び直させることを認めるカードが存在する。

508.7a その攻撃クリーチャー戦闘から取り除かれることはなく、2回攻撃したものとしては扱わない。そのクリーチャーは選び直されたプレイヤーパーマネント攻撃しているが、攻撃クリーチャーとして宣言されるに際して選ばれたプレイヤーパーマネント攻撃したものとして扱われる。

508.7b クリーチャー攻撃しているプレイヤープレインズウォーカーバトルを選び直すに際しては、そのクリーチャー攻撃クリーチャー宣言に適用される強制制限の影響を受けない。

508.7c 選び直されたプレイヤープレインズウォーカーバトルは、その攻撃クリーチャーコントローラー対戦相手、その攻撃クリーチャーコントローラー対戦相手コントロールしているプレインズウォーカー、またはその攻撃クリーチャーコントローラー対戦相手守る者であるバトルでなければならない。

508.7d 「複数への攻撃」選択ルール(rule 802 参照)を使っていない多人数戦においては、選び直されたプレイヤープレインズウォーカーバトルは、選ばれた防御プレイヤー、そのプレイヤーコントロールしているプレインズウォーカー、またはそのプレイヤー守る者であるバトルでなければならない。

508.7e影響範囲限定選択ルール(rule 801 参照)を使った多人数戦においては、選び直されたプレイヤープレインズウォーカーバトルは、その攻撃クリーチャーコントローラー影響範囲内に存在しなければならない。バトルの場合、それを守る者もその攻撃クリーチャーコントローラー影響範囲内に存在しなければならない。

508.8. 攻撃クリーチャーが指定されず、攻撃している状態で戦場に出クリーチャーもなかった場合、ブロック・クリーチャー指定ステップ戦闘ダメージ・ステップ飛ばされる。

509. ブロック・クリーチャー指定ステップ

509.1. まず、防御プレイヤーブロック・クリーチャーを指定する。このターン起因処理スタックを用いない。ブロック・クリーチャーを指定するために、防御プレイヤーは以下の手順を踏む。ブロック・クリーチャーの指定中のどこかの時点で防御プレイヤーが手順を完了できなくなったら、その指定は不正である。ゲームは指定の始まる前まで巻き戻される。(rule 730不正な処理の扱い〕参照。)

509.1a 防御プレイヤーは、どのクリーチャーブロックするかを選ぶ(この選択は任意である)。選ぶクリーチャーアンタップ状態でなければならず、バトルであってはならない。選択したクリーチャーのそれぞれについて、防御プレイヤーは、ブロック先として自分、自分がコントロールしているプレインズウォーカー、または自分が守る者であるバトル攻撃してきているクリーチャー1体を選ぶ。

509.1b 防御プレイヤーは、自分がコントロールしている各クリーチャーが何らかの制限(そのクリーチャーではブロックできない、あるいは何らかの条件を満たさない限りそのクリーチャーではブロックできないという効果)があるかどうかを確認する。制限に違反していた場合、その指定は適正ではない。

 この制限回避能力(攻撃クリーチャーの持つ、ブロックされうる相手を制限する常在型能力)によって作られることがある。適正なブロックが指定された後で攻撃クリーチャー回避能力を得たり失ったりしても、そのブロックは影響を受けない。異なる複数の回避能力がある場合、それらはそれぞれに有効である。

例:攻撃クリーチャー飛行シャドーを持っていた場合、飛行を持っていてシャドーを持っていないクリーチャーはそれをブロックできない。

509.1c 防御プレイヤーは、自分がコントロールしている各クリーチャーが何らかの強制(そのクリーチャーブロックする、あるいは何らかの条件を満たした場合そのクリーチャーブロックするという効果)があるかどうかを確認する。従っている強制の数が、制限を破らない限りにおいて最大になっていない限り、ブロック・クリーチャーの指定は不正である。プレイヤーコスト支払わなければブロックできない場合、そのクリーチャーブロックすることによって従っている強制の数が増えるとしても、そのコスト支払うことは求められない。あるターンに可能ならブロックするという強制が複数の戦闘フェイズを含むターンを指していた場合、そのクリーチャーはそのターンのそれぞれのブロック・クリーチャー指定ステップに可能ならブロックする。

例:プレイヤーが2体のクリーチャーコントロールしていて、一方(クリーチャーA)には「可能ならブロックする。」という能力があり、他方(クリーチャーB)にはそういう能力はない。威迫を持つクリーチャーでそのプレイヤー攻撃した場合、そのプレイヤーは両方のクリーチャーブロックしなければならない。クリーチャーAだけでブロックすることは、威迫(その攻撃クリーチャーは2体以上のクリーチャーによってしかブロックされない)による制限に違反する。クリーチャーBだけでブロックすることは、威迫による制限クリーチャーAのブロック 強制に違反する。どちらのクリーチャーブロックしないのは制限には違反しないが強制に違反する。

509.1d ブロックに参加するためにコスト支払いが必要なクリーチャーがいる場合、防御プレイヤーブロックに参加するための総コストを決める。コストには、マナ支払い、パーマネントタップパーマネントの生け贄、カード捨てる、等々が含まれる。総コストが決定したら、それは「固定」される。この後に効果総コストを変更しようとしても、それは無視される。

509.1e コストマナ支払いが必要な場合、アクティブ・プレイヤーマナ能力起動する機会を得る(rule 605マナ能力〕参照)。

509.1f 自分のマナ・プールに充分な量のマナを入れてから、そのプレイヤーは好きな順番ですべてのコスト支払う。一部しか支払わないことは認められない。

509.1g 選ばれたクリーチャーがなお防御プレイヤーによってコントロールされている場合、選ばれたクリーチャーブロック・クリーチャー になる。戦闘から取り除かれるか、または戦闘フェイズが終わるまで、それはブロック・クリーチャーであり続ける。rule 506.4 参照。

509.1h ブロック・クリーチャーとして指定されたクリーチャーが1体以上存在する攻撃クリーチャーは、「ブロックされているクリーチャー/blocked creature」になる。ブロック・クリーチャーが存在しないクリーチャーは「ブロックされなかったクリーチャー/unblocked creature」になる。戦闘から取り除かれるか、何らかの効果によってブロックされている状態あるいはブロックされなかった状態になるか、または戦闘フェイズが終わるまでそのままである。それをブロックしているクリーチャーがすべて戦闘から取り除かれたとしても、ブロックされているクリーチャーブロックされているままである。

509.1i ブロック・クリーチャーが指定されることによって誘発する能力誘発する。rule 509.4 参照。

509.2. 次に、ブロックされている攻撃クリーチャーごとに、アクティブ・プレイヤーはそのクリーチャーブロックしているクリーチャー群の中でのダメージ割り振り順を任意に決めて宣言する。(戦闘ダメージ・ステップの間、攻撃クリーチャーがそれをブロックしているクリーチャー戦闘ダメージ与えるためには、ダメージ割り振り順でそれよりも前にあるクリーチャーすべてに致死ダメージが割り振られていなければならない。)このターン起因処理スタックを用いない。

例:《巨森を喰らうもの》は《ラノワールのエルフ》と《ルーン爪の熊》と《セラの天使》にブロックされている。《巨森を喰らうもの》のコントローラーは、《巨森を喰らうもの》のダメージ割り振り順を《セラの天使》→《ラノワールのエルフ》→《ルーン爪の熊》と宣言する。

509.2a ブロック・クリーチャー指定ステップの間、ブロック・クリーチャー戦闘から取り除かれたり、呪文能力によってその攻撃クリーチャーブロックするのを止めたりした場合、そのブロック・クリーチャーは該当するダメージ割り振り順から取り除かれる。他のブロック・クリーチャーの順番は変更されない。

509.3. その後、ブロック・クリーチャーごとに、防御プレイヤーはそれがブロックしているクリーチャー群の中でのダメージ割り振り順を任意に決めて宣言する。(戦闘ダメージ・ステップの間、ブロック・クリーチャーがそれにブロックされているクリーチャー戦闘ダメージ与えるためには、ダメージ割り振り順でそれよりも前にあるクリーチャーすべてに致死ダメージが割り振られていなければならない。)このターン起因処理スタックを用いない。

509.3a ブロック・クリーチャー指定ステップの間、攻撃クリーチャー戦闘から取り除かれたり、呪文能力によってそのブロック・クリーチャーがその攻撃クリーチャーブロックするのを止めたりした場合、その攻撃クリーチャーは該当するダメージ割り振り順から取り除かれる。他の攻撃クリーチャーの順番は変更されない。

509.4. その後、アクティブ・プレイヤー優先権を得る(rule 117〔タイミングと優先権〕参照)。

509.4a ブロック・クリーチャーが指定されたことで誘発した能力や、rule 509.1-3 で示された手順の間に 誘発した能力が、アクティブ・プレイヤー優先権を得る前に、それらの誘発した順番によらず、スタックに積まれる(rule 603誘発型能力の扱い〕参照)。

509.5. ブロック・クリーチャーが指定されたことによって誘発する誘発型能力には様々な誘発条件が存在しうる。

509.5a 「[クリーチャー]がブロックするたび、/Whenever [a creature] blocks,」と書いてある能力は、複数のクリーチャーブロックした場合でも、そのクリーチャーについては、1回の戦闘につき1回だけ、ブロック・クリーチャーとして指定されたときにのみ誘発する。また、この能力はそのクリーチャー効果の結果としてブロック・クリーチャー になったときにも誘発するが、それはその時点でブロック・クリーチャーでなかった場合だけである(rule 509.1g 参照)。そのクリーチャーブロックしている状態で戦場に出た場合には誘発しない。

509.5b 「[クリーチャー]がクリーチャー1体をブロックするたび、/Whenever [a creature] blocks a creature,」と書いてある能力は、指定されたクリーチャーブロックした攻撃クリーチャー1体につき1回、ブロック・クリーチャーとして指定されたときに誘発する。また、この能力はそのクリーチャー効果の結果としてブロック・クリーチャー になったときにも誘発するが、それはその時点でブロック・クリーチャーでなかった場合だけである。そのクリーチャーブロックしている状態で戦場に出た場合には誘発しない。

509.5c 「[クリーチャー]がブロックされた状態になるたび、/Whenever [a creature] becomes blocked,」と書いてある能力は、そのクリーチャーが複数のクリーチャーによってブロックされた場合でも1回の戦闘につき1回、少なくとも1体のブロック・クリーチャーが指定されてブロックされた状態になるときに誘発する。また、効果によってその攻撃クリーチャーブロックされたり、クリーチャーブロックした状態で戦場に出されたりした場合にも誘発するが、それはその戦闘においてそのクリーチャーがまだブロックされていない場合に限る。(rule 509.1h 参照)

509.5d 「[クリーチャー]がクリーチャー1体にブロックされた状態になるたび/Whenever [a creature] becomes blocked by a creature」と書いてある能力は、そのクリーチャーブロックするクリーチャー1体につき1回、ブロック・クリーチャーが指定されてブロックされた状態になるときに誘発する。効果によってクリーチャーがその攻撃クリーチャーブロックするときにも、そのブロック・クリーチャーがすでにその攻撃クリーチャーブロックしていたのでない限り誘発する。また、クリーチャーブロックした状態で戦場に出されたりした場合にも誘発する。クリーチャーによってではなく、何らかの効果によってブロックされた場合にはこの能力誘発しない。

509.5e 特定の数のクリーチャーブロックした、あるいはその数のクリーチャーによってブロックされたときに誘発する能力の場合、その能力クリーチャーがその数のクリーチャーによってブロックする/されるようなブロック・クリーチャーが指定された場合にだけ誘発する。ブロック・クリーチャーを加える/取り除く効果によっても、この能力誘発する。これはクリーチャーがある数以上のクリーチャーによってブロックする/されることによって誘発する能力にも適用する。

509.5f 特定の特性を持つクリーチャーブロックしたときに誘発する能力は、そのクリーチャーブロック・クリーチャーとして指定された、あるいは何らかの効果によってブロックした時点でその特性を持っていなければ誘発しない。特定の特性を持つクリーチャーブロックされたときに誘発する能力は、そのクリーチャーブロックされたクリーチャー になった時点でその特性を持っていなければ誘発しない。クリーチャーが特定の特性を持つクリーチャーによってブロックされたときに誘発する能力は、後者のクリーチャーブロック・クリーチャー になった時点でその特性を持っていなければ誘発しない。これらの能力は、その後でクリーチャー特性が変化して条件を満たすようになったとしてもそのときに誘発することはない。

例:「このクリーチャーが白のクリーチャー1体にブロックされた状態になるたび、戦闘終了時に、そのクリーチャー破壊する。」という能力を持つクリーチャーがいた。このクリーチャーが黒のクリーチャーブロックされたあと、そのクリーチャーを白に変えたとしてもこの能力誘発しない。

509.5g 「[クリーチャー]が攻撃してブロックされないたび、/Whenever [a creature] attacks and isn't blocked,」という能力は、そのクリーチャーブロック・クリーチャーが1体も指定されなかった場合に誘発する。(例えば攻撃した状態で戦場に出たなどで)そのクリーチャー攻撃クリーチャーとして指定されていなくても誘発する。ブロックされた後でブロック・クリーチャーがすべて戦闘から取り除かれたとしても、誘発しない。

509.6. 呪文能力によって戦場にいるクリーチャー攻撃クリーチャーブロックする場合、アクティブ・プレイヤーはそのブロック・クリーチャーの、その攻撃クリーチャーダメージ割り振り順における位置を宣言する。他のブロック・クリーチャーの順番は変わらない。その後、防御プレイヤーはその攻撃クリーチャーの、そのブロック・クリーチャーダメージ割り振り順における位置を宣言する。他の攻撃クリーチャーの位置は変わらない。これはブロック 効果の一部として行われる。

509.7. クリーチャーブロックした状態で戦場に出る場合、(その効果によって何をブロックした状態で戦場に出るかが特定されていない限り)そのコントローラーはどの攻撃クリーチャーブロックした状態で戦場に出るかアクティブ・プレイヤーはその新しいクリーチャーの、そのブロックされたクリーチャーダメージ割り振り順における位置を宣言する。他のブロック・クリーチャーの順番は変わらない。この方法で戦場に出クリーチャーは「ブロックしている/blocking」が、誘発イベント効果の面では「ブロックした/blocked」としては扱わない。

例:《大蜘蛛》が《峡谷のミノタウルス》によってブロックされた。防御プレイヤーが《瞬間群葉》を唱え、《大蜘蛛》をブロックした状態で苗木・クリーチャートークン生成した。《大蜘蛛》のコントローラーは、《大蜘蛛》のダメージ割り振り順を、まず苗木トークン、続いて《峡谷のミノタウルス》と宣言する。

509.7a 効果クリーチャーを特定のクリーチャーブロックしている状態で戦場に出す場合、その効果解決時点でブロックするべきクリーチャーがすでに攻撃クリーチャーでなくなっていたなら、そのクリーチャー戦場に出るが、ブロック・クリーチャーとしては扱われない。また、戦場に出クリーチャーコントローラーがその特定の攻撃クリーチャーから見た防御プレイヤーでなくなっていた場合にも同様である。

509.7b ブロックしている状態で戦場に出クリーチャーは、そのブロック・クリーチャー指定に関する強制制限の影響を受けない。

510. 戦闘ダメージ・ステップ

510.1. まず、アクティブ・プレイヤーは各攻撃クリーチャーがその戦闘ダメージをどう割り振るかを宣言し、次に防御プレイヤーは各ブロック・クリーチャー戦闘ダメージをどう割り振るかを宣言する。このターン起因処理スタックを用いない。戦闘ダメージの割り振りについては、次のルールに従う。

510.1a攻撃クリーチャーと各ブロック・クリーチャーは、それぞれ自分のパワーに等しいだけの戦闘ダメージを割り振る。0点以下のダメージを割り振ることになクリーチャーは、戦闘ダメージをまったく割り振らない。

510.1b ブロックされていないクリーチャーは、その戦闘ダメージ攻撃している先のプレイヤープレインズウォーカーバトルに割り振る。何も攻撃していない場合(たとえば、既に戦場を離れているプレインズウォーカー攻撃していた場合)、戦闘ダメージを割り振らない。

510.1c ブロックされたクリーチャーは、戦闘ダメージをそれをブロックしているクリーチャーに割り振る。この時点でブロック・クリーチャーが1体もいない場合(たとえば、それらのクリーチャー破壊されたり戦闘から取り除かれていたりする場合)、そのクリーチャー戦闘ダメージを割り振らない。1体のクリーチャーだけがブロックしていた場合、そのクリーチャー戦闘ダメージをすべてそのクリーチャーに割り振る。2体以上のクリーチャーブロックしていた場合、宣言してあったダメージ割り振り順に従ってそれらのクリーチャー戦闘ダメージを割り振る。この場合、そのブロックされたクリーチャー戦闘ダメージは複数に分割されることもある。しかしながら、ブロック・クリーチャー戦闘ダメージを割り振るには、戦闘ダメージの割り振りが終わった時点で、ダメージ割り振り順においてそれよりも前にあるブロック・クリーチャーすべてに致死ダメージが割り振られていなければならない。致死ダメージを割り振っているかどうかを見る場合、そのクリーチャーが既に負っているダメージと、他のクリーチャーが同じ戦闘ダメージ・ステップに割り振っているダメージを計算に入れるが、実際に受けるダメージを変更する類の能力効果は考慮しない。クリーチャー致死ダメージ以上のダメージを割り振ってもよい。

例:攻撃クリーチャー巨森を喰らうもの》(5/6)のダメージ割り振り順は、《群れの護衛》(0/3)、《ラノワールのエルフ》(1/1)の順である。《巨森を喰らうもの》は戦闘ダメージを、《群れの護衛》に3点と《ラノワールのエルフ》に2点と割り振ることも、《群れの護衛》に4点と《ラノワールのエルフ》に1点と割り振ることも、《群れの護衛》に5点割り振ることもできる。

例:攻撃クリーチャー巨森を喰らうもの》(5/6)のダメージ割り振り順は、《群れの護衛》(0/3)、《ラノワールのエルフ》(1/1)の順である。ブロック・クリーチャー指定ステップ の間に防御プレイヤーは《群れの護衛》を対象にして、ターン終了時まで+3/+3の修整を得させる《巨大化》を唱えた。《巨森を喰らうもの》は、5点のダメージすべてを《群れの護衛》に割り振ることしかできない。

例:攻撃クリーチャー巨森を喰らうもの》(5/6)のダメージ割り振り順は、《群れの護衛》(0/3)、《ラノワールのエルフ》(1/1)の順である。ブロック・クリーチャー指定ステップ の間に防御プレイヤーは《群れの護衛》を対象にして、受けるダメージを4点軽減する《繕いの手》を唱えた。《巨森を喰らうもの》は戦闘ダメージを、《群れの護衛》に3点と《ラノワールのエルフ》に2点と割り振ることも、《群れの護衛》に4点と《ラノワールのエルフ》に1点と割り振ることも、《群れの護衛》に5点割り振ることもできる。

例:攻撃クリーチャー超大なベイロス》(7/7)のダメージ割り振り順は、既に2点のダメージを負っている《訓練されたアーモドン》(3/3)、《フォライアスの大部隊》(追加で1体のクリーチャーブロックすることができる2/4クリーチャー)、《シルバーバック》(5/5)の順である。攻撃クリーチャーダークウッドの猪》(4/4)のダメージ割り振り順は、同一の《フォライアスの大部隊》、《ゴブリンの長槍使い》(2/1)の順である。他の可能性もあるが、アクティブ・プレイヤーは《超大なベイロス》からの戦闘ダメージを、《訓練されたアーモドン》に1点、《フォライアスの大部隊》に1点、《シルバーバック》に5点、そして《ダークウッドの猪》からの戦闘ダメージを、《フォライアスの大部隊》に3点、《ゴブリンの長槍使い》に1点、と割り振ることができる。

510.1d ブロック・クリーチャーは、戦闘ダメージをそれにブロックされているクリーチャーに割り振る。この時点でブロックされているクリーチャーが1体もいない場合(たとえば、それらのクリーチャー破壊されたり戦闘から取り除かれていたりする場合)、そのクリーチャー戦闘ダメージを割り振らない。1体のクリーチャーだけをブロックしていた場合、そのクリーチャー戦闘ダメージをすべてそのクリーチャーに割り振る。2体以上のクリーチャーブロックしていた場合、宣言してあったダメージ割り振り順に従ってそれらのクリーチャー戦闘ダメージを割り振る。この場合、そのブロック・クリーチャー戦闘ダメージは複数に分割されることもある。しかしながら、ブロックされているクリーチャー戦闘ダメージを割り振るには、戦闘ダメージの割り振りが終わった時点で、ダメージ割り振り順においてそれよりも前にあるブロックされているクリーチャーすべてに致死ダメージが割り振られていなければならない。致死ダメージを割り振っているかどうかを見る場合、そのクリーチャーが既に負っているダメージと、他のクリーチャーが同じ戦闘ダメージ・ステップに割り振っているダメージを計算に入れるが、実際に受けるダメージを変更する類の能力効果は考慮しない。クリーチャー致死ダメージ以上のダメージを割り振ってもよい。

510.1e プレイヤーが自分がコントロールしている攻撃クリーチャーまたはブロック・クリーチャーからの戦闘ダメージを割り振ったなら、(各個の攻撃クリーチャーあるいはブロック・クリーチャーダメージ割り振りではなく)そのダメージの割り振り全体が上記のルールに則っているかどうか確認される。則っていなければ、戦闘ダメージの割り振りは不適正であり、ゲームは戦闘ダメージ割り振りの直前に巻き戻される(rule 730不正な処理の扱い〕参照)。

510.2. 次に、割り振られている戦闘ダメージすべてを同時に受ける。このターン起因処理スタックを用いない。戦闘ダメージの割り振りから実際に受けるまでの間に呪文唱えたり能力起動したりする機会は存在しない。

例:《戦隊の鷹》(飛行つき1/1クリーチャー)と《ゴブリンの長槍使い》(2/1クリーチャー)が攻撃している。防御プレイヤーは《モグの狂信者》(「モグの狂信者を生け贄に捧げる:クリーチャープレインズウォーカープレイヤーのうち1つを対象とする。モグの狂信者はそれに1点のダメージ与える。」という能力を持つ1/1クリーチャー)で《ゴブリンの長槍使い》をブロックし、ブロック・クリーチャー指定ステップ の間にモグの狂信者》を生け贄に捧げて《戦隊の鷹》に1点のダメージ与えた。《戦隊の鷹》は破壊され、《ゴブリンの長槍使い》はこのターン、戦闘ダメージ与えない。防御プレイヤーが《モグの狂信者》を生け贄に捧げずに戦場に残した場合、《モグの狂信者》と《ゴブリンの長槍使い》はお互いに致死ダメージ与え合うが、《戦隊の鷹》はダメージを受けない。

510.3. その後、アクティブ・プレイヤー優先権を得る(rule 117〔タイミングと優先権〕参照)。

510.3a ダメージを受けたことによって誘発した能力や、その後に状況起因処理が行われている間に誘発した能力が、アクティブ・プレイヤー優先権を得る前に、それらの誘発した順番によらず、スタックに積まれる(rule 603誘発型能力の扱い〕参照)。

510.4. 1体以上の攻撃クリーチャーまたはブロック・クリーチャーが、戦闘ダメージ・ステップの開始時に先制攻撃(rule 702.7 参照)や二段攻撃(rule 702.4)を持っていた場合、そのステップ戦闘ダメージ与えるのは先制攻撃二段攻撃を持っているクリーチャーだけである。そのステップの後に、戦闘終了ステップに進む代わりに、第2戦闘ダメージ・ステップが発生する。このステップ戦闘ダメージを割り振るのは、最初の戦闘ダメージ・ステップの開始時に先制攻撃二段攻撃も持っていなかったクリーチャーか、この時点で二段攻撃を持っているクリーチャーだけである。そのステップの後で、戦闘終了ステップに移行する。

511. 戦闘終了ステップ

511.1. 戦闘終了ステップにはターン起因処理は存在しない。ステップが開始したら、アクティブ・プレイヤー優先権を得る(rule 117〔タイミングと優先権〕参照)。

511.2. 「戦闘終了時に/At end of combat」誘発する能力が、戦闘終了ステップの開始に際して誘発する。「戦闘終了時まで/Until end of combat」残る効果は、戦闘フェイズの終了時に消滅する。

511.3. 戦闘終了ステップが終わった瞬間に、すべてのクリーチャーバトルプレインズウォーカー戦闘から取り除かれる。戦闘終了ステップの終了後、戦闘フェイズは終了し、戦闘後メイン・フェイズ(rule 505 参照)が始まる。

512. 終了フェイズ

512.1. 終了フェイズは順に「終了/end」「クリンナップ/cleanup」の2つのステップからなる。

513. 終了ステップ

513.1. 終了ステップにはターン起因処理は存在しない。ステップの開始時に、アクティブ・プレイヤー優先権を得る(rule 117〔タイミングと優先権〕参照)。

513.1a かつて、終了ステップの開始時に誘発する能力誘発条件は「ターン終了時に/at end of turn」という表記が用いられていた。そのように記載されているカードは、オラクルで訂正され、「終了ステップの開始時に、」または「次の終了ステップの開始時に、」となっている。

513.2.終了ステップの開始時に」誘発する能力を持ったパーマネントがこのステップ の間に 戦場に出た場合、その能力は次のターンの終了ステップまで誘発しない。同様に、「次の終了ステップの開始時に」誘発する遅延誘発型能力がこのステップ の間に作られた場合、その能力は次のターンの終了ステップまで誘発しない。言い換えると、このステップは、それらの能力スタックに積まれるように「巻き戻される」ことはない。このルールは誘発型能力にのみ適用される。「ターン終了時まで/until end of turn」「このターン/this turn」残る継続的効果には適用されない。(rule 514クリンナップ・ステップ〕参照。)

514. クリンナップ・ステップ

514.1. まず、アクティブ・プレイヤー手札がその上限枚数(通常7枚)を超えていた場合、そのプレイヤーは上限枚数になるまで手札捨てる。このターン起因処理スタックを用いない。

514.2. 次に、以下の処理が同時に行われる。パーマネント(フェイズ・アウトしているパーマネントも含む)が負っているすべてのダメージが取り除かれ、すべての「ターン終了時まで/until end of turn」「このターン/this turn」の効果が終了する。このターン起因処理スタックを用いない。

514.3. 通常、クリンナップ・ステップ中にはプレイヤー優先権を得ないので、呪文唱えたり能力起動したりすることはできない。このルールには以下の例外が存在する。

514.3a この時点で、ゲームは、発生する状況起因処理が存在するか、また(「次のクリンナップ・ステップの開始時に/at the beginning of the next cleanup step」誘発するものを含む)スタックに積まれるのを待っている誘発型能力が存在するかどうかを確認する。もし存在したなら、まず状況起因処理が処理され、次に誘発型能力スタックに積まれてからアクティブ・プレイヤー優先権を得て、プレイヤー呪文唱えたり能力起動したりできる。スタックが空の状態ですべてのプレイヤー続けてパスしたなら、再びクリンナップ・ステップが新しく始まる。

6. 呪文能力効果

600. 総則

601. 呪文唱えること

601.1. かつて、呪文唱えること、あるいはカード呪文として唱えることを、その呪文カードを「プレイする/playing」と表記していた。そのように記載されているカードは、オラクルで訂正され、呪文カードを「唱える/casting」となっている。

601.1a 効果の一部は、カードを「プレイする/playing」となったままである。カードプレイするとは、そのカード土地としてプレイするか、呪文として唱えるか、該当する方のことを指す。

601.2. 呪文唱えるとは、やがて解決されてその効果が発生するよう、それを現在ある場所(通常は手札)から取り、スタックに積み、コスト支払うことである。呪文唱える、という中には、その呪文の提示(rule 601.2a-d)と、コストの決定と支払い(rule 601.2f-h)が含まれる。呪文唱えることは、以下の順番で以下の手順を踏む。プレイヤーがこの手順を始めるには、その呪文を適正に唱えられる必要がある(rule 601.3 参照)。下記に列記されている手順の実行中にその手順で必要なことができなかったら、その呪文唱えることは不正である。ゲームはその呪文が提示される直前の瞬間まで巻き戻される(rule 730不正な処理の扱い〕参照)。

601.2a 呪文唱えることを提示する場合、プレイヤーはまずそのカード(あるいはそのカードコピー)を元の領域からスタックへと動かす。それはスタックの一番上にあるオブジェクトとなる。これはそのカード(あるいはそのカードコピー)のすべての特性を持ち、そのプレイヤーがそのコントローラーとなる。あなたがその呪文唱え始めるに際してその特性を修整する継続的効果は、それがスタックに置かれるに際して始まる(rule 611.2f 参照)。呪文は、解決されるか打ち消されるか、あるいはルールや効果によって他の領域動かされるまでスタックにとどまる。

601.2b 呪文モードを持つ場合、プレイヤーモードの選択を宣言する(rule 700.2 参照)。プレイヤーがその呪文に他のカード連繋(rule 702.47 参照)したい場合、そのカード手札から公開する。その呪文が、バイバックキッカーと言った、代替コスト追加コスト(rule 118.8rule 118.9 参照)を持っている場合、プレイヤーはそのコストのうちどれを払うかを宣言する(rule 601.2f 参照)。単一の呪文に対し、複数の代替法で唱えたり、あるいは代替コスト支払ったりすることはできない。その呪文が、唱える間に支払う可変のコスト(マナ・コストに含まれる{X}など。rule 107.3 参照)を持つ場合、プレイヤーはその値を宣言する。その数字が、そのプレイヤーが後でその呪文の宣言中あるいは解決中に行う選択によってその呪文の文章中で定義されている場合、プレイヤーはその選択をこの時点で行う。その呪文唱える間に支払コスト混成マナ・シンボルが含まれている場合、プレイヤーは混成でないマナでどう支払うかを宣言する。その呪文唱える間に支払コストにファイレクシア・マナが含まれている場合、プレイヤーはそれらの各シンボルごとに2点のライフ支払うかそのマナ支払うかを宣言する。前段階での選択(墓地からフラッシュバック呪文唱えることを選んだ、変異つきクリーチャー裏向き唱えることを選んだなど)は、それ以降の選択を制約する。

601.2c プレイヤーは、その呪文の求める対象それぞれについて、適正なプレイヤーオブジェクトを選んで宣言する。代替コスト追加コスト(キッカーコストなど)を支払ったとき、あるいは特定のモードを選んだときにのみ対象を取りうる呪文は、それ以外の場合には対象を取りえないものとして唱えられる。同様に、代替コスト追加コストが選択された場合にだけ他の対象を取りえることがある。呪文が可変の数の対象を取る場合、プレイヤー対象を宣言する前にいくつの対象を取るのかを宣言する。対象の数が、呪文の文章によって定められていることがある。呪文の定める対象の数が決定されたら、その対象の数を決定するために参照された情報が変わったとしても、その数は変わらない。同じ「target」の語で示される中で(日本語版では、「[性質]N個」」「[性質]や[別の性質]のうちM個」としてまとめられている中で)、同じ対象を複数回選ぶことはできない。複数の対象群がある場合、同一のプレイヤーオブジェクトを(条件を満たしているなら)それぞれで1回ずつ対象に取ることができる。あるオブジェクトプレイヤー対象として選ばれなければならないという効果がある場合、対象を選ぶプレイヤーは、オブジェクトプレイヤー対象にできないとするルールや効果に反しない限りにおいて最大の数のその種の効果に従うように対象を選ぶ。選ばれたプレイヤーオブジェクトはその呪文対象となる。(それらが呪文対象となったときに誘発する能力はこの時点で誘発する。この呪文唱えられ終わるまで、その能力スタックには積まれない。)

例:「クリーチャー2体を対象とする。それらをタップする。」という能力があった場合、同じクリーチャーを2回対象にすることはできず、適正な対象2つが必要である。一方、「アーティファクト1つと土地1つを対象とする。それらを破壊する。」という能力があった場合、対象群は2つあるので、アーティファクト・土地1つを2回対象にすることができる。

601.2d 呪文によって、プレイヤーが1つ以上の対象を含む複数のオブジェクトプレイヤーダメージカウンターなどの効果を分割したり分配したりするとき、そのプレイヤーは、選ばれたプレイヤーオブジェクトそれぞれが最低限それを1つは受けるように、量と分割の仕方を選ぶ。

601.2e ゲームは提示された呪文が適正に唱えられるかどうかを見る。提示された呪文が不正だった場合、ゲームはその呪文唱えることが提示される直前の瞬間に戻る(rule 730不正な処理の扱い〕参照)。

601.2f プレイヤーはその呪文総コストを決定する。通常、そのマナ・コストだけである。追加コスト代替コストを持つ呪文や、支払うべきコストを増減させる効果、あるいは他の代替コストを使えるようにする効果も存在する。コストには、マナ支払い、パーマネントタップパーマネントの生け贄、手札カード捨てる、などが含まれる。総コストとは、マナ・コストまたは代替コスト(rule 601.2b で決定したもの)に、すべての追加コストコストの増加分を加え、コストの減少分をいたものである。複数のコスト減少が適用される場合、そのプレイヤーは任意の順番でそれらを適用する。コストの増減を計算した結果として総コストマナ部分がなくなった場合、それは{0}として扱う。{0}未満に減少することはない。この計算後、総コストを直接変更する効果が適用され、総コストが「固定」される。この後で効果総コストを変更しようとしても、何の効果もない。

601.2g 総コストの中にマナ支払いが含まれる場合、そのプレイヤーマナ能力起動する機会(rule 605マナ能力〕参照)を得る。マナ能力コスト支払う前に起動する必要がある。

601.2h プレイヤーはその総コスト支払う。まず、無作為の要素やライブラリーから公開領域オブジェクト動かすことを含まないすべてのコストを任意の順で支払う。その後、残りのすべてのコストを任意の順で支払う。一部分だけ支払うことは許されない。それらのうち支払うことのできないものを支払うことは選べない。

例:マナ・コストが{1}{B}でクリーチャー1体を生け贄に捧げ追加コストを持つ《祭壇の刈り取り》を唱える。ここで、あなたの黒の呪文唱えるためのコストを{1}減らす効果を持つ《雷景学院の使い魔》をこの追加コストとして生け贄に捧げた場合、呪文総コストは実際に支払いが行われる前に「固定」されているので、《祭壇の刈り取り》のコストは{1}{B}になることはなく、{B}となったままである。

601.2i rule 601.2a-h で示された手順が完了したら、その呪文唱えられるに際してその呪文特性を変更する効果が適用される。その後、その呪文唱えられたことになる。呪文唱えられたこと、あるいはスタックに積まれたことによる誘発型能力は、この時点で誘発する。その呪文コントローラーがそれを唱える前に優先権を持っていた場合、そのプレイヤー優先権を得る。

601.3. プレイヤーは、ルールや効果によって唱えることが認められていない限り、呪文唱え始めることはできない。呪文を提示し終わったあとで唱えることが認められなくなった場合、その呪文唱えることは不正であり、ゲームはその呪文唱えることを提示する直前の瞬間に戻る(rule 730不正な処理の扱い〕参照)。

601.3a 効果によって特定の性質を持つ呪文唱えることが禁止されている場合も、プレイヤー呪文を提示している間に行われる選択によってその呪文の性質が変わり、その効果が適用されなくなるなら、そのプレイヤーはその効果を無視してその呪文唱え始めてもよい。

例:プレイヤーが「あなたの 対戦相手マナ総量が偶数のすべての呪文唱えられない。(0は偶数である。)」の能力を持つ《虚空の選別者》をコントロールしているとき、その対戦相手マナ・コストが{X}{R}{R}である《とどろく雷鳴》を唱え始めることができる。これはXの値の選択によって、その呪文マナ総量が奇数になることがありうるからである。

601.3b 効果によって特定の性質を持つ呪文瞬速を持つかのように 唱えることが認められている場合、そのプレイヤーは、その呪文の性質を変えうるような選択をその呪文を提示している間にすることを考えてもよい。それらの選択によって、その効果が適用されるようになるなら、そのプレイヤーはそれが瞬速を持つかのようにその呪文唱え始めてもよい。

例:オーラ呪文瞬速を持つかのように 唱えてもよいという効果があり、手札授与を持つクリーチャーカードがある場合、授与 呪文代替コストを選ぶことでその呪文オーラ呪文 になるので、瞬速を持つかのようにその呪文唱え始めることは適正である。

601.3c 効果によって、プレイヤー代替コスト追加コスト支払った場合に呪文瞬速を持つかのように 唱えることが認められている場合、そのプレイヤーはその呪文瞬速を持つかのように 唱え始めることができる。

601.3d 呪文が特定の条件を満たした時にのみ瞬速を持つ場合、その条件を満たしているなら、そのコントローラー瞬速を持つかのように 唱え始めることができる。

601.3e ルールや効果が、カードカードコピー唱えるのが適正かどうかを判断するのに代替の特性群あるいは特性群の一部だけを参照することがある。その判断のためには、代替の特性でそのオブジェクト特性を置き換える。そのオブジェクトがそれらの特性を持つようになった場合に適用される継続的効果も考慮される。

例:《ガラクの大軍》には、「あなたの ライブラリーの一番上からクリーチャー呪文唱えてもよい。」という効果が存在する。あなたが《ガラクの大軍》をコントロールしていて、あなたの ライブラリーの一番上のカード変異を持っていてクリーチャーでないカードだった場合、あなた変異 能力を用いてそれを唱えてもよい。

例:《イゼットの模範、メーレク》には、「あなたの ライブラリーの一番上からインスタントソーサリーである呪文唱えてもよい。」という効果が存在する。あなたが《イゼットの模範、メーレク》をコントロールしていて、あなたの ライブラリーの一番上にあるカードが《切り落とし》というインスタントの出来事を持つ当事者・クリーチャーカードである《巨人落とし》だった場合、あなたは《切り落とし》を唱えることはできるが《巨人落とし》を唱えることはできない。あなたコントロールしているカードが《イゼットの模範、メーレク》でなく《ガラクの大軍》でライブラリーの一番上のカードが《巨人落とし》だった場合、あなたは《巨人落とし》を唱えることはできるが《切り落とし》を唱えることはできない。

601.3f 効果の中に、プレイヤー追放 領域にある裏向きカードの中から特定の性質を持つ呪文唱えられるようにするものがある。プレイヤーは、追放 領域にあるその裏向きカードを見ることができる場合にのみその種の呪文唱え始めることができる。

601.4. rule 601.2bにあるモード代替コスト追加コストの選択の宣言中に、そのルールの指示に従うと後で行なわれることになる他の選択によって可能になる選択肢がある場合がある。その場合、その呪文コントローラーはその段階でそれらの選択がされると考えてもよい。それらの選択によって特定のモード代替コスト追加コストが選べるようになるなら、選んでもよい。

例:《豊穣の碑文》はキッカーモードを持呪文で、「以下から1つを選ぶ。この呪文キッカーされていたなら、代わりに以下から望む数だけ選ぶ。」と書かれている。この呪文で選んだモードを宣言するとき、キッカーコスト支払いの選択は宣言の手順上それよりも後であるが、コントローラーは望む数のモードを選ぶことができる。

601.5. プレイヤーが、呪文の提示が終わったあとでその呪文唱えることができない場合(rule 601.2a-d 参照)、その呪文唱えることは不正であり、ゲームはその呪文唱えることが提示される前の瞬間まで巻き戻る(rule 730不正な処理の扱い〕参照)。その呪文コストを決定して支払う間(rule 601.2f-h 参照)や、呪文唱えられたあとに、ルールや効果がその呪文唱えることを不正なものにしても関係ない。

601.5a プレイヤーが、特定の条件を満たしたことによって瞬速を持っている呪文、あるいは特定の条件を満たしたことによって瞬速を持つかのように 唱えられる呪文(rule 601.3d 参照)を唱え始めたら、その条件が満たされなくなったとしても瞬速を持つかのようにその呪文唱え続けることができる。

601.6. 呪文の中には、唱えるときに通常そのコントローラーが行うこと、つまりモード対象の選択などを、そのコントローラー対戦相手に行うように指定するものがある。こういった場合、対戦相手はその呪文コントローラーが通常行うのと同じタイミングでその選択を行う。

601.6a 選択を行える対戦相手が複数いる場合、その呪文コントローラーがどちらの対戦相手に選択を行わせるかを決める。

601.6b その呪文唱えられるときに、そのコントローラーと他のプレイヤーに同時に何らかの行動をさせる場合、呪文コントローラーが先に行い、その後で他方のプレイヤーが行う。これは rule 101.4 の例外である。

601.7. コストを変える呪文唱えても、既にスタックにある呪文能力には影響しない。

602. 起動型能力起動

602.1. 起動型能力は、コスト効果を持ち、「[コスト]:[効果。][(あるなら)起動指示。]/[Cost]: [Effect.] [Activation instructions (if any).]」という書式で書かれている。

602.1a コロン(:)の前に書かれているものすべてが起動コストである。能力起動するプレイヤーは、その起動コスト支払わなければならない。

例:「{2}, {T}:あなたは1点のライフを得る。」という能力起動コストは、任意のタイプマナ2点に加えて、その能力を持つパーマネントタップすることである。

602.1b 起動型能力のコロンの後に続く文章が、その能力起動するときに従わなければならない説明を含んでいる場合がある。そのような文章は、誰が能力起動できるかを指定したり、いつ能力起動できるかを制限したり、起動コストの一部を定義したりしている。これらの文章は能力効果の一部ではない。これは常に機能している。起動型能力起動指示は、能力効果の後、一番最後に書かれる。

602.1c 起動型能力だけが起動されうる能力である。能力の種類の特定なく「能力起動する/activating an ability」ことについてオブジェクトやルールが参照していた場合、それは起動型能力のことを示す。

602.1d かつて、起動型能力を使うことを、その能力を「プレイする/playing」と表記していた。そのように記載されているカードは、オラクルで訂正され、能力を「起動する/activating」となっている。

602.1e 能力の「起動コスト/activation cost」を参照する呪文能力が、プレイヤーがそのコスト支払う方法を変更する場合、その変更は、そのコストが他の効果によって増減したとしても、その能力総コストに適用される。 rule 602.2b および rule 601.2f 参照。

602.2. 能力起動するとは、やがて解決されてその効果が発生するよう、能力スタックに積み、コスト支払うことである。特に示されていない限り、そのオブジェクトコントローラー(コントローラーがいない場合にはオーナー)だけがそのオブジェクト起動型能力起動できる。能力起動することは、以下の手順を踏む。能力起動する途中のどこかの時点でプレイヤーが手順を完了できなくなったら、その能力起動は不正である。ゲームは能力起動し始める前まで巻き戻される(rule 730不正な処理の扱い〕参照)。一旦なされた宣言や支払いを変更することはできない。

602.2a プレイヤーは、能力起動することを宣言する。非公開領域から能力起動された場合、その能力を持つカード公開する(rule 701.16a 参照)。能力カードでないオブジェクトとしてスタック生成され、スタックの一番上にあるオブジェクトとなる。これはそれを生成した能力の文章を持ち、他の特性を持たない。そのコントローラーは、その能力起動したプレイヤーである。能力は、打ち消されるか解決されるか、他の効果によって他の領域動かされるまでスタックにとどまる。

602.2b これ以降の手順は、呪文唱える手順として rule 601.2b-i に記されていたのと同じである。これらのルールは、呪文唱えることに適用されたのと同じように能力起動することに適用される。起動型能力の、(rule 601.2f で参照されている)呪文で言うマナ・コストにあたるものは、起動コストである。

602.3. 能力の中には、起動するときに通常そのコントローラーが行うこと、つまりモード対象の選択などを、そのコントローラー対戦相手に行うように指定するものがある。こういった場合、対戦相手はその能力コントローラーが通常行うのと同じタイミングでその選択を行う。

602.3a 選択を行える対戦相手が複数いる場合、その能力コントローラーがどちらの対戦相手に選択を行わせるかを決める。

602.3b その能力起動されるときにそのコントローラーと他のプレイヤーに同時に何らかの行動をさせる場合、能力コントローラーが先に行い、その後で他方のプレイヤーが行う。これは rule 101.4 の例外である。

602.4. コストを変える能力起動しても、既にスタックにある呪文能力には影響しない。

602.5. プレイヤーは、起動が禁止されている能力起動し始めることはできない。

602.5a 起動コストタップ・シンボル({T})またはアンタップ・シンボル({Q})を含む、クリーチャー起動型能力は、そのコントローラーが自分のターン開始時から続けてそのクリーチャーコントロールしていない限り起動できない。速攻を持つクリーチャーはこのルールを無視する(rule 702.10 参照)。

602.5b 起動型能力の使用に限定がある(例えば、「各ターンに1回しか起動できない。」)場合、その限定はたとえコントローラーが変化しても適用され続ける。

602.5c オブジェクトが他のオブジェクトから使用に限定のある起動型能力を得た場合、その限定はそのオブジェクトから得た能力だけに適用され、他の同一の能力には適用されない。

602.5d起動ソーサリーとしてのみ行う/Activate only as a sorcery」と書かれている起動型能力は、それを起動するに際してソーサリー呪文唱えるのと同じタイミングのルールに従う、というだけであり、その能力ソーサリーであるということではない。また、そのプレイヤーが実際にソーサリーカードを持っている必要はない。

602.5e起動インスタントとしてのみ行う/Activate only as an instant」と書かれている起動型能力は、それを起動するに際してインスタント呪文唱えるのと同じタイミングのルールに従う、というだけであり、その能力インスタントであるということではない。また、そのプレイヤーが実際にインスタントカードを持っている必要はない。

603. 誘発型能力の扱い

603.1. 誘発型能力誘発条件効果を持ち、「[誘発条件またはイベント]とき/たび/時に, [効果] [指示(ある場合)]/When/Whenever/At [Trigger condition or event], [effect]. [Instructions (if any).]」という書式で書かれている。

603.1a 誘発型能力効果の後に、その能力対象に取れるものを制限していたり、打ち消されないことが記載されたりといった指示があることがある。この文章はその能力効果の一部ではなく、その能力スタックにある間に働く。

603.2. 誘発型能力は、ゲームのイベントやゲームの状況がその能力誘発イベントを満たすたび、自動的に誘発する。能力はこの時点では何もしない。

603.2a 唱えられることも起動されることもないので、誘発型能力呪文唱えたり能力起動したりできないときにも誘発する。能力起動できないようにする効果は、誘発型能力には影響を及ぼさない。

603.2b フェイズステップの開始時に、「開始時に/at the beginning of」誘発する能力がすべて誘発する。

603.2c 能力は、その誘発イベントが発生するたびに一度だけ誘発する。しかし、そのイベントが複数の出来事を含んでいる場合、複数回誘発することもある。

例:「土地が1つ戦場から墓地に置かれるたび/Whenever a land is put into a graveyard from the battlefield」という誘発条件能力を持つパーマネントがあるときに、誰かがすべての土地破壊する呪文唱えた場合、その能力はその呪文解決中に墓地に送られた土地の枚数とおなじ回数だけ誘発する。

603.2d 能力によって、誘発型能力が追加で誘発するという場合がある。この場合、単純にその種の能力誘発したと決定するのではなく、それが何回誘発するべきかを決定し、それからその能力がその回数誘発する。その能力誘発させるという効果がそれ自身を何度もき起こすことはなく、その能力が何回誘発するかに影響を与える他の効果に適用されることもない。

603.2e 効果の中には、オブジェクト誘発型能力に言及しているものがある。それらの効果は、そのオブジェクトが持つ誘発型能力だけを参照し、そのオブジェクトが持つ能力によって生成されうる遅延誘発型能力(rule 603.7 参照)は参照しない。

603.2fになる/becomes」という語を用いている誘発イベント(たとえば「ついた状態になる/becomes attached」「ブロックされた状態になる/becomes blocked」など)が存在する。これらはその示されたイベントが発生したときにのみ誘発する。すなわち、元々その状態であった場合に誘発することはないし、その状態であり続ける間は再び誘発することはない。「タップ状態 になる/becomes tapped」や「アンタップ状態 になる/becomes untapped」ときに誘発する能力は、パーマネントがその位相戦場に出たときには誘発しない。

例:パーマネントが「タップ状態 になった」ときに誘発する能力は、戦場にあるパーマネント位相アンタップ状態からタップ状態 になった時にのみ誘発する。

603.2g 誘発型能力誘発条件が満たされたときにその誘発型能力を持ったオブジェクトがすべてのプレイヤーに見える状態でなかった場合、その能力誘発しない。

603.2h 能力は、その誘発イベントが実際に発生したときにのみ誘発する。軽減されたり置換されたりしたイベントによって誘発することはない。

例:ダメージを受けたことによって誘発する能力は、その