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Making Magic -マジック開発秘話-
「2in1」の歴史 その1
2024年10月14日
私には多くの肩書があるが、「マジックとマジック・デザインの歴史家」もその1つである。私はときどき、メカニズムがどのようにして作られ、どのように進化していったのかを探検したくなる。そこで本日は、『ダスクモーン:戦慄の館』のあるメカニズムをテーマにしよう。
「部屋」メカニズムは、私が「2in1」カードと呼ぶものの1つである。「2in1」カードは1枚のカードに2枚分のカードが表現されたもので、それぞれの面がある場合もある。ここでは「カード名が2つあり、アートも一部例外を除いて2つあるもの」を「2in1」カードの基準としよう。
ドアを開く
物語の始まりは、1993年発売のマジック初の製品『アルファ版』に遡る。リチャード・ガーフィールド/Richard Garfieldは「ブーンズ/the boons」と呼ばれるサイクルを作成した。これは《治癒の軟膏》、《Ancestral Recall》、《暗黒の儀式》、《稲妻》、《巨大化》によって構成される1マナのインスタントのサイクルで、いずれも「3」という数字が用いられていた。このサイクルの白のカードを強化するため、リチャードは2つの効果から1つを選んで使えるようにした。《治癒の軟膏》は、マジック史上初のモードを持つカードとなったのだ。現在のモードを持つカードには「以下から1つを選ぶ」と書かれており、選択肢が箇条書きになっている。《治癒の軟膏》や一般的なモードを持つカードは、カード名が1つのため「2in1」カードには含まれない。だが1枚のカードに複数の選択肢があるというアイデアは、のちに初めて「2in1」カードが登場する下地となった。それが実現するには、7年もの歳月を要することになる。
『Unglued』
1998年に、『Unglued』がお披露目された。このセットは、当時通常のセットでは探検していなかったメカニズム領域を試すデザインだった。このとき試した領域の1つが、「印刷」である。もしアートやフレームの境界を自由に押し広げられるなら、それによって作れる新たなメカニズムはあるだろうか? その疑問に回答するために我々が行ったことの1つが、グラフィック・アーティストや印刷を担当する人々とのミーティングだった。彼らは、その時点でマジックが実現しておらず、技術的に可能なことを長いリストにしてくれた。そしてそのリストに挙げられていたアイデアの1つが、アートを2枚のカードにわたって拡張するというものだった。そこから私は《B.F.M.(Big Furry Monster)》のアイデアを思いついた。99/99の巨大なクリーチャーはカードが2枚必要なほどで、左側と右側に1枚ずつ用意された。このクリーチャーをプレイするためには、2枚とも手札になければならないのだ
《B.F.M.(Big Furry Monster)》は、市場調査にて『Unglued』で最高評価を受けたカード(の1つ)となった。そこで私は『Unglued 2』へ取り組む際に、このアイデアをもとに新しいことをしようと決めた。カードが2枚必要なほど大きなものが人気を集めたなら、2枚が1枚のカードに収まるほど小さなものはどうだろうか? 私はそのデザインを「分割カード」と名づけ、友好色で5枚のサイクルをデザインした。分割されたカードはいずれも、インスタントかソーサリーだった。それらは独自のコストを持つ「カード」であったため、それぞれにカード名をつけた。この5枚のサイクルが「2in1」カードの始まりであった。だが残念ながら『Unglued 2』は無期限の開発休止となり、これらの分割カードが印刷に至ることはないだろうと思われた。
『インベイジョン』ブロック
ときは2000年、『インベイジョン』のデザイン中のことだった。このセットとブロックは多色をテーマにしていた。私は『Unglued 2』で作った分割カードを心から気に入っていたため、それらの新たな居場所を探し求めていた。それらは友好2色が分割されたデザインであったため、『インベイジョン』にうまく収まるように感じられた。このセットのリード・デザイナーであるビル・ローズ/Bill Roseに分割カードを見せると、彼もそれらを気に入り、ファイルに入れた。私とビルとともに『インベイジョン』のデザインに取り組んでいたマイク・エリオット/Mike Elliottは分割カードを気に入らず、このセットから外すべきだと感じたが、ビルと私が大いに気に入ったため残ることになった。当時は『Unglued』を除いて、フレームまで見た目が異なるカードを収録したマジック製品はなかった、ということは特筆しておこう。分割カードが与えた衝撃の一部は、通常のカードとの見た目の違いにあったのだ。
当時すでにマジックに携わっていなかったリチャード・ガーフィールドを除くと、ウィザーズ社内で分割カードの斬新さを気に入り、ファンになった者はビルと私しかいなかった。最初のデベロップ会議では、このセットのデベロップ・リードであるヘンリー・スターン/Henry Sternが開口一番、「これらは取り除いていいかな?」と言った。デベロップにも参加していた私は「とにかく、まずはプレイしてからだ」と返した。マジックのブランド・チームも分割カードを取り除きたがっていた。マジックの開発担当が「Studio X」になる前の当時は、開発部とブランド・チームは完全に別の部署だった。それでもビルは、分割カードを残すよう説得に奔走した。
少しずつ分割カードをプレイする者が増えていき、それが非常に楽しいものだと気づく者が増えていった。他のレイアウトも検討していく中で、分割カードのレイアウトほど魅力的で直観的なものはなかった。そして『インベイジョン』が世に出ると、分割カードは大ヒットとなった。見た目の斬新さが大きなプラス要素となり、それぞれにカード名を持つ2つの呪文が1枚のカードに収まっているデザインは、新たなメカニズム領域としてエキサイティングなものに見えた。
こうして振り返ると興味深いことだが、「2in1」カードのアイデアは当初、斬新なものだと受け止められた。通常のマジックのカードと異なるという要素が、プレイヤーの心を躍らせたのだ。完全な後知恵にはなるが、これはもっと深いところを突いていると私は思う。マジックのカードの本質は、ゲーム・デザイナーが絵を描くキャンバスである。カードは1枚に収めなくてもよいというアイデアには何とも言えぬ説得力があり、さらに大きなことも実現できる。これから諸君も目にすることになるが、「2in1」は我々がここから何度も再訪し拡張していくテーマとなるのだ。
『インベイジョン』ブロックの第3セット『アポカリプス』では、対抗色をテーマにした(第1、第2セットは友好色に焦点を当てていた)。そこで我々は、『インベイジョン』と『プレーンシフト』で人気を集めたメカニズム要素の多くに再び取り組み、分割カードもその1つに取り挙げられた。《火 // 氷》は、「2in1」カードで初めて競技シーンで大きな存在感を見せたのだった。
『オデッセイ』ブロック
それから1年後の2001年に、『オデッセイ』が発売された。リチャード・ガーフィールドは他のゲームのデザインに忙しかったものの、ときどきマジックのデザイン・チームに加わるよう説得できることがあった(それはいつも私がデザイン・リードを務めているときだった)。『オデッセイ』のデザインで彼は、時間の経過で状態が変化するカードのアイデアを捏ねていた。最終的に着地したのは、墓地を変化のきっかけにすることだった。その理由は、墓地はゲームの開始時には空でリソースにならないが、ゲームが進むに連れて自然にカードが溜まっていくことにあった。また、墓地の状況はプレイに影響を与え、変化をもたらすものだったからだ。
「スレッショルド」は厳密に言えば「2in1」のメカニズムではないが、2つの異なるコンセプトを表現できるカードの価値に気づく大きな一歩であった。《クローサの獣》ははじめは小さなリスだが、魔力によって変身して強大なビーストとなる。それまでマジックは、カード・デザインを通して物語を伝えるということを試してこなかったのだ。とはいえスレッショルドがその仕事を最高の形で果たしたとは言えない。《クローサの獣》がはじめは小さなリスであることを示すヒントはクリーチャー・タイプに強く依存しており、プレイヤーの想像力に委ねられていた。実際に《クローサの獣》がはじめは小さなリスであることを理解したプレイヤーはほとんどおらず、我々は2つの状態をより創造的に伝える方法を探すことになった。そしてそれが、のちに「2in1」に数多くの革新をもたらすのである。
Unhinged
2004年の『Unhinged』でも、複数の分割カードで構成され、そのうち1枚はさらに分割されているという他にない分割カードが作られた。1枚のカードに各色1枚ずつの合計5枚のカードが入った。「2in1」スタイルのカードでカード名が3つ以上あるのは、これが初めてのことだった。
『神河物語』ブロック
2004年は『神河物語』のデベロップが行われている最中だった(このセットは私がデザイン・チームに所属せずデベロップ・チームに所属した珍しいセットの1つである)。当時チームは、このセットには目を引くものが少ないと判断していた。そこで私は、リチャード・ガーフィールドと私が意見を交わしていたあるアイデアを提案した。それが2枚のカードを1枚に収めるというものだった。興味深いことに、このアイデアについてのリチャードとの話は、「スレッショルド」がなぜ2つの状態をうまく表現できなかったのかというところから始まっていた。
当時、分割カードは常にインスタントとソーサリーだった。リチャードと私は、2つの状態を持つパーマネントのアイデアをブレインストーミングし続けていた。我々が思いついたのは、カードの向きを180度回すことで2枚目のカードになるというアイデアだった。テキスト欄は小さくなるものの、カード名やルール・テキスト、それからパワーとタフネスも持っていた。アートの部分には、異なる方を向いた2つのアートが絡み合うように描かれた。我々はこれを「反転カード」と呼んだ。2つのカード名と2つのアートで、そのクリーチャーが変身することを表現したのだ。
『神河物語』では、単色の反転カード・サイクルが2つ作られた。1つはアンコモン、もう1つはレアだ。これら10種類はすべて、クリーチャーが別のクリーチャーに変身するものだった。
『神河謀反』では、もう1つアンコモンの単色の反転カード・サイクルが作られた。同じくクリーチャーが別のクリーチャーに変身するデザインで、今回はスピリットでないものがスピリットに変身していた。
反転カードは斬新で当時のプレイヤーを惹きつけたが、問題もいくつかあった。特に大きいのは、実用性の部分である。主に攻撃時になるが、カードを横向きにするとどちらの側なのか判別するのが不可能だったのだ。カードを右に回すプレイヤーがいれば左に回すプレイヤーもいるため、タップ状態の反転クリーチャーはどちらの側を見ればいいか、明確な方法がなかった。もう1つの大きな問題は、カードの見た目が良いとは言えなかった点だ。アートの部分がすっきりしていなかった。
2005年、『神河物語』ブロック最終セット『神河救済』では、反転カードに微調整を加えてレアの単色のサイクルを作った。これは、はじめがクリーチャーでエンチャントに反転するデザインであり、「2in1」カードで初めてクリーチャー以外のパーマネントが使われた例となった。しかし他の2セットで抱えていた反転カードの問題はそのままだった。
『ディセンション』
2006年には、初代『ラヴニカ』ブロックの第3セット『ディセンション』で分割カードが帰ってきた。このブロックでは各セットに焦点を当てるギルドが設定されており、『ディセンション』のデザイン・チームはこのセットで取り挙げられない7つのギルドにもいくつかの呪文を用意する新しい方法を探していた。彼らが導き出した回答は10種類の分割カードのサイクルで、1色を共有する2色のカード2枚が収められていた。ここで初めて、多色カード2枚で構成された「2in1」カードが登場したのだった。
『次元の混乱』
2007年、『時のらせん』ブロック第2セットの『次元の混乱』にて、単色の分割カードが初めて登場した。コモン、アンコモン、レアに1枚ずつ用意され、赤の垂直サイクルを構成していた。『次元の混乱』が「別の世界」をテーマにしているため、メカニズム面のカラー・パイは異なる形で扱われた。その中で赤の混沌を表現するため、赤だけの分割カードになったのだった。
『イニストラード』と『闇の隆盛』
2011年の『イニストラード』にて、2つ目の「2in1」パーマネントが登場した。我々は狼男を表現するメカニズムをこの新たなセットの最大の目玉とし、それを最高の形で実現するべく挑戦していた。そのためには、人間が狼男に変身するアイデアをしっかり捉えなければならなかった。そして我々のブレインストーミングから生まれたアイデアの1つが、我々が日本市場向けに作った別のトレーディングカードゲーム「デュエル・マスターズ」ですでにやっていたことだった。
「デュエル・マスターズ」には、表と裏の両面に1枚ずつカードを印刷した「両面カード」があった。それなら片方の面が人間で、もう片方の面が狼男である両面カードはどうだろうか? そして、それらは特定の条件で切り替わるのだ。「デュエル・マスターズ」の両面カードはデッキに入れるのではなく別の領域に置かれ、他のカードを使うことで両面カードをゲームに加えることができた。マジックの両面カードは、当初のアイデアではデッキに入れる用の片面カードを用意して、それを唱えたときにゲームの外部から両面カードを持ってくるという形だった。両面カードは、特定の方法で使えるトークンのようなものだったのだ。
このバージョンを機能させるには、両面カードとそれを持ってくる手段である片面カードを一緒にブースターパックに封入する必要があった。しかし提携する印刷業者には対応できないというところがあり、できると思うと答えた業者も確約はできなかった。他の方法を検討する中で、我々はある市場調査の結果を見つけた。その市場調査によれば、構築フォーマットのゲームの95%がスリーブを用いて行われており、用いられるスリーブはほぼすべて裏面が不透明なものであるとのことだった。それなら、両面印刷のバージョンはどうだろうか? それから我々は、セット内の両面カードが一覧で記載されている「チェックリスト・カード」のアイデアも思いついた。不透明スリーブを使わない場合は、デッキ構築の際に使用するカードにチェックを入れて示すのだ。
両面カードを印刷するには独自のシートが必要だったため、我々は最終的に各ブースターに1枠専用スロットを設けた。これにより『イニストラード』の両面カードの開封比は1となり、各パックから1枚だけ出現することになった。両面カード用の印刷シートは20枚切りで、そこへ4つのレアリティすべてが収められた。両面カード用のシートは独立しているため、両面カードの枠からレアや神話レアのカードが出現しても、片面カードのレアや神話レアも出現した。デザインしていた当時は「両側カード/double-sided cards」と呼んでいたが、編集から表側と裏側はどのカードにもあると指摘された。両面カードには第1面と第2面の2つのオモテ面があるため、正式名称を「両面カード(DFC)」へと変更したのだった。この名称は「モードを持つ両面カード(MDFC)」が登場するまで使われ、MDFCの登場後は過去に遡って「変身する両面カード(TDFC)」と呼ばれるようになった。
両面カードは、反転カードが抱えていた問題の多くを解決した。カードの状態はオモテになっている面で示すことができ、今どちらの側なのかがわかりやすかった。またアートも個別に2つ用意でき、よりすっきりさせながらもクリエイティブ面にインパクトを与えることができた。アートを2枚使うことで、2部構成の物語を伝えられることを我々は発見した。これはアート面に新たな風を吹かせた。ほとんどのマジックのカードにはアートが1つしかなく、変化を表現しようとすると難しいことが多かったのだ。
とはいえ両面カードに問題がないわけではない。スリーブやチェックリスト・カードの使用が要求されるため、スリーブに入ったカードを裏返したりデッキの外部からカードを持ってきたりと運用上の煩雑さがある。また手札からは容易に伺えない情報が詰まっているため、対戦相手に手の内を知られたくない場合は問題だろう。ビジネス面で見ても、両面カードは生産するのに多くのことが要求される。
我々は両面カードを、「PAX West」でのパーティーの場でお披露目した。舞台上のカーテンを開くとその先には、《忍び寄る吸血鬼》の巨大なカードが現れた。そしてドラマティックな音楽とともに巨大なカードは裏返り、《金切り声のコウモリ》が姿を見せた。控えめな拍手が起こったが、我々が2つのオモテ面を持つ1枚のカードを公開したのだとは誰も理解していないようだった。単に、1枚目のカードを公開した後に別の2枚目のカードを見せたのだと考えたのだ。どちらのカードにも「変身させる」と書いてある。一体どういう意味だろうか?
私は《金切り声のコウモリ // 忍び寄る吸血鬼》の実物を手に、レポーターたちへ説明して回った。それぞれの面に別のカードが印刷されているのを実際に見せてようやく、我々がやったことを理解してもらえたが、それでも理解できなかった者もいた。カードの裏面がなく代わりに2つ目のオモテ面があるというアイデアに馴染みがなく、実際に目にしても我々のやったことの証明には不十分だったのである。
『イニストラード』は大々的に宣伝され、両面カードはすぐさま話題になった。少数派ながらそれを嫌う者もいた。マジックの破ってはならないルールを破ったと感じた者がいれば、先ほど述べた運用上の煩雑さが気に入らない者もいた。しかし大多数は、両面カードをエキサイティングな革新であると感じた。両面カードはこのセットで最高評価を受けたメカニズムであり、マジックの歴史上でも最上位クラスのメカニズムである。
『イニストラード』に続く小型セット『闇の隆盛』には、13種類の両面カードが収録された。それらにも独自の印刷シートが用意され、各ブースターパックに1枚封入された。『イニストラード』の両面カードは両面ともクリーチャーだった(神話レアに両面ともプレインズウォーカーであるものが1枚あった)が、『闇の隆盛』では第1面がアーティファクトである両面カードが2枚登場し、1枚は第2面もクリーチャーでなかったのが革新的だった。
『イニストラード』ブロック第3セット『アヴァシンの帰還』は大部分が新規メカニズムで、両面カードは使わないことにした。その背景には、両面カードを好まないプレイヤーがいたことと、ウィザーズ社員の中にも反対派がいて大失敗することを心配していたということがある。最初の2セットに留めることが、社内の承認を得るための譲歩案だったのだ。『アヴァシンの帰還』に寄せられた最大の不満は、両面カードがないことだった。
『ドラゴンの迷路』
2013年のラヴニカへの2度目の旅の中で、『ドラゴンの迷路』にて再び分割カードを取り扱った。今度は「融合」と呼ばれる新規メカニズムを導入した。融合すると、分割されたカードを両方とも唱えられるのだ。このセットでは、友好2色と対抗2色、そして多色の3つのサイクルが作られ、10通りの2色の組み合わせすべてを網羅した。融合は、変身する両面カードが「2in1」カードの両方の要素を使えることにプレイヤーが心躍らせているのを受けて生まれたメカニズムだった。
『マジック・オリジン』
2015年には『マジック・オリジン』と呼ばれる基本セットが発売され、そこではゲートウォッチの初期メンバーであるギデオンとジェイス、リリアナ、チャンドラ、ニッサのオリジン・ストーリーに注目した。物語では各キャラクターのプレインズウォーカーの灯が初めて点ったとき(初めてプレインズウォークの力を得たとき)のことが描かれたため、我々はプレインズウォーカーに変身する神話レアの伝説のクリーチャーのサイクルを5枚作成した。これらは伝説のクリーチャーの面が自身を追放し、変身した状態で戻ってくるという少々異なる挙動だった。「変身するプレインズウォーカー」は大人気を博した。
「変身するプレインズウォーカー」は、『マジック・オリジン』のリード・デザイナーであるショーン・メイン/Shawn Mainがプレインズウォーカーの灯の覚醒を1枚のカードで表現する方法を探る中で生まれた。彼は伝説のクリーチャーとして描かれたキャラクターが、その後プレインズウォーカーになる姿を実現したかった。2段階に分けて見せることが鍵になると感じていたのだ。そこで私は彼に、何でもできるとしたらどうしたいかを尋ねた。ショーンはそれらのプレインズウォーカーを両面カードで作りたいと答えた。我々はそうすることにしたのだ。
「変身するプレインズウォーカー」は、デザイナーが物語を2段階で表現するというアイデアを実現できるようになった転換点であると私は見ている。両面カードは他の「2in1」カードと同じく1つのツールである。カードが2枚必要なアイデアを、1枚のカードで実現できる。プレイヤーたちが「2in1」カードを気に入っているように見受けられたことに、我々は大いに励まされた。
2つほしい
今回の物語をまだ語り終えていないが、本日はここまでとしよう。いつもの通り、本日の記事や「2in1」カード全般に関する意見を、メール、各ソーシャルメディア(X、Tumblr、Instagram、TikTok)で聞かせてくれたまえ。
それではまた次回、「2in1」カードの歴史を語る記事のその2でお会いしよう。
その日まで、あなたのカードが多くのクールなことをしますように。
(Tr. Tetsuya Yabuki)
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