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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

とことん!スタンダー道!シィコの導き、ジェスカイ・ドラゴン(スタンダード)

岩SHOW

ドラゴンストォォォォォムッッ!

 スタンダードをとことん楽しむ人にデッキ情報を共有、皆で熱く盛り上がりながらスタンダードという道を駆け上っていく、そんなコラムがこのとことん!スタンダー道!今週も気合いに満ちたデッキ紹介をお届けしよう……なぜなら、なぁぜならぁ!『タルキール:龍嵐録』のリリース後のデッキをようやくお届けできるからだ!締め切りなどの関係で一週間ほどズレてしまうのだが、可能な限り最新の情報をお届けできるように心がけてやらせてもらっているよ。

 今回はなんたってファンの多いタルキール、最強の生物ドラゴン!そんなインパクトのある題材を扱ったセットだ。期待も自然と天まで上昇してしまうというものだよ。新カードは色々あるが、やっぱりなんだかんだいってもドラゴン!今回のドラゴンは大きく2つに分かれ、タルキールのみならず多元宇宙に災害をもたらす大嵐が由来の野生のドラゴン、そして各氏族が再び隆盛するための儀式により誕生した精霊龍とそれに連なる氏族のドラゴン……この龍たちが激突する戦いを描いたセットになっているというわけだ。

 

 精霊龍たちは他のドラゴンとはビジュアル面でも大きく異なり、プレイヤーの興味をそそるものになっているね。《道の体現者、シィコ》は羽毛とくちばしを持ち、かなり鳥類に寄せたビジュアルにデザインされている。ただその翼は異常なまでに細く長くたなびく短冊のようになっており、眼球や手足も青白く光を放ち、これぞまさに精霊龍としか表現できないルックスが印象に残る。精霊龍であるシィコは道を極めんとする僧侶らからなるジェスカイ(青赤白)氏族のあり方を体現する存在だ。

 飛行・警戒と戦闘面でも頼りになる上に、墓地から3マナ以下のカードを追放してそれをコピー、そのまま唱えられるというアドバンテージを提供してくれる。このコピーする呪文はインスタントやソーサリーはもちろん、クリーチャーやエンチャントなどのパーマネントでもOKなのがこれまでのこの手の墓地利用カードと一線を画すポイント。5マナで実質的に8マナ分の働きを見せるこの精霊龍、スタンという道を究めたい我々を導いてくれる存在となるのか!?

SPyromancer - 「ジェスカイ・ドラゴン」
Magic Online Standard League 5-0 / スタンダード (2025年4月9日)[MO] [ARENA]
4 《フラッドファームの境界
4 《リバーパイアーの境界
4 《サンビロウの境界
2 《行き届いた書庫
2 《轟音の滝
1 《優雅な談話室
1 《コーリ山の僧院
3 《寓話の小道
2 《平地
2 《
1 《
-土地(26)-

3 《跳ねる春、ベーザ
4 《道の体現者、シィコ
4 《マラング川の執政
-クリーチャー(11)-
4 《失せろ
3 《稲妻のらせん
3 《払拭の吐息
3 《審判の日
4 《食糧補充
4 《三歩先
1 《ジェスカイの啓示
1 《三匹の盲目ネズミ
-呪文(23)-
1 《稲妻のらせん
1 《別行動
2 《否認
3 《ティシャーナの潮縛り
3 《クチルの側衛
2 《萎れ葉のしもべ
1 《跳ねる春、ベーザ
2 《完成化した精神、ジェイス
-サイドボード(15)-
Magic Online より引用)

 

 

 というわけで期待の1枚《道の体現者、シィコ》をフル投入した環境最初期の「ジェスカイ・ドラゴン」を見てみよう!ベースとなるのは同色のコントロールデッキで、《審判の日》《三歩先》などゲームをスローな展開に持っていく伝統的な白青のコントロール呪文にライフを保つための除去である《稲妻のらせん》を足した構成。そこにシィコら新ドラゴンを加えて勝ち手段としたデッキである。スタンダードのみならずオールフォーマットで質量共に良しのアドバンテージ源《食糧補充》がこの手のコントロールの地位を底上げし、そしてこれからはそれをシィコでおかわりすることで尽きない手札で勝負することが可能となった。

 各種除去を拾っても良いが、そういった3マナ以下の呪文の中に《三匹の盲目ネズミ》を仕込んでいるのがマニア度高し。この英雄譚はトークンをコピーすることができる。盲目ネズミ自身がトークンであれば自分をコピーして増えてまたそれがコピーして……とエンドレス状態に。このコンボは以前から一部のマニアにこそこそ使われていたものだが、シィコという簡単に英雄譚のトークンを用意できるカードが登場したことで、表舞台でスポットライトを浴びるようになるだろうか?

 

 ドラゴンデッキということで新ドラゴンからもう1体《マラング川の執政》も採用されている。本体がデカくてパーマネントを2つバウンスできるというのも魅力的ではあるが、それ以上に前兆呪文であるところが素晴らしい。カードを3枚引いて1枚捨てる、《ふるい分け》を思い出すドロー呪文ではあるがこれはインスタントなので隙なく唱えられる点が拍手もの。重いフィニッシャーというものはゲーム序盤・中盤で引いてくると手札のお荷物になりがちだが、この執政は前兆で唱えてドローとして役立てることができ、さらにそれはライブラリーに戻るので後々また引いて今度はドラゴンとして繰り出させることが可能という柔軟さが嬉しいカードだね。

 そしてドラゴンが8枚体制なので《払拭の吐息》も併用されている。ドラゴンをコントロールしているか手札のドラゴンを見せることでドラゴンの後見を受け、そうであれば{4}を要求するというなかなかイカツイ打ち消し呪文だ。コントロールには嬉しい序盤を捌くカードであり、後見を受けられれば終盤でも活躍するこの打ち消し、目にする機会が増えるかも?

 かつてのタルキール環境でも見られたドラゴン系コントロールデッキ。龍嵐録環境ではまずジェスカイ型が先陣を切る形に。《道の体現者、シィコ》が示す道に従うか、それともほかの精霊龍の導きを信じるかは君次第。さあ、ドラゴンらと共にスタンダー道を駆け抜けよう!

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