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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

今週のCool Deck:消尽起動!過去立たせゴブリン(パイオニア)

岩SHOW
 

 マジック特有のクールさを追い求め、クールなカードやクールなデッキを語る今週のCool Deck。今回は個人的に今最もクールであると感じる1枚をピックアップ。《グリスレンチのゴブリン》!このゴブリンは最近目にすることが増えてきた1枚だ。

 まず1マナでパワー2、アンコモンでこのスペックは普通になってきたな……《サバンナ・ライオン》レア世代としては時間の経過を感じるものだね。さらにこのゴブリンは消尽という1回こっきりの制限付き起動型能力持ちだ。3マナで+1/+1カウンターを1個乗せる、永続的に強化するものとしては可もなく不可もなしってところだが……それだけでなく、最大2枚の手札を捨てて同じ枚数のカードをドローするというオマケ……いやこちらが本体でカウンターがオマケという感じだな。手札入れ替え、所謂ルーターと呼ばれる類の能力で、手札の枚数が増えることはないが不要なものを捨てることで実質的なアドバンテージを得られるため、見た目以上にゲームに影響を及ぼすものである。1ターン目に出したパワー2として数回攻撃、タフネス1であるため戦闘に行けなくなるタイミングは早いだろうが、相手にブロック役がいてもぼーっと突っ立っているのだけでなく質的アドバンテージを提供しつつ打点アップ。1マナクリーチャーがこれだけ働けば十分にクールすぎるぜ。

 このグリスレンチは赤いアグロにおいて理想的な1枚だが、最もクールに輝けるのはもちろん……

CuteChandra19 - 「ボロス・ゴブリン」
Magic Online Pioneer Challenge 32 トップ8 / パイオニア (2025年3月16日)[MO] [ARENA]
4 《聖なる鋳造所
4 《戦場の鍛冶場
4 《感動的な眺望所
4 《針縁の小道
1 《魂の洞窟
3 《バグベアの居住地
1 《反逆のるつぼ、霜剣山
2 《
-土地(23)-

4 《グリスレンチのゴブリン
4 《スカークの探鉱者
4 《騒音の悪獣
3 《鋳造所通りの住人
4 《ランドヴェルトの大群率い
4 《雄叫ぶゴブリン
4 《ゴブリンの扇動者
-クリーチャー(27)-
3 《塔の点火
3 《過去立たせ
4 《鏡割りの寓話
-呪文(10)-
4 《厳しい試験官
2 《ゴバカーンへの侵攻
3 《レッドキャップの乱闘
2 《未認可霊柩車
1 《月揺らしの騎兵隊
3 《先駆ける者、ナヒリ
-サイドボード(15)-
Magic Online より引用)

 

 

 ゴブリンデッキ!というわけでパイオニアのクールなゴブリンデッキをご紹介。色はほぼ赤単に白を足したもの。スタンダードでも《ランドヴェルトの大群率い》らを用いて全体強化&継続戦闘能力を高めるゴブリンデッキを組めるが、やはり選択肢はセットが多ければ多いほど良い、当たり前の話だが広いフィールドの方がゴブリンなどの同族デッキは強くなる。ランドヴェルトをはじめ、《スカークの探鉱者》でゴブリンをマナに変換できるなど、様々な仕組みを取り込むことができるため、単純なアグロデッキよりもエクストリームでクールな動きを狙えるのだ。マナを得られる探鉱者はグリスレンチと特に相性良さそうだ。

 

 このゴブリンデッキに白を取り入れるのが最近のクールなトレンド、その理由は《過去立たせ》!このソーサリーは2マナ以下のクリーチャーを墓地から戦場に戻す……1枚2枚どころではなくすべてだ。これで除去されたり戦闘で打ち負けやすい小粒なゴブリンらを一気に戻してリカバリーを図るわけだ。特に強いのは《スカークの探鉱者》でゴブリンらを生け贄に捧げてマナを得て、《過去立たせ》でそれらを戻すというムーブ。そうして損失なしで得た赤マナを使って《雄叫ぶゴブリン》の能力を起動し、戻ったゴブリン全員のパワーを上げつつ速攻を付与、これを複数回起動してバコーンと殴ってフィニッシュ!COOOL‼《鋳造所通りの住人》など能力がゴリゴリに誘発するので、これに速攻を付けてやれば20点など一瞬で消し飛んでしまう。グリスレンチや《鏡割りの寓話》で捨てたゴブリンを戻し、これらのルーターのための経費を取り戻してしまおう。

 

 さて、このデッキのクールさはサイドボードにもみられる。プレインズウォーカー《先駆ける者、ナヒリ》!手札の入れ替え能力、そしてエンチャントかタップ状態のアーティファクトorクリーチャーを追放する除去能力……エンチャントが強いパイオニアでいい仕事をしてくれそうだが、それはまあオマケ的なところで本命としては[-8]能力を狙っている。

 ライブラリーの中からクリーチャーを探して戦場に出し速攻を与えるという恐ろしい一撃、これでゴブリンを持ってきてもいいが、もっともっとパワフルなものを……というわけで《月揺らしの騎兵隊》をセットでサイドイン!このスピリットは戦場に出た時に全クリーチャーに飛行と、自身がコントロールしているクリーチャーの数だけのサイズアップをもたらす。横並びするゴブリン達がこの修正を受けるとなると……騎兵隊自身も速攻で殴れるので、下手すりゃ100点オーバーのダメージも叩き込めてしまう。やりすぎだって?オーバーキルもクールなもんなんだよ!睨みあいに陥りがちなマッチアップで、ナヒリで[+2]起動を連打して豪快すぎるフィニッシュを狙おう。

 

 タルキール次元にはゴブリンが生息しており、マルドゥ氏族に属していたり獰猛なドラゴンの召使いとして食物を提供して必死に生き延びていた。果たして新たなタルキールの風景にはどんなゴブリンが棲んでいるのだろうか?新カードが楽しみだ。それじゃ今週はここまで。Stay cool! Watch out for goblins!

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