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Making Magic -マジック開発秘話-
『ブルームバロウ』展望デザイン提出文書 その2
2024年7月29日
先週、『Rugby』で展望デザイン・チームのリードを務めたダグ・ベイヤー/Doug Beyerによる展望デザイン提出文書の公開を始めた。非常に長い文書なので、本日と来週にかけてデザインの物語を続けることにしよう。
他の展望デザイン提出文書の記事同様、これからお見せする内容のほとんどは実際の文書である。解説や文脈を添える私の注釈は、文章の下の枠の中に記している。
同朋/Fellowship
この新たなメカニズムについて語る前に、我々が解決しようと取り組んだ問題について少しだけ語らせてほしい。タイプ的テーマが初めて大きく取り挙げられたのは、『オンスロート』が最初だった。当時のクリーチャー・タイプは大部分が単色で、2色のものはごくわずかだった。リミテッドのデッキはタイプ的テーマを持っていたが、それを1色のみでプレイするのは困難だった。
『ローウィン』では主に登場するクリーチャー・タイプすべてを、少なくとも2色以上に用意することでこの色の問題を正した。また、タイプ的カードの開封比も調整した。その結果、ドラフト環境は直線的なものになった。クリーチャー・タイプを選ぶと、プレイする色も決まったのだ。同じく色の問題に取り組む「多相」も導入したが、ドラフトが「既定路線」になってしまう問題を食い止めるには不十分だった。
『イニストラード』では、人間とさまざまな怪物のクリーチャー・タイプが軽いタイプ的テーマとなっていた。ここではさまざまなクリーチャー・タイプはタイプ的カードではなく、似たような戦略で結びついていたのだが、結びつくカードの数が少なかった。高いレアリティに用意されたタイプ的テーマは、構築フォーマットでタイプ的デッキを成立させた。
次にタイプ的テーマが大きく取り挙げられたのは、『イクサラン』でのことだった。我々は「多相」を使わず、4種類の主要なクリーチャー・タイプをカードの上で同居させなかった。他にも要因はあったものの、『イクサラン』のメカニズムは全体的に不評だった。
『ブルームバロウ』で立てた最初の目標は、『イニストラード』ではなく『ローウィン』や『イクサラン』のタイプ的テーマに近づけつつも、それらのブロックが抱える問題を解消することだった。そういうわけで、メカニズムを見ていこう。
『Rugby』では、マジックの過去のタイプ的セットから多くを学んでいる。『Rugby』では『ローウィン』と同様に、同じリミテッドのデッキでもさまざまなクリーチャー・タイプの組み合わせを楽しめるようにする。そのために『ローウィン』が用意した回答は「多相」だった。そして『Rugby』での回答が「同朋」である。
「同朋」は、そのゲームが終了するまで続く見えないリストにクリーチャー・タイプを追加できる能力である。同朋のリストに追加されたクリーチャー・タイプは、タイプ的効果を持つクリーチャーの恩恵を受けることができる。
「同朋」の特にわかりやすい例は以下の通り。
「同朋」は個別のクリーチャー・タイプを参照する個別のカードではなく、特定のクリーチャー・タイプを「同朋」と呼ぶリストに加える。つまり〈勇敢なハツカネズミ〉は、それ単体では「ハツカネズミである攻撃クリーチャーは+1/+0の修整を受ける。」と非常に似た挙動となる。大きな違いは、続けて〈カワウソの戦闘魔道士〉をプレイすると、それら両方がハツカネズミとカワウソを強化するようになることだ。
「同朋」のリストに加えられたクリーチャー・タイプは残りのゲームの間リストに残り続けるため、〈勇敢なハツカネズミ〉を対処しても〈カワウソの戦闘魔道士〉はハツカネズミを強化し続ける。同朋を持つカードの大半は、10種類の動物のアーキタイプのものだった。
〈勇敢なハツカネズミ〉(コモン)
{1}{W}
クリーチャー — ハツカネズミ・兵士
同朋(ハツカネズミ)(ハツカネズミのクリーチャー・タイプがあなたの同朋に加わる)
同朋である攻撃クリーチャーは+1/+0の修整を受ける。
2/1
〈カワウソの戦闘魔道士〉(コモン)
{3}{R}
クリーチャー — カワウソ・ウィザード
同朋(カワウソ)(カワウソのクリーチャー・タイプがあなたの同朋に加わる)
あなたがクリーチャーでない呪文1つを唱えるたび、ターン終了時まで、あなたがコントロールしている同朋であるクリーチャーは+1/+1の修整を受ける。
3/3
〈兎の農家〉(アンコモン)
{2}{G}
クリーチャー — 兎・レインジャー
同朋(兎)(兎のクリーチャー・タイプがあなたの同朋に加わる)
[カード名]や他の同朋であるクリーチャーがあなたのコントロール下で戦場に出るたび、食物トークン1つを生成する。
2/2
マジックのデザインには数字が大いに関わる。10通りの2色のアーキタイプには10種類の動物が必要だ。それぞれのクリーチャー・タイプ単体でドラフトが成立するだけの数を用意できるほど、このセットのスペースはなかった。例えばコウモリだけのドラフト・デッキをプレイしたいなら、16枚前後のコウモリを集める必要がある。それを実現させるには、コウモリの開封比を上げなければならない。つまりコウモリ・デッキにも、コウモリでないものがいくらか入るということだ。我々はこの問題を「同朋」で解決しようと試みた。同朋にはまた、同朋デッキも成立させられるクールな側面があった。特定の動物のクリーチャー・タイプよりも同朋持ちを優先してピックする戦略も可能なのだ。
「同朋」の重要性。「同朋」はこのセットの屋台骨であり、リミテッドをまとめる接着剤である。『Rugby』では、単にリスをひたすらに集めたものをデッキとは呼ばない。このセットには10種類の主要なタイプと他にいくつもの動物のタイプがあり、単一の動物のタイプでデッキを組めるほど特定の動物の開封比が高くない。同朋は、このセットに数多くのタイプを入れるためのツールであり、リミテッドのデッキを楽しくまとめられる手段なのである。これによりプレイヤーは、さまざまな動物を賢く織り交ぜて、恩恵を得ることができる。
展望デザイン提出文書では、メカニズムがどのように使われ得るかがよく説明される。セット・デザインがすべてを採用するわけではないものの、彼らに可能性を見せている。
「同朋」の活用方法。デザインの面で見れば、同朋は非常に柔軟性に優れている。それはあらゆるクリーチャー・タイプに関する能力に活用できる。
一例は以下の通り:
- あなたがコントロールしている同朋であるクリーチャーは[能力]を持つ。
- あなたがコントロールしている同朋であるクリーチャーを対象とする。ターン終了時まで、それは[利点]を得る。
- 同朋であるクリーチャー1体があなたのコントロール下で戦場に出るたび、[誘発型能力]。
- 同朋であるクリーチャー・カード1枚がいずこかからあなたの墓地に置かれるたび、[誘発型能力]。
- 他のあなたがコントロールしている同朋であるクリーチャー1体をタップする:[効果]
- あなたが同朋であるクリーチャーを3体以上コントロールしているかぎり、[効果]
- 同朋であるクリーチャー・カード1枚を捨てる:[効果]
これはデザインにおいてよくある問題だ。メカニズムが意図を持っているなら、それに関わるカードはその意図に沿って使われるべきである。我々は何らかの形で「同朋」に関わらないかぎり、同朋にカードを加えなかった(とはいえ諸君もご存知の通り、ルールには例外というものがある)。
そのクリーチャー自身よりも「同朋」を大事にすること。同朋をクリーチャーに持たせる場合、私たちは同朋の存在を大事にしようとしている。同朋を持つクリーチャーは、他の同朋であるクリーチャーに効果がある能力を持たせるべきなのだ。
誤:
同朋(ハツカネズミ)
[カード名]が攻撃するたび、ターン終了時まで、それは+1/+1の修整を受ける。
正:同朋(ハツカネズミ)
[カード名]が攻撃するたび、あなたがコントロールしている同朋であるクリーチャー1体を対象とする。それは+1/+1の修整を受ける。
我々はさまざまなカード・タイプを通してメカニズムの柔軟性を示そうと思っている。クリーチャーと同様に、「同朋」に関わるスペルにもメカニズム的に同朋を参照するものであることを我々は望んだ。
スペルにおける「同朋」。クリーチャー以外にも同朋をいくつか用意した。低レアリティのスペルには、同朋を補助するものがある。
〈精神かじり〉(コモン)
{2}{B}
ソーサリー
対戦相手1人を対象とする。そのプレイヤーはカード2枚を捨てる。その後、あなたがネズミをコントロールしているかネズミがあなたの同朋であるなら、そのプレイヤーは2点のライフを失う。
我々は常に、2色土地をそのセットのテーマに組み込めるかどうかを考えるようにしている。「同朋」は今回のデザインの核心であったため、我々は同朋の2色土地に挑戦した。はじめの方のバージョンでは戦場に出たときの効果でそのクリーチャー・タイプを同朋に加えていたが、それは強すぎると思われたため、タップ能力に変更した。同朋に加えるためには、マナを1ターン我慢しなければならないのだ。文書でも触れられている通り、このデザインは強すぎると我々は考えた。代案を並べているのは、セット・デザイン・チームがアイデアを生み出せるよう刺激するためだ。もしかしたら、このデザインがうまくいく線もあったかもしれない。
土地における「同朋」。同朋の開封比を高い値で維持するために有用なのが、土地に同朋を持たせることである。以下に示すコモンの「すみか」土地は、ゲームを安定して円滑に進める助けになる。
〈アライグマのすみか〉(コモン)
土地
[カード名]はタップ状態で戦場に出る。
{T}:{R}か{G}を加える
{T}:アライグマのタイプがあなたの同朋に加わる。
これらのコモンの2色土地ははじめ、戦場に出たときにそのクリーチャー・タイプをあなたの「同朋」に加えるものだった。しかしそれでは同朋に加えるのが簡単すぎた。一度同朋に加えた後は意味のないタップ能力がある、というのは違和感を覚えるため、別のデザインも検討した。《氾濫原》のように自身を生け贄に捧げたり、効果の一部としてそのタイプをあなたの同朋に加えたりする方が良いかもしれない。そうすれば、アライグマがあなたの同朋に加わった後に余分なタップ能力となる違和感を減らせるだろう。
タイプを選んで同朋に加えられることで、2つの重要なことを達成できた。1つはカードをより構築フォーマットに合うものにでき、後方互換性を確保できること。もう1つはこのセットにカメオ出演するクリーチャーをときおり同朋に加えられることだ。
同朋を選ぶ。ファイルには、動物のタイプを選んでそれをあなたの同朋に加える効果を持つカードがある。私たちはこの手のことを低レアリティで行うのを好んでいる。10種類の主要な動物のタイプとは異なる「蛇」や「ハリネズミ」を選ぶ戦略もあるだろう。
〈同朋の石〉(コモン)
{3}
アーティファクト
[カード名]が戦場に出たとき、あなたが選んだ動物のタイプ1つがあなたの同朋に加わる。
{T}:好きな色1色のマナ1点を加える。
〈動物の団結〉(レア)
{1}{W}
エンチャント
[カード名]が戦場に出たとき、動物のタイプ1つを選び、それをあなたの同朋に加える。
あなたがコントロールしている同朋であるクリーチャーは+1/+1の修整を受ける。
クリーチャー・タイプをプレイヤーが選ぶ形にするときは常に、動物から選ぶよう制限をかけた。フレイバーのためというのも1つの理由だが、特に大きいのはウィザードや戦士といった職業のタイプを選ばせないようにするためだった。今回のプレイ体験は、動物に焦点を当てたものにしたかったのだ。展望デザイン・チームは「同朋」に大いに心躍らせ、将来的に他のクリーチャー・タイプも同朋に加わっていくというアイデアを気に入った。同朋はよりカード・プールの広いフォーマットにおいて楽しいテーマに思えた。ちょうど「動員」が他のセットで使われるようになり、さまざまなクリーチャー・タイプの「軍団」を築けるようになったのと同じように。
『Rugby』では動物のタイプのみ重視される。『Rugby』では、動物のタイプのみが同朋に使われる。テーマ性のため、ルール上で機能するとしても同朋では職業のタイプや動物でないタイプは取り挙げない。動物以外のタイプを選べるカードはファイルに入っていない。リミテッドにおいて「戦士」などを指定し、動物のテーマから離れることは望ましくないと考える。
とはいえ、「同朋」には他の舞台においてもタイプ的ゲームプレイを扱うツールとしての可能性があると私たちは心から思っている。将来のセットで「同朋(エルフ)」や「同朋(戦士)」、「同朋(ロボット)」が登場する姿を想像でき、それらはこのセットにおけるハツカネズミやトカゲの同朋と組み合わせることができるだろう。
どんなメカニズムにも言えることだが、解決すべきルール上の課題は多くある。展望デザインがそれらを解決することはあまりないが、我々としては、我々のテストにおいて一番良かった形を提出するというスタンスを取っている。
ルールに関する質問:「同朋」が効果を発揮するのはいつか? 私たちは同朋をもつ呪文が解決されたときではなく、唱えたときに「スイッチが入る」ものとしてプレイしていた。それなら〈兎の農家〉が打ち消されても兎が同朋に加わる。しかしながら、これは適切な挙動ではないかもしれない。この文書を書いている時点で、ルールのテンプレートは確定していない。
では、なぜ「同朋」は印刷に至らなかったのか? 簡潔に答えるなら、セット・デザイン・チームが必要性を感じなかったからだった。時が経つにつれて、開発部はタイプ的テーマのセットを作るなら『ローウィン』のやり方ではなく『イニストラード』のやり方が良いと認識するようになったのだと、私は考えている。特定のグループのカードをドラフトする場合、プレイヤーはそれらを集めてまとめ上げたいと考えるだろう。しかしそうするために、メカニズム面の関連性を持たせることは必須ではない。構築フォーマットではより直接的で強力なタイプ的カードが求められるが、そういうカードはレアリティが高くなりがちで、リミテッド・フォーマットへの影響は少なくなるのである。
もう1つの大きな理由は、このメカニズムの管理が複雑なことだった。「同朋」に含まれているものを記録し覚えておく必要があり、しかも自分だけでなく互いの同朋を管理する必要があるのだ。展望デザインでよくあることなのだが、我々はメカニズムをプレイしながら調整するため、それに慣れていく。これが、セットを複数の目で見たい理由の1つである。セット・デザインは、展望デザインが見落とした複雑さを見抜くことができたのだ。
「同朋」はこのセットに必須ではなく、複雑さを加えるものだったため、取り除かれた。セット・デザインは、こういった決断を下さなければならないのである。
「同朋」の将来性。同朋には今後のタイプ的セットで使えるツールとしての可能性があるのではないかと私たちは考えている。そのため、このセットにおける同朋のテンプレートや用途を考える際に、『Rugby』以降のセットでも使用されることを想定して取り組むべきだろう。以下に一例を示す。
誤:
あなたがコントロールしている同朋である動物は、威迫を持つ。
(これでは「同朋(ロボット)」などで機能しない。)
正:あなたがコントロールしている同朋であるクリーチャーは、威迫を持つ。
(「同朋(ロボット)」でも「同朋(エルフ)」でも機能し、将来に向けての夢が広がる。)
新生/Offspring
ここまで、2色の色の組み合わせを除いてすべてがこのセットから取り除かれていた。ここからは、最後まで残ったメカニズムの話をしよう。
『Rugby』は多くのクリーチャーを唱え、それらに能力を与えるセットにしたい。そして動物の魅力を表現するセットであってほしい。「新生」はその両方を実現するメカニズムである。
「新生」はクリーチャーが持つ代替コストである。代替コストを支払うと、そのクリーチャーに加えて、1/1でそのコピーであるトークンを生成する。
先行デザインの初期に我々がよく行う手法が、取り組んでいるテーマと結びつくものを思いつく限り書き出していく、というものである。『ブルームバロウ』では動物がテーマであり、そのテーマと結びつくもののリストの上の方には「可愛い動物の赤ちゃん」があった。「新生」のアイデアは、『破滅の刻』の「永遠」メカニズムに影響を受けたものであると私は考えている。永遠自体も、『アモンケット』の「不朽」(あなたの墓地にあるクリーチャーが起動でき、それのコピーである白のゾンビ・トークンを生成するメカニズム)を調整したものだった。
永遠もコピーであるトークンを生成するのだが、そのパワーとタフネスは4/4に設定されており、コピーの方がオリジナルより強力であることもしばしばあった。ではそこを変えるというのはどうだろうか? 4/4ではなく1/1のコピーを生成するのは? それは、幼い動物というフレイバーを捉えた。親に似ているが、親ほど強くないのだ。我々は親子が一緒に出てくるという動きが気に入ったため、それをコストにも結びつけた。我々が求めたイメージは、親の後ろに子がついてくる光景だった。
「新生」の役割。新生は、可愛い動物の親子を表現する手段として先行デザインで生まれたメカニズムである。つまりはじめはフレイバーから生まれたのだが、プレイ感も非常に良かったため、最初からファイルに残り続けた。新生はこのセットにマナの使い道をもたらし、面白いデザインの余地を作り出す。
展望デザイン提出文書では通常、セット・デザインにさまざまなカードのデザインを見せてそのメカニズムがどのようなカードになるのか感じられるようにしている。今回もダグが、非常にシンプルなコモンから人目を引くレアまで、このメカニズムの奥深くまで見せている。
〈カワウソの新生子〉は最終的に《光輝の魔道士》として世に出た。赤の4マナ3/3から赤の2マナ2/2に変更され、新生コストは不特定マナのものになった。新生コストが不特定マナに変更されたのはセット・デザインの仕事で、すべての新生カードがそうなっている。
「新生」はシンプルなキーワードに使われる。
〈リスの新生子〉(コモン)
{1}{B}
クリーチャー — リス
新生{3}{B}
絆魂
2/1
また、誘発型能力を持つものもある。
〈カワウソの新生子〉(コモン)
{3}{R}
クリーチャー — カワウソ・ウィザード
新生{5}{R}
あなたがクリーチャーでない呪文を唱えるたび、[カード名]は各対戦相手に1点のダメージを与える。
3/3
このメカニズムは、強力な戦場に出たときの効果でも機能する。
〈放逐するハツカネズミ〉(レア)
{3}{W}
クリーチャー — ハツカネズミ・クレリック
新生{6}{W}
[カード名]が戦場に出たとき、あなたがコントロールしていないクリーチャー1体を対象とし、[カード名]が戦場を離れるまでそれを追放する。
2/2
展望デザインが把握しようとしていることの1つは、そのデザインがその後の流れにどのような影響を与えるかである。今回もダグが、新生トークンのアート面に関する懸念事項を伝えている。
「新生」のトークンについて予想されること。新生は「不朽」と同じく特定のトークンを生成する。そのためまさに不朽と同様に、セットに収録されるすべての新生クリーチャーにトークン・カードを用意する必要があると予想される。これによりアート面の負担や制限が生まれると思われるが、それらのトークンは可愛らしく、プレイヤーに楽しんでもらえると私たちは考えている。
二人組/Duo
10種類のクリーチャー・タイプを扱うタイプ的セットを制作する上で最も困難なことの1つは、枠の問題が立ちはだかることである。カードの収録枠数には限りがある。「二人組」は『ローウィン』で考えついたものだったが、当時は途中で取り除かれた。私が展望デザイン・チームに所属することを好む理由の1つは、こういったメカニズムを再利用できるからなのである。
「二人組」は、異なる2つの動物のタイプを持つクリーチャー・カードである。例えば「ハツカネズミ・アライグマ」のサブタイプを持つクリーチャーは、二人組ということになる。フレイバー面では、2種類のアニマルフォークが友達であることを表現している(アートにも2体の動物が何らかの形で協力している場面が描かれると思われる)。
メカニズム面では、「二人組」は10種類の主要なクリーチャー・タイプの開封比を上げる助けになり、リミテッドにおいて狙った動物のタイプを十分に確保できるようになる。二人組のデザインは、二人組になっている両方の動物のリミテッド・アーキタイプにおいて機能するよう試みた。
「二人組」は特に、クリーチャーの枠が非常に限られている青と赤において重要なものになるだろう。「三人組」にする必要はないと私たちは見ている。
〈狡猾な二人組〉
{1}{U}
クリーチャー — カワウソ・ネズミ
[カード名]が攻撃するたび、このターン、次にあなたが唱えるクリーチャーでない呪文のコストは{1}少なくなる。
1/3
本日はここで時間切れだ。『ブルームバロウ』展望デザイン提出文書の「その2」を楽しんでもらえたなら幸いである。いつもの通り、この記事や「同朋」、その他『ブルームバロウ』に関する意見を、メール、各ソーシャルメディア(X(旧Twitter)、Tumblr、Instagram、TikTok)で(英語で)聞かせてくれたまえ。
それではまた次回、その3でお会いしよう。
その日まで、あなただけの動物のグループを集められますように。
(Tr. Tetsuya Yabuki)
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