GAME PLAY
RULES
- ルール文書 -マジック総合ルール(和訳 20240730.0 版)
このルールに関して、英語を正文とし、ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社が著作権を持ちます。
英文は https://magic.wizards.com/en/rules にあります。
(このファイルの最後にも詳細は記述してあります)
このファイルは、マジック:ザ・ギャザリングのComprehensive Rulesを、International Judge Programの 日本マジックジャッジルール文書翻訳チーム が 2024-07-30 に翻訳したものです。 作成にあたり*ぱお*/米村 薫氏らによる翻訳を基にしています。
もくじ
0. はじめに
1. ゲームの考え方
200. 全般
300. 総則
5. ターンの構造
500. 総則
600. 総則
7. その他のルール
800. 総則
803. 「左翼への攻撃」「右翼への攻撃」選択ルール
10. 用語集
マジック:ザ・ギャザリング 総合ルール
0. はじめに
この文書は、マジック:ザ・ギャザリングの競技的ゲームプレイにおける最高権威である。この文章は、章立てられたルールと、用語集からなっている。ルールの多くは細分化され、それぞれのルールとサブルールには番号が振られている。(なお、サブルールの項番において"l"と"o"はそれぞれ"1"、"0"と似ているため欠番となっている。たとえば、rule 704.5kの次はrule 704.5m、rule 704.5n、rule 704.5p となっている。)
この文章は公開された以降に更新されることがある。最新版は https://magic.wizards.com/en/rules からダウンロードできる。
1. ゲームの考え方
100. 原則
100.1. このマジックのルールは、2人以上のプレイヤーによるマジックのゲームに適用される。2人対戦と多人数戦が含まれる。
100.2. ゲームをするにあたって、各プレイヤーは、自分の、定形のマジックのカードで作られたデッキと、トークンやカウンターを示す小さな物、ライフの総量をはっきり示す方法、を必要とする。
100.2a 構築環境(各プレイヤーが自分のデッキを作っておいて持ち寄るという遊び方)では、各デッキの最小枚数は60枚である。構築 デッキは、任意の枚数の基本 土地・カードと、特定の英語名ごとに4枚以下の基本 土地以外のカードからなる。デッキ 構築に関しては、互換の名前を持つカードは同一の英語名を持つ(rule 201.3 参照)。
100.2b リミテッド環境(各プレイヤーが未開封のブースター・パックなどのマジックの製品を一定量受け取り、それと基本 土地・カードだけを用いて会内で自分のデッキを組むという遊び方)では、各デッキの最小枚数は40枚である。リミテッドにおいては、その製品に含まれていたものであるかぎり、同じカードを何枚デッキに入れても問題ない。
100.2c 統率者戦のデッキは追加のデッキ 構築の制限に従う。rule 903〔統率者戦〕参照。
100.2d 一部のフォーマットやカジュアル・プレイでは、プレイヤーに定形外のマジックのカードの補助デッキを使うことが認められている(rule 108.2a 参照)。それらの補助デッキにはそれぞれのデッキ 構築ルールが存在する。rule 717〔アトラクション・カード〕、rule 901〔プレインチェイス戦〕、rule 904〔アーチエネミー戦〕参照。
100.3. カードの中には、コインや一般的なサイコロを必要とするものがある。カジュアル変種ルールには、そのためにデザインされたカードや定形外のマジックのカードや特別なサイコロを必要とするものがある。rule 9〔カジュアル変種ルール〕参照。
100.4. 各プレイヤーはデッキの他に、ゲームとゲームの間に デッキを調整するために使う追加のカード群であるサイドボードを持っていてもよい。
100.4a 構築環境では、サイドボードには最大15枚のカードを使用できる。4枚制限(rule 100.2a 参照)はデッキとサイドボードの合計に適用される。
100.4b 個人で参加するリミテッド環境では、そのプレイヤーのカード・プールの中でデッキに入らなかったカードすべてがそのプレイヤーのサイドボードとなる。
100.4c 双頭巨人戦変種ルールを用いたリミテッド環境では、チームのカード・プールの中でどちらのプレイヤーのデッキにも入らなかったカードがチームのサイドボードとなる。
100.4d 双頭巨人戦以外のチーム戦変種ルールが適用されるリミテッド環境では、チームのカード・プールの中でどのプレイヤーのデッキにも入らなかったカードは、いずれか1人のプレイヤーのサイドボードとなる。各プレイヤーはそれぞれにサイドボードを持ち、プレイヤー間での受け渡しは認められない。
100.5. デッキに特定の枚数以上のカードが含まれていなければならない場合、その枚数のことをデッキの最小枚数と呼ぶ。統率者戦以外のデッキでは、デッキの最大枚数は存在しない。
100.6. ほとんどのマジックの大会(他のプレイヤーと、賞を求めて競い合う組織化プレイ活動)には、マジック・イベント規定(https://wpn.wizards.com/en/resources/rules-documents)に定められている追加のルールが適用される。例えば、古いセットからのカードはすべて禁止、などである。(訳注:日本語版は https://mjmj.info/data/ で公開されている)
100.6a ほとんどの大会は、複数のマッチからなる。2人対戦のマッチは通常1人のプレイヤーが2ゲームに勝つまで行われる。多人数戦のマッチは通常1ゲームからなる。
100.6b プレイヤーは最寄りの大会を見つけるため、Magic Store & Event Locator https://locator.wizards.com/ を使用することができる。
100.7. 一部のカードはカジュアルなプレイのためのものであり、このルールで扱っていない機能や文章を持っていることがある。これには、『Mystery Booster』のプレイテスト・カードや、プロモカードや、銀枠で印刷された「アン・セット」のカードや、『Unfinity』セットでカードの下側にどんぐりシンボルが描かれたカードがある。
101. マジックの黄金律
101.1. カードの文章がルールに直接矛盾しているときは、カードの記述が優先される。カードはその特定の状況に適用されるルールだけを無視する。このルールの唯一の例外として、プレイヤーはいつでも投了することができる(rule 104.3a 参照)。
101.2. ルールまたは効果によって何かをしてもよい、あるいは何かをするとされている時に、他の効果によってその同じことができないとされていた場合、「できない」という効果が優先される。
例:「このターン、あなたは追加で土地1枚をプレイしてよい。」という効果があり、他方では「このターン、あなたは土地をプレイすることはできない。」という効果があった場合、土地のプレイを禁止する効果のほうが優先される。
101.3. カードの記述の一部が実行不可能であった場合、その部分は無視される。(多くの場合、カードにその場合の処置が明記されている。そうでなければ、効果はない。)
101.4. 複数のプレイヤーが同時に何らかの選択を行なったり処理したりする場合、アクティブ・プレイヤー(そのターンのプレイヤー)が必要な選択をすべて行い、そのあとでターン順で次のプレイヤー(通常、アクティブ・プレイヤーの左隣に座っているプレイヤー)が必要な選択を行い、その後、残っている非アクティブ・プレイヤーがターン順に選択していく。すべての選択が終わった後、処理が同時に行われる。このルールは「アクティブ・プレイヤー・非アクティブ・プレイヤー順ルール」(またはAPNAP順ルール)と呼ばれる。
例:「各プレイヤーはそれぞれ、クリーチャー1体を生け贄に捧げる。」というカードがあった場合、まずアクティブ・プレイヤーが自分がコントロールしているクリーチャー1体を選び、それから各非アクティブ・プレイヤーがターン順にそれぞれ自分がコントロールしているクリーチャー1体を選ぶ。その後で、これによって選ばれたすべてのクリーチャーが同時に生け贄に捧げられる。
101.4a 効果によって各プレイヤーが手札やライブラリーなど非公開の領域からカードを選ぶ場合、そのカードは選ばれた時点では裏向きのままでありうる。しかし、各プレイヤーが選んでいるのがどの裏向きのカードかは明白に示されなければならない。
101.4b プレイヤーは、rule 101.4a の例外を除いて、その前のプレイヤーがどのような選択を行なったかを知った上で選択を行う。
101.4c 1人のプレイヤーが複数の選択を同時に行う場合、書かれている順で選択を行う。順番が指定されていなければ、そのプレイヤーが順番を決める。
101.4d 非アクティブ・プレイヤーの行なったいずれかの選択によって、アクティブ・プレイヤーまたはターン順で前にいる他の非アクティブ・プレイヤーによる選択が必要となった場合、その時点で残っているすべての選択のためにAPNAP順が再び開始される。
101.4e ゲームの開始時に複数のプレイヤーが選択や処理をする場合、開始プレイヤーをアクティブ・プレイヤー、他のプレイヤーを非アクティブ・プレイヤーとして扱う。
102.1. プレイヤーとは、そのゲームに参加している人のことである。アクティブ・プレイヤーとは、現在進行中のターンのプレイヤーのことである。他のプレイヤーのことを、非アクティブ・プレイヤーと呼ぶ。
102.2. 2人対戦においては、プレイヤーの対戦相手とはもう一方のプレイヤーのことである。
102.3. チームによる多人数戦においては、同じチームに属する他のプレイヤーはチームメイトであり、同じチームに属さないプレイヤーは対戦相手である。
102.4. 呪文や能力が、「あなたの チーム/your team」という表記を「あなたやあなたの チームメイト/you and/or your teammates」の省略として使うことがある。チームによる多人数戦以外のゲームにおいては、「あなたの チーム」は「あなた」と同じものを示す。
103. ゲームの始め方
103.1. ゲームの開始時に、プレイヤーはそのどちらが先攻後攻を選ぶかを決める。マッチの第1ゲーム(単一のゲームからなるマッチを含む)においては、その方法は両方が納得できる方法(コイン投げや、ダイスを振るなど)であれば何でもよい。複数のゲームからなるマッチにおいては、直前のゲームで負けたプレイヤーが先攻後攻を選ぶ。前のゲームが引き分けであった場合、前のゲームで先攻後攻を選んだプレイヤーが選ぶ。先攻となったプレイヤーは開始プレイヤーである。通常、ターン進行は開始プレイヤーから時計回りに進む。
103.1a 「共有チーム・ターン」選択ルールを用いているゲームにおいては、開始プレイヤーではなく開始チームが存在する。
103.1b アーチエネミー戦においては、この種の方法を用いて先攻を決めることはなく、必ず魔王が先攻となる。
103.1c 1枚のカード(《権力行使》)には、そのコントローラーが開始プレイヤーとなるという記述がある。この効果はこの決定の後に処理され、この項目の手順を上書きする。
103.2. 開始プレイヤーを決めた後で必要な手順があるゲームが存在する。その場合、rule 103.2a-e で記された処理を順に行う。
103.2a プレイヤーがサイドボード(rule 100.4 参照)または差し替えカードで示されているカード(rule 713 参照)を使っている場合、切り直す前にそれらを脇に置く。この後で、プレイヤーのデッキは開始時のデッキとなる。
103.2b プレイヤーが、自分が所有していて相棒 能力を持つカードをゲームの外部から公開したい場合、公開することができる。こうして公開できるのは1枚だけであり、デッキがそのカードの相棒 能力の条件を満たしている場合だけである。その公開されたカードはゲーム外に残る。(rule 702.139〔相棒〕参照)。
103.2c 統率者戦では、各プレイヤーは自分のデッキから自分の統率者をオモテ向きで統率領域に置く。rule 903.6 参照。
103.2d 構築戦では、ステッカー・シートを使ってプレイする各プレイヤーは自分のステッカー・シートをすべて公開し、そのなかの3枚を無作為に選ぶ。リミテッド戦では、各プレイヤーは最大3枚のステッカー・シートを自分が開封した製品の中から選び、それを公開する。いずれの場合にも、そのプレイヤーはゲームの間、それらの選ばれたシートしか使用できず、それらのステッカー・シートは公開されたままになる(rule 123〔ステッカー〕参照)。
103.2e コンスピラシー・ドラフトにおいては、プレイヤーはそれぞれ自分のサイドボードから好きな枚数の策略・カードを統率領域に置く。rule 905.4 参照。
103.3. 開始プレイヤーが決定し、追加の手順が終了したあとで、各プレイヤーはカードが無作為の順番になるように自分のデッキを切り直す。その後、各プレイヤーはそれぞれ対戦相手のデッキを切り直したりカットしたりしてもよい。プレイヤーのデッキはそのプレイヤーのライブラリーとなる。
103.3a 定形外のマジックのカードの補助デッキ(rule 100.2d 参照)1つ以上を使うゲームでは、各補助デッキのオーナーはカードが無作為の順番になるようそれを切り直す。その後、各プレイヤーはそれぞれ対戦相手の補助デッキを切り直したりカットしたりしてもよい。
103.4. それぞれのプレイヤーは20点の初期ライフ総量を持ってゲームを始める。変種ルールによっては異なるライフの総量を持つ場合もある。
103.4a 双頭巨人戦では、各チームの初期ライフ総量は30点である。
103.4b ヴァンガード戦では、各プレイヤーの初期ライフ総量は20点に自分のヴァンガード・カードによるライフ補正子を加えたものである。
103.4c 統率者戦では、各プレイヤーの初期ライフ総量は40点である。
103.4d 2人ブロール戦では、各プレイヤーの初期ライフ総量は25点である。多人数ブロール戦では、各プレイヤーの初期ライフ総量は30点である。
103.5. 各プレイヤーは自分の初期手札枚数に等しい枚数のカードを引く。初期手札枚数は通常7枚である(ただし効果によって初期手札枚数が変わることがある)。最初の手札が満足できるものでなかったプレイヤーは、マリガンを行うことができる。まず、開始プレイヤーがマリガンを行うかどうかを決め、その後、ターン順に各プレイヤーが同様の選択を行う。全プレイヤーが選択を終えた後、マリガンすることを選んだプレイヤーは同時にマリガンを行う。マリガンとは、自分の手札のカードを自分のライブラリーの中に混ぜて切り直し、初期手札枚数に等しい枚数の新しい手札を引き、そしてそのカードのうちそのプレイヤーがマリガンした回数に等しい枚数を好きな順番で自分のライブラリーの一番下に置くことである。これ以上マリガンをしないと決めたら、そのカードがそのプレイヤーの開始時の手札となり、それ以降マリガンをすることはできない。この手順は、すべてのプレイヤーがマリガンしなくなるまで繰り返される。プレイヤーは、最初の手札が0枚になるまではマリガンをすることができ、それ以降はそれ以上のマリガンはできない。
103.5a ヴァンガード戦では、各プレイヤーの初期手札枚数は7枚に自分のヴァンガード・カードによる手札補正子を加えたものである。
103.5b 「[プレイヤー]がマリガンを行えるときならいつでも/any time [that player] could mulligan,」そのプレイヤーが何か処理をしてもよいという効果がある場合、そのプレイヤーはその処理を、マリガンするかしないかを決定する時に行なってもよい。これは1回目のマリガンである必要はなく、他のプレイヤーがマリガンするかどうか決めた後でそのプレイヤーはこの処理をするかどうかの選択をすることができる。その処理をした場合、そのプレイヤーは改めてマリガンするかどうかの選択を行う。
103.5c 多人数戦やブロール戦では、そのプレイヤーがライブラリーの一番下に置く枚数やマリガンできる回数を決める上で、1回目のマリガンは計算に入れない。以降のマリガンは、通常通り数える。
103.5d 「共有チーム・ターン」選択ルールを用いる多人数戦において、まず開始チームの各プレイヤーがマリガン行うかどうかを選択し、その後他のチームそれぞれのプレイヤーがターン順に同様の選択を行う。チームメイトはマリガンを行うかどうか相談してもよい。その後、全てのマリガンが同時に行われる。チームメイトがマリガンをしないことを選んだ後でも、もう一方のプレイヤーはマリガンすることができる。
103.6. 開始時の手札にある場合にプレイヤーが何か処理を行うことができるカードが存在する。マリガンの手順(rule 103.5 参照)が終わった後、開始プレイヤーはそれらの処理を好きな順番で行なってもよい。その後、他のプレイヤーがターン順に同様の処理を行う。
103.6a そのカードを戦場に出した状態でゲームを始めてもよいというカードがあった場合、その処理を行なったプレイヤーはそのカードを戦場に出す。
103.6b 開始時の手札にあるそのカードを公開してもよいというカードがあった場合、その処理を行なったプレイヤーはそのカードを公開する。そのカードは、最初のターンが始まるまで公開されたままとなる。この方法で公開できるのは、各カードにつき一度だけである。
103.6c 「共有チーム・ターン」選択ルールを用いる多人数戦においては、開始チームのプレイヤーはそのチームの望む順番でこれらの処理を行なってもよい。この決定について、チームメイトと相談してもよい。その後、他のチームのプレイヤーがターン順に同様の処理を行う。
103.7. プレインチェイス戦においては、開始プレイヤーが自分の次元デッキの一番上のカードを取ってオモテ向きに置く。そのカードが現象・カードだった場合、そのカードを次元デッキの一番下に置き、次元・カードがオモテ向き になるまでこの手順を繰り返す。そのオモテ向き になった次元・カードが開始次元となる。(rule 901〔プレインチェイス戦〕参照)
103.8a 2人対戦では、先攻のプレイヤーは、最初のターンのドロー・ステップ(rule 504〔ドロー・ステップ〕参照)を飛ばす。
104. ゲームの終了
104.1. いずれかのプレイヤーが勝った、またはゲームが引き分け になった、あるいはそのゲームが再び開始されたら、そのゲームは即座に終わる。
104.2. ゲームの勝利となる条件がいくつか存在する。
104.2a ゲームに残っているプレイヤー1人から見た対戦相手全員がゲームから離れた場合、その残っているプレイヤーの勝ちとなる。これは即座に処理され、そのプレイヤーが勝利できないというあらゆる効果を無視する。
104.2b 効果によってプレイヤーの勝ちとなることがある。
104.2c チームによる多人数戦においては、少なくとも1人のプレイヤーがゲームに残っているチームから見て他のチーム全てがゲームから離れた場合、その残っているプレイヤーのいるチームの勝ちとなる。勝ちとなったチームのプレイヤーは、そのプレイヤー自身が負けになっていたとしても、全員が勝ちとなる。
104.3. ゲームの敗北となる条件がいくつか存在する。
104.3a プレイヤーはいつでも投了できる。投了したプレイヤーは即座にゲームから離れ、そして負けとなる。
104.3b プレイヤーのライフの総量が0以下になったら、そのプレイヤーは次に優先権が発生したとき、ゲームに負ける。これは状況起因処理である。rule 704〔状況起因処理〕参照。
104.3c ライブラリーに残っているよりも多いカードを引くことが求められたら、残されているカードをすべて引き、次に優先権が発生したときにそのゲームに負ける。これは状況起因処理である。rule 704〔状況起因処理〕参照。
104.3d プレイヤーが10個以上の「毒カウンター/poison counter」を得た場合、次に優先権が発生するときにそのプレイヤーは負けとなる。これは状況起因処理である。rule 704〔状況起因処理〕参照。
104.3e 効果によってプレイヤーの負けになることがある。
104.3f あるゲームにおいて、あるプレイヤーが勝利条件と敗北条件を同時に満たした場合、そのプレイヤーはそのゲームに負ける。
104.3g チームによる多人数戦では、そのチームのプレイヤー全てがそのゲームで負けたときにチームもそのゲームに負ける。
104.3h 影響範囲限定 選択ルール(rule 801 参照)を用いた多人数戦において、あるプレイヤーの勝ちになる効果は、その代わりに、そのプレイヤーの影響範囲内にいる対戦相手すべてを負けにする。これによってゲームが終わるわけではない。
104.3i 皇帝戦において、皇帝がゲームに負けたチームは負けとなる(rule 809.5 参照)。
104.3j 統率者戦において、1つのゲームを通して、単一の統率者から21点以上の戦闘ダメージを受けたプレイヤーは負けとなる。(これは状況起因処理である。rule 704、rule 903.10 参照。)
104.3k 大会においては、ジャッジによって課せられる懲罰の結果としてゲームに負けることがある。rule 100.6 参照。
104.4. ゲームが引き分け になる場合がいくつか存在する。
104.4a ゲームに残っていたすべてのプレイヤーが同時に負けた場合、ゲームは引き分けとなる。
104.4b 「影響範囲限定」選択ルールを用いないゲーム(2人対戦を含む)において、ゲームが強制的な処理による「ループ」、すなわち止める方法がない一連のイベントの繰り返しに入った場合、ゲームは引き分けとなる。選択可能な処理が含まれるループによって引き分け になることはない。
104.4c 効果によってゲームが引き分け になることがある。
104.4d チームによる多人数戦においては、残っていたすべてのチームが同時に負けた場合、ゲームは引き分けとなる。
104.4e 「影響範囲限定」選択ルールを使った多人数戦において、ゲームを引き分けにする呪文や能力の効果は、その呪文や能力のコントローラーとその影響範囲内にいるプレイヤーを引き分けにする。それらのプレイヤーはゲームから離れ、他のプレイヤーはゲームを続ける。
104.4f 「影響範囲限定」選択ルールを使った多人数戦において、ゲームが強制的な処理による「ループ」、すなわち止める方法がない一連のイベントの繰り返しに入った場合、そのループに含まれるオブジェクトをコントロールしているプレイヤー、ならびにそれらのプレイヤーのいずれかの影響範囲内にいるすべてのプレイヤーは、そのゲームにおいて引き分けとなる。それらのプレイヤーはゲームから離れ、他のプレイヤーはゲームを続ける。
104.4g チーム同士による多人数戦において、そのチームの残っているすべてのプレイヤーが引き分けに終わった場合、そのチームも引き分け になる。
104.4h 「皇帝戦」変種ルールにおいて、その皇帝がゲームに引き分け になった場合、チームも引き分け になる(rule 809.5 参照)。
104.4i 大会においては、ゲームに参加しているすべてのプレイヤーは同意による引き分けにすることに同意できる。rule 100.6 参照。
104.5. プレイヤーが負けになったら、そのプレイヤーはゲームから離れる。プレイヤーが引き分け になったら、そのプレイヤーはゲームから離れる。多人数戦のルールで、プレイヤーがゲームから離れた場合の処理について記述されている。rule 800.4 参照。
104.6. ゲームを再び開始するカード(《解放された者、カーン》)が存在する。再び開始する時点でそのゲームに参加していたすべてのプレイヤーは、即座に新しいゲームを開始する。rule 724〔ゲームを再び開始する〕参照。
105.1. マジックでいう色とは、「白/White」「青/Blue」「黒/Black」「赤/Red」「緑/Green」である。
105.2. オブジェクトは、上記の5つの色のうち1つ以上の色であることも、無色であることもありうる。オブジェクトの色は、カードの枠の色とは関係なく、マナ・コストに含まれるマナ・シンボルの色である。オブジェクトの色は、色指標や特性定義能力によって定義されることもある。rule 202.2 参照。
105.3. 効果によってオブジェクトの色が変わったり、無色のオブジェクトが色を得たりすることがある。効果によってオブジェクトが新しい色を得る場合、(効果にそれ(またはこれ)の他の色「に加えて/in addition to」と書かれていない限り)新しい色でそれまでの色を置き換える。効果によって、色を持つオブジェクトが無色 になることもある。
105.4. プレイヤーが色を選ぶ場合、上記の5色の中から選ばなければならない。「多色/multicolored」や「無色/colorless」は色ではない。
105.5. 効果が「色2色の組/color pair」を参照する場合、それは5色のうちちょうど2色を意味する。色の組み合わせは10組存在し、白青、白黒、青黒、青赤、黒赤、黒緑、赤緑、赤白、緑白、緑青である。
106.1. マナはマジックの基礎となるリソースである。プレイヤーはマナを消費して、呪文を唱えたり能力を起動したりする場合などのコストを支払う。
106.1a 5色のマナが存在する。「白/White」「青/Blue」「黒/Black」「赤/Red」「緑/Green」である。
106.1b マナのタイプは6種類である。「白/White」「青/Blue」「黒/Black」「赤/Red」「緑/Green」、ならびに「無色/Colorless」である。
106.2. マナはマナ・シンボル(rule 107.4 参照)によって表される。マナ・シンボルはマナ・コストを示すのにも使われる(rule 202 参照)。
106.3. マナはマナ能力(rule 605 参照)の効果によって生み出される。それ以外にも、呪文やマナ能力でない能力の効果によって生み出されることもある。マナを生み出す呪文や能力は、プレイヤーにマナを加えさせる。マナが呪文によって生み出された場合、そのマナの発生源はその呪文である。マナが能力によって生み出された場合、そのマナの発生源はその能力の発生源(rule 113.7 参照)である。
106.4. 効果の記述によってプレイヤーがマナを加える場合、そのマナはプレイヤーのマナ・プールに置かれる。これ以降、コストを支払うために即座に使うこともできるし、未消費のマナとしてマナ・プールに残しておくこともできる。各プレイヤーのマナ・プールは、各ステップやフェイズの終了時に空になる。それをプレイヤーがマナを失うという。マナを生み出したり未消費のマナを参照したりするカードは、オラクルで訂正され、マナ・プールを明示的に参照することはなくなっている。
106.4a コストを支払うためにマナを消費した後でマナがマナ・プールに残っている場合、そのプレイヤーはどのマナが残っているかを宣言する。
106.4b マナ・プールにマナ・プールに残した状態でプレイヤーが優先権をパスした場合(rule 117 参照)、そのプレイヤーはどのマナが残っているかを宣言する。
106.5. 能力が、タイプの定義されていないマナを生み出す場合、代わりに マナを生み出さない。
例:《隕石のクレーター》は「{T}: あなたがコントロールしているパーマネントの色1色を選ぶ。その色のマナ1点を加える。」という能力を持つ。あなたが色のついたパーマネントをコントロールしていないなら、《隕石のクレーター》のマナ能力を起動したことによってマナは生み出されない。
106.6. 呪文や能力の中には、生み出したマナをどう使うかについて限定のあるものや、そのマナを消費した呪文や能力に影響を及ぼす追加の効果を持つもの、そのマナを消費したときに誘発する遅延誘発型能力(rule 603.7a 参照)を作るものがある。それらはマナのタイプには影響を及ぼさない。
例:プレイヤーのマナ・プールに、クリーチャー・呪文を唱えるためにだけ消費できる{R}{G}がある。そのプレイヤーが《倍化の立方体》の、「{3},{T}:あなたが持つ各タイプの未消費のマナの量を2倍にする。」という能力を起動した。そのプレイヤーのマナ・プールには{R}{R}{G}{G}があり、そのうちで{R}{G}は好きな目的で使うことができる。
106.6a 置換効果の中には、呪文や能力が生み出すマナの量を増加させるものがある。その場合、その呪文や能力によって作られるあらゆる制限や追加効果は、生み出されたマナ全てに適用される。呪文や能力が、そのマナが消費されたときに誘発する遅延誘発型能力を作る場合、各マナにそれぞれ別の遅延誘発型能力が作られる。呪文や能力が、そのマナが消費された場合に継続的効果や置換効果を作る場合、各マナにそれぞれ別の効果が作られる。
106.7. 他のパーマネントが生み出すことのできるマナのタイプに基づいたマナを生み出す能力が存在する。「生み出すことのできる/could produce」マナのタイプとは、そのパーマネントの能力がその時点で解決され、すべての存在する置換効果が可能な任意の順番で適用されたとして生み出すことになるマナのタイプのことである。その能力のためのコストが支払えるかどうかは考慮しない。この条件で見てそのパーマネントがマナを生み出さない場合や生み出すマナのタイプが定義されない場合、そのパーマネントが生み出すことのできるマナのタイプは存在しない。
例:《風変わりな果樹園》は「{T}:対戦相手がコントロールしている土地が生み出すことのできる色1色のマナ1点を加える。」という能力を持つ。対戦相手が土地をコントロールしていないなら、《風変わりな果樹園》のマナ能力を起動してもマナを生み出すことはできない。これは、あなたと対戦相手がそれぞれ《風変わりな果樹園》だけを出している場合も同じである。ただし、あなたがそれに加えて《森》をコントロールしていた場合、あなたの《風変わりな果樹園》も対戦相手の《風変わりな果樹園》も{G}を生み出すことができる。
106.8. 効果が混成マナ・シンボルで表されるマナ1点をプレイヤーのマナ・プールに加える場合、そのプレイヤーがそのシンボルのどちらか半分を選ぶ。色 マナである半分を選んだ場合、その色のマナ1点をそのプレイヤーのマナ・プールに加える。不特定マナである半分を選んだ場合、そこに示されている数の無色 マナをそのプレイヤーのマナ・プールに加える。
106.9. 何らかの効果がファイレクシア・マナ・シンボルで表されるマナ1点をプレイヤーのマナ・プールに加える場合、そのシンボルの色のマナ1点をそのプレイヤーのマナ・プールに加える。
106.10. 効果が、不特定マナ・シンボルで表されるマナをプレイヤーのマナ・プールに加えるとなっている場合、その量の無色 マナをそのプレイヤーのマナ・プールに加える。
106.11. 効果が、1個以上の氷雪マナ・シンボルで表されるマナをプレイヤーのマナ・プールに加えるとなっている場合、その量の無色 マナをそのプレイヤーのマナ・プールに加える。
106.12. 「マナを引き出す目的で[パーマネント]をタップする/tap [a permanent] for mana」とは、そのパーマネントの、起動コストに{T}シンボルを含むマナ能力を起動するということを意味する。rule 605〔マナ能力〕参照。
106.12a パーマネントが「マナを引き出す目的でタップされるたび/is tapped for mana」あるいは特定の種類のマナを引き出す目的でタップされるたびに誘発する能力は、その種のマナ能力が解決されてマナを出すたび、あるいは特定種類のマナを出すたびに誘発する。
106.12b パーマネントが「マナを引き出す目的でタップされる/is tapped for mana」こと、あるいは特定の種類や量のマナを出す目的でタップされることに適用される置換効果は、その能力を解決してマナ(あるいは特定の種類や量のマナ)を生成する間にそのマナ 生成 イベントを変更する。
106.13. あるカード(《魔力奪取》)が、あるプレイヤーの持つ未消費のすべてのマナを失わせ、他のプレイヤーに「これによって失われたマナ/the mana lost this way」を加えることがある(同一のプレイヤーでも構わない)。これは、前者のプレイヤーのマナ・プールを空にし、この方法で空にされたマナを後者のプレイヤーのマナ・プールに入れるということを意味する。どのパーマネント、呪文、能力によって作られたかということは変更されず、そのマナに課せられている制限や追加の効果も変更されない。
107. 数とシンボル
107.1. マジックのゲームでは、整数だけを用いる。
107.1a 分数や小数を選んだり、分数や小数分のダメージを与えたり、ライフを得たりするようなことはできない。呪文や能力によって分数が出てくる可能性がある場合、その呪文や能力に切り上げか切り捨てかが明記されている。
107.1b ほとんどの場合、マジックにおいては正の数と0だけを用いる。負の数を選んだり、負の値のダメージを与えたり、ライフを得たりすることはできない。クリーチャーのパワーなど、ゲーム上の値が0未満になることはありうる。計算や比較のために負の値を用いる必要がある場合、そのまま負の値を用いる。効果の結果を定める計算の結果が負の数になった場合、その効果が、プレイヤーのライフの総量やクリーチャーやクリーチャー・カードのパワーやタフネスを、倍にしたり特定の値にしたりするものでない限り、代わりに0を用いる。
例:3/4クリーチャーが-5/-0の修整を受けた場合、そのクリーチャーは-2/4になり、戦闘ではダメージを割り振らない。パワーとタフネスの合計は2である。+3/+0の修整を与えると、パワーは1になる。
例:《ヴィリジアンの社交家》は1/2クリーチャーで、「{T}:ヴィリジアンの社交家のパワーに等しい点数の{G}を加える。」という能力を持つ。効果によって-2/-0されていた場合、この能力を起動してもあなたの マナ・プールにマナが加えられることはない。
例:《カメレオンの巨像》は4/4クリーチャーで、「{2}{G}{G}:ターン終了時まで、カメレオンの巨像は+X/+Xの修整を受ける。Xはこれのパワーに等しい。」の能力を持つ。効果によって-6/-0された後でこの能力を起動した場合、これは-2/4クリーチャーのままである。-4/2になるわけではない。
107.1c ルールや能力がプレイヤーに「望む数/any number」を選ばせる場合、そのプレイヤーは、0以上の任意の整数を選ぶことができる。
107.2. 未定義の数字が結果であれ計算中であれ出てきた場合、代わりに0を用いる。
107.3. 多くのオブジェクトは、まだ決定されていない数を必要とする部分にXの文字を用いている。オブジェクトによっては、Xの値を定義する能力が存在する。それ以外の場合、そのコントローラーがXの値を選ぶ。
107.3a 呪文や起動型能力がマナ・コスト、代替コスト、追加コスト、起動コストに{X}、[-X]、あるいはXを含み、Xがその呪文や能力の文章内で定義されていない場合、その呪文や能力のコントローラーが呪文を唱えることあるいは能力を起動することの一部としてXの値を選び、宣言する(rule 601〔呪文を唱えること〕参照)。呪文がスタック上にある間、それのマナ・コストや、それが持つ代替コスト、追加コストに含まれるすべてのXは宣言された値である。起動型能力がスタックにある間、それの起動コストに含まれるすべてのXは宣言された値である。
107.3b Xがその呪文の文章によって定義されておらずマナ・コストに{X}を含む呪文を、マナ・コストもXを含む代替コストも支払わずに唱えられる効果によって唱える場合、Xについての適正な選択は0だけである。これはコストを単に減らす効果には、それによってコストが0になったとしても、適用されない。rule 601〔呪文を唱えること〕参照。
107.3c 呪文や起動型能力のコストや文章に{X}、[-X]、Xが含まれ、その値がその呪文や能力の文章によって定義されている場合、その呪文や能力がスタックにある間のXの値はその値である。その呪文や能力のコントローラーが値を選ぶことはできない。なお、その呪文や能力がスタックにある間にも、Xの値が変動することはあり得る。
107.3d 待機 コストや変異 コストなど、特別な処理に関するコストに{X}やXが含まれている場合、そのXはその特別な処理をするプレイヤーがそのコストを支払う直前に選ぶ。
107.3e 呪文や能力が、他のオブジェクトの持つ、マナ・コスト、代替コスト、追加コスト、起動コストに含まれる{X}やXを参照する場合、その呪文や能力の文章に含まれるすべてのXはそのオブジェクトのために選ばれたあるいは定義されたXの値を用いる。
107.3f Xがマナ・コスト、代替コスト、追加コスト、起動コストではない文中にある場合、そのXが定義されていなかったなら、その呪文や能力のコントローラーがそのXの値を(スタックに積まれたときか解決された時かいずれか)必要な時点で選ぶ。
107.3g スタック以外のいずれかの領域にあるカードのマナ・コストに含まれる{X}の値は、文章中でXの値が定義されていたとしても、0として扱われる。
107.3h 効果によってプレイヤーが{X}を含むオブジェクトのマナ・コストを支払う場合、そのオブジェクトがスタック上にある呪文でない限り、Xの値は0として扱われる。呪文である場合、Xの値はその呪文が唱えられた時に選ばれ、あるいは決定された値である。
107.3i 通常、いつでも、オブジェクト1個の上に複数あるすべてのXは同じ値を取る。
107.3j オブジェクトが能力を得た場合、その能力内のXの値はその能力によって定義される。その能力が定義していない場合、0となる。これは rule 107.3i の例外である。これは能力を与える効果、文章変更効果、コピー 効果によって発生することがある。
107.3k オブジェクトの起動型能力の起動コストに{X}、[-X]、Xが含まれる場合、その能力のXの値はそのオブジェクトや他に起動されたそのオブジェクトの能力で選んだXとは関係しない。これは rule 107.3i の例外である。
107.3m オブジェクトの戦場に出たときの誘発型能力や置換効果がXを参照していて、かつ、解決されてそのオブジェクト になる呪文がコストの一部としてXの値を選んでいた場合、そのパーマネントのXの値は0であるが、その能力のXの値はその呪文のXの値に等しい。これはrule 107.3i の例外である。
107.3n 呪文や能力の解決によって生成された遅延誘発型能力がXを参照していて、Xがその誘発型能力の文章で定義されておらずそれを生成した呪文や能力がそれのコストのためにXの値を選んでいた場合、その誘発型能力のXの値は、それを生成した呪文や能力のXの値に等しい。
107.4. マナ・シンボルとは、{W}{U}{B}{R}{G}{C}、{0}{1}{2}{3}{4}の類の数字シンボル、変数シンボル{X}、{W/U}{W/B}{U/B}{U/R}{B/R}{B/G}{R/G}{R/W}{G/W}{G/U}の混成シンボル、{2/W}{2/U}{2/B}{2/R}{2/G}の単色混成シンボル、{W/P}{U/P}{B/P}{R/P}{G/P}のファイレクシア・マナ・シンボル、{W/U/P}{W/B/P}{U/B/P}{U/R/P}{B/R/P}{B/G/P}{R/G/P}{R/W/P}{G/W/P}{G/U/P}の混成ファイレクシア・マナ・シンボル、ならびに氷雪マナ・シンボル{S}の総称である。
107.4a 主要な色 マナ・シンボルは5つ存在し、{W}は白、{U}は青、{B}は黒、{R}は赤、{G}は緑である。これらのシンボルはその色のマナを表すために用いられることも、コストに含まれるその色のマナを表すために用いられることもある。コストに含まれる色 マナは、該当する色のマナでしか支払うことができない。rule 202〔マナ・コストと色〕参照。
107.4b 数字シンボル({1}など)や変数シンボル({X}など)がコストに含まれる場合、不特定マナを表す。コストに含まれる不特定マナは、任意のタイプのマナで支払うことができる。rule 107.3 参照。
107.4c 無色 マナ・シンボル{C}は無色 マナ1点を表すために用いられる。無色のマナ1点でしか支払うことができないコストを表すためにも用いられる。
107.4d シンボル{0}は0マナを表し、リソースなしで支払うことができるコストのコスト欄に書かれる。rule 118.5 参照。
107.4e 混成マナ・シンボルもまた色 マナ・シンボルであり、それぞれシンボルの半分の部分で示されている2種類のうちどちらか1つの方法で支払うことができるコストを表す。混成シンボル{W/U}は白か青のいずれかのマナ1点で支払うことができる。単色混成マナ・シンボル{2/B}は黒マナ1点か、任意のタイプのマナ2点で支払うことができる。混成マナ・シンボルはそのすべての構成色である。
例:{G/W}{G/W}は、{G}{G}か{G}{W}か{W}{W}で支払うことができる。
107.4f ファイレクシア・マナ・シンボルは色 マナ・シンボルであり、{W/P}は白、{U/P}は青、{B/P}は黒、{R/P}は赤、{G/P}は緑である。ファイレクシア・マナ・シンボルは、その色のマナ1点かあるいは2点のライフを支払うことで支払うことができるコストを表す。10種類の混成ファイレクシア・マナ・シンボルも存在する。混成ファイレクシア・マナ・シンボルは、それの構成色のいずれかの色のマナ1点か2点のライフを支払うことで支払うことができるコストを表す。混成ファイレクシア・マナ・シンボルはそのすべての構成色である。
例:{W/P}{W/P}は、{W}{W}か、{W}とライフ2点か、ライフ4点で支払うことができる。
107.4g ルール・テキストにおいて、ファイレクシア・シンボル{P}が色つきの背景なしで書かれていた場合、それは15個のファイレクシア・マナ・シンボルのうちいずれかを意味する。
107.4h コストで使われている場合、氷雪マナ・シンボル{S}は、氷雪の発生源(rule 106.3 参照)から生み出された任意のタイプのマナ1点によって支払うことのできるコストを意味する。不特定マナ・コストを減少させる効果は、{S}コストを減少させることはできない。{S}シンボルはコストを支払うために消費した、氷雪の発生源から生み出された任意のタイプのマナに言及するために使われることがある。氷雪は色でもマナのタイプでもない。
107.5. タップ・シンボルは{T}である。起動コストに含まれるタップ・シンボルは、「このパーマネントをタップする。」を意味する。既にタップ状態であるパーマネントをタップしてコストを支払うことはできない。直近のそのプレイヤーのターン開始時から続けてコントロールしているのでない限り、クリーチャーの、起動コストにタップ・シンボルを含む能力を使うことはできない。rule 302.6 参照。
107.6. アンタップ・シンボルは{Q}である。起動コストに含まれるアンタップ・シンボルは、「このパーマネントをアンタップする。」を意味する。既にアンタップ状態であるパーマネントをアンタップしてコストを支払うことはできない。直近のそのプレイヤーのターン開始時から続けてコントロールしているのでない限り、クリーチャーの、起動コストにアンタップ・シンボルを含む能力を使うことはできない。rule 302.6 参照。
107.7. プレインズウォーカーの起動型能力は、それぞれ、忠誠シンボルをコストに持つ。プラスの忠誠シンボルは上向きの矢印であり、中にプラスのついた数字を含む。マイナスの忠誠シンボルは下向きの矢印であり、中にマイナスのついた数字またはXを含む。中性の忠誠シンボルは上向きでも下向きでもなく、中に0を含む。[+N]は「このパーマネントの上にN個の忠誠カウンターを置く。」を、[-N]は「このパーマネントの上からN個の忠誠カウンターを取り除く。」を、[0]は「このパーマネントの上に0個の忠誠カウンターを置く。」をそれぞれ意味する。忠誠シンボルは忠誠コストを修整する能力でも用いられることがある。
107.8. Lv系カードの文章欄には2つのLvシンボルが含まれており、そのそれぞれは常在型能力を意味するキーワード能力である。Lvシンボルは数の範囲(「N1-N2」など)か、あるいは数字1つとプラス記号(「N3+」など)を含む。Lvシンボルと同じ横縞に書かれている能力は、その常在型能力の一部である。その横縞に書かれているパワー/タフネスの書かれた箱も同じである。rule 711〔Lv系カード〕参照。
107.8a 「{Lv N1-N2} [能力] [P/T]」は、「このクリーチャーがN1個以上のLvカウンターを持ち、N2個より多いLvカウンターを持たないなら、これは基本のパワーとタフネスが[P/T]であり、[能力]を持つ。」を意味する。
107.8b 「{Lv N3+}[能力] [P/T]」は、「このクリーチャーがN3個以上のLvカウンターを持つなら、これは基本のパワーとタフネスが[P/T]であり、[能力]を持つ。」を意味する。
107.9. オデッセイ・ブロックのカードで、名前の左に墓石アイコンがあるものがある。これは、墓地にあるときに機能する能力があることを意味している。墓地にあるときにもわかりやすいようにアイコンがあるだけで、ゲーム的には意味を持たない。
107.10. 未来予知セットに含まれる「ミライシフト」カードでは、左上隅にタイプ・アイコンが描かれている。カード・タイプが1つである場合、アイコンでそのタイプを示している。クリーチャーなら鈎爪、ソーサリーなら炎、インスタントなら稲妻、エンチャントなら日の出、アーティファクトなら聖杯、土地なら連峰のアイコンが用いられている。複数のカード・タイプを含むカードでは、白と黒の線が交差した記号が用いられている。これらのアイコンは、ゲーム的には意味を持たない。
107.11. プレインズウォーカー・シンボルは{PW}で表される。プレインチェイス戦・カジュアル変種ルールにおいて用いられる次元ダイスの1面に刻まれている。上側が5つに枝分かれして下は細い1本になった形状をしている。rule 901〔プレインチェイス戦〕参照。
107.12. カオス・シンボルは{CHAOS}で表される。プレインチェイス戦・カジュアル変種ルールにおいて用いられる次元ダイスの1面に刻まれており、また、次元ダイスを振った結果を参照する能力にも使われている。渦巻きの形状をしている。rule 901〔プレインチェイス戦〕参照。
107.13. 色指標とは、一部のカードのタイプ行左端に記されている円形のシンボルのことである。このシンボルの色によってカードの色が定義される。rule 202〔マナ・コストと色〕参照。
107.14. エネルギー・シンボルは{E}である。これはエネルギー・カウンター1個を表す。{E}を支払う場合、プレイヤーは自分の持つエネルギー・カウンター1個を取り除く。
107.15. 英雄譚の文章欄には章シンボルが含まれており、そのそれぞれは誘発型能力を示すキーワード能力である。章シンボルはローマ数字を含んでおり、ここでは「rN」で記す。章シンボルの右の区切られた文章欄に書かれた文章は、それの表す誘発型能力の効果である。rule 714〔英雄譚・カード〕参照。
107.15a 「{rN} ― [効果]/{rN}-[Effect]」は、「この英雄譚の上に1つ以上の伝承カウンターが置かれたとき、これの上の伝承カウンターの数がこれまでN未満でN以上になった場合、[効果]。」を意味する。
107.15b 「{rN1}, {rN2} ― [効果]/{rN1}, {rN2}-[Effect]」は「{rN1} ― [効果]」と「{rN2} ― [効果]」と同じである。
107.16. クラス・カードの文章欄には、クラス・レベル棒が描かれており、それぞれは起動型能力と常在型能力の両方を表すキーワード能力である。クラス・レベル棒は、その起動型能力の起動コストとレベル数を含んでいる。クラス・レベル棒と同じ節内に書かれている能力は、その常在型能力の一部である。rule 716〔クラス・カード〕参照。
107.16a 「[コスト]:レベルN ― [能力]/[Cost]: Level N - [Abilities]」は、「[コスト]:このクラスのレベルはNになる。このクラスのレベルがN-1でなければ起動できず、ソーサリーとしてのみ起動できる。」と「このクラスのレベルがN以上であるかぎり、これは[能力]を持つ。」を意味する。
107.17. チケット・シンボルは{TK}である。これはチケット・カウンター1個を表す。
107.18. 獣痕・シンボルは{P}である。このシンボルはモードを持つ呪文のモードを示すために使われることがあり、コストやマナやカウンターといったリソースの類としては扱われない。rule 700.2i 参照。
108.1. カードの文章を決定する際には、オラクルを用いる。オラクルはギャザラー・カード・データベース https://gatherer.wizards.com/ で参照できる。
108.2. ルールや文章に「カード/card」と記されていた場合、マジックのカードか、マジックのカードによって表されているオブジェクトのことだけを意味する。
108.2a ほとんどのマジックのゲームにおいては、2.5インチ(6.3cm)×3.5インチ(8.8cm)ほどの大きさの、定形のマジックのカードだけを用いる。定形のマジックのカードは、プレイヤーのデッキに含まれている。一部のフォーマットでは、定形外のマジックのカードも用いる。定形外のマジックのカードは、プレイヤーのデッキには含まれず、補助デッキで使われることがある。また、それらは大きいサイズであったり裏面が異なっていたりすることがある。
108.3. カードのオーナーとは、そのカードをデッキに入れてゲームを始めたプレイヤーのことである。ゲーム中に外部から加えられたカードがあった場合、それのオーナーはそれをゲームに加えたプレイヤーである。ゲーム開始時点で統率領域にカードがある場合、それのオーナーはそれを統率領域に置いたプレイヤーである。法律上の所有権はアンティを除いてゲームのルール上は考慮しない(rule 407 参照)。
108.3a 「単一次元デッキ」選択ルールを用いたプレインチェイス戦においては、次元 コントローラーが次元デッキに含まれるカードすべてのオーナーであるとして扱う。rule 901.6 参照。
108.3b プレイヤーに、自分がオーナーであるカードをゲームの外部から選んでゲームに入れることを認める呪文や能力が存在する(rule 400.11b 参照)。外部にあるカードがマジックのゲームに関わることになる場合、そのオーナーは rule 108.3 の規定によって決定される。外部にあるカードがマジックのゲームのサイドボードである場合(rule 100.4 参照)、そのオーナーはそのカードをサイドボードに入れてゲームを始めたプレイヤーであるとする。それ以外の場合、外部にあるカードのオーナーは法律上の所有者である。
108.4. カードは、そのカードがパーマネントや呪文を表していない限り、コントローラーを持たない。パーマネントや呪文を表している場合、コントローラーはそれらのルールによって決定される。rule 110.2 および rule 112.2 参照。
108.5. 定形外のマジックのカードは、統率領域(rule 408 参照)以外にある状態でゲームを開始することはできない。何らかの効果がダンジョン・カード(rule 309〔ダンジョン〕参照)以外の定形外のマジックのカードをゲーム内に持ち込む場合、持ち込まない。そのカードはゲームの外部にあり続ける。
108.6. カードについての追加の情報は、rule 2〔カードの部分〕参照。
109.1. オブジェクトとは、スタック上の能力、カード、カードのコピー、トークン、呪文、パーマネント、紋章のことである。
109.2. 呪文や能力が「カード/card」「呪文/spell」「発生源/source」「計略/Scheme」という単語なしで、特定の領域を指定せずに、カード・タイプやサブタイプを用いてオブジェクトを表現している場合、戦場にありそのカード・タイプやサブタイプであるパーマネントのことを意味する。
109.2a 呪文や能力が「カード/card」という単語と領域名を用いてオブジェクトを表現している場合、その領域にありその表現に合うカードのことを意味する。
109.2b 呪文や能力が「呪文/spell」という単語を用いてオブジェクトを表現している場合、スタックにありその表現に合う呪文のことを意味する。
109.2c 呪文や能力が「発生源/source」という単語を用いてオブジェクトを表現している場合、どの領域にあるかに関係なく、その表現に合う、能力やダメージやマナの発生源のことを意味する。rule 113.7 および rule 609.7 参照。
109.2d 計略・カードの能力が「この計略/this scheme」という表記を含む場合、統率領域にある、その能力が印刷されている計略・カードのことを意味する。
109.3. オブジェクトの特性とは、名前、マナ・コスト、色、色指標、カード・タイプ、特殊タイプ、サブタイプ、ルール・テキスト、能力、パワー、タフネス、忠誠度、守備値、手札補正子、ライフ補正子のことである。オブジェクトはこれらの特性の全てを持つこともあるし、一部だけを持つこともある。それ以外の、カード、呪文、パーマネントに関する情報、例えば、パーマネントがタップされているかどうか、呪文の対象、オブジェクトのオーナーおよびコントローラー、オーラが何にエンチャントしているか、などは特性ではない。
109.4. スタックか戦場にあるオブジェクトだけにコントローラーが存在する。どちらの領域にもないオブジェクトは、どのプレイヤーにもコントロールされていない。rule 108.4 参照。このルールには6つの例外がある。
109.4a マナ能力のコントローラーは、それがスタックにあるかのように決定される。rule 605〔マナ能力〕参照。
109.4b 誘発したあとスタックに置かれるのを待っている誘発型能力は、遅延誘発型能力を除き、それが誘発した時点でその発生源をコントロールしていたプレイヤーにコントロールされている。遅延誘発型能力のコントローラーについては、rule 603.7d-f を参照すること。rule 603〔誘発型能力の扱い〕参照。
109.4c 紋章は、それを統率領域に置いたプレイヤーにコントロールされている。rule 114〔紋章〕参照。
109.4d プレインチェイス戦において、オモテ向きの次元・カードならびに現象・カードは、次元 コントローラーとして指定されているプレイヤーにコントロールされている。多くの場合それはアクティブ・プレイヤーである。rule 901.6 参照。
109.4e ヴァンガード戦において、ヴァンガード・カードはそのオーナーにコントロールされている。rule 902.6 参照。
109.4f アーチエネミー戦において、計略・カードはそのオーナーにコントロールされている。rule 904.7 参照。
109.4g コンスピラシー・ドラフトにおいて、策略・カードはそのオーナーにコントロールされている。rule 905.5 参照。
109.5. オブジェクトに記されている「あなた/You」という語で示されるプレイヤーは、その現在のコントローラーか、(プレイヤーがそれをプレイしたり唱えたり起動したりしようとしている最中なら)コントローラー になる予定のプレイヤーか、(コントローラーが存在しない場合には)オーナーである。常在型能力の場合には、そのオブジェクトの現在のコントローラー(戦場 にない場合には、そのカードのオーナー)を指す。起動型能力の場合には、その能力を起動したプレイヤーを指す。遅延誘発型能力を除く誘発型能力の場合には、能力が誘発した時のそのオブジェクトのコントローラーを指す。遅延誘発型能力のコントローラーについては、rule 603.7d-f 参照。
110.1. パーマネントとは、戦場に出ているカードやトークンのことである。パーマネントは無期限に戦場に残り続ける。カードやトークンは、戦場に出たときにパーマネントとなり、戦場から他の領域に効果やルールによって移動したときにパーマネントでなくなる。
110.2. パーマネントのオーナーは、それを表すカードのオーナーである。(ただしトークンの場合については rule 111.2 参照。)パーマネントのコントローラーは、通常、それをコントロール下で戦場に出したプレイヤーである。パーマネントには必ずコントローラーが1人存在する。
110.2a 効果によってプレイヤーがオブジェクトを戦場に出す場合、特に書かれていなければ、そのオブジェクトはそのプレイヤーのコントロール下で戦場に出る。
110.2b 効果によってプレイヤーが他のプレイヤーのパーマネント 呪文のコントロールを得た場合、そのプレイヤーはその呪文がなるパーマネントをコントロールするが、そのパーマネントの本来のコントローラーはその呪文をスタックに置いたプレイヤーである。(この違いは多人数戦で意味を持つ。rule 800.4c 参照。)
110.3. トークンでないパーマネントの特性は、カードに記載されている値であり、それに継続的効果によって修整を受ける。rule 613〔継続的効果の相互作用〕参照。
110.4. パーマネント・タイプは6つ存在し、「アーティファクト/artifact」「バトル/battle」「クリーチャー/creature」「エンチャント/enchantment」「土地/land」「プレインズウォーカー/planeswalker」である。インスタント・カードやソーサリー・カードは戦場に出ることはできないので、パーマネント になることはあり得ない。同族・カードが戦場に出ることができるかできないかは、それ以外のカード・タイプによる。rule 3〔カード・タイプ〕参照。
110.4a 「パーマネント・カード/permanent card」という語は、戦場に出ることができるカードのことを指す。すなわち、アーティファクト・カード、バトル・カード、クリーチャー・カード、エンチャント・カード、土地・カード、プレインズウォーカー・カードのことである。
110.4b 「パーマネント 呪文/permanent spell」という語は、解決によって戦場に出る呪文のことを指す。すなわち、アーティファクト・呪文、バトル・呪文、クリーチャー・呪文、エンチャント・呪文、プレインズウォーカー・呪文のことである。
110.4c パーマネントが何らかの方法ですべてのパーマネント・タイプを失った場合、それはそのまま戦場にあり続ける。それはパーマネントである。
110.5. パーマネントの位相とは、物理的な状態のことである。位相には4つの種類があり、それぞれ2種類のいずれかの状態を取る。すなわち、タップ/アンタップ、反転/非反転、オモテ向き/裏向き、フェイズ・イン/フェイズ・アウトである。パーマネントは、4組の位相それぞれについて必ずどちらかの状態である。
110.5a 位相は特性ではないが、位相によってパーマネントの特性が変化しうる。
110.5b パーマネントは、呪文や能力によって特に指示されない限り、アンタップ、非反転、オモテ向き、フェイズ・インの位相で戦場に出る。
110.5c パーマネントは、呪文や能力やターン起因処理が位相を変更しない限り、その位相が何も影響を持たなくても、元の位相を保つ。
例:《ディミーアのドッペルゲンガー》は「{1}{U}{B}: 墓地にあるクリーチャー・カード1枚を対象とする。それを追放する。ディミーアのドッペルゲンガーは、この能力を得ることを除き、そのカードのコピー になる。」という能力を持つ。これが反転カード《呪師の弟子》のコピー になったとする。《呪師の弟子》の能力によってこのクリーチャーは反転し、《ディミーアのドッペルゲンガー》の能力を持った《暴く者、智也》になる。その後、このパーマネントが《ルーン爪の熊》のコピー になった場合、反転位相は何も意味を持たないが、反転位相のままである。その後で再びコピー 能力を用いて《鼠の短牙》(別の反転カード)のコピー になった場合、《ディミーアのドッペルゲンガー》の能力を持った《憎まれ者の傷弄り》(《鼠の短牙》の反転位相)になる。
110.5d パーマネントだけが位相を持つ。戦場 にないカードは持たない。追放されているカードが裏向き になることはあるが、それはパーマネントの裏向き 位相とは何ら関係ない。同様に、戦場 にないカードは、物理的にどういう状態であろうと、タップしているわけでもアンタップしているわけでもない。
111.1. 効果によってトークンが戦場に出ることがある。トークンとは、カードによって表現されていないパーマネントを表現するために用いるマーカーのことである。
111.2. トークンを生成したプレイヤーがそのオーナーである。トークンはそのプレイヤーのコントロール下で戦場に出る。
111.3. トークンを生成する呪文や能力がトークンの特性の値を定める場合、その値はトークンの「文章」になる。この方法で定義された特性値は、カードに記載されている値と機能的に同値である。たとえば、これによって定められた特性値はトークンのコピー可能な値である。トークンは、それを生成した呪文や能力によって定義されていない特性を持たない。
例:《翡翠の魔道士》は「{2}{G}: 緑の1/1の苗木クリーチャー・トークン1体を生成する。」という能力を持つ。これによって生成されたトークンは、マナ・コストや特殊タイプ、ルール・テキスト、能力を持たない。
111.4. トークンを生成する呪文や能力が、そのトークンの名前とサブタイプを定める。特に書かれていない限り、トークンの名前は、そのサブタイプに「トークン」という単語を足したものと同じである。トークンが戦場に出た後では、名前が変わってもサブタイプは変わらない。その逆も同じである。
例:《ドワーフの援軍》は「赤の2/1のドワーフ・狂戦士・クリーチャー・トークン2体を生成する。」という効果を持つ。これが解決されて生成されるトークンは、それぞれ「ドワーフ・狂戦士・トークン」という名前を持ち、クリーチャー・タイプはドワーフと狂戦士である。
例:《敬愛されるレンジャー、ミンスク》は、「敬愛されるレンジャー、ミンスクが戦場に出たとき、『ブー』という名前でトランプルと速攻を持つ赤の1/1のハムスター・クリーチャー・トークン1体を生成する。」という能力を持つ。このトークンのサブタイプはハムスターであるが、このトークンの名前は「ブー」であると明示されているので、「ハムスター」や「トークン」が名前に追加されることはない。
例:《瓜二つ》は「クリーチャー1体を対象とする。それのコピーであるトークン1体を生成する。」という能力を持つソーサリーである。このトークンのすべての特性は、この呪文が対象にしたクリーチャーのコピー可能な特性と一致する。《瓜二つ》が人間・クリーチャーである《悪運尽きた造反者》を対象にしたなら、その呪文が生成するトークンの名前は「悪運尽きた造反者」であり、「人間・トークン」や「悪運尽きた造反者・トークン」ではない。
111.5. 呪文や能力がトークンを生成する場合、何らかのルールや効果によってそのトークンの特性のうち1つ以上を持つパーマネントが戦場に出ることができなくなっていたら、そのトークンは生成されない。同様に、効果がインスタントやソーサリーであるカードのコピーであるトークンを生成する場合も、トークンは生成されない。
111.6. トークンは、パーマネント一般、あるいはそのトークンのカード・タイプやサブタイプに影響を及ぼすものの影響を受ける。トークンは(マジックのカードと同じ裏面であったり、マジックのパックから出てきたものであったりしても)カードとしては扱われない。
111.7. 戦場以外の領域に存在するトークンは、消滅する。これは状況起因処理である。rule 704 参照。(トークンが領域を移動した場合、消滅する前に、それによる誘発型能力は誘発する)
111.8. 戦場を離れたトークンは、他の領域に移動することもないし、戦場に戻ることもない。そのようなトークンが領域を変更しようとする場合、その代わりに現在の領域にありつづける。次に状況起因処理をチェックする時点で、消滅する。rule 704 参照。
111.9. 効果の中に、プレイヤーに伝説の トークンを生成するように指示するものがある。それらは、「create [name], a ...」としてそのトークンの特性を列記していることがある。これは、与えられた名前を持ち列記された特性を持つトークンを生成するという指示と同じである。(日本語版では、「「〇〇」という名前の...トークン1体を生成する。」というテンプレートに統一されたままです。)
111.10. 効果の中に、定義済みのトークンを生成するように指示するものがある。それらの効果は、生成されるトークンの特性を決定するにあたって下の定義を用いる。定義済みのトークンを生成する効果は、その定義済みの特性を変更したり何かを追加したりすることがある。
111.10a 「宝物/Treasure」・トークンとは、「{T}, このアーティファクトを生け贄に捧げる:好きな色1色のマナ1点を加える。」を持つ、無色の宝物・アーティファクト・トークンである。
111.10b 「食物/Food」・トークンとは、「{2}, {T}, このアーティファクトを生け贄に捧げる:あなたは3点のライフを得る。」を持つ、無色の食物・アーティファクト・トークンである。
111.10c 「金/Gold」・トークンとは、「このアーティファクトを生け贄に捧げる:好きな色1色のマナ1点を加える。」を持つ、無色の金・アーティファクト・トークンである。
111.10d 「ウォーカー/Walker」・トークンとは、ウォーカーという名前を持つ黒の2/2のゾンビ・クリーチャー・トークンである。
111.10e 「破片/Shard」・トークンとは、「{2}, このエンチャントを生け贄に捧げる:占術1を行い、その後、カード1枚を引く。」を持つ無色の破片・エンチャント・トークンである。
111.10f 「手掛かり/Clue」・トークンとは、「{2}, このアーティファクトを生け贄に捧げる:カード1枚を引く。」を持つ無色の手掛かり・アーティファクト・トークンである。
111.10g 「血/Blood」・トークンとは、「{1}, {T}, カード1枚を捨てる, このアーティファクトを生け贄に捧げる:カード1枚を引く。」を持つ無色の血・アーティファクト・トークンである。
111.10h 「パワーストーン/Powerstone」・トークンとは、「{T}:{C}を加える。このマナはアーティファクトでない呪文を唱えるためには支払えない。」を持つ無色のパワーストーン・アーティファクト・トークンである。
111.10i 「培養器/Incubator」・トークンは、変身する両面トークンである。その第1面は「{2}:このアーティファクトを変身させる。」を持つ無色の培養器・アーティファクトであり、第2面は「ファイレクシアン・トークン/Phyrexian Token」という名前で無色の0/0のファイレクシアン・アーティファクト・クリーチャーである。
111.10j 「呪われし者/Cursed」・役割・トークンとは、「呪われし者」という名前でエンチャント(クリーチャー)と「エンチャントしているクリーチャーは基本のパワーとタフネスが1/1になる。」を持つ無色のオーラ・役割・エンチャント・トークンである。
111.10k 「怪物/Monster」・役割・トークンとは、「怪物」という名前でエンチャント(クリーチャー)と「エンチャントしているクリーチャーは+1/+1の修整を受けトランプルを持つ。」を持つ無色のオーラ・役割・エンチャント・トークンである。
111.10m 「王族/Royal」・役割・トークンとは、「王族」という名前でエンチャント(クリーチャー)と「エンチャントしているクリーチャーは+1/+1の修整を受け護法{1}を持つ。」を持つ無色のオーラ・役割・エンチャント・トークンである。
111.10n 「魔術師/Sorcerer」・役割・トークンとは、「魔術師」という名前でエンチャント(クリーチャー)と「エンチャントしているクリーチャーは+1/+1の修整を受け、『このクリーチャーが攻撃するたび、占術1を行う。』を持つ。」を持つ無色のオーラ・役割・エンチャント・トークンである。
111.10p 「聖者/Virtuous」・役割・トークンとは、「聖者」という名前でエンチャント(クリーチャー)と「エンチャントしているクリーチャーはあなたがコントロールしているエンチャント1つにつき+1/+1の修整を受ける。」を持つ無色のオーラ・役割・エンチャント・トークンである。
111.10q 「ひねくれ者/Wicked」・役割・トークンとは、「ひねくれ者」という名前でエンチャント(クリーチャー)と「エンチャントしているクリーチャーは+1/+1の修整を受ける。」と「このオーラが戦場から墓地に置かれたとき、各対戦相手はそれぞれ1点のライフを失う。」を持つ無色のオーラ・役割・エンチャント・トークンである。
111.10r 「若き英雄/Young Hero」・役割・トークンとは、「若き英雄」という名前でエンチャント(クリーチャー)と「エンチャントしているクリーチャーは『このクリーチャーが攻撃するたび、これのタフネスが3以下である場合、これの上に+1/+1カウンター1個を置く。』を持つ。」を持つ無色のオーラ・役割・エンチャント・トークンである。
111.10s 「地図/Map」・トークンとは、「{1}, {T}, このアーティファクトを生け贄に捧げる:あなたがコントロールしているクリーチャー1体を対象とする。それは探検を行う。起動はソーサリーとしてのみ行う。」を持つ無色の地図・アーティファクト・トークンである。rule 701.40〔探検を行う〕参照。
111.10t 「ジャンク/Junk」・トークンとは、「{T}, このアーティファクトを生け贄に捧げる:あなたのY">ライブラリーの一番上にあるカード1枚を追放する。このターン、そのカードをY">プレイしてもよい。起動はソーサリーとしてのみ行う。」を持つ無色のジャンク・アーティファクト・トークンである。
111.11. 効果がプレイヤーにある名前のトークンを生成させ、他にそのトークンの特性を定義しておらず、かつその名前が前述した定義済みトークンの一覧にないなら、そのトークンの特性はその名前であるカードのオラクルを用いて定義される。
例:《不休のディサ》は「あなたがコントロールしている1体以上のクリーチャーがプレイヤー1人に戦闘ダメージを与えるたび、タルモゴイフ・トークン1体を生成する。」という能力を持つ。この能力を解決すると、これのコントローラーは「タルモゴイフ」という名前のトークンを生成し、それは「タルモゴイフ」という名前のカードのオラクルを用いて定義される特性を持つ。
111.12. 効果がプレイヤーに、存在しないオブジェクトのコピーであるトークンを生成させる場合、トークンは生成されない(rule 707〔オブジェクトのコピー〕参照)。これは、オブジェクトの最後の情報を使う効果には適用されない。
例:《ミミックの大桶》は、プレイヤーにカードを追放する選択肢を与える誘発型能力と、「ミミックの大桶によって追放されているカード1枚のコピーであるトークン1体を生成する。それは速攻を得る。次の終了ステップの開始時に、それを追放する。」という起動型能力を持つ。この誘発型能力でカードが追放されていない場合、トークンは生成されない。
111.13. パーマネント 呪文のコピーは、その解決に際してトークン になる。そのトークンは、そのトークン になった呪文の特性を持つ。トークンを生成することに言及した置換効果や誘発型能力からは、そのトークンは「生成」されたものとしては扱われない。
112.1. 呪文とは、スタックにあるカードのことである。唱えるための最初の手順で(rule 601〔呪文を唱えること〕参照)、カードは呪文 になり、オーナーの手札などの元あった領域からスタックの一番上に移動する(rule 405〔スタック〕参照)。呪文は解決されるか(rule 608〔呪文や能力の解決〕参照)、打ち消されるか(rule 701.5 参照)、その他の方法でスタックから離れるまでスタックに残る。さらなる情報は、rule 6〔呪文、能力、効果〕参照。
112.1a 呪文のコピーは、それがカードによって示されていなくても呪文である。rule 707.10 参照。
112.1b カードのコピーを唱えさせる効果が存在する。その効果によって唱えた場合、そのコピーは呪文である。rule 707.12 参照。
112.2. コピーでない呪文のオーナーは、その呪文を表現しているカードのオーナーである。コピーである場合のオーナーは、それをコントロール下でスタックに積んだプレイヤーである。呪文のコントローラーは、通常、それをスタックに積んだプレイヤーである。呪文には必ずコントローラーが1人存在する。
112.3. コピーでない呪文の特性は、カードに記載されている値であり、それに継続的効果によって修整を受ける。rule 613〔継続的効果の相互作用〕参照。
112.4. 呪文や能力の解決による効果によってパーマネント 呪文の特性が変更された場合、その効果はその呪文が解決されたパーマネントにも適用され続ける。rule 400.7 参照。
例:効果が黒のクリーチャー・呪文を白にした場合、そのクリーチャーが戦場に出るときにも白であり、その色を変える効果が残っている限り白であり続ける。
113.1a 能力には、オブジェクトの持つ特性で、そのオブジェクトがゲームに影響を及ぼせるようにするものが含まれる。オブジェクトの能力はそのルール・テキストまたはそれを生成した効果によって定義される。ルールや効果によってオブジェクトが能力を得ることもある。(能力を与える効果には、大抵の場合「持つ」「得る」と書かれている。)能力は効果を作る(rule 609〔効果〕参照)。
113.1b 能力には、プレイヤーが持つ、ゲームがそのプレイヤーに及ぼす影響を変更するものがある。効果によって与えられない限り、通常、プレイヤーは能力を持たない。
113.1c 能力には、スタック上にある起動型あるいは誘発型能力が含まれる。この種の能力はオブジェクトである。(rule 6〔呪文、能力、効果〕参照)
113.2. 能力は、それを持っているオブジェクトに影響を及ぼすことがある。他のオブジェクトやプレイヤーにも影響を及ぼすことがある。
例:「このクリーチャーではブロックできない。」というのは能力である。
113.2b カードを唱えるための追加コストや代替コストは、カードの能力である。
113.2c 1つのオブジェクトが複数の能力を持つことがある。そのオブジェクトがカードである場合、一行に並べられて書かれるあらかじめ定義された能力(rule 702〔キーワード能力〕参照)を除き、オブジェクトの文章の各段落は別個の能力を表す。カードでない場合、それを生成した効果によって複数の能力を得ることがある。また、オブジェクトは呪文や能力によって能力を得ることがある。1つのオブジェクトが同じ能力を複数持っている場合、それられは独立に機能する。これによって、能力が1つだけの時よりもより多くの効果を生むこともあるし、そうでないこともある。詳しい情報は各能力を参照のこと。
113.2d 能力は、1つまたは複数の単発的効果または継続的効果を作る。継続的効果の中には、置換・軽減効果が含まれる。rule 609〔効果〕参照。
113.3a 呪文能力とは、インスタントまたはソーサリー・呪文が解決される間に処理される指示のことである。rule 113.6 に示す、起動型能力や誘発型能力や常在型能力でない、インスタントまたはソーサリー・呪文の文章は呪文能力である。
113.3b 起動型能力はコストと効果を持ち、通常は「[コスト]:[効果。][(あるなら)起動指示。]」という書式で書かれている。この種の能力は、そのプレイヤーが優先権を持っているときならいつでも起動できる。そうしたなら、その能力はスタックに積まれ、打ち消されるか解決されるかその他の方法でスタックから離れるまでスタックに残る。rule 602〔起動型能力の起動〕参照。
113.3c 誘発型能力は誘発条件と効果を持ち、「……とき/when」「……たび/whenever」「……時/at」を含む(通常はそれらから始まる)「[誘発条件], [効果。]」という書式で書かれている。誘発イベントが発生するたび、その次にいずれかのプレイヤーが優先権を得る時にその能力はスタックに積まれ、打ち消されるか解決されるかその他の方法でスタックから離れるまでスタックに残る。rule 603〔誘発型能力の扱い〕参照。
113.3d 常在型能力は普通の文で書かれ、単にその効果が発生する。常在型能力は、パーマネントがその能力を持って戦場にある間機能し続ける継続的効果を生み出すか、あるいはその能力を持つオブジェクトが特定の領域にある間に機能する。rule 604〔常在型能力の扱い〕参照。
113.4. 起動型能力や誘発型能力の一部はマナ能力である。マナ能力は特別なルールに従う。マナ能力はスタックを使わず、特定の条件下では優先権がないときにさえ起動することができる。rule 605〔マナ能力〕参照。
113.5. 起動型能力の中には忠誠度能力と呼ばれるものがある。忠誠度能力は、以下の特殊ルールが適用される。プレイヤーは自分がコントロールしているパーマネントの忠誠度能力を、自分のメイン・フェイズの間、スタックが空で、優先権を持っていて、どのプレイヤーもそのターンにそのパーマネントの忠誠度能力を起動していない場合にのみ起動できる。rule 606〔忠誠度能力〕参照。
113.6. インスタントまたはソーサリー・呪文の能力は、通常、そのオブジェクトがスタックにある間にのみ機能する。他のオブジェクトの能力は、通常、そのオブジェクトが戦場にある間にのみ機能する。例外は以下の通り。
113.6a 特性定義能力は、ゲームの外部やゲームの開始前も含むあらゆる場所で機能する。rule 604.3 参照。
113.6b どの領域で機能するかが書かれている能力は、その領域でのみ機能する。
113.6c どの領域で機能しないかが書かれている能力は、その特定の領域以外では、ゲームの外部やゲームの開始前も含むあらゆる場所で機能する。
113.6d あるオブジェクトの持つ、それ自身のマナ・コストを払うのではなく代替コストを支払うことをプレイヤーに認める能力その他のそれを唱えるためのコストを変更する能力はスタックにある間に機能する。
113.6e オブジェクトの、その特定のオブジェクトをプレイするあるいは唱えることに制限や修整をもたらす能力は、プレイできるあるいは唱えられる領域にある間とスタックにある間に機能する。その特定のオブジェクト自身にそれをプレイするあるいは唱えることに制限や修整をもたらす他の能力を与えるそのオブジェクトの能力は、スタックにある間にのみ機能する。
113.6f オブジェクトの能力で、その特定のオブジェクトをどの領域からプレイする、あるいは唱えることができるかを限定したり修整したりする能力は、ゲームの外部を含むどこにあっても機能する。
113.6g オブジェクトの能力で、それが打ち消されない、またはコピーされないと書かれているものは、スタックにある間に機能する。
113.6h オブジェクトの能力で、それが戦場に出る状況を変更するものは、そのオブジェクトが戦場に出てくるに際して機能する。rule 614.12 参照。
113.6i オブジェクトの能力で、それにカウンターを置けないとするものは、そのオブジェクトが戦場にある間に加えて、そのオブジェクトが戦場に出る際にも機能する。
113.6j オブジェクトの、戦場にある間に支払うことのできないコストを必要とする起動型能力は、そのコストを支払うことができる領域にある間に機能する。
113.6k 戦場以外の領域にある間にのみ誘発しうる誘発条件を持つ誘発型能力は、その誘発しうる領域にある間に機能する。その誘発型能力が他に誘発条件を持っていた場合、単一の誘発型能力が複数の領域で機能することもありうる。
例:《赦免のスラル》は「赦免のスラルが戦場に出るか、これが憑依しているクリーチャーが死亡するかしたとき、エンチャント1つを対象とする。それを破壊する。」という能力を持つ。1つ目の誘発条件は戦場にある間に機能するが、2つ目の誘発条件は追放 領域にある間に機能する。rule 702.55〔憑依〕参照。
113.6m コストや効果が、そのオブジェクトを特定の領域から移動させるものである場合、その領域にある間にのみ機能する。その能力の誘発条件として、あるいはその能力のそれ以前のコストや効果として、そのオブジェクトをその領域に移動すること、あるいはそのオブジェクトがオーラである場合にはそれがエンチャントしているオブジェクトが戦場を離れることが含まれている場合は、この限りではない。その能力の効果が、そのオブジェクトを特定の領域から移動させる効果を持つ遅延誘発型能力を作る場合も同様である。
例:《組み直しの骸骨》は「{1}{B}: あなたの 墓地にある組み直しの骸骨をタップ状態で戦場に戻す。」という能力を持つ。この能力は、《組み直しの骸骨》が自分の墓地にある間にしか起動できない。
113.6n ゲームの開始前、デッキ 構築に関するルールを変更する能力が存在する。その種の能力は、この総合ルールだけでなく、マジック・イベント規定その他特定のフォーマットでのデッキ 構築ルールを定めた文書を変更する。しかしながら、その種の能力によっても、あるフォーマットにおいて禁止や制限されているカードは禁止あるいは制限されているままである。現在のマジック・イベント規定は、http://wpn.wizards.com/en/resources/rules-documents から参照できる。(訳注:日本語訳は http://mjmj.info/ 以下で公開されている)
113.6p 紋章、次元・カード、ヴァンガード・カード、計略・カード、策略・カードの能力は統率領域において機能する。rule 114〔紋章〕、rule 901〔プレインチェイス戦〕、rule 902〔ヴァンガード戦〕、rule 904〔アーチエネミー戦〕、rule 905〔コンスピラシー・ドラフト〕参照。
113.7. 能力の発生源は、それを作ったオブジェクトである。スタックにある起動型能力の発生源は、起動した能力を持つオブジェクトである。スタックにある、または誘発してスタックに積まれるのを待っている誘発型能力の発生源は、(遅延誘発型能力を除き)誘発した能力を持つオブジェクトである。遅延誘発型能力の発生源については、rule 603.7d-f 参照。
113.7a いったん起動し、または誘発したら、能力はその能力の発生源とは独立して スタックに存在する。以降、その能力の発生源を破壊したり除去したりしても、能力には影響を及ぼさない。いくつかの能力は、その能力が直接何かをするのではなく、その能力の発生源に何かをさせることに注意すること(例えば、「クリーチャーやプレインズウォーカーやプレイヤーのうち1つを対象とする。放蕩紅蓮術士はそれに1点のダメージを与える。」)。このような場合、起動型能力を宣言したり誘発型能力をスタックに置いたりする時点でその発生源の情報を参照する起動型能力や誘発型能力は、その能力がスタックに置かれる時点でそれらの情報をチェックする。それ以外の理由で発生源の情報を参照する能力は、その能力の解決時にその情報をチェックする。いずれにせよ、チェックする時点で発生源が既に元あった領域 にない場合、その能力の発生源の、その領域を離れる直前の情報を使う。すでに存在しなくなっていても、発生源がその処理を行う。
113.8. スタックにある起動型能力のコントローラーは、その能力を起動したプレイヤーである。スタックにある誘発型能力のコントローラーは、遅延誘発型能力を除き、その能力が誘発したときにその能力の発生源をコントロールしていたプレイヤーである。コントローラーがいない場合、その能力が誘発した時のその能力の発生源のオーナーである。遅延誘発型能力のコントローラーについては、rule 603.7d-f 参照。
113.9. スタックにある起動型能力や誘発型能力は呪文ではないので、呪文を打ち消すものには打ち消されない。スタックにある起動型能力や誘発型能力は、能力を打ち消すと書かれている効果によって打ち消される。常在型能力はスタックを用いないので、打ち消されることはない。
113.10. 効果によって、オブジェクトの能力が追加されたり、あるいは取り除かれたりすることがある。能力を追加する効果は、そのオブジェクトが能力を「得る/gain」、「持つ/have」などと書かれる。能力を取り除く効果は、そのオブジェクトが能力を「失う/lose」と書かれる。
113.10a 起動型能力を追加する効果には、その能力の起動指示が含まれることがある。それらの指示はそのオブジェクトに追加された能力の一部になる。
113.10b 能力を取り除く効果は、その能力が複数あっても全て取り除く。
113.10c 複数の効果が同じ能力を追加して取り除いた場合、一般には最新のものが優先される。継続的効果の相互作用について、詳しくは rule 613 参照。
113.11. 効果によって、オブジェクトは特定の能力を得なくなることがある。それらの効果では、そのオブジェクトはその能力を「持つことができない/can't have」と書かれている。もしオブジェクトがその能力を持っている場合、その能力を失う。また、効果やキーワード・カウンターによってその能力をそのオブジェクトに得させることもできない。呪文や能力の解決がその特定の能力をそのオブジェクトに得させる継続的効果を作る場合、その継続的効果のその部分は適用されないが、その継続的効果の他の部分は適用され、またその解決された呪文や能力の作る他の継続的効果は作られる。常在型能力によって作られた、その特定の能力を得させる継続的効果は、そのオブジェクトに適用されない。
113.12. オブジェクトの特性を定めたり、あるいは単にそのオブジェクトの性質を決めたりする効果は、効果によって得られる能力とは区別される。オブジェクトが能力を「得る/gain」、「持つ/have」時、その能力は他の効果によって取り除かれることがありうる。一方、効果によってオブジェクトの特性が定義された場合(「[パーマネント]は[特性値]である/[permanent] is [characteristic value]」)、それは能力を得させることにはならない(rule 604.3 参照)。同様に、効果によってオブジェクトがある性質を得た場合(「[パーマネント]はブロックされない。」)、それは能力を得させもしないし特性を定義することもない。
例:《ムラガンダの印刻》は「能力を持たないすべてのクリーチャーは+2/+2の修整を受ける。」と書かれている。《ルーン爪の熊》(能力を持たないクリーチャー)が「エンチャントしているクリーチャーは飛行を持つ。」と書かれたオーラがエンチャントしている場合、+2/+2の修整を受けることはない。「エンチャントしているクリーチャーは赤である。」あるいは「エンチャントしているクリーチャーはブロックされない。」と書かれたオーラがエンチャントしている場合、変わらず+2/+2の修整を受ける。
114.1. 効果によって、紋章が統率領域に置かれることがある。紋章とは、1つまたはそれ以上の能力を持つオブジェクトを表すマーカーであり、それ以外の特性は持たない。
114.2. 紋章を生成する効果は「[プレイヤー]は[能力]を持つ紋章を得る。/[Player] gets an emblem with [ability]」と書かれる。これは、[プレイヤー]は[能力]を持つ紋章を統率領域に置くことを意味する。紋章のオーナーはそのプレイヤーであり、そのプレイヤーがその紋章をコントロールする。
114.3. 紋章は、それを生成した効果によって定義された能力以外の特性を持たない。紋章はカード・タイプを持たず、マナ・コストを持たず、色を持たない。ほとんどの紋章は名前も持たない。
114.5. 紋章はカードでもパーマネントでもない。「紋章/emblem」はカード・タイプではない。
115.1. 呪文や能力の一部は、そのコントローラーに1つかそれ以上の対象を選ばせる。対象とは、その呪文や能力が影響を及ぼす、オブジェクトやプレイヤーである。それらの対象は呪文や能力をスタックに積む行程の一部として宣言される。対象は、他の呪文や能力によって指示されない限り、変更することはできない。
115.1a インスタント・呪文やソーサリー・呪文は、その文章中に「[何か]を対象とする/target [something]」という表記がある場合、対象をとる。この[何か]とは、オブジェクトやプレイヤーを示す表現でなければならない。対象の選択は、呪文を唱える際に行う。rule 601.2c 参照。(インスタントやソーサリーの文章内にある起動型能力や誘発型能力が「対象/target」の語を用いていたとしたら、その呪文ではなく能力が対象をとる。)
例:「このカードをサイクリングしたとき、クリーチャー1体を対象とする。ターン終了時まで、それは-1/-1の修整を受ける。」という能力を持つソーサリー・カードがあった場合、誘発型能力は対象をとるが、呪文が対象をとるとは限らない。
115.1b オーラ・呪文は、必ず、対象を取る。オーラの対象は、エンチャントのキーワード能力によって規定される(rule 702.5〔エンチャント〕参照)。対象の選択は、呪文を唱える際に行う。rule 601.2c 参照。オーラ・パーマネントは対象を取らない。オーラ・呪文だけが対象を取る。(オーラ・パーマネントの起動型能力や誘発型能力は対象を取ることがあり得る。)
115.1c 起動型能力は、「[何か]を対象とする/target [something]」という表現で影響を及ぼすものを特定している場合、対象をとる。この[何か]とは、オブジェクトやプレイヤーを示す表現でなければならない。対象の選択は、能力を起動する際に行う。rule 602.2b 参照。
115.1d 誘発型能力は、「[何か]を対象とする/target [something]」という表現で影響を及ぼすものを特定している場合、対象をとる。この[何か]とは、オブジェクトやプレイヤーを示す表現でなければならない。対象の選択は、能力をスタックに積む際に行う。rule 603.3d 参照。
115.1e 装備や接合などキーワード能力の一部は、対象を取る起動型能力や誘発型能力を意味している。また、変容などキーワード能力の一部は、呪文に対象を取らせるようにする。それらの場合、「[何か]を対象とする」という表現はその能力そのものには表記されていないが、キーワード能力のルールに記載されている。(キーワードの注釈文にもしばしば「対象/target」の語が含まれている。)rule 702〔キーワード能力〕参照。
115.2. 呪文や能力の対象としては、通常、パーマネントだけが適正である。この例外は、(a) その呪文や能力が他の領域にあるオブジェクトやプレイヤーを対象にできると明記されているときと、(b) 呪文や能力のように戦場に存在することがありえないオブジェクトを対象とするときだけである。rule 115.4 参照。
115.3. 同じ「target」の語で示される中で(日本語版では、「[性質]N個」あるいは「[性質]や[性質]のうちN個」などとしてまとめられている中で)、同じ対象を複数回選ぶことはできない。複数の対象群がある場合、同一のオブジェクトやプレイヤーを(条件を満たしているなら)それぞれ1回ずつ対象に取ることができる。この規定は、呪文や能力の対象を選ぶときと、呪文や能力の対象を変更したり新しい対象を選んだりするとき(rule 115.7 参照)の両方に適用される。
115.4. ダメージ関連の呪文や能力の中に、「target [something]」ではなく、「any target」や「another target」、「two targets」などを取るものがある。これらの対象は、クリーチャーかプレイヤーかプレインズウォーカーかバトルである。クリーチャーでないアーティファクト、あるいは呪文など、その他のゲーム上のオブジェクトは選択できない。日本語版では、それらは「Nつを対象とする。」あるいは「任意の数を対象とする。」といった表現になっている。
115.5. スタックにある呪文や能力は、それ自身の対象としては不適正である。
115.6. 対象を取りうる呪文や能力には、0個の対象を選べるものもある。そのような呪文や能力も対象を取りうる呪文や能力ではあるが、1個以上の対象を選んでいるときのみ対象を取る。
115.7. 呪文や能力の効果を変更することを認める効果や、呪文や能力の対象を新しく選ばせる効果が存在する。
115.7a 効果によってプレイヤーが呪文や能力について「その(それらの)対象を変更する/change the target(s)」場合、呪文や能力の対象は、他の適正な対象にだけ変更できる。対象を変更できない場合、元の対象がすでに不適正になっていたとしても、元の対象がそのまま対象 になったままになる。対象すべてを適正な別の対象に変更できない場合、それらの対象はすべて変更されずに元のまま残る。
115.7b 効果によってプレイヤーが呪文や能力について「対象1つを変更する/change a target」場合、rule 115.7a の記載に従うが、対象の中の(すべてを変更するかまったく変更しないかを選ぶのではなく)1つだけを変更することができる。
115.7c 効果によってプレイヤーが呪文や能力について「任意の対象を変更する/change any targets」場合、rule 115.7a の記載に従うが、対象の中の(すべてを変更するかまったく変更しないかを選ぶのではなく)任意の一部を変更することができる。
115.7d 効果によってプレイヤーが呪文や能力について「新しい対象を選ぶ/choose new targets」場合、そのプレイヤーはその現在の対象のうち望む数を、それが不正な対象であったとしても、そのままに残しておいてもよい。プレイヤーが新しく選んだ対象は適正でなければならないし、そのままに残してある対象を不適正にするものであってはならない。
115.7e 呪文や能力の対象を変更したり新しい対象を選んだりする場合、その変更が適正かどうかを判断するためには最終的に定められた対象だけを評価する。
例:「クリーチャーやプレインズウォーカーやプレイヤーのうち1つと、それでないクリーチャーやプレインズウォーカーやプレイヤーのうち1つを対象とする。電弧の痕跡はその前者に2点のダメージを、その後者に1点のダメージを与える。」というソーサリー《電弧の痕跡》の現在の対象が、順に《ルーン爪の熊》と《ラノワールのエルフ》であるとする。あなたが「呪文1つを対象とする。あなたはそれの新しい対象を選んでもよい。」というインスタント《移し変え》を《電弧の痕跡》を対象に唱えた場合、1つ目の対象を《ラノワールのエルフ》に、2つ目の対象を《ルーン爪の熊》に変えることができる。
115.7f 呪文や能力は、1つ以上のものを対象として(ダメージやカウンターなどの)効果を「分割/divide」したり「分配/distribute」したりすることがある。その種の呪文や能力のための対象を変更したり新しく選んだりする場合、元の分割を変更することはできない。
115.8. モードを持つ呪文や能力は、モードごとに異なった対象の取り方をする場合がある。モードを持つ呪文や能力の対象を変更したり新しく選んだりする効果には、そのモードは変更されない。(rule 700.2 参照)
115.9. オブジェクトの中には、他の呪文や能力が対象を取るかどうかを見るものがある。文章によって、それがチェックするのは対象の現在の状態であるか、あるいは選ばれた時点での状態であるか、その両方を見るかが違う。
115.9a 「[数]の対象を持つ[呪文や能力]/[spell or ability] with [a number of] targets」を見るオブジェクトは、その呪文や能力がスタックに積まれた時点で合計何回オブジェクトやプレイヤーが対象として選ばれたかを数える。現時点で適正である対象の数を数えるのではない。同一のオブジェクトやプレイヤーが複数回対象として選ばれていた場合、それぞれを別々に数える。
115.9b 「[何か]を対象とする[呪文や能力]/[spell or ability] that targets [something]」を見るオブジェクトは、その呪文や能力の対象がその時点でどうなっているかを見る。対象にしたオブジェクトが元あった領域に存在し、あるいは対象にしたプレイヤーがまだゲームに残っているのであれば、その対象がその呪文や能力にとって不適正になっていたとしても、その現在の情報を用いる。オブジェクトがその領域 になくなっていたり、プレイヤーがゲームに存在しなくなっているのであれば、その対象は無視され、最後の情報は用いられない。
115.9c 「[何か]のみを対象とする[呪文や能力]/[spell or ability] that targets only [something]」は、その呪文や能力がスタックに積まれたときにいくつの異なったオブジェクトやプレイヤーを対象として選んだか(その後対象を変更する効果によって変更されたものも含む)を数える。現時点で適正である対象の数を数えるのではない。その数が1であれば(その呪文や能力が同一のオブジェクトやプレイヤーを複数回対象にしていても)その呪文や能力の対象は、rule 115.9b に書かれている通りにチェックされる。
115.10. 呪文や能力は、対象にしていないオブジェクトやプレイヤーに影響を及ぼすことがある。一般に、その種のオブジェクトやプレイヤーは呪文や能力の解決時まで選択されない。rule 608〔呪文や能力の解決〕参照。
115.10a オブジェクトやプレイヤーが呪文や能力の影響を受けるからといって、そのオブジェクトやプレイヤーが自動的にその呪文の対象 になるわけではない。そのオブジェクトやプレイヤーが、その呪文や能力の文章内、あるいはキーワード能力のルール内の「対象」の語を用いて指定されていない限り、対象ではない。
116.1. 特別な処理は、プレイヤーが優先権を持っているときに行う、スタックを用いない処理である。ゲームが自動的に作る、ターン起因処理や状況起因処理と混同してはならない。(rule 703〔ターン起因処理〕、rule 704〔状況起因処理〕参照)
116.2a 土地をプレイすることは特別な処理である。土地をプレイするとは、その土地を元あった領域(通常はそのプレイヤーの手札)から戦場に出すことである。何も効果がない場合、プレイヤーは自分のターンの間に1度だけこの処理を行うことができる。プレイヤーは自分のメイン・フェイズの間、優先権を持っていてスタックが空であれば、この特別な処理を行うことを選んでもよい。rule 305〔土地〕参照。
116.2b 裏向きのパーマネントをオモテ向きにすることは特別な処理である。プレイヤーが優先権を持っているときならいつでも、この処理を行うことができる。rule 708〔裏向きの呪文やパーマネント〕参照。
116.2c 効果の中には、後でプレイヤーに何らかの処理を認めるものがある。その多くは継続的効果の終了や、遅延誘発型能力の誘発の中止である。そうすることは特別な処理である。その効果が遅延誘発型能力の誘発を中止させたり継続的効果を終了させたりすることを許している場合、その効果に特にタイミングの制限が書かれていない限り、プレイヤーが優先権を持っているときならいつでもこの処理を行うことができる。
116.2d 常在型能力からの効果によって、その能力からの効果をある期間だけ失わせるという処理をできることがある。そうすることは特別な処理である。プレイヤーが優先権を持っているときならいつでもこの処理を行うことができる。
116.2e 「あなたがインスタントを唱えられるときならいつでも、あなたは《待ち受ける禿鷹》を捨ててもよい。」という能力を持つカード(《待ち受ける禿鷹》)が存在する。そうすることは特別な処理である。プレイヤーが優先権を持っているときならいつでもこの処理を行うことができる。
116.2f 待機 能力つきのカードを手札に持つプレイヤーは、そのカードを追放することができる。これは特別な処理である。プレイヤーが優先権を持っているときで、そのカードをスタックに積むことによって唱え始めることができるときならいつでもこの処理を行うことができる。rule 702.62〔待機〕参照。
116.2g 相棒を選んだプレイヤーは、{3}を支払ってそのカードをゲームの外部から手札に持ってくることができる。これは特別な処理である。プレイヤーは、優先権を持っていてスタックが空で自分のターンのメイン・フェイズの間であればいつでも、この処理をすることができるが、そのゲームでまだこの処理をしていない場合に限られる。rule 702.139〔相棒〕参照。
116.2h 予顕を持つカードが手札にあるプレイヤーは、{2}を支払ってそのカードを裏向きに追放することができる。これは特別な処理である。プレイヤーは、自分のターンの間優先権を持っているときならいつでも、この処理をすることができる。rule 702.143〔予顕〕参照。
116.2i プレインチェイス戦においては、次元ダイスを振ることは特別な処理である。プレイヤーはこの処理を、自分のメイン・フェイズの間、優先権を持っていてスタックが空であれば行うことができる。この処理を行うためのコストとして、そのターンに既に行なったこの処理の回数に等しい量のマナが必要である。そのターンの間に 効果によって次元ダイスを振っていた場合、次元ダイスを振った回数と等しくならないことに注意すること。rule 901〔プレインチェイス戦〕参照。
116.2j コンスピラシー・ドラフトにおいては、統率領域にある裏向きの策略・カードをオモテ向きにすることは特別な処理である。プレイヤーは、優先権を持っているときならいつでもこの処理を行うことができる。rule 905.4a 参照。
116.2k 計画を持つカードが手札にあるプレイヤーは、そのカードを追放することができる。これは特別な処理である。プレイヤーはこの処理を、自分のターンの間、優先権を持っていてスタックが空であれば行うことができる。702.170〔計画〕参照。
116.3. プレイヤーが特別な処理を行なった場合、そのプレイヤーがその後で優先権を得る。
117.1. 呪文や能力がいずれかのプレイヤーに何か処理を行うよう指示していない限り、ある時点でどちらのプレイヤーが処理を行えるかは、優先権のシステムによって決定される。優先権を持つプレイヤーは呪文を唱えたり、能力を起動したり、特別な処理を行なったりできる。
117.1a プレイヤーは、優先権を持っているときならいつでもインスタント・呪文を唱えることができる。プレイヤーは、自分のメイン・フェイズの間で優先権を持っているときにスタックが空であればインスタント以外の呪文を唱えることができる。
117.1b プレイヤーは、優先権を持っているときならいつでも起動型能力を起動できる。
117.1c プレイヤーが優先権を持っているときならいつでも取れる特別な処理が存在する。他の特別な処理については、自分のメイン・フェイズの間で優先権を持っているときにスタックが空であれば可能である。rule 116〔特別な処理〕参照。
117.1d プレイヤーは、優先権を持っている時か、呪文を唱えたり能力を起動したりする途中でマナの支払いが必要な時、あるいは(呪文を唱えたり解決したりしている間や、能力を起動したり解決したりしている間も含む)ルールや効果がマナの支払いを求めた時ならいつでもマナ能力を起動できる。
117.2. 他の能力や処理は、ゲームのルールによって自動的に作られたり実行されたりするか、または優先権を得ることなくプレイヤーによって実行される。
117.2a 誘発型能力は、呪文を唱えている間や能力を起動している間、あるいは呪文や能力を解決している間であっても、いつでも誘発する(rule 603〔誘発型能力の扱い〕参照)。しかしながら、能力は誘発した瞬間には何もしない。いずれかのプレイヤーが優先権を得る時点で、誘発していてまだスタックに積まれていない能力はスタックに積まれる。rule 117.5 参照。
117.2b 常在型能力は継続的にゲームに影響を及ぼす。優先権は関係しない。(rule 604〔常在型能力の扱い〕、rule 611〔継続的効果〕参照)
117.2c ターン起因処理は、特定のステップやフェイズが始まったときに自動的に発生する。これはプレイヤーが優先権を得るよりも前に処理される。rule 117.3a 参照。ターン起因処理は各ステップやフェイズが終わったときにも自動的に発生し、それ以降にプレイヤーが優先権を得ることはない。rule 703〔ターン起因処理〕参照。
117.2d 状況起因処理は特定の条件を満たしたときに自動的に発生する。rule 704〔状況起因処理〕参照。これはプレイヤーが優先権を得る直前に処理される。rule 117.5 参照。
117.2e 呪文や能力を解決すると、プレイヤーに選択を求めたり処理を行わせたりマナ能力の起動を許可したりすることがある。プレイヤーがそうした場合にも、呪文や能力の解決中にはいずれのプレイヤーも優先権を得ない。rule 608〔呪文や能力の解決〕参照。
117.3. どちらのプレイヤーが優先権を持っているかは、以下のルールによって定められる。
117.3a アクティブ・プレイヤーは、ほとんどのフェイズとステップの開始時に、ターン起因処理(ドロー・ステップ の間に カード1枚を引くことなど。rule 703 参照)の後、そのフェイズやステップの開始時に誘発する能力がスタックに積まれた後で優先権を得る。ただし、アンタップ・ステップには優先権は発生せず、通常はクリンナップ・ステップにも優先権は発生しない(rule 514.3 参照)。
117.3b 呪文や能力(マナ能力を除く)が解決されたら、アクティブ・プレイヤーが優先権を得る。
117.3c 呪文を唱えたり、能力を起動したり、特別な処理を行なったりしたプレイヤーは、その後で優先権を得る。
117.3d プレイヤーが優先権を持っていて何も処理をしないことを選んだ場合、そのプレイヤーはパスしたことになる。そのプレイヤーのマナ・プールにマナが残っている場合、何がどれだけ残っているかを宣言する。その後、ターン順で次のプレイヤーが優先権を得る。
117.4. 全てのプレイヤーが続けてパス(すべてのプレイヤーが何も処理を行わずにパスすることをそう言う)した場合、スタックの一番上のオブジェクトが解決される。この時点でスタックが空の場合、そのフェイズやステップは終了する。
117.5. いずれかのプレイヤーが優先権を得る場合、ゲームはまず該当する状況起因処理を単一のイベントとして行う(rule 704〔状況起因処理〕参照)。状況起因処理が1つも発生しなくなるまでチェックが繰り返される。その後、誘発型能力がスタックに積まれる(rule 603〔誘発型能力の扱い〕参照)。この手順は、それ以上の状況起因処理が発生せず、能力が誘発しない状態になるまで繰り返される。その後で、該当するプレイヤーが優先権を得る。
117.6. 「共有チーム・ターン」選択ルールにおいて、個人ではなくチームが優先権を得る。rule 805〔「共有チーム・ターン」選択ルール〕参照。
117.7. 優先権を持つプレイヤーが、他の呪文や能力がスタックにある間に呪文を唱えたり起動型能力を起動したりした場合、新しい呪文や能力は、その前の呪文や能力に「対応して/in response to」唱えられ、あるいは起動された、という。新しい呪文や能力は、一番最初に解決されることになる。rule 608〔呪文や能力の解決〕参照。
118.1. コストとは、他の処理をするため、あるいは他の処理を妨げるために必要な処理や支払いのことである。コストを支払うとは、プレイヤーがそのコストを含む呪文、能力、効果で特定されている指示を実行することである。
118.2. コストにマナの支払いが含まれる場合、コストを支払うプレイヤーはマナ能力を起動する機会を得る。呪文を唱えたり起動型能力を起動したりするためのコストの支払いは、rule 601.2f-h に示された手順を取る。
118.3. プレイヤーは、コストを完全に支払うために必要なリソースを持たずにそのコストを支払うことはできない。例えば、ライフが1点しかないプレイヤーは、2点のライフをコストとして支払うことはできないし、タップ状態のパーマネントをタップすることでコストを支払うことはできない。rule 202〔マナ・コストと色〕、rule 602〔起動型能力の起動〕参照。
118.3a マナを支払うことは、プレイヤーのマナ・プールから指示されただけのマナを取り除くことによって行われる(プレイヤーはいつでも0点のマナを支払うことができる)。支払いの後でマナ・プールにマナが残っている場合、そのプレイヤーは何がどれだけ残っているかを宣言する。
118.3b ライフを支払うことは、プレイヤーのライフの総量から指示されただけの点数のライフを減らすことによって行われる(プレイヤーはいつでも0点のライフを支払うことができる)。
118.3c コストを支払うことが義務である場合にも、マナ能力を起動することは義務ではない。
例:あるプレイヤーが「アーティファクトでないすべての呪文を唱えるためのコストは{1}多くなる。」という《磁石のゴーレム》をコントロールしている。他のプレイヤーが、待機状態のソーサリー・カードから最後の時間カウンターを取り除いた。そのプレイヤーは可能ならばその呪文を唱えなければならないが、そうするためには{1}のコストが必要である。マナ・プールに充分なマナがある場合にはそのコストを支払わなければならない。しかし、そのマナを出すためのマナ能力を起動することは義務ではない。そのカードはただ追放されたままになる。
118.4. コストの中に{X}やXが含まれることがある。rule 107.3 参照。
118.5. コストが{0}によって表されていたり、{0}にまで減少したりすることがある。その類のコストを支払うためにプレイヤーが取らなければならない処理は、支払うことを宣言するだけである。コストの支払いにリソースが必要ないが、自動的に支払われるわけではない。
118.6. マナ・コストを持たないオブジェクトが存在する。これは、支払うことができないコストを意味する。能力も、マナ・コストを持たないオブジェクトのマナ・コストを元にコストを決めた場合に、支払うことができないコストを持つことがある。支払うことができないコストを持つ呪文を唱えたり、能力を起動したりすることは適正な処理であるが、支払うことのできないコストを支払おうとすることは不適正な処理である。
118.6a 支払うことができないコストが、何らかの効果によって加算されたり、追加コストが加わったりしても、そのコストは支払うことができないままである。支払うことができないコストに、マナ・コストを払わずに唱えてもよいという効果などの代替コストが適用された場合、その代替コストを支払うことは適正である。
118.7. プレイヤーが実際に支払うコストは、効果によって変更されたり減らされたりすることがある。コストのマナ部分がコスト減少効果によってまったくなくなった場合、{0}として扱う。そうして変更されたコストを支払うことは、元のコストを支払ったのと同じように扱う。
118.7a 一定量の不特定マナをコストから減少させる効果は、そのコストの不特定マナ部分にだけ影響する。そのコストの、色 マナや無色 マナの部分には影響を及ぼさない。
118.7b 一定量の色 マナや無色 マナがコストから減る場合、そのコストがそのタイプのマナを求めていなかったなら、コストからその量の不特定マナが減らされる。
118.7c 一定量の色 マナがコストから減る場合、その減る量がそのコストに含まれるその色のマナよりも多かったなら、その色のマナはなくなるまで減り、余剰分の不特定マナが減る。
118.7d 一定量の無色 マナがコストから減る場合、その減る量がそのコストに含まれる無色 マナよりも多かったなら、無色 マナはなくなるまで減り、余剰分の不特定マナが減る。
118.7e 混成マナ・シンボルで示されているある量のマナがコストから減る場合、そのコストを支払うプレイヤーはそのコスト減少が適用される時点でそのシンボルのうちいずれか半分を選ぶ(rule 601.2f 参照)。色 マナである半分を選んだ場合、その色のマナ1点を減らす。不特定マナである半分を選んだ場合、そこに示されている数の不特定マナを減らす。
118.7f ファイレクシア・マナ・シンボルで示されているマナがコストから減らされる場合、そのシンボルの色のマナ1点が減らされる。
118.7g 1個以上の氷雪マナ・シンボルで示されているある量のマナがコストから減らされる場合、そのコストはその量の不特定マナだけ減らされる。
118.8. 呪文や能力の一部は追加コストを持つ。追加コストは、呪文のルール・テキストに記されているコスト、あるいは他の効果によって呪文や能力に適用されるコストであり、呪文のマナ・コストあるいは能力の起動コストを支払うのと同時にそのコントローラーが支払わなければならない。キーワードとして記される追加コストも存在する。rule 702 参照。
118.8a 追加コストは、唱えられる1つの呪文あるいは起動される1つの能力に複数適用されることがある。呪文や能力のコントローラーは、それらのコストを支払う意思を、rule 601.2b に基づいて宣言する。
118.8c 効果にプレイヤーが「可能ならば/if able」呪文を唱えるように記述されていた場合、その呪文が非公開領域にある何らかの値を持つカードを含む強制の追加コストを持っていたならば、その必要なカードがその領域に存在したとしてもその呪文を唱えることは強制されない。
118.8d 追加コストによって呪文のマナ・コストが変化することはなく、単にそれを唱えるために支払うコストが変化するだけである。呪文のマナ・コストを参照する呪文や能力は、その元の値を参照する。
118.9. 代替コストを持つ呪文が存在する。代替コストは呪文の文章に記されているか、または他の効果によって適用されるコストで、そのコントローラーが呪文のマナ・コストを支払うのではなく支払うことができるコストのことである。代替コストは「あなたは[このオブジェクトの]マナ・コストを支払うのではなく[処理]してもよい/You may [action] rather than pay [this object's] mana cost」あるいは「あなたは[このオブジェクトを]そのマナ・コストを支払うことなく唱えてよい/You may cast [this object] without paying its mana cost.」と書かれている。キーワードとして記される代替コストも存在する。rule 702 参照。
118.9a 単一の呪文を唱えるに際しては、代替コストは1つしか適用できない。その呪文のコントローラーは、そのコストを支払う意思を、rule 601.2b に基づいて宣言する。
118.9b 代替コストは一般的に選択可能である。呪文を唱えることを認める効果は、特定の代替コストの支払いを必要とすることがある。
118.9c 代替コストによって呪文のマナ・コストが変化することはなく、単にそれを唱えるに際して支払うべきコストが変化するだけである。呪文のマナ・コストを参照する呪文や能力は、その元の値を参照する。
118.9d 呪文を唱えるために代替コストを支払う場合、その呪文に影響を及ぼす追加コストやコスト増加、コスト減少はその代替コストに対して適用される(rule 601.2f 参照)。
118.10. コストの支払いは、1つの呪文、能力、効果に対してしか適用できない。たとえば、プレイヤーはクリーチャー1体だけを生け贄に捧げることで、2つのパーマネントがそれぞれ持つ、コストにクリーチャー1体を生け贄に捧げなければならない起動型能力を起動することはできない。また、呪文や能力の解決は、効果の一部が他の呪文や能力のコストとして求められていることと同じであっても、そのコストを支払ったことにはならない。
118.11. コストを支払うための処理は、効果によって修整されることがある。その結果、実際の処理が表記されている内容と一致しなくても、そのコストは支払われたものとして扱う。
例:累加アップキープ・コストとして「カード1枚を引く。」というものを持つエンチャント、《精神の渦》と「あなたがカードを引くなら、代わりに、あなたはそのドローを飛ばしてもよい。」という能力を持つ《片意地な使い魔》をコントロールしている時、そのプレイヤーは《精神の渦》の累加アップキープ・コストを支払うことを選んだ上でカードを引かないことを選んでもよい。その場合でも、累加アップキープ・コストは支払われたものとして扱う。
118.12. 呪文や起動型能力、誘発型能力の中に、「[ある処理]する。[プレイヤーが][そうした/しなかった/できない]なら、[効果]/[Do something]. If [a player] [does, doesn't or can't], [effect]」、あるいは「[プレイヤーは][ある処理]してもよい。[そのプレイヤーが][そうした/しなかった/できない]なら、[効果]/[A player] may [do something]. If [that player] [does, doesn't, or can't], [effect]」というものがある。この場合の[ある処理]はコストであり、呪文や能力の解決時に支払う。「[そうした(しなかった)]なら」という節は、そのプレイヤーがその選択的コストを支払うことを選んだり、あるいは選択的でないコストを支払い始めたりしたかどうかをチェックする。実際にどのようなイベントが発生したかは問わない。
例:あなたが「プレイヤーが呪文1つを唱えたとき、行き詰まりを生け贄に捧げる。そうしたなら、そのプレイヤーの各対戦相手は、カード3枚を引く。」というエンチャント、《行き詰まり》をコントロールしている。ある呪文が唱えられて《行き詰まり》の能力が誘発したあと、《行き詰まり》を追放する別の能力を起動したとしたら、《行き詰まり》の能力が解決された時点で「行き詰まりを生け贄に捧げる。」というコストを支払うことはできないので、どのプレイヤーもカードを引くことはない。
例:対戦相手が「このターン、クリーチャーが対戦相手のコントロール下で戦場に出るなら、代わりにそれはあなたの コントロール下で戦場に出る。」という呪文《標本集め》を唱えた。一方、あなたは「偽皮操りがオモテ向き になったとき、あなたは『あなたの 手札にあり変異を持つクリーチャー・カード1枚を、オモテ向きに戦場に出す。』を選んでもよい。そうしたなら、偽皮操りをオーナーの手札に戻す。」という能力を持つ変異持ちクリーチャー《偽皮操り》を裏向きでコントロールしている。《偽皮操り》をオモテ向きにし、変異を持つクリーチャー・カード1枚を手札から選び、戦場に出そうとする。《標本集め》の効果によってそのクリーチャーは対戦相手のコントロール下で戦場に出るが、コストを支払うことを選んだので、《偽皮操り》はオーナーの手札に戻る。
118.12a カードの中には「[あるプレイヤーが別の処理]しないかぎり、[処理]する/[Do something] unless [A player does something else]」と書かれているものがある。これは「[あるプレイヤーは別の処理]してもよい。そうしないなら、[処理]する/[A player may do something else]. If [that player doesn't], [do something]」というのと同じ意味である。
118.12b 効果の中にはプレイヤーに領域から探すかどうかを選ばせ、その領域で見つけたカードに追加の処理を行わせ、その後に「[プレイヤーが]そうしたなら/If [a player] does」節が続くものがある。この節はプレイヤーが探すことを選んだかどうかをチェックするものであり、そのプレイヤーが追加の処理を行なったかどうかを参照するものではない。
118.13. コストの中には、混成マナ・シンボルやファイレクシア・マナ・シンボルなど、複数の方法で支払うことができるマナ・シンボルを含むものがある。
118.13a 呪文のマナ・コストや起動型能力の起動コストに複数の方法で支払うことができるマナ・シンボルが含まれている場合、そのシンボルの分を支払う方法の選択は、それのコントローラーがその呪文や能力の提示に際して行う(rule 601.2b 参照)。
118.13b 呪文や能力の解決中に支払われるコストに複数の方法で支払うことができるマナ・シンボルが含まれている場合、そのコストを支払う直前に、そのコストを支払うプレイヤーがそのシンボルの分を支払う方法を選ぶ。
118.13c 特別な処理に伴うコストに複数の方法で支払うことができるマナ・シンボルが含まれている場合、そのコストを支払う直前に、その特別な処理を行うプレイヤーがそのシンボルの分を支払う方法を選ぶ。
118.14. コストを支払うために「任意のタイプのマナを支払ってもよい/mana of any type can be spent」という効果が存在する。これは、そのプレイヤーはコストを支払うために、マナを無色や任意の色であるかのように 支払ってもよいということを意味する。その効果がプレイヤーに呪文を唱えることも許可していたなら、この効果はそのプレイヤーがそれにより呪文を唱えるために支払うマナにのみ適用される。rule 609.4b 参照。
119.1. 各プレイヤーの初期ライフ総量は20点である。変種ルールの中にはこれと異なる初期ライフ総量を定めるものもある。
119.1a 双頭巨人戦では、各チームの初期ライフ総量は30点である。rule 810〔「双頭巨人戦」変種ルール〕参照。
119.1b ヴァンガード戦では、各プレイヤーの初期ライフ総量は20点にそのヴァンガード・カードのライフ補正子を加えた値である。rule 902〔ヴァンガード戦〕参照。
119.1c 統率者戦では、各プレイヤーの初期ライフ総量は40点である。rule 903〔統率者戦〕参照。
119.1d 2人ブロール戦では、各プレイヤーの初期ライフ総量は25点である。多人数ブロール戦では、各プレイヤーの初期ライフ総量は30点である。rule 903.12〔ブロール 選択ルール〕参照。
119.2. プレイヤーが受けたダメージは、通常、そのプレイヤーのライフをその量だけ失わせる。rule 120.3 参照。
119.3. 効果がプレイヤーにライフを得させたり失わせたりする場合、そのプレイヤーのライフの総量はそれだけ変動する。
119.4. コストや効果がプレイヤーに1点以上の量のライフを支払うことを認める場合、そのプレイヤーはライフの総量がその値以上の場合に限って支払うことができる。ライフを支払った場合、その支払った分だけライフの総量が減少する、つまり、プレイヤーはその支払った分のライフを失う。
119.4a 双頭巨人戦において、コストや効果がプレイヤーに1点以上の量のライフを支払うことを認める場合、そのプレイヤーはそのチームの共有ライフの総量が、そのチームの両プレイヤーの支払うライフの総量値以上の場合に限って支払うことができる。ライフを支払った場合、その支払った分だけ共有ライフの総量が減少する。
119.4b プレイヤーは自分や自分のチームのライフの総量に関わらず、また効果によってライフの支払いが禁じられているときであっても、いつでも0点のライフを支払うことができる。
119.5. 効果がプレイヤーのライフの総量を特定の値にする場合、そのプレイヤーはライフの総量をその値にするために必要な量のライフを得たり失ったりする。
119.6. プレイヤーのライフの総量が0以下になった場合、そのプレイヤーは状況起因処理としてゲームに負ける。rule 704 参照。
119.7. 効果によってプレイヤーがライフを得られない場合、そのプレイヤーは自分よりもライフの総量が多いプレイヤーとライフの総量を交換することはできない。その場合、交換は発生しない。同様に、効果によってライフを再配分する場合、そのプレイヤーのライフの総量が多くなるような新しいライフの総量を受け取ることはできない。加えて、そのプレイヤーにライフを得させることを含むコストは支払うことができず、そのプレイヤーがライフを得るイベントを置換する置換効果は何もしない。
119.8. 効果によってプレイヤーがライフを失わない場合、そのプレイヤーは自分よりもライフの総量が少ないプレイヤーとライフの総量を交換することはできない。その場合、交換は発生しない。同様に、効果によってライフを再配分する場合、そのプレイヤーのライフの総量が少なくなるような新しいライフの総量を受け取ることはできない。加えて、そのプレイヤーにライフを支払わせることを含むコストは支払うことができない。
119.9. 「[プレイヤー]がライフを得るたび……/Whenever [a player] gains life, ...」という誘発型能力は、「いずれかの発生源が[プレイヤー]にライフを得させるたび……/Whenever a source causes [a player] to gain life, ...」として扱う。プレイヤーが0点のライフを得た場合、ライフを得るイベントは発生せず、従ってこの種の能力は誘発しない。
119.10. 「[プレイヤー]がライフを得るなら、……/If [a player] would gain life, ...」という置換効果は、「発生源が[プレイヤー]にライフを得させるなら、……/If a source would cause [a player] to gain life, ...」として扱う。プレイヤーが0点のライフを得る場合、ライフを得るイベントは発生せず、この種の効果は適用されない。
120.1. オブジェクトはバトル、クリーチャー、プレインズウォーカー、プレイヤーにダメージを与えることができる。一般に、ダメージはダメージを受けるオブジェクトまたはプレイヤーに不利な影響を与える。ダメージを与えたオブジェクトはそのダメージの発生源である。
120.2. いずれのオブジェクトもダメージを与えることができる。
120.2a 戦闘の結果としてダメージを受けることがある。攻撃クリーチャーもブロック・クリーチャーも、戦闘ダメージ・ステップにそのパワーに等しいだけの戦闘ダメージを与える。
120.2b 呪文や能力の効果としてダメージを受けることがある。その呪文や能力が、どのオブジェクトがそのダメージを与えるかを特定する。
120.3. ダメージは、受ける側がプレイヤーであるかパーマネントであるか、また発生源や(ダメージを受けるのがパーマネントであれば)受ける側の特性に応じて、以下の1つ以上の結果をもたらす。
120.3a 感染を持たない発生源からプレイヤーが受けたダメージは、そのプレイヤーのライフをその量だけ減らす。
120.3b 感染を持つ発生源からプレイヤーが受けたダメージは、その発生源のプレイヤーに、そのプレイヤーにその量の毒カウンターを与えさせる。
120.3c プレインズウォーカーが受けたダメージは、そのプレインズウォーカーからその点数に等しい数の忠誠カウンターを取り除く。
120.3d 萎縮や感染を持つ発生源からクリーチャーが受けたダメージは、その発生源のコントローラーに、そのクリーチャーにその量の-1/-1カウンターを置かせる。
120.3e 萎縮も感染も持たない発生源からクリーチャーが受けたダメージは、そのクリーチャーが負う。
120.3f 絆魂を持つ発生源から受けたダメージは、他の結果に加え、その発生源のコントローラーにその量のライフを得させる。
120.3g 毒性を持つクリーチャーがプレイヤーに与えた戦闘ダメージは、他の結果に加え、そのクリーチャーのコントローラーに、そのダメージを受けたプレイヤーにそのクリーチャーの毒性の値の合計に等しい個数の毒カウンターを置かせる。rule 702.164〔毒性〕参照。
120.4a まず、与えるダメージを発生させる効果に、パーマネントに与える余剰のダメージを代わりに他のパーマネントやプレイヤーに与えると明記されていた場合、そのダメージのイベントはそのように変更される。その1つ目のパーマネントがクリーチャーである場合、余剰のダメージとは、そのクリーチャーが既に負っているダメージや同時に受ける他の発生源からのダメージを考慮して、致死ダメージ(rule 120.6 参照)を超えるダメージのことである。クリーチャーが受けるダメージの発生源が接死を持つなら、そのダメージのうち1点を超える分は余剰のダメージである(rule 702.2 参照)。その1つ目のパーマネントがプレインズウォーカーである場合、余剰のダメージとは、同時に受ける他の発生源からのダメージを考慮してそのプレインズウォーカーの忠誠度を超えるダメージの量のことである。その1つ目のパーマネントがバトルである場合、余剰のダメージとは、同時に受ける他の発生源からのダメージを考慮してそのバトルの守備値を超えるダメージの量のことである。その1つ目のパーマネントがバトルやクリーチャーやプレインズウォーカーのうち複数のカード・タイプを持つ場合、余剰のダメージはそれらそれぞれのカード・タイプについて計算した中の最大の値になる。
120.4b 次に、置換効果や軽減効果によって修整された後でダメージを受ける(rule 614〔置換効果〕、rule 615〔軽減効果〕参照)。ダメージを受けたことによって誘発する能力はこの時点で誘発し、スタックに積まれるのを待つ。
120.4c 3番目に、受けたダメージが結果に変換され、その結果(ライフの喪失やカウンターなど)に影響を及ぼす置換効果によって修整される。
例:「あなたがライフを得るなら、代わりに あなたはその2倍の点数のライフを得る。」というエンチャント、《加護の反射》をコントロールしているプレイヤーが3/3の萎縮と絆魂持ちのクリーチャーで攻撃し、2/2クリーチャーでブロックされた。防御プレイヤーはブロック・クリーチャーが受ける次の2点のダメージを軽減する呪文を唱えた。この場合、ダメージのイベントは[2/2クリーチャーが3点のダメージを受ける。3/3クリーチャーが2点のダメージを受ける。]というのが最初の状態である。軽減効果が適用され、ダメージのイベントは[2/2クリーチャーが1点のダメージを受ける。3/3クリーチャーが2点のダメージを受ける。]になる。これが結果に変換されると、[2/2クリーチャーに-1/-1カウンター1個が置かれる。アクティブ・プレイヤーが1点のライフを得る。3/3クリーチャーが2点のダメージを負う。]になる。《加護の反射》の効果が適用され、[2/2クリーチャーに-1/-1カウンター1個が置かれる。アクティブ・プレイヤーが2点のライフを得る。3/3クリーチャーが2点のダメージを負う。]となり、これでダメージのイベントが発生する。
例:防御プレイヤーがクリーチャー1体と、「あなたがクリーチャーをコントロールしているなら、あなたの ライフの総量を1点以下に減少させるダメージは、代わりに あなたの ライフの総量が1点になるまで減少させる。」というエンチャント、《崇拝》をコントロールしている。そのプレイヤーのライフは現在2点で、ブロックされなかった5/5クリーチャー2体によって攻撃されている。そのプレイヤーは、その攻撃クリーチャーのうち1体を対象にして「クリーチャー1体を対象とする。このターン、次にそれが与えるすべてのダメージを軽減し、0にする。あなたは、これにより軽減されたダメージに等しい点数のライフを得る。」というインスタント《畏敬の一撃》を唱えた。ダメージのイベントは[防御プレイヤーが10点のダメージを受ける。]というのが最初の状態である。《畏敬の一撃》の効果が適用され、[防御プレイヤーが5点のダメージを受ける。防御プレイヤーが5点のライフを得る。]になる。これが結果に変換されて、[防御プレイヤーは5点のライフを失う。防御プレイヤーは5点のライフを得る。]になる。このダメージのイベントがプレイヤーのライフの総量を1未満にしないので、《崇拝》の効果は適用されない。これでダメージのイベントが発生する。
120.5. クリーチャーやプレインズウォーカーやバトルが受けたダメージは、それを破壊しない。同様に、その発生源が破壊するわけでもない。そのパーマネントが受けたダメージの結果によってクリーチャーを破壊したりパーマネントをオーナーの墓地に置いたりするのは、状況起因処理である。rule 704 参照。
例:プレイヤーが「1つを対象とする。稲妻はそれに3点のダメージを与える。」というインスタント、《稲妻》を、2/2クリーチャーを対象として唱えた。《稲妻》がそのクリーチャーに3点のダメージを与えた後、そのクリーチャーは状況起因処理によって破壊される。《稲妻》や、それの与えたダメージがそのクリーチャーを破壊したわけではない。
120.6. クリーチャーが負ったダメージは、そのパーマネントがクリーチャーでなくなったとしても、クリンナップ・ステップまで残る。クリーチャーが負ったダメージの合計がそのタフネス以上になったら、そのクリーチャーは致死ダメージを受けたことになり、状況起因処理として破壊される(rule 704 参照)。パーマネントが負ったダメージは、再生する(rule 701.15〔再生する〕参照)か、あるいはクリンナップ・ステップ の間に(rule 514.2 参照)取り除かれる。
120.7. ダメージの発生源とは、それを与えたオブジェクトである。効果によってプレイヤーがダメージの発生源を選ぶ場合、パーマネントか、スタックにある呪文(パーマネント 呪文を含む)か、スタックにあるオブジェクトや適用を待つ置換・軽減効果や誘発を待つ遅延誘発型能力によって参照されるオブジェクト(そのオブジェクトがすでにもとあった領域に存在しない場合であっても)か、あるいは統率領域にあるオモテ向きのオブジェクトを選ぶことができる。ダメージを与えることができない発生源も、適正な選択となりうる。rule 609.7 参照。
120.8. 発生源が0点のダメージを与える場合、それはダメージを与えない。ダメージを与えたことによって誘発する能力は誘発しない。その発生源から受けたダメージを増加させる、あるいはその発生源にそのダメージを他のオブジェクトやプレイヤーに与えさせる置換効果は置換するイベントがないので何も効果を持たない。
120.9. 特定の発生源から受けるダメージによって誘発する能力で、その効果が「受けたダメージ/damage dealt」に言及している場合、それはその特定の発生源から受けたダメージだけに言及しており、他の発生源から同時に受けたダメージには言及していない。
120.10. 誘発型能力の中には、パーマネントが余剰のダメージを受けているかどうかを見るものがある。それらの能力は、そのパーマネントが1つ以上の発生源からダメージを受けた後で見る。それらの発生源が合計でクリーチャーの致死ダメージを超えるダメージをそのクリーチャーに与えていたなら、そのクリーチャーに与えた余剰のダメージは、その差に等しい量である。それらの発生源が合計でプレインズウォーカーの忠誠度を超えるダメージをそのプレインズウォーカーに与えていたなら、そのプレインズウォーカーに与えた余剰のダメージは、その差に等しい量である。それらの発生源が合計でバトルの守備値を超えるダメージをそのバトルに与えていたなら、そのバトルに与えた余剰のダメージは、その差に等しい量である。そのパーマネントがクリーチャーやプレインズウォーカーやバトルのうち複数のカード・タイプを持つ場合、そのパーマネントに与えた余剰のダメージは、それが持つカード・タイプそれぞれについて計算した中の最大の値である。
121.1. プレイヤーがカードを引くとは、自分のライブラリーの一番上にあるカード1枚を自分の手札に入れるということである。これは各プレイヤーのドロー・ステップに、ターン起因処理として行われる。また、これは呪文や能力の、コストや効果としても行われる。
121.2. カードを同時に引くことができるのは1枚だけである。複数枚のカードを引くように指示された場合、そのプレイヤーはその回数だけカードを引くことを繰り返す。
121.2a 複数枚のカードを引くという指示は、引かれるカードの枚数を参照する置換効果によって変更されることがある。この変更は、カードを引く個別の処理を扱うよりも前に行われる。rule 616.1g 参照。
121.2b プレイヤーが各ターンに2枚以上のカードを引くことができない、という効果が存在する。この種の効果はカードを引く個別の処理に適用される。カードを複数枚引く場合、その一部は実行される。ただし、プレイヤーがカードを複数枚引いてもよいという効果の場合、そのプレイヤーは引くことを選ぶことはできない。同様に、そのプレイヤーはカードを複数枚引くことを含むコストを支払うこともできない。
121.2c 複数のプレイヤーがカードを引くという記述がある場合、まずアクティブ・プレイヤーが指定された枚数のカードを引き、その後ターン順で他のプレイヤーがカードを引く。
121.2d 「共有チーム・ターン」選択ルールを用いたゲーム(双頭巨人戦など)において、複数のプレイヤーがカードを引くという記述がある場合、まずアクティブ・チームのプレイヤーが好きな順番で指定された枚数のカードを引き、それから非アクティブ・チームが同じように処理する。
121.3. プレイヤーのライブラリーにカードがない状態で効果がそのプレイヤーにカードを引くかどうかを選ばせる場合、そのプレイヤーはカードを引くことを選ぶことができる。一方、カードを引くことができないという効果がある状況下で、他の効果がそのプレイヤーにカードを引くかどうかを選ばせる場合、そのプレイヤーはカードを引くことを選ぶことはできない。
121.3a カードを引くプレイヤー以外のプレイヤーが決定する場合にも、同じ原理が適用される。カードを引くプレイヤーのライブラリーにカードがなかったとしても、カードを引くことを選ぶことはできる。カードを引くプレイヤーがカードを引くことができないという効果があれば、カードを引くことを選ぶことはできない。
121.4. カードがないライブラリーからカードを引こうとしたプレイヤーは、次にいずれかのプレイヤーが優先権を得る時にゲームに負ける。(これは状況起因処理である。rule 704 参照。)
121.5. 効果が「引く/draw」という語を使わずにプレイヤーのライブラリーからそのプレイヤーの手札に動かす場合、そのプレイヤーはそのカードを引いてはいない。これは、カードを引くことで誘発する能力や、カードを引くことを置換する効果がある場合、またはそのプレイヤーのライブラリーが空である場合に違いが生じる。
121.6a カードを引くことを置換する効果は、影響を受けるプレイヤーのライブラリーが空であるためにそのプレイヤーがカードを引くことができない場合にも適用される。
121.6b 効果が、複数枚のカードが引かれるうちの1回を置換する場合、その置換効果は次の1枚を引く前に完全に処理される。
121.6c カードが引かれた後、そのカードに対して追加で何らかの処理をする効果が存在する。カードを引くことが置換された場合、その追加の処理は、その置換効果やそれ以外の置換効果の結果引かれたカードに対しては行われない。
121.7. 置換効果や軽減効果によってカードが引かれることがある。その場合、元のイベントの中でこの効果によって置換されなかった部分があれば、その部分が先に処理され、その後でカードが1枚ずつ引かれる。
121.8. 呪文が唱えられている間に他の呪文や能力がカードを引かせた場合、その引いたカードはその呪文が唱え終わる(rule 601.2i 参照)か唱える手順が巻き戻される(rule 730〔不正な処理の扱い〕参照)まで裏向きのままである。これは能力の起動に関しても同じである。効果によってプレイヤーが引くカードを公開する(または公開してもよい)場合、そのカードは呪文が唱えられたあと、あるいは能力が起動されたあとで公開される。裏向きの間、その引いたカードは特性を持たないものとして扱われ、その呪文や能力の、カードが特定の特性を持つことを必要とするコストの一部の支払いに使うことはできない。
121.9. 効果によってプレイヤーがカードを引くに際して公開するという選択肢が与えられている場合、そのプレイヤーはそのカードを引くに際し、公開するかどうかを選ぶ前にそのカードを見ることができる。
122.1. カウンターとは、オブジェクトやプレイヤーの上に置かれるマーカーであり、その特性を修整したり、能力と相互作用したりするものである。カウンターはオブジェクトではなく、特性を持たない。トークンはカウンターではなく、カウンターはトークンではない。同名のカウンターには互換性がある。
122.1a クリーチャーまたは戦場以外の領域にあるクリーチャー・カードの上に置かれている+X/+Y カウンター(X、Yはそれぞれ数字である)はそのオブジェクトのパワーにXを加え、タフネスにYを加える。同様に、-X/-Y カウンターはその分だけパワーやタフネスから引く。rule 613.4c 参照。
122.1b パーマネントあるいは戦場以外の領域にあるカードの上にあるキーワード・カウンターは、そのオブジェクトにそのキーワードを与える。キーワード・カウンターでありうるキーワードは、飛行、先制攻撃、二段攻撃、接死、速攻、呪禁、破壊不能、絆魂、威迫、到達、シャドー、トランプル、警戒、ならびにそれらのキーワードの変種である。rule 613.1f 参照。
122.1c パーマネントの上にある1個以上の盾カウンターは、そのパーマネントを保護する単一の置換効果と単一の軽減効果を生成する。それらの効果は「このパーマネントが効果の結果として破壊されるなら、代わりに、これの上から盾カウンター1個を取り除く。」と「このパーマネントがダメージを受けるなら、そのダメージを軽減し、これの上から盾カウンター1個を取り除く。」である。rule 614〔置換効果〕、rule 615〔軽減効果〕参照。
122.1d パーマネントの上にある1個以上の麻痺カウンターは、そのパーマネントがアンタップすることを妨げる単一の置換効果を生成する。その効果は「麻痺カウンターが置かれているパーマネントがアンタップ状態 になるなら、代わりに、その上から麻痺カウンター1個を取り除く。」である。
122.1e 戦場に出ているプレインズウォーカーの上に置かれた忠誠カウンターは、そのプレインズウォーカーの忠誠度を示す。忠誠度が0のプレインズウォーカーは、状況起因処理でそのオーナーの墓地に置かれる。rule 704 参照。
122.1f いずれかのプレイヤーが10個以上の毒カウンターを持った場合、そのプレイヤーは状況起因処理でゲームに負ける。rule 704 参照。プレイヤーが1個以上の毒カウンターを持っている場合、そのプレイヤーは「毒を受けている/poisoned」と言う(双頭巨人戦に関する追加の規定は rule 810 参照)。
122.1g バトルの上にある守備カウンターの数は、それが持つ守備値を示す。守備値が0であるバトルは、それが誘発してからまだスタックを離れていない能力の発生源でないなら、オーナーの墓地に置かれる。この状況起因処理はスタックを用いない。rule 704 参照。
122.1h パーマネントの上にある1個以上の最終カウンターは、そのパーマネントが墓地に行くことを妨げる単一の置換効果を生成する。その効果は「このパーマネントが戦場から墓地に置かれるなら、代わりにそれを追放する。」である。
122.1i プレイヤーが持つ1個以上のRADカウンターは、そのプレイヤーの戦闘前メイン・フェイズの開始時に誘発する誘発型能力を誘発させる。725〔RADカウンター〕参照。
122.2. オブジェクト上のカウンターは、そのオブジェクトがある領域から他の領域に移動した場合には保持されない。これらのカウンターは「取り除かれた/removed」のではなく、単に消滅するだけである。rule 400.7 参照。
122.3. 単一のパーマネントに、+1/+1カウンターと-1/-1カウンターが乗っている場合、その2つのうちで少ないほうと同数だけ、両方のカウンターを取り除く。(訳注:両方が同数である場合、その両方を全て取り除く。)rule 704 参照。
122.4. ある種類のカウンターをN個を超えて持つことができないという能力を持つパーマネントの上に、その種類のカウンターがN個を超えて置かれた場合、N個を残して取り除く。これは状況起因処理である。rule 704 参照。
122.5. カウンターを「動かす/move」とは、カウンターを現在ある場所から取り除き、他のオブジェクトの上に置くことを言う。それらの処理のどちらかが不可能な場合、カウンターを動かすことも不可能であり、カウンターが取り除かれることも置かれることもない。これは、元置かれていたオブジェクトと動かす先のオブジェクトが同一である場合や、動かす元のオブジェクトに該当するカウンターがない場合、あるいは動かす先のオブジェクトにカウンターを置くことができなかったり既に本来の領域 になかったりする場合に起こりうる。
122.6. オブジェクトの上にカウンターが置かれることを参照する呪文や能力は、そのオブジェクトが戦場に出ている間にカウンターが置かれることと、そのオブジェクトが戦場に出るに際してカウンターが置かれることの両方を参照する。
122.6a オブジェクトがカウンターを置いた状態で戦場に出ることによってカウンターを得る場合、そのオブジェクトにカウンターを置く効果にはどのプレイヤーがそれらのカウンターを置くかが書かれている場合がある。書かれていなかった場合、そのオブジェクトのコントローラーがそれらのカウンターを置く。
122.7. 「N個目の[種類]カウンター/the Nth [kind] counter」がオブジェクトに置かれたとき(たび)に誘発する能力は、その種類のカウンターが1個以上そのオブジェクトに置かれることによって、それ以前にはN個のその種類のカウンターが置かれておらず、それ以降にはN個以上のその種類のカウンターが置かれているようになったときに誘発する。
122.8. 誘発型能力に、あるオブジェクトのすべてのカウンターを他のオブジェクトに置くと書かれていてその能力の誘発条件や効果がそのカウンターが置かれていたオブジェクトが戦場を離れることを見るものであった場合、プレイヤーはカウンターをオブジェクト間で動かすわけではなく、1つ目のオブジェクトの上にあったカウンターと同種同数のカウンターを2つ目のオブジェクトの上に置く。
123.1. ステッカーとは、オブジェクトに貼られて、それの特性を修整したりルールや能力や効果と相互作用したりするマーカーである。ステッカーはオブジェクトではない。なお、ステッカーはカウンターやトークンではない。ステッカーによるオブジェクトへの変更はコピー可能な値の一部ではない。ステッカーには以下の種類が存在する。「名前/name」「能力/ability」「パワー/タフネス/Power and Toughness」、「アート/art」。
123.2. ステッカーは『Unfinity』セットのブースターに、数字入りのシートで入っている。各シートには、定められた組み合わせのステッカーが含まれている。ステッカー・シートに言及するすべてのルールは、それらのシートの中に存在する特定の組み合わせのステッカーのことを指す。ステッカー・シートはカードではなく、特性を持たない。各ステッカー・シートは、Gatherer.wizards.comで参照できる。
123.2a 構築戦では、ステッカーを使ってプレイするプレイヤーは、ゲーム開始前に少なくとも10枚以上のステッカー・シートを選んでゲームを始めなければならず、それらのステッカー・シートは重複してはならない。プレイヤーがゲーム開始時に持っておくステッカー・シートの枚数に上限はない。ステッカー・シートを使ってプレイするプレイヤーは、自分のすべてのステッカー・シートを公開し、そこから3枚を無作為に選ぶ。rule 103〔ゲームの始め方〕参照。
123.2b リミテッド戦では、各プレイヤーは自分が開封した製品に入っていた中からステッカー・シート3枚を選び、それを公開する。rule 103〔ゲームの始め方〕参照。
123.2c ゲーム中、プレイヤーは、それらの選ばれたシートにあるステッカーしか使用できず、それらのステッカー・シートは公開されたままになる。
123.3. 効果がプレイヤーにステッカーをオブジェクトに貼るように指示した場合、そのプレイヤーは現在自分がオーナーであるオブジェクトに貼られていないステッカーを自分が使用できるステッカーの中から選び、それをそのオブジェクトに貼る。
123.3a プレイヤーが使用できる各ステッカーは不連続で、他の使用できるステッカーとは区別できる。ステッカー2枚に同じ文章や情報が書かれていても、同一のステッカー として扱われることはない。
123.3b プレイヤーは、自分がオーナーでないオブジェクトにステッカーを貼ることはできない。オブジェクトにそうするように書かれていた場合、その効果のその部分は何もしない。
123.3c ステッカーにはチケット・シンボルの中に数字が書かれたチケット・コストを持つものがある(rule 107.17a 参照)。チケット・コストを持つステッカーをオブジェクトに貼るには、そのオブジェクトのオーナーはその枚数の{TK}を支払わなければならない。そのプレイヤーが充分な量の{TK}を持っていないなら、そのステッカーをオブジェクトに貼ることはできない。
123.3d すでにオブジェクトに貼られているステッカーを他のオブジェクトに移動する場合、そのステッカーのチケット・コストを再び支払う必要はない。
123.4. 「ステッカーの貼られている/stickered」オブジェクトに言及するルールや効果が存在する。その時点でいずれかの種類のステッカーが貼られているオブジェクトは「ステッカーが貼られている」。どのステッカーも貼られていないオブジェクトは、それまでにステッカーが貼られていたとしても、ステッカーが貼られているオブジェクトではない。
123.5. オブジェクト上のステッカーは、そのオブジェクトが非公開領域に移動するに際して保持されない。ステッカーは、そのオブジェクトが公開領域に移動するに際して保持され、それがその領域でなる新しいオブジェクトに適用され続ける。これはrule 400.7 の例外である。
123.5a ステッカーが貼られている1枚以上のカードが合体 パーマネントの一部として戦場に出るなら、それらのステッカーはそのオブジェクトが戦場でなるパーマネントに貼られている。それらはそのタイムスタンプ順を維持する。
123.5b ステッカーが貼られている1枚以上のカードが合同パーマネントの一部として戦場に出るなら、そのステッカーはその合同パーマネントに貼られている。
123.5c 合体あるいは合同パーマネントで1枚以上のステッカーが貼られているものが戦場から他の公開領域に移動したなら、そのパーマネントがなるオブジェクトのうち1つだけがそれらのステッカーを保持する。それのオーナーはその新しい領域でなるオブジェクトのうちどれがそれらの貼られているステッカーを保持するかを選ぶ。それらのステッカーの効果は、そのオブジェクトだけに適用され続ける。
123.6. 名前 ステッカーは、1つ以上の単語だけを持つ。パーマネントや戦場以外の領域にあるカードに貼られている名前 ステッカーは、そのステッカーに書かれている単語をそのオブジェクトの名前の文に加える。これは文章変更効果である。rule 613.1c、rule 612〔文章変更効果〕参照。
123.6a 名前 ステッカーに関するルールや効果の上で、オブジェクトの名前の「単語」とは1つ以上の空白によって他の空白でない文字群と区切られた、一連の空白でない文字群のことである。ハイフンでつながっていたり記号を含んでいたりしても1単語である。《Wolf in ___ Clothing》にあるような空白欄などは、カードの名前の単語としては扱わない。
123.6b 名前 ステッカーをオブジェクトに貼るに際して、そのオブジェクトのコントローラーはその名前 ステッカーの単語をそのオブジェクトの名前のどこに加えるかを選ぶ。その後、そのオブジェクトの新しい名前を宣言する。その単語は、そのオブジェクトの名前の前か、その時点でその名前に存在する任意の数の単語の後ろに追加できる。その新しい名前は、他の名前 ステッカーによってさらに修整されることがある。そのオブジェクトに名前がないなら、それの名前はその名前 ステッカーによって加えられた単語になる。名前 ステッカーはその名前にあるそれ以外の単語を修整したり取り除いたりすることはない。
例:
プレイヤーが「Dark」と印刷されている名前 ステッカーを「Bear Cub」という名前のクリーチャーに貼った。そのクリーチャーのコントローラーは、それの新しい名前を「Dark Bear Cub」にするか「Bear Dark Cub」にするか「Bear Cub Dark」にするかを選び、その新しい名前を全プレイヤーに宣言する。
123.6c 名前 ステッカーが修整する文章は、他の効果やパーマネントの裏向き 位相(rule 708〔裏向きの呪文やパーマネント〕参照)によって変化することがある。1枚以上の名前 ステッカーが貼られているオブジェクトの名前を決定する場合、まずそのオブジェクトのコピー可能な値から始めて、各名前 ステッカーの効果やそれ以外の文章変更効果をタイムスタンプ順に適用する。各名前 ステッカーの位置は、それが貼られたオブジェクトの名前でそれの前にあった単語の数を維持する。そのオブジェクトの現在の名前のほうが単語数が少なければ、代わりに、そのステッカーの単語はそれの名前の最後に加える。オブジェクトに貼られている各名前 ステッカーの位置やタイムスタンプは、そのステッカーが貼られているオブジェクトが公開領域間を移動するに際して保持され、新しい領域でそれがなる新しいオブジェクトにも適用され続ける(rule 123.5 参照)。これはrule 400.7 の例外である。
例:
当事者カードの《Fae of Wishes》が、2単語目の後に「Mana」の単語を追加する名前 ステッカーが貼られた状態で追放 領域にあり、名前が「Fae of Mana Wishes」である。効果によってそのプレイヤーは追放 領域からそれの出来事である《Granted》を唱えることができる。その呪文がスタックにある間の名前は「Granted Mana」で、出来事が解決されてこのカードが追放されたあとは、ステッカーの位置(2単語目の後)が記憶されているので、追放されているカードの名前は再び「Foe of Mana Wishes」になる。
例:
プレイヤーが、戦場にある「It That Betrays」という名前のクリーチャーのオーナーである。名前 ステッカーを使って、「Eldrazi」という単語を3単語目の後に追加したので、そのクリーチャーは「It That Betrays Eldrazi」である。後に、そのクリーチャーが「Seeker of the Way」というクリーチャーのコピー になった。名前 ステッカーは3単語目の後に適用され続けるので、新しい名前は「Seeker of the Eldrazi Way」である。
例:
名前 ステッカーが貼ってあるクリーチャーがそのクリーチャーの名前を「Legitimate Businessperson」に変更するオーラ《証人保護》でエンチャントされた。《証人保護》も文章変更効果であり、タイムスタンプが名前 ステッカーよりも遅いので、その名前 ステッカーの単語はクリーチャーの名前には含まれず、その名前は「Legitimate Businessperson」である。
123.6d 名前 ステッカーにある特定の文字の数に言及する効果が存在する。小文字と大文字は同じ文字である。
123.6e 名前 ステッカーの「母音の種類数」に言及する効果が存在する。それらは、そのステッカーに使われていて相異なる母音の種類を数える。複数回使われていても関係ない。母音とは、A、E、I、O、U、Yである。小文字と大文字は同じ文字である。
123.7. 能力 ステッカーは、1つ以上の能力が印刷されているステッカーである。パーマネントや戦場以外の領域にあるカードに貼られている能力 ステッカーは、そのオブジェクトにそのステッカーに印刷されている能力を得させる。rule 613.1f 参照。
123.7a オブジェクトが能力 ステッカーの能力に言及するなら、他の効果によってそのオブジェクトがその時点でその能力を持っていなかったとしても、それはそのステッカーが貼られているオブジェクトに与える能力に言及している。
123.8. パワー/タフネス・ステッカーは、数字2つとその間の斜線が印刷され、クリーチャー・カードのパワーとタフネスに似た形をしているステッカーである。クリーチャーや、クリーチャーや機体であり戦場以外の領域にあるカードに貼られているパワー/タフネス・ステッカーは、そのオブジェクトのパワーやタフネスをそのステッカーに印刷されている値に設定する(rule 613.4b 参照)。複数のパワー/タフネス・ステッカーがクリーチャー1体に貼られているなら、どれが優先されるかはタイムスタンプ順(rule 613.7 参照)を用いて定める。
123.9. パーマネントに貼られているアート・ステッカーは、他の呪文や能力が識別するための目印として以外のゲームプレイ上の効果は持たない。
2. カードの部分
200. 全般
200.1. カードの部分には、名前、マナ・コスト、絵、色指標、タイプ行、エキスパンション・シンボル、文章欄、パワーとタフネス、忠誠度、守備値、手札補正子、ライフ補正子、絵の著作権表記、権利表記、コレクター番号がある。カードによっては、これらの部分の一部または全部が複数存在することもある。
200.2. カードの部分の一部は、そのオブジェクトの特性でもある。rule 109.3 参照。
200.3. カードでないオブジェクト(トークン、カードのコピー、呪文のコピー)もカードの一部分を持つが、それは特性でもあるものに限られる。rule 111、rule 707 参照。
201.2. カードの名前は、何語版であるかにかかわらず、常にその英語名であるとして扱う。
201.2a 2つ以上のオブジェクトが1つ以上の共通する名前を持っている場合、それらのうち1つ以上が別の名前を持っていたとしても、それらは同じ名前を持つ。名前を持たないオブジェクトは、名前を持たないそれ以外のオブジェクトも含む、どのオブジェクトとも同じ名前を持つことはない。
201.2b 呪文や能力の中に、名前の異なる複数のオブジェクトに言及するものがある。それらのオブジェクトは、そのそれぞれが1つ以上の名前を持ち、グループ内のどの2つのオブジェクトも共通の名前を持たない場合にのみ、それらは名前の異なるオブジェクトである。
例:プレイヤーが「あなたのアップキープの開始時に、あなたが異なる名前を持つ4体以上のデーモンをコントロールしている場合、あなたはこのゲームに勝利する。」という能力を持つ《リリアナの契約》と、名前が異なるデーモン3体と、効果によってデーモンになっている裏向きで名前を持たないクリーチャー1体をコントロールしている。そのクリーチャー4体の中に名前を持たないもの1体が含まれているので、これらのクリーチャー4体は異なる名前を持つ4体以上のデーモンではなく、《リリアナの契約》の能力は誘発しない。
201.2c 呪文や能力の中に、あるオブジェクトが他のオブジェクトやオブジェクト群と異なる名前を持つかどうかを見るものがある。1つ目のオブジェクトが1つ以上の名前を持ち、他のオブジェクトのどれとも共通する名前を持っていない場合、他のオブジェクトの中に名前を持たないものがあったとしても、その1つ目のオブジェクトは他のオブジェクト(群)と異なる名前を持つ。1つ目のオブジェクトが名前を持たない場合、他のオブジェクトがそれぞれ名前を持っていたとしても、それは他のオブジェクトと異なる名前を持つとは言わない。
201.3. 異なる英語名を持つカードの中で、同一の英語名を持つかのように扱われるカードが存在する。この性質を持つカードの組は、互換性のある名前を持つ。
201.3a カードの名前についてのあらゆるルール、能力、効果に関して、互換の名前を持つオブジェクトは同じ名前を持つ(rule 201.2a-b 参照)。
201.3b デッキ 構築やフォーマットでの適正性に関して、互換の名前を持つカードは同じ名前を持つ。
201.3c 後の版で、互換の名前を持つカードがある場合、その後の版のカードでは、元の印刷の3文字コードとコレクター番号(rule 213.1d 参照)を示す互換の名前指標が左下隅に記されている。
201.4. 効果によってプレイヤーが名前1つを選ぶ場合、そのプレイヤーはオラクルに存在するカードの名前を選ばなければならない(rule 108.1 参照)。プレイヤーは、カードの名前でないトークンの名前を指定することはできない。
201.4a プレイヤーが特定の特性を持つ名前1つを選ぶよう指示された場合、そのプレイヤーはオラクルのテキストがそれらの特性と一致するカードの名前を選ばなければならない(rule 108.1 参照)。
例:《没収》には「アーティファクトの名前1つを選ぶ。」とある。プレイヤーは、そのゲームのフォーマットで適正かどうかにかかわらず、どのアーティファクト・カードの名前を選んでもよい。戦場に出ている《島》が何らかの効果によりアーティファクト になっていたとしても、島を選ぶことはできない。
201.4b 分割カードを選びたい場合、両方ではなく、そのどちらか半分の名前を指定しなければならない(rule 709 参照)。特定の特性の名前を選ぶように指示された場合、その名前を選べるかどうか判断するにあたってはその半分の特性を用いる。
201.4c 反転カードの反転状態での名前を選びたい場合、そうしてもよい(rule 710 参照)。特定の特性の名前を選ぶように指示された場合、その名前を選べるかどうか判断するにあたっては反転した特性によって修整されたそのカードの特性を用いる。
201.4d 両面カードの第2面の名前を選びたい場合、そうしてもよい(rule 712 参照)。特定の特性の名前を選ぶように指示された場合、その名前を選べるかどうか判断するにあたっては第2面の特性だけを用いる。
201.4e 合体カードの合体後の第2面の名前を選びたい場合、そうしてもよい(rule 713 参照)。特定の特性の名前を選ぶように指示された場合、その名前を選べるかどうか判断するにあたっては合体した第2面の特性だけを用いる。
201.4f プレイヤーが当事者カードの代替の名前を選びたい場合、そうしてもよい(rule 715 参照)。特定の特性の名前を選ぶように指示された場合、その名前を選べるかどうか判断するにあたっては代替の特性によって修整されたそのカードの特性を用いる。
201.4g 一部のカードは互換の名前(rule 201.3 参照)を持つ。ゲーム上のあらゆる点で、それらのカードは同一の名前を持つ。プレイヤーが互換の名前を持つカードの名前を選ぶ場合、それらのカードそれぞれの名前が選ばれる。
201.5. 文章中で名前を用いてそのオブジェクトが参照されていた場合、それはその特定のオブジェクトだけを指す。たとえ名前が何らかの効果によって変更されていてもそうであるし、同名の他のオブジェクトは示さない。
201.5a 能力の効果が他の能力をオブジェクトに得させ、またその得た能力が元の能力の発生源を名前で参照していた場合、その名前で示されるのはその能力を得させた能力を持つオブジェクト自身だけである。その2つ目の能力が1つ目の能力の発生源以外で同じ名前を持つオブジェクトを指すことはない。ただし、この2つ目の能力が1つ目の能力の発生源を異なる公開領域に移動させた場合、その名前はその発生源が新しい領域でなったオブジェクトだけを指す。この規定は2つ目の能力が新しいオブジェクトにコピーされた場合にも適用される。
例:《排水路の汚濁》は「あなたがコントロールしていてトークンでないクリーチャーが1体死亡するたび、排水路の汚濁の上にスライム・カウンター1個を置き、その後、『このクリーチャーのパワーとタフネスは、それぞれ排水路の汚濁の上に置かれているスライム・カウンターの数に等しい。』を持つ緑のウーズ・クリーチャー・トークン1体を生成する。」という能力を持つ。この、トークンが得た能力は、そのトークンを生成した《排水路の汚濁》自身のことだけを参照し、他の《排水路の汚濁》のことは参照しない。また、このトークンのコピーの持つ能力も、その元のトークンを生成した《排水路の汚濁》だけを参照する。
201.5b そのオブジェクト自身を名前で参照している能力を名前の異なるオブジェクトが得た場合、得られた能力に含まれる、前者のカードを参照するために用いられている前者の名前はすべて後者の名前であるとして扱われる。
例:《水銀の精霊》は、「{U}:クリーチャー1体を対象とする。ターン終了時まで、水銀の精霊はそれのすべての起動型能力を得る。」という能力を持つ。この能力によって「{G}:棍棒のトロールを再生する。」という(訳注:《棍棒のトロール》の持つ)能力を得た場合、その得た能力を起動して《水銀の精霊》を再生することができる。その能力を元々持っていた《棍棒のトロール》を再生するわけではない。
例:連繋(秘儀)を持ち、「クリーチャーやプレインズウォーカーやプレイヤーのうち1つを対象とする。氷河の光線はそれに2点のダメージを与える。」というインスタント《氷河の光線》を、《木霊の手の内》に連繋した場合、その対象となったものにダメージを与えるのはその《木霊の手の内》である。
例:《ディミーアのドッペルゲンガー》には、「{1}{U}{B}:墓地にあるクリーチャー・カード1枚を対象とする。それを追放する。ディミーアのドッペルゲンガーはそのカードのコピーとなり、この能力を得る。」と書かれている。《ディミーアのドッペルゲンガー》の能力を、《ルーン爪の熊》を対象に起動した場合、《ディミーアのドッペルゲンガー》は《ルーン爪の熊》のコピー になり、この能力を得る。この得られる能力は、「{1}{U}{B}:墓地にあるクリーチャー・カード1枚を対象とする。それを追放する。ルーン爪の熊はそのカードのコピーとなり、この能力を得る。」として扱われる。
201.5c カードの中には、そのカードの名前を省略して記述しているものがある。このようにして用いられている省略形は、そのカードの名前がすべて書かれているものとして扱う。
201.6. 一部のカードのプロモ版や絵違い版は、名前行の下に副題行があることがある。オラクルに記されているそのカードの名前は、その副題行に表示されており、別名が左上角に表示されている。デッキ 構築やゲームルール、効果の上では、そのカードは副題行に記されている名前だけを持つ。ルール文は、カードの別名を参照することもできる。ルール文内に存在する別名は、その副題行に書かれている名前を指す。別名はゲームプレイ上は効果を持たない。
202.1. カードのマナ・コストはカードの上辺に記されているマナ・シンボルで示される(rule 107.4 参照)。ほとんどのカードでは、このシンボルは右上隅にある。『未来予知』セットの一部のカードで、マナ・シンボルの記されている位置がイラストの左側になっている。
202.1a オブジェクトのマナ・コストは、そのカードを唱えるためにそのプレイヤーのマナ・プールから消費しなければならないマナを表す。そのオブジェクトのマナ・コストにファイレクシア・マナ・シンボル(rule 107.4f 参照)が含まれない限り、オブジェクトのマナ・コストを支払う際には、有色 無色のマナ・シンボル全てのタイプや、不特定マナ・コストが正しくなければならない。
202.1b マナ・コストを持たないオブジェクトが存在する。これには、すべての土地・カードと、マナ・コストがあるべきところにマナ・シンボルが記されていないカード、トークン(トークンを生成した効果に特に書かれていない限り)、定形外のマジックのカードがある。マナ・コストがないということは、支払うことのできないコストを意味する(rule 118.6 参照)。土地は、コストを支払うことなくプレイされる(rule 305〔土地〕参照)。
202.2. オブジェクトの色は、マナ・コストに含まれるマナ・シンボルの色である。カードの背景色や枠の色は関係しない。
202.2a マジックで色とは、白、青、黒、赤、緑である。白のマナは{W}、青は{U}、黒は{B}、赤は{R}、緑は{G}で表わされる。
例:マナ・コスト{2}{W}のオブジェクトは白であり、マナ・コストが{2}のオブジェクトは無色であり、マナ・コストが{2}{W}{B}のオブジェクトは白でも黒でもある。
202.2b コストの中に色のついたマナ・シンボルを含まないオブジェクトは無色である。
202.2c マナ・コストの中に、5種類の色のうちで2種類以上の色のマナが含まれているオブジェクトは、そのそれぞれのマナ・シンボルの色を持つ。多色のカードのほとんどは金色の枠で印刷されているが、枠が金色でなくても多色であることがありうる。
202.2d マナ・コストに混成マナ・シンボルやファイレクシア・マナ・シンボルを含むオブジェクトは、そのオブジェクトの他の色に加えて、そのマナ・シンボルのそれぞれの色でもある(混成マナ・シンボルを持つほとんどのカードは2色に塗りわけられた枠を持つ。rule 107.4e 参照)。
202.2e オブジェクトは、タイプ行の左に印刷された色指標を持つことがある。そのオブジェクトはその色指標で示されているそれぞれの色である。(rule 204 参照)。
202.2f 効果によってオブジェクトの色が変わったり、無色のオブジェクトが色を得たり、色を持つオブジェクトが無色 になったりすることがある。rule 105.3 参照。
202.3. オブジェクトのマナ総量は、マナ・コストに含まれるマナの量を色を考慮せずに数えたものである。
例:マナ・コスト{3}{U}{U}は、マナ総量に換算すると5になる。
202.3a そのオブジェクトが変身する両面パーマネントの第2面や合体 パーマネントでないかぎり、マナ・コストを持たないオブジェクトのマナ総量は0である。
202.3b 変身する両面パーマネントや変身する両面呪文の第2面のマナ総量は、それが第1面のマナ・コストを持つかのように計算する。パーマネントや呪文が変身する両面カードの第2面をコピーしていた場合(そのコピーしたカードがもともと両面カードだったとしても)、そのコピーのマナ総量は0である。
例:《高原の狩りの達人》はマナ・コストが{2}{R}{G}の変身する両面カードであり、マナ総量は4である。これが変身して第2面(《高原の荒廃者》)になった後も、マナ総量は4である。
例:《高原の荒廃者》のコピーとして戦場に出た《クローン》のマナ総量は0である。
例:《昆虫の逸脱者》は第1面のマナ・コストが{U}の変身する両面カードの第2面である。これが《高原の荒廃者》のコピー になった場合、そのマナ総量は0になる。
202.3c 合体 パーマネントのマナ総量は、それがそれを表す各カードの第1面を合計したマナ・コストを持つかのように計算する。パーマネントが合体 パーマネントをコピーしていた場合(そのコピーが別の2枚の合体カードで表されていたとしても)、そのパーマネントのマナ総量は0である。
202.3d スタック にない分割カードや、スタック上で融合状態にある分割呪文のマナ総量は、それぞれの半分のマナ・コストの合計から決定される。そうでなければ、分割カードがスタック上にある場合、その呪文のマナ総量は唱えるものとして選ばれた側の半分のマナ・コストから決定される。rule 709〔分割カード〕参照。
202.3e マナ・コストに{X}を含むオブジェクトのマナ総量を計算する場合、そのオブジェクトがスタック にない限りXは0として扱う。オブジェクトがスタックにある間、Xはその選ばれた値を持つ。
202.3f 混成マナ・シンボルをマナ・コストに含むオブジェクトのマナ総量を計算する場合、各混成マナ・シンボルのもっとも大きい値を取る。
例:マナ・コストが{1}{W/U}{W/U}であるカードのマナ総量は3である。
例:マナ・コストが{2/B}{2/B}{2/B}であるカードのマナ総量は6である。
202.3g ファイレクシア・マナ・シンボルをマナ・コストに含むカードのマナ総量を計算する場合、各ファイレクシア・マナ・シンボルは1点として扱う。
202.4. オブジェクトのルール・テキストに記されている追加コストや、他の効果によって追加されているコストは、マナ・コストの一部ではない(rule 601〔呪文を唱えること〕参照)。それらのコストは、その呪文の持つ他のコストと同時に支払われる。
203.1. カードの上半分に記されているものが絵であり、ルール上は特に意味はない。例えば、絵で空を飛んでいるように見えたとしても、ルール・テキストに飛行を持つと書かれていなければ、そのクリーチャーは飛行を持たない。
204.1. 色指標は、タイプ行の左、絵のすぐ下に印刷されている、一色またはそれ以上の色で塗られた丸印である。色指標は、マナ・コストを持たない土地でないカードに記されていることが多い。
204.2. 色指標を持つオブジェクトは、その色指標で表される各色である。
205.1. タイプ行は、絵のすぐ下に印刷されており、カード・タイプ(あるならばサブタイプ、特殊タイプも)が記されている。
205.1a 効果によってオブジェクトのカード・タイプが定められることがある。ほとんどの場合、新しいカード・タイプが以前のカード・タイプを置き換える。ただし、インスタントやソーサリーのカード・タイプを持つオブジェクトはそのタイプを保持する。カウンターやステッカーや効果、負っているダメージは、新しいカード・タイプでは意味がなくなるとしても、そのオブジェクトに残る。同様に、効果によってあるオブジェクトのサブタイプが定められた場合、新しいサブタイプは以前の同種のサブタイプ(クリーチャー・タイプ、土地タイプ、アーティファクト・タイプ、エンチャント・タイプ、プレインズウォーカー・タイプ、呪文タイプ)を置き換える。オブジェクトのあるカード・タイプが失われた場合、そのカード・タイプ以外にそのサブタイプを用いるカード・タイプを持っていない場合、そのカード・タイプを失っている間、それにともなうサブタイプは失われる。逆にサブタイプを失わせても、カード・タイプには何の影響もない。
205.1b オブジェクトのカード・タイプやサブタイプ、特殊タイプを変更する効果の中には、元のカード・タイプやサブタイプ、特殊タイプが残ると明記されているものがある。この場合、そのオブジェクトの、以前のカード・タイプやサブタイプ、特殊タイプは全て残る。このルールは、「他のタイプに加え/in addition to its types」や「[タイプ、サブタイプ、特殊タイプ]でもある/still a [type, subtype, or supertype]」などの表記に適用される。また、「アーティファクト・クリーチャー/artifact creature」になる、と書かれた効果があるが、これも同様に以前のカード・タイプおよびサブタイプを全て残す効果である。オブジェクトが「[クリーチャー・タイプ]・アーティファクト・クリーチャー になる/becomes a [creature type or types] artifact creature」と書かれた効果があるが、これらも以前のカード・タイプおよびクリーチャー・タイプ以外のサブタイプを全て残す効果である。既存のクリーチャー・タイプは置き換えられる。
例:「すべての土地は1/1のクリーチャーである。それらは土地でもある。」という能力によって、土地は、クリーチャーでもあり土地でもあることになる。もし影響を受ける土地の中にアーティファクトでもあるものがあったなら、それは「アーティファクト・土地・クリーチャー」になる。「クリーチャー」や「土地・クリーチャー」になるわけではない。この効果は、アーティファクトと土地という両方のカード・タイプを保持する。また、この効果によって、それまでに持っていた土地タイプや特殊タイプが失われることもない。
例:「すべてのアーティファクトは1/1のアーティファクト・クリーチャーである。」という能力によって、アーティファクトでもエンチャントでもあるパーマネントは、アーティファクト・クリーチャー・エンチャント になる。
205.2a カード・タイプには、「アーティファクト/Artifact」「バトル/Battle」「策略/Conspiracy」「クリーチャー/Creature」「ダンジョン/Dungeon」「エンチャント/Enchantment」「インスタント/Instant」「土地/Land」「現象/Phenomenon」「次元/Plane」「プレインズウォーカー/Planeswalker」「計略/Scheme」「ソーサリー/Sorcery」「同族/Kindred」「ヴァンガード/Vanguard」がある。rule 3〔カード・タイプ〕参照。
205.2b オブジェクトの中には、複数のカード・タイプを持つものもある(例えば、アーティファクト・クリーチャー)。この類のオブジェクトには、そのいずれかのカード・タイプに適用される効果は全て適用される。
205.3a カードは、タイプ行に書かれているサブタイプを持つ。
205.3b クリーチャーと次元以外のカード・タイプのサブタイプは常に1単語であり、長い横線の後に列記されているそれぞれの単語が別々のサブタイプである。クリーチャー・カードのサブタイプは1~2単語で、長い横線の後に列記されている。rule 205.3mに列記されている1~2単語が別々のサブタイプである。次元以外のオブジェクトは複数のサブタイプを持ちうる。次元のサブタイプは長い横線の後に記されているが、複数の単語からなることもあり、長いダッシュの後に記されている単語すべてで1つのサブタイプである。
例:「基本 土地 ─ 山/Basic Land - Mountain」とは、そのカードが土地で、サブタイプとして山を持つことを意味している。「クリーチャー ─ ゴブリン・ウィザード/Creature - Goblin Wizard」とは、そのカードがクリーチャーで、ゴブリンとウィザードというサブタイプを持つことを意味している。「アーティファクト ─ 装備品/Artifact - Equipment」とは、そのカードがアーティファクトで、装備品というサブタイプを持つことを意味している。
205.3c 複数のタイプを持つカードが複数のサブタイプを持つ場合、それぞれのサブタイプは該当するタイプにおけるサブタイプ として扱う。
例:《ドライアドの東屋》のタイプ行には「土地・クリーチャー ─ 森・ドライアド」と記されている。森は土地タイプであり、ドライアドはクリーチャー・タイプである。
205.3d オブジェクトは、その持つタイプに対応しないサブタイプを得ることはできない。
205.3e 効果によってプレイヤーがサブタイプを選ぶ場合、必ず、その該当するサブタイプとして存在するものの中から1つだけ選ばなければならない。例えば、クリーチャー・タイプを選ぶときに土地タイプを選ぶことはできない。
例:クリーチャー・タイプを選ぶ場合、「マーフォーク」や「ウィザード」は適正である。しかし「マーフォーク・ウィザード」は不正である。「アーティファクト」「対戦相手」「沼」「トラック」などはクリーチャー・タイプではないので不正である。
205.3f 記載されているサブタイプが変更されているカードが多数存在する。多くのカードは後にサブタイプを得ている。カードのサブタイプは、オラクルを参照して決定される(rule 108.1 参照)。
205.3g アーティファクトにはそれ専用のサブタイプ群が存在する。それらのサブタイプはアーティファクト・タイプと呼ばれる。アーティファクト・タイプには、「アトラクション/Attraction」(rule 717 参照)「血/Blood」「ボブルヘッド/Bobblehead」「手掛かり/Clue」「からくり/Contraption」「装備品/Equipment」(rule 301.5 参照)「食物/Food」「城砦/Fortification」(rule 301.6 参照)「金/Gold」「培養器/Incubator」「ジャンク/Junk」「地図/Map」「パワーストーン/Powerstone」「宝物/Treasure」「機体/Vehicle」(rule 301.7 参照)がある。
205.3h エンチャントにはそれ専用のサブタイプ群が存在する。それらのサブタイプはエンチャント・タイプと呼ばれる。エンチャント・タイプには、「オーラ/Aura」(rule 303.4 参照)「背景/Background」「カルトーシュ/Cartouche」「事件/Case」(719 参照)「クラス/Class」(rule 716 参照)「呪い/Curse」「役割/Role」(rule 303.7 参照)「ルーン/Rune」「英雄譚/Saga」(rule 714 参照)「破片/Shard」「祭殿/Shrine」がある。
205.3i 土地にはそれ専用のサブタイプ群が存在する。それらのサブタイプは土地タイプと呼ばれる。土地タイプには、「洞窟/Cave」「砂漠/Desert」「森/Forest」「門/Gate」「島/Island」「棲み家/Lair」「神座/Locus」「鉱山/Mine」「山/Mountain」「平地/Plains」「魔力炉/Power-Plant」「球層/Sphere」「沼/Swamp」「塔/Tower」「ウルザの/Urza's」がある。このうち、「森」「島」「山」「平地」「沼」は基本土地タイプである。rule 305.6 参照。
205.3j プレインズウォーカーにはそれ専用のサブタイプ群が存在する。それらのサブタイプはプレインズウォーカー・タイプと呼ばれる。プレインズウォーカー・タイプには、「アジャニ/Ajani」「アミナトゥ/Aminatou」「アングラス/Angrath」「アーリン/Arlinn」「アショク/Ashiok」「バハムート/Bahamut」「バスリ/Basri」「ボーラス/Bolas」「ケイリクス/Calix」「チャンドラ/Chandra」「コメット/Comet」「ダク/Dack」「ダッコン/Dakkon」「ダレッティ/Daretti」「ダブリエル/Davriel」「ディハーダ/Dihada」「ドムリ/Domri」「ドビン/Dovin」「エリーウィック/Ellywick」「エルミンスター/Elminster」「エルズペス/Elspeth」「エストリッド/Estrid」「フレイアリーズ/Freyalise」「ガラク/Garruk」「ギデオン/Gideon」「グリスト/Grist」「ガフ/Guff」「ファートリ/Huatli」「ジェイス/Jace」「ジャレッド/Jared」「ヤヤ/Jaya」「ジェスカ/Jeska」「魁渡/Kaito」「カーン/Karn」「カズミナ/Kasmina」「ケイヤ/Kaya」「キオーラ/Kiora」「コス/Koth」「リリアナ/Liliana」「ロルス/Lolth」「ルーカ/Lukka」「ミンスク/Minsc」「モルデンカイネン/Mordenkainen」「ナヒリ/Nahiri」「ナーセット/Narset」「ニコ/Niko」「ニッサ/Nissa」「ニクシリス/Nixilis」「オーコ/Oko」「ラル/Ral」「ローアン/Rowan」「サヒーリ/Saheeli」「サムト/Samut」「サルカン/Sarkhan」「セラ/Serra」「シヴィトリ/Sivitri」「ソリン/Sorin」「ザット/Szat」「タミヨウ/Tamiyo」「ターシャ/Tasha」「テフェリー/Teferi」「テヨ/Teyo」「テゼレット/Tezzeret」「ティボルト/Tibalt」「タイヴァー/Tyvar」「ウギン/Ugin」「ウルザ/Urza」「ヴェンセール/Venser」「ビビアン/Vivien」「ヴラスカ/Vraska」「ヴロノース/Vronos」「ウィル/Will」「ウィンドグレイス/Windgrace」「レン/Wrenn」「ゼナゴス/Xenagos」「ヤングー/Yanggu」「ヤンリン/Yanling」「ザリエル/Zariel」がある。
205.3k インスタントとソーサリーには共有のサブタイプ群が存在する。それらのサブタイプは呪文・タイプと呼ばれる。呪文・タイプには、「出来事/Adventure」「秘儀/Arcane」「講義/Lesson」「罠/Trap」がある。
205.3m クリーチャーと同族には共有のサブタイプ群が存在する。それらのサブタイプはクリーチャー・タイプと呼ばれる。1つのクリーチャー・タイプは2単語からなり、それは「タイムロード/Time Lord」である。他のクリーチャー・タイプは1単語からなり、それらは「アドバイザー/Advisor」「霊基体/Aetherborn」「エイリアン/Alien」「同盟者/Ally」「天使/Angel」「アンテロープ/Antelope」「類人猿/Ape」「射手/Archer」「執政官/Archon」「アルマジロ/Armadillo」「軍団/Army」「工匠/Artificer」「暗殺者/Assassin」「組立作業員/Assembly-Worker」「アスタルテス/Astartes」「エイトグ/Atog」「オーロクス/Aurochs」「アバター/Avatar」「アズラ/Azra」「アナグマ/Badger」「風船/Balloon」「バーバリアン/Barbarian」「バード/Bard」「バジリスク/Basilisk」「コウモリ/Bat」「熊/Bear」「ビースト/Beast」「ビーバー/Beaver」「ビーブル/Beeble」「ビホルダー/Beholder」「狂戦士/Berserker」「鳥/Bird」「ちらつき蛾/Blinkmoth」「猪/Boar」「運び手/Bringer」「ブラッシュワグ/Brushwagg」「カマリッド/Camarid」「ラクダ/Camel」「カピバラ/Capybara」「カリブー/Caribou」「キャリアー/Carrier」「猫/Cat」「ケンタウルス/Centaur」「子供/Child」「キマイラ/Chimera」「市民/Citizen」「クレリック/Cleric」「道化師/Clown」「コカトリス/Cockatrice」「構築物/Construct」「臆病者/Coward」「コヨーテ/Coyote」「カニ/Crab」「クロコダイル/Crocodile」「ク=タン/C'tan」「近衛団/Custodes」「サイバーマン/Cyberman」「サイクロプス/Cyclops」「ダーレク/Dalek」「ダウスィー/Dauthi」「亜神/Demigod」「デーモン/Demon」「脱走者/Deserter」「探偵/Detective」「デビル/Devil」「恐竜/Dinosaur」「ジン/Djinn」「ドクター/Doctor」「犬/Dog」「ドラゴン/Dragon」「ドレイク/Drake」「ドレッドノート/Dreadnought」「ドローン/Drone」「ドルイド/Druid」「ドライアド/Dryad」「ドワーフ/Dwarf」「イフリート/Efreet」「卵/Egg」「エルダー/Elder」「エルドラージ/Eldrazi」「エレメンタル/Elemental」「象/Elephant」「エルフ/Elf」「大鹿/Elk」「従業員/Employee」「眼/Eye」「フェアリー/Faerie」「フェレット/Ferret」「魚/Fish」「旗手/Flagbearer」「狐/Fox」「フラクタル/Fractal」「カエル/Frog」「ファンガス/Fungus」「ゲーマー/Gamer」「ガーゴイル/Gargoyle」「細菌/Germ」「巨人/Giant」「ギス/Gith」「ノール/Gnoll」「ノーム/Gnome」「ヤギ/Goat」「ゴブリン/Goblin」「神/God」「ゴーレム/Golem」「ゴルゴン/Gorgon」「墓生まれ/Graveborn」「グレムリン/Gremlin」「グリフィン/Griffin」「ゲスト/Guest」「ハッグ/Hag」「ハーフリング/Halfling」「ハムスター/Hamster」「ハーピー/Harpy」「ヘリオン/Hellion」「カバ/Hippo」「ヒポグリフ/Hippogriff」「ホマリッド/Homarid」「ホムンクルス/Homunculus」「ホラー/Horror」「馬/Horse」「人間/Human」「ハイドラ/Hydra」「ハイエナ/Hyena」「イリュージョン/Illusion」「インプ/Imp」「インカーネーション/Incarnation」「墨獣/Inkling」「異端審問官/Inquisitor」「昆虫/Insect」「ジャッカル/Jackal」「クラゲ/Jellyfish」「巨大戦車/Juggernaut」「カヴー/Kavu」「麒麟/Kirin」「キスキン/Kithkin」「騎士/Knight」「コボルド/Kobold」「コー/Kor」「クラーケン/Kraken」「ラミア/Lamia」「ラマスー/Lammasu」「ヒル/Leech」「リバイアサン/Leviathan」「ルアゴイフ/Lhurgoyf」「リシド/Licid」「トカゲ/Lizard」「ラマ/Llama」「マンティコア/Manticore」「マスティコア/Masticore」「傭兵/Mercenary」「マーフォーク/Merfolk」「メタスラン/Metathran」「ミニオン/Minion」「ミノタウルス/Minotaur」「ダニ/Mite」「モグラ/Mole」「モンガー/Monger」「マングース/Mongoose」「モンク/Monk」「猿/Monkey」「ムーンフォーク/Moonfolk」「乗騎/Mount」「ハツカネズミ/Mouse」「ミュータント/Mutant」「マイア/Myr」「神秘家/Mystic」「オウムガイ/Nautilus」「ネクロン/Necron」「ネフィリム/Nephilim」「ナイトメア/Nightmare」「夜魔/Nightstalker」「忍者/Ninja」「貴族/Noble」「ノッグル/Noggle」「ノーマッド/Nomad」「ニンフ/Nymph」「タコ/Octopus」「オーガ/Ogre」「ウーズ/Ooze」「オーブ/Orb」「オーク/Orc」「オーグ/Orgg」「カワウソ/Otter」「アウフ/Ouphe」「雄牛/Ox」「カキ/Oyster」「センザンコウ/Pangolin」「農民/Peasant」「ペガサス/Pegasus」「ペンタバイト/Pentavite」「パフォーマー/Performer」「「邪魔者/Pest」「フェルダグリフ/Phelddagrif」「フェニックス/Phoenix」「ファイレクシアン/Phyrexian」「操縦士/Pilot」「ピンチャー/Pincher」「海賊/Pirate」「植物/Plant」「ヤマアラシ/Porcupine」「フクロネズミ/Possum」「法務官/Praetor」「総主長/Primarch」「プリズム/Prism」「昇華者/Processor」「兎/Rabbit」「アライグマ/Raccoon」「レインジャー/Ranger」「ネズミ/Rat」「レベル/Rebel」「反射/Reflection」「サイ/Rhino」「装具工/Rigger」「ロボット/Robot」「ならず者/Rogue」「黒貂/Sable」「サラマンダー/Salamander」「侍/Samurai」「砂漠の民/Sand」「苗木/Saproling」「サテュロス/Satyr」「カカシ/Scarecrow」「科学者/Scientist」「末裔/Scion」「蠍/Scorpion」「スカウト/Scout」「彫像/Sculpture」「農奴/Serf」「海蛇/Serpent」「霊気装置/Servo」「シェイド/Shade」「シャーマン/Shaman」「多相の戦士/Shapeshifter」「サメ/Shark」「羊/Sheep」「セイレーン/Siren」「スケルトン/Skeleton」「スカンク/Skunk」「スリス/Slith」「スリヴァー/Sliver」「ナマケモノ/Sloth」「ナメクジ/Slug」「カタツムリ/Snail」「蛇/Snake」「兵士/Soldier」「サルタリー/Soltari」「落とし子/Spawn」「スペクター/Specter」「スペルシェイパー/Spellshaper」「スフィンクス/Sphinx」「蜘蛛/Spider」「スパイク/Spike」「スピリット/Spirit」「裂片/Splinter」「スポンジ/Sponge」「イカ/Squid」「リス/Squirrel」「ヒトデ/Starfish」「サラカー/Surrakar」「生存者/Survivor」「シンス/Synth」「触手/Tentacle」「テトラバイト/Tetravite」「サラカス/Thalakos」「飛行機械/Thopter」「スラル/Thrull」「ティーフリング/Tiefling」「ツリーフォーク/Treefolk」「三葉虫/Trilobite」「トリスケラバイト/Triskelavite」「トロール/Troll」「海亀/Turtle」「ティラニッド/Tyranid」「ユニコーン/Unicorn」「吸血鬼/Vampire」「匪獣/Varmint」「ヴィダルケン/Vedalken」「ボルバー/Volver」「壁/Wall」「セイウチ/Walrus」「邪術師/Warlock」「戦士/Warrior」「イタチ/Weasel」「奇魔/Weird」「狼男/Werewolf」「鯨/Whale」「ウィザード/Wizard」「狼/Wolf」「クズリ/Wolverine」「ウォンバット/Wombat」「蟲/Worm」「レイス/Wraith」「ワーム/Wurm」「イエティ/Yeti」「ゾンビ/Zombie」「ずべら/Zubera」がある。
205.3n 次元にはそれ専用のサブタイプ群が存在する。それらのサブタイプは次元・タイプと呼ばれる。次元・タイプには、「深淵/The Abyss」「アラーラ/Alara」「アルファヴァ=メトラクシス/Alfava Metraxis」「アモンケット/Amonkhet」「アンドロザーニ=マイナー/Androzani Minor」「アンタウシア/Antausia」「アパラパチア/Apalapucia」「アルケヴィオス/Arcavios」「アーコス/Arkhos」「アズゴル/Azgol」「ベレノン/Belenon」「ボーラスの瞑想領土/Bolas's Meditation Realm」「カペナ/Capenna」「クリーデ/Cridhe」「ダーレク収容所/The Dalek Asylum」「ダリリアム/Darillium」「ドミナリア/Dominaria」「地球/Earth」「エコワール/Echoir」「エルドレイン/Eldraine」「エクィロー/Equilor」「エルガモン/Ergamon」「ファバシン/Fabacin」「フィオーラ/Fiora」「ギャリフレイ/Gallifrey」「ガルガンティカール/Gargantikar」「ゴバカーン/Gobakhan」「馬頭星雲/Horsehead Nebula」「イコリア/Ikoria」「イニストラード/Innistrad」「イクァターナ/Iquatana」「アー/Ir」「イクサラン/Ixalan」「カラデシュ/Kaladesh」「カルドハイム/Kaldheim」「神河/Kamigawa」「カンドカ/Kandoka」「カーサス/Karsus」「ケファライ/Kephalai」「キンシャラ/Kinshala」「コルバーン/Kolbahan」「ケイレム/Kylem」「キネス/Kyneth」「図書館/The Library」「ローウィン/Lorwyn」「ルヴィオン/Luvion」「火星/Mars」「メルカディア/Mercadia」「ミラディン/Mirrodin」「モアグ/Moag」「モンセン/Mongseng」「月/Moon」「ムラガンダ/Muraganda」「ネクロス/Necros」「新地球/New Earth」「新ファイレクシア/New Phyrexia」「マッターズ=スパイラル外縁/Outside Mutter's Spiral」「ファイレクシア/Phyrexia」「パイルリー/Pyrulea」「ラバイア/Rabiah」「ラース/Rath」「ラヴニカ/Ravnica」「レガーサ/Regatha」「セゴビア/Segovia」「セラの領土/Serra's Realm」「シャドウムーア/Shadowmoor」「シャンダラー/Shandalar」「沈夢/Shenmeng」「スカロ/Skaro」「宇宙船/Spacecraft」「タルキール/Tarkir」「テーロス/Theros」「タイム/Time」「トレンザロア/Trenzalore」「ウルグローサ/Ulgrotha」「不詳の惑星/Unknown Planet」「ヴァラ/Valla」「ヴリン/Vryn」「ワイルドファイア/Wildfire」「ゼレックス/Xerex」「ゼンディカー/Zendikar」「ザルファー/Zhalfir」がある。
205.3p ダンジョン・カードの1枚(《地下街》)にはサブタイプが存在する。このサブタイプはダンジョン・タイプと呼ばれる。ダンジョン・タイプには、「地下街/Undercity」がある。
205.3q バトルにはそれ専用のサブタイプが存在し、バトル・タイプと呼ばれる。バトル・タイプには、「包囲戦/Siege」がある。
205.4a オブジェクトは、特殊タイプを持つことがある。カードの特殊タイプはカード・タイプの直前に書かれる。特殊タイプには、「基本/Basic」「伝説の/Legendary」「持続/Ongoing」「氷雪/Snow」「ワールド/World」がある。
205.4b 特殊タイプの中には特定のカード・タイプに強く関連づけられているものもあるが、オブジェクトの特殊タイプはそのカード・タイプやサブタイプとは独立している。オブジェクトのカード・タイプまたはサブタイプが変更になった場合、特殊タイプはそのまま維持される。オブジェクトが特殊タイプを得たり失ったりした場合、すでに持っている特殊タイプはそのまま残る。
例:「すべての土地は1/1のクリーチャーである。それらは土地でもある。」という能力があった場合、影響を受けた土地が伝説の 土地であれば、そのまま伝説の パーマネントのままである。
205.4c 「基本/basic」という特殊タイプを持った土地は基本 土地である。この特殊タイプを持たない土地は基本でない土地である。
第8版以前に作られたカードは「基本」という語で基本 土地を表示していない。それらの古いカードにおいては、名前が《森》《島》《山》《平地》《沼》《冠雪の森》《冠雪の島》《冠雪の山》《冠雪の平地》《冠雪の沼》の10種類のいずれかであるものを基本 土地とする。
205.4d 「伝説の/legendary」という特殊タイプを持つパーマネントは、「レジェンド・ルール」と呼ばれる、伝説の パーマネントに関する状況起因処理に従う。rule 704.5j 参照。
205.4e 「伝説の/legendary」という特殊タイプを持つインスタントやソーサリーである呪文は、唱える上で制約を受ける。プレイヤーは、伝説の クリーチャーか伝説の プレインズウォーカーをコントロールしていないかぎり、伝説の インスタントやソーサリーである呪文を唱えられない。
205.4f 「ワールド/world」という特殊タイプを持つパーマネントは、「ワールド・ルール」と呼ばれる、ワールド・パーマネントに関する状況起因処理に従う。rule 704.5k 参照。
205.4g 「氷雪/snow」という特殊タイプを持つパーマネントは、氷雪 パーマネントである。この特殊タイプを持たないパーマネントは、その名前によらず、氷雪でないパーマネントである。
205.4h 「持続/Ongoing」という特殊タイプを持つ計略・カードは、計略の状況起因処理の例外である(rule 704.6e 参照)。
206.1. エキスパンション・シンボルは、そのカードがマジックのどのセットのものかを示すものであり、通常は絵の右下に記されている。これはゲームには影響しない。
206.2. エキスパンション・シンボルの色はそのカードのそのセットにおける希少度を示すものである。赤橙色は神話レア、金色はレア、銀色はアンコモン、黒または白がコモンか基本 土地である。紫は特殊な希少度を表すために用いられる。現時点で存在するのは、『時のらせん』カード・セットの、レアよりも希少度の高いタイムシフト・カードだけである。(エクソダスよりも古いセットでは、希少度に関らず、全てのシンボルは黒で書かれていた。また、第5版までの基本セットのカードには、エキスパンション・シンボルはついていなかった。簡体中国語版の第5版には"V"のエキスパンション・シンボルが存在した)
206.3. かつては、ある特定のセットからのカードに影響する呪文や能力は、そのセットのエキスパンション・シンボルだけをチェックしていた。それらのカードはオラクルで訂正され、あるセットで「その名前で初めて印刷された」カードに影響を及ぼすようになった。
206.3a その名前で初めて印刷されたのが『Arabian Nights』拡張セットにおいてであるパーマネントやカードを参照するカード(《City in a Bottle》)が存在する。該当する名前は、《アブー・ジャーファル》《アラジン》《アラジンのランプ》《アラジンの指輪》《アリ・ババ》《Ali from Cairo》《Army of Allah》《Bazaar of Baghdad》《鳥の乙女》《スレイマンの壺》《真鍮人間》《Camel》《City in a Bottle》《真鍮の都》《クォムバッジの魔女》《サイクロン》《踊る円月刀》《ダンダーン》《砂漠》《Desert Nomads》《砂漠の竜巻》《Diamond Valley》《Drop of Honey》《黒檀の馬》《Elephant Graveyard》《エル・ハジャジ》《アーグの盗賊団》《アーナム・ジン》《目には目を》《魚の肝の油》《空飛ぶ絨毯》《空飛ぶ男》《ガズバンのオーガ》《象亀》《Guardian Beast》《ハスランの女オーガ》《ハール・ジャッカル》《Ifh-Biff Efreet》《島魚ジャスコニアス》《Island of Wak-Wak》《Jandor's Ring》《ジャンドールの鞍袋》《宝石の鳥》《Jihad》《ジュナン・イフリート》《Juzam Djinn》《Khabal Ghoul》《King Suleiman》《密林の猿人》《Library of Alexandria》《磁力の山》《Merchant Ship》《メタモルフォーゼ》《Mijae Djinn》《ムーア人の騎兵》《ナフス・アスプ》《オアシス》《Old Man of the Sea》《Oubliette》《篤信》《Pyramids》《悔悟せる鍛冶屋》《Ring of Ma'ruf》《ルフ鳥の卵》《Sandals of Abdallah》《砂嵐》《Serendib Djinn》《Serendib Efreet》《Shahrazad》《シンドバッド》《Singing Tree》《魔術師の女王》《Stone-Throwing Devils》《不安定性突然変異》《ウォー・エレファント》《ワイルーリーの狼》《Ydwen Efreet》である。
206.3b その名前で初めて印刷されたのが『Antiquities』拡張セットにおいてであるパーマネントやカードを参照するカード(《Golgothian Sylex》)が存在する。該当する名前は、《クルーグの護符》《Argivian Archaeologist》《Argivian Blacksmith》《アルゴスのピクシー》《Argothian Treefolk》《終末の時計》《Artifact Blast》《Artifact Possession》《Artifact Ward》《アシュノッドの供犠台》《アシュノッドの戦具》《アシュノッドの人体改造器》《エイトグ》《破城槌》《青銅のタブレット》《Candelabra of Tawnos》《秘宝の防御円》《Citanul Druid》《粘土像》《機械仕掛けの鳥》《サルディアの巨像》《珊瑚の兜》《崩壊》《呪われた拷問台》《Damping Field》《爆破》《Drafna's Restoration》《ドラゴン・エンジン》《Dwarven Weaponsmith》《魔力流出》《フェルドンの杖》《Gaea's Avenger》《Gate to Phyrexia》《ゴブリン職工団》《Golgothian Sylex》《ぶどう弾カタパルト》《Haunting Wind》《ハーキルの召還術》《象牙の塔》《ジェイラム秘本》《Martyrs of Korlis》《Mightstone》《石臼》《ミシュラの工廠》《ミシュラの戦争機械》《Mishra's Workshop》《再帰のオベリスク》《オニュレット》《Orcish Mechanics》《羽ばたき飛行機械》《Phyrexian Gremlins》《Power Artifact》《Powerleech》《Priest of Yawgmoth》《原初の土》《拷問台》《ラカライト》《Reconstruction》《Reverse Polarity》《Rocket Launcher》《ラト=ナムの賢人》《多相の戦士》《粉砕の嵐》《Staff of Zegon》《露天鉱床》《Su-Chi》《Tablet of Epityr》《Tawnos's Coffin》《タウノスのワンド》《タウノスの武具》《テトラバス》《ティタニアの歌》《Transmute Artifact》《トリスケリオン》《ウルザの報復者》《Urza's Chalice》《ウルザの鉱山》《Urza's Miter》《ウルザの魔力炉》《ウルザの塔》《槍の壁》《Weakstone》《異形の騒霊》《ヨーグモスの悪魔》《ヨーティアの兵》である。
206.3c その名前で初めて印刷されたのが『Homelands』拡張セットにおいてであるパーマネントやカードを参照するカード(《Apocalypse Chime》)が存在する。該当する名前は、《修道院のガーゴイル》《Abbey Matron》《上天の嵐》《Aliban's Tower》《Ambush》《待ち伏せ部隊》《Anaba Ancestor》《アナーバのボディガード》《アナーバのシャーマン》《Anaba Spirit Crafter》《アン=ハヴァの治安官》《An-Havva Inn》《An-Havva Township》《An-Zerrin Ruins》《Apocalypse Chime》《Autumn Willow》《Aysen Abbey》《アイゼンの官吏》《Aysen Crusader》《Aysen Highway》《Baki's Curse》《Baron Sengir》《Beast Walkers》《Black Carriage》《影写し》《甲殻》《Castle Sengir》《Cemetery Gate》《Chain Stasis》《Chandler》《Clockwork Gnomes》《機械仕掛けの駿馬》《Clockwork Swarm》《Coral Reef》《暗黒の迷路》《Daughter of Autumn》《死者の代弁者》《Didgeridoo》《Drudge Spell》《乾きの呪文》《Dwarven Pony》《Dwarven Sea Clan》《Dwarven Trader》《Ebony Rhino》《情け知らずのエロン》《Evaporate》《Faerie Noble》《一角獣の饗宴》《フェロッズの封印》《Folk of An-Havva》《忘却》《葬列》《Ghost Hounds》《Giant Albatross》《巨大カキ》《Grandmother Sengir》《大いなる人狼》《Hazduhr the Abbot》《Headstone》《Heart Wolf》《血に飢えた霧》《Ihsan's Shade》《Irini Sengir》《鉄爪族の呪い》《Jinx》《Joven》《Joven's Ferrets》《ジョーヴンの泥棒道具》《Koskun Falls》《Koskun Keep》《迷宮のミノタウルス》《Leaping Lizard》《Leeches》《Mammoth Harness》《Marjhan》《記憶の欠落》《商人の巻物》《メサ・ファルコン》《Mystic Decree》《Narwhal》《Orcish Mine》《原初の秩序》《Prophecy》《Rashka the Slayer》《浅瀬の海賊》《Renewal》《Retribution》《Reveka》《Wizard Savant》《Root Spider》《Roots》《Roterothopter》《Rysorian Badger》《Samite Alchemist》《シー・スプライト》《Sea Troll》《センギアの従臣》《Sengir Bats》《Serra Aviary》《セラの獣小屋》《Serra Inquisitors》《セラの聖騎士》《鋸刃の矢》《縮小》《Soraya the Falconer》《Spectral Bears》《Timmerian Fiends》《拷問》《Trade Caravan》《休戦》《Veldrane of Sengir》《Wall of Kelp》《Willow Faerie》《Willow Priestess》《Winter Sky》《Wizards' School》である。
206.4. プレイヤーは、そのカードがそのフォーマットで認められているセット(あるいは特にマジック・イベント規定によって認められているカード)に含まれている限り、どの版からでもカードを構築 デッキに入れてよい。現在の構築フォーマットの定義については、マジック・イベント規定(http://wpn.wizards.com/en/resources/rules-documents)を参照のこと。
206.5. エキスパンション・シンボルの完全な一覧は、マジックのウェブサイトのCard Set Archiveコーナー(http://magic.wizards.com/en/game-info/products/card-set-archive)から確認できる。
207.1. 文章欄は、カードの下半分にある。多くの場合、ここにはそのカードの能力を定義するルール・テキストが書かれている。
207.2. 文章欄には、ゲーム上意味を持たないイタリック体の(日本語版では文字サイズが小さいまたは教科書体である)文章が書かれていることがある。
207.2a 注釈文は、カッコにくくられたイタリック体(日本語版では文字サイズが一段小さい)の文章であり、そのカードに適用されるルールの要約である。これはそれが対応する能力と同じ行に書かれていることが多いが、その能力でなくカード全体の注釈の場合、独立した行に書かれていることもある。
207.2b フレイバー・テキストは、イタリック体(日本語版では教科書体)で書かれた、絵と同様にゲームに雰囲気を出すための文章である。通常、これはルール・テキストの下に記載される。
207.2c 能力語は、能力の最初にイタリック体で書かれている(以前の日本語版ではフォントが区別されておらず、―で区切られていることで区別する必要があった)。能力語は、同様の機能を持ったカードを区別できるようにするために定められたキーワードのようなものであるが、ルール上の意味を持たず、総合ルールに独立した項目を持たない。能力語には、「一徹(いってつ)/Adamant」「附則(ふそく)/Addendum」「団結(だんけつ)/Alliance」「大隊(だいたい)/Battalion」「湧血(ゆうけつ)/Bloodrush」「祝祭(しゅくさい)/Celebration」「魂力(こんりき)/Channel」「彩色(さいしょく)/Chroma」「盟友(めいゆう)/Cohort」「星座(せいざ)/Constellation」「収斂(しゅうれん)/Converge」「動議(どうぎ)/Council's Dilemma」「集会(しゅうかい)/Coven」「昂揚(こうよう)/Delirium」「落魄4(らくはくよん)/Descend 4」「落魄8(らくはくはち)/Descend 8」「版図(はんと)/Domain」「威光(いこう)/Eminence」「激昂(げきこう)/Enrage」「窮地(きゅうち)/Fateful hour」「底なしの落魄(そこなしのらくはく)/Fathomless descent」「獰猛(どうもう)/Ferocious」「圧倒(あっとう)/Formidable」「壮大(そうだい)/Grandeur」「暴勇(ぼうゆう)/Hellbent」「英雄的(えいゆうてき)/Heroic」「刻印(こくいん)/Imprint」「神啓(しんけい)/Inspired」「同調(どうちょう)/Join Forces」「族系(ぞくけい)/Kinship」「上陸(じょうりく)/Landfall」「副官(ふくかん)/Lieutenant」「魔技(まぎ)/Magecraft」「金属術(きんぞくじゅつ)/Metalcraft」「陰鬱(いんうつ)/Morbid」「集団戦術(しゅうだんせんじゅつ)/Pack Tactics」「パラドックス(ぱらどっくす)/Paradox」「協議(きょうぎ)/Parley」「光輝(こうき)/Radiance」「強襲(きょうしゅう)/Raid」「結集(けっしゅう)/Rally」「紛争(ふんそう)/Revolt」「秘密会議(ひみつかいぎ)/secret council」「魔巧(まこう)/Spell Mastery」「奮励(ふんれい)/Strive」「掃引(そういん)/Sweep」「誘引(ゆういん)/Tempting Offer」「スレッショルド(すれっしょるど)/Threshold」「宿根(しゅっこん)/Undergrowth」「雄姿(ゆうし)/Valiant」「議決(ぎけつ)/Will of the council」がある。
207.2d 能力語と同様に、フレイバー語も一部の能力の前にイタリック体(日本語版では教科書体)で表記されている。フレイバー語は、能力のフレイバー的説明であるが、ルール上の意味は持たず、総合ルールには列記されない。能力語は類似した機能を持つ複数の能力をまとめるものであるが、フレイバー語はその特定の能力に沿ったものである。
207.3. 一部のカードには、文章欄の背景に装飾的アイコンが描かれている。例えば、ラヴニカの各ギルドに関するカードの多くで文章欄にギルド・アイコンが含まれており、『ミラディンの傷跡』ブロックではほとんどのカードの文章欄に陣営アイコンが含まれている。また、プロモカードの多くにも装飾的アイコンが描かれている。これらのアイコンはゲームのプレイに影響を及ぼさない。
207.4. 次元・カードのカオスが起こるたびに誘発する誘発型能力の左側には、カオス・シンボルが記されている。このシンボルそのものはルール上特別な意味を持たない。rule 901〔プレインチェイス戦〕参照。
207.5. カード1枚(《謎めいた尖塔群》)は、文章欄の下に各色を表すシンボルがあり、デッキを作成するに際してプレイヤーにそれらの色のうち2つに丸をつけるように指示する能力がある。色に丸をつけるとは、そのプレイヤーがその色のシンボルに丸をつける(あるいは明確にわかるように印をつける)ことである。丸をつけられた色のマナ・シンボルは、そのカードの印刷されたルール・テキストの一部(rule 613.1 参照)として扱い、そのカードの固有色(rule 903.4)に影響する。
208.1. クリーチャー・カードの右下には、スラッシュで区切られた2つの数字が記されている。1つ目の数字はパワー(戦闘中に与えるダメージの量)であり、2つ目の数字はタフネス(破壊されるのに必要なダメージの量)である。例えば、2/3というのはそのオブジェクトが2のパワーと3のタフネスを持つことを示している。パワーやタフネスは、効果によって修整を受けたりある値に変更されたりすることがある。
208.2. 一部のクリーチャー・カードでは、パワーやタフネスの値が固定値ではなく * になっているものがある。
208.2a カードは、何らかの条件に基づいてパワーやタフネスを定める特性定義能力を持つことがある(rule 604.3 参照)。この種の能力は、「[このクリーチャーの][パワーまたはタフネス]は~である/[This creature's] [power or toughness] is equal to ~」あるいは「[このクリーチャーの]パワーとタフネスはそれぞれ~である/[This creature's] power and toughness are each equal to ~」と書かれる。この能力はゲームの外部も含むあらゆる場所において機能する。決定できない値を計算上などで用いる必要がある場合、その値を0として扱う。
例:《Lost Order of Jarkeld》のパワーやタフネスはそれぞれ1+*であり、「Lost Order of Jarkeldが戦場に出るに際し、対戦相手1人を選ぶ。」「Lost Order of Jarkeldのパワーとタフネスはそれぞれ、そのプレイヤーがコントロールしているクリーチャーの数に1を足した値に等しい。」という能力を持つ。《Lost Order of Jarkeld》が戦場 にない間、プレイヤーは選ばれていないので、パワーとタフネスはともに1+0、つまり1/1となる。
208.2b クリーチャーのパワーやタフネスを、それが戦場に出るに際して、あるいはオモテになるに際して、いくつかの特定の値の中から1つに設定する置換効果を作る常在型能力を持つカードが存在する(rule 614〔置換効果〕参照)。その種の能力は、「[このクリーチャー]が戦場に出るに際し~/As [this creature] enters the battlefield . . . 」「[このクリーチャー]がオモテ向き になるに際し~/As [this creature] is turned face up . . . ,」「[このクリーチャー]は~として戦場に出る。/[this creature] enters the battlefield as . . .」といった書式で、複数のパワーとタフネスの組(さらに追加の特性がついていることもある)が記されている。これらの効果で選ばれ、あるいは決定された特性は、そのクリーチャーのコピー可能な値に影響を及ぼす(rule 707.2 参照)。カードが戦場 にない間、パワーとタフネスはともに0として扱う。
208.3. クリーチャーでないパーマネントは、そのカードにパワーやタフネスが記載されていたとしても(機体など)、パワーやタフネスを持たない。クリーチャーでないオブジェクトが戦場 にない場合、そのカードにパワーやタフネスが記載されていない限り、パワーやタフネスを持たない。
208.3a クリーチャーでないパーマネントの、基本のパワーやタフネスを定めたりパワーやタフネスを修整したりする効果が発生する場合、その効果は、そのパーマネントがクリーチャーでない限り何もしないが、発生する。
例:《経験豊富な操縦者》は「経験豊富な操縦者が機体1つに搭乗するたび、ターン終了時まで、その機体は+1/+1の修整を受ける。」という能力を持つ。この誘発型能力は、その機体が搭乗された後、クリーチャー になる前に解決される。この継続的効果は発生し、この機体がクリーチャー になったらその機体に適用される。
208.4. 効果の中には、クリーチャーの「基本のパワー/base power」「基本のタフネス/base toughness」「基本のパワーとタフネス/base power and toughness」を扱うものがある。
208.4a クリーチャーのパワーやタフネスを特定の値にする効果は、基本のパワーやタフネスと書いていることがある。それ以外の継続的効果が、さらにそのクリーチャーのパワーやタフネスに修整を加えることがある。rule 613〔継続的効果の相互作用〕参照。
208.4b 効果の中に、クリーチャーの基本のパワーやタフネスを調べるものがある。それらの効果はそのクリーチャーの特性を、特性定義能力、パワーやタフネスを特定の値にする効果の適用後、それ以外でパワーやタフネスに修整を加える効果を無視して参照する。rule 613〔継続的効果の相互作用〕参照。
208.5. クリーチャーのパワーが何らかの理由で値を持たない場合、それは0となる。タフネスも同じである。
209.1. プレインズウォーカー・カードの右下には、忠誠数が記されている。これはプレインズウォーカーが戦場 にない間の忠誠度の値を示し、プレインズウォーカーは、その数の忠誠カウンターが乗った状態で戦場に出る(rule 306.5b 参照)。
209.2. コストに忠誠度シンボルを含む起動型能力は、忠誠度能力である。忠誠度能力はプレイヤーは自分がコントロールしているパーマネントの忠誠度能力を、自分のメイン・フェイズの間、スタックが空で、優先権を持っていて、そのターンにそのパーマネントの忠誠度能力をどれも起動していない場合にのみ起動できる。rule 606〔忠誠度能力〕参照。
210.1. 各バトル・カードの右下には、守備値の数が記されている。これはそれが戦場 にない間の守備値を示し、そのバトルがその数の守備カウンターが置かれた状態で戦場に出ることを示している(rule 310.4b 参照)。
211.1. ヴァンガード・カードの左下角に、手札補正子が記されている。プラス、マイナス、または0のいずれかの数である。この補正子は、ヴァンガード・カードのオーナーの初期手札枚数と手札の最大枚数を決定する際に適用される。rule 103.5 参照。
212.1. ヴァンガード・カードの右下角に、ライフ補正子が記されている。プラス、マイナス、または0のいずれかの数である。この補正子は、ヴァンガード・カードのオーナーの初期ライフ総量を決定する際に適用される。rule 103.4 参照。
213.1. カードの文章欄の下に印刷されている、ゲーム上効果のない文章がある。すべてのカードセットで以下のすべての情報が各カードに印刷されているわけではない。
213.1a ほとんどのカード・セットではコレクター番号が振られている。この情報は[カード番号]/[セットに含まれるカードの総数]、あるいは単に[カード番号]という形で書かれている。プレインズウォーカー デッキのみのカードなど一部のカードでは、総数よりも大きなカード番号が振られていることがある。
213.1b カードのレアリティは、コレクター番号の後に1文字で表示されている。
213.1c プロモカードの中には、そのカードが何に割り当てられているのかを示す情報が書かれていることがある。
213.1d 互換の名前を持つカードの中には、その互換の名前を持つカードの特定の版についての情報が含まれていることがある。rule 201.3 参照。
213.1e そのカードがどのセットで印刷されたものかを示す3文字と、そのカードがどの言語で印刷されたものかを示す2文字が、中黒を挟んで記されている。プレミアム版であれば、中黒でなく星印を挟んでいる。
213.1f カードの絵の著作権表記は、文章欄のすぐ下に、絵筆のアイコン、あるいは古いカードでは「Illus.」という略語に続いて記されている。
3. カード・タイプ
300. 総則
300.1. カード・タイプには、「アーティファクト/artifact」「バトル/battle」「策略/conspiracy」「クリーチャー/creature」「ダンジョン/dungeon」「エンチャント/enchantment」「インスタント/instant」「土地/land」「現象/Phenomenon」「次元/plane」「プレインズウォーカー/planeswalker」「計略/scheme」「ソーサリー/sorcery」「同族/kindred」「ヴァンガード/vanguard」がある。
300.2. 複数のカード・タイプを持つオブジェクト(たとえば、アーティファクト・クリーチャーなど)が存在する。この類のオブジェクトは、そのいずれかのカード・タイプの持つ性質を持ち、また、そのいずれかのカード・タイプに適用される呪文や能力の影響を受ける。
300.2a 土地でもあり他のカード・タイプでもあるオブジェクト(たとえばアーティファクト・土地)は土地としてのみプレイできる。呪文として唱えることはできない。
300.2b 同族・カードは他のカード・タイプを持つ。同族・カードを唱え、解決することは、そのもう一方のカード・タイプのカードを唱え、解決することに関するルールに従う。
301.1. 優先権を持つプレイヤーは、自分のメイン・フェイズで、スタックが空の間、アーティファクト・カードを手札から唱えることができる。アーティファクトを呪文として唱える場合、スタックを用いる。rule 601〔呪文を唱えること〕参照。
301.2. アーティファクト・呪文が解決されたら、それのコントローラーはそれを自分のコントロール下で戦場に出す。
301.3. アーティファクトのサブタイプは必ず1単語であり、「アーティファクト」という語のあとに、「アーティファクト ─ 装備品/Artifact ─ Equipment」といったように、長いダッシュに続いて並べられている。アーティファクトのサブタイプは、「アーティファクト・タイプ」とも呼ばれる1単語である。アーティファクトには複数のサブタイプがあることもありうる。アーティファクト・タイプの一覧は、rule 205.3g を参照。
301.4. アーティファクトはそのカード・タイプに特有の特性を持たない。ほとんどのアーティファクトは有色 マナ・シンボルをマナ・コストに含まないので、無色である。しかし、無色であることとアーティファクトであることの間に因果関係はない。色を持つアーティファクトも存在するし、無色であってもアーティファクトでないオブジェクトも存在する。
301.5. アーティファクトの中には、「装備品/Equipment」というサブタイプを持つものがある。装備品はクリーチャーにつけることができる。クリーチャーでないものに適正につけることはできない。
301.5a 装備品がついているクリーチャーは、「装備しているクリーチャー/equipped creature」と呼ばれる。装備品は、クリーチャーにつく、あるいは「装備される/equip」ことになる。
301.5b 装備品・呪文は、他のアーティファクト・呪文と同じように唱えられる。装備品は、他のアーティファクトと同じように戦場に出る。それらはクリーチャーについた状態で戦場に出るわけではない。キーワード能力「装備/equip」は、その装備品をあなたがコントロールしているクリーチャーにつける(rule 702.6〔装備〕参照)。クリーチャーのコントロールに関する条件は、装備 能力の起動時と解決時にのみ確認する。呪文や他の能力によって装備品がクリーチャーにつくことがある。効果によって装備品をそれを装備することができないオブジェクトにつけようとした場合、その装備品は動かない。
301.5c クリーチャーは、クリーチャーでもあり換装(rule 702.151〔換装〕参照)を持たない装備品を装備できない。クリーチャーは、「装備品」というサブタイプを失った装備品を装備できない。装備品は自分自身を装備できない。不正あるいは存在しないパーマネントに装備されている装備品は、そのパーマネントからはずれるが、戦場に残ったままである(これは状況起因処理である。rule 704 参照)。装備品は同時に複数のクリーチャーにつくことはない。呪文や能力によって複数のクリーチャーに装備させるようなことが起こった場合、その装備品のコントローラーはどちらのクリーチャーにつけるかを選ぶ。
301.5d 装備品のコントローラーは、装備しているクリーチャーのコントローラーとは別物である。この2つは同じである必要はない。クリーチャーのコントローラーが変わっても装備品のコントローラーは変わらないし、逆も同様である。装備品のコントローラーのみが、それの能力を起動できる。ただし、装備品がそれを装備しているクリーチャーに能力を(「得る/gains」あるいは「持つ/has」等によって)得させる場合、装備しているクリーチャーのコントローラーのみが、その能力を起動できる。
301.5e 効果がオーラ(rule 303.4i 参照)でない装備品を、適正に装備できないまたは未定義であるオブジェクトにつけた状態で戦場に出そうとした場合、その装備品はついていない状態で戦場に出る。その装備品がトークンなら、それは生成され、ついていない状態で戦場に出る。
301.5f パーマネントの、「装備しているクリーチャー/equipped creature」を参照している能力は、そのパーマネントが装備品でなくても、そのパーマネントがついているクリーチャーを参照する。
301.6. アーティファクトの中には、「城砦/Fortification」というサブタイプを持つものがある。城砦は土地につけることができる。土地でないオブジェクトにつけることはできない。城砦に関して装備 能力に対応するのは「城砦化/Fortify」というキーワード能力である。rule 301.5a-f は、装備品とクリーチャーの関係を、城砦と土地の関係に読み替え、rule 301.5c は「土地は、クリーチャーでもある城砦によって城砦化されない。」と読み替えて適用する。rule 702.67〔城砦化〕参照。
301.7. アーティファクトの中には、「機体/Vehicle」というサブタイプを持つものがある。ほとんどの機体は、アーティファクト・クリーチャー になれる搭乗 能力を持つ。rule 702.122〔搭乗〕参照。
301.7a 機体は印刷されたパワーやタフネスを持つが、クリーチャーでもある場合にのみそれらの特性を持つ。rule 208.3 参照。
301.7b 機体がクリーチャー になる場合、それは即座にその印刷されたパワーやタフネスを持つ。それをクリーチャーにした効果も含む他の効果によって、その値が修整されたり別の値に定められたりすることがある。
302.1. 優先権を持つプレイヤーは、自分のメイン・フェイズで、スタックが空の間、クリーチャー・カードを手札から唱えることができる。クリーチャーを呪文として唱える場合、スタックを用いる。rule 601〔呪文を唱えること〕参照。
302.2. クリーチャー・呪文が解決されたら、それのコントローラーはそれを自分のコントロール下で戦場に出す。
302.3. クリーチャーのサブタイプは概ね1単語であり、「クリーチャー」という語のあとに、「クリーチャー ─ 人間・兵士/Creature ─ Human Soldier」「アーティファクト・クリーチャー ─ ゴーレム/Artifact Creature ─ Golem」といったように、長いダッシュに続いて並べられている。クリーチャーのサブタイプは、「クリーチャー・タイプ」とも呼ばれる。クリーチャーには複数のサブタイプがあることもありうる。クリーチャー・タイプの一覧は rule 205.3m 参照。
例:「クリーチャー ─ ゴブリン・ウィザード/Creature ─ Goblin Wizard」は、そのカードがサブタイプとしてゴブリンとウィザードを持つクリーチャー・カードであることを示している。
302.4. パワーとタフネスは、クリーチャーだけが持っている特性である。
302.4a クリーチャーのパワーとは、そのクリーチャーが戦闘で与えるダメージの総量である。
302.4b クリーチャーのタフネスとは、そのクリーチャーを破壊するために必要なダメージの総量である。
302.4c クリーチャーのパワーやタフネスを決定するためには、カードの右下に記載されている値から計算し、各種の継続的効果を適用する。rule 613〔継続的効果の相互作用〕参照。
302.5. クリーチャーは攻撃したりブロックしたりできる。(rule 508〔攻撃クリーチャー指定ステップ〕、rule 509〔ブロック・クリーチャー指定ステップ〕参照。)
302.6. クリーチャーの起動型能力のうち起動コストにタップ・シンボルやアンタップ・シンボルを含むものは、そのコントローラーがそのクリーチャーを自分のターン開始時から続けてコントロールしていない限り、起動できない。また、そのコントローラーが自分のターン開始時から続けてコントロールしていない限り、そのクリーチャーでは攻撃できない。このルールは非公式に「召喚酔い」ルールと呼ばれる。
302.7. 萎縮も感染も持たない発生源からクリーチャーが受けたダメージは、そのクリーチャーが負う。クリーチャーが負っているダメージの合計がそのタフネス以上である場合、そのクリーチャーは致死ダメージを受けたといい、状況起因処理で破壊される(rule 704 参照)。クリーチャーが負っているダメージは、再生した時(rule 701.15〔再生する〕参照)とクリンナップ・ステップの間(rule 514.2 参照)に取り除かれる。
303.1. 優先権を持つプレイヤーは、自分のメイン・フェイズで、スタックが空の間、エンチャント・カードを手札から唱えることができる。エンチャントを呪文として唱える場合、スタックを用いる(rule 601〔呪文を唱えること〕参照)。
303.2. エンチャント・呪文が解決されたら、それのコントローラーはそれを自分のコントロール下で戦場に出す。
303.3. エンチャントのサブタイプは必ず1単語であり、「エンチャント」という語のあとに、「エンチャント ─ 祭殿/Enchantment ─ Shrine」といったように、長いダッシュに続いて並べられている。エンチャントのサブタイプは、「エンチャント・タイプ」とも呼ばれる。エンチャントには複数のサブタイプがあることもありうる。エンチャント・タイプの一覧は、rule 205.3h 参照。
303.4. エンチャントの中には、サブタイプとして「オーラ/Aura」を持つものがある。オーラはオブジェクトまたはプレイヤーについた状態で戦場に出る。オーラをつけることができる先は、キーワード能力「エンチャント/Enchant」によって規定されている(rule 702.5〔エンチャント〕参照)。他の効果によって、あるパーマネントをエンチャントできるかどうかに限定が加えられる場合もある。
303.4a オーラ・呪文は、エンチャント 能力によって規定される対象を必要とする。
303.4b オーラのついているオブジェクトやプレイヤーのことを、「エンチャントされている/enchanted」という。そのオーラはそのオブジェクトやプレイヤーを「エンチャントしている/enchants」、あるいはそのオブジェクトやプレイヤーに「ついている/attached」という言い方をする。
303.4c オーラが、エンチャント 能力やその他の効果による規定に対して不正なオブジェクトまたはプレイヤー上にエンチャントしていた、あるいはエンチャントしているオブジェクトやプレイヤーがすでに存在しなくなっていた場合、そのオーラはオーナーの墓地に置かれる(これは状況起因処理である。rule 704〔状況起因処理〕参照)。
303.4d オーラはそれ自身をエンチャントすることができない。何らかの理由でそうなった場合、そのオーラはオーナーの墓地に置かれる。また、オーラがクリーチャーでもある場合、他のオブジェクトをエンチャントすることができない。何らかの理由でそうなった場合、そのオーラははずれ、そしてオーナーの墓地に置かれる。(これらは状況起因処理である。rule 704 参照)。 オーラは同時に複数のオブジェクトまたはプレイヤーにつくことはない。呪文や能力の効果によってオーラが複数のオブジェクトやプレイヤーにつくような場合、そのオーラのコントローラーはどちらのオブジェクトまたはプレイヤーにつけるかを選ぶ。
303.4e オーラのコントローラーは、エンチャントしているオブジェクトのコントローラーあるいはエンチャントしているプレイヤーとは別物である。この2つは同じである必要はない。オーラがオブジェクトをエンチャントしている場合、そのオブジェクトのコントローラーが変わってもオーラのコントローラーは変わらないし、逆も同様である。オーラのコントローラーのみが、それの能力を起動できる。ただし、オーラがエンチャントしているオブジェクトに能力を(「得る/gains」あるいは「持つ/has」等によって)得させる場合、エンチャントしているオブジェクトのコントローラーのみが、その能力を起動できる。
303.4f オーラが、オーラ・呪文が解決される以外の方法でいずれかのプレイヤーのコントロール下で戦場に出、その出す効果がオーラのエンチャント先を指定していなかった場合、そのプレイヤーがそのオーラが戦場に出るに際してそのオーラのエンチャント先を選ぶ。そのプレイヤーは、オーラのエンチャント 能力その他適用される効果に従い、適正なオブジェクトまたはプレイヤーを選ばなければならない。
303.4g オーラが、適正にエンチャントできるオブジェクトやプレイヤーのない状態で戦場に出る場合、そのオーラが現在スタックにあるのでない限り、現在ある領域にとどまる。スタックにある場合、そのオーラは戦場に出る代わりに オーナーの墓地に置かれる。そのオーラがトークンであれば、生成されない。
303.4h 効果によって、オーラでも装備品でも城砦でもないパーマネントをオブジェクトまたはプレイヤーにつけた状態で戦場に出す場合、はずれている状態で戦場に出る。
303.4i 効果によってオーラを適正につけられないオブジェクトやプレイヤー、または未定義であるオブジェクトやプレイヤーにつけた状態で戦場に出す場合、元あった領域がスタックでなければ、オーラは元あった領域に残る。スタックであれば、戦場に出る代わりに オーナーの墓地に置かれる。オーラがトークンであれば、それは生成されない。
303.4j 効果によって戦場にあるオーラをオブジェクトやプレイヤーにつける場合、そのオブジェクトやプレイヤーが適正にエンチャントされることができなければ、オーラは移動しない。
303.4k 効果によって表向きになるオーラがオブジェクトやプレイヤーについた状態になる場合、そのオーラのコントローラーはそれが表向きで存在している場合のそのオーラの特性を用いて何につけることができるかを判断し、そのオーラの持つエンチャント 能力やその他の適用されうる効果に従って適正なオブジェクトを選ばなければならない。
303.4m パーマネントの「エンチャントしている[オブジェクトまたはプレイヤー]/enchanted [object or player]」を参照する能力は、そのパーマネントがオーラでなかったとしても、そのパーマネントがついているオブジェクトまたはプレイヤーを参照する。
303.5. エンチャントの中には、「英雄譚/Saga」というサブタイプを持つものがある。英雄譚・カードについての詳細は、rule 714 参照。
303.6. エンチャントの中には、「クラス/Class」というサブタイプを持つものがある。クラス・カードについての詳細は、rule 716 参照。
303.7. オーラ・エンチャントの中には、「役割/Role」というサブタイプも持つものがある。
303.7a パーマネント1つに同一のプレイヤーがコントロールしている複数の役割がついている場合、最も新しいタイムスタンプを持つ1つ以外のそれらの役割はオーナーの墓地に置かれる。これは状況起因処理である。rule 704 参照。
304.1. 優先権を持つプレイヤーは、インスタント・カードを手札から唱えることができる。インスタントを呪文として唱える場合、スタックを用いる。rule 601〔呪文を唱えること〕参照。
304.2. インスタント・呪文が解決されたら、ルール・テキストに書かれている処理が行われ、その後で、オーナーの墓地に置かれる。
304.3. インスタントのサブタイプは必ず1単語であり、「インスタント/Instant」という語のあとに、「インスタント ─ 秘儀/Instant ─ Arcane」といったように、長いダッシュに続いて並べられている。インスタントのサブタイプはソーサリーのサブタイプと同一であり、呪文タイプと呼ばれる。インスタントには複数のサブタイプがあることもありうる。呪文タイプ一覧は、rule 205.3k 参照。
304.4. インスタントが戦場に出ることはない。戦場に出る場合、その代わりに元あった領域に残る。
304.5. 「プレイヤーがインスタントを唱えられるときならいつでも/any time he or she could cast an instant,」あるいは「インスタントとしてのみ/only as an instant」という表現は、そのプレイヤーが優先権を持っている時に、という意味である。プレイヤーが唱えられるインスタント・カードを持っている必要はないし、そのプレイヤーにインスタント・呪文を唱えられなくする効果があってもその処理は実行できる(その処理が実際にインスタント・呪文を唱えるものでない限り)。
305.1. 優先権を持つプレイヤーは、自分のメイン・フェイズで、スタックが空の間、土地・カードを手札からプレイすることができる。土地をプレイすることは特別な処理であり、スタックを用いない(rule 116 参照)。土地をプレイする場合、プレイヤーはそれを単に戦場に出す。土地はスタックに乗らず、呪文ではなく、また、インスタントや起動型能力で対応することはできない。
305.2. 通常、プレイヤーは、自分のターンの間に 土地を1つだけプレイすることができる。継続的効果によって、この数が増加することがありうる。
305.2a プレイヤーが土地をプレイできるかどうか決定するために、プレイヤーがそのターンにプレイできる土地の枚数と、そのプレイヤーがそのターンに既にプレイした土地の枚数(特別な処理でプレイしたものも、呪文や能力の解決中にプレイしたものも含む)を比較する。そのプレイヤーがプレイできる土地の枚数のほうが多い場合、そのプレイは適正である。
305.2b 理由を問わず、プレイヤーがそのターンにプレイできる土地の枚数が、そのプレイヤーがそのターンに既にプレイした土地の枚数以下であった場合、そのプレイヤーは土地をプレイできない。効果のうち、土地をプレイするという部分は無視する。
305.3. プレイヤーは、いかなる理由があれ、自分のターン以外には土地をプレイすることはできない。プレイヤーにそうさせるように指示する部分は無視する。同様に、そのターンに許可されている全ての土地のプレイを済ませているプレイヤーは、土地をプレイすることはできない。プレイヤーにそうさせるように指示している部分は無視する。
305.4. 土地を戦場に「出す/put」ことができる効果が存在する。これは土地のプレイとは違い、そのターンに既にプレイした土地の枚数には数えない。
305.5. 土地のサブタイプは常に1単語であり、土地タイプとも呼ばれる。土地は複数の土地タイプを持つことがありうる。土地タイプの一覧は rule 205.3i 参照。
例:「基本 土地 ─ 山」という記述は、そのカードが山のサブタイプを持つ土地・カードであることを意味する。
305.6. 基本土地タイプは、平地、島、沼、山、森である。「基本土地タイプ/Basic land type」が参照される場合、これらのサブタイプのうちいずれかを意味する。土地というカード・タイプと基本土地タイプを持つオブジェクトは、文章欄が空欄であったりそもそも存在しなかったりしたとしても、「{T}:[マナ・シンボル]を加える。」という固有の能力を持つ。能力内のマナ・シンボルは、平地は{W}、島は{U}、沼は{B}、山は{R}、森は{G}である。rule 107.4a、ならびに rule 605〔マナ能力〕参照。
305.7. 何らかの効果により土地タイプがいずれかの基本土地タイプに定められた場合、その土地は以降古い土地タイプを持たない。ルール・テキスト、元の土地タイプ、その土地に影響しているコピー可能な効果によって得られていた能力を全て失い、その基本土地タイプが持つマナ能力を得ることになる。ただし、これは他の効果によりその土地が得た能力を取り除くわけではない。土地タイプの設定は、その土地が持つカード・タイプ(「クリーチャー」など)や特殊タイプ(「基本」や「伝説の」「氷雪」など)を変更しない。土地が現在の土地タイプに加えて新たな土地タイプを得た場合、それはこれまでの土地タイプとルール・テキストを持ち、それに加えて新しい土地タイプとマナ能力を得る。
305.8. 「基本/Basic」という特殊タイプをもつ土地は基本 土地である。基本土地タイプを持っていても、この特殊タイプを持たない土地は基本でない土地である。
305.9. あるオブジェクトが土地であり、かつ他のカード・タイプでもある場合、それは土地としてプレイされる。呪文として唱えられることはない。
306.1. 優先権を持つプレイヤーは、自分のメイン・フェイズで、スタックが空の間、プレインズウォーカー・カードを手札から唱えることができる。プレインズウォーカーを呪文として唱える場合、スタックを用いる(rule 601〔呪文を唱えること〕参照)。
306.2. プレインズウォーカー・呪文が解決された時、そのコントローラーはそれを自分のコントロール下で戦場に出す。
306.3. プレインズウォーカーのサブタイプは必ず1単語であり、「プレインズウォーカー ─ ジェイス/Planeswalker ─ Jace」といったように、長いダッシュに続いて並べられている。プレインズウォーカーのサブタイプは「プレインズウォーカー・タイプ/planeswalker type」と呼ばれる。プレインズウォーカーには複数のサブタイプがあることもありうる。プレインズウォーカー・タイプの一覧は、rule 205.3j 参照。
306.4. 以前は、プレインズウォーカーは同じプレインズウォーカー・タイプを持つ複数のプレインズウォーカーを1人のプレイヤーがコントロールできないようにする「プレインズウォーカーの唯一性ルール」に従っていた。このルールは取り除かれ、この変更以前に印刷されたプレインズウォーカー・カードはオラクルで訂正され、「伝説の」の特殊タイプを持つようになった。他の伝説の パーマネント同様、それらも「レジェンド・ルール」に従う(rule 704.5j 参照)。
306.5. 「忠誠度/Loyalty」は、プレインズウォーカーにのみ存在する特性である。
306.5a 戦場に出ていないプレインズウォーカー・カードの忠誠度は、その右下角に記載されている数字に等しい。
306.5b プレインズウォーカーは、「このパーマネントは、記載された忠誠数に等しい数の忠誠カウンターが乗った状態で戦場に出る。」という固有の能力を持つ。この能力は置換効果を生み出す(rule 614.1c 参照)。
306.5c 戦場に出ているプレインズウォーカーの忠誠度は、その上にある忠誠カウンターの数に等しい。
306.5d プレインズウォーカーは、数個の忠誠度能力を持つ。それらはそのコストに忠誠度シンボルを含む起動型能力である。忠誠度能力には、「プレイヤーは自分がコントロールしているパーマネントの忠誠度能力を、自分のメイン・フェイズの間、スタックが空で、優先権を持っていて、そのターンにそのパーマネントの忠誠度能力をどれも起動していない場合にのみ起動できる。」という特殊なルールが適用される。rule 606〔忠誠度能力〕参照。
306.6. プレインズウォーカーは攻撃されることがある(rule 508〔攻撃クリーチャー指定ステップ〕参照)。
306.7. 以前は、プレインズウォーカーはプレイヤーに、対戦相手に与える戦闘ダメージでないダメージを、その代わりに 対戦相手のコントロールしているプレインズウォーカーに与えるという移し替え効果に従っていた。このルールは取り除かれ、特定のカードはオラクルで訂正を受け、直接プレインズウォーカーにダメージを与えるようになった。
306.8. プレインズウォーカーがダメージを受けた場合、そのプレインズウォーカーからその量の忠誠カウンターを取り除く。
306.9. プレインズウォーカーの忠誠度が0である場合、そのオーナーの墓地に置かれる(これは状況起因処理である。rule 704 参照)。
307.1. 優先権を持つプレイヤーは、自分のメイン・フェイズで、スタックが空の間、ソーサリー・カードを手札から唱えることができる。ソーサリーを呪文として唱える場合、スタックを用いる。(rule 601〔呪文を唱えること〕参照)。
307.2. ソーサリー・呪文が解決されたら、ルール・テキストに書かれている処理が行われ、その後で、オーナーの墓地に置かれる。
307.3. ソーサリーのサブタイプは必ず1単語であり、「ソーサリー/Sorcery」という語のあとに、「ソーサリー ─ 秘儀/Sorcery ─ Arcane」といったように、長いダッシュに続いて並べられている。ソーサリーのサブタイプは、インスタントのサブタイプと同一であり、呪文タイプと呼ばれる。ソーサリーには複数のサブタイプがあることもありうる。呪文タイプ一覧は、rule 205.3k 参照。
307.4. ソーサリーは戦場に出ることはできない。戦場に出る場合、その代わりに元の領域に残る。
307.5. 呪文、能力、効果によって、プレイヤーが何かを「ソーサリーが唱えられるときならいつでも/any time he or she could cast a sorcery」あるいは「ソーサリーとしてのみ/only as a sorcery」できる、となっていた場合、それはそのプレイヤーが優先権を持ち、自分のターンのメイン・フェイズ中で、スタックが空である、ということを意味する。そのプレイヤーは唱えられるソーサリー・呪文を持っている必要はないし、そのプレイヤーにソーサリー・呪文を唱えられなくする効果があっても処理は実行できる(その処理が実際にソーサリー・呪文を唱えるものでない限り)。
307.5a 同様に、ある呪文が「ソーサリーが唱えられない間に/any time a sorcery couldn't have been cast,」唱えられたかどうかを見る効果は、その呪文のコントローラーが優先権を持たずに、あるいは自分のメイン・フェイズ以外のフェイズ の間に、あるいは何らかのオブジェクトがスタックにある間に唱えたかどうかだけを調べる。
308.1. 同族・カードはもう1つカード・タイプを持つ。同族・カードをプレイし、解決するにあたっては、もう1つのカード・タイプのカードをプレイし、解決するためのルールに従う。
308.2. 同族のサブタイプは、概ね1単語であり、「同族・エンチャント ─ マーフォーク/Kindred Enchantment ─ Merfolk」といったように、長いダッシュに続いて並べられている。同族のサブタイプはクリーチャーのサブタイプと同じであり、「クリーチャー・タイプ/creature type」と呼ばれる。同族には複数のサブタイプがあることもありうる。クリーチャー・タイプの一覧は、rule 205.3m 参照。
308.3. 古い同族・カードには「部族/trival」というカード・タイプが記載されている。そのように記載されているカードは、オラクルで訂正されている。
309.1. ダンジョンは、定形外のマジックのカードにだけ存在するカード・タイプである。
309.2. ダンジョン・カードは最初、ゲームの外部にある。ダンジョン・カードはプレイヤーのデッキやサイドボードの一部ではなく、ダンジョン探索のキーワード処理によってゲームに持ち込まれる。rule 701.46〔ダンジョン探索〕参照。
309.2a プレイヤーが統率領域にあるダンジョン・カードのオーナーでないときにダンジョン探索をするなら、そのプレイヤーはゲームの外部にあり自分がオーナーであるダンジョン・カード1枚を選び、統率領域に置く。
309.2b ゲーム内に持ち込まれたダンジョン・カードは、ゲームを離れるまで統率領域に置かれる。
309.2c ダンジョン・カードはパーマネントではない。唱えることはできない。ダンジョン・カードは、ゲームを離れるのでなければ統率領域を離れることはできない。
309.2d ダンジョン探索のキーワード処理以外の効果によりダンジョン・カードがゲームの外部からゲームに持ち込まれる場合、それは起こらない。そのカードはゲームの外部に残る。
309.3. プレイヤー1人が同時に統率領域で所有できるダンジョン・カードは1枚だけであり、統率領域に自分がオーナーであるダンジョン・カードがあるプレイヤーはダンジョン・カードをゲームに持ち込むことはできない。
309.4. 各ダンジョン・カードには、お互いに矢印でつながった一連の部屋がある。プレイヤーは、自分が今どの部屋にいるかを示すために、自分がオーナーであるダンジョン・カードの上に置いた探索マーカーを用いる。
309.4a プレイヤーは、自分がオーナーであるダンジョン・カードを統率領域に置くに際し、その一番上の部屋に自分の探索マーカーを置く。
309.4b 各部屋には名前がある。それらの名前はフレイバー・テキスト として扱われ、ゲームプレイには影響しない。
309.4c 各部屋には、部屋能力と呼ばれる誘発型能力があり、それの効果がカードに記載されている。それらは、カードには記載されていない同じ誘発条件を持つ。各部屋能力の完全なテキストは、「あなたがあなたの 探索マーカーをこの部屋に動かしたとき、[効果]。」である。ダンジョン・カードが統率領域にあるかぎり、この能力は誘発することができる。各部屋能力は、その能力の発生源であるダンジョン・カードのオーナーであるプレイヤーがコントロールしている。
309.5. ダンジョン探索のキーワード処理で、プレイヤーは自分の探索マーカーをダンジョン・カードの下方の部屋に動かすことができる。
309.5a 統率領域に自分がオーナーであるダンジョン・カードがあり、その探索マーカーがそのダンジョンの一番下の部屋 にないプレイヤーがダンジョン探索をするなら、そのプレイヤーは自分の探索マーカーを今ある部屋から、その部屋から引かれている矢印に従って次の部屋に動かす。そのプレイヤーの探索マーカーがある部屋から複数の矢印が出ている場合、そのプレイヤーがどの矢印に従うかを選ぶ。
309.5b 統率領域に自分がオーナーであるダンジョン・カードがあり、その探索マーカーがそのダンジョンの一番下の部屋にあるプレイヤーがダンジョン探索をするなら、そのプレイヤーはそのダンジョン・カードをゲームから取り除く。その後、そのプレイヤーはゲームの外部から自分がオーナーであるダンジョン・カード1枚を選び、統率領域に置き、その一番上の部屋に探索マーカーを置く。
309.6. プレイヤーの探索マーカーがダンジョン・カードの一番下の部屋にあり、そのダンジョン・カードが誘発してスタックを離れていない部屋 能力の発生源でないなら、そのダンジョン・カードのオーナーはそれをゲームから取り除く。(これは状況起因処理である。rule 704 参照。)
309.7. ダンジョン・カードがゲームから取り除かれるに際して、プレイヤーはそのダンジョンを踏破する。
310.1. 優先権を持つプレイヤーは、自分のターンのメイン・フェイズでスタックが空の間、自分の手札にあるバトル・カードを唱えることができる。バトルを呪文として唱えることはスタックを用いる(rule 601〔呪文を唱えること〕参照)。
310.2. バトル・呪文が解決されたとき、それのコントローラーはそれを自分のコントロール下で戦場に出す。
310.3. バトルのサブタイプは常に1単語であり、長いダッシュの後に「バトル ― 包囲戦」と列記されている。バトルのサブタイプは、バトル・タイプとも呼ばれる。バトル・タイプの一覧は、rule 205.3q 参照。
310.4a 戦場に出ていないバトル・カードの守備値は、その右下に記されている数に等しい。
310.4b バトルは、「このパーマネントは、これに記されている守備値の数に等しい数の守備カウンターが置かれた状態で戦場に出る。」という固有の能力を持つ。この能力は置換効果(rule 614.1c 参照)を生み出す。
310.5. バトルは攻撃されることがある(rule 508〔攻撃クリーチャー指定ステップ〕参照)。
310.6. バトルが受けたダメージの結果、それの上にある守備カウンターをその数だけ取り除く。
310.7. バトルの守備値が0であり、それが誘発してスタックを離れていない能力の発生源でないなら、それはオーナーの墓地に置かれる(これは状況起因処理である。rule 704 参照)。
310.8. 各バトルは、守る者として指定されたプレイヤーを持つ。
310.8a バトルが戦場に出るに際し、そのコントローラーはプレイヤー1人をそれを守る者として選ぶ。守る者としてどのプレイヤーを選ぶかは、バトル・タイプ(rule 310.11 参照)によって決定される。バトル・タイプを持たない場合、そのコントローラーがそれを守る者 になる。
310.8b バトルを守る者は、それを攻撃できない。それを守る者を防御プレイヤーとする攻撃 プレイヤー1人は、バトルを攻撃できる。特に、包囲戦・バトルのコントローラーは、それを攻撃できる。
310.8c バトルを守る者は、自分がコントロールしているクリーチャーでそのバトルを攻撃しているクリーチャーをブロックできる。他のプレイヤーがコントロールしているクリーチャーは、それらの攻撃クリーチャーをブロックできない。
310.8d バトルを守る者がそのコントローラーでない場合、その攻撃されているバトルに関して「防御プレイヤー」を参照するすべてのルールや効果は、それのコントローラーではなく守る者を参照する。rule 508.5 参照。
310.8e ルールや効果がバトルを守るプレイヤーを参照する場合、それはそのバトルを守る者であるプレイヤーのことを参照する。
310.8f バトルを守る者は、各バトルにつき1人しか存在しない。他のプレイヤーがバトルを守る者 になったなら、元のバトルを守る者はバトルを守る者ではなくなる。
310.9. バトルは、オーラや装備品や城砦であっても、プレイヤーやパーマネントにつけることはできない。バトルが何らかの方法でパーマネントについたなら、はずれる。これは状況起因処理(rule 704 参照)である。
310.10. 攻撃されていないバトルにバトルを守る者として指定されたプレイヤーがいない場合、あるいはそれを守る者がバトル・タイプによって守る者 になれないプレイヤーである場合、それのコントローラーはそれを守る者として適正なプレイヤー1人を選ぶ。これにより選べるプレイヤーがいない場合、そのバトルはオーナーの墓地に置かれる。これは状況起因処理(rule 704 参照)である。
310.11. 既存のすべてのバトルは、包囲戦というサブタイプを持つ。包囲戦は特別なルールに従う。
310.11a 包囲戦が戦場に出るに際し、それのコントローラーは対戦相手の中からそれを守る者を選ばなければならない。包囲戦のコントローラーの対戦相手だけが、それを守る者として適正である。
310.11b 包囲戦は「最後の守備カウンターがこのパーマネントから取り除かれたとき、これを追放する。その後、これをマナ・コストを支払うことなく変身した状態で唱えてもよい。」という固有の能力を持つ。
311.1. 次元は、定形外のマジックのカードにのみ存在するカード・タイプである。次元・カードは、プレインチェイス戦・カジュアル変種ルールにおいてのみ用いる。rule 901〔プレインチェイス戦〕参照。
311.2. 次元・カードは、次元デッキの中にある間も、またオモテ向き になっている間も、ゲームの間統率領域にあり続ける。唱えられることはない。次元・カードが統率領域を離れる場合、それは統率領域に残り続ける。
311.3. 次元のサブタイプは長い横線の後に記されており、「次元 ― セラの領土/Plane - Serra's Realm」のように複数の単語からなることもある。長い横線の後に記されている単語すべてで1つのサブタイプである。次元のサブタイプは次元 タイプとも呼ばれる。次元は1つしかサブタイプを持つことはない。次元 タイプの一覧は、rule 205.3n 参照。
311.4. 次元・カードは望む数の常在型能力、誘発型能力、起動型能力を持ちうる。次元・カードが統率領域でオモテ向きである間、常在型能力はゲームに影響を及ぼし、誘発型能力は誘発可能となり、起動型能力は起動可能となる。
311.5. オモテ向きの次元・カードのコントローラーは、次元 コントローラーとして指定されたプレイヤーである。通常、次元はその時点でのアクティブ・プレイヤーによってコントロールされている。しかし、現在の次元 コントローラーがゲームから離れる場合、ターン順で次になる、ゲームから離れないプレイヤーが次元 コントローラーとなり、その後で元の次元 コントローラーはゲームから離れる。新しい次元 コントローラーは、そのプレイヤーがゲームから離れるか、あるいは他のプレイヤーがアクティブ・プレイヤー になるまでの間、指定されたままとなる。
311.6. 裏向き になったオモテ向きの次元・カードは、新しいオブジェクト になる。
311.7. 次元・カードは、「カオスが起こるたび、」誘発するという誘発型能力を持つ。これは「カオス能力」と呼ばれる。それらは能力の左側にあるカオス・シンボルで示されているが、そのシンボル自体にルール上の意味はない。この能力は、次元ダイスでカオス・シンボルが出た(rule 901.9b 参照)、解決した呪文や能力でカオスが起こると書かれていた、または、解決した呪文や能力に特定のオブジェクトでカオスが起こると書かれていた、場合に誘発する。最後の場合において、そのカオス能力はその次元 カードが次元デッキに合って公開されている場合にも誘発する。カオス能力は、その時点の次元 コントローラーがコントロールする。
312.1. 現象は、定形外のマジックのカードにのみ存在するカード・タイプである。プレインチェイス戦カジュアル変種ルールは次元・カードを用いる。rule 901〔プレインチェイス戦〕参照。
312.2. 現象・カードは、次元デッキの中にある間も、またオモテ向き になっている間も、ゲームの間統率領域にあり続ける。唱えられることはない。現象・カードはパーマネントではない。現象・カードが統率領域を離れる場合、それは統率領域に残り続ける。
312.4. オモテ向きの現象・カードのコントローラーは、次元 コントローラーとして指定されたプレイヤーである。通常、次元 コントローラーはアクティブ・プレイヤーである。しかし、現在の次元 コントローラーがゲームから離れる場合、ターン順で次になる、ゲームから離れないプレイヤーが次元 コントローラーとなり、その後で元の次元 コントローラーはゲームから離れる。新しい次元 コントローラーは、そのプレイヤーがゲームから離れるか、あるいは他のプレイヤーがアクティブ・プレイヤー になるまでの間、指定されたままとなる。
312.5. 次元・カードはそれに遭遇したときに誘発する誘発型能力を持つ。「あなたが[このカード]に遭遇したとき、」とは、あなたがこのカードを次元デッキから取ってオモテ向きにしたとき、という意味である。
312.6. 裏向き になったオモテ向きの現象・カードは、新しいオブジェクト になる。
312.7. 現象・カードが統率領域でオモテ向きであり、かつ、誘発してスタックから離れていない誘発型能力の発生源でない場合、次にプレイヤーが優先権を得る時点で次元 コントローラーはプレインズウォークする。(これは状況起因処理である。rule 704、rule 701.24〔プレインズウォークする〕参照。)
313.1. ヴァンガードは、定形外のマジックのカードにのみ存在するカード・タイプである。ヴァンガード戦カジュアル変種ルールでのみ、ヴァンガード・カードを用いる。rule 902〔ヴァンガード戦〕参照。
313.2. ヴァンガード・カードはゲームの間、統率領域にあり続ける。それらはパーマネントではなく、唱えられることもない。ヴァンガード・カードが統率領域を離れる場合、それは統率領域にあり続ける。
313.3. ヴァンガード・カードにはサブタイプは存在しない。
313.4. ヴァンガード・カードには常在型能力、誘発型能力、起動型能力が存在しうる。ヴァンガード・カードが統率領域にある限り、その常在型能力はゲームに影響を及ぼし、誘発型能力は誘発でき、起動型能力は起動されうる。
313.5. ヴァンガード・カードのオーナーはそれを統率領域においてゲームを始めたプレイヤーである。オモテ向きのヴァンガード・カードのコントローラーは、そのオーナーである。
313.6. ヴァンガード・カードの左下角に、手札補正子が記されている。プラス、マイナス、または0のいずれかの数である。この補正子は、ヴァンガード・カードのオーナーの初期手札枚数と手札の最大枚数(通常7枚)に適用される。その結果の数が、ゲームの開始時に引く枚数、ならびに手札の最大枚数となる。rule 103.5 参照。
313.7. ヴァンガード・カードの右下角に、ライフ補正子が記されている。プラス、マイナス、または0のいずれかの数である。この補正子は、ヴァンガード・カードのオーナーの初期ライフ総量(通常20点)の決定に際して適用される。rule 103.4 参照。
314.1. 計略は、定形外のマジックのカードにのみ存在するカード・タイプである。アーチエネミー戦カジュアル変種ルールでのみ、計略・カードを用いる。rule 904〔アーチエネミー戦〕参照。
314.2. 計略・カードはゲームの間、計略デッキの一部である間も、オモテ向きである間も、統率領域にあり続ける。それらはパーマネントではなく、唱えられることもない。計略・カードが統率領域を離れる場合、それは統率領域にあり続ける。
314.4. 計略・カードには常在型能力、誘発型能力、起動型能力が存在しうる。計略・カードがオモテ向きで統率領域にある限り、その常在型能力はゲームに影響を及ぼし、誘発型能力は誘発でき、起動型能力は起動されうる。
314.5. 計略・カードのオーナーはそれを統率領域においてゲームを始めたプレイヤーである。オモテ向きの計略・カードのコントローラーは、そのオーナーである。
314.6. 持続でない計略・カードが統率領域でオモテ向き になり、いずれかの計略の誘発型能力がスタックにあったりスタックに置かれるのを待っていたりしない場合、次に優先権が発生した際にその計略・カードは裏向き になり、オーナーの計略デッキの一番下に置かれる。(それは状況起因処理である。rule 704 参照)
314.7. 計略・カードの能力に「この計略」という記述があった場合、それはその能力の発生源である、統率領域にある計略・カードを意味する。これは rule 109.2 の例外である。
315.1. 策略・カードは、リミテッドのプレイ、特にコンスピラシー・ドラフト 変種ルール(rule 905 参照)下でのみ用いられる。策略・カードは、構築のプレイでは用いられない。
315.2. ゲームの開始時、デッキを切り直すよりも前に、プレイヤーはそれぞれ自分のサイドボードにある好きな枚数の策略・カードを統率領域に置く。秘策を持つ策略・カードは統率領域に裏向きに置かれる。(rule 702.106〔秘策〕参照)。
315.3. 策略・カードはゲームの間ずっと統率領域に置かれる。それらはパーマネントではなく、唱えられることもデッキに入れられることもない。策略・カードが統率領域を離れるなら、それは統率領域に残る。ゲーム外の策略・カードがゲーム内に入ることはない。
315.5. 策略・カードは常在型能力や誘発型能力を持つことがある。策略・カードがオモテ向きで統率領域にある限り、その常在型能力はゲームに影響を及ぼし、誘発型能力は誘発しうる。
315.6. 策略・カードのオーナーは、それをゲームの開始時に統率領域に置いたプレイヤーである。策略・カードのコントローラーは、そのオーナーである。
315.7. 自分がコントロールしている裏向きの策略・カードは、いつでもオモテを見ることができる。他のプレイヤーがコントロールしている裏向きの策略・カードのオモテを見ることはできない。
4. 領域
400. 総則
400.1. 領域は、オブジェクトがゲーム中に存在しうる場所である。通常、「ライブラリー/Library」「手札/Hand」「戦場/Battlefield」「墓地/Graveyard」「スタック/Stack」「追放/Exile」「統率/Command」の7つの領域が存在する。古いカードでは「アンティ/ante」領域を用いるものもある。ライブラリー、手札、墓地はプレイヤーごとに存在し、他の領域はすべてのプレイヤーが共用する。
400.2. 公開領域とは、その領域にあるカードのうちで何らかのルールや効果によって特に裏向きにされているもの以外のカードのオモテをすべてのプレイヤーが見ることができる領域である。墓地、戦場、スタック、追放、アンティ、統率領域が公開領域である。非公開領域とは、すべてのプレイヤーがカードのオモテを見ることができるわけではない領域のことである。その領域にあるカードのオモテがすべて公開されていたとしても、ライブラリーと手札は非公開領域である。
400.3. オブジェクトが、オーナー以外のライブラリー、墓地、あるいは手札に行く場合、オーナーの該当する領域に行く。
400.4. カード・タイプによっては、入ることのできない領域が存在する。
400.4a インスタント・カードやソーサリー・カードが戦場に出る場合、そのカードは元あった領域に残る。
400.4b 策略・カード、現象・カード、次元・カード、計略・カード、ヴァンガード・カードが統率領域を離れる場合、そのカードは統率領域に残る。
400.5. ライブラリー、墓地、スタックにあるオブジェクトの順番は、効果またはルールによらない限り、並べ替えることはできない。他の領域にある、裏向きの束に含まれるオブジェクトについても同様である。それ以外の他の領域にあるオブジェクトは、そのオーナーが望む通りに並べ替えることができるが、誰がコントローラーか、タップあるいは反転しているかどうか、それについているオブジェクトが何かは全てのプレイヤーに明白でなければならない。
400.6. オブジェクトがある領域から他の領域に移動する時、どのイベントがそのオブジェクトを動かすのかを決定する。その移動先が公開領域で、オーナーがその領域でそのオブジェクトを見ることができるのであれば、オーナーはそれを見てその移動に影響する効果があるかどうかを確認する。移動先が戦場であれば、そのオブジェクトを見ることができる他のプレイヤーも同様に見る。その後、そのオブジェクトそのものからのものもそれ以外のものも含む、そのイベントに適用可能な置換効果を適用する。効果やルールの複数の指示が矛盾している場合、そのオブジェクトのコントローラー(コントローラーが存在しない場合、オーナー)が、どの効果を適用するか、そしてその効果がどう機能するかを決める(同一のものが複数存在することによっても矛盾は発生する。例えば、複数の「破壊」効果が同時に発生する場合、お互いに矛盾する)。その後、そのイベントがそのオブジェクトを動かす。
例:《極上の大天使》は「あなたがゲームに敗北するなら、代わりに、極上の大天使を追放し、あなたの ライフの総量はあなたの 初期ライフ総量と等しい値になる。」という能力を持つ。呪文によってライフの総量が5点のプレイヤーと、そのプレイヤーがコントロールしている《極上の大天使》がそれぞれ5点のダメージを受けたとする。状況起因処理が行われる時点で、そのプレイヤーのライフの総量はそのプレイヤーの初期ライフ総量 になり、そのプレイヤーは《極上の大天使》をオーナーの墓地に移動させるか追放するかを選ぶ。
400.7. ある領域から他の領域に移動したオブジェクトは、以前の状態の記憶を失い、以前の状態と関係のない新しいオブジェクト になる。このルールには以下の例外がある。
400.7a スタックにあるパーマネント 呪文の特性やコントローラーを変更する、呪文や起動型能力や誘発型能力の効果は、その呪文がなるパーマネントにも適用され続ける。
400.7b 戦場で機能する能力をパーマネント 呪文に与える、常在型能力からの効果は、その呪文がなるパーマネントにも適用され続ける(rule 611.3d 参照)。
400.7c スタックにあるパーマネント 呪文からのダメージに適用される軽減効果は、その呪文であったパーマネントからのダメージにも適用される。
400.7d パーマネントの能力は、その呪文を唱えるためにどのコストが支払われたか、それらのコストを支払うためにどのマナが使われたかなど、解決されてそのパーマネント になった呪文に関する情報を参照できる。
400.7e オブジェクトがある領域から他の領域に移動することによって誘発する能力(例えば、「怨恨が戦場から墓地に置かれたとき、」など)は、その誘発型能力が誘発した時に移動した先の領域が公開領域である場合、その領域においてそのオブジェクトから変わった新しいオブジェクトを見ることができる。
400.7f オーラがついているパーマネントが戦場を離れたことによって誘発する能力は、そのパーマネントが戦場を離れるのと同時にそのパーマネントをエンチャントしていたオーラが墓地に置かれた場合、それらのオーラがオーナーの墓地に置かれてなったオブジェクトを見つけることができる。また、パーマネントについていないことによる状況起因処理(rule 704.5m 参照)によってオーナーの墓地に置かれた場合にも、それらのオーラがオーナーの墓地に置かれてなった新しいオブジェクトを見つけることができる。
400.7g 土地でないカードに、唱えられるようにする能力を得させる効果があった場合、その能力はそのカードが唱えた結果としてスタックに移動してなったオブジェクトにも適用され続ける。
400.7h 効果によって土地でないカードを唱えられる場合、その効果の他の部分はそのカードをその方法で唱えた結果としてスタックに移動してなったオブジェクトを参照できる。
400.7i 効果によって土地・カードをプレイできる場合、その効果の他の部分はその土地・カードがそれによりプレイされた結果として戦場に移動したあとでなる新しいオブジェクトを見つけることができる。
400.7j 効果によってオブジェクトが公開領域に移動した場合、その効果の他の部分はそのオブジェクトを見つけることができる。呪文や能力のコストによってオブジェクトが公開領域に移動した場合、その呪文や能力の効果はそのオブジェクトを見つけることができる。
400.7k マッドネスの誘発型能力の解決後に(rule 702.35 参照)、その追放されたカードが唱えられることなく公開領域に移動した場合、捨てられたカードを参照する効果はそのオブジェクトを見つけることができる。
400.7m 公開領域にあるオブジェクト上のステッカーは、それが別の公開領域に移動しても保持される(rule 123.5 参照)。ステッカーからのすべての効果は、それが新しい領域でなる新しいオブジェクトに適用され続ける。
400.8. 追放 領域にあるオブジェクトが追放された場合、領域は移動しないが、新しく追放されたのと同じように新しいオブジェクト になる。
400.9. 統率領域のオモテ向きのオブジェクトが裏向き になった場合、それは新しいオブジェクト になる。
400.10. 統率領域にあるオブジェクトが統率領域に置かれる場合、領域は移動しないが、新しく統率領域に置かれたのと同じように新しいオブジェクト になる。
400.11. そのゲームの領域のいずれにも存在しないオブジェクトはゲームの外部にあるという。ゲームの外部は領域ではない。
400.11a プレイヤーのサイドボードにあるカードは、ゲームの外部にある。rule 100.4 参照。
400.11b ゲームの外部にあるカードをゲーム内に持ち込む効果が存在する。それらのカードは、ゲームが終了するかオーナーがゲームから離れるかルールや効果がそれをゲームから取り除くかが起こるまでゲーム内に残る。
400.11c ゲームの外部にあるカードは、呪文や能力の影響を受けない。これの例外は、それらの記載された特性定義能力(rule 604.3 参照)と、それらのカードをゲーム内に持ち込む呪文や能力だけである。
400.12. プレイヤーにいずれかの領域に対して何かをさせる効果(「あなたの 手札をあなたの ライブラリーに加えて切り直す/Shuffle your hand into your library.」など)が存在する。その処理はその領域にあるすべてのカードに機能する。領域そのものは影響されない。
401.1. ゲームが始まるとき、各プレイヤーのデッキはそのライブラリーとなる。
401.2. それぞれのライブラリーは、1つの、裏向きの束でなければならない。プレイヤーはライブラリーのカードを覗いたり、その順序を変化させてはならない。
401.3. プレイヤーはいつでも、任意のプレイヤーのライブラリーに残っているカードの枚数を数えることができる。
401.4. 何らかの効果が同時に複数枚のカードを同じライブラリーの特定の場所に置く場合、それらのカードのオーナーがその置く順序を決めることができる。そのライブラリーのオーナーは、どのような順番でライブラリーに置いたのかを公開しない。
401.5. プレイヤーに、ライブラリーの一番上のカードを公開してプレイする、あるいはプレイヤー1人が自分のライブラリーの一番上のカードを見てもよいとする効果が存在する。呪文を唱えている間に一番上のカードが入れ替わった場合、その呪文が唱えられ終わる(rule 601.2i 参照)まで、新しいカードは公開されないし、見てはならない。これは能力の起動に関しても同じである。特別な処理をしている間に(116〔特別な処理〕参照)一番上のカードが入れ替わった場合、その特別な処理が終わるまで、新しいカードは公開されないし、見てはならない。
401.6. 何らかの効果によってライブラリーの一番上のカードが公開されている状態でプレイしている場合、その特定のカードが一瞬であれ非公開 になった後で再び同じカードが公開されたとしても、新しいオブジェクトとなる。
401.7. 効果によってプレイヤーがカードをライブラリーの「一番上からN枚目/Nth from the top」に置く場合、そのライブラリーにN枚のカードがなかった場合、そのプレイヤーはそのカードをそのライブラリーの一番下に置く。
402.1. 手札は、プレイヤーが引いたカードを持っておく場所である。他の効果によってカードが手札に戻されることもある。ゲームの開始時に、それぞれのプレイヤーは通常7枚である初期手札枚数分のカードを引く。rule 103〔ゲームの始め方〕参照。
402.2. それぞれのプレイヤーに手札の上限が決まっており、通常は7枚である。プレイヤーはその手札に何枚でもカードを持つことができるが、クリンナップ・ステップ の間に、手札の上限を越える分のカードを捨てなければならない。
402.3. プレイヤーはその手札を便利なように並べることができ、いつでも見ることができる。他のプレイヤーの手札を見ることはできないが、いつでもその枚数を数えることはできる。
403.1. プレイヤー間のやりとりの主な舞台になるのは戦場である。戦場は、最初は空である。プレイヤーがコントロールしているパーマネントは、通常、そのプレイヤーの目の前の戦場に置かれるが、(他のプレイヤーのパーマネントについたオーラなどの)特定の場合には、他のプレイヤーにより近いところに置かれることがある。
403.2. カードに、プレイヤーや他の領域について明記されていない限り、呪文や能力は戦場にのみ影響を及ぼし、また、戦場にあるものだけを考慮する。
403.3. パーマネントは戦場にのみ存在する。戦場に存在するオブジェクトはパーマネントである。rule 110〔パーマネント〕参照。
403.4. パーマネントが戦場に出たとき、それは新しいオブジェクトとなり、その同じカードによって現わされていたパーマネントとは rule 400.7 に記された例外を除いて無関係である。(これは他の領域に移動するオブジェクトについて言える。)
403.5. かつて、戦場は「/in-play」領域と呼ばれていた。カードに「にある/in play」「から/from play」「に/into play」などの表現で書かれている場合、戦場を参照する。そのように記載されているカードは、オラクルで訂正されている。
404.1. プレイヤーの墓地とは、そのプレイヤーの捨て札の束である。打ち消された、捨てられた、破壊された、または生け贄に捧げられたオブジェクト、ならびに解決が終わったインスタント・呪文やソーサリー・呪文はオーナーの墓地の一番上に置かれる。各プレイヤーの墓地は、最初は空である。
404.2. それぞれの墓地は、1つの、オモテ向きの束でなければならない。プレイヤーは、それぞれの墓地のカードをいつでも見ることができるが、その順序を変えることはできない。認定イベントに適用される追加のルールによって、プレイヤーは墓地にあるカードの順番を変えてもよいとされることがある。
404.3. 何らかの効果やルールによって2枚以上のカードが同時に墓地に置かれる場合、それらのカードのオーナーがその順序を決めてもよい。
405.1. 呪文が唱えられたら、物理的にスタックに積まれる(rule 601.2a 参照)。能力が起動され、あるいは誘発したら、カードによって表されてはいないけれども、その能力がスタックの一番上に置かれる。rule 602.2a、rule 603.3 参照。
405.2. スタックは、それに加えられた呪文や能力の順序を記録している。オブジェクトがスタックに積まれたとき、それは既に積まれている全てのオブジェクトの上に積まれる。
405.3. 何らかの効果によって複数のオブジェクトが同時にスタックに積まれる場合、アクティブ・プレイヤーがコントロールしているものが最初に積まれ、それからAPNAP順(rule 101.4 参照)で他のプレイヤーのオブジェクトがスタックに積まれる。1人のプレイヤーが複数のオブジェクトをコントロールしている場合、そのプレイヤーが自分のオブジェクトをスタックに積む順番を決める。
405.4. 呪文は、そのカードが持つ特性全てを持つ。スタックにある起動型能力や誘発型能力は、その能力のテキストだけを持ち、他の特性は持たない。呪文のコントローラーは、それを唱えたプレイヤーである。起動型能力のコントローラーは、それを起動したプレイヤーである。遅延誘発型能力以外の誘発型能力のコントローラーは、その能力が誘発したときにその発生源をコントロールしていたプレイヤーである。遅延誘発型能力のコントローラーについては、rule 603.7d-f 参照。
405.5. 全てのプレイヤーが続けてパスしたとき、スタックの一番上の(最新の)呪文や能力が解決される。全てのプレイヤーがパスしたときにスタックが空ならば、現在のステップやフェイズが終わり、次が始まる。
405.6. ゲーム中に発生する出来事の中で、スタックを用いないものがある。
405.6a 効果はスタックに積まれない。それらは呪文や能力が解決された結果である。効果によって遅延誘発型能力も作られることがあるが、それらは誘発した時にスタックに積まれる。(rule 603.7 参照。)
405.6b 常在型能力は継続的に効果を発生させ、スタックに積まれない(rule 604〔常在型能力の扱い〕参照)。これには、「[このオブジェクト]は赤である。/[this object] is red」といった特性定義能力(rule 604.3 参照)を含む。
405.6c マナ能力は即座に解決される。マナ能力にマナを出す以外の効果がある場合、マナが出て、即座に他の効果も起こる。プレイヤーがマナ能力を起動する前に優先権を持っていた場合、その解決後に優先権を得る。(rule 605〔マナ能力〕参照。)
405.6d 特別な処理はスタックを用いない。それらは即座に発生する。rule 116〔特別な処理〕参照。
405.6e ターン起因処理はスタックを用いない。それらは特定のステップやフェイズが始まったときに自動的に発生する。それらはプレイヤーが優先権を得る前に処理される(rule 117.3a 参照)。ターン起因処理は、各ステップやフェイズが終わったときにも自動的に発生する。その後でプレイヤーが優先権を得ることはない。rule 703 参照。
405.6f 状況起因処理はスタックを用いない。それらは、特定の条件を満たしているなら発生する。rule 704 参照。それらはプレイヤーが優先権を得る前に処理される。rule 117.5 参照。
405.6g プレイヤーはいつでもゲームに投了できる。そのプレイヤーは即座にゲームから離れる。rule 104.3a 参照。
405.6h 多人数戦においてプレイヤーがゲームから離れた場合、オブジェクトはその結果としてゲームから離れたり消滅したりコントロールが変わったり追放されたりする。これらの処理は即座に発生する。rule 800.4a 参照。
406.1. 追放 領域はオブジェクトを保持する領域である。オブジェクトを戻る手段を持たずに追放する呪文や能力もあれば、オブジェクトを一時的にだけ追放する呪文や能力もある。
406.2. オブジェクトを追放するとは、そのオブジェクトが現在存在する領域から追放 領域に動かすことである。追放されたカードとは、追放 領域に動かされたカードのことである。
406.3. 追放されたカードは通常オモテ向きであり、全てのプレイヤーに公開されている。「裏向きで追放されている/exiled face down」カードは、説明によって許可されていない限り、いずれのプレイヤーによっても見ることはできない。ただし、プレイヤーがカードを見てから裏向きで追放すると指示されていた場合や裏向きで追放されているカードを見ることができることになった場合、そのカードが追放 領域を離れるかまたはそのカードが切り直されたカードの束の一部になるまで、見ることができるとする効果が終わったあとでも見ることができる。
406.3a 裏向きで追放されているカードは特性を持たないが、追放した呪文や能力の中にはそのカードを追放 領域からプレイできるものがある。カードが裏向きで唱えられる(rule 708.4 参照)のでない限り、そのカードをプレイする(rule 601.2 参照)と宣言する直前にそのカードはオモテ向き になる。
406.3b 呪文や能力の中には、プレイヤーが追放 領域にある裏向きのカードの中から特定の性質を持つ呪文を唱えられるようにするものがある。プレイヤーがその種の呪文を唱えられるのは、追放 領域にあるその裏向きのカードを見ることができて、かつ結果の呪文がその特定の性質を持つ場合だけである。
406.4. 追放 領域にある裏向きのカードは、いつどのように追放されたかによって別々の束に置かれるべきである。プレイヤーが追放されているカードを選ぶよう指示された場合、そのプレイヤーは、カードのオモテを見ることができる場合にのみ特定の裏向きのカードを選ぶことができる。そうでなければ、裏向きで追放されているカードの束1つを選び、その束から無作為にカード1枚を選ぶことになる。こうしてカードを選ぶことが呪文を唱えることや能力を起動することの一部だった場合、その選ばれたカードはそのコストが支払い終わるまで公開されない(rule 601.2i 参照)。
406.5. 追放されたカードで、戦場やそのほかの領域に戻る可能性のあるものは、その戻る方法が解るように、別々の束にして置かれるべきである。追放されたカードで、それ自身の能力(憑依など)や追放したカードの能力によってゲームに影響を及ぼしうるものも、同様に別々の束にして置かれるべきである。
406.6. カードを追放する能力と、「追放されているカード/exiled card」あるいは「[オブジェクト]によって追放されているカード/cards exiled with [this object]」を参照する別の能力とが書かれているオブジェクトが存在する。これらの能力は関連しているものであり、この2つ目の能力は、その1つ目の能力によって追放されているカードだけを参照する。rule 607〔関連している能力〕参照。
406.7. 追放 領域にあるオブジェクトが追放された場合、領域は移動しないが、新しく追放されたのと同じように新しいオブジェクト になる。
406.8. かつて、追放 領域は「ゲーム外/Removed-from-the-game」領域と呼ばれていた。カードに「[オブジェクトを]ゲームから取り除く/removes [an object] from the game」というように書かれている場合、そのオブジェクトを追放する。「[オブジェクトを]脇に置く/sets [an object] aside」も同じである。そのように記載されているカードは、オラクルで訂正されている。
407.1. マジックの昔のルールには、「勝ち取ったものを返さない」でプレイする方法としてのアンティ・ルールが存在した。アンティを賭けてプレイすることは、現在では、このゲームにおける選択ルールであり、法律その他の規則で禁止されていない地区でのみ許される。アンティを賭けてプレイすることは、マジック・イベント規定(http://www.wizards.com/WPN/Events/Rules.aspx)の下では厳しく禁止されている。
407.2. アンティを賭けてプレイする場合、ゲームの開始時に、各プレイヤーはそれぞれのデッキからカードを無作為に1枚選び、それをアンティ 領域に置く。アンティ 領域にあるカードは、いつでも全てのプレイヤーが確認できる。ゲームの終了時に、勝利者はアンティ 領域にあるカード全ての所有権を得る。
407.3. 「アンティを賭けてプレイしていないなら、プレイ前に[このカード]をデッキから取り除く/Remove [this card] from your deck before playing if you're not playing for ante.」と書かれているカードがある。この類のカードだけが、アンティ 領域にカードを追加したり、取り除いたり、あるいはカードのオーナーを変更したりすることができる。プレイヤーがアンティを賭けてプレイしていないときは、これらのカードはデッキにもサイドボードにも入れることはできず、ゲーム外からゲーム内に持ってくることもできない。
407.4. オブジェクトをアンティするとは、そのオブジェクトを現在ある領域からアンティ 領域に移すことである。オブジェクトのオーナーだけがそのオブジェクトをアンティすることができる。
408.1. 統率領域は、特別に定められた、ゲーム全体に影響を及ぼす効果を持つオブジェクトだけが置かれるゲームの場所である。それらのオブジェクトはパーマネントではなく、破壊されることもない。
408.2. 紋章は統率領域に生成されうる。rule 114〔紋章〕参照。
408.3. プレインチェイス戦、ヴァンガード戦、統率者戦、アーチエネミー戦、コンスピラシー・ドラフトの各カジュアル変種ルールにおいて、定形外のマジックのカード、あるいは特に指定されたカードを統率領域に置いた状態でゲームを始める。それらの変種ルールにはそれらのカードに関するルールがそれぞれ存在する。rule 9〔カジュアル変種ルール〕参照。
5. ターンの構造
500. 総則
500.1. ターンは順に「開始/beginning」「戦闘前メイン/precombat main」「戦闘/combat」「戦闘後メイン/postcombat main」「終了/ending」の5つのフェイズからなる。それぞれのフェイズは、なにも起こることがなくてもターンごとに存在する。開始、戦闘、終了の各フェイズはさらにステップに細分化され、順番に処理される。
500.2. プレイヤーが優先権を得るフェイズやステップは、スタックが空で、かつ全てのプレイヤーが続けてパスしたときに終了する。スタックが空になったことでフェイズやステップが終わるわけではない。スタックが空の状態で、全てのプレイヤーが続けてパスしなければならない。従って、それぞれのプレイヤーには、そのフェイズやステップが終了する前に、新しい物をスタックに積む機会がある。
500.3. プレイヤーが優先権を得ないステップは、そのステップに行うことになっている全ての処理が終わったときに終了する。この種のステップは、アンタップ・ステップ(rule 502 参照)とクリンナップ・ステップ(rule 514 参照)だけである。
500.4. ステップやフェイズが終わったとき、プレイヤーのマナ・プールに残っている未使用のマナは空になる。このターン起因処理はスタックを用いない。
500.5. フェイズやステップが終わったとき、そのフェイズやステップの「終わりまで/until end of ~」続く予定だった効果は消滅する。また、あるフェイズやステップ「まで/until ~」続く予定だった効果はそのフェイズやステップの開始時に消滅する。「戦闘終了時まで/until end of combat」続く効果は、戦闘フェイズの終了時に消滅するのであり、戦闘終了ステップの開始時ではない。「ターン終了時まで/until end of turn」続く効果は、特別なルールが適用される。rule 514.2 参照。
500.6. フェイズやステップが始まるとき、そのフェイズまたはステップの「開始時に/at the beginning of ~」発生する誘発型能力が誘発する。それらは、次にプレイヤーが優先権を得る時点でスタックに積まれる(rule 117〔タイミングと優先権〕参照)。
500.7. 効果によって、プレイヤーは追加のターンを得ることがあり得る。その場合、得たターンを指定されたターンの直後に追加する。1ターンの間に、1人のプレイヤーが複数の追加のターンを得た場合、そのターンは1つずつ追加される。複数のプレイヤーが追加のターンを得る場合、そのターンはAPNAP順で(rule 101.4 参照)1つずつ追加される。そして、一番最後に作られたターンが最初に処理される。
500.8. 効果によって、ターンの間に フェイズが追加されることがある。特定のフェイズのすぐ後にそのフェイズが加えられる。複数の追加フェイズが同じフェイズの後に追加される場合、一番最後に作られたフェイズが最初に処理される。
500.9. 効果によって、フェイズ の間に ステップが追加されることがある。特定のステップのすぐ後に(あるいは特定のステップの前に)そのステップが加えられる。複数の追加ステップが同じステップの後に追加される場合、一番最後に作られたステップが最初に処理される。
500.10. 効果によって、特定のフェイズの後にステップが追加されることがある。その場合、効果はまず最初に、通常そのステップを含むフェイズを、その特定のフェイズのすぐ後に追加する。追加されたフェイズに通常含まれる、そのステップ以外のステップは飛ばされる。(500.11 参照)
例:《秒刻みのオベカ》は「秒刻みのオベカがプレイヤー1人に戦闘ダメージを与えるたび、このフェイズの後に追加で、その点数に等しい回数のアップキープ・ステップを得る。」という能力を持つ。この能力の解決後、これのコントローラーは、現在のフェイズの後に、戦闘ダメージの点数に等しい回数の開始フェイズを追加する。これら新しく追加された開始フェイズはアップキープ・ステップのみからなる。それらの開始フェイズに通常ならば存在するアンタップ・ステップとドロー・ステップは飛ばされる。
500.11. 効果によって、ステップ、フェイズ、ターンが飛ばされることがある。ステップ、フェイズ、ターンを飛ばすということは、それが存在しないかのようにゲームを進めるということである。rule 614.10 参照。
500.12. ターン間、フェイズ間、ステップ間にはゲームのイベントは起こらない。
501.1. 開始フェイズは順に「アンタップ/untap」「アップキープ/upkeep」「ドロー/draw」の3つのステップからなる。
502.1. まず、アクティブ・プレイヤーがコントロールしているフェイジングを持つすべてのフェイズ・イン状態のパーマネントはフェイズ・アウトするとともに、フェイズ・アウトした時点でアクティブ・プレイヤーがコントロールしていたフェイズ・アウトしている全てのパーマネントがフェイズ・インする。これらはすべて同時に発生する。このターン起因処理はスタックを用いない。rule 702.26〔フェイジング〕参照。
502.2. 次に、昼であり前のターンのアクティブ・プレイヤーがそのターン中に呪文を唱えていなかったなら、夜 になる。夜であり前のターンのアクティブ・プレイヤーがそのターン中に2つ以上の呪文を唱えていたなら、昼 になる。昼でも夜でもないなら、このチェックは行わず、昼でも夜でもないままである。このターン起因処理はスタックを用いない。rule 727〔昼と夜〕参照。
502.2a 「共有チーム・ターン」選択ルールを用いる多人数戦では、調整されたルールを用いる。昼であり前のターンのアクティブ・チームのプレイヤーがそのターン中に誰も呪文を唱えていなかったなら、夜 になる。夜であり前のターンのアクティブ・チームのプレイヤー1人がそのターン中に2つ以上の呪文を唱えていたなら、昼 になる。昼でも夜でもないなら、このチェックは行わず、昼でも夜でもないままである。このターン起因処理はスタックを用いない。
502.3. 3番目に、アクティブ・プレイヤーは、自分がコントロールしているパーマネントのうちでどれをアンタップするかを決定し、それらを同時にアンタップする(このゲームの処理はスタックを使用しない)。通常、プレイヤーのパーマネントはすべてアンタップするが、効果によって、プレイヤーがコントロールしているパーマネントのアンタップが妨げられることがある。
502.4. アンタップ・ステップ の間には、プレイヤーが優先権を得ることはない。したがって、呪文が唱えられることも解決されることもなく、能力が起動されることも解決されることもない。このステップ中に誘発した能力は、次にプレイヤーが優先権を得たとき、すなわち、ほとんどの場合において、アップキープ・ステップ中に処理されることになる。rule 503〔アップキープ・ステップ〕参照。
503.1. アップキープ・ステップにはターン起因処理は存在しない。アップキープが始まると、アクティブ・プレイヤーは優先権を得る(rule 117〔タイミングと優先権〕参照)。
503.1a そのアンタップ・ステップ の間に 誘発した能力と、そのアップキープ・ステップの開始時に誘発する能力が、アクティブ・プレイヤーが優先権を得る前に、それらの誘発した順番によらず、スタックに積まれる(rule 603〔誘発型能力の扱い〕参照)
503.2. 「[プレイヤーの]アップキープ・ステップの後にのみ/after [a player's] upkeep step」唱えられる呪文は、そのターンに複数のアップキープ・ステップがある場合、1つ目のアップキープ・ステップが終わっていればいつでも唱えることができる。
504.1. まず、アクティブ・プレイヤーはカード1枚を引く。このターン起因処理はスタックを用いない。
504.2. 次に、アクティブ・プレイヤーが優先権を得る(rule 117〔タイミングと優先権〕参照)。
505.1. 各ターンには、2つのメイン・フェイズが存在する。第1メイン・フェイズ(「戦闘前メイン・フェイズ/precombat main phase」)と第2メイン・フェイズ(「戦闘後メイン・フェイズ/postcombat main phase」)は、戦闘フェイズ(rule 506〔戦闘フェイズ〕参照)によって区切られている。戦闘前、戦闘後のメイン・フェイズはそれぞれだけでも「メイン・フェイズ/main phase」と呼ばれることがあるし、それらをまとめてそう呼ばれることもある。
505.1a ターンの一番最初のメイン・フェイズだけが戦闘前メイン・フェイズであり、それ以外のメイン・フェイズは戦闘後メイン・フェイズである。戦闘フェイズを飛ばしたあとの2つ目のメイン・フェイズや、ターンに追加の戦闘フェイズと追加のメイン・フェイズを得させるような効果によって得られたメイン・フェイズも戦闘後メイン・フェイズである。
505.1b カードテキストにおいて、「第1メイン・フェイズ/first main phase」や「第2メイン・フェイズ/second main phase」などの表現は、特別な言及が書かれていない限り、現在のターンに発生したメイン・フェイズの数を数える。
505.2. メイン・フェイズにはステップは存在しないため、スタックが空のときに全てのプレイヤーが続けてパスしたときにメイン・フェイズが終了する。(rule 500.2 参照。)
505.3. アーチエネミー戦(rule 904 参照)において、アクティブ・プレイヤーが魔王である場合、そのフェイズが戦闘前メイン・フェイズであれば、アクティブ・プレイヤーは自分の計略デッキの一番上のカードを実行中にする(rule 701.25 参照)。このターン起因処理はスタックを使わない。
505.4. 次に、アクティブ・プレイヤーが1つ以上の英雄譚・エンチャントをコントロールしていて、今がアクティブ・プレイヤーの戦闘前メイン・フェイズであれば、アクティブ・プレイヤーは自分のコントロールしている英雄譚の上に伝承カウンターをそれぞれ1個置く。(rule 714〔英雄譚・カード〕参照)。このターン起因処理はスタックを使わない。
505.5. 次に、アクティブ・プレイヤーが1つ以上のアトラクションをコントロールしていて、今がアクティブ・プレイヤーの戦闘前メイン・フェイズであれば、アクティブ・プレイヤーは自分のアトラクションを観覧するためのサイコロを振る(rule 701.49〔アトラクションを観覧するためサイコロを振る〕参照)。このターン起因処理はスタックを使わない。
505.6. 次に、アクティブ・プレイヤーが優先権を得る(rule 117〔タイミングと優先権〕参照)。
505.6a 通常、メイン・フェイズにのみ、プレイヤーはアーティファクト・呪文、クリーチャー・呪文、エンチャント・呪文、プレインズウォーカー・呪文、ソーサリー・呪文を唱えられる。アクティブ・プレイヤーがこれらの呪文を唱えられる。
505.6b メイン・フェイズの間、アクティブ・プレイヤーは、スタックが空であり、自分が優先権を持ち、そしてまだこのターンに土地をプレイしていないときに限り(効果によって追加の土地がプレイできる場合を除く)、土地・カード1枚を手札からプレイすることができる。(rule 305〔土地〕参照。)この処理はスタックを用いない。この土地も土地をプレイする処理も、呪文や能力ではないので、この処理は打ち消されず、インスタントや起動型能力で対応することはできない。
506.1. 戦闘フェイズは順に「戦闘開始/beginning of combat」「攻撃クリーチャー指定/declare attackers」「ブロック・クリーチャー指定/declare blockers」「戦闘ダメージ/combat damage」「戦闘終了/end of combat」の5つのステップからなる。ブロック・クリーチャー指定ステップと戦闘ダメージ・ステップは、攻撃クリーチャーが1体も指定されず、攻撃している状態で戦場に出る(rule 508.8 参照)こともなかった場合には飛ばされる。攻撃クリーチャーかブロック・クリーチャーが先制攻撃(rule 702.7 参照)か二段攻撃(rule 702.4 参照)を持っている場合、戦闘ダメージ・ステップは2つ存在する。
506.2. 戦闘フェイズの間、アクティブ・プレイヤーは攻撃 プレイヤーである。そのプレイヤーがコントロールしているクリーチャーは攻撃できる。2人対戦の戦闘フェイズの間、非アクティブ・プレイヤーは防御プレイヤーである。そのプレイヤー、そのプレイヤーがコントロールしているプレインズウォーカー、そのプレイヤーが守る者であるバトルは攻撃されることができる。
506.2a 多人数戦の戦闘フェイズの間、使っている変種ルールや選択ルールによって、1人またはそれ以上の防御プレイヤーが存在する。攻撃 プレイヤーの対戦相手すべてが戦闘フェイズの間自動的に防御プレイヤー になるのでない限り、攻撃 プレイヤーは対戦相手の1人を戦闘開始ステップのターン起因処理として選ぶ。(この選択は用いられている変種ルールや選択ルールに影響される。)そのプレイヤーは、防御プレイヤーとなる。rule 802〔「複数への攻撃」選択ルール〕、rule 803〔「左翼への攻撃」「右翼への攻撃」選択ルール〕、rule 809〔「皇帝戦」変種ルール〕参照。
506.2b 共有チーム・ターン選択ルールを用いる多人数戦では、アクティブ・チームが攻撃チームとなり、非アクティブ・チームが防御チームとなる。rule 805〔「共有チーム・ターン」選択ルール〕参照。
506.3. クリーチャーだけが攻撃したりブロックしたりできる。プレイヤーやプレインズウォーカーやバトルにだけ攻撃できる。
506.3a 何らかの効果によってクリーチャーでないパーマネントが攻撃またはブロックしている状態で戦場に出る場合、そのパーマネントは戦場に出るが、攻撃したりブロックしたりしているパーマネントとしては扱われない。
506.3b 何らかの効果によってクリーチャーが攻撃 プレイヤーでないプレイヤーのコントロール下で攻撃している状態で戦場に出る場合、そのクリーチャーは戦場に出るが、攻撃クリーチャーとしては扱われない。
506.3c 何らかの効果によって、クリーチャーが、そのゲームに存在しないプレイヤー、既に戦場に存在していないまたはプレインズウォーカーでもバトルでもないパーマネントを攻撃している状態で戦場に出る場合、そのクリーチャーは戦場に出るが、攻撃クリーチャーとしては扱われない。
506.3d 何らかの効果によって、クリーチャーが、そのクリーチャーのコントローラーにもそのプレイヤーがコントロールしているプレインズウォーカーにもそのプレイヤーが守る者であるバトルにも攻撃していないクリーチャーをブロックしている状態で戦場に出る場合、そのクリーチャーは戦場に出るが、ブロック・クリーチャーとしては扱われない。
506.3e 効果がバトルでもあるクリーチャーを攻撃またはブロックしている状態で戦場に出す場合、そのパーマネントは戦場に出るが、攻撃クリーチャーやブロック・クリーチャーとしては扱われない。
506.3f 解決した呪文や能力がバトルを攻撃クリーチャーやブロック・クリーチャーにする場合、その効果のその部分は何もしない。
506.4. パーマネントは、戦場を離れたり、コントローラーが変わったり、フェイズ・アウトしたり、何らかの効果によって戦闘から取り除かれたり、攻撃されているプレインズウォーカーであればプレインズウォーカーでなくなったり、攻撃されているバトルであればバトルでなくなったり、攻撃クリーチャーやブロック・クリーチャーであれば再生(rule 701.15 参照)したりクリーチャーでなくなったりバトル になったりしたら、戦闘から取り除かれる。戦闘から取り除かれたクリーチャーは、攻撃クリーチャーでも、ブロック・クリーチャーでも、ブロックされているクリーチャーでも、ブロックされていないクリーチャーでもなくなる。プレインズウォーカーやバトルは、戦闘から取り除かれると攻撃されている状態ではなくなる。
506.4a 一旦クリーチャーが攻撃クリーチャーかブロック・クリーチャーとして指定されたなら、そのクリーチャーが攻撃やブロックに参加することを禁止する呪文や能力は、そのクリーチャーを戦闘から取り除かない。
506.4b すでに攻撃クリーチャーやブロック・クリーチャーとして指定されたクリーチャーをタップあるいはアンタップしても、戦闘から取り除くことも戦闘ダメージを軽減することもできない。
506.4c クリーチャーがプレインズウォーカーやバトルを攻撃している場合、そのプレインズウォーカーやバトルを戦闘から取り除いても、クリーチャーは戦闘から取り除かれず、攻撃クリーチャーであり続ける。しかし、プレイヤーもプレインズウォーカーもバトルも攻撃していない。ブロックされることは可能であるが、ブロックされなかった場合、そのクリーチャーが戦闘ダメージを与えることはない。
506.4d ブロック・クリーチャーでもあり、攻撃されているプレインズウォーカーでもあったパーマネントが、クリーチャーでもプレインズウォーカーでもなくなった場合、そのパーマネントは戦闘から取り除かれる。どちらか一方だけを失った場合、ブロック・クリーチャーか、または攻撃されているプレインズウォーカーのどちらか該当する方であり続ける。
506.4e プレインズウォーカーでもバトルでもあるパーマネントは、プレインズウォーカーでもバトルでもなくなった場合、戦闘から取り除かれる。バトルでなくなってもプレインズウォーカーである場合、それはそれを守る者がコントロールしていない限り戦闘から取り除かれる。プレインズウォーカーでなくなってもバトルである場合、それは戦闘から取り除かれることなく、攻撃されているバトルであり続ける。
506.5. ある攻撃クリーチャー指定ステップに、クリーチャー1体だけが攻撃クリーチャーとして指定された場合、そのクリーチャーが「単独で攻撃する/attack alone」と言う。クリーチャー1体だけが攻撃している場合、「単独で攻撃している/attacking alone」と言う。あるブロック・クリーチャー指定ステップに、クリーチャー1体だけがブロック・クリーチャーとして指定された場合、そのクリーチャーが「単独でブロックする/block alone」という。クリーチャー1体だけがブロックしている場合、それを「単独でブロックしている/blocking alone」と言う。
506.6. 特定の戦闘フェイズにクリーチャーが「攻撃しなければならなかった/had to attack」かどうかを見る能力が存在する。その戦闘で攻撃クリーチャーを指定する時点でクリーチャーに攻撃を強制する1つ以上の効果がそのクリーチャーに適用されていたなら、そのクリーチャーは攻撃しなければならなかったとなる。攻撃を強制するその種の効果がなければ、他に指定しうる適正な攻撃がなかったとしても、そのクリーチャーは「攻撃しなければならない/have to attack」状態ではない(rule 508 参照)。
506.7. 呪文の中に、「[戦闘のある時点][前/後]にのみ/only [before/after] [a particular point in the combat phase],」唱えることができるというものがある。戦闘のある時点とは、「攻撃クリーチャー指定」「ブロック・クリーチャー指定」「戦闘ダメージ・ステップ」「戦闘終了ステップ」「戦闘フェイズ」「戦闘」が含まれる。
506.7a 「攻撃クリーチャー指定前(後)にのみ」唱えることができるという呪文は、攻撃クリーチャー指定のターン起因処理を参照する。この種の呪文は、実際に攻撃クリーチャーが指定されたかどうかに関わらず、攻撃クリーチャー指定ステップの開始前(後)にのみ唱えることができる(rule 508 参照)。
506.7b 「ブロック・クリーチャー指定前(後)にのみ」唱えることができるという呪文は、ブロック・クリーチャー指定のターン起因処理を参照する。この種の呪文は、実際にブロック・クリーチャーが指定されたかどうかに関わらず、ブロック・クリーチャー指定ステップの開始前(後)にのみ唱えることができる(rule 509 参照)。
506.7c rule 506.7 の区分に加え、「戦闘中/during combat」、「あるプレイヤーの戦闘フェイズ中/during a certain player's combat phase」にのみ唱えることができるという呪文が存在する。ターンに複数の戦闘フェイズがある場合、この種の呪文はそのいずれかの戦闘フェイズ中の該当する時期にのみ唱えることができる。
506.7d 「[戦闘のある時点][前/後]にのみ」唱えることができる呪文の中で、rule 506.7c で示した追加の区分に含まれないものについては、ターンに複数の戦闘フェイズがある場合、最初の戦闘フェイズの該当する時点を参照し、その前(後)にのみ唱えることができる。
506.7e 「[戦闘のある時点]前にのみ」唱えることができるという呪文は、その戦闘フェイズでブロック・クリーチャー指定ステップと戦闘ダメージ・ステップが飛ばされたことにより示されている時点が存在しない場合(rule 508.8 参照)、攻撃クリーチャー指定ステップの終了までの間にのみ唱えることができる。該当する戦闘フェイズが飛ばされたことにより示されている時点が存在しない場合、その呪文は戦闘前メイン・フェイズの終了前にのみ唱えることができる。
506.7f 「戦闘の間で、なおかつブロック・クリーチャー指定の後にのみ/only during combat after blockers are declared,」唱えることができるという呪文は、その戦闘フェイズでブロック・クリーチャー指定ステップが飛ばされている場合(rule 508.8 参照)、その戦闘フェイズの間、唱えることができない。
506.7g rule 506.7 ならびに rule 506.7a-f は、戦闘に関する該当する時点でのみ起動することができると書かれている能力にも、戦闘に関する該当する時点でのみ唱えることができると書かれている呪文と同じように適用される。
507.1. 最初に、アクティブ・プレイヤーの対戦相手すべてが自動的に防御プレイヤー になるわけではない多人数戦であれば、アクティブ・プレイヤーは自分の対戦相手の中から1人を選ぶ。そのプレイヤーは防御プレイヤーとなる。このターン起因処理はスタックを用いない。(rule 506.2 参照。)
507.2. 次に、アクティブ・プレイヤーが優先権を得る(rule 117〔タイミングと優先権〕参照)。
508.1. まず、アクティブ・プレイヤーは攻撃クリーチャーを指定する。このターン起因処理はスタックを用いない。攻撃クリーチャーを指定するには、アクティブ・プレイヤーは次の手順を踏む。攻撃クリーチャーの指定中のどこかの時点でアクティブ・プレイヤーが手順を完了できなくなったら、その指定は不正である。ゲームは指定の始まる前まで巻き戻される。(rule 730〔不正な処理の扱い〕参照。)
508.1a アクティブ・プレイヤーは、どのクリーチャーが攻撃するかを選ぶ(この選択は任意である)。選ぶクリーチャーはアンタップ状態でなければならず、バトルであってはならず、また、速攻を持っているか、あるいはそのターンの開始時からアクティブ・プレイヤーが継続してコントロールしているのでなければならない。
508.1b 防御プレイヤーがプレインズウォーカーをコントロールしているか、バトルを守る者であるか、ゲームのルールによって複数のプレイヤーに攻撃することが認められている場合、アクティブ・プレイヤーは、それぞれのクリーチャーがどのプレイヤー、プレインズウォーカー、またはバトルを攻撃するのか指定する。
508.1c アクティブ・プレイヤーは、自分がコントロールしている各クリーチャーが何らかの制限(そのクリーチャーでは攻撃できない、あるいは何らかの条件を満たさない限りそのクリーチャーでは攻撃できないという効果)があるかどうかを確認する。制限に違反していた場合、その指定は適正ではない。
例:プレイヤーが2体のクリーチャーをコントロールしていて、それぞれに「[このクリーチャー]は単独では攻撃できない。」という制限があった場合、その両方を攻撃クリーチャーとして指定することは適正である。
508.1d アクティブ・プレイヤーは、自分がコントロールしている各クリーチャーが何らかの強制(そのクリーチャーは可能なら攻撃する、あるいは何らかの条件を満たした場合そのクリーチャーで攻撃するという効果)があるかどうかを確認する。従っている強制の数が、制限を破らない限りにおいて最大になっていない限り、攻撃クリーチャーの指定は不正である。プレイヤーがコストを支払わなければ攻撃できない場合、そのクリーチャーで攻撃することによって従っている強制の数が増えるとしても、そのコストを支払うことは求められない。 あるターンに可能なら攻撃するという強制が複数の戦闘フェイズを含むターンを指していた場合、そのクリーチャーはそのターンのそれぞれの攻撃クリーチャー指定ステップに可能なら攻撃する。
例:プレイヤーが2体のクリーチャーをコントロールしていて、一方には「可能なら攻撃する。」という能力があり、他方にはそういう能力はない。「各ターン、2体以上のクリーチャーでは攻撃できない。」という効果が存在する場合、適正な攻撃は「可能なら攻撃する」クリーチャーだけが攻撃することだけである。他方のクリーチャーだけで攻撃する、あるいは両クリーチャーで攻撃する、あるいはどちらも攻撃しない、といった選択は不正である。
508.1e クリーチャーの中にバンドや「他の~とのバンド」能力を持っているクリーチャーがいる場合、アクティブ・プレイヤーは各クリーチャーがどうバンドを組んでいるのかを宣言する。(rule 702.22〔バンド〕参照。)
508.1f アクティブ・プレイヤーは選んだクリーチャーをタップする。攻撃クリーチャーとして指定したときにクリーチャーをタップするのはコストではない。攻撃によって単にタップ状態 になるだけである。
508.1g 選んだクリーチャーで攻撃するための選択的コストが存在する場合(クリーチャーが攻撃するに「際し/as」支払ってもよい、と書かれている)、アクティブ・プレイヤーはどれを支払うか支払わないかを選ぶ。
508.1h 攻撃に参加するためにコストの支払いが必要、あるいは選択的コストを支払うことを選んだクリーチャーがいる場合、アクティブ・プレイヤーは攻撃に参加するための総コストを決める。コストには、マナの支払い、パーマネントのタップ、パーマネントの生け贄、カードを捨てる、等々が含まれる。総コストが決定したら、それは「固定」される。この後に効果が総コストを変更しようとしても、それは無視される。
508.1i コストにマナの支払いが必要な場合、アクティブ・プレイヤーはマナ能力を起動する機会を得る(rule 605〔マナ能力〕参照)。
508.1j 自分のマナ・プールに充分な量のマナを入れてから、そのプレイヤーは好きな順番ですべてのコストを支払う。一部しか支払わないことは認められない。
508.1k 選ばれたクリーチャーがなおアクティブ・プレイヤーによってコントロールされている場合、選ばれたクリーチャーは攻撃クリーチャー になる。戦闘から取り除かれるか、または戦闘フェイズが終わるまで、それは攻撃クリーチャーであり続ける。rule 506.4 参照。
508.2. 次に、アクティブ・プレイヤーが優先権を得る(rule 117〔タイミングと優先権〕参照)。
508.2a クリーチャーが攻撃することによって誘発する能力は、そのクリーチャーが攻撃クリーチャーとして指定された時点でのみ誘発する。クリーチャーが攻撃した後、そのクリーチャーの特性が変化してその能力の誘発条件を満たした場合には誘発しない。
例:「緑のクリーチャーが1体攻撃するたび、次の終了ステップの開始時に、そのクリーチャーを破壊する。」という能力を持つパーマネントがある場合、青のクリーチャーが攻撃した後で緑になったとしても、この能力は誘発しない。
508.2b 攻撃クリーチャーが指定されたことによって誘発した能力と、rule 508.1 で定められた手順の間に 誘発した能力が、アクティブ・プレイヤーが優先権を得る前に、それらの誘発した順番によらず、スタックに積まれる(rule 603〔誘発型能力の扱い〕参照)。
508.3. 攻撃クリーチャーが指定されたことによって誘発する誘発型能力には様々な誘発条件が存在しうる。
508.3a 「[クリーチャー]が攻撃するたび、/Whenever [a creature] attacks,」という能力は、そのクリーチャーが攻撃クリーチャーとして指定された場合に誘発する。同様に、「[クリーチャー]が[プレイヤー、プレインズウォーカー、またはバトル]を攻撃するたび、/Whenever [a creature] attacks [a player, planeswalker, or battle],」という能力は、そのクリーチャーがそのプレイヤーやパーマネントを攻撃する攻撃クリーチャーとして指定された場合に誘発する。この種の能力は、クリーチャーが攻撃している状態で戦場に出た場合には誘発しない。
508.3b 「[プレイヤー、プレインズウォーカー、またはバトル]が攻撃されるたび、/Whenever [a player, planeswalker, or battle] is attacked,」という能力は、1体以上のクリーチャーがそのプレイヤーやパーマネントを攻撃する攻撃クリーチャーとして指定された場合に誘発する。クリーチャーが、そのプレイヤーやパーマネントを攻撃している状態で戦場に出た場合には誘発しない。
508.3c 「[プレイヤー]が[クリーチャー]で攻撃するたび、/Whenever [a player] attacks with [a creature],」という能力は、そのプレイヤーがコントロールしているそのクリーチャーが攻撃クリーチャーとして指定された場合に誘発する。
508.3d 「[プレイヤー]が攻撃するたび、/Whenever [a player] attacks,」という能力は、そのプレイヤーがコントロールしている1体以上のクリーチャーが攻撃クリーチャーとして指定された場合に誘発する。
508.3e 「[プレイヤー]が[他のプレイヤー]を攻撃するたび、/Whenever [a player] attacks [another player],」という能力は、その前者のプレイヤーがコントロールしている1体以上のクリーチャーがその後者のプレイヤーを攻撃する攻撃クリーチャーとして指定された場合に誘発する。そのクリーチャーが攻撃している状態で戦場に出た場合や、プレインズウォーカーやバトルを攻撃した場合には誘発しない。
508.3f 「[クリーチャー]が攻撃してブロックされないたび、/Whenever [a creature] attacks and isn’t blocked,」という能力は、攻撃クリーチャー指定ステップではなく、ブロック・クリーチャー指定ステップ の間に 誘発する。rule 509.5g 参照。
508.4. クリーチャーが攻撃している状態で戦場に出る場合、そのコントローラーは、そのクリーチャーが戦場に出るに際して、どの防御プレイヤー、防御プレイヤーがコントロールしているどのプレインズウォーカー、あるいは防御プレイヤーが守る者であるどのバトルを攻撃するのかを(戦場に出した効果が特定していないかぎり)選択する。同様に、効果によってクリーチャーが攻撃している状態になるという場合、それのコントローラーは、どの防御プレイヤー、防御プレイヤーがコントロールしているどのプレインズウォーカー、あるいは防御プレイヤーが守る者であるどのバトルを攻撃している状態になるのかを(その効果が特定していないかぎり)選択する。それらのクリーチャーは「攻撃している/attacking」が、誘発イベントや効果に関しては「攻撃した/attacked」ものとしては扱わない。
508.4a 何らかの効果によってクリーチャーが特定のプレイヤーを攻撃している状態で戦場に出る場合、そのプレイヤーがその効果の解決時に既にゲームにいなければ、そのクリーチャーは戦場に出るが、攻撃クリーチャーとしては扱わない。何らかの効果によってクリーチャーが特定のプレインズウォーカーやバトルを攻撃している状態で戦場に出て、その効果の解決時にそのパーマネントが戦場 にない場合やプレインズウォーカーでもバトルでもない場合にも同様である。
508.4b クリーチャーが攻撃している状態になるという効果が攻撃先として特定のプレイヤーを指定している場合、そのプレイヤーがその効果の解決時に既にゲームに存在しなかったなら、そのクリーチャーは攻撃クリーチャーにはならない。クリーチャーが特定のプレインズウォーカーやバトルを攻撃している状態になる効果で、その効果の解決時にそのパーマネントが戦場 にない場合やプレインズウォーカーでもバトルでもない場合も同様である。
508.4c 攻撃している状態で戦場に出る、あるいは攻撃している状態になる効果の影響を受けるクリーチャーは、その攻撃クリーチャー指定に関する強制や制限の影響を受けない。
508.5. 攻撃クリーチャーの能力が防御プレイヤーを参照している場合、あるいは単一の呪文や能力が攻撃クリーチャーと防御プレイヤーの両方を参照している場合、特に規定されていない限り、そのクリーチャーが攻撃しているプレイヤー、そのクリーチャーが攻撃しているプレインズウォーカーのコントローラー、あるいはそのクリーチャーが攻撃しているバトルの守る者を参照する。そのクリーチャーがすでに攻撃していない場合、参照している防御プレイヤーは、そのクリーチャーが戦闘から取り除かれる前に攻撃していたプレイヤー、そのクリーチャーが戦闘から取り除かれる前に攻撃していたプレインズウォーカーのコントローラー、またはそのクリーチャーが戦闘から取り除かれる前に攻撃していたバトルの守る者である。
508.5a 多人数戦において、「防御プレイヤー/defending player」を参照するルールやオブジェクトあるいは効果は、防御プレイヤー全員ではなく、特定の防御プレイヤー1人を参照する。複数の攻撃クリーチャーに適用される呪文や能力である場合、該当する防御プレイヤーはそれぞれの攻撃クリーチャーごとに別々に決定される。複数の防御プレイヤーが選びうる場合、その呪文や能力のコントローラーが1人を選ぶ。
508.6. プレイヤーは、他のプレイヤーを攻撃しているクリーチャーをコントロールしている場合、「攻撃[プレイヤー]/attacking [a player]」となる。他のプレイヤーを攻撃する1体以上の攻撃クリーチャーを指定した場合、そのプレイヤーは「[他のプレイヤー]を攻撃した/has attacked [a player]」状態になる。
508.7. クリーチャーが攻撃しているプレイヤーやプレインズウォーカーやバトルをプレイヤーに選び直させることを認めるカードが存在する。
508.7a その攻撃クリーチャーは戦闘から取り除かれることはなく、2回攻撃したものとしては扱わない。そのクリーチャーは選び直されたプレイヤーやパーマネントを攻撃しているが、攻撃クリーチャーとして宣言されるに際して選ばれたプレイヤーやパーマネントを攻撃したものとして扱われる。
508.7b クリーチャーが攻撃しているプレイヤーやプレインズウォーカーやバトルを選び直すに際しては、そのクリーチャーは攻撃クリーチャー宣言に適用される強制や制限の影響を受けない。
508.7c 選び直されたプレイヤーやプレインズウォーカーやバトルは、その攻撃クリーチャーのコントローラーの対戦相手、その攻撃クリーチャーのコントローラーの対戦相手がコントロールしているプレインズウォーカー、またはその攻撃クリーチャーのコントローラーの対戦相手が守る者であるバトルでなければならない。
508.7d 「複数への攻撃」選択ルール(rule 802 参照)を使っていない多人数戦においては、選び直されたプレイヤーやプレインズウォーカーやバトルは、選ばれた防御プレイヤー、そのプレイヤーがコントロールしているプレインズウォーカー、またはそのプレイヤーが守る者であるバトルでなければならない。
508.7e 「影響範囲限定」選択ルール(rule 801 参照)を使った多人数戦においては、選び直されたプレイヤーやプレインズウォーカーやバトルは、その攻撃クリーチャーのコントローラーの影響範囲内に存在しなければならない。バトルの場合、それを守る者もその攻撃クリーチャーのコントローラーの影響範囲内に存在しなければならない。
508.8. 攻撃クリーチャーが指定されず、攻撃している状態で戦場に出たクリーチャーもなかった場合、ブロック・クリーチャー指定ステップと戦闘ダメージ・ステップは飛ばされる。
509.1. まず、防御プレイヤーはブロック・クリーチャーを指定する。このターン起因処理はスタックを用いない。ブロック・クリーチャーを指定するために、防御プレイヤーは以下の手順を踏む。ブロック・クリーチャーの指定中のどこかの時点で防御プレイヤーが手順を完了できなくなったら、その指定は不正である。ゲームは指定の始まる前まで巻き戻される。(rule 730〔不正な処理の扱い〕参照。)
509.1a 防御プレイヤーは、どのクリーチャーがブロックするかを選ぶ(この選択は任意である)。選ぶクリーチャーはアンタップ状態でなければならず、バトルであってはならない。選択したクリーチャーのそれぞれについて、防御プレイヤーは、ブロック先として自分、自分がコントロールしているプレインズウォーカー、または自分が守る者であるバトルを攻撃してきているクリーチャー1体を選ぶ。
509.1b 防御プレイヤーは、自分がコントロールしている各クリーチャーが何らかの制限(そのクリーチャーではブロックできない、あるいは何らかの条件を満たさない限りそのクリーチャーではブロックできないという効果)があるかどうかを確認する。制限に違反していた場合、その指定は適正ではない。
この制限は回避能力(攻撃クリーチャーの持つ、ブロックされうる相手を制限する常在型能力)によって作られることがある。適正なブロックが指定された後で攻撃クリーチャーが回避能力を得たり失ったりしても、そのブロックは影響を受けない。異なる複数の回避能力がある場合、それらはそれぞれに有効である。
例:攻撃クリーチャーが飛行とシャドーを持っていた場合、飛行を持っていてシャドーを持っていないクリーチャーはそれをブロックできない。
509.1c 防御プレイヤーは、自分がコントロールしている各クリーチャーが何らかの強制(そのクリーチャーはブロックする、あるいは何らかの条件を満たした場合そのクリーチャーでブロックするという効果)があるかどうかを確認する。従っている強制の数が、制限を破らない限りにおいて最大になっていない限り、ブロック・クリーチャーの指定は不正である。プレイヤーがコストを支払わなければブロックできない場合、そのクリーチャーでブロックすることによって従っている強制の数が増えるとしても、そのコストを支払うことは求められない。あるターンに可能ならブロックするという強制が複数の戦闘フェイズを含むターンを指していた場合、そのクリーチャーはそのターンのそれぞれのブロック・クリーチャー指定ステップに可能ならブロックする。
例:プレイヤーが2体のクリーチャーをコントロールしていて、一方(クリーチャーA)には「可能ならブロックする。」という能力があり、他方(クリーチャーB)にはそういう能力はない。威迫を持つクリーチャーでそのプレイヤーを攻撃した場合、そのプレイヤーは両方のクリーチャーでブロックしなければならない。クリーチャーAだけでブロックすることは、威迫(その攻撃クリーチャーは2体以上のクリーチャーによってしかブロックされない)による制限に違反する。クリーチャーBだけでブロックすることは、威迫による制限とクリーチャーAのブロック 強制に違反する。どちらのクリーチャーもブロックしないのは制限には違反しないが強制に違反する。
509.1d ブロックに参加するためにコストの支払いが必要なクリーチャーがいる場合、防御プレイヤーはブロックに参加するための総コストを決める。コストには、マナの支払い、パーマネントのタップ、パーマネントの生け贄、カードを捨てる、等々が含まれる。総コストが決定したら、それは「固定」される。この後に効果が総コストを変更しようとしても、それは無視される。
509.1e コストにマナの支払いが必要な場合、アクティブ・プレイヤーはマナ能力を起動する機会を得る(rule 605〔マナ能力〕参照)。
509.1f 自分のマナ・プールに充分な量のマナを入れてから、そのプレイヤーは好きな順番ですべてのコストを支払う。一部しか支払わないことは認められない。
509.1g 選ばれたクリーチャーがなお防御プレイヤーによってコントロールされている場合、選ばれたクリーチャーはブロック・クリーチャー になる。戦闘から取り除かれるか、または戦闘フェイズが終わるまで、それはブロック・クリーチャーであり続ける。rule 506.4 参照。
509.1h ブロック・クリーチャーとして指定されたクリーチャーが1体以上存在する攻撃クリーチャーは、「ブロックされているクリーチャー/blocked creature」になる。ブロック・クリーチャーが存在しないクリーチャーは「ブロックされなかったクリーチャー/unblocked creature」になる。戦闘から取り除かれるか、何らかの効果によってブロックされている状態あるいはブロックされなかった状態になるか、または戦闘フェイズが終わるまでそのままである。それをブロックしているクリーチャーがすべて戦闘から取り除かれたとしても、ブロックされているクリーチャーはブロックされているままである。
509.1i ブロック・クリーチャーが指定されることによって誘発する能力が誘発する。rule 509.4 参照。
509.2. 次に、ブロックされている攻撃クリーチャーごとに、アクティブ・プレイヤーはそのクリーチャーをブロックしているクリーチャー群の中でのダメージ割り振り順を任意に決めて宣言する。(戦闘ダメージ・ステップの間、攻撃クリーチャーがそれをブロックしているクリーチャーに戦闘ダメージを与えるためには、ダメージ割り振り順でそれよりも前にあるクリーチャーすべてに致死ダメージが割り振られていなければならない。)このターン起因処理はスタックを用いない。
例:《巨森を喰らうもの》は《ラノワールのエルフ》と《ルーン爪の熊》と《セラの天使》にブロックされている。《巨森を喰らうもの》のコントローラーは、《巨森を喰らうもの》のダメージ割り振り順を《セラの天使》→《ラノワールのエルフ》→《ルーン爪の熊》と宣言する。
509.2a ブロック・クリーチャー指定ステップの間、ブロック・クリーチャーが戦闘から取り除かれたり、呪文や能力によってその攻撃クリーチャーをブロックするのを止めたりした場合、そのブロック・クリーチャーは該当するダメージ割り振り順から取り除かれる。他のブロック・クリーチャーの順番は変更されない。
509.3. その後、ブロック・クリーチャーごとに、防御プレイヤーはそれがブロックしているクリーチャー群の中でのダメージ割り振り順を任意に決めて宣言する。(戦闘ダメージ・ステップの間、ブロック・クリーチャーがそれにブロックされているクリーチャーに戦闘ダメージを与えるためには、ダメージ割り振り順でそれよりも前にあるクリーチャーすべてに致死ダメージが割り振られていなければならない。)このターン起因処理はスタックを用いない。
509.3a ブロック・クリーチャー指定ステップの間、攻撃クリーチャーが戦闘から取り除かれたり、呪文や能力によってそのブロック・クリーチャーがその攻撃クリーチャーをブロックするのを止めたりした場合、その攻撃クリーチャーは該当するダメージ割り振り順から取り除かれる。他の攻撃クリーチャーの順番は変更されない。
509.4. その後、アクティブ・プレイヤーが優先権を得る(rule 117〔タイミングと優先権〕参照)。
509.4a ブロック・クリーチャーが指定されたことで誘発した能力や、rule 509.1-3 で示された手順の間に 誘発した能力が、アクティブ・プレイヤーが優先権を得る前に、それらの誘発した順番によらず、スタックに積まれる(rule 603〔誘発型能力の扱い〕参照)。
509.5. ブロック・クリーチャーが指定されたことによって誘発する誘発型能力には様々な誘発条件が存在しうる。
509.5a 「[クリーチャー]がブロックするたび、/Whenever [a creature] blocks,」と書いてある能力は、複数のクリーチャーをブロックした場合でも、そのクリーチャーについては、1回の戦闘につき1回だけ、ブロック・クリーチャーとして指定されたときにのみ誘発する。また、この能力はそのクリーチャーが効果の結果としてブロック・クリーチャー になったときにも誘発するが、それはその時点でブロック・クリーチャーでなかった場合だけである(rule 509.1g 参照)。そのクリーチャーがブロックしている状態で戦場に出た場合には誘発しない。
509.5b 「[クリーチャー]がクリーチャー1体をブロックするたび、/Whenever [a creature] blocks a creature,」と書いてある能力は、指定されたクリーチャーがブロックした攻撃クリーチャー1体につき1回、ブロック・クリーチャーとして指定されたときに誘発する。また、この能力はそのクリーチャーが効果の結果としてブロック・クリーチャー になったときにも誘発するが、それはその時点でブロック・クリーチャーでなかった場合だけである。そのクリーチャーがブロックしている状態で戦場に出た場合には誘発しない。
509.5c 「[クリーチャー]がブロックされた状態になるたび、/Whenever [a creature] becomes blocked,」と書いてある能力は、そのクリーチャーが複数のクリーチャーによってブロックされた場合でも1回の戦闘につき1回、少なくとも1体のブロック・クリーチャーが指定されてブロックされた状態になるときに誘発する。また、効果によってその攻撃クリーチャーがブロックされたり、クリーチャーがブロックした状態で戦場に出されたりした場合にも誘発するが、それはその戦闘においてそのクリーチャーがまだブロックされていない場合に限る。(rule 509.1h 参照)
509.5d 「[クリーチャー]がクリーチャー1体にブロックされた状態になるたび/Whenever [a creature] becomes blocked by a creature」と書いてある能力は、そのクリーチャーをブロックするクリーチャー1体につき1回、ブロック・クリーチャーが指定されてブロックされた状態になるときに誘発する。効果によってクリーチャーがその攻撃クリーチャーをブロックするときにも、そのブロック・クリーチャーがすでにその攻撃クリーチャーをブロックしていたのでない限り誘発する。また、クリーチャーがブロックした状態で戦場に出されたりした場合にも誘発する。クリーチャーによってではなく、何らかの効果によってブロックされた場合にはこの能力は誘発しない。
509.5e 特定の数のクリーチャーがブロックした、あるいはその数のクリーチャーによってブロックされたときに誘発する能力の場合、その能力はクリーチャーがその数のクリーチャーによってブロックする/されるようなブロック・クリーチャーが指定された場合にだけ誘発する。ブロック・クリーチャーを加える/取り除く効果によっても、この能力は誘発する。これはクリーチャーがある数以上のクリーチャーによってブロックする/されることによって誘発する能力にも適用する。
509.5f 特定の特性を持つクリーチャーがブロックしたときに誘発する能力は、そのクリーチャーがブロック・クリーチャーとして指定された、あるいは何らかの効果によってブロックした時点でその特性を持っていなければ誘発しない。特定の特性を持つクリーチャーがブロックされたときに誘発する能力は、そのクリーチャーがブロックされたクリーチャー になった時点でその特性を持っていなければ誘発しない。クリーチャーが特定の特性を持つクリーチャーによってブロックされたときに誘発する能力は、後者のクリーチャーがブロック・クリーチャー になった時点でその特性を持っていなければ誘発しない。これらの能力は、その後でクリーチャーの特性が変化して条件を満たすようになったとしてもそのときに誘発することはない。
例:「このクリーチャーが白のクリーチャー1体にブロックされた状態になるたび、戦闘終了時に、そのクリーチャーを破壊する。」という能力を持つクリーチャーがいた。このクリーチャーが黒のクリーチャーでブロックされたあと、そのクリーチャーを白に変えたとしてもこの能力は誘発しない。
509.5g 「[クリーチャー]が攻撃してブロックされないたび、/Whenever [a creature] attacks and isn't blocked,」という能力は、そのクリーチャーのブロック・クリーチャーが1体も指定されなかった場合に誘発する。(例えば攻撃した状態で戦場に出たなどで)そのクリーチャーが攻撃クリーチャーとして指定されていなくても誘発する。ブロックされた後でブロック・クリーチャーがすべて戦闘から取り除かれたとしても、誘発しない。
509.6. 呪文や能力によって戦場にいるクリーチャーが攻撃クリーチャーをブロックする場合、アクティブ・プレイヤーはそのブロック・クリーチャーの、その攻撃クリーチャーのダメージ割り振り順における位置を宣言する。他のブロック・クリーチャーの順番は変わらない。その後、防御プレイヤーはその攻撃クリーチャーの、そのブロック・クリーチャーのダメージ割り振り順における位置を宣言する。他の攻撃クリーチャーの位置は変わらない。これはブロック 効果の一部として行われる。
509.7. クリーチャーがブロックした状態で戦場に出る場合、(その効果によって何をブロックした状態で戦場に出るかが特定されていない限り)そのコントローラーはどの攻撃クリーチャーをブロックした状態で戦場に出るかアクティブ・プレイヤーはその新しいクリーチャーの、そのブロックされたクリーチャーのダメージ割り振り順における位置を宣言する。他のブロック・クリーチャーの順番は変わらない。この方法で戦場に出たクリーチャーは「ブロックしている/blocking」が、誘発イベントや効果の面では「ブロックした/blocked」としては扱わない。
例:《大蜘蛛》が《峡谷のミノタウルス》によってブロックされた。防御プレイヤーが《瞬間群葉》を唱え、《大蜘蛛》をブロックした状態で苗木・クリーチャー・トークンを生成した。《大蜘蛛》のコントローラーは、《大蜘蛛》のダメージ割り振り順を、まず苗木トークン、続いて《峡谷のミノタウルス》と宣言する。
509.7a 効果がクリーチャーを特定のクリーチャーをブロックしている状態で戦場に出す場合、その効果の解決時点でブロックするべきクリーチャーがすでに攻撃クリーチャーでなくなっていたなら、そのクリーチャーは戦場に出るが、ブロック・クリーチャーとしては扱われない。また、戦場に出るクリーチャーのコントローラーがその特定の攻撃クリーチャーから見た防御プレイヤーでなくなっていた場合にも同様である。
509.7b ブロックしている状態で戦場に出るクリーチャーは、そのブロック・クリーチャー指定に関する強制や制限の影響を受けない。
510.1. まず、アクティブ・プレイヤーは各攻撃クリーチャーがその戦闘ダメージをどう割り振るかを宣言し、次に防御プレイヤーは各ブロック・クリーチャーが戦闘ダメージをどう割り振るかを宣言する。このターン起因処理はスタックを用いない。戦闘ダメージの割り振りについては、次のルールに従う。
510.1a 各攻撃クリーチャーと各ブロック・クリーチャーは、それぞれ自分のパワーに等しいだけの戦闘ダメージを割り振る。0点以下のダメージを割り振ることになるクリーチャーは、戦闘ダメージをまったく割り振らない。
510.1b ブロックされていないクリーチャーは、その戦闘ダメージを攻撃している先のプレイヤーかプレインズウォーカーかバトルに割り振る。何も攻撃していない場合(たとえば、既に戦場を離れているプレインズウォーカーを攻撃していた場合)、戦闘ダメージを割り振らない。
510.1c ブロックされたクリーチャーは、戦闘ダメージをそれをブロックしているクリーチャーに割り振る。この時点でブロック・クリーチャーが1体もいない場合(たとえば、それらのクリーチャーが破壊されたり戦闘から取り除かれていたりする場合)、そのクリーチャーは戦闘ダメージを割り振らない。1体のクリーチャーだけがブロックしていた場合、そのクリーチャーは戦闘ダメージをすべてそのクリーチャーに割り振る。2体以上のクリーチャーがブロックしていた場合、宣言してあったダメージ割り振り順に従ってそれらのクリーチャーに戦闘ダメージを割り振る。この場合、そのブロックされたクリーチャーの戦闘ダメージは複数に分割されることもある。しかしながら、ブロック・クリーチャーに戦闘ダメージを割り振るには、戦闘ダメージの割り振りが終わった時点で、ダメージ割り振り順においてそれよりも前にあるブロック・クリーチャーすべてに致死ダメージが割り振られていなければならない。致死ダメージを割り振っているかどうかを見る場合、そのクリーチャーが既に負っているダメージと、他のクリーチャーが同じ戦闘ダメージ・ステップに割り振っているダメージを計算に入れるが、実際に受けるダメージを変更する類の能力や効果は考慮しない。クリーチャーの致死ダメージ以上のダメージを割り振ってもよい。
例:攻撃クリーチャー《巨森を喰らうもの》(5/6)のダメージ割り振り順は、《群れの護衛》(0/3)、《ラノワールのエルフ》(1/1)の順である。《巨森を喰らうもの》は戦闘ダメージを、《群れの護衛》に3点と《ラノワールのエルフ》に2点と割り振ることも、《群れの護衛》に4点と《ラノワールのエルフ》に1点と割り振ることも、《群れの護衛》に5点割り振ることもできる。
例:攻撃クリーチャー《巨森を喰らうもの》(5/6)のダメージ割り振り順は、《群れの護衛》(0/3)、《ラノワールのエルフ》(1/1)の順である。ブロック・クリーチャー指定ステップ の間に、防御プレイヤーは《群れの護衛》を対象にして、ターン終了時まで+3/+3の修整を得させる《巨大化》を唱えた。《巨森を喰らうもの》は、5点のダメージすべてを《群れの護衛》に割り振ることしかできない。
例:攻撃クリーチャー《巨森を喰らうもの》(5/6)のダメージ割り振り順は、《群れの護衛》(0/3)、《ラノワールのエルフ》(1/1)の順である。ブロック・クリーチャー指定ステップ の間に、防御プレイヤーは《群れの護衛》を対象にして、受けるダメージを4点軽減する《繕いの手》を唱えた。《巨森を喰らうもの》は戦闘ダメージを、《群れの護衛》に3点と《ラノワールのエルフ》に2点と割り振ることも、《群れの護衛》に4点と《ラノワールのエルフ》に1点と割り振ることも、《群れの護衛》に5点割り振ることもできる。
例:攻撃クリーチャー《超大なベイロス》(7/7)のダメージ割り振り順は、既に2点のダメージを負っている《訓練されたアーモドン》(3/3)、《フォライアスの大部隊》(追加で1体のクリーチャーをブロックすることができる2/4クリーチャー)、《シルバーバック》(5/5)の順である。攻撃クリーチャー《ダークウッドの猪》(4/4)のダメージ割り振り順は、同一の《フォライアスの大部隊》、《ゴブリンの長槍使い》(2/1)の順である。他の可能性もあるが、アクティブ・プレイヤーは《超大なベイロス》からの戦闘ダメージを、《訓練されたアーモドン》に1点、《フォライアスの大部隊》に1点、《シルバーバック》に5点、そして《ダークウッドの猪》からの戦闘ダメージを、《フォライアスの大部隊》に3点、《ゴブリンの長槍使い》に1点、と割り振ることができる。
510.1d ブロック・クリーチャーは、戦闘ダメージをそれにブロックされているクリーチャーに割り振る。この時点でブロックされているクリーチャーが1体もいない場合(たとえば、それらのクリーチャーが破壊されたり戦闘から取り除かれていたりする場合)、そのクリーチャーは戦闘ダメージを割り振らない。1体のクリーチャーだけをブロックしていた場合、そのクリーチャーは戦闘ダメージをすべてそのクリーチャーに割り振る。2体以上のクリーチャーをブロックしていた場合、宣言してあったダメージ割り振り順に従ってそれらのクリーチャーに戦闘ダメージを割り振る。この場合、そのブロック・クリーチャーの戦闘ダメージは複数に分割されることもある。しかしながら、ブロックされているクリーチャーに戦闘ダメージを割り振るには、戦闘ダメージの割り振りが終わった時点で、ダメージ割り振り順においてそれよりも前にあるブロックされているクリーチャーすべてに致死ダメージが割り振られていなければならない。致死ダメージを割り振っているかどうかを見る場合、そのクリーチャーが既に負っているダメージと、他のクリーチャーが同じ戦闘ダメージ・ステップに割り振っているダメージを計算に入れるが、実際に受けるダメージを変更する類の能力や効果は考慮しない。クリーチャーの致死ダメージ以上のダメージを割り振ってもよい。
510.1e プレイヤーが自分がコントロールしている攻撃クリーチャーまたはブロック・クリーチャーからの戦闘ダメージを割り振ったなら、(各個の攻撃クリーチャーあるいはブロック・クリーチャーのダメージ割り振りではなく)そのダメージの割り振り全体が上記のルールに則っているかどうか確認される。則っていなければ、戦闘ダメージの割り振りは不適正であり、ゲームは戦闘ダメージ割り振りの直前に巻き戻される(rule 730〔不正な処理の扱い〕参照)。
510.2. 次に、割り振られている戦闘ダメージすべてを同時に受ける。このターン起因処理はスタックを用いない。戦闘ダメージの割り振りから実際に受けるまでの間に、呪文を唱えたり能力を起動したりする機会は存在しない。
例:《戦隊の鷹》(飛行つき1/1クリーチャー)と《ゴブリンの長槍使い》(2/1クリーチャー)が攻撃している。防御プレイヤーは《モグの狂信者》(「モグの狂信者を生け贄に捧げる:クリーチャーやプレインズウォーカーやプレイヤーのうち1つを対象とする。モグの狂信者はそれに1点のダメージを与える。」という能力を持つ1/1クリーチャー)で《ゴブリンの長槍使い》をブロックし、ブロック・クリーチャー指定ステップ の間に《モグの狂信者》を生け贄に捧げて《戦隊の鷹》に1点のダメージを与えた。《戦隊の鷹》は破壊され、《ゴブリンの長槍使い》はこのターン、戦闘ダメージを与えない。防御プレイヤーが《モグの狂信者》を生け贄に捧げずに戦場に残した場合、《モグの狂信者》と《ゴブリンの長槍使い》はお互いに致死ダメージを与え合うが、《戦隊の鷹》はダメージを受けない。
510.3. その後、アクティブ・プレイヤーが優先権を得る(rule 117〔タイミングと優先権〕参照)。
510.3a ダメージを受けたことによって誘発した能力や、その後に状況起因処理が行われている間に誘発した能力が、アクティブ・プレイヤーが優先権を得る前に、それらの誘発した順番によらず、スタックに積まれる(rule 603〔誘発型能力の扱い〕参照)。
510.4. 1体以上の攻撃クリーチャーまたはブロック・クリーチャーが、戦闘ダメージ・ステップの開始時に先制攻撃(rule 702.7 参照)や二段攻撃(rule 702.4)を持っていた場合、そのステップに戦闘ダメージを与えるのは先制攻撃か二段攻撃を持っているクリーチャーだけである。そのステップの後に、戦闘終了ステップに進む代わりに、第2戦闘ダメージ・ステップが発生する。このステップに戦闘ダメージを割り振るのは、最初の戦闘ダメージ・ステップの開始時に先制攻撃も二段攻撃も持っていなかったクリーチャーか、この時点で二段攻撃を持っているクリーチャーだけである。そのステップの後で、戦闘終了ステップに移行する。
511.1. 戦闘終了ステップにはターン起因処理は存在しない。ステップが開始したら、アクティブ・プレイヤーが優先権を得る(rule 117〔タイミングと優先権〕参照)。
511.2. 「戦闘終了時に/At end of combat」誘発する能力が、戦闘終了ステップの開始に際して誘発する。「戦闘終了時まで/Until end of combat」残る効果は、戦闘フェイズの終了時に消滅する。
511.3. 戦闘終了ステップが終わった瞬間に、すべてのクリーチャーやバトルやプレインズウォーカーは戦闘から取り除かれる。戦闘終了ステップの終了後、戦闘フェイズは終了し、戦闘後メイン・フェイズ(rule 505 参照)が始まる。
512.1. 終了フェイズは順に「終了/end」「クリンナップ/cleanup」の2つのステップからなる。
513.1. 終了ステップにはターン起因処理は存在しない。ステップの開始時に、アクティブ・プレイヤーが優先権を得る(rule 117〔タイミングと優先権〕参照)。
513.1a かつて、終了ステップの開始時に誘発する能力の誘発条件は「ターン終了時に/at end of turn」という表記が用いられていた。そのように記載されているカードは、オラクルで訂正され、「終了ステップの開始時に、」または「次の終了ステップの開始時に、」となっている。
513.2. 「終了ステップの開始時に」誘発する能力を持ったパーマネントがこのステップ の間に 戦場に出た場合、その能力は次のターンの終了ステップまで誘発しない。同様に、「次の終了ステップの開始時に」誘発する遅延誘発型能力がこのステップ の間に作られた場合、その能力は次のターンの終了ステップまで誘発しない。言い換えると、このステップは、それらの能力がスタックに積まれるように「巻き戻される」ことはない。このルールは誘発型能力にのみ適用される。「ターン終了時まで/until end of turn」「このターン/this turn」残る継続的効果には適用されない。(rule 514〔クリンナップ・ステップ〕参照。)
514.1. まず、アクティブ・プレイヤーの手札がその上限枚数(通常7枚)を超えていた場合、そのプレイヤーは上限枚数になるまで手札を捨てる。このターン起因処理はスタックを用いない。
514.2. 次に、以下の処理が同時に行われる。パーマネント(フェイズ・アウトしているパーマネントも含む)が負っているすべてのダメージが取り除かれ、すべての「ターン終了時まで/until end of turn」「このターン/this turn」の効果が終了する。このターン起因処理はスタックを用いない。
514.3. 通常、クリンナップ・ステップ中にはプレイヤーは優先権を得ないので、呪文を唱えたり能力を起動したりすることはできない。このルールには以下の例外が存在する。
514.3a この時点で、ゲームは、発生する状況起因処理が存在するか、また(「次のクリンナップ・ステップの開始時に/at the beginning of the next cleanup step」誘発するものを含む)スタックに積まれるのを待っている誘発型能力が存在するかどうかを確認する。もし存在したなら、まず状況起因処理が処理され、次に誘発型能力がスタックに積まれてからアクティブ・プレイヤーが優先権を得て、プレイヤーは呪文を唱えたり能力を起動したりできる。スタックが空の状態ですべてのプレイヤーが続けてパスしたなら、再びクリンナップ・ステップが新しく始まる。
6. 呪文、能力、効果
600. 総則
601.1. かつて、呪文を唱えること、あるいはカードを呪文として唱えることを、その呪文やカードを「プレイする/playing」と表記していた。そのように記載されているカードは、オラクルで訂正され、呪文やカードを「唱える/casting」となっている。
601.2. 呪文を唱えるとは、やがて解決されてその効果が発生するよう、それを現在ある場所(通常は手札)から取り、スタックに積み、コストを支払うことである。呪文を唱える、という中には、その呪文の提示(rule 601.2a-d)と、コストの決定と支払い(rule 601.2f-h)が含まれる。呪文を唱えることは、以下の順番で以下の手順を踏む。プレイヤーがこの手順を始めるには、その呪文を適正に唱えられる必要がある(rule 601.3 参照)。下記に列記されている手順の実行中にその手順で必要なことができなかったら、その呪文を唱えることは不正である。ゲームはその呪文が提示される直前の瞬間まで巻き戻される(rule 730〔不正な処理の扱い〕参照)。
601.2a 呪文を唱えることを提示する場合、プレイヤーはまずそのカード(あるいはそのカードのコピー)を元の領域からスタックへと動かす。それはスタックの一番上にあるオブジェクトとなる。これはそのカード(あるいはそのカードのコピー)のすべての特性を持ち、そのプレイヤーがそのコントローラーとなる。あなたがその呪文を唱え始めるに際してその特性を修整する継続的効果は、それがスタックに置かれるに際して始まる(rule 611.2f 参照)。呪文は、解決されるか打ち消されるか、あるいはルールや効果によって他の領域に動かされるまでスタックにとどまる。
601.2b 呪文がモードを持つ場合、プレイヤーはモードの選択を宣言する(rule 700.2 参照)。プレイヤーがその呪文に他のカードを連繋(rule 702.47 参照)したい場合、そのカードを手札から公開する。その呪文が、バイバックやキッカーと言った、代替コストや追加コスト(rule 118.8、rule 118.9 参照)を持っている場合、プレイヤーはそのコストのうちどれを払うかを宣言する(rule 601.2f 参照)。単一の呪文に対し、複数の代替法で唱えたり、あるいは代替コストを支払ったりすることはできない。その呪文が、唱える間に支払う可変のコスト(マナ・コストに含まれる{X}など。rule 107.3 参照)を持つ場合、プレイヤーはその値を宣言する。その数字が、そのプレイヤーが後でその呪文の宣言中あるいは解決中に行う選択によってその呪文の文章中で定義されている場合、プレイヤーはその選択をこの時点で行う。その呪文を唱える間に支払うコストに混成マナ・シンボルが含まれている場合、プレイヤーは混成でないマナでどう支払うかを宣言する。その呪文を唱える間に支払うコストにファイレクシア・マナが含まれている場合、プレイヤーはそれらの各シンボルごとに2点のライフを支払うかその色のマナを支払うかを宣言する。前段階での選択(墓地からフラッシュバックで呪文を唱えることを選んだ、変異つきクリーチャーを裏向きに唱えることを選んだなど)は、それ以降の選択を制約する。
601.2c プレイヤーは、その呪文の求める対象それぞれについて、適正なプレイヤーやオブジェクトを選んで宣言する。代替コストや追加コスト(キッカー・コストなど)を支払ったとき、あるいは特定のモードを選んだときにのみ対象を取りうる呪文は、それ以外の場合には対象を取りえないものとして唱えられる。同様に、代替コストや追加コストが選択された場合にだけ他の対象を取りえることがある。呪文が可変の数の対象を取る場合、プレイヤーは対象を宣言する前にいくつの対象を取るのかを宣言する。対象の数が、呪文の文章によって定められていることがある。呪文の定める対象の数が決定されたら、その対象の数を決定するために参照された情報が変わったとしても、その数は変わらない。同じ「target」の語で示される中で(日本語版では、「[性質]N個」」「[性質]や[別の性質]のうちM個」としてまとめられている中で)、同じ対象を複数回選ぶことはできない。複数の対象群がある場合、同一のプレイヤーやオブジェクトを(条件を満たしているなら)それぞれで1回ずつ対象に取ることができる。あるオブジェクトやプレイヤーが対象として選ばれなければならないという効果がある場合、対象を選ぶプレイヤーは、オブジェクトやプレイヤーを対象にできないとするルールや効果に反しない限りにおいて最大の数のその種の効果に従うように対象を選ぶ。選ばれたプレイヤーやオブジェクトはその呪文の対象となる。(それらが呪文の対象となったときに誘発する能力はこの時点で誘発する。この呪文が唱えられ終わるまで、その能力はスタックには積まれない。)
例:「クリーチャー2体を対象とする。それらをタップする。」という能力があった場合、同じクリーチャーを2回対象にすることはできず、適正な対象2つが必要である。一方、「アーティファクト1つと土地1つを対象とする。それらを破壊する。」という能力があった場合、対象群は2つあるので、アーティファクト・土地1つを2回対象にすることができる。
601.2d 呪文によって、プレイヤーが1つ以上の対象を含む複数のオブジェクトやプレイヤーにダメージやカウンターなどの効果を分割したり分配したりするとき、そのプレイヤーは、選ばれたプレイヤーやオブジェクトそれぞれが最低限それを1つは受けるように、量と分割の仕方を選ぶ。
601.2e ゲームは提示された呪文が適正に唱えられるかどうかを見る。提示された呪文が不正だった場合、ゲームはその呪文を唱えることが提示される直前の瞬間に戻る(rule 730〔不正な処理の扱い〕参照)。
601.2f プレイヤーはその呪文の総コストを決定する。通常、そのマナ・コストだけである。追加コストや代替コストを持つ呪文や、支払うべきコストを増減させる効果、あるいは他の代替コストを使えるようにする効果も存在する。コストには、マナの支払い、パーマネントのタップ、パーマネントの生け贄、手札のカードを捨てる、などが含まれる。総コストとは、マナ・コストまたは代替コスト(rule 601.2b で決定したもの)に、すべての追加コストやコストの増加分を加え、コストの減少分を引いたものである。複数のコスト減少が適用される場合、そのプレイヤーは任意の順番でそれらを適用する。コストの増減を計算した結果として総コストのマナ部分がなくなった場合、それは{0}として扱う。{0}未満に減少することはない。この計算後、総コストを直接変更する効果が適用され、総コストが「固定」される。この後で効果が総コストを変更しようとしても、何の効果もない。
601.2g 総コストの中にマナの支払いが含まれる場合、そのプレイヤーはマナ能力を起動する機会(rule 605〔マナ能力〕参照)を得る。マナ能力はコストを支払う前に起動する必要がある。
601.2h プレイヤーはその総コストを支払う。まず、無作為の要素やライブラリーから公開領域にオブジェクトを動かすことを含まないすべてのコストを任意の順で支払う。その後、残りのすべてのコストを任意の順で支払う。一部分だけ支払うことは許されない。それらのうち支払うことのできないものを支払うことは選べない。
例:マナ・コストが{1}{B}でクリーチャー1体を生け贄に捧げる追加コストを持つ《祭壇の刈り取り》を唱える。ここで、あなたの黒の呪文を唱えるためのコストを{1}減らす効果を持つ《雷景学院の使い魔》をこの追加コストとして生け贄に捧げた場合、呪文の総コストは実際に支払いが行われる前に「固定」されているので、《祭壇の刈り取り》のコストは{1}{B}になることはなく、{B}となったままである。
601.2i rule 601.2a-h で示された手順が完了したら、その呪文が唱えられるに際してその呪文の特性を変更する効果が適用される。その後、その呪文は唱えられたことになる。呪文が唱えられたこと、あるいはスタックに積まれたことによる誘発型能力は、この時点で誘発する。その呪文のコントローラーがそれを唱える前に優先権を持っていた場合、そのプレイヤーは優先権を得る。
601.3. プレイヤーは、ルールや効果によって唱えることが認められていない限り、呪文を唱え始めることはできない。呪文を提示し終わったあとで唱えることが認められなくなった場合、その呪文を唱えることは不正であり、ゲームはその呪文を唱えることを提示する直前の瞬間に戻る(rule 730〔不正な処理の扱い〕参照)。
601.3a 効果によって特定の性質を持つ呪文を唱えることが禁止されている場合も、プレイヤーが呪文を提示している間に行われる選択によってその呪文の性質が変わり、その効果が適用されなくなるなら、そのプレイヤーはその効果を無視してその呪文を唱え始めてもよい。
例:プレイヤーが「あなたの 対戦相手はマナ総量が偶数のすべての呪文を唱えられない。(0は偶数である。)」の能力を持つ《虚空の選別者》をコントロールしているとき、その対戦相手はマナ・コストが{X}{R}{R}である《とどろく雷鳴》を唱え始めることができる。これはXの値の選択によって、その呪文のマナ総量が奇数になることがありうるからである。
601.3b 効果によって特定の性質を持つ呪文を瞬速を持つかのように 唱えることが認められている場合、そのプレイヤーは、その呪文の性質を変えうるような選択をその呪文を提示している間にすることを考えてもよい。それらの選択によって、その効果が適用されるようになるなら、そのプレイヤーはそれが瞬速を持つかのようにその呪文を唱え始めてもよい。
例:オーラ・呪文を瞬速を持つかのように 唱えてもよいという効果があり、手札に授与を持つクリーチャー・カードがある場合、授与 呪文の代替コストを選ぶことでその呪文はオーラ・呪文 になるので、瞬速を持つかのようにその呪文を唱え始めることは適正である。
601.3c 効果によって、プレイヤーが代替コストや追加コストを支払った場合に呪文を瞬速を持つかのように 唱えることが認められている場合、そのプレイヤーはその呪文が瞬速を持つかのように 唱え始めることができる。
601.3d 呪文が特定の条件を満たした時にのみ瞬速を持つ場合、その条件を満たしているなら、そのコントローラーは瞬速を持つかのように 唱え始めることができる。
601.3e ルールや効果が、カードやカードのコピーを唱えるのが適正かどうかを判断するのに代替の特性群あるいは特性群の一部だけを参照することがある。その判断のためには、代替の特性でそのオブジェクトの特性を置き換える。そのオブジェクトがそれらの特性を持つようになった場合に適用される継続的効果も考慮される。
例:《ガラクの大軍》には、「あなたの ライブラリーの一番上からクリーチャー・呪文を唱えてもよい。」という効果が存在する。あなたが《ガラクの大軍》をコントロールしていて、あなたの ライブラリーの一番上のカードが変異を持っていてクリーチャーでないカードだった場合、あなたは変異 能力を用いてそれを唱えてもよい。
例:《イゼットの模範、メーレク》には、「あなたの ライブラリーの一番上からインスタントやソーサリーである呪文を唱えてもよい。」という効果が存在する。あなたが《イゼットの模範、メーレク》をコントロールしていて、あなたの ライブラリーの一番上にあるカードが《切り落とし》というインスタントの出来事を持つ当事者・クリーチャー・カードである《巨人落とし》だった場合、あなたは《切り落とし》を唱えることはできるが《巨人落とし》を唱えることはできない。あなたがコントロールしているカードが《イゼットの模範、メーレク》でなく《ガラクの大軍》でライブラリーの一番上のカードが《巨人落とし》だった場合、あなたは《巨人落とし》を唱えることはできるが《切り落とし》を唱えることはできない。
601.3f 効果の中に、プレイヤーが追放 領域にある裏向きのカードの中から特定の性質を持つ呪文を唱えられるようにするものがある。プレイヤーは、追放 領域にあるその裏向きのカードを見ることができる場合にのみその種の呪文を唱え始めることができる。
601.4. rule 601.2bにあるモード、代替コスト、追加コストの選択の宣言中に、そのルールの指示に従うと後で行なわれることになる他の選択によって可能になる選択肢がある場合がある。その場合、その呪文のコントローラーはその段階でそれらの選択がされると考えてもよい。それらの選択によって特定のモードや代替コストや追加コストが選べるようになるなら、選んでもよい。
例:《豊穣の碑文》はキッカーとモードを持つ呪文で、「以下から1つを選ぶ。この呪文がキッカーされていたなら、代わりに以下から望む数だけ選ぶ。」と書かれている。この呪文で選んだモードを宣言するとき、キッカー・コストの支払いの選択は宣言の手順上それよりも後であるが、コントローラーは望む数のモードを選ぶことができる。
601.5. プレイヤーが、呪文の提示が終わったあとでその呪文を唱えることができない場合(rule 601.2a-d 参照)、その呪文を唱えることは不正であり、ゲームはその呪文を唱えることが提示される前の瞬間まで巻き戻る(rule 730〔不正な処理の扱い〕参照)。その呪文のコストを決定して支払う間(rule 601.2f-h 参照)や、呪文や唱えられたあとに、ルールや効果がその呪文を唱えることを不正なものにしても関係ない。
601.5a プレイヤーが、特定の条件を満たしたことによって瞬速を持っている呪文、あるいは特定の条件を満たしたことによって瞬速を持つかのように 唱えられる呪文(rule 601.3d 参照)を唱え始めたら、その条件が満たされなくなったとしても瞬速を持つかのようにその呪文を唱え続けることができる。
601.6. 呪文の中には、唱えるときに通常そのコントローラーが行うこと、つまりモードや対象の選択などを、そのコントローラーの対戦相手に行うように指定するものがある。こういった場合、対戦相手はその呪文のコントローラーが通常行うのと同じタイミングでその選択を行う。
601.6a 選択を行える対戦相手が複数いる場合、その呪文のコントローラーがどちらの対戦相手に選択を行わせるかを決める。
601.6b その呪文が唱えられるときに、そのコントローラーと他のプレイヤーに同時に何らかの行動をさせる場合、呪文のコントローラーが先に行い、その後で他方のプレイヤーが行う。これは rule 101.4 の例外である。
601.7. コストを変える呪文を唱えても、既にスタックにある呪文や能力には影響しない。
602.1. 起動型能力は、コストと効果を持ち、「[コスト]:[効果。][(あるなら)起動指示。]/[Cost]: [Effect.] [Activation instructions (if any).]」という書式で書かれている。
602.1a コロン(:)の前に書かれているものすべてが起動コストである。能力を起動するプレイヤーは、その起動コストを支払わなければならない。
例:「{2}, {T}:あなたは1点のライフを得る。」という能力の起動コストは、任意のタイプのマナ2点に加えて、その能力を持つパーマネントをタップすることである。
602.1b 起動型能力のコロンの後に続く文章が、その能力を起動するときに従わなければならない説明を含んでいる場合がある。そのような文章は、誰が能力を起動できるかを指定したり、いつ能力を起動できるかを制限したり、起動コストの一部を定義したりしている。これらの文章は能力の効果の一部ではない。これは常に機能している。起動型能力の起動指示は、能力の効果の後、一番最後に書かれる。
602.1c 起動型能力だけが起動されうる能力である。能力の種類の特定なく「能力を起動する/activating an ability」ことについてオブジェクトやルールが参照していた場合、それは起動型能力のことを示す。
602.1d かつて、起動型能力を使うことを、その能力を「プレイする/playing」と表記していた。そのように記載されているカードは、オラクルで訂正され、能力を「起動する/activating」となっている。
602.1e 能力の「起動コスト/activation cost」を参照する呪文や能力が、プレイヤーがそのコストを支払う方法を変更する場合、その変更は、そのコストが他の効果によって増減したとしても、その能力の総コストに適用される。 rule 602.2b および rule 601.2f 参照。
602.2. 能力を起動するとは、やがて解決されてその効果が発生するよう、能力をスタックに積み、コストを支払うことである。特に示されていない限り、そのオブジェクトのコントローラー(コントローラーがいない場合にはオーナー)だけがそのオブジェクトの起動型能力を起動できる。能力を起動することは、以下の手順を踏む。能力を起動する途中のどこかの時点でプレイヤーが手順を完了できなくなったら、その能力の起動は不正である。ゲームは能力を起動し始める前まで巻き戻される(rule 730〔不正な処理の扱い〕参照)。一旦なされた宣言や支払いを変更することはできない。
602.2a プレイヤーは、能力を起動することを宣言する。非公開領域から能力が起動された場合、その能力を持つカードを公開する(rule 701.16a 参照)。能力がカードでないオブジェクトとしてスタックに生成され、スタックの一番上にあるオブジェクトとなる。これはそれを生成した能力の文章を持ち、他の特性を持たない。そのコントローラーは、その能力を起動したプレイヤーである。能力は、打ち消されるか解決されるか、他の効果によって他の領域に動かされるまでスタックにとどまる。
602.2b これ以降の手順は、呪文を唱える手順として rule 601.2b-i に記されていたのと同じである。これらのルールは、呪文を唱えることに適用されたのと同じように能力を起動することに適用される。起動型能力の、(rule 601.2f で参照されている)呪文で言うマナ・コストにあたるものは、起動コストである。
602.3. 能力の中には、起動するときに通常そのコントローラーが行うこと、つまりモードや対象の選択などを、そのコントローラーの対戦相手に行うように指定するものがある。こういった場合、対戦相手はその能力のコントローラーが通常行うのと同じタイミングでその選択を行う。
602.3a 選択を行える対戦相手が複数いる場合、その能力のコントローラーがどちらの対戦相手に選択を行わせるかを決める。
602.3b その能力が起動されるときにそのコントローラーと他のプレイヤーに同時に何らかの行動をさせる場合、能力のコントローラーが先に行い、その後で他方のプレイヤーが行う。これは rule 101.4 の例外である。
602.4. コストを変える能力を起動しても、既にスタックにある呪文や能力には影響しない。
602.5. プレイヤーは、起動が禁止されている能力を起動し始めることはできない。
602.5a 起動コストにタップ・シンボル({T})またはアンタップ・シンボル({Q})を含む、クリーチャーの起動型能力は、そのコントローラーが自分のターン開始時から続けてそのクリーチャーをコントロールしていない限り起動できない。速攻を持つクリーチャーはこのルールを無視する(rule 702.10 参照)。
602.5b 起動型能力の使用に限定がある(例えば、「各ターンに1回しか起動できない。」)場合、その限定はたとえコントローラーが変化しても適用され続ける。
602.5c オブジェクトが他のオブジェクトから使用に限定のある起動型能力を得た場合、その限定はそのオブジェクトから得た能力だけに適用され、他の同一の能力には適用されない。
602.5d 「起動はソーサリーとしてのみ行う/Activate only as a sorcery」と書かれている起動型能力は、それを起動するに際してソーサリー・呪文を唱えるのと同じタイミングのルールに従う、というだけであり、その能力がソーサリーであるということではない。また、そのプレイヤーが実際にソーサリー・カードを持っている必要はない。
602.5e 「起動はインスタントとしてのみ行う/Activate only as an instant」と書かれている起動型能力は、それを起動するに際してインスタント・呪文を唱えるのと同じタイミングのルールに従う、というだけであり、その能力がインスタントであるということではない。また、そのプレイヤーが実際にインスタント・カードを持っている必要はない。
603.1. 誘発型能力は誘発条件と効果を持ち、「[誘発条件またはイベント]とき/たび/時に, [効果] [指示(ある場合)]/When/Whenever/At [Trigger condition or event], [effect]. [Instructions (if any).]」という書式で書かれている。
603.1a 誘発型能力の効果の後に、その能力が対象に取れるものを制限していたり、打ち消されないことが記載されたりといった指示があることがある。この文章はその能力の効果の一部ではなく、その能力がスタックにある間に働く。
603.2. 誘発型能力は、ゲームのイベントやゲームの状況がその能力の誘発イベントを満たすたび、自動的に誘発する。能力はこの時点では何もしない。
603.2a 唱えられることも起動されることもないので、誘発型能力は呪文を唱えたり能力を起動したりできないときにも誘発する。能力を起動できないようにする効果は、誘発型能力には影響を及ぼさない。
603.2b フェイズやステップの開始時に、「開始時に/at the beginning of」誘発する能力がすべて誘発する。
603.2c 能力は、その誘発イベントが発生するたびに一度だけ誘発する。しかし、そのイベントが複数の出来事を含んでいる場合、複数回誘発することもある。
例:「土地が1つ戦場から墓地に置かれるたび/Whenever a land is put into a graveyard from the battlefield」という誘発条件の能力を持つパーマネントがあるときに、誰かがすべての土地を破壊する呪文を唱えた場合、その能力はその呪文の解決中に墓地に送られた土地の枚数とおなじ回数だけ誘発する。
603.2d 能力によって、誘発型能力が追加で誘発するという場合がある。この場合、単純にその種の能力が誘発したと決定するのではなく、それが何回誘発するべきかを決定し、それからその能力がその回数誘発する。その能力を誘発させるという効果がそれ自身を何度も引き起こすことはなく、その能力が何回誘発するかに影響を与える他の効果に適用されることもない。
603.2e 効果の中には、オブジェクトの誘発型能力に言及しているものがある。それらの効果は、そのオブジェクトが持つ誘発型能力だけを参照し、そのオブジェクトが持つ能力によって生成されうる遅延誘発型能力(rule 603.7 参照)は参照しない。
603.2f 「になる/becomes」という語を用いている誘発イベント(たとえば「ついた状態になる/becomes attached」「ブロックされた状態になる/becomes blocked」など)が存在する。これらはその示されたイベントが発生したときにのみ誘発する。すなわち、元々その状態であった場合に誘発することはないし、その状態であり続ける間は再び誘発することはない。「タップ状態 になる/becomes tapped」や「アンタップ状態 になる/becomes untapped」ときに誘発する能力は、パーマネントがその位相で戦場に出たときには誘発しない。
例:パーマネントが「タップ状態 になった」ときに誘発する能力は、戦場にあるパーマネントの位相がアンタップ状態からタップ状態 になった時にのみ誘発する。
603.2g 誘発型能力の誘発条件が満たされたときにその誘発型能力を持ったオブジェクトがすべてのプレイヤーに見える状態でなかった場合、その能力は誘発しない。
603.2h 能力は、その誘発イベントが実際に発生したときにのみ誘発する。軽減されたり置換されたりしたイベントによって誘発することはない。